IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファーストアカウンティング株式会社の特許一覧

特開2022-45315データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045315
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20220311BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043784
(22)【出願日】2021-03-17
(62)【分割の表示】P 2020547163の分割
【原出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】複数の請求書データの分類作業の負担を軽減する。
【解決手段】データ処理装置1は、複数の請求書を読み取ることにより生成され、請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得するデータ取得部151と、複数の読取データを、鑑を示す鑑データ及び明細を示す明細データに分類する分類部152と、鑑の発行元及び明細の発行元を特定する特定部153と、分類部152により分類された鑑データ及び明細データを、特定部153が特定した発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する生成部154と、生成された複数の請求書データを出力する出力部155と、を有する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得する取得部と、
複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類する分類部と、
前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定する特定部と、
前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する生成部と、
生成された複数の前記請求書データを出力する出力部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに一つの請求書データとして集約する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元ごとに、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを前記請求書ごとに集約した請求書データを一以上生成する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記鑑データ及び前記明細データに前記鑑データか前記明細データかを識別するデータ識別情報を関連付けた前記請求書データを生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、特定された前記発行元をファイル名に含むファイルとして前記請求書データを出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記請求書データに含まれる前記鑑データ及び前記明細データの少なくともいずれかに基づいて前記請求書データが示す前記請求書に対応する支払期限及び請求日の少なくともいずれかを特定し、
前記出力部は、特定された前記支払期限及び前記請求日の少なくともいずれかをファイル名に含むファイルとして前記請求書データを出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記分類部が前記読取データを前記鑑データに分類すると、当該鑑データと、新たに前記鑑データが分類されるまでに前記分類部により分類された一以上の前記明細データとを集約した前記請求書データを生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記分類部が前記読取データを前記鑑データに分類した場合に、新たに前記鑑データが分類されなかったときには、最後に分類された前記鑑データと、最後に分類された前記鑑データの後に分類された一以上の前記明細データとを集約した前記請求書データを生成する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得するステップと、
複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類するステップと、
前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定するステップと、
分類された前記鑑データ及び前記明細データを、特定された前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成するステップと、
生成された複数の前記請求書データを出力する出力部と、
を有するデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得する取得部、
複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類する分類部、
前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定する特定部、
前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する生成部、及び、
