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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045292
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220311BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150903
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 雄一
(72)【発明者】
【氏名】長田 優輝
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA02
2C518CA03
2C518CA08
2C518CA10
2C518DA01
2C518DA06
2C518EA12
2C518EB11
(57)【要約】
【課題】遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる遊技機を提供する。
【解決手段】AT制御手段は、演出状態が非AT状態であり、かつ当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合には、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知せず、演出状態がCZAT状態であり、かつ当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合には、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する。AT制御手段は、通常AT状態又はCZAT準備状態である場合には、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順を報知し、CZAT状態である場合には、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順を報知しない。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様と、第2当選態様と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、第3状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第3状態への移行が確定されたことに基づき移行される状態であり、
前記第3状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、遊技状態ごとに異なる規定投入数を設定することで、ボーナスや小役の当選確率を変動させ、遊技価値を獲得しやすくすることができる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-183133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機においては、ボーナスが終了した後の遊技状態において、予め設定された図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、他の遊技状態とは異なる規定投入数に設定されたリプレイタイム状態を開始するとともに、該リプレイタイム状態においてはボーナスや小役の当選確率が他のボーナス非当選中における遊技状態とは異なるように設定されており、遊技者の関心を惹きつけることができるように構成されている。しかしながら、特許文献1に記載の遊技機においては、遊技価値の獲得しやすさを変更するために、規則上制限が厳しいリプレイの当選態様の変動や、規定投入数の変更といった構成を用いており、設計上の制約が多く遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様と、第2当選態様と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、第3状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第3状態への移行が確定されたことに基づき移行される状態であり、
前記第3状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機における打順小役当選時に重複当選する小役を示す図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機において非RT状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における打順小役当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機におけるチャンス役、特殊小役、1枚役D~1枚役Jの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
図11】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作されるタイミングに応じて入賞する役について示す図、(B)は、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作されるタイミングに応じて入賞する役について示す図である。
図12】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に重複当選する小役の入賞図柄組合せと配当とを示す図、(B)は、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB1が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数を説明する図、(C)は、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数を説明する図、(D)は、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作された場合に有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数を説明する図である。
図13】本発明の実施形態の遊技機において、非AT状態でかつ当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選した場合に実行される入賞補助演出を示す図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機においてチャンス役、特殊小役、1枚役Dが入賞した場合に実行される演出を示す図である。
図15】本発明の実施形態の遊技機における1枚役K、レア役、リプレイAの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
図16】本発明の実施形態の遊技機においてボーナス成立状態における内部抽選で抽選の対象に設定されている各当選エリアに対応付けられた抽選値数と当選確率とを示す図である。
図17】本発明の変形例の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図18】本発明の変形例の遊技機においてボーナス成立状態における当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」の当選時に各打順で入賞可能となる役を示す図である。
図19】本発明の変形例の遊技機におけるチャンス役、特殊小役A、特殊小役B、1枚役E、1枚役Fの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。
図20】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図21】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図22】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図23】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図24】本発明の変形例の遊技機におけるAT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うための音響装置340が複数設けられている。音響装置340は、スピーカから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。また、前面上扉UDには、演出として種々の色に発光可能な発光装置350が設けられている。発光装置350は、LEDやランプから構成されており、遊技の進行に応じて種々の態様で発光される。
【0018】
また、前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選役コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述するAT制御手段200(図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する区間報知部500Aが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0021】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0022】
また、前面下扉DDには、後述する演出設定表示において、表示装置330に表示される演出の設定(演出設定)を選択する操作である選択操作を遊技者に実行させるためのセレクトボタンSB及び選択した演出設定を決定する操作である決定操作を遊技者に実行させるための決定ボタンDBも設けられている。
【0023】
セレクトボタンSBは、決定ボタンDBを中心に図1に示す4方向(以下、4方向について「上方向」、「下方向」、「左方向」、「右方向」と個別の方向にも記載)に向いた上セレクトボタンSBa、下セレクトボタンSBb、左セレクトボタンSBc、右セレクトボタンSBdの4つの略三角形のボタンから構成されている。また、決定ボタンDBは、セレクトボタンSBの中心に設けられた略円形のボタンから構成されている。セレクトボタンSBと決定ボタンDBとは、押下操作を検出した場合に出力する信号をOFF状態からON状態に切り換え、各ボタンに内蔵された5つのスイッチからなる演出操作スイッチ270によって、セレクトボタンSBが押下操作された場合には押下操作されたセレクトボタンSBに対応する信号(選択信号)を演出制御手段180(図2参照)に出力し、決定ボタンDBが押下操作された場合には対応する信号(決定信号)を演出制御手段180に出力する。
【0024】
遊技者は、演出設定を選択可能な期間において、セレクトボタンSBを操作することにより、表示装置330に表示される項目から特定の項目を選択することができ、決定ボタンDBを押下操作することで、選択した項目を確定することができる。スロットマシン1では、演出設定を選択可能な期間において、遊技者によるセレクトボタンSB及び決定ボタンDBの操作によって確定された演出設定に基づき、演出に係る各種処理を実行する。演出設定を選択可能な期間については、後述する。
【0025】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0026】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250及び設定変更スイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0027】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びアシストタイム制御手段(AT制御手段)200を含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0028】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、前面上扉UDが開放された状態で設定変更許可スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられている設定変更スイッチ260から出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0029】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、通常区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更前においてAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段200が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合、電断前にAT制御手段200が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0030】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0031】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0032】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0033】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0034】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0035】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0036】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0037】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0038】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し第1リールR1~第3リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0039】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
【0040】
本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0041】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0042】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0043】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0044】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0045】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞した役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0046】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0047】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0048】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0049】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0050】
演出制御手段180は、演出制御データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、演出表示装置としての表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出、発光装置350を用いて行う発光演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0051】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出制御データ記憶手段196に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0052】
本実施形態において、演出制御手段180は、AT制御手段200による入賞補助の実行時において、入賞補助で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0053】
AT制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助を実行可能な補助遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段197に記憶されているデータを用いて実行する。AT制御データ記憶手段197には、通常区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間内において実行されるAT状態及び非AT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が格納されている。
【0054】
AT制御手段200は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置500に当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作順序(正解打順)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する入賞補助(正解打順報知)を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段200による入賞補助が実行される場合に、演出制御手段180によって表示装置330に正解打順に対応する指標を表示する入賞補助演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0055】
AT制御手段200は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始するとともに、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理としての終了処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始し、かつ入賞補助が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に区間報知部500Aを点灯させる。このため、AT制御手段200は、有利区間を開始している場合であっても、入賞補助が実行されない演出状態である場合には、区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0056】
AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技において、第1有利区間カウンタ197aに初期値として値「1500」をセットし、1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を第1有利区間カウンタ197aに記憶される値(記憶値)から減算し、第1有利区間カウンタ197aの記憶値を累積的にデクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、AT制御手段200は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を第2有利区間カウンタ197bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0057】
本実施形態のAT制御手段200は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ第1有利区間カウンタ197aの記憶値に累積的に減算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を第2有利区間カウンタ197bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0058】
ここで、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで第2有利区間カウンタ197bの記憶値を減算した際に、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「0」未満となる場合、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を値「0」にセットする。これにより、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、第2有利区間カウンタ197bの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0059】
AT制御手段200は、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり第1有利区間カウンタ197aの記憶値が第1値としての値「0」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合、つまり第2有利区間カウンタ197bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2401」になった場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。
【0060】
AT制御手段200は、所定の終了処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段200は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段200が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0061】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図16を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0062】
<内部抽選手段>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、ボーナスに当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
【0063】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を備えており、当選エリア「RBB&1枚役」と、当選エリア「RBB」と、のいずれかに当選することでRBBが成立状態に設定される。
【0064】
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBBに当選し、RBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数と、ボーナスに対応付けられていた乱数と、がリプレイに対応付けられている。
【0065】
内部抽選テーブルCは、RBBが入賞し、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるボーナス状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0066】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、ベルA~ベルD、1枚役A~1枚役J、特殊小役、チャンス役及びレア役が用意されており、複数種類の小役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」と、当選エリア「1枚役」と、当選エリア「全小役」と、当選エリア「全1枚役」と、が設定されている。
【0067】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番(順序)を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0068】
本実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の3つのストップボタンを押下する順序である打順は、打順1~打順6の6種類の打順から構成されている。打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0069】
図4は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に重複当選する小役を示す図である。図4に示すように、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」は、ベルA~ベルDのうちいずれか1つが互いに重複することなく当選し、かつ、他の小役として、1枚役A~1枚役Cが図4に示す組合せで当選する当選エリアとして構成されている。また、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」は、チャンス役と、特殊小役と、が重複当選し、かつ、他の小役として、1枚役D~1枚役Jが図4に示す組合せで当選する当選エリアとして構成されている。
【0070】
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」には、遊技状態がボーナス成立状態である場合において、それぞれベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」には、遊技状態がボーナス成立状態である場合において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)がそれぞれ設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に設定されている正解打順と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に設定されている設定打順と、の詳細については、後述する。
【0071】
当選エリア「RBB&1枚役」は、RBB、1枚役A~1枚役Jに重複して当選するエリアである。当選エリア「RBB&1枚役」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず1枚役A~1枚役Dのいずれかが入賞する。
【0072】
当選エリア「1枚役」は、当選エリア「RBB&1枚役」と同じ小役に重複して当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず1枚役A~1枚役Dのいずれかが入賞する当選エリアであり、RBBが抽選の対象に含まっているか否かの差を有している。
【0073】
当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
【0074】
当選エリア「全小役」は、ベルA~ベルD、チャンス役、特殊小役、1枚役A~1枚役J、レア役のすべての小役が重複当選する当選エリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず最も配当が高いベルA~ベルD、チャンス役のいずれかが入賞する当選エリアである。当選エリア「全1枚役」は、1枚役A~1枚役J、レア役の1枚の配当に設定された小役が重複当選する当選エリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず1枚役A~1枚役Jのいずれかが入賞する当選エリアである。
【0075】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
【0076】
当選エリア「通常リプレイ1」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAに当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。
【0077】
当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、リプレイAと、リプレイBと、に重複して当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルAにおいて当選エリア「通常リプレイ2」に対応付けられていた乱数と、当選エリア「RBB」に対応付けられていた乱数と、が、内部抽選テーブルBにおいて対応付けられており、遊技状態が非RT状態からボーナス成立状態に移行することで、当選確率が高くなる当選エリアとして構成されている。
【0078】
当選エリア「レアリプレイ」は、レアリプレイに当選し、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、リプレイを含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レアリプレイ」に当選する確率が、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレアリプレイとして構成されている。
【0079】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0080】
<図柄の配列>
図5は、本実施形態のスロットマシン1における第1リールR1~第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図5に示すように、第1リールR1~第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、青7図柄「青7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、ブランクA図柄「BKA」、ブランクB図柄「BKB」、ブランクC図柄「BKC」及び星図柄「ST」が配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0081】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0082】
また、本実施形態のリール制御手段130は、遊技状態がボーナス成立状態である状態で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、リール停止制御を実行する場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによって個数優先制御と枚数優先制御とのいずれの制御を実行するかを決定するように構成されている。遊技状態がボーナス成立状態である状態での当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時におけるリール停止制御の詳細については、後述する。
【0083】
<小役の配当>
本実施形態において、ベルA~ベルD及びチャンス役の配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、特殊小役の配当は、規定投入数(3枚)よりも多く、かつチャンス役よりも少ない配当(14枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役J及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。
