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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045208
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】転売防止機能の付いた台本
(51)【国際特許分類】
   B42D 3/00 20060101AFI20220311BHJP
【FI】
B42D3/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150772
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】520347948
【氏名又は名称】三映印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147326
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 純一
(72)【発明者】
【氏名】相原 晃
(72)【発明者】
【氏名】藤野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】石井 与雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】角田 文武
(72)【発明者】
【氏名】高橋 綾子
(57)【要約】
【課題】
台本に転売防止機能を付加することにより、関係者に貸与された台本が古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止する。
【解決手段】
印刷、製本工程で、本身の背部と表紙裏面背巾部を接着する際に表紙裏面背巾部や表紙裏面に一冊ごとに異なる通し番号を印刷しておき、本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤で貼着して通し番号部を隠蔽し、又は製本物の表紙の内部側に製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されているなどして、通し番号が印刷製本されている台本を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本される本身を有し、
該本身の綴じ部側を包み込む表紙を製作して本身の背部と表紙裏面背巾部を貼着して製本するくるみ工程において、
該表紙裏面背巾部側の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し連続した形で帯状に印刷し、
該印刷した通し番号の繰り返し部分を糊代として前記本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本。
【請求項2】
前記表紙裏面背巾部に印刷される通し番号はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、
該印刷された通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着材にて貼着していることを特徴とする請求項1に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項3】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
又は製本物の表紙の内部側に製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項4】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該構成に併用して製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項5】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている製本物となし、
該製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷された構成をなし、
該構成に併用して、製本物の表紙表面、表紙見返り部に貸与されたものを特定可能な通し番号の記載があること、台本は非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は警察官への申告義務を負う旨の記述の印刷がされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項6】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該構成に併用して製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されている構成の製本物において、
該製本物に印刷される夫々の通し番号の印刷はバリアブル印刷により行われ製本物の冊子ごとに異なる通し番号とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の転売防止機能の付いた台本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転売防止機能の付いた映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等の各種台本の印刷、製本に関するものである。
【0002】
本発明の目的は、映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等に印刷され製本された台本に転売防止機能を付加することにより、制作関係者に貸与された使用済みの台本が古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止するものである。
【背景技術】
【0003】