生成された複数の前記請求書データを出力する出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証憑データを処理するデータ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書を光学文字認識により読み取り、読み取った文字情報に基づいて処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-094520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経理業務において、複数の取引先が発行した複数の請求書をスキャナ等でまとめて読み取ると、複数の取引先が発行した請求書が一つの請求書データとして出力されたり、同一の取引先が発行した請求書に含まれている鑑と明細とが異なる請求書データとして出力されたりする。このため、担当者は、読み取りにより生成された請求書データを逐一確認し、請求書データを取引先ごとに分類する必要があり、分類作業の負担がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数の請求書データの分類作業の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るデータ処理装置は、複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得する取得部と、複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類する分類部と、前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定する特定部と、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する生成部と、生成された複数の前記請求書データを出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記生成部は、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに一つの請求書データとして集約してもよい。
前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元ごとに、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを前記請求書ごとに集約した請求書データを一以上生成してもよい。
【0008】
前記生成部は、前記鑑データ及び前記明細データに前記鑑データか前記明細データかを識別するデータ識別情報を関連付けた前記請求書データを生成してもよい。
前記出力部は、特定された前記発行元をファイル名に含むファイルとして前記請求書データを出力してもよい。
【0009】
前記特定部は、前記請求書データに含まれる前記鑑データ及び前記明細データの少なくともいずれかに基づいて前記請求書データが示す前記請求書に対応する支払期限及び請求日の少なくともいずれかを特定し、前記出力部は、特定された前記支払期限及び前記請求日の少なくともいずれかをファイル名に含むファイルとして前記請求書データを出力してもよい。
【0010】
前記生成部は、前記分類部が前記読取データを前記鑑データに分類すると、当該鑑データと、新たに前記鑑データが分類されるまでに前記分類部により分類された一以上の前記明細データとを集約した前記請求書データを生成してもよい。
【0011】
前記生成部は、前記分類部が前記読取データを前記鑑データに分類した場合に、新たに前記鑑データが分類されなかったときには、最後に分類された前記鑑データと、最後に分類された前記鑑データの後に分類された一以上の前記明細データとを集約した前記請求書データを生成してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係るデータ処理方法は、コンピュータが実行する、複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得するステップと、複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類するステップと、前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定するステップと、分類された前記鑑データ及び前記明細データを、特定された前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成するステップと、生成された複数の前記請求書データを出力する出力部と、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数の請求書を読み取ることにより生成され、前記請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得する取得部、複数の前記読取データを、前記鑑を示す鑑データ及び前記明細を示す明細データに分類する分類部、前記鑑の発行元及び前記明細の発行元を特定する特定部、前記分類部により分類された前記鑑データ及び前記明細データを、前記特定部が特定した前記発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する生成部、及び、生成された複数の前記請求書データを出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の請求書データの分類作業の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】データ処理装置の概要を説明するための図である。
図2】請求書の鑑の一例を示す図である。
図3】請求書の明細の一例を示す図である。
図4】データ処理装置の機能構成を示す図である。
図5】データ処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[データ処理装置1の概要]
図1は、データ処理装置1の概要を説明するための図である。データ処理装置1は、スキャナ又はデジタルカメラ等の読取装置2が請求書を読み取ることによって生成された請求書データを管理するための装置であり、例えばコンピュータである。データ処理装置1は、1台のコンピュータにより構成されていてもよく、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。
【0017】
請求書は、鑑と明細とにより構成される。図2は、請求書の鑑の一例を示す図であり、図3は、請求書の明細の一例を示す図である。請求書の鑑は、図2に示すように、請求書の宛先、標題、発行日、発行元等を記載した書面である。請求書の明細は、図3に示すように、請求書の宛先、発行日、発行元等の他に、請求金額に関する詳細な情報を記載した書面である。図2に示す請求書の鑑、図3に示す請求書の明細には、請求書の発行元、すなわち取引における代金を請求する取引先の名称、住所、連絡先が表示されている。また、図3に示す請求書の明細には、件名(図3に示す2020年1月分)、請求の対象となる商品の単価、個数及び商品の合計金額(すなわち小計)、複数の商品の合計金額(すなわち請求額)が表示されている。また、請求書の明細には、代金の振込先、支払期日が表示されている。