【0084】
<遊技状態移行制御手段>
図6は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0085】
図6に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0086】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0087】
ボーナス状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態である非RT状態へ移行させる。ボーナス状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。
【0088】
図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA~ベルD、チャンス役、特殊小役、1枚役A~1枚役J、レア役のすべての小役に当選する当選エリア「全小役」と、1枚役A~1枚役J、レア役のすべての1枚役に当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0089】
図3を用いてボーナス状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるボーナス状態において当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりボーナス状態において小役に当選する確率が、ボーナス状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「全小役」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」のいずれか1つに当選する確率よりも高く、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも高い確率に設定されている。
【0090】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態、ボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
【0091】
また、スロットマシン1は、ボーナス状態において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0092】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の特定小役(ベルA~ベルD)が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、複数種類の特定小役が重複して当選する第2当選態様(当選エリア「全小役」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)、ボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態において、第2当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第2当選態様に当選する確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態、ボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0093】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0094】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、より詳しくは後述するが、ボーナス成立状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作された場合にベルA~ベルDを入賞させることができるように構成されている。
【0095】
つまり、ボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作されないとベルA~ベルDを入賞させることができない構成であることから、後述するAT制御手段200によって入賞補助が実行されない非AT状態で遊技が実行された場合、ベルA~ベルDのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作された場合に限定される。
【0096】
一方、後述するAT制御手段200によって入賞補助が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に、正解打順が報知され、かつベルA~ベルDを入賞可能にする押下タイミングが演出制御手段180による入賞補助演出によって報知されるため、ベルA~ベルDのいずれかが入賞する確率について、入賞補助が実行されない場合に対して最大で4倍まで高めることができる。
【0097】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す小役(特定役)として、ベルA~ベルDの4種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/4に圧縮している。このように構成することで、ボーナス状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、ボーナス状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0098】
<演出制御手段>
本実施形態において、演出制御手段180は、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3が回転制御されておらず、かつ投入受付手段105によってメダルが投入状態に設定されていない状態、つまり前ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの状態において、所定の時間(例えば45秒)が経過した場合に、スロットマシン1において実行される演出の概要となる動画であるいわゆるデモ動画を表示装置330に表示するように構成されている。
【0099】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、前ゲームが終了してから次ゲームが開始されるまでの状態を、演出設定を選択可能な期間として設定している。演出設定を選択可能な期間において、演出制御手段180は、演出操作スイッチ270が遊技者によるセレクトボタンSB又は決定ボタンDBへの押下操作を検出した場合に、演出設定を選択可能な表示である演出設定表示を表示装置330に表示する。
【0100】
演出設定表示を表示装置330に表示する場合において、演出制御手段180は、セレクトボタンSBのうち左セレクトボタンSBcが押下操作された場合と、右セレクトボタンSBdが押下操作された場合と、に、音響装置340から出力される音声の大きさを表示する音量調節画面を表示装置330に表示する。演出制御手段180は、音量調節画面を表示している状態において、左セレクトボタンSBcが押下操作された場合に、音量を現在の大きさから一段階下げ、右セレクトボタンSBdが押下操作された場合に、音量を現在の大きさから一段階上げる。
【0101】
また、演出設定表示を表示装置330に表示する場合において、演出制御手段180は、セレクトボタンSBのうち上セレクトボタンSBaが押下操作された場合と、下セレクトボタンSBbが押下操作された場合と、決定ボタンDBが押下操作された場合と、に、表示装置330に表示される演出内容を設定可能な設定画面を表示装置330に表示する。演出制御手段180は、設定画面において、「音量調節画面の表示」と、表示装置330に表示するキャラクタを選択する「キャラクタ選択画面の表示」と、の選択可能であることを示す画面として、「音量調節」と書かれ長方形に枠取りされた第1ボタンと、「キャラクタ選択」と書かれ枠取りされた第2ボタンと、を表示し、各ボタンの横にいずれのボタンが選択されているかを示す矢印上のカーソルを表示する。
【0102】
演出制御手段180は、上セレクトボタンSBaが操作された場合と、下セレクトボタンSBbが操作された場合と、に、カーソルを現在の位置(第1ボタンと第2ボタンとのいずれか一方の近傍)から、第1ボタンと第2ボタンとのいずれか他方の近傍の位置に移動させる。そして、演出制御手段180は、決定ボタンDBが押下操作された場合に、決定ボタンDBが押下操作された時点でカーソルが位置しているボタンに対応する設定画面を表示装置330に表示する。
【0103】
なお、本実施形態の演出制御手段180は、前ゲームが終了してから次ゲームが開始するまでの期間において、精算ボタンBSが押下操作されたことをメダル精算スイッチ280が検出し、スロットマシン1にクレジットされているメダルが精算された場合に、精算ボタンBSへの操作に基づくメダルの精算に係る音声として、所定の音声(例えば、「またきてね」等)を出力するように構成されている。
【0104】
ここで、演出制御手段180は、精算ボタンBSへの操作に基づくメダルの精算に係る所定の音声を出力している期間中において、左セレクトボタンSBcが押下操作された場合と、右セレクトボタンSBdが押下操作された場合と、に、所定の音声の出力を停止し、音量調節画面を表示するように構成されている。また、演出制御手段180は、精算ボタンBSへの操作に基づくメダルの精算に係る所定の音声を出力している期間中において、決定ボタンDBが押下操作された場合に、所定の音声の出力を停止し、設定画面を表示するように構成されている。一方、演出制御手段180は、精算ボタンBSへの操作に基づくメダルの精算に係る所定の音声を出力している期間中において、上セレクトボタンSBaが押下操作された場合と、下セレクトボタンSBbが押下操作された場合と、に、所定の音声の出力を継続し、設定画面を表示しない、つまり、上セレクトボタンSBaが押下操作された場合に実行する設定画面の表示に係る処理と、下セレクトボタンSBbが押下操作された場合に実行する設定画面の表示に係る処理と、を実行しないように構成されている。
【0105】
つまり、遊技機は、
精算に用いられる精算操作部(BS)と、
演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部(SBa~SBd,DB)と、
演出の実行を制御する制御手段(180)と、を備え、
前記制御手段は、前記精算操作部への操作に基づき遊技価値が精算された場合に、所定の音声を出力し、
前記所定の音声は、遊技価値の精算を報知する音声であり、
前記演出設定操作部は、第1演出設定操作部(SBc、SBd,DB)と、第2演出設定操作部(SBa,SBb)と、を有し、
前記制御手段は、前記第1演出設定操作部が操作された場合に、第1演出設定処理を実行し、
前記制御手段は、前記第2演出設定操作部が操作された場合に、第2演出設定処理を実行し、
前記制御手段は、前記所定の音声が出力している間に前記第1演出設定操作部が操作された場合に、前記所定の音声の出力を停止して前記第1演出設定処理を実行し、
前記制御手段は、前記所定の音声が出力している間に前記第2演出設定操作部が操作された場合に、前記所定の音声の出力を継続して前記第2演出設定処理を実行しない。
【0106】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、精算ボタンBSへの操作に基づくメダルの精算に係る所定の音声を出力している期間中に、左セレクトボタンSBc、右セレクトボタンSBd又は決定ボタンDBが押下操作された場合には、所定の音声の出力を停止して押下操作されたボタンに対応する処理を実行することで、所定の音声の出力中に遊技者が演出に係る設定(音量調整、表示キャラクタの変更)をしたくなった際に速やかに対応することができるとともに、上セレクトボタンSBa又は下セレクトボタンSBbが押下操作された場合には、押下操作されたボタンに対応する処理を実行せずに所定の音声の出力を継続することで、所定の音声の出力中に遊技者が誤って上セレクトボタンSBa又は下セレクトボタンSBbを押下操作した場合であっても所定の音声を継続するため、所定の音声を望む遊技者の要求を満たすことができる。
【0107】
この、精算ボタンBSが、本実施形態における精算操作部を構成し、上セレクトボタンSBa、下セレクトボタンSBbが、本実施形態における演出設定操作部及び第2演出設定操作部を構成し、左セレクトボタンSBc、右セレクトボタンSBd、決定ボタンDBが、本実施形態における演出設定操作部及び第1演出設定操作部を構成し、演出制御手段180が、本実施形態における制御手段を構成し、左セレクトボタンSBc、右セレクトボタンSBdへの押下操作に基づく音量調節画面の表示に係る処理と、決定ボタンDBへの押下操作に基づく設定画面の表示に係る処理と、が、本実施形態における第1演出設定処理を構成し、上セレクトボタンSBa、下セレクトボタンSBbへの押下操作に基づく設定画面の表示に係る処理と、が、本実施形態における第2演出設定処理を構成する。
【0108】
<AT制御手段>
図7は、本実施形態のAT制御手段200によって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0109】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段200は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0110】
有利区間抽選において、AT制御手段200は、まず、AT制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0111】
AT制御手段200は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0112】
本実施形態のAT制御手段200は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「RBB&1枚役」に当選した場合と、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」、当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「レアリプレイ」、当選エリア「1枚役」に当選した場合と、に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段200は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0113】
AT制御手段200は、有利区間を開始した場合に、演出状態によらず毎回の遊技の都度、有利区間において実行された遊技回数を計数する特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値に1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値が値「1300」に達した場合に、特定AT状態への移行条件(特定AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。また、AT制御手段200は、有利区間において最もメダルを消費した時点から2000枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合に、特定AT移行条件が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。
【0114】
本実施形態のスロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としてのチャンスゾーンアシストタイム(CZAT)準備状態、CZAT状態、AT準備状態、通常AT状態及び特定AT状態と、を有している。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0115】
非AT状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、設定される複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、CZAT抽選を実行し、「CZAT状態への移行」に当選した場合に、演出状態を非AT状態からCZAT準備状態に移行する。
【0116】
また、AT制御手段200は、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0117】
CZAT準備状態は、非AT状態においてAT制御手段200が実行するCZAT抽選において「CZAT状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態であり、CZAT状態への移行が確定されている演出状態である。AT制御手段200は、CZAT準備状態において、CZAT準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZAT準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、CZAT準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をCZAT準備状態からCZAT状態に移行する。
【0118】
CZAT準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、CZAT状態で複数回実行するCZAT継続抽選において、1回分のCZAT抽選で「CZAT状態の継続」に当選した権利を付与する、つまり「CZAT状態の継続」抽選結果を書き換えるか否かを決定する継続付与抽選を実行する。AT制御手段200は、継続付与抽選において「抽選結果を継続に書き換え」に当選した場合に、通常CZAT状態において実行されるCZAT継続抽選において、「CZAT状態を終了する」と決定されるまで、継続付与抽選で当選した結果をストックする。
【0119】
AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、CZAT準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、CZAT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、30%の確率(第2確率)で入賞補助制御を実行する。
【0120】
また、AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0121】
CZAT状態は、CZAT準備状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、CZAT状態において、CZAT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZATゲーム数カウンタに初期値として値「10」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0122】
AT制御手段200は、CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、CZAT状態を継続するか否かを決定するCZAT継続抽選を実行し、「CZAT状態の継続」に当選した場合に、CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、CZAT継続抽選によって継続すると決定した回数を計数する継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。また、CZAT継続抽選で「CZAT状態の終了」に決定された場合、AT制御手段200は、CZAT準備状態において継続付与抽選で「抽選結果を継続に書き換え」に当選した結果をストックしているか否かを参照し、「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされている場合には、CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。
【0123】
AT制御手段200は、継続回数カウンタの記憶値が値「2」の状態で実行するCZAT継続抽選、つまり、一連のCZAT状態における3回目のCZAT継続抽選において「CZAT状態の継続」に当選した場合と、「CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていた場合と、に、通常AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態をCZAT状態からAT準備状態に移行する。
【0124】
AT制御手段200は、CZAT継続抽選において「CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていない場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0125】
AT制御手段200は、CZAT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、CZ
AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、CZAT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0126】
また、CZAT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、CZAT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0127】
AT準備状態は、CZAT状態において通常AT状態への移行が決定された場合、つまり通常AT状態への移行が確定された場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、AT準備状態において、AT準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるAT準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、AT準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をAT準備状態から通常AT状態に移行する。
【0128】
AT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、通常AT状態が継続する遊技回数を加算(上乗せ)するか否かを決定する初期ゲーム数上乗せ抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも多い値を加算可能な抽選テーブルを取得して初期ゲーム数上乗せ抽選を実行する。AT制御手段200は、初期ゲーム数上乗せ抽選の結果を、通常AT状態が継続する遊技回数を計数するAT継続ゲーム数カウンタに加算する。
【0129】
AT制御手段200は、AT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、AT準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、AT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%(第1確率)の確率で入賞補助制御を実行する。
【0130】
また、AT準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、AT準備状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0131】
通常AT状態は、AT準備状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、通常AT状態において、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0132】
通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
【0133】
AT制御手段200は、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0134】
AT制御手段200は、通常AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、通常AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、通常AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0135】
また、通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、通常AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0136】
特定AT状態は、有利区間中に特定AT移行条件が成立した場合に、いずれの演出状態からも移行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、のいずれかの特定終了条件が成立するまで、特定AT状態を継続する。なお、特定終了条件が成立した場合、AT制御手段200は、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0137】
AT制御手段200は、特定AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、特定AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0138】
また、特定AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、特定AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0139】
3.打順小役当選時の詳細
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、打順によって入賞可能となる小役が異なる場合を有する当選エリア(打順小役)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」を有しており、遊技状態に応じて入賞可能となる役が異なるように構成されている。
【0140】
<打順小役当選時において打順ごとに入賞可能になる小役>
図8は、非RT状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図8に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い配当(15枚)に設定されたベルA~ベルDが入賞せず、規定投入数よりも少ない配当(1枚)に設定された1枚役Aが入賞するように構成されている。
【0141】
また、図8に示すように、スロットマシン1では、非RT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序によらず、規定投入数よりも多い第1配当(15枚)に設定されたチャンス役と、規定投入数よりも多い第2配当(14枚)に設定された特殊小役と、が入賞せず、規定投入数よりも少ない第3配当(1枚)に設定された1枚役Dが入賞するように構成されている。
【0142】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態において、規定投入数よりも多い配当に設定された小役が入賞しないため、非RT状態におけるメダルの獲得率の期待値が大幅に抑制されており、非RT状態が他の遊技状態よりも最もメダルの獲得率の期待値が低い遊技状態となっている。
【0143】
図9は、ボーナス成立状態で打順小役に当選した場合において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役について示す図である。図9に示すように、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)が各当選エリアに設定されている。
【0144】
また、図9に示すように、スロットマシン1では、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作される打順(打順1、打順2)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルA~ベルDが入賞せず、1枚役Aが入賞するように構成されている。
【0145】
次に、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の詳細について、説明する。本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選した場合、ストップボタンB2が第1停止操作される打順3又は打順4が、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順として「設定されており、ストップボタンB1が第1停止操作される打順(打順1、打順2)と、ストップボタンB3が第1停止操作される打順(打順5、打順6)と、が、特殊小役が入賞する非設定打順として設定されている。
【0146】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合、ストップボタンB3が第1停止操作される打順5又は打順6が、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順として「設定されており、ストップボタンB1が第1停止操作される打順(打順1、打順2)と、ストップボタンB2が第1停止操作される打順(打順3、打順4)と、が、特殊小役が入賞する非設定打順として設定されている。
【0147】
<打順チャンスに含まれる小役の入賞図柄組合せ>
図4図5図10図13を用いて、遊技状態がボーナス成立状態である状態で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に入賞する小役の詳細について説明する。図10は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に含まれる小役であるチャンス役、特殊小役、1枚役D~1枚役Jの入賞図柄組合せ及び配当を示す図である。
【0148】
図10に示すように、チャンス役の入賞図柄組合せは「BL-BL-CH」である。図5に示すように、第1リールR1には、ベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配置されている。また、第2リールR2には、ベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配置されている。また、第3リールR3には、チェリー図柄「CH」が4コマ以内の間隔で配置されている。このため、チャンス役は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な小役として構成されている。
【0149】
特殊小役の入賞図柄組合せは「RP-CH-BKA」である。図5に示すように、第1リールR1には、リプレイ図柄「RP」が4コマ以内の間隔で配置されている。また、第2リールR2には、チェリー図柄「CH」が4コマ以内の間隔で配置されている。また、第3リールR3には、ブランクA図柄「BKA」が4コマ以内の間隔で配置されている。このため、特殊小役は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な小役として構成されている。
【0150】