映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等の各種台本は、一般の印刷物とは異なる特徴的な事実として、撮影や演劇の制作関係者や出演者に限り貸与されるものであり、極めて限定された冊数しか刷られない上に、一般的に台本として市販されることはない。このことは、撮影されたものや演じられたものと台本との間に生じる齟齬等は、視聴者や観客に全て公開する性質のものではなく、所謂、舞台裏での事象の公開は、プロデューサー側が制作担当者や出演者に対して、仕事上の守秘義務として厳守することを課しているからである。
【0004】
然しながら、撮影や演劇の制作関係者や出演者等に限り貸与される極めて限定された冊数しか印刷されない台本は希少性が高く、一般のファンは、これを見たい、コレクションとして収集したいとの欲求が強く、古物商やインターネットオークション等に出店されると、希少性が高いが故に高額で取引されることが多い。このため関係者の中には、守秘義務に違反して、台本を転売する者がいる。
【0005】
従って、映画やテレビドラマ、演劇等のプロデューサー側は、台本を制作担当者に貸与する際に、その台本の所有権は、プロデューサー側に帰属し、台本の複製、貸与、譲渡、公衆送信等を禁ずる旨を明示すると共に、台本の一部一部に、通しナンバーを印刷したり、刻印をして貸与者を登録し、貸与者が自己管理するもので、前記台本に通しナンバーの印刷や、通しナンバーを刻印する場所は、台本の表紙や背表紙、裏表紙であった。そして、通しナンバーの台本への印刷等により、台本の貸与された者が、制作中や制作後においても直ぐに判明できるように構成して一部一部の貸与先を管理しているのが現況である。
【0006】
而して、映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等の各種台本の貸与にあたり、台本の一部一部に、通しナンバーを印刷したり刻印する従来の登録制度では、その通しナンバーを消されてしまったり、書き換え変更して、古物商やインターネットオークションを介して転売されることが非常に多くなってきた。そして、その現況は、制作現場で実際に使用された台本、所謂、本物の台本は、コピー機等で複写された台本と異なり、コレクションとして非常に高値で取引されるので、問題視されてきている。
【0007】
本発明は、映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等に印刷され製本された台本に転売防止機能を付加することにより、使用済みの台本が古物商やネットオークションを介して高値で転売されることを防止可能とする台本を提供するものである。
【0008】
本発明に関連する先行技術文献に関して記述すれば、特開2008-221784号 公開特許公報(以下、特許文献1と称する)には、印刷画像のコピーを簡単、且つ確実に防止可能なコピー防止印刷物及びこのコピー防止印刷物を作成する印刷機を提供することを目的に、印刷物のコピー防止を望む領域に垂直方向に入射する可視光を透過せず、斜め方向に入射する可視光を選択的に通過するコピー防止シートを貼り付けることにより、複写機によるコピー又はスキャナーによる画像読み取りを防ぐことの可能なコピー防止印刷物が開示されている。
【0009】
そして、特許文献1の発明は、台本の高値転売の問題に転化してみると、台本をコピーすることで、台本に記載された内容や制作時に知り得た業務上の秘密を第三者に開示することを防止する意味では、十分に効果のある発明であり、コピーすることで台本に記載された内容や制作時に知り得た業務上の秘密を第三者に拡散することの防止策としては大いに役に立つ発明であることは明らかである。然しながら、コピー製品ではない本物の希少価値に対する高値での取引の台本転売防止策としては、対応できるものではない。
【0010】
また、本発明に関連する先行技術文献として、特開平5-270170号 特開特許公報(以下、特許文献2と称する)には、盗難防止機能付き書籍、及びその書籍を作成する上での効率的な製本方法が示されている。特許文献2の発明では、書籍本体の表面内側に電磁場等所定の場に影響を与えるシート状タグが貼着されている盗難防止機能付き本、前記シート状タグが磁性体である盗難防止機能付き本、書籍本体の表紙内面に電磁場等所定の場に影響を与える物質が印刷されている盗難防止機能付き本、そして、前記物質が磁性インクであること等の特徴を有する盗難防止機能付き本で、書籍本体の表紙となる表紙材料に書籍本体の本文中身を糊付けするくるみ工程を有してなる製本方法において、前記表紙材料における本文中身が糊付けされる部分に、電磁場等所定の場に影響を与えることのできるシート状のタグを予め糊付けに使用する糊により仮付けしておき、然る後前記本文中身を前記表紙材料に糊付けする製本方法が開示されている。
【0011】
而して、特許文献2の発明は、店補や図書館等において書籍の万引きあるいは無断持ち出し等を確実に防止できるほか、盗難防止機能の付与を製本工程において出来るので、書店員或いは図書館員等が各書籍前に盗難防止用のタグを取り付ける必要がなく、またタグとして磁性材を用いることにより高汎用性と低コスト化を実現できるものとしており、タグとして磁性材料を使用し、該磁性材料製のタグに台本に関する所有権の情報を記録しておくことは可能と思われる。
【0012】
然しながら、台本は、プロデューサー側から制作担当者や出演者に貸与されるものであり、書店や図書館からの無断持ち出しや万引きの等の盗難防止機能のシチュエーションとは大きく異なるもので、転売された後の出所確認には役立つものの転売防止抑制策としては十分なものではない。また、書籍の盗難防止機能の設置には、書籍本体側に設けられるシート状のタグと前記書店や図書館の出口付近に設けられる磁場感知装置の組み合わせが必要で、タグシートを台本に装着して転売防止用とするには、台本が量販品とはなり得ず、少量の限定印刷であることから、コスト高となる経済的な欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008-221784号 公開特許公報
