(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045320
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】分電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20220311BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
H02J3/00
H02B1/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113348
(22)【出願日】2021-07-08
(62)【分割の表示】P 2020150362の分割
【原出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】518398350
【氏名又は名称】ストライブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】相原 幸博
【テーマコード(参考)】
5G066
5G211
【Fターム(参考)】
5G066LA02
5G211AA07
5G211DD14
5G211EE02
5G211EE03
5G211FF02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる分電装置を提供する。
【解決手段】分電装置1は、筐体10に、R相、S相及T相の三相交流電圧が入力される三相入力電路20と、三相入力電路20に電気的に接続され、三相入力電路20から三相交流電圧が入力される分岐開閉器30と、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路60と、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路70と、分岐開閉器30に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路80と、分岐開閉器30に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路50と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される三相入力電路と、
前記三相入力電路に電気的に接続され、前記三相入力電路から三相交流電圧が入力され
る分岐器と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、
前記三相入力電路、前記分岐器、前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相
電路及び前記三相出力電路を保持する筐体と、
を備える分電装置。
【請求項2】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少な
くともいずれかの電路は、開閉器を有する、
請求項1に記載の分電装置。
【請求項3】
前記開閉器の開閉状態を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による開閉状態の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御
部と、
をさらに備える、請求項2に記載の分電装置。
【請求項4】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少な
くともいずれかに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部による電流の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と
、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分電装置。
【請求項5】
前記筐体は、プラスチックで形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分電盤等の分電装置は、各種の施設に配置されており、各種の装置を駆動するた
め電力源として利用されている。例えば、特許文献1には、電源に電気的に接続される複
数の第1端子と、負荷に電気的に接続される複数の第2端子と、複数の第1端子と複数の
第2端子との間に電気的に接続された複数の接点部を備える分電盤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外において各種の装置に電力を供給する際には、使用者は、施設に配置された分電盤
等の電力源を利用して、装置に電力を供給する場合がある。この場合には、使用者が例え
ばケーブルを施設の分電盤に接続し、そのケーブルを装置に接続することにより、電力を
装置に供給する。
【0005】
このとき、使用者は、状況に応じて、装置が配置されている現場から分電盤まで移動し
てケーブルを分電盤から抜き差しする必要があり、使用者に負担が生じていた。例えば、
使用者は、電力の供給対象となる装置を追加する場合には、現場から分電盤まで移動して
追加のケーブルの分電盤に接続する必要があった。
【0006】
特許文献1に記載の分電盤は、建物に配置される分電盤であり、特許文献1に記載の技
術では、使用者が必要に応じて現場から建物まで移動してケーブルを抜き差しする負担が
生じる。
【0007】
そこで、本発明は、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給でき
る分電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る分電装置は、R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される三
相入力電路と、三相入力電路に電気的に接続され、三相入力電路から三相交流電圧が入力