1枚役Dの入賞図柄組合せは「RP-RP-BKB」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第1リールR1の図柄が特殊小役と共通している。図5に示すように、第2リールR2には、リプレイ図柄「RP」が4コマ以内の間隔で配置されている。また、第3リールR3には、ブランクB図柄「BKB」が4コマ以内の間隔で配置されている。このため、1枚役Dは、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な小役として構成されている。
【0151】
1枚役Eの入賞図柄組合せは「BKA-RP-BKB」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第2リールR2の図柄が1枚役Dと共通している。1枚役Fの入賞図柄組合せは「赤7-CH-BKA」であり、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第3リールR3の図柄が特殊小役と共通している。
【0152】
1枚役Gの入賞図柄組合せは「青7-BKB-BKC」であり、1枚役Hの入賞図柄組合せは「BAR-赤7-BKC」であり、1枚役Iの入賞図柄組合せは「BKC-青7-ST」であり、1枚役Jの入賞図柄組合せは「CH-BAR-ST」である。1枚役G~1枚役Jの入賞図柄組合せを構成する各リールの図柄は、チャンス役、特殊小役、1枚役D~1枚役Fの入賞図柄組合せを構成する各リールの図柄と重複しない図柄から構成されている。
【0153】
<打順チャンスに設定された第1停止操作の押下タイミング>
図11(A)は、遊技状態がボーナス成立状態である状態で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される場合におけるストップボタンB2の押下タイミングに応じて入賞する役(入賞役)について示す図である。
【0154】
図11(A)に示すように、リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス1」に当選し、第2リールR2の停止番号0番、6番、12番、18番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、15枚の配当に設定され、特殊小役、1枚役D~1枚役Fよりも多い配当に設定されているチャンス役の入賞図柄組合せ「BL-BL-CH」を構成するベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる役をチャンス役に確定させる。
【0155】
一方、リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス1」に当選し、第2リールR2の停止番号1番~5番、7番~11番、13番~17番、19番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、リール停止制御として個数優先制御と停止制御テーブルを用いた停止制御とを実行し、1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」を構成するリプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる役を1枚役Dと、1枚役Eと、のいずれかに確定させる。
【0156】
リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス2」~当選エリア「打順チャンス6」に当選した場合についても、当選エリア「打順チャンス1」に当選した場合と略同様に、ストップボタンB2の押下タイミングによって枚数優先制御と個数優先制御とのいずれを実行するかが予め設定されている。リール制御手段130は、枚数優先制御を実行すると設定されている停止番号のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合には、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示し、個数優先制御を実行すると設定されている停止番号のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合には、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示する。
【0157】
また、図11(A)に示すように、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」は、リール制御手段130が枚数優先制御を実行することでチャンス役が入賞可能となるストップボタンB2の押下タイミングについて、それぞれ重複しない押下タイミングになるように構成されている。
【0158】
図11(B)は、遊技状態がボーナス成立状態である状態で当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作される場合におけるストップボタンB3の押下タイミングに応じた入賞役について示す図である。
【0159】
図11(B)に示すように、リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス7」に当選し、第3リールR3の停止番号0番、6番、12番、18番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、リール停止制御として枚数優先制御を実行し、15枚の配当に設定され、特殊小役、1枚役D~1枚役Fよりも多い配当に設定されているチャンス役の入賞図柄組合せ「BL-BL-CH」を構成するチェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる役をチャンス役に確定させる。
【0160】
一方、リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス7」に当選し、第3リールR3の停止番号1番~5番、7番~11番、13番~17番、19番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、リール停止制御として個数優先制御と停止制御テーブルを用いた停止制御とを実行し、1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」を構成するブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示し、当該遊技において入賞可能となる役を1枚役Dと、1枚役Eと、のいずれかに確定させる。
【0161】
リール制御手段130は、当選エリア「打順チャンス8」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合についても、当選エリア「打順チャンス7」に当選した場合と略同様に、ストップボタンB3の押下タイミングによって枚数優先制御と個数優先制御とのいずれを実行するかが予め設定されている。リール制御手段130は、枚数優先制御を実行すると設定されている停止番号のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合には、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示し、個数優先制御を実行すると設定されている停止番号のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合には、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示する。
【0162】
また、図11(B)に示すように、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」は、リール制御手段130が枚数優先制御を実行することでチャンス役が入賞可能となるストップボタンB3の押下タイミングについて、それぞれ重複しない押下タイミングになるように構成されている。
【0163】
<打順チャンス当選時におけるリール停止制御>
図12(A)は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」のうち、チャンス役、特殊小役、1枚役D~1枚役Jのすべてが重複当選する当選エリアである当選エリア「打順チャンス12」で重複当選する小役の入賞図柄組合せ及び配当を説明する図であり、図12(B)~図12(D)は、遊技状態がボーナス成立状態である状態で当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれが第1停止操作された場合に有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数を説明する図である。
【0164】
図12(B)に示すように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作された場合、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役の入賞図柄組合せ「RP-CH-BKA」と、1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ベル図柄「BL」、ブランクA図柄「BKA」、赤7図柄「赤7」、青7図柄「青7」、BAR図柄「BAR」、ブランクC図柄「BKC」、チェリー図柄「CH」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示した場合には1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能になることから、個数優先制御によって停止表示する図柄として最も優先順位の高い図柄をリプレイ図柄「RP」に決定する。
【0165】
上述した通り、リプレイ図柄「RP」は、第1リールR1において、ストップボタンB1の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能となるように配列されている。これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作された場合、ストップボタンB1の押下タイミングによらずリプレイ図柄「RP」が有効ラインL1上に停止表示される。
【0166】
スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ第1停止操作がストップボタンB1に実行されて有効ラインL1を構成する第1リールR1の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示された場合、当該遊技で入賞可能となる小役が14枚の配当に設定された特殊小役と、1枚の配当に設定された1枚役Dと、に限定される。スロットマシン1では、第2停止操作がストップボタンB2、ストップボタンB3のいずれに実行された場合にも、リール制御手段130によって枚数優先制御が実行され、特殊小役の入賞図柄組合せ「RP-CH-BKA」を構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御が実行されることで、当該遊技において特殊小役が入賞する。
【0167】
図12(C)に示すように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB2が第1停止操作された場合、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役の入賞図柄組合せ「RP-CH-BKA」と、1枚役Fの入賞図柄組合せ「赤7-CH-BKA」の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」と、1枚役Eの入賞図柄組合せ「BKA-RP-BKB」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ベル図柄「BL」、ブランクB図柄「BKB」、赤7図柄「赤7」、青7図柄「青7」、BAR図柄「BAR」のいずれかを有効ラインL1上に停止表示した場合には1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0168】
リール制御手段130は、チェリー図柄「CH」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを第2リールR2の中段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってチェリー図柄「CH」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0169】
上述した通り、チェリー図柄「CH」は、第2リールR2において、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能となるように配列されている。これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB2が第1停止操作された場合、ストップボタンB2の押下タイミングによらずチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に停止表示される。
【0170】
スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ第1停止操作がストップボタンB2に実行されて有効ラインL1を構成する第2リールR2の中段にチェリー図柄「CH」が停止表示された場合、当該遊技で入賞可能となる小役が14枚の配当に設定された特殊小役と、1枚の配当に設定された1枚役Fと、に限定される。スロットマシン1では、第2停止操作がストップボタンB1、ストップボタンB3のいずれに実行された場合にも、リール制御手段130によって枚数優先制御が実行され、特殊小役の入賞図柄組合せ「RP-CH-BKA」を構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御が実行されることで、当該遊技において特殊小役が入賞する。
【0171】
図12(D)に示すように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB3が第1停止操作された場合、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BL-BL-CH」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ブランクA図柄「BKA」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役の入賞図柄組合せ「RP-CH-BKA」と、1枚役Fの入賞図柄組合せ「赤7-CH-BKA」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示することで1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」と、1枚役Eの入賞図柄組合せ「BKA-RP-BKB」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ブランクC図柄「BKC」を有効ラインL1上に停止表示することで1枚役Gの入賞図柄組合せ「青7-BKB-BKC」と、1枚役Hの入賞図柄組合せ「BAR-赤7-BKC」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、星図柄「S
T」を有効ラインL1上に停止表示することで1枚役Iの入賞図柄組合せ「BKC-青7-ST」と、1枚役Jの入賞図柄組合せ「CH-BAR-ST」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0172】
リール制御手段130は、ブランクA図柄「BKA」と、ブランクB図柄「BKB」と、ブランクC図柄「BKC」と、星図柄「ST」と、のそれぞれを第3リールR3の中段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってブランクA図柄「BKA」と、ブランクB図柄「BKB」と、ブランクC図柄「BKC」と、星図柄「ST」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0173】
上述した通り、ブランクB図柄「BKB」は、第3リールR3において、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能となるように配列されている。これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつストップボタンB3が第1停止操作された場合、ストップボタンB3の押下タイミングによらずブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に停止表示される。
【0174】
スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ第1停止操作がストップボタンB3に実行されて有効ラインL1を構成する第3リールR3の中段にブランクB図柄「BKB」が停止表示された場合、当該遊技で入賞可能となる小役が1枚の配当に設定され1個の図柄組合せから入賞図柄組合せが構成された1枚役Dと、1枚の配当に設定され1個の図柄組合せから入賞図柄組合せが構成された1枚役Eと、に限定される。スロットマシン1では、第2停止操作がストップボタンB1、ストップボタンB3のいずれに実行された場合にも、リール制御手段130によって停止制御テーブルを用いたリール停止制御が実行され、1枚役Dの入賞図柄組合せ「RP-RP-BKB」を構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御が実行されることで、当該遊技において1枚役Dが入賞する。
【0175】
なお、スロットマシン1では、図11(B)に示したように、第1停止操作されるストップボタンB3の押下タイミングが、第3リールR3の停止番号5番、11番、17番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであった場合、リール制御手段130によって枚数優先制御が実行され、15枚の配当に設定されたチャンス役の入賞図柄組合せ「BL-BL-CH」を構成するチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に停止表示されることで、当該遊技において入賞可能となる役がチャンス役に確定される。
【0176】
<打順チャンス当選時における入賞補助演出>
図13は、非AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選した場合に、演出制御手段180が実行する入賞補助演出を示す図である。図13に示すように、演出制御手段180は、表示装置330に、設定打順のうち第1停止操作を実行するストップボタンがストップボタンB2であることを報知する第1入賞補助演出指標330aを表示するとともに、第1リールR1の近傍と第3リールR3の近傍とのそれぞれに同一の内容の第2入賞補助演出指標330bを表示することで、設定打順のうち第2停止操作を実行するストップボタンがストップボタンB1又はストップボタンB3であることを報知する入賞補助演出を実行する。
【0177】
図13に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」の当選に基づき演出制御手段180による入賞補助演出が実行され、第1入賞補助演出指標330aが表示装置330に表示された場合、当該遊技において当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」のいずれに当選しているかを遊技者が判別できない構成となっている。
【0178】
また、スロットマシン1では、図11(A)に示したように、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」に当選し、ストップボタンB2が第1停止操作される場合、ストップボタンB2の押下タイミングが各当選エリアに設定されている所定の押下タイミング(例えば、当選エリア「打順チャンス1」であれば第2リールR2の停止番号0番、6番、12番、18番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミング)である場合に限り、チャンス役が入賞するとともに、チャンス役が入賞可能となるストップボタンB2の押下タイミングについて、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」のそれぞれで重複しないように構成されている。
【0179】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス6」の当選に基づき演出制御手段180による入賞補助演出が実行され、第1入賞補助演出指標330aが表示装置330に表示された場合、6種類の当選エリアのうちいずれか1つに当選し、該当選した当選エリアに設定された所定の押下タイミングでストップボタンB2が第1停止操作された場合に限りチャンス役が入賞することから、1/6の確率でチャンス役が入賞し、5/6の確率で1枚役Dが入賞する。
【0180】
なお、演出制御手段180は、非AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合、表示装置330に、設定打順のうち第1停止操作を実行するストップボタンがストップボタンB3であることを報知する第1入賞補助演出指標330aを表示するとともに、第1リールR1の近傍と第2リールR2の近傍とのそれぞれに同一の内容の第2入賞補助演出指標330bを表示することで、設定打順のうち第2停止操作を実行するストップボタンがストップボタンB1又はストップボタンB2であることを報知する入賞補助演出を実行するため、当該遊技において当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」のいずれに当選しているかを遊技者が判別できない構成となっている。
【0181】
また、スロットマシン1では、図11(B)に示したように、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB3が第1停止操作される場合、ストップボタンB3の押下タイミングが各当選エリアに設定されている所定の押下タイミング(例えば、当選エリア「打順チャンス7」であれば第3リールR3の停止番号0番、6番、12番、18番のコマに配列された図柄が有効ラインL1上に回転表示されているタイミング)である場合に限り、チャンス役が入賞するとともに、チャンス役が入賞可能となるストップボタンB3の押下タイミングについて、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」のそれぞれで重複しないように構成されている。
【0182】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス7」~当選エリア「打順チャンス12」の当選に基づき演出制御手段180による入賞補助演出が実行され、第1入賞補助演出指標330aが表示装置330に表示された場合、6種類の当選エリアのうちいずれか1つに当選し、該当選した当選エリアに設定された所定の押下タイミングでストップボタンB3が第1停止操作された場合に限りチャンス役が入賞することから、1/6の確率でチャンス役が入賞し、5/6の確率で1枚役Dが入賞する。
【0183】
<チャンス役、特殊小役、1枚役Dの入賞時における演出>
本実施形態の演出制御手段180は、入賞役に応じた演出として、表示装置330に入賞役に応じた動画又は静止画(入賞映像)を表示する入賞映像演出と、音響装置340から入賞役に応じた音声(入賞音)を出力する入賞音演出と、発光装置350を入賞役に応じた態様で発光(入賞フラッシュ)させる入賞フラッシュ演出と、を実行可能に構成されている。
【0184】
図14は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において入賞可能となるチャンス役、特殊小役及び1枚役Dの入賞時に実行される演出について示す図である。
【0185】
図14に示すように、本実施形態の演出制御手段180は、チャンス役が入賞した場合と、特殊小役が入賞した場合と、において、共通の入賞音である通常入賞音を音響装置340から出力するように構成されている。本実施形態において、通常入賞音は、単音又は和音の効果音から構成されている。
【0186】
また、演出制御手段180は、チャンス役が入賞した場合と、特殊小役が入賞した場合と、において、共通の入賞フラッシュである通常入賞フラッシュを発光装置350から実行するように構成されている。本実施形態において、通常入賞フラッシュは、単色の光を複数回点灯及び消灯することで単色の光で点滅するフラッシュ演出から構成されている。
【0187】
また、演出制御手段180は、チャンス役が入賞した場合と、特殊小役が入賞した場合と、において、共通の入賞フラッシュである通常入賞映像を表示装置330に表示するように構成されている。本実施形態において、通常入賞映像は、白色の図形が出現する映像から構成される。
【0188】
このように、本実施形態の演出制御手段180は、チャンス役が入賞した場合と、特殊小役が入賞した場合と、において、表示装置330を用いた演出、音響装置340を用いた演出及び発光装置350を用いた演出のすべての入賞に係る演出について、共通の演出を実行するように構成されている。
【0189】
一方、本実施形態の演出制御手段180は、1枚役Dが入賞した場合において、通常入賞音とは異なる特別入賞音を音響装置340から出力し、通常入賞フラッシュとは異なる特別入賞フラッシュを発光装置350から実行し、通常入賞映像とは異なる特別入賞映像を表示装置330に表示するように構成されている。
【0190】
本実施形態において、特別入賞音は、キャラクタの音声を用いた効果音から構成され、通常入賞音よりも遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる音声から構成されている。また、特別入賞フラッシュは、複数の色の光が複数回点灯及び消灯を繰り返すことで多様な色の光で点滅するフラッシュ演出から構成され、通常入賞フラッシュよりも遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる発光態様から構成されている。そして、特別入賞映像は、通常入賞映像において白色の図形が出現したタイミングで、金色の図形が出現することで、通常入賞映像よりも遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる表示態様から構成されている。
【0191】
4.特殊小役と他の役の関係
次に、図15図16を用いて、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に含まれる特殊小役と、他の役と、の関係について説明する。
【0192】
<入賞図柄組合せ>
図15は、当選エリア「RBB&1枚役」及び当選エリア「1枚役」に含まれる1枚役Kと、当選エリア「レア役」に含まれるレア役と、当選エリア「通常リプレイ1」及び当選エリア「通常リプレイ2」に含まれるリプレイAと、の入賞図柄組合せを示す図である。
【0193】
1枚役Kの入賞図柄組合せは「RP-RP-BKA」であり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず入賞可能な小役として構成されている。レア役の入賞図柄組合せは「RP-RP(BL)-ST」であり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず入賞可能な小役として構成されている。リプレイAの入賞図柄組合せは「RP-RP-BKC」であり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず入賞可能なリプレイとして構成されている。
【0194】
図9図10図15を用いて、特殊小役と、1枚役Kと、レア役と、リプレイAと、の関係について詳細に説明する。上述したように、入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役は、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、ストップボタンB1が第1停止操作される打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで入賞可能となるように構成されている。また、1枚役K、レア役、リプレイAは、いずれもストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず入賞可能に構成されていることから、打順1、打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合にも入賞可能に構成されている。
【0195】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合と、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「1枚役」に当選した場合と、当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」に当選した場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が第1停止操作される遊技が実行された際に、第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で遊技の結果が遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0196】
<当選確率>
図16は、ボーナス成立状態における内部抽選で抽選の対象に設定されている各当選エリアに対応付けられた乱数の量(抽選値数、乱数値設定量)と当選確率とを示す図である。
【0197】
図16に示すように、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」には、それぞれ7368の抽選値数が対応付けられており、それぞれ7368/65536(約1/8.8)の確率で当選するように構成されている。このため、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選確率の合算)は、29472/65536(約1/2.2)となっている。
【0198】
当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」には、それぞれ270の抽選値数が対応付けられており、それぞれ270/65536(約1/242.7)の確率で当選するように構成されている。このため、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選確率の合算)は、3240/65536(約1/20.2)となっている。
【0199】
当選エリア「レア役」には、48の抽選値数が対応付けられており、48/65536(約1/1365.3)の確率で当選するように構成されている。当選エリア「1枚役」には、7935の抽選値数が対応付けられており、7935/65536(約1/8.3)の確率で当選するように構成されている。
【0200】
当選エリア「通常リプレイ1」には、8800の抽選値数が対応付けられており、8800/65536(約1/7.4)の確率で当選するように構成されている。当選エリア「通常リプレイ2」には、134の抽選値数が対応付けられており、134/65536(約1/489.1)の確率で当選するように構成されている。当選エリア「レアリプレイ」には、48の抽選値数が対応付けられており48/65536(約1/1365.3)の確率で当選するように構成されている。このため、リプレイのいずれかに当選する確率(当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」、当選エリア「レアリプレイ」の当選確率の合算)は、8982/65536(約1/7.3)となっている。