【特許文献2】特開平5-270170号 公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、映画やテレビドラマ用、アニメ用、演劇用等に印刷され製本された台本に転売防止機能を付加することにより、制作関係者に貸与された使用済みの台本が古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本される本身から成り、該本身の綴じ部側を包み込む表紙を製作して本身の背部と表紙裏面背巾部を貼着して製本するくるみ工程において、前記表紙裏面背巾部側の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し連続した形で帯状に印刷して、該印刷した帯状通し番号の繰り返し部分を糊代として前記本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。而して、本発明を実施した前記台本は、冊子本身の背部と表紙に覆われて隠蔽されている貸与先の登録者を示す通し番号や識別記号(識別記号等も含めて通し番号と称する)が、転売防止の抑止機能となり、該抑止機能を取り除いて、転売可能にするためには、冊子の本身と表紙を剥がし取り、表紙裏面背巾部に印刷された通し番号(繰り返し帯状に印刷された)を削り取り、または、書き換えしたり、消したりすることになるので、台本が大きく損傷する。従って、このような転売を目的とする台本の偽装工作のための剥がし取りや、破壊行為は、希少価値の高い無傷の台本と比較して、希少価値を大幅に下げることになることから、台本の転売防止機能として作用するので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止するものである。
【0016】
また、本発明は冊子の本身と表紙の関係において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、該印刷された帯状通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着材にて貼着している構成を有している。従って、表紙裏面背巾部に印刷された帯状の通し番号の削り取りや、書き換えをするには冊子の本身背部と表紙裏面背巾部を剥がし取ることになるが、この作業は冊子をバラバラに分解してしまうことになる。また、表紙裏面背巾部に印刷された帯状の通し番号の書き換えや塗りつぶし工作には、冊子の本身と表紙を剥がし取り、破損することによりしか書き換えしたり、消したり、除去することが出来ず、冊子の本身と表紙の破損修復工作は、希少価値の高い無傷の台本と比較して希少価値を大幅に下げることから、台本の転売防止機能として作用するので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止するものである。
【0017】
更に、本発明において、表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる帯状の通し番号を印刷しており、該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、該構成に併用して製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されている構成の台本を提供するもので、台本の本身と表紙を剥がし取り、隠された背巾部に印刷された通し番号の書き換えや、塗りつぶしによる台本の破損工作による転売防止機能と併用して、台本の表紙表面、又は表紙の内部側に通し番号を繰り返したパターン状のデザインを印刷し、その通し番号を全て塗りつぶすことや書き換えることを困難ならしめ、あるいはこれらを行えば本物の台本の希少価値を大幅に下げさせることにより、台本の転売防止機能として作用させ、該台本の転売を防止するものである。
【0018】
そして、本発明において、表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、該該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は、製本物の外部から本身の背部と表紙裏面背巾部に覆われ隠蔽されている製本物となし、該製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷された構成をなし、該構成に併用して、製本物の表紙表面や表紙見返り部に貸与されたものを特定可能な通し番号の記載があること、並びに台本は非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は警察官への申告義務を負う旨の記述の印刷がされている構成とし、その構成が台本の転売防止機能として作用して、転売されること防止するものであある。
【0019】
また、本発明に係る台本の印刷、製本は、バリアブル印刷(Variable Data Printing)を活用することに行われる。バリアブル印刷とは、印刷物の一点一点が異なる内容が含まれるような印刷、製本を可能にしたもので、通し番号や識別記号が一枚ごとに異なる表紙裏面背巾部の印刷や製本、同様に一冊ごとに通し番号や識別記号を印刷する表紙を差し込んでの連続的な印刷や製本を可能にした技術で、本発明に係る表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙裏面背巾部に覆われ隠蔽されている構成をなし、該構成に併用して製本物の表紙の内部側には繰り返されたパターン状のデザイン等の形式で通し番号が印刷されている構成の製本物で、該製本物に印刷される夫々の通し番号の印刷や製本はバリアブル印刷により行われ製本物の冊子ごとに異なる通し番号を印刷した台本が製本可能である。
【0020】
従って、本発明に係る転売防止機能の付いた台本は、冊子別に印刷され一枚ごとに異なる通し番号を印刷して、本身の背部と表紙裏面背巾部間を接着剤を介して貼着するくるみ工程に使用可能であり、該表紙裏面背巾部に冊子別に印刷される通し番号は、製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成を作り出すことができる。そして、前記構成に併用して、統一的にデザイン化された製本物の表紙表面、又は裏面にも一枚ごとに異なる通し番号をベースのデザインとは別に印刷可能であり、場合により貸与者の名前を予め印刷することもできる。また、表紙の内部側に繰り返されたパターン状のデザインとして印刷されている通し番号の印刷も一冊ごとに可変表示可能であることから、該表紙裏面背巾部の通し番号の印刷、表紙の表面又は表紙の内部側に繰り返されたパターン状のデザインとして印刷される通し番号の印刷、製本は、バリアブル印刷により安価に印刷、製本されることになり転売防止機能の付いた台本を経済的に提供することが可能である。