される分岐器と、分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電
路と、分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、分岐
器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、分岐器に電気的
に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、三相入力電路、分岐器、第1単相
電路、第2単相電路、第3単相電路及び三相出力電路を保持する筐体と、を備える。
【0009】
この態様によれば、三相交流の電圧が入力されたことに応じて、分電装置から三相交流
の電力を負荷に供給したり、単相交流の電力を複数の負荷に供給したりできる。このため
、簡便に所望の電力を負荷に供給することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる
分電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る分電装置を正面から見た外観図である。
【
図2】同実施形態に係る分電装置を右側面から見た外観図である。
【
図3】同実施形態に係る分電装置の構成を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る発光装置の機能ブロック図である。
【
図5】変形例に係る発光装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において
、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
[実施形態]
図1は、本開示の一実施形態に係る分電装置1を正面から見た外観図である。
図1に示
すように、本実施形態に係る分電装置1は、主として、筐体10及び後述する発光装置を
備える。筐体10には、留め具12a及び12bにより、蓋11が開閉可能に接続されて
いる。筐体10のサイズは、特に限定されないが、簡便に分電装置1を持ち運びできる程
度のサイズであることが好ましい。例えば、筐体10は、20cm程度の高さ、45cm
程度の幅及び35cm程度の奥行きを有してよい。
【0014】
筐体10は、例えば、プラスチックで形成されてよい。プラスチックで筐体10が形成
されることにより、例えば筐体が金属等で形成された場合に比べて、筐体10が軽量にな
る。この結果、使用者は、例えば作業現場等において、容易に分電装置1を持ち運ぶこと
が可能となる。なお、使用者は、持ち運んだ分電装置1を適宜作業現場に置いてもよいし
、あるいは、筐体10に金具が設けられ、設けられた金具を利用して例えば壁等に分電装
置1が取り付けられてもよい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る分電装置1を右側面から見た外観図である。筐体10の右側
面には、三相入力コネクタ15、三相出力コネクタ16、第1単相コネクタ17、第2単
相コネクタ18及び第3単相コネクタ19が設けられている。本実施形態では、三相入力
コネクタ15に三相交流電圧が入力されると、三相出力コネクタ16から三相交流電圧が
出力されたり、第1単相コネクタ17、第2単相コネクタ18及び第3単相コネクタ19
から単相交流の電圧が出力されたりする。なお、各種のコネクタについて、筐体10から
出ている部分の大きさが小さい方が、分電装置1の積み込み、持ち運び及び保管等がより
簡便となるため好ましい。
【0016】
図3は、本実施形態に係る分電装置1の構成を示す図である。本実施形態に係る分電装
置1は、各種の機器及び電路を保持する筐体10及び電路に流れる電流に応じて発光する
発光装置90を備える。
【0017】
筐体10は、主として、三相入力電路20、分岐開閉器30(分岐器)、接続器40、
三相出力電路50、第1単相電路60、第2単相電路70及び第3単相電路80を保持す
る。
【0018】
三相入力電路20は、R相の配線21、S相の配線22、T相の配線23及びN相(接
地相)の配線24を備える。また、三相入力電路20は、R相、S相及びT相の三相交流
電圧が入力される。具体的には、これらの配線21、22、23及び24を内包する三相
入力コネクタ15に3相4線式のインレットが接続されると、配線21にR相の電圧、配
線22にS相の電圧、配線23にT相の電圧が入力される。ここで、三相入力電路20に
入力される電流の大きさは、特に限定されないが、例えば60A等であってもよい。また
、三相交流電圧の大きさは、特に限定されないが、例えば200V等であってよい。
【0019】
分岐開閉器30は、6つの端子31、32、33、34、35及び36と、スイッチ3
7とを備える。端子31及び端子34の端子間と、端子32及び端子35の端子間と、端
子33及び端子36とのそれぞれの端子間は、電気的に接続される。また、スイッチ37
の状態をON又はOFFに切り替えることにより、これらの端子間を導通状態(ON)又
は開放状態(OFF)を切り替えることができる。スイッチ37の状態は、手動で切り替
えられてもよいし、分岐開閉器30の端子間に所定量(例えば、60A等)以上の電流が
流れた場合に、スイッチ37の状態がONからOFFに切り替えられてもよい。なお、本
明細書では、開閉器のスイッチの状態を、開閉器の開閉状態と称する場合がある。
【0020】
分岐開閉器30は、三相入力電路20に電気的に接続され、三相入力電路20から三相
交流電圧が入力される。具体的には、R相の配線21が端子31に電気的に接続され、S
相の配線22が端子32に電気的に接続され、T相の配線23が端子33に電気的に接続
される。分岐開閉器30には、配線21、22及び23を通じて、三相交流電圧が入力さ
れる。
【0021】
接続器40は、各種の配線を電気的に接続し、端子41及び42を備える。ここで、端
子41及び42は、互いに電気的に接続されている。端子41には、N相の配線24が電
気的に接続されているため、配線24は、端子42に電気的に接続される配線と電気的に