【0201】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「レア役」の当選確率よりも、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選確率の合算の方が高い確率となるように構成されている。また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選確率の合算よりも、当選エリア「1枚役」の当選確率の方が高い確率となるように構成されている。そして、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選確率の合算よりも、当選エリア「通常リプレイ1」の当選確率の方が高い確率となるように構成されている。
【0202】
5.本実施形態のまとめ
上述したように、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作される場合において、それぞれに設定されている所定の押下タイミングで第1停止操作が実行された場合には15枚の配当に設定されたチャンス役が入賞し、チャンス役が入賞しない押下タイミングで第1停止操作がなされた場合には1枚の配当に設定された1枚役Dが入賞するように構成されており、チャンス役の入賞確率が1/6に設定され、1枚役Dの入賞確率が5/6に設定されている。
【0203】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス4」の当選時に、設定打順補助制御及び入賞補助演出に従う遊技を実行した場合に、当該遊技においてメダルを獲得することが難しい構成となっている。
【0204】
しかしながら、上述した通り、本実施形態のAT制御手段200は、非AT状態において、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合に、チャンス役又は特殊小役が入賞した場合に実行する通常AT抽選よりも遊技者にとって有利な特定AT抽選を実行するように構成されている。
【0205】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1では、非AT状態において設定打順補助制御及び入賞補助演出が実行された際に、設定打順補助制御及び入賞補助演出で報知される設定打順のうち第1停止操作に設定されたストップボタンを押下する遊技を実行することで、1/6の確率で15枚の配当に設定されたチャンス役が入賞するため、規定投入数よりも多い配当に設定されたチャンス役の入賞によってメダルを獲得できるとともに、5/6の確率でチャンス役が入賞せず1枚の配当に設定された1枚役Dが入賞する場合にも、チャンス役が入賞した際に実行される通常AT抽選よりも有利な特定AT抽選が実行されるため、メダルを獲得できなかった場合にも遊技者にとって有利な制御が実行されることで、設定打順に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0206】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に、設定打順補助制御及び入賞補助演出に従った遊技が実行され、設定打順のうち第1停止操作に設定されたストップボタンが押下操作された場合に、1/6の確率で第1配当としての15枚の配当に設定されたチャンス役が入賞し、5/6の確率で第3配当としての1枚の配当に設定された1枚役Dが入賞するため、チャンス役の入賞する確率を引き下げることで設定打順のうち第1停止操作に設定されたストップボタンを押下操作する遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げることができる。
【0207】
また、このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合において、第1停止操作から設定打順とは異なる非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作する遊技を実行することで、確実に第2配当としての14枚の配当に設定された特殊小役を入賞させることができ、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合におけるメダルの獲得率を高めることができる。
【0208】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、演出状態が通常AT状態、特定AT状態に移行した場合に、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に、設定打順補助制御及び入賞補助演出を実行しないように構成されているとともに、AT状態における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に、チャンス役が入賞した場合と、特殊小役が入賞した場合と、1枚役Dが入賞した場合と、のいずれの場合にも遊技者にとって有利となる補助遊技に係る制御を実行しないように構成されている。
【0209】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1では、通常AT状態又は特定AT状態でかつ当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作する場合よりも非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作した場合の方が、メダルを獲得する可能性が高くなっている。
【0210】
ここで、図9に示したように、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」のいずれにおいても設定打順に設定されていない共通の非設定打順として、打順1及び打順2が設定された構成となっている。
【0211】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1では、演出状態が通常AT状態又は特定AT状態であり、かつ入賞補助が実行されず遊技者が任意の操作態様でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作する場合に、打順1又は打順2のストップボタンB1を第1停止操作する打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作することで、規定投入数(3枚)よりも多い14枚の配当に設定された特殊小役を入賞させることができるため、通常AT状態又は特定AT状態での当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、共通の非設定打順で遊技を実行することで特殊小役が入賞するため、遊技者にストレスを与えることなく容易にメダルを獲得させることができる。
【0212】
また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合、15枚の払い出しが実行されるチャンス役が入賞した場合と、14枚の払い出しが実行される特殊小役が入賞した場合と、に共通の演出(通常入賞音の出力、通常入賞フラッシュの実行、通常入賞映像の表示)が実行され、1枚の払い出ししか実行されないものの非AT状態において遊技者にとって有利な特典付与抽選が実行される1枚役Dが入賞した場合に、チャンス役又は特殊小役が入賞した場合に実行される演出よりも遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる演出(特別入賞音の出力、特別入賞フラッシュの実行、特別入賞映像の表示)が実行される。
【0213】
このような構成により、スロットマシン1は、非AT状態で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合において、規定投入数よりも多い配当が設定されているものの通常特典抽選が実行されるチャンス役又は特殊小役が入賞した場合には、共通の演出を実行するとともに、規定投入数よりも少ない配当が設定されているものの通常特典抽選よりも遊技者にとって有利な特定特典付与抽選が実行される1枚役Dが入賞した場合には、チャンス役又は特殊小役が入賞した場合に実行される演出よりも遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる演出を実行することで、当該遊技において獲得できたメダルの枚数が少なくともAT状態に移行し多くのメダルを獲得可能になる可能性がチャンス役及び特殊小役の入賞時よりも高い1枚役Dの入賞時に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる演出を実行でき、スロットマシン1の設計自由度を維持しつつ遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる演出を実現できる。
【0214】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、チャンス役が入賞した場合と1枚役Dが入賞した場合とで異なる演出を実行する、つまり同一の打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合にも入賞した役に応じた適切な演出を実行することができる。
【0215】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、チャンス役が入賞した場合と特殊小役が入賞した場合と共通の演出を実行する、つまり規定投入数よりも多い配当に設定され遊技者にメダルを獲得させるために設けられている共通の機能を有する小役の入賞時に共通の演出を実行することができ、入賞した役に応じた適切な演出を実行することができるとともに、機能が共通した複数の小役の入賞時の演出を共通化することで、演出に係るデータ容量を削減することができる。
【0216】
ここで、上述した通り、本実施形態のスロットマシン1では、打順1又は打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作した場合に、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に確実に特殊小役が入賞する構成となっていることから、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に15枚の配当が設定されたベルA~ベルDが入賞する当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」について、打順1又は打順2が正解打順に設定されていない構成となっている。
【0217】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、打順1又は打順2で継続して遊技を実行した場合にも、過度なメダルの払い出しが実行されてしまい遊技機の商品性が低下してしまうことを防止することができる。
【0218】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に15枚の配当が設定されたベルA~ベルDが入賞する当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」について、打順1又は打順2が正解打順に設定されていない構成となっており、遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ打順1又は打順2で継続して遊技を実行した場合に、15枚の配当に設定された小役が入賞しない構成となっているが、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に14枚の配当に設定された特殊小役が入賞することで、一時的な確率の偏りの影響を十分に無視できるだけの遊技回数である所定の遊技回数(例えば17500ゲーム)の遊技が打順1又は打順2のみのストップボタンB1~ストップボタンB3の操作で実行された場合において、所定の遊技回数の遊技の間に投入されるメダルの総投入数に対する所定の遊技回数の遊技の間に獲得されるメダルの総払出数の割合(出玉率)が60%以上となるように構成されている。
【0219】
また、上述したように、本実施形態のAT制御手段200は、演出状態が非AT状態である場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合にベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知せず、演出状態がCZAT準備状態である場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合にベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を30%の確率で報知し、演出状態がCZAT状態である場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合にベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を100%の確率で報知する。
【0220】
そして、AT制御手段200は、演出状態が非AT状態又はCZAT準備状態である場合には、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行し、演出状態がCZAT状態である場合には、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されている。
【0221】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、CZAT状態への移行が確定しているCZAT準備状態において、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でCZAT状態、通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0222】
この、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」が、本実施形態における第1当選態様を構成し、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」が、本実施形態における第2当選態様を構成する。また、第1配当としての1枚の配当に設定された1枚役Dが、本実施形態における第1配当の小役を構成し、第2配当としての14枚の配当に設定された特殊小役が、本実施形態における第2配当の小役を構成し、第3配当としての15枚の配当に設定されたベルA~ベルDが、本実施形態における第3配当の小役を構成し、第4配当としての1枚の配当に設定された1枚役A~1枚役Cが、本実施形態における第4配当の小役を構成する。また、非AT状態が、本実施形態における第1状態を構成し、CZAT準備状態が、本実施形態における第2状態を構成し、CZAT状態が、本実施形態における第3状態を構成する。
【0223】
以上のように、本実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタン(B1,B2,B3)と、
内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段(200)と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様と、第2当選態様と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役と、第4配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、第3状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第3状態への移行が確定されたことに基づき移行される状態であり、
前記第3状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0224】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、CZAT状態への移行が確定しているCZAT準備状態において、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でCZAT状態、通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0225】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、特定当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記特定当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記特定当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記特定当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記特定当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記特定当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記特定当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「1枚役」)と、第2当選態様(当選エリア「レア役」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1役(1枚役K)の当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第2役(レア役)の当選が対応付けられ、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記第1役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記第2役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/8.3)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/1365.3)であり、
前記内部抽選において、前記特定当選態様の当選確率は、第3確率(約1/20.2)であり、
前記第3確率は、前記第2確率よりも高く、かつ前記第1確率よりも低い確率である。
【0226】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「レア役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP(BL)-ST」から構成されたレア役が入賞する場合と、当選エリア「1枚役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP-BKA」から構成された1枚役Kが入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/8.3の確率で当選する当選エリア「1枚役」の当選によって入賞可能になる1枚役Kと、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になる特殊小役と、約1/1365.2の確率で当選する当選エリア「レア役」の当選によって入賞可能になるレア役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0227】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「1枚役」)が含まれ、
前記第2当選態様には、特定役の当選が対応付けられ、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/8.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも低い確率である。
【0228】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「1枚役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP-BKA」から構成された1枚役Kが入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/8.3の確率で当選する当選エリア「1枚役」の当選によって入賞可能になる1枚役Kと、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になる特殊小役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0229】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「レア役」)が含まれ、
前記第2当選態様には、特定役(レア役)の当選が対応付けられ、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/1365.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率である。
【0230】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「レア役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP(BL)-ST」から構成されたレア役が入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になる特殊小役と、約1/1365.3の確率で当選する当選エリア「レア役」の当選によって入賞可能になるレア役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0231】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「1枚役」)が含まれ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(1枚役K)の当選が対応付けられ、
前記第3配当は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数以下の配当であり、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記第3配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/8.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも低い確率である。
【0232】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「1枚役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP-BKA」から構成された1枚役Kが入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/8.3の確率で当選する当選エリア「1枚役」の当選によって入賞可能になり、規定投入数以下の配当である1枚の配当に設定された1枚役Kと、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になり、1枚役Dよりも多い配当である14枚の配当に設定された特殊小役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0233】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」)が含まれ、
前記第2当選態様には、特定リプレイ(リプレイA)の当選が対応付けられ、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記第特定リプレイの入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/7.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも低い確率である。
【0234】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「通常リプレイ1」又は当選エリア「通常リプレイ2」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP-BKC」から構成されたリプレイAが入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/7.3の確率で当選する当選エリア「通常リプレイ1」、当選エリア「通常リプレイ2」の当選によって入賞可能になり、再遊技となるリプレイAと、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になり、1枚役Dよりも多い配当である14枚の配当に設定された特殊小役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0235】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「レア役」)が含まれ、
前記第2当選態様には、特定役(レア役)の当選が対応付けられ、
前記補助遊技制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき抽選結果制御を行い、
前記補助遊技制御手段は、前記内部抽選で前記第2当選態様に当選した場合に、特定抽選結果制御を実行し、
前記特定抽選結果制御は、他の抽選結果制御よりも遊技者にとって有利な制御であり、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/1365.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率である。
【0236】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選エリア「レア役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP(BL)-ST」から構成されたレア役が入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になり、1枚役Dよりも多い配当である14枚の配当に設定された特殊小役と、約1/1365.3の確率で当選する当選エリア「レア役」の当選によって入賞可能になり、当選することで他の当選エリアの当選時よりも遊技者にとって有利な特定抽選結果制御が実行されるレア役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0237】
また、本実施形態の遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記複数のリールには、特定リール(第1リールR1)と、が含まれ、
前記特定リールには、特定図柄(リプレイ図柄「RP」)が配列され、
前記複数の当選態様には、第2当選態様(当選エリア「レア役」)が含まれ、
前記第2当選態様には、特定役(レア役)の当選が対応付けられ、
前記補助遊技制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき抽選結果制御を行い、
前記補助遊技制御手段は、前記内部抽選で前記第2当選態様に当選した場合に、特定抽選結果制御を実行し、
前記特定抽選結果制御は、他の抽選結果制御よりも遊技者にとって有利な制御であり、
前記特定図柄は、前記第2配当の小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、前記特定役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する前記特定リールの図柄と、に含まれ、
前記内部抽選において、前記第1当選態様の当選確率は、第1確率(約1/20.2)であり、
前記内部抽選において、前記第2当選態様の当選確率は、第2確率(約1/1365.3)であり、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率である。
【0238】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されて入賞図柄組合せが「RP-CH-BKA」から構成された特殊小役が入賞する場合と、当選することで他の当選エリアの当選時よりも遊技者にとって有利な特定抽選結果制御が実行される当選エリア「レア役」に当選し入賞図柄組合せが「RP-RP(BL)-ST」から構成されたレア役が入賞する場合と、のいずれの場合においても、ストップボタンB1が押下操作された際に第1リールR1の上段にリプレイ図柄「RP」が停止するため、第1リールR1が停止した時点で、約1/20.2の確率で当選する当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選によって入賞可能になり、1枚役Dよりも多い配当である14枚の配当に設定された特殊小役と、約1/1365.3の確率で当選する当選エリア「レア役」の当選によって入賞可能になり、当選することで他の当選エリアの当選時よりも遊技者にとって有利な特定抽選結果制御が実行されるレア役と、のいずれが入賞するのか遊技者に判別されることがなく、以降の停止操作に関して遊技者の注目が散漫になってしまうことを防止することができる。
【0239】
6.変形例
なお、本実施形態において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、30%に限らず、例えば、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。
【0240】
また、本実施形態において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、CZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。
【0241】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態(非AT状態)と、第2状態(CZAT準備状態)と、第3状態(CZAT状態)と、を制御し、
前記第2状態は、前記第3状態への移行が確定されたことに基づき移行される状態であり、
前記第3状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第3状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態又は前記第3状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0242】
このような構成により、スロットマシン1は、CZAT準備状態において当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、CZAT準備状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくいCZAT準備状態に対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0243】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、複数のリールとして3本のリールを有しているが、これに限らず、例えば、4本のリールを有していてもよい。