【発明の効果】
【0021】
斯くして、本発明は、表紙裏面背巾部の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し帯状に印刷し、該印刷した通し番号の繰り返し部分を糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着している構成とすることで、表紙裏面背部の帯状通し番号の書き換えや塗りつぶし工作には、台本の本身と表紙を剥がし取り、破壊することでしか、書き換えしたり、消したり、除去することが出来ず、台本の本身と表紙の破損修復工作は、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有して、台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に通し番号を付し識別可能として貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0022】
また、本発明において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号は、その通し番号を繰り返して表紙裏面背巾部の天地間に帯状に印刷していることにより、台本の本身と表紙背巾部の全面を剥がし取り、その部分を消したり除去することにより肝心な表紙や本身を傷つけたり壊して希少価値をなくしてしまうことや、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部の天地間に帯状に印刷等していることにより、台本の本身と表紙背巾部の剥がし取り工作中に台本の本身側に貼りついた反転数字は、はっきりとした通し番号として読み取り易い状態で残ってしまう等の構成を有しており、これらの構成を無視して、台本の本身と表紙を剥がし取り、破壊することは、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有しており、これらが台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0023】
更に、本発明は、表紙裏面背巾部に設けられた通し番号の削り取りや、書き換え、塗りつぶし工作が困難な構成を有し、転売の為に通し番号等を工作すると希少価値を大幅に下げる台本の転売防止機能を有すること、また、製本物の表紙表面、又は表紙の内部側に繰り返されたパターン状のデザインとして通し番号が印刷されている台本を提供することで、塗りつぶしや書き換えを瞬時に露見される等の転売を防止する機能を有すること、台本の非常に見やすい表紙表面、または、表紙見返り部には、貸与者を特定可能な通し番号の記載があることや、台本は、非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、この台本は、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は、警察官への申告義務を負う旨の記述が明記されている構成を有していることで、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0024】
そして、本発明における構成要件の表紙裏面背面部への冊子別に異なる通し番号の印刷、及び表紙の表面、又は表紙の内部側に印刷される冊子別に異なる通し番号の印刷は、バリアブル印刷により安価に印刷、製本可能で、転売防止機能の付いた台本を経済的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】(A)本発明の台本の表紙を説明する平面図である。 (B)本発明の台本を説明する正面図である。
図2】本発明の台本を制作するための構成説明図である。
図3】本発明の姿図である。
図4】本発明の他の実施例を示す説明図である。
図5】本発明の他の実施例を示す姿図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本される本身を有し、該本身の綴じ部側を包み込む表紙を製作して本身の背部と表紙裏面背巾部を貼着して製本するくるみ工程において、該表紙裏面背巾部側の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し連続した形で帯状に印刷し、該印刷した通し番号の繰り返し部分を糊代として前記本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【0027】
また、本発明において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号は、その通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、該印刷された通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着材にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【0028】
更に、本発明において、表紙裏面背巾部には、製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、該構成に併用して製本物の表紙の内部側には繰り返されたパターン状のデザインとして通し番号が印刷されていることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【0029】
そして、本発明の表紙裏面背巾部には、製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、該該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている製本物となし、該製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号に対して繰り返されたパターン状の通し番号が配置されて印刷された構成をなし、該構成に併用して、製本物の表紙表面、表紙見返り部に貸与されたものを特定可能な通し番号の記載があること、台本は非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は警察官への申告義務を負う旨の記述の印刷がされていることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【0030】