【0018】
データ処理装置1は、読取装置2が複数の請求書を読み取ることにより生成される、請求書の鑑又は明細を示す読取データを読取装置2から複数取得する。データ処理装置1は、取得した複数の読取データを、鑑を示す鑑データと、明細を示す明細データとに分類するとともに、鑑及び明細の発行元を特定する。
【0019】
データ処理装置1は、分類した鑑データ及び明細データを、特定した発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する。このようにすることで、ユーザは、読取装置2が複数の請求書を読み取ることにより生成された読取データを逐一確認し、取引先ごとの請求書データに分類する必要がなくなる。したがって、データ処理装置1は、複数の請求書データの分類作業の負担を軽減することができる。
【0020】
[データ処理装置1の機能構成及び動作]
図4は、データ処理装置1の機能構成を示す図である。データ処理装置1は、通信部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。制御部15は、データ取得部151と、分類部152と、特定部153と、生成部154と、出力部155とを有する。
【0021】
通信部11は、ネットワーク(例えばイントラネット又はインターネット)に接続するための通信インターフェースであり、読取装置2から読取データを受信したり、他のコンピュータとの間でデータを送受信したりするための通信コントローラを有する。
【0022】
操作部12は、請求書データを示す請求書ファイルのファイル名を訂正したりするためのキーボード、マウス及びディスプレイ等のデバイスを有する。
表示部13は、情報を表示するディスプレイである。表示部13は、制御部15の指示に基づいて情報を表示する。
【0023】
記憶部14は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部14は、制御部15が生成した請求書データを記憶する。
【0024】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、分類部152、特定部153、生成部154、及び出力部155として機能する。
【0025】
データ取得部151は、読取装置2が複数の請求書を読み取ることにより生成され、当該請求書を構成する鑑及び明細を示す複数の読取データを取得する。例えば、データ取得部151は、読取装置2が複数の請求書を連続して読み取ることにより生成された読取データを複数取得する。一つの読取データは、1枚の鑑又は明細を示すものとし、データ取得部151は、請求書に含まれる1枚の紙面を読み取ると、1つの読取データを取得する。データ取得部151は、読取装置2から請求書データを直接取得してもよいし、データ処理装置1と通信可能に接続されている端末から請求書データを取得してもよい。
【0026】
分類部152は、複数の読取データを、鑑を示す鑑データ及び明細を示す明細データに分類する。分類部152は、一つの読取データの入力に対し当該読取データが鑑データ又は明細データのいずれであることを示す判定情報を出力する分類モデルを用いて、複数の読取データのそれぞれを鑑データ又は明細データに分類する。分類モデルは、判定情報がラベリングされた読取データを教師データとして予め学習することにより生成され、記憶部14に記憶されている。分類部152は、データ取得部151が取得した複数の読取データのそれぞれを順番に分類モデルに入力し、分類モデルから出力される判定情報を取得することにより、複数の読取データのそれぞれを鑑データ又は明細データに分類する。
【0027】
特定部153は、鑑データが示す鑑の発行元及び明細データが示す明細の発行元を特定する。特定部153は、一つの鑑データ又は明細データの入力に対し当該鑑データが示す鑑又は明細データが示す明細の発行元を示す発行元情報を出力する発行元特定モデルを用いて、分類部152が分類した鑑データが示す鑑の発行元又は明細データが示す明細の発行元を特定する。発行元特定モデルは、鑑データと、当該鑑データに対応する発行元情報とを組み合わせた教師データ、及び明細データと、当該明細データに対応する発行元情報とを組み合わせた教師データを用いて予め学習することにより生成され、記憶部14に記憶されている。特定部153は、分類部152により分類された鑑データ又は明細データを発行元特定モデルに入力し、発行元特定モデルから出力される発行元情報を取得することにより、鑑データが示す鑑の発行元及び明細データが示す明細の発行元を特定する。
【0028】
なお、特定部153は、一つの発行元特定モデルを用いて鑑又は明細の発行元を特定したが、これに限らない。特定部153は、鑑データの入力に対し発行元情報を出力する第1発行元特定モデルと、明細データの入力に対し発行元情報を出力する第2発行元特定モデルとを用いて鑑又は明細の発行元を特定してもよい。
【0029】
特定部153は、鑑データ及び明細データのそれぞれに対し、請求書を識別するための請求書識別情報を特定する。請求書識別情報は、例えば、請求書の発行日、請求日、請求書支払期限、発行番号等である。特定部153は、鑑データ又は明細データの入力に対し当該鑑データ又は明細データに対応する請求書識別情報を出力する識別情報出力モデルを用いて、鑑データに対応する請求書識別情報及び明細データに対応する請求書識別情報を特定する。
【0030】
特定部153は、明細データに対し、明細データが示す明細のページを特定してもよい。特定部153は、明細データの入力に対し当該明細データに対応する明細の請求書におけるページを出力するページ出力モデルを用いて、明細データに対応する明細のページを特定する。
【0031】
生成部154は、分類部152により分類された複数の鑑データ及び明細データを、特定部153が特定した発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する。具体的にはまず、生成部154は、複数の鑑データ及び明細データを特定された発行元ごとに分類する。同一の発行元に分類された鑑データが一つのみ存在する場合、当該発行元に対応する請求書は一通となる。このため、生成部154は、同一の発行元に分類された鑑データ及び明細データのうち、一つの鑑データを先頭とし、一以上の明細データを鑑データに続けた請求書データを生成する。