【0244】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順が設定された当選エリアとして、打順3~打順6が正解打順に設定された当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」を有しているが、これに限らず、打順1が正解打順に設定された当選エリア「打順ベル5」や、打順2が正解打順に設定された当選エリア「打順ベル6」を有するように構成されていてもよい。
【0245】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1配当の小役として1枚の配当に設定された1枚役Dを有し、第2配当の小役として14枚の配当に設定された特殊小役を有し、特殊小役よりも高い配当の小役として15枚の配当に設定されたチャンス役を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第1配当が第2配当よりも低い配当に設定されていればよく、例えば、第1配当の小役が、規定投入数(3枚)よりも多い配当に設定されていてもよい。また、スロットマシン1は、第2配当が第1配当よりも高い配当であれば、規定投入数(3枚)と同数又は規定投入数よりも少ない配当に設定されていてもよい。
【0246】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が非設定打順で押下操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず14枚の配当に設定された特殊小役が入賞するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、ボーナス成立状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が非設定打順で、かつ第1停止操作が所定の押下タイミングである場合に、当選している14枚の配当(第2配当)に設定された小役が入賞し、ストップボタンB1~ストップボタンB3が正解打順で、かつ第1停止操作が所定の押下タイミングとは異なるタイミングである場合に、当選している14枚の配当に設定された小役が入賞せずに1枚の配当に設定された小役等、第2配当とは異なる配当の小役が入賞する又は取りこぼし(非入賞)となるように構成されていてもよい。
【0247】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、特定当選態様として、設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで、第1停止操作の押下タイミングによって15枚の配当が設定されたチャンス役と、1枚の配当が設定された1枚役Dと、のいずれかが入賞し、非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで、14枚の配当が設定された特殊小役が入賞するように構成された当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」を有しており、非AT状態において、設定打順を報知する設定打順報知制御が実行されるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで、第1配当に設定された複数の小役が重複して入賞し、設定打順とは異なる非設定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで、第1配当よりも高い第2配当の小役が単独で入賞する当選エリアを、特定当選態様として有していてもよい。
【0248】
図17は、変形例のスロットマシン1における第1リールR1~第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図5に示すように、第1リールR1~第3リールR3の外周面に、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ブランクA図柄「BKA」、ブランクB図柄「BKB」及びブランクC図柄「BKC」が配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0249】
図18は、変形例のスロットマシン1における特定打順当選態様としての当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」の当選時に重複当選する小役と、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞可能となる役と、について示す図である。図18に示すように、当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」は、それぞれ第1停止操作が実行された時点で、当該遊技で入賞可能となる小役がチャンス役と、特殊小役A及び特殊小役Bと、のいずれかに限定されるように構成されている。このため、1枚の配当に設定された1枚役E、1枚役Fは、当選エリア「打順チャンスB」、当選エリア「打順チャンスC」の当選時には入賞しない構成となっている。なお、このように構成される場合において、1枚役E、1枚役Fは、ボーナス状態における内部抽選で「全1枚役」に当選した1枚役E、1枚役Fも当選し、入賞可能となるように構成される。
【0250】
図19は、当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」の当選時に重複当選するチャンス役、特殊小役A、特殊小役B、1枚役E、1枚役Fの入賞図柄組合せと配当とを示す図である。なお、上述したように、1枚役E、1枚役Fについて、当選エリア「打順チャンスB」、当選エリア「打順チャンスC」の当選時に入賞しない構成となっているため、以下の説明においては、15枚の配当に設定されたチャンス役と、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bと、について、より詳しく説明する。
【0251】
図19に示すように、チャンス役の入賞図柄組合せは「BLA-WM(CH)-WM」から構成されており、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成されている。
【0252】
特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」から構成されており、第1リールR1、第3リールR3について、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、第2リールR2について、第2リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」から構成されており、第1リールR1、第2リールR2について、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能な図柄から構成され、第3リールR3について、第3リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されている。
【0253】
このような構成であることから、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せとして「WM-RP-RP」が表示された場合に、特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の両方の入賞図柄組合せが表示された状態となり、特殊小役Aと特殊小役Bとが重複して入賞する構成となっている。
【0254】
当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」の当選時におけるリール停止制御の詳細について、当選エリア「打順チャンスA」を用いて説明する。スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンスA」に当選し、かつストップボタンB1が第1停止操作される第2打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行され、1枚の配当に設定された特殊小役A及び特殊小役Bよりも多い15枚の配当に設定されたチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM(CH)-WM」を構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示され、第2停止操作が実行された場合においてもチャンス役の入賞図柄組合せを構成する図柄が有効ラインL1上に停止表示されることでチャンス役が入賞する。
【0255】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンスA」に当選し、かつストップボタンB2が第1停止操作される第2打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM-WM」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-CH-WM」の1個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0256】
このため、スロットマシン1では、リール制御手段130によるリール停止制御において個数優先制御が実行され、第2リールR2の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A、特殊小役Bに限定される。
【0257】
また、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンスA」に当選し、かつストップボタンB3が第1停止操作される第2打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することでチャンス役の入賞図柄組合せ「BLA-WM-WM」と、「BLM-CH-WM」の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することで特殊小役Aの入賞図柄組合せ「WM-ANY-RP」と、特殊小役Bの入賞図柄組合せ「WM-RP-ANY」と、の2個の図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となる。
【0258】
リール制御手段130は、スイカ図柄「WM」と、リプレイ図柄「RP」と、のそれぞれを第3リールR3の上段に停止表示した場合における有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が同一であることから、個数優先制御によってスイカ図柄「WM」と、リプレイ図柄「RP」と、との間に優先順位をつけられないため、停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを用いたリール停止制御によって、リプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示することを決定する。
【0259】
このようなリール停止制御が実行されることにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンスA」に当選し、かつストップボタンB3に第1停止操作が実行された場合に、第3リールR3の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示され、当該遊技において入賞可能となる小役が特殊小役A、特殊小役Bに限定される。
【0260】
当選エリア「打順チャンスA」に当選し、かつ打順3~打順6の第1打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、スロットマシン1では、第1リールR1の中段にスイカ図柄「WM」が停止表示され、第2リールR2、第3リールR3の中段にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるリール停止制御が実行され、有効ラインL1上に「WM-RP-RP」の図柄組合せが停止表示される。上述した通り、特殊小役Aの入賞図柄組合せは「WM-ANY-RP」であり、第2リールR2に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Aの入賞図柄組合せを構成している。また、特殊小役Bの入賞図柄組合せは「WM-RP-ANY」であり、第3リールR3に配列されたすべての図柄のうちの任意の図柄(ANY)から入賞図柄組合せが構成されていることから、リプレイ図柄「RP」も任意の図柄の1つに含まれているため、有効ラインL1上に表示されている「WM-RP-RP」についても、特殊小役Bの入賞図柄組合せを構成している。
【0261】
つまり、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せ「WM-RP-RP」は、特殊小役Aの入賞図柄組合せと、特殊小役Bの入賞図柄組合せと、のいずれの入賞図柄組合せを満たす図柄組合せである。これにより、スロットマシン1では、有効ラインL1上に図柄組合せ「WM-RP-RP」が停止表示されることで、特殊小役Aと特殊小役Bとの2個の小役が重複して入賞(重複入賞)する。
【0262】
このように構成される場合において、スロットマシン1では、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」に当選した場合に、遊技者にとって有利なストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様として、入賞する小役の数が多くなる操作態様である第1打順(設定打順)を報知する第1打順報知制御(設定打順報知制御)及び第1打順報知制御に対応する入賞補助演出を実行するように構成される。第1打順報知制御において、AT制御手段200は、第1打順のうち第1停止操作を実行するストップボタンとして、ストップボタンB2、ストップボタンB3の2つのストップボタンのうちいずれか1つを報知する入賞補助制御を実行する。第1打順報知制御に従った遊技が実行され、第1打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることで、スロットマシン1では、それぞれ1枚の配当に設定された特殊小役Aと、特殊小役Bと、が重複して入賞し、2枚の払い出しが実行されるように構成されている。
【0263】
また、スロットマシン1では、AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」に当選した場合に、第1打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、15枚の払い出しが実行されるチャンス役の入賞確率を高めることができる。
【0264】
そして、AT制御手段200は、特殊小役Aと特殊小役Bとが重複入賞する場合に、チャンス役が入賞した場合よりも、遊技者にとって有利となる補助遊技に係る制御(特殊小役Aと特殊小役Bとが重複入賞した場合に記憶値が制御の実行契機となる閾値に向けて更新されることで遊技者にとって有利となるカウンタを更新しチャンス役が入賞した場合には該カウンタを更新しない、特殊小役Aと特殊小役Bとが重複入賞した場合に第1AT抽選を実行し、チャンス役が入賞した場合に第1AT抽選よりも「AT状態への移行」に当選する確率が低い第2AT抽選を実行する等)を実行するように構成されていてもよい。
【0265】
つまり、遊技機において、
前記特定当選態様には、第1配当の小役と、第2配当の小役と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記特定当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記特定当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記特定当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、第1状態と、第2状態と、を制御し、
前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記補助遊技制御手段は、前記第1状態であり、かつ前記特定当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2状態であり、かつ前記特定当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記第1配当の小役が入賞した場合に、前記第2配当の小役が入賞した場合よりも、遊技者にとって有利となる前記補助遊技に係る制御を実行する。
【0266】
このように構成される場合、当選エリア「打順チャンスA」~当選エリア「打順チャンスC」が、特定当選態様を構成し、1枚の配当に設定された特殊小役A、特殊小役Bが、第1配当の小役を構成し、15枚の配当に設定されたチャンス役が、第2配当の小役を構成する。
【0267】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、演出状態として、非AT状態と、CZAT準備状態と、CZAT状態と、AT準備状態、通常AT状態、特定AT状態と、を有しているが、これに限定されない。以下に、スロットマシン1が図7に示した演出状態の構成とは異なる構成を有する場合における、演出状態の遷移の具体例について、図20図24を用いて説明する。なお、通常区間と、有利区間と、については、本実施形態における通常区間と、有利区間と、と同一の構成であることから、説明を省略する。
【0268】
図20は、変形例のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0269】
AT制御手段200は、有利区間を開始した場合に、演出状態によらず毎回の遊技の都度、有利区間において実行された遊技回数を計数する特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値に1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値が値「1300」に達した場合に、特定AT状態への移行条件(特定AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。また、AT制御手段200は、有利区間において最もメダルを消費した時点から2000枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合に、特定AT移行条件が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。
【0270】
スロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としてのAT準備状態、通常AT状態、ATインターバル状態及び特定AT状態と、を有している。
【0271】
非AT状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、に設定される複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、AT抽選を実行し、「AT状態への移行」に当選した場合に、演出状態を非AT状態からAT準備状態に移行する。
【0272】
また、AT制御手段200は、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0273】
AT準備状態は、非AT状態においてAT制御手段200が実行するAT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、AT準備状態において、AT準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるAT準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、AT準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をAT準備状態から通常AT状態に移行する。
【0274】
AT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、通常AT状態が継続する遊技回数を加算(上乗せ)するか否かを決定する初期ゲーム数上乗せ抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも多い値を加算可能な抽選テーブルを取得して初期ゲーム数上乗せ抽選を実行する。AT制御手段200は、初期ゲーム数上乗せ抽選の結果を、通常AT状態が継続する遊技回数を計数するAT継続ゲーム数カウンタに加算する。
【0275】
AT制御手段200は、AT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、AT準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、AT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%(第1確率)の確率で入賞補助制御を実行する。
【0276】
また、AT制御手段200は、AT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0277】
通常AT状態は、AT準備状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、通常AT状態において、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0278】
通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
【0279】
AT制御手段200は、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、AT状態を継続させるか否かを決定するAT継続抽選を実行する。AT継続抽選において、「AT状態の継続」に当選した場合、AT制御手段200は、演出状態を通常AT状態からATインターバル状態に移行する。一方、AT継続抽選において、「AT状態の継続」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0280】
AT制御手段200は、通常AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、通常AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、通常AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0281】
また、通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、通常AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0282】
ATインターバル状態は、通常AT状態が終了する際に実行されるAT継続抽選において「AT状態の継続」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、ATインターバル状態において、ATインターバル状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるATインターバルゲーム数カウンタに初期値として値「15」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0283】
AT制御手段200は、ATインターバルゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、通常AT状態に移行させるか否かを決定する通常AT移行抽選を実行する。通常AT移行抽選において、「通常AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、演出状態をATインターバル状態から通常AT状態に移行する。一方、AT継続抽選において、「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。なお、通常AT移行抽選は、高確率(約65%)で「通常AT状態への移行」に当選するように構成されている。
【0284】
AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、ATインターバル状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、ATインターバル状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、30%の確率(第2確率)で入賞補助制御を実行する。
【0285】
また、AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0286】
このように、ATインターバル状態は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に低確率で入賞補助制御が実行されるため、メダルの獲得期待値が通常AT状態よりも低い状態であるとともに、通常AT状態から移行した場合に高確率で再度通常AT状態に移行可能な状態として構成されており、一連の有利状態におけるインターバルとして機能する演出状態となっている。
【0287】
特定AT状態は、有利区間中に特定AT移行条件が成立した場合に、いずれの演出状態からも移行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、のいずれかの特定終了条件が成立するまで、特定AT状態を継続する。なお、特定終了条件が成立した場合、AT制御手段200は、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0288】
AT制御手段200は、特定AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、特定AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0289】
また、特定AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、特定AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0290】
このように構成された場合、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(ATインターバル状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(30%)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0291】
このような構成により、スロットマシン1は、ATインターバル状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするとともに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、ATインターバル状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上で通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0292】
なお、図20に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、例えば30%等の通常AT状態での当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御の実行確率(100%)よりも低確率に構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、演出状態がAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第2有利状態として、AT準備状態を有する構成であってもよい。
【0293】
また、図20に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、AT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。
【0294】
また、図20に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、30%に限らず、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。
【0295】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態と、第2有利状態と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0296】
この構成により、スロットマシン1は、ATインターバル状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行せずに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、ATインターバル状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を大幅に引き下げた上で通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0297】
また、図20に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、AT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。
【0298】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(ATインターバル状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0299】
このような構成により、スロットマシン1は、ATインターバル状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、ATインターバル状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、ATインターバル状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくいATインターバル状態に対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0300】
また、このように構成された場合において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、30%に限らず、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。
【0301】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(ATインターバル状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0302】
このような構成により、スロットマシン1は、ATインターバル状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行しないものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、ATインターバル状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、ATインターバル状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を適切な範囲に設定した上で通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を向上させることができる。