また、本発明において、表紙裏面背巾部には、製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成をなし、該構成に併用して製本物の表紙の内部側には繰り返されたパターン状のデザインとして通し番号が印刷されている構成の製本物において、該製本物に印刷される夫々の通し番号の印刷はバリアブル印刷により行われ製本物の冊子ごとに異なる通し番号とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【0031】
斯くして、本発明は、表紙裏面背巾部の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し帯状に印刷し、該印刷した通し番号の繰り返し部分を糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着している構成とすることで、表紙裏面背部の帯状通し番号の書き換えや塗りつぶし工作には、台本の本身と表紙を剥がし取り、破壊することでしか、書き換えしたり、消したり、除去することが出来ず、台本の本身と表紙の破損修復工作は、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有して、台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に通し番号を付し識別可能として貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0032】
また、本発明において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号は、その通し番号を繰り返して表紙裏面背巾部の天地間に帯状に印刷していることにより、台本の本身と表紙背巾部の全面を剥がし取り、その部分を消したり除去することにより肝心な表紙や本身を傷つけたり壊して希少価値をなくしてしまうことや、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部の天地間に帯状に印刷等していることにより、台本の本身と表紙背巾部の剥がし取り工作中に台本の本身側に貼りついた反転数字は、はっきりとした通し番号として読み取り易い状態で残ってしまう等の構成を有しており、これらの構成を無視して、台本の本身と表紙を剥がし取り、破壊することは、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有しており、これらが台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0033】
更に、本発明は、表紙裏面背巾部に設けられた通し番号の削り取りや、書き換え、塗りつぶし工作が困難な構成を有し、転売の為に通し番号等を工作すると希少価値を大幅に下げる台本の転売防止機能を有すること、また、製本物の表紙表面、又は表紙の内部側に繰り返されたパターン状のデザインとして通し番号が印刷されている台本を提供することで塗りつぶしを瞬時に露見させてしまうことから転売を防止する機能として作用する。また、本発明においては、台本の非常に見やすい表紙表面、または、表紙見返り部には、貸与者を特定可能な通し番号の記載があることや、台本は、非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、この台本は、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は、警察官への申告義務を負う旨の記述が明記されている構成を有していることで、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0034】
そして、本発明における構成要件の表紙裏面背面部への冊子別に異なる通し番号の印刷、及び表紙の表面、又は表紙の内部側に印刷される冊子別に異なる通し番号の印刷は、バリアブル印刷により安価に印刷、製本可能で、転売防止機能の付いた台本を経済的に提供することができる。
【実施例0035】
図1(A)は、本発明の台本の表紙を説明する平面図であり、図1(B)は本発明の台本を製本するための部材配置図を示している。図1(A)、(B)において、1は印刷、製本された台本、2は台本の表紙、3は表紙表面、4は表紙裏面、5は台本の表紙に印刷された台本名、6は台本に付けられる表紙用通し番号欄で、その通し番号は、例えば、No.001から025、そして、025~100と云ったように台本の貸与者を通し番号ごとに登録して、制作関係者や出演者に貸与される。また、表紙用通し番号欄6には、貸与者の個人名や通し番号や他の数字や記号を識別記号として、印刷や刻印がされることもあるが、本発明では、前記識別用文字や記号を台本ごとに印刷された通し番号として説明する。次に、7はこの台本の所有権に係る説明及び対処方法を示す注意事項欄で、本発明においては、表紙2等の非常に見やすく、解り易い位置に出来るだけ大きく、はっきりと印刷する。
【0036】
そして、7は注意事項欄であり、該注意事項欄7には、本発明の台本1の取り扱いに係る注意事項として、例えば、
1)台本の表紙表面、または、表紙見返り部には、貸与者を特定可能な通し番号や記号等の記載があること。
2)台本は、非売品でその所有権は表記のプロデューサー側に帰属すること。
3)この台本は、転売、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること。
4)不正品の疑いのある古物を持ち込まれた古物商は、法律上、警察官への申告義務を負うこと。
等が明記されている。
【0037】