【0032】
この場合、生成部154は、特定部153が特定した明細のページ順に明細データが並べられた請求書データを生成してもよい。このようにすることで、複数の請求書の鑑及び明細が交互に混在した状態で読み取られたり、鑑と明細の順番が異なる状態で読み取られたりした場合であっても、鑑、明細の順に並べた請求書データを生成することができる。
【0033】
同一の発行元に分類された鑑データが一つのみ存在する場合、当該発行元に対応する請求書は複数存在する。生成部154は、同一の発行元に分類された鑑データが複数存在する場合、特定部153が特定した発行元ごとに、分類部152により分類された鑑データ及び明細データを請求書ごとに集約した請求書データを複数生成する。生成部154は、同一の発行元に分類された複数の鑑データ及び明細データを、特定部153が特定した請求書識別情報ごとに分類することにより、同一の請求書識別情報を示す請求書ごとに集約した請求書データを複数生成する。このようにすることで、同一の発行元が発行した複数の請求書を個別に管理することができる。
【0034】
生成部154は、複数の鑑データ及び明細データを、特定された発行元ごとに一つの請求書データとして集約することにより、複数の発行元それぞれに対応する複数の請求書データを生成してもよい。例えば、生成部154は、同一の発行元に対して複数の請求書データを生成した場合、当該複数の請求書データをさらに集約することにより、発行元ごとに一つの請求書データを生成してもよい。このようにすることで、データ処理装置1は、ユーザが発行元ごとに請求書データを集約させる手間を軽減することができる。
【0035】
また、生成部154は、請求書データに含まれる鑑データ及び明細データに、鑑データか明細データかを識別するためのデータ識別情報を関連付けた請求書データを生成してもよい。データ識別情報は、例えば索引情報である。生成部154は、データ識別情報に基づいて、請求書データに含まれる鑑データ及び明細データを検索できるように請求書データを生成してもよい。このようにすることで、例えば、請求書データを取り込み仕訳データを作成する会計システム等において、請求書データに含まれるデータ識別情報に基づいて、鑑データと明細データとを区別し、適切な処理を行うことができる。
【0036】
また、生成部154は、分類部152が分類した鑑データ及び明細データを順次取得して、請求書データを生成するようにしてもよい。この場合、生成部154は、分類部152により読取データが鑑データに分類されると、当該鑑データと、新たに鑑データが分類されるまでに分類部152により分類された一以上の明細データとを集約した請求書データを生成する。
【0037】
また、生成部154は、分類部152が読取データを鑑データに分類した場合に、新たに鑑データが分類されなかったときには、最後に分類された鑑データと、最後に分類された鑑データの後に分類された一以上の前記明細データとを集約した請求書データを生成する。このようにすることで、データ処理装置1は、複数の請求書が、鑑、明細の順番で並べられた状態で読取装置2がこれらの請求書を読み取った場合に、複数の請求書のそれぞれに対応して請求書データを生成することができる。
【0038】
出力部155は、生成部154により生成された複数の請求書データを出力する。例えば、出力部155は、特定部153により特定された発行元をファイル名に含む請求書ファイルとして請求書データを出力する。出力部155は、請求データの出力先を記憶部14として請求書ファイルを出力する。出力部155は、ユーザから出力先の指定を受け付けておき、指定された出力先に請求書ファイルを出力してもよい。
【0039】
また、出力部155は、支払期限及び請求日の少なくともいずれかをファイル名に含む請求書ファイルを出力してもよい。この場合、特定部153は、請求書データに含まれる鑑データ及び明細データの少なくともいずれかに基づいて、請求書データが示す請求書に対応する支払期限及び請求日の少なくともいずれかを特定する。出力部155は、特定部153が特定した請求書に対応する支払期限及び請求書の少なくともいずれかと、特定部153が特定した発行元とをファイル名に含めた請求書ファイルを出力する。このようにすることで、ユーザは、請求書ファイルのファイル名を確認することで、請求書の発行元と、支払期限及び請求書の少なくともいずれかとを認識することができるので、請求書ファイルの管理が容易になる。
【0040】
[データ処理装置1における処理の流れ]
図5は、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、データ取得部151は、読取装置2が複数の請求書を読み取ることによって生成した複数の読取データを取得する(S1)。
【0041】
続いて、分類部152は、複数の読取データを鑑データ及び明細データに分類する(S2)。続いて、特定部153は、鑑データが示す鑑の発行元及び明細データが示す明細の発行元を特定する(S3)。
【0042】
続いて、生成部154は、分類部152により分類された鑑データ及び明細データを、特定部153が特定した発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する(S4)。続いて、出力部155は、生成部154により生成された複数の請求書データを示す請求書ファイルを発行元ごとに出力する(S5)。
【0043】
[データ処理装置1による効果]
以上説明したように、データ処理装置1は、複数の請求書を読み取ることにより生成された複数の読取データを鑑データ又は明細データに分類し、鑑の発行元及び明細の発行元を特定し、鑑データ及び明細データを、特定した発行元ごとに集約することにより複数の請求書データを生成する。
【0044】
このようにすることで、ユーザは、複数の読取データを逐一確認し、読取データを鑑データ又は明細データであるかを判別し、発送元ごとに分類する必要がなくなる。したがって、データ処理装置1は、複数の請求書を読み取った際のユーザの作業負担を軽減することができる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0046】
1 データ処理装置
2 読取装置
11 通信部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
151 データ取得部
152 分類部
153 特定部
154 生成部
155 出力部
図1
図2
図3
図4
図5