【0303】
図21は、変形例のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0304】
AT制御手段200は、有利区間を開始した場合に、演出状態によらず毎回の遊技の都度、有利区間において実行された遊技回数を計数する特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値に1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値が値「1300」に達した場合に、特定AT状態への移行条件(特定AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。また、AT制御手段200は、有利区間において最もメダルを消費した時点から2000枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合に、特定AT移行条件が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。
【0305】
スロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としてのCZAT準備状態、通常CZAT状態、特定CZAT状態、通常AT状態、ATインターバル状態及び特定AT状態と、を有している。
【0306】
非AT状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、設定される複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、CZAT抽選を実行し、「CZAT状態への移行」に当選した場合に、演出状態を非AT状態からCZAT準備状態に移行する。
【0307】
また、AT制御手段200は、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0308】
CZAT準備状態は、非AT状態においてAT制御手段200が実行するCZAT抽選において「CZAT状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、CZAT準備状態において、CZAT準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZAT準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、CZAT準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をCZAT準備状態から通常CZAT状態に移行する。
【0309】
CZAT準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、通常CZAT状態で複数回実行する通常CZAT継続抽選において、1回分の通常CZAT抽選で「通常CZAT状態の継続」に当選した権利を付与する、つまり「通常CZAT状態の継続」抽選結果を書き換えるか否かを決定する継続付与抽選を実行する。AT制御手段200は、継続付与抽選において「抽選結果を継続に書き換え」に当選した場合に、通常CZAT状態において実行される通常CZAT継続抽選において、「通常CZAT状態を終了する」と決定されるまで、継続付与抽選で当選した結果をストックする。
【0310】
AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、CZAT準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、CZAT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%(第1確率)の確率で入賞補助制御を実行する。
【0311】
また、AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0312】
通常CZAT状態は、CZAT準備状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、通常CZAT状態において、通常CZAT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである通常CZATゲーム数カウンタに初期値として値「10」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0313】
通常CZAT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、記憶値が所定値(例えば値「3」)に達した場合に特定CZAT状態への移行条件が成立する特定CZATポイントカウンタの記憶値に値を加算するか否かを抽選する特定CZATポイント抽選を実行する。
【0314】
AT制御手段200は、通常CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、通常CZAT状態を継続するか否かを決定する通常CZAT継続抽選を実行し、「通常CZAT状態の継続」に当選した場合に、通常CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、通常CZAT継続抽選によって継続すると決定した回数を計数する継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。また、通常CZAT継続抽選で「通常CZAT状態の終了」に決定された場合、AT制御手段200は、CZAT準備状態において継続付与抽選で「抽選結果を継続に書き換え」に当選した結果をストックしているか否かを参照し、「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされている場合には、通常CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。
【0315】
AT制御手段200は、継続回数カウンタの記憶値が値「2」の状態で実行する通常CZAT継続抽選、つまり、一連の通常CZAT状態における3回目の通常CZAT継続抽選において「通常CZAT状態の継続」に当選した場合と、「通常CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていた場合と、に、通常AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を通常CZAT状態から通常AT状態に移行する。
【0316】
AT制御手段200は、通常CZAT継続抽選において「通常CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていない場合に、通常CZAT状態を終了する。通常CZAT状態を終了する場合において、AT制御手段200は、特定CZATポイントカウンタの記憶値が所定値としての値「3」以上である場合に、特定CZAT状態への移行条件(特定CZAT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常CZAT状態から特定CZAT状態に移行する。一方、AT制御手段200は、特定CZATポイントカウンタの記憶値が値「3」未満である場合に、特定CZAT移行条件が成立していないと判定し、演出状態を通常CZAT状態から非AT状態に移行する。
【0317】
AT制御手段200は、通常CZAT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、通常CZAT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0318】
また、通常CZAT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、通常CZAT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0319】
特定CZAT状態は、通常CZAT状態において特定CZAT移行条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、特定CZAT状態において、特定CZAT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである特定CZATゲーム数カウンタに初期値として値「7」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0320】
特定CZAT状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、特定CZAT状態の終了後に通常AT状態に移行するか否かを決定する通常AT移行抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも「通常AT状態への移行」に当選する確率が高い抽選テーブルを取得して通常AT移行抽選を実行する。
【0321】
AT制御手段200は、特定CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、特定CZAT状態を終了する。AT制御手段200は、特定CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になるまでに通常AT移行抽選で「通常AT状態への移行」に当選した場合には、特定CZAT状態の終了に基づき演出状態を特定CZAT状態から通常AT状態に移行し、特定CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になるまでに通常AT移行抽選で「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合には、特定CZAT状態の終了に基づき演出状態を特定CZAT状態から非AT状態に移行する。
【0322】
AT制御手段200は、特定CZAT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、特定CZAT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0323】
また、特定CZAT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、特定CZAT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0324】
通常AT状態は、通常CZAT状態又は特定CZAT状態において、通常AT状態への移行条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、通常AT状態において、AT継続ゲーム数カウンタに初期値として値「50」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0325】
通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
【0326】
AT制御手段200は、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、AT状態を継続させるか否かを決定するAT継続抽選を実行する。AT継続抽選において、「AT状態の継続」に当選した場合、AT制御手段200は、演出状態を通常AT状態からATインターバル状態に移行する。一方、AT継続抽選において、「AT状態の継続」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0327】
AT制御手段200は、通常AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、通常AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、通常AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0328】
また、通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、通常AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0329】
ATインターバル状態は、通常AT状態が終了する際に実行されるAT継続抽選において「AT状態の継続」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、ATインターバル状態において、ATインターバル状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるATインターバルゲーム数カウンタに初期値として値「15」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0330】
AT制御手段200は、ATインターバルゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、通常AT状態に移行させるか否かを決定する通常AT移行抽選を実行する。通常AT移行抽選において、「通常AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、演出状態をATインターバル状態から通常AT状態に移行する。一方、AT継続抽選において、「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。なお、通常AT移行抽選は、高確率(約65%)で「通常AT状態への移行」に当選するように構成されている。
【0331】
AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、ATインターバル状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、ATインターバル状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、30%の確率(第2確率)で入賞補助制御を実行する。
【0332】
また、AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0333】
このように、ATインターバル状態は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に低確率で入賞補助制御が実行されるため、メダルの獲得期待値が通常AT状態よりも低い状態であるとともに、通常AT状態から移行した場合に高確率で再度通常AT状態に移行可能な状態として構成されており、一連の有利状態におけるインターバルとして機能する演出状態となっている。
【0334】
特定AT状態は、有利区間中に特定AT移行条件が成立した場合に、いずれの演出状態からも移行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、のいずれかの特定終了条件が成立するまで、特定AT状態を継続する。なお、特定終了条件が成立した場合、AT制御手段200は、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0335】
AT制御手段200は、特定AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、特定AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0336】
また、特定AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、特定AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0337】
このように構成された場合、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常CZAT状態、通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(ATインターバル状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(30%)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0338】
このような構成により、スロットマシン1は、ATインターバル状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするとともに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、ATインターバル状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上で通常CZAT状態、通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0339】
なお、図21に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、30%に限らず、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、ATインターバル状態おけるベルA~ベルDの入賞補助を実行する確率について、100%に構成されていてもよい。
【0340】
また、図21に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、ATインターバル状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第1有利状態としてATインターバル状態を有する構成であってもよい。
【0341】
また、図21に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、例えば30%等の通常AT状態での当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御の実行確率(100%)よりも低確率に構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、特定CZAT状態についても略同様に、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御について、通常AT状態において入賞補助制御を実行する確率よりも低確率又は実行しないように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第2有利状態として、CZAT準備状態、特定CZAT状態を有する構成であってもよい。
【0342】
また、図21に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、CZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。
【0343】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常CZAT状態、通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(CZAT準備状態、特定CZAT状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0344】
このような構成により、スロットマシン1は、CZAT準備状態及び特定CZAT準備状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、CZAT準備状態及び特定CZAT状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、CZAT準備状態及び特定CZAT状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくいCZAT準備状態及び特定CZAT状態に対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0345】
図22は、変形例のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0346】
スロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としてのCZAT準備状態、CZAT状態、通常AT状態、ATインターバル状態及び特定AT状態と、を有している。
【0347】
AT制御手段200は、通常区間から有利区間にする場合に、演出状態をCZAT準備状態に設定するように構成されている。また、AT制御手段200は、非AT状態に移行した場合に、有利区間が終了するまで非AT状態を継続するように構成されている。
【0348】
AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態、CZAT状態、通常AT状態及びATインターバル状態のいずれかである場合に、毎回の遊技の都度、有利状態において実行された遊技回数を計数する特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値に1ゲームに相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。AT制御手段200は、特定AT移行ゲーム数カウンタの記憶値が値「1300」に達した場合に、特定AT状態への移行条件(特定AT移行条件)が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。また、AT制御手段200は、有利状態において最もメダルを消費した時点から2000枚を超えるメダルを遊技者が獲得した場合に、特定AT移行条件が成立したと判定し、演出状態を特定AT状態に移行する。
【0349】
非AT状態は、CZAT状態又はATインターバル状態から通常AT状態に演出状態が移行しない場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、非AT状態において、非AT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである非ATゲーム数カウンタに初期値として値「900」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0350】
また、AT制御手段200は、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0351】
CZAT準備状態は、上述したように、通常区間から有利区間に移行した場合に設定される演出状態であり、CZAT状態への移行が確定されている演出状態である。AT制御手段200は、CZAT準備状態において、CZAT準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZAT準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、CZAT準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をCZAT準備状態からCZAT状態に移行する。
【0352】
CZAT準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、CZAT状態で複数回実行するCZAT継続抽選において、1回分のCZAT抽選で「CZAT状態の継続」に当選した権利を付与する、つまり「CZAT状態の継続」抽選結果を書き換えるか否かを決定する継続付与抽選を実行する。AT制御手段200は、継続付与抽選において「抽選結果を継続に書き換え」に当選した場合に、通常CZAT状態において実行されるCZAT継続抽選において、「CZAT状態を終了する」と決定されるまで、継続付与抽選で当選した結果をストックする。
【0353】
AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、CZAT準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、CZAT準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、30%の確率(第2確率)で入賞補助制御を実行する。
【0354】
また、AT制御手段200は、CZAT準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0355】
CZAT状態は、CZAT準備状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、CZAT状態において、CZAT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるCZATゲーム数カウンタに初期値として値「10」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0356】
AT制御手段200は、CZATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、CZAT状態を継続するか否かを決定するCZAT継続抽選を実行し、「CZAT状態の継続」に当選した場合に、CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、CZAT継続抽選によって継続すると決定した回数を計数する継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。また、CZAT継続抽選で「CZAT状態の終了」に決定された場合、AT制御手段200は、CZAT準備状態において継続付与抽選で「抽選結果を継続に書き換え」に当選した結果をストックしているか否かを参照し、「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされている場合には、CZATゲーム数カウンタの記憶値に値「10」をセットするとともに、継続回数カウンタの記憶値に値「1」を加算する。
【0357】
AT制御手段200は、継続回数カウンタの記憶値が値「2」の状態で実行するCZAT継続抽選、つまり、一連のCZAT状態における3回目のCZAT継続抽選において「CZAT状態の継続」に当選した場合と、「CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていた場合と、に、通常AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態をCZAT状態から通常AT状態に移行する。
【0358】
AT制御手段200は、CZAT継続抽選において「CZAT状態の終了」に決定し、かつ「抽選結果の継続に書き換え」に当選した結果がストックされていない場合に、通常AT状態への移行条件が成立しなかった(AT不当選)と判定し、演出状態をCZAT状態から非AT状態に移行する。
【0359】
AT制御手段200は、CZAT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、CZAT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。
【0360】
AT制御手段200は、リプレイを規定投入数と同数の払い出しが実行される役(3枚投入3枚払出)が実行される役として扱い、入賞補助制御を実行した場合には入賞補助制御に従った遊技が実行され、入賞補助制御が実行されない場合には、遊技機に設定されている入賞確率でベルA~ベルDが入賞する状態で遊技が実行されると想定した場合におけるCZAT状態での出玉率(リプレイ込みの出玉率)について、出玉率が約100%となるような頻度で入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0361】
ここで、出玉率は、一時的な確率の偏りの影響を十分に無視できるだけの遊技回数である所定の遊技回数(例えば17500ゲーム)の遊技が実行された場合において、所定の遊技回数の遊技の間に投入されるメダルの総投入数に対する所定の遊技回数の遊技の間に獲得されるメダルの総払出数の割合である。
【0362】
また、AT制御手段200は、CZAT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0363】
通常AT状態は、CZAT状態において、通常AT状態への移行条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、通常AT状態において、AT継続ゲーム数カウンタに初期値として値「50」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、演出状態を通常AT状態からATインターバル状態に移行する。
【0364】
通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、AT継続ゲーム数カウンタの記憶値を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
【0365】
AT制御手段200は、通常AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、通常AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、通常AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0366】
また、通常AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、通常AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0367】
ATインターバル状態は、通常AT状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、ATインターバル状態において、ATインターバル状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるATインターバルゲーム数カウンタに初期値として値「15」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0368】
AT制御手段200は、ATインターバルゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、通常AT状態に移行させるか否かを決定する通常AT移行抽選を実行する。通常AT移行抽選において、「通常AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段200は、演出状態をATインターバル状態から通常AT状態に移行する。一方、AT継続抽選において、「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、演出状態をATインターバル状態から非AT状態に移行する。
【0369】
AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、ATインターバル状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、ATインターバル状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、30%の確率(第2確率)で入賞補助制御を実行する。
【0370】
また、AT制御手段200は、ATインターバル状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0371】
このように、ATインターバル状態は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に低確率で入賞補助制御が実行されるため、メダルの獲得期待値が通常AT状態よりも低い状態であるとともに、通常AT状態から移行した場合に他の演出状態に移行することなく再度通常AT状態に移行可能な状態として構成されており、一連の有利状態におけるインターバルとして機能する演出状態となっている。