図1(B)において、1は台本、2は表紙、3は表紙表面、4は表紙裏面、8は冊子として製本された台本の本身、9は台本の綴じ部側、10は本身の背部、11は表紙の背巾部、12は表紙裏面背巾部であり、図1(B)は、折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本された台本の本身8から成り、該台本の本身8の綴じ部側9を包み込む表紙2を製作して前記台本1の本身の背部10と表紙裏面背巾部12を接着して製本するくるみ工程にて台本1を製本している。
【0038】
図2は、本発明の台本を製本するための構成説明図を示している。図2において、1は台本、2は表紙、3は表紙表面、4は表紙裏面、13は表紙表面見返し、14は表紙裏面見返し、8は台本の本身、9は台本の綴じ部側、10は本身の背部、12は表紙裏面背巾部、16は表紙裏面背巾部に印刷された通し番号、17は台本の天、18は台本の地を示しており、製本される台本の本身8の綴じ部側9を包み込むための表紙2を製作して、前記本身の背部10と表紙裏面背部12を接着して製本する際に表紙裏面背巾部12には、台本ごとに別々に印刷された通し番号16となる数字や記号を連続して帯状に印刷されており、該通し番号16を印刷した表紙裏面背巾部12は糊代19を構成している。
【0039】
また、図3は実施例1の姿図を示し図1及び図2と同一記号は、同一構成要素を示しており、図3は、台本を製本するために本身の背部10と表紙裏面背巾部12を接着材にて貼着し台本の本身8と表紙表面見返し13が見えている状態を示している。
【0040】
そして、折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本される台本の本身8を有し、該本身8の綴じ部側9を包み込む表紙2を製作して本身の背部10と表紙裏面背巾部12を貼着して製本するくるみ工程において、該表紙裏面背巾部12の台本の天17と台本の地18間には、製本物別に配布先の識別記号となる通し番号16を繰り返し連続した形で帯状に印刷し、該印刷した通し番号16の繰り返し部分を糊代19として前記本身の背部10と表紙裏面背巾部12を接着剤にて貼着して図3に示すような台本1が制作される。
【0041】
而して、実施例1においては、前記表紙裏面背巾部12に印刷される通し番号16はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部12側の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷することも実施例としても可能であり、図2に示すように通し番号16の例えば025なる数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部12側の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷等しており、該印刷された通し番号16部分は糊代19として本身の背部10と表紙裏面背巾部16を接着材にて貼着している転売防止機能の付いた台本を提供している。
【0042】
従って、本発明においは、表紙裏面背巾部12に印刷される通し番号16は、その通し番号を繰り返して表紙裏面背巾部12の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷していることにより、図3に示す状態から、本身の背部10と表紙裏面背巾部12の全面を剥がし取り、その部分を消したり除去することにより肝心な表紙や本身を傷つけたり壊して希少価値をなくしてしまうことや、通し番号16の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部16の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷等していることにより、台本の本身8と表紙裏面背巾部16の剥がし取り工作中に本身の背部10側に貼りついてしまった反転数字は、はっきりとした通し番号16として読み取り易い状態で残ってしまう等の構成を有しており、これらの構成を無視して、本身の背部10と表紙裏面背巾部12を剥がし取り、破壊することは、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有しており、これらが台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0043】
更に、実施例1は、図1にて示す如く、注意事項欄7で、台本の非常に見やすい表紙表面3、または、表紙表面見返し13に注意事項欄7を設け、該注意事項欄7で貸与者を特定可能な通し番号の記載があることや、台本は、非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、この台本は、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は、警察官への申告義務を負う旨の記述が明記されている構成を有していることで、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【実施例0044】
実施例2において、図4は、実施例2の説明図で表紙の表紙表面見返し13と表紙裏面見返し14を開いた状態を示す説明図、図5は台本の本身背部10と表紙裏面背巾部12を接着材で貼着した状態を示す説明図である。図4図5において、図1乃至図3と同一記号は同一構成要素を示しており、2は表紙、12は表紙裏面背巾部、13は表紙表面見返し、14は表紙裏面見返しで表紙の内部側を示しており、くるみ工程で台本の本身8を覆う表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14、表紙裏面背巾部12には、通し番号20a、20b、20c・・・が連続的に印刷されており、それらは、前記表紙裏面背巾部12に印刷された通し番号16に対して繰り返されたパターン状のデザインとして印刷されている。そして、通し番号20a、20b、20c・・・は表紙裏面背巾部12を中心に配列して表紙裏見返し14から表紙表面見返し13に亘り全面的に印刷されており、該通し番号20a、20b、20c・・・は目立たなく薄色印刷や中抜き文字、又は、書き換えの難しいデザイン文字等で構成され印刷している。
【0045】
そして、前記表紙裏面背巾部12には実施例1と同様の通し番号16が印刷されており、該表紙裏面背巾部12に印刷される通し番号16は、その通し番号を繰り返して表紙裏面背巾部12の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷していることにより、本身の背部10と表紙裏面背巾部12の全面を剥がし取り、その部分を消したり除去することにより肝心な表紙や本身を傷つけたり壊して希少価値をなくしてしまうことや、通し番号16の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部16の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷等していることにより、台本の本身8と表紙裏面背巾部16の剥がし取り工作中に本身の背部10側に貼りついてしまった反転数字は、はっきりとした通し番号16として読み取り易い状態で残ってしまう等の構成を有しており、これらの構成を無視して、本身の背部10と表紙裏面背巾部12を剥がし取り、破壊することは、希少価値の高い無傷の台本と比較して、明らかに希少価値をなくして価格を大幅に下げること、又は無価値にしてしまう構成を有しており、これらが台本の転売防止機能として作用するもので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【0046】
次に、図5は台本の本身の背部10と表紙裏面背巾部12を接着材で貼着した状態を示す姿図で、本身の背部10に表紙裏面背巾部12を接着材等で貼着することにより台本1を製本しており、くるみ工程で台本の本身8を覆う表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14には、通し番号や記号20a、20b、20c・・・が表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14の全面にパターン状に印刷された構成を有しており、この全面にパターン状に印刷された通し番号20a、20b、20c・・・の書き換えや塗りつぶし工作には、多大な労力と難しさを有する他に、本物の台本を偽造化させてしまうこともあり、転売されることを防止可能にしている。
【0047】
斯くして、本発明は、前述の表紙裏面背巾部12の通し番号16の削り取りや、書き換え、塗りつぶし工作が困難な構成を有し、転売の為に表紙裏面背巾部12の通し番号16を工作することで台本1が破損したり破壊して、希少価値を大幅に下げる台本の転売防止機能を有すること、また、台本1の表紙表面見返し13、表紙裏面背巾部12や表紙裏面見返し14に亘って記載され通し番号20a、20b、20c・・・が印刷されている台本を提供することで、塗りつぶし部分を瞬時に発見して転売を防止する機能を有すること、台本1の非常に見やすい表紙表面3等に、貸与者を特定可能な通し番号や記号等の記載があることや、台本1は、非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、この台本1は、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本1を持ち込まれた古物商は、警察官への申告義務を負う旨の記述が明記されている構成を有していることで、制作関係者に貸与された使用済みの台本1が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止可能とするものである。
【実施例0048】
また、本発明に係る図1乃至図5の説明において、台本1の印刷、製本は、バリアブル印刷(Variable Data Printing)を活用することに行われる。バリアブル印刷とは、印刷物の一点一点が異なる内容が含まれるような印刷、製本を可能にしたもので、通し番号16や、通し番号20a、20b、20c・・・等が一冊ごとに異なる台本の印刷や、製本を可能にした技術で、本発明に係る表紙裏面背巾部12や表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14等の冊子別に印刷され一冊ごとに異なる通し番号16、通し番号20a、20b、20c・・・を夫々印刷して本身の背部10と表紙裏面背巾部12間に接着剤を介して貼着するくるみ工程に使用可能であり、該表紙裏面背巾部12の冊子別に印刷され通し番号16等は、製本物の外部から本身の背部10や表紙の表紙裏面背巾部12に挟まれて隠蔽される構成等を簡単且つ安価に作り出すことができる。そして、前記構成に併用して、表紙2の表紙表面見返し13、又は表紙裏面見返し14に通し番号や記号20a、20b、20c・・・の印刷も一冊ごとに可変表示可能であり、該表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14に印刷される夫々異なる通し番号20a、20b、20c・・・の印刷は、バリアブル印刷により安価に印刷、製本されることになり転売防止機能の付いた台本を経済的に提供することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 台本
2 表紙
3 表紙表面
4 表紙裏面(図1(B)に示す)
5 台本名
6 表紙用通し番号欄
7 注意事項欄
8 台本の本身
9 台本の綴じ部側
10 本身の背部
11 表紙の背巾部
12 表紙裏面背巾部
13 表紙表面見返し
14 表紙裏面見返し
16 通し番号
17 台本の天
18 台本の地
19 糊代
20a、20b、20c・・・ 通し番号
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折丁をページ順に揃えて丁合し無線綴じ、平綴じ等にて冊子として製本される台本の本身を有し、
台本の本身における台本の綴じ部側を包み込む表紙を製作して本身の背部と表紙裏面背巾部を貼着して製本するくるみ工程において、
該表紙裏面背巾部側の天地間には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返し連続した形で帯状に印刷し、
該印刷した通し番号の繰り返し部分を糊代として前記本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本。