【0372】
特定AT状態は、有利状態中に特定AT移行条件が成立した場合に、CZAT準備状態、CZAT状態、通常AT状態及びATインターバル状態のいずれの演出状態からも移行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1有利区間カウンタ197aの記憶値が値「1500」に達した場合と、AT状態において第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「2400」を超えた場合と、のいずれかの特定終了条件が成立するまで、特定AT状態を継続する。なお、特定終了条件が成立した場合、AT制御手段200は、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0373】
AT制御手段200は、特定AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、特定AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、特定AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0374】
また、特定AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、特定AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0375】
このように構成された場合、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(CZAT準備状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(30%)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0376】
このような構成により、スロットマシン1は、CZAT準備状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするとともに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上で通常AT状態及び特定AT状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0377】
なお、図22に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がATインターバル状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、100%よりも低い確率であってもよく、また、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第2有利状態としてATインターバル状態を有していてもよい。
【0378】
また、図22に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、30%に限らず、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。
【0379】
また、図22に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態がCZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、CZAT準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、CZAT状態についても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、ATインターバル状態についても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。
【0380】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(通常AT状態、特定AT状態)と、第2有利状態(CZAT準備状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0381】
このような構成により、スロットマシン1は、CZAT準備状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、CZAT準備状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくいCZAT準備状態に対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0382】
図23は、変形例のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。なお、図23に示す遊技機においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に100%の確率でベルA~ベルDの入賞補助制御が実行され、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順報知制御が実行されず特殊小役が入賞することで、1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数が約6.0枚となるように構成されている。
【0383】
スロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としての擬似ボーナス準備状態、擬似ボーナス状態、ATモード準備状態、第1ATモード~第4ATモード及び上乗せ特化状態と、を有している。
【0384】
非AT状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、に設定される複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。本実施形態において、AT制御手段200は、非AT状態における補助遊技に係る各種制御を実行する際に用いる変数として、非ATモードを有している。
【0385】
非ATモードは、第1非ATモード~第5非ATモードの5種類のモードから構成されており、第1非ATモード<第2非ATモード<第3非ATモード<第4非ATモード<第5非ATモードの順に、遊技者にとって有利な制御が実行されるモードとなっている。AT制御手段200は、通常区間から有利区間に移行された場合に、第1非ATモード~第5非ATモードのいずれのモードを設定するかを決める開始時非ATモード抽選を実行し、抽選により決定した非ATモードをAT制御データ記憶手段197に格納する。
【0386】
有利区間の開始に基づき非ATモードを設定した後、AT制御手段200は、非AT状態における遊技回数をカウントする非ATゲーム数カウンタ(不図示)に設定する初期値を決定する開始時非ATゲーム数抽選を実行する。開始時非ATゲーム数抽選において、AT制御手段200は、AT制御データ記憶手段に格納した非ATモードに対応する抽選テーブルを取得する。
【0387】
開始時非ATゲーム数抽選において用いられる各抽選テーブルでは、それぞれ値「200」、値「400」、値「600」、値「800」に抽選値数が対応付けられており、第1非ATモード<第2非ATモード<第3非ATモード<第4非ATモード<第5非ATモードの順に、小さい値の当選確率が高くなるように抽選値数が対応付けられている。また、第3非ATモード~第5非ATモードである場合に用いられる各抽選テーブルでは、値「800」に抽選値数が対応付けられておらず値「200」、値「400」、値「600」のいずれかに当選するように構成されている。
【0388】
AT制御手段200は、開始時非ATゲーム数抽選によって決定した値を非ATゲーム数カウンタの初期値として設定し、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。
【0389】
また、本実施形態のAT制御手段200は、非AT状態において、設定されている非ATモードよりも有利な非ATモードに移行するか否かを決定するモード移行抽選を周期的に実行するために用いられるカウンタである周期ゲーム数カウンタ(不図示)に初期値として値「200」を設定し、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。
【0390】
AT制御手段200は、周期ゲーム数カウンタの記憶値を更新し値「0」になった場合に、モード移行抽選を実行する。モード移行抽選において、AT制御手段200は、例えば、第1非ATモードが設定されている場合には、設定する非ATモードを第2非ATモードに移行するか否かを抽選によって決定する、つまり現在設定されている非ATモードよりも1段階有利なモードに移行するか否かを抽選によって決定する。
【0391】
また、AT制御手段200は、通常区間から有利区間に移行した場合と、AT状態が終了した場合と、の非AT状態が開始された場合において、AT制御データ記憶手段197の非AT低確ゲーム数カウンタ(不図示)に初期値として値「200」を設定し、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。
【0392】
AT制御手段200は、非AT低確ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」ではない場合において、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、AT状態に移行するか否かを決定するAT抽選を実行しないように構成されている。一方、AT制御手段200は、非AT低確ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」である場合において、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、AT抽選を実行する。
【0393】
AT制御手段200は、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合と、AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合と、に、AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を非AT状態からAT状態のうち擬似ボーナス準備状態(後述)に移行する。また、AT制御手段200は、有利区間が開始された場合に、演出状態によらず遊技回数をカウントし、カウントの更新に係る制御において値「1300」に向けて更新するAT移行ゲーム数カウンタ(不図示)の記憶値が値「1300」になった場合に、AT状態への移行条件が成立したと判定し、演出状態を非AT状態から擬似ボーナス準備状態に移行する。
【0394】
AT制御手段200は、擬似ボーナス状態(後述)から非AT状態に移行した場合において、AT状態における遊技の内容に応じて非ATモードの設定に係る処理を実行する。AT制御手段200は、AT状態において後述する第1ATモード~第4ATモードの少なくとも1つが設定された状態で遊技が実行された後にAT状態が終了し非AT状態に演出状態を移行する場合に、非ATモードを決定する第1終了時モード抽選を実行する。第1終了時モード抽選において、AT制御手段200は、第2有利区間カウンタ197bの記憶値に対応する抽選テーブルを取得する。
【0395】
第1終了時モード抽選において用いられる各抽選テーブルでは、それぞれ第1非ATモード~第5非ATモードに抽選値数が対応付けられており、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「500」未満である場合に選択される抽選テーブルでは、第3非ATモード~第5非ATモードのいずれかに当選する確率が第1非ATモード、第2非ATモードのいずれかに当選する確率よりも高くなるように設定され、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「500」以上でかつ値「1500」未満である場合に選択される抽選テーブルでは、第2非ATモードに当選する確率が第1非ATモード、第3非ATモード~第5非ATモードのいずれかに当選する確率よりも高くなるように設定され、第2有利区間カウンタ197bの記憶値が値「1500」以上である場合に選択される抽選テーブルでは、第1非ATモードに当選する確率が第2非ATモード~第5非ATモードのいずれかに当選する確率よりも高くなるように設定されている。
【0396】
一方、本実施形態のAT制御手段200は、AT状態においてATモードが設定されることなくAT状態が終了し非AT状態に演出状態を移行する場合に、AT状態においてATモードが設定されなかったことを示す特定ATフラグをON状態にセットするとともに、非ATモードを決定する第2終了時モード抽選を実行する。第2終了時モード抽選において、AT制御手段200は、現在設定されている非ATモードに基づき抽選テーブルを取得する。
【0397】
第2終了時モード抽選において用いられる各抽選テーブルでは、それぞれ第1非ATモード~第5非ATモードに抽選値数が対応付けられており、第1非ATモード<第2非ATモード<第3非ATモード<第4非ATモードの順に、遊技者にとって有利な非ATモードの当選確率が高くなるように抽選値数が対応付けられている。また、第2終了時モード抽選において用いられる各抽選テーブルのうち、現在設定されている非ATモードが第2非ATモード~第4非ATモードである場合に用いられる抽選テーブルは、開始時非ATモード抽選において用いられる抽選テーブルよりも第3非ATモード~第5非ATモードのいずれかに当選する確率が高くなるように構成されている。
【0398】
なお、スロットマシン1では、第5非ATモードが設定されている状態でAT状態に演出状態が移行した場合には、必ずATモードが設定される構成であり、第2終了時モード抽選が実行されないことから、第5非ATモードである場合に対応する抽選テーブルについて有していない構成となっている。
【0399】
AT状態から非AT状態に移行し、かつ非ATモードを設定した後、AT制御手段200は、非ATゲーム数カウンタに設定する初期値を決定する開始時非ATゲーム数抽選を実行する。開始時非ATゲーム数抽選において、AT制御手段200は、特定ATフラグがOFF状態である場合には、有利区間の開始時に実行する開始時非ATゲーム数抽選と同様の処理を実行する。一方、AT制御手段200は、特定ATフラグがON状態である場合には、有利区間の開始時に実行する開始時非ATゲーム数抽選で用いた抽選テーブルとは異なる抽選テーブルを用いて開始時非ATゲーム数中抽選を実行する。
【0400】
特定ATフラグがON状態である場合、第1非ATモードが設定されている場合に用いられる抽選テーブルと、第2非ATモードが設定されている場合に用いられる抽選テーブルと、では、値「600」に略確実(例えば約99.5%)に当選し、極稀(例えば約0.5%)に値「400」に当選するようにそれぞれ構成されている。また、特定ATフラグがON状態である場合、第3非ATモードが設定されている場合に用いられる抽選テーブルと、第4非ATモードが設定されている場合に用いられる抽選テーブルと、第5非ATモードが設定されている場合に用いられる抽選テーブルと、では、値「400」に高確率(例えば約85%)に当選し、低確率(例えば約15%)で値「600」に当選するようにそれぞれ構成されている。
【0401】
また、AT状態から非AT状態に移行し、かつ非ATモードを設定した後、AT制御手段200は、有利区間を終了させるまでの遊技回数をカウントする有利区間終了ゲーム数カウンタ(不図示)に設定する初期値を決定する有利区間終了ゲーム数抽選を実行する。有利区間終了ゲーム数抽選において、AT制御手段200は、AT制御データ記憶手段197に格納した非ATモードを参照して対応する抽選テーブルを取得する。
【0402】
有利区間終了ゲーム数抽選において用いられる各抽選テーブルでは、設定されている非ATモードに応じた値に抽選値数が対応付けられている、第1非ATモードである場合に選択される抽選テーブルでは、値「50」~値「100」の範囲の値に抽選値数が対応付けられ、第1非ATモードである場合に選択される抽選テーブルでは、値「50」~値「100」の範囲の値に抽選値数が対応付けられ、第2非ATモードである場合に選択される抽選テーブルでは、値「150」~値「190」の範囲の値に抽選値数が対応付けられ、第3非ATモード~第5非ATモードである場合に選択される各抽選テーブルでは、値「700」~値「750」の範囲の値に抽選値数が対応付けられている。
【0403】
AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数抽選によって決定した値を有利区間終了ゲーム数カウンタの初期値として設定し、カウンタの更新に係る制御において、値「0」に向けて更新可能に構成されている。AT制御手段200は、有利区間終了ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となった場合に、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0404】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1では、AT状態が終了し非AT状態が開始される場合において、設定されている非ATモードが第1非ATモード又は第2非ATモードである場合には、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となる以前に有利区間終了ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となり、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づくAT状態への移行が行われることなく有利区間が終了する。
【0405】
また、スロットマシン1では、AT状態が終了し非AT状態が開始される場合において、設定されている非ATモードが第3非ATモード~第5非ATモードである場合には、有利区間終了ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となる以前に非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」となり、有利区間終了ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づく所定の終了処理が実行されることなく非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になったことに基づくAT状態への移行が実行される。
【0406】
擬似ボーナス準備状態は、非AT状態において「AT状態への移行」が決定された場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態において、擬似ボーナス準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである擬似ボーナス準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0407】
擬似ボーナス準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、ATモードを設定するか否かを決定するATモード抽選を実行する。AT制御手段200は、ATモード抽選において第1ATモード~第4ATモードのいずれかのATモードを設定すると決定した場合(ATモード設定条件成立)に、擬似ボーナス準備状態の終了後に移行する演出状態を擬似ボーナス状態からATモード準備状態に変更する。
【0408】
AT制御手段200は、擬似ボーナス準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になり、かつATモード抽選で第1ATモード~第4ATモードのいずれかのATモードの設定に当選した場合には、演出状態を擬似ボーナス準備状態からATモード準備状態に移行する。一方、AT制御手段200は、擬似ボーナス準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になり、かつATモード設定条件が成立していない場合には、演出状態を擬似ボーナス準備状態から擬似ボーナス状態に移行する。
【0409】
AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、擬似ボーナス準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0410】
また、AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0411】
擬似ボーナス状態は、擬似ボーナス準備状態においてATモード設定条件が成立しなかった場合に開始される状態である。擬似ボーナス状態において、AT制御データ記憶手段197のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(30ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0412】
AT制御手段200は、擬似ボーナス状態を開始した遊技において、ATモードを設定するか否かを決める抽選を実行する。AT制御手段200は、ATモードを設定するか否かを決める抽選として、特定ATフラグがOFF状態である場合、つまり、一連の有利区間における1回目の擬似ボーナス状態である場合と、一連の有利状態において少なくとも1回ATモードが設定された場合と、には、AT開始時第1モード抽選を実行し、特定ATフラグがON状態である場合、つまり、一連の有利区間において、前回有利状態に移行した際にATモードが設定されなかった場合には、AT開始時第2モード抽選を実行する。AT開始時第1モード抽選及びAT開始時第2モード抽選において、AT制御手段200は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値に基づき、抽選テーブルを選択するように構成されている。
【0413】
AT制御手段200は、AT開始時第1モード抽選又はAT開始時第2モード抽選を実行し、ATモードの設定の有無を決定し、ATモードを設定すると決定した場合には、抽選により決定したATモードをAT制御データ記憶手段197に格納し、擬似ボーナス状態が終了した後に決定したATモード準備状態を開始する。
【0414】
また、擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「レア役」に当選した場合と、において、ATモードが設定されていない場合にはATモードを設定するか否かを決定するATモード設定抽選を実行し、AT制御データ記憶手段197に第1ATモード~第4ATモードのいずれかが格納されている場合には、格納されているATモードよりも遊技者にとって有利なATモードに移行するか否かを抽選するATモード移行抽選を実行する。
【0415】
AT制御手段200は、AT状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、AT制御データ記憶手段197を参照してATモードが設定されているか否かを判定する。AT制御手段200は、AT制御データ記憶手段197に第1ATモード~第4ATモードのいずれもが格納されておらず、ATモードが設定されていないと判定した場合には、ATモード設定条件が不成立であったと判定する。AT制御手段200は、一連の有利状態において一度もATモードが設定されていないと判定した場合には、特定ATフラグをON状態にセットするとともに、演出状態を擬似ボーナス状態から非AT状態に移行する。なお、AT制御手段200は、一連の有利状態において少なくとも1回ATモードが設定されていた場合には、特定ATフラグをOFF状態に維持したまま、演出状態を擬似ボーナス状態から非AT状態に移行する。
【0416】
一方、AT制御データ記憶手段197に第1ATモード~第4ATモードのいずれかが格納されていた場合、AT制御手段200は、ATモード設定条件が成立したと判定し、演出状態を擬似ボーナス状態からATモード準備状態に移行する。
【0417】
AT制御手段200は、擬似ボーナス状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行する。AT制御手段200は、擬似ボーナス状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0418】
また、擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、擬似ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0419】
ATモード準備状態は、擬似ボーナス準備状態又は擬似ボーナス状態においてATモード設定条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、ATモード準備状態において、ATモード準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタであるATモード準備ゲーム数カウンタに初期値として値「8」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、ATモード準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態をATモード準備状態から設定されているATモードに演出状態を移行する。
【0420】
ATモード準備状態において、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、設定されているATモードよりも有利なATモードに移行するか否かを決定するATモード移行抽選を実行する。
【0421】
AT制御手段200は、ATモード準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、ATモード準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、ATモード準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0422】
また、AT制御手段200は、ATモード準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0423】
ATモードは、ATモード準備状態が終了した場合に移行される演出状態であり、第1ATモード~第4ATモードの4つのモードから構成されている。スロットマシン1では、第1ATモード~第4ATモードについて、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時においてAT制御手段200が入賞補助制御を実行する頻度に差を設けることで、各モードで遊技が実行される場合における純増枚数に差を設け、遊技者にとって有利な度合いに差が生じるように構成されている。
【0424】
第1ATモード~第4ATモードでは、遊技の実行の都度、ATモードを終了し擬似ボーナス準備状態に演出状態を移行するか否かを決定するATモード終了抽選が実行される。第1ATモードでは、高確率(例えば90%)で「ATモードの終了」に当選し、低確率(例えば10%)で「第1ATモードの継続」に当選するATモード終了抽選が実行され、第2ATモードでは、第1モードにおけるATモード終了抽選で「ATモードの終了」に当選する確率よりも低いものの高確率(例えば70%)で「ATモードの終了」に当選し、「ATモードの終了」に当選する確率よりも低確率(例えば30%)で「第2ATモードの継続」に当選するATモード終了抽選が実行され、第3ATモードでは、「ATモードの終了」に当選する確率と、「第3ATモードの継続」に当選する確率と、が略同確率のATモード終了抽選が実行され、第4ATモードでは、低確率(例えば30%)で「ATモードの終了」に当選し、高確率(例えば70%)で「第4ATモードの継続」に当選するATモード終了抽選が実行される。
【0425】
また、第1ATモード~第4ATモードにおいて、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、演出状態を上乗せ特化状態に移行するか否かを決定する上乗せ特化移行抽選を実行する。AT制御手段200は、上乗せ特化移行抽選において「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合に、現在のATモードに係る制御を中断し、演出状態をATモードから上乗せ特化状態に移行する。
【0426】
第1ATモードにおいて、AT制御手段200は、純増枚数が約1.0枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。第2ATモードにおいて、AT制御手段200は、純増枚数が約2.0枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。第3ATモードにおいて、AT制御手段200は、純増枚数が約4.0枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。第4ATモードにおいて、AT制御手段200は、純増枚数が約6.0枚となる頻度、つまり100%の確率で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0427】
AT制御手段200は、第1ATモード又は第2ATモードである状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0428】
また、第3ATモード又は第4ATモードにおいて、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、第3ATモード又は第4ATモードにおける内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0429】
上乗せ特化状態は、ATモードにおいて実行される上乗せ特化移行抽選で「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、上乗せ特化状態における遊技の実行の都度、上乗せ特化状態を終了し中断しているATモードに演出状態を移行するか否かを決定する上乗せ特化終了抽選が実行される。上乗せ特化状態では、低確率(例えば10%)で「上乗せ特化状態の終了」に当選し、高確率(例えば90%)で「上乗せ特化状態の継続」に当選する上乗せ特化終了抽選が実行される。
【0430】
上乗せ特化状態において、AT制御手段200は、純増枚数が約6.0枚となる頻度、つまり100%の確率で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0431】
また、上乗せ特化状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、上乗せ特化状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0432】
このように構成された場合、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(擬似ボーナス状態、第4ATモード、上乗せ特化状態)と、第2有利状態(第1ATモード、第2ATモード)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(純増枚数1.0となる頻度、純増枚数2.0となる頻度)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0433】