【請求項2】
前記表紙裏面背巾部に印刷される通し番号はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、
該印刷された通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする請求項1に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項3】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該構成の製本物は表紙の内部側に製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項4】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該構成に併用して製本物の表紙の内部側には表紙裏面背巾部を中心に配列して表紙裏面見返しから表紙表面見返しに亘り全面的に繰り返し印刷されたパターン状のデザイン通し番号が印刷されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項5】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号に対してクロス状に配置したデザイン的に許される出来る限り大きな通し番号が印刷された構成となし、
該構成に併用して製本物の表紙表面、表紙見返り部に貸与されたものを特定可能な通し番号の記載があること、台本は非売品でその所有権は記載のプロデューサー側に帰属すること、複製、貸与、譲渡、公衆送信を禁じること、並びにこの台本を持ち込まれた古物商は警察官への申告義務を負う旨の記述の印刷がされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の転売防止機能の付いた台本。
【請求項6】
前記表紙裏面背巾部には製本物別に配布先の識別記号となる通し番号を印刷しており、
該印刷された通し番号部分を有する表紙裏面背巾部と本身の背部は接着剤にて貼着されており、
前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号は製本物の外部から本身の背部や表紙の背巾部に覆われ隠蔽されている構成となし、
該構成に併用して製本物の表紙の内部側には前記表紙裏面背巾部に印刷された通し番号を繰り返したパターン状のデザインが印刷されている構成の製本物において、
該製本物に印刷される夫々の通し番号の印刷はバリアブル印刷により行われ製本物の冊子ごとに異なる通し番号とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の転売防止機能の付いた台本。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明は冊子の本身と表紙の関係において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、該印刷された帯状通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着している構成を有している。従って、表紙裏面背巾部に印刷された帯状の通し番号の削り取りや、書き換えをするには冊子の本身背部と表紙裏面背巾部を剥がし取ることになるが、この作業は冊子をバラバラに分解してしまうことになる。また、表紙裏面背巾部に印刷された帯状の通し番号の書き換えや塗りつぶし工作には、冊子の本身と表紙を剥がし取り、破損することによりしか書き換えしたり、消したり、除去することが出来ず、冊子の本身と表紙の破損修復工作は、希少価値の高い無傷の台本と比較して希少価値を大幅に下げることから、台本の転売防止機能として作用するので、制作関係者に貸与された使用済みの台本が、古物商やインターネットオークションを介して転売されることを防止するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
また、本発明において、表紙裏面背巾部に印刷される通し番号は、その通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷、又は、通し番号の数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部側の天地間に帯状に印刷等しており、該印刷された通し番号部分は糊代として本身の背部と表紙裏面背巾部を接着剤にて貼着していることを特徴とする転売防止機能の付いた台本を提供するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
而して、実施例1においては、前記表紙裏面背巾部12に印刷される通し番号16はその通し番号を連続し繰り返して連続的に表紙裏面背巾部12側の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷することも実施例としても可能であり、図2に示すように通し番号16の例えば025なる数字を交互に裏表反転させて繰り返し表紙裏面背巾部12側の台本の天17と台本の地18間に帯状に印刷等しており、該印刷された通し番号16部分は糊代19として本身の背部10と表紙裏面背巾部16を接着剤にて貼着している転売防止機能の付いた台本を提供している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
次に、図5は台本の本身の背部10と表紙裏面背巾部12を接着剤で貼着した状態を示す姿図で、本身の背部10に表紙裏面背巾部12を接着剤等で貼着することにより台本1を製本しており、くるみ工程で台本の本身8を覆う表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14には、デザイン的に許される出来る限り大きなデザイン通し番号や記号20a、20b、20c・・・が表紙表面見返し13、表紙裏面見返し14にはみ出して印刷された構成を有しており、このはみ出し構成のデザイン通し番号20a、20b、20c・・・の書き換えや塗りつぶし工作には、多大な労力と難しさを有する他に、本物の台本を偽造化させてしまうこともあり、転売されることを防止可能にしている。