このような構成により、スロットマシン1は、第1ATモード及び第2ATモードにおいて、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、擬似ボーナス状態、第4ATモード及び上乗せ特化状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするとともに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、第1ATモード及び第2ATモードにおけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上で擬似ボーナス状態、第4ATモード及び上乗せ特化状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0434】
なお、図23に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態が擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、100%よりも低い確率であってもよく、また、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。また、ATモード準備状態についても、略同様に、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、100%よりも低い確率であってもよく、また、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第2有利状態として擬似ボーナス準備状態及びATモード準備状態を有していてもよい。
【0435】
また、図23に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態が擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、ATモード準備状態についても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、第1ATモードについても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、第2ATモードについても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。
【0436】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(擬似ボーナス状態、第4ATモード、上乗せ特化状態)と、第2有利状態(第1ATモード、第2ATモード)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(純増枚数1.0となる頻度、純増枚数2.0となる頻度)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0437】
このような構成により、スロットマシン1は、第1ATモード及び第2ATモードにおいて、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、擬似ボーナス状態、第4ATモード及び上乗せ特化状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、第1ATモード及び第2ATモードにおいて14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくい第1ATモード及び第2ATモードに対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0438】
図24は、変形例のAT制御手段200よって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。なお、図24に示す遊技機においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に100%の確率でベルA~ベルDの入賞補助制御が実行され、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順報知制御が実行されず特殊小役が入賞することで、1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数が約6.0枚となるように構成されている。
【0439】
スロットマシン1は、有利区間中においてAT制御手段200が制御可能な演出状態として、通常状態としての非AT状態と、非AT状態よりも遊技者にとって有利な有利状態としての擬似ボーナス準備状態、擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態、第2擬似ボーナス状態、第1AT状態及び第2AT状態と、を有している。
【0440】
非AT状態は、通常区間から有利区間に移行された場合と、AT状態の終了後に有利区間が継続する場合と、設定される複数種類の演出状態の中で通常状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段200は、非AT状態において、非AT状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである非ATゲーム数カウンタに初期値として値「700」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態を非AT状態から擬似ボーナス状態に移行する。
【0441】
また、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選し、かつ1枚役Dが入賞した場合と、に、演出状態を擬似ボーナス特化状態に移行するか否かを決定する擬似ボーナス特化移行抽選を実行し、「擬似ボーナス特化状態への移行」に当選した場合に、演出状態を非AT状態から擬似ボーナス特化状態に移行する。
【0442】
また、AT制御手段200は、非AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0443】
擬似ボーナス準備状態は、非AT状態において非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合と、擬似ボーナス特化状態が終了した場合と、に移行される演出状態であり、擬似ボーナス状態への移行が確定されている演出状態である。AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態において、擬似ボーナス準備状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである擬似ボーナス準備ゲーム数カウンタに初期値として値「10」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0444】
擬似ボーナス準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、1セットの第2擬似ボーナス状態の実行を決定するか否かを抽選する第2擬似ボーナスストック抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも「1セットの第2擬似ボーナス状態の実行」に当選する確率が高い抽選テーブルを取得して第2擬似ボーナスストック抽選を実行する。AT制御手段200は、第2擬似ボーナスストック抽選において「1セットの第2擬似ボーナス状態の実行」が決定された場合、AT制御手段200は、実行が決定された第2擬似ボーナス状態に係る情報を記憶(ストック)する。
【0445】
AT制御手段200は、擬似ボーナス準備ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、擬似ボーナス準備状態を終了する。擬似ボーナス準備状態を終了する場合において、AT制御手段200は、1セット以上の第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされている場合には、演出状態を擬似ボーナス準備状態から第2擬似ボーナス状態に移行し、第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされていない場合には、演出状態を擬似ボーナス準備状態から第1擬似ボーナス状態に移行する。
【0446】
AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、擬似ボーナス準備状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0447】
また、AT制御手段200は、擬似ボーナス準備状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0448】
擬似ボーナス特化状態は、非AT状態における擬似ボーナス特化移行抽選において「擬似ボーナス特化状態への移行」に当選した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、擬似ボーナス特化状態において、擬似ボーナス特化状態が継続する遊技回数を計数するカウンタである擬似ボーナス特化ゲーム数カウンタに初期値として値「5」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、擬似ボーナス特化ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態を擬似ボーナス特化状態から擬似ボーナス準備状態に移行する。
【0449】
AT制御手段200は、擬似ボーナス特化状態を開始した場合に、1セットの第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報のストックを決定する。また、擬似ボーナス特化状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、擬似ボーナス準備状態で実行する第2擬似ボーナスストック抽選よりも高い確率で「1セットの第2擬似ボーナス状態の実行」に当選可能な第2擬似ボーナスストック特化抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも「1セットの第2擬似ボーナス状態の実行」に当選する確率が高い抽選テーブルを取得して第2擬似ボーナスストック特化抽選を実行する。
【0450】
AT制御手段200は、擬似ボーナス特化状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、擬似ボーナス特化状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、擬似ボーナス特化状態において、AT制御手段200は、純増枚数が約1.8枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0451】
また、AT制御手段200は、擬似ボーナス特化状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0452】
第1擬似ボーナス状態は、1セットの第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされていない状態で、擬似ボーナス準備状態又は第2擬似ボーナス状態が終了した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態において、第1擬似ボーナス状態において投入されたメダルの枚数と払い出されたメダルの枚数との差分(差枚数)を計数するカウンタである第1擬似ボーナス差枚数カウンタに初期値として値「50」をセットし、遊技の開始時に、規定投入数(3枚)に相当する値「3」を第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値に加算し、小役が入賞しメダルの払い出しが実行された場合に、払い出されていたメダルの枚数と同数で第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を減算し、リプレイが入賞した場合には、規定投入数に相当する値「3」で第1擬似ボーナスカウンタの記憶値を減算する。
【0453】
AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、第2擬似ボーナスストック抽選を実行し、「1セットの第2擬似ボーナス状態の実行」に当選した場合には、第1擬似ボーナス状態の終了後に演出状態を第2擬似ボーナス状態に移行する。
【0454】
AT制御手段200は、第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値が値「0」になり、かつ1セット以上の第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされている場合には、演出状態を第1擬似ボーナス状態から第2擬似ボーナス状態に移行する。一方、AT制御手段200は、第1擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値が値「0」になり、かつ第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされていない場合には、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0455】
AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、第1擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、純増枚数が約1.8枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0456】
また、AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0457】
第2擬似ボーナス状態は、1セット以上の第2擬似ボーナス状態がストックされている場合に実行される演出状態である。AT制御手段200は、第2擬似ボーナス状態において、第2擬似ボーナス状態における差枚数を計数するカウンタである第2擬似ボーナス差枚数カウンタに初期値として値「150」をセットし、遊技の開始時に、規定投入数(3枚)に相当する値「3」を第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値に加算し、小役が入賞しメダルの払い出しが実行された場合に、払い出されていたメダルの枚数と同数で第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値を減算し、リプレイが入賞した場合には、規定投入数に相当する値「3」で第2擬似ボーナスカウンタの記憶値を減算する。
【0458】
AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、演出状態を第1AT状態に移行するか否かを決定する第1AT抽選を実行し、「第1AT状態への移行」に当選した場合に、現在実行している1セットの第2擬似ボーナス状態が終了した後に演出状態を第2擬似ボーナス状態から第1AT状態に移行する。
【0459】
AT制御手段200は、第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、1セットの第2擬似ボーナス状態を終了する。1セットの第2擬似ボーナス状態を終了する場合において、AT制御手段200は、第1AT抽選で「第1AT状態への移行」に当選していた場合には、演出状態を第2擬似ボーナス状態から第1AT状態に移行する。また、AT制御手段200は、第1AT抽選で「第1AT状態への移行」に当選しておらず、かつ1セット以上の第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされている場合には、第2擬似ボーナス差枚数カウンタの記憶値に初期値である値「150」をセットし、新たな1セットの第2擬似ボーナス状態を開始する。そして、AT制御手段200は、第1AT抽選で「第1AT状態への移行」に当選しておらず、かつ第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされていない場合には、演出状態を第2擬似ボーナス状態から第1擬似ボーナス状態に移行する。
【0460】
AT制御手段200は、第2擬似ボーナス状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、第2擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、100%の確率(第1確率)で入賞補助制御を実行する。
【0461】
また、第2擬似ボーナス状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、第2擬似ボーナス状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0462】
第1AT状態は、第2擬似ボーナス状態において、第1AT状態への移行条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、第1AT状態において、第1AT継続ゲーム数カウンタに初期値として値「30」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0463】
第1AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、第2AT状態に移行するか否かを決定する第2AT抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも「第2AT状態への移行」に当選する確率が高い抽選テーブルを取得して第2AT抽選を実行する。
【0464】
AT制御手段200は、第1ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になるまでに第2AT抽選で「第2AT状態への移行」に当選した場合に、演出状態を第1AT状態から第2AT状態に移行する。一方、第1ATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になるまでに第2AT抽選で「第2AT状態への移行」に当選しなかった場合、AT制御手段200は、第1AT状態を終了する。第1AT状態を終了する場合において、AT制御手段200は、1セット以上の第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされている場合には、演出状態を第1AT状態から第2擬似ボーナス状態に移行し、第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報がストックされていない場合には、演出状態を第1AT状態から第1擬似ボーナス状態に移行する。
【0465】
AT制御手段200は、第1AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、第1AT状態において、AT制御手段200は、純増枚数が約1.8枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0466】
また、AT制御手段200は、第1AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする打順(設定打順)のうち、第1停止操作に設定されたストップボタンを報知する設定打順報知制御を実行する。AT制御手段200は、設定打順報知制御として、内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時にのみ表示される表示態様を主制御表示装置500に表示させる。
【0467】
第2AT状態は、第1AT状態において、第2AT状態への移行条件が成立した場合に移行される演出状態である。AT制御手段200は、第2AT状態において、第2AT継続ゲーム数カウンタに初期値として値「5」をセットし、毎回の遊技の都度、1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行し、第2AT継続ゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、演出状態を第2AT状態から第1AT状態に移行する。
【0468】
第2AT状態において、AT制御手段200は、内部抽選の結果によらず、毎回の遊技の実行の都度、1セット~5セットの第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報をストックするか否かを決定するストック特化抽選を実行する。また、AT制御手段200は、当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合よりも3セット~5セットの第2擬似ボーナス状態の実行に係る情報のストックに当選する確率が高い抽選テーブルを取得してストック特化抽選を実行する。
【0469】
AT制御手段200は、第2AT状態である状態における内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」に当選した場合に、ベルA~ベルDを入賞可能にする打順(正解打順)を報知する入賞補助制御を実行可能に構成されている。AT制御手段200は、第1AT状態における入賞補助として、ベルA~ベルDを入賞可能にする正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。また、第1AT状態において、AT制御手段200は、純増枚数が約4.5枚となる頻度で、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時における入賞補助制御を実行するように構成されている。
【0470】
また、第2AT状態において、AT制御手段200は、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、設定打順報知制御を実行しないように構成されており、いずれの打順の報知も実行しない構成となっている。このため、スロットマシン1では、第2AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」に当選した場合に、いずれの打順の報知も実行されないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技が促され、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができる。
【0471】
このように構成された場合、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(第2擬似ボーナス状態)と、第2有利状態(擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態、第1AT状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率(100%、純増枚数が6.0枚となる頻度)で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率(純増枚数が1.8枚となる頻度)で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知する。
【0472】
このような構成により、スロットマシン1は、擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態及び第1AT状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、第2擬似ボーナス状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするとともに、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に1枚役Dが入賞可能となる設定打順を報知するように構成することで、擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態及び第1AT状態におけるメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上で第2擬似ボーナス状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0473】
なお、図24に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態が擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないことで、遊技者にストップボタンB1を第1停止操作する遊技を促し、14枚の払い出しが実行される特殊小役の入賞確率を高めることができるように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第1有利状態として、擬似ボーナス準備状態を有していてもよい。
【0474】
また、図24に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態が擬似ボーナス準備状態である場合における当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時において、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行する確率について、100%に限らず、100%よりも低い確率であってもよく、また、ベルA~ベルDの入賞補助制御を実行しないように構成されていてもよい。つまり、スロットマシン1は、第2有利状態として擬似ボーナス準備状態を有していてもよい。
【0475】
また、図24に示した構成において、AT制御手段200は、演出状態が擬似ボーナス特化状態である場合における当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、チャンス役又は1枚役Dを入賞可能にする設定打順を報知するように構成されているが、これに限らず、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、第1擬似ボーナス状態についても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。また、AT制御手段200は、第1AT状態についても、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時において、設定打順を報知しないように構成されていてもよい。
【0476】
つまり、遊技機は、
複数のリールと、
前記複数のリールにそれぞれ対応する複数のストップボタンと、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
通常区間及び有利区間を制御し、前記有利区間において補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段と、を備え、
前記内部抽選では、複数種類の当選態様の当否が決定され、
前記複数種類の当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」)と、第2当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」)と、が含まれ、
前記第1当選態様には、第1配当の小役(1枚役D)と、第2配当の小役(特殊小役)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第2当選態様には、第3配当の小役(ベルA~ベルD)と、第4配当の小役(1枚役A~1枚役C)と、の重複当選が対応付けられ、
前記第1配当は、前記第2配当よりも低く、
前記第3配当は、前記第4配当よりも高く、
前記第1当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として設定打順が予め設定されており、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順で操作された場合に、前記第1配当の小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記設定打順とは異なる非設定打順で操作された場合に、前記第2配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様には、前記複数のストップボタンの押下順序として正解打順が予め設定されており、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順で操作された場合に、前記第3配当の小役が入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、かつ前記複数のストップボタンが前記正解打順とは異なる不正解打順で操作された場合に、前記第4配当の小役が入賞可能であり、
前記補助遊技制御手段は、前記有利区間における前記補助遊技に係る状態として、通常状態と、有利状態と、を制御し、
前記有利状態は、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、
前記有利状態は、第1有利状態(第2擬似ボーナス状態)と、第2有利状態(擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態、第1AT状態)と、を含み、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を報知せず、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第1確率で報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第2有利状態であり、かつ前記第2当選態様に当選した場合に、前記正解打順を第2確率で報知し、
前記第1確率は、前記第2確率よりも高い確率であり、
前記補助遊技制御手段は、前記通常状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知し、
前記補助遊技制御手段は、前記第1有利状態又は前記第2有利状態であり、かつ前記第1当選態様に当選した場合に、前記設定打順を報知しない。
【0477】
このような構成により、スロットマシン1は、擬似ボーナス特化状態、第1擬似ボーナス状態及び第1AT状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率を、通常AT状態及び特定AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル4」の当選時に入賞補助制御を実行する確率よりも低確率にするものの、当選エリア「打順チャンス1」~当選エリア「打順チャンス12」の当選時に設定打順を報知しないように構成することで、CZAT準備状態において14枚の配当に設定された特殊小役を入賞可能にする非設定打順での遊技を遊技者に促すことができ、CZAT準備状態におけるメダルの獲得率の期待値の低下を抑制し、ベルA~ベルDの入賞補助の実行確率が低確率であることでメダルが獲得しにくいCZAT準備状態に対する遊技者の不満を抑制することができる。
【0478】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0479】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
200 AT制御手段(補助遊技制御手段)
B1 ストップボタン
B2 ストップボタン
B3 ストップボタン
R1 第1リール
R2 第2リール
R3 第3リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図22
図23
図24