接続される。また、端子42には、接地配線43が接続されている。接地配線43は、3
本の配線に分岐しており、それぞれ分岐した配線の一部は、第1単相コネクタ17、第2
単相コネクタ18及び第3単相コネクタ19にそれぞれ内包される。
【0022】
三相出力電路50は、R相の配線51、S相の配線52、T相の配線53及びN相の配
線54を備える。三相出力電路50は、分岐開閉器30に電気的に接続され、三相交流電
圧を出力する。具体的には、三相出力電路50が備える配線51、52、53及び54を
内包する三相出力コネクタ16に3相4線式のインレットが接続されると、インレットに
接続された負荷に三相交流電圧が出力される。これにより、負荷に三相交流の電力が供給
される。ここで、負荷は、例えば、工事等に用いられる各種の加工装置等であってよい。
また、三相出力電路50から出力される電流の大きさは、例えば60A等であってもよく
、本実施形態に係る分電装置1によれば、比較的大型の装置を駆動可能な電力を供給でき
る。
【0023】
第1単相電路60は、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力
する。本実施形態では、第1単相電路60は、第1開閉器63と、第1分岐配線45のう
ちの分岐開閉器30と第1開閉器63とを接続する配線と、第2分岐配線46のうちの分
岐開閉器30と第1開閉器63とを接続する配線と、第1開閉器63に接続された配線6
1及び62と、を含む。
【0024】
第1開閉器63は、4つの端子64、65、66及び67と、スイッチ68とを備える
。端子64及び端子66の端子間と、端子65及び端子67の端子間とのそれぞれの端子
間は、電気的に接続される。また、スイッチ68の状態をON又はOFFに切り替えるこ
とにより、これらの端子間を導通状態(ON)又は開放状態(OFF)を切り替えること
ができる。スイッチ68の状態は、手動で切り替えられてもよいし、第1開閉器63の端
子間に所定量(例えば、20A等)以上の電流が流れた場合に、スイッチ68の状態がO
NからOFFに切り替えられてもよい。
【0025】
なお、後述する第2開閉器73及び第3開閉器83は、第1開閉器63と実質的に同一
の機能及び構成を有してよい。具体的には、第2開閉器73及び第3開閉器83のそれぞ
れが有する各種の端子及びスイッチは、第1開閉器63が有する各種の端子及びスイッチ
と同一の機能及び構成を有してよい。このため、以下では、第2開閉器73及び第3開閉
器83の詳細な説明については省略する。
【0026】
第1開閉器63の端子64には、分岐開閉器30の端子34に接続された、R相の第1
分岐配線45が接続される。また、第1開閉器63の端子65には、分岐開閉器30の端
子34に接続された、S相の第1分岐配線45が接続される。従って、第1開閉器63の
端子64及び65には、R相-S相間の電圧が入力される。
【0027】
また、第1開閉器63の端子66及び67のそれぞれには、配線61及び62が接続さ
れている。配線61及び62は、第1単相コネクタ17にそれぞれ内包される。分岐開閉
器30のスイッチ37及び第1開閉器63のスイッチ68の状態がともにONとなってい
るときにインレットが第1単相コネクタ17に接続されると、インレットに接続された装
置に、配線61及び62からR相-S相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相
交流の電力が供給される。
【0028】
第2単相電路70は、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力
する。本実施形態では、第2単相電路70は、第2開閉器73と、第1分岐配線45のう
ちの分岐開閉器30と第2開閉器73とを接続する配線と、第3分岐配線47のうちの分
岐開閉器30と第2開閉器73とを接続する配線と、第2開閉器73に接続された配線7
1及び72と、を含む。
【0029】
第2開閉器73の端子74には、分岐開閉器30の端子34に接続された、R相の第1
分岐配線45が接続される。また、第2開閉器73の端子75には、分岐開閉器30の端
子36に接続された、T相の第3分岐配線47が接続される。従って、第2開閉器73の
端子74及び75には、R相-T相間の電圧が入力される。
【0030】
また、第2開閉器73の端子76及び77のそれぞれには、配線71及び72が接続さ
れている。配線71及び72は、第2単相コネクタ18にそれぞれ内包される。分岐開閉
器30のスイッチ37及び第2開閉器73のスイッチ78の状態がともにONとなってい
るときにインレットが第2単相コネクタ18に接続されると、インレットに接続された装
置に、配線71及び72からR相-T相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相
交流の電力が供給される。
【0031】
第3単相電路80は、分岐開閉器30に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力
する。本実施形態では、第3単相電路80は、第3開閉器83と、第2分岐配線46のう
ちの分岐開閉器30と第3開閉器83とを接続する配線と、第3分岐配線47のうちの分
岐開閉器30と第3開閉器83とを接続する配線と、第3開閉器83に接続された配線8
1及び82と、を含む。
【0032】
第3開閉器83の端子84には、分岐開閉器30の端子35に接続された、S相の第2
分岐配線46が接続される。また、第3開閉器83の端子85には、分岐開閉器30の端
子36に接続された、T相の第3分岐配線47が接続される。従って、第3開閉器83の
端子84及び85には、S相-T相間の電圧が入力される。
【0033】
また、第3開閉器83の端子86及び87のそれぞれには、配線81及び82が接続さ
れている。配線81及び82は、第3単相コネクタ19にそれぞれ内包される。分岐開閉
器30のスイッチ37及び第3開閉器83のスイッチ88の状態がともにONとなってい
るときにインレットが第3単相コネクタ19に接続されると、インレットに接続された装
置に、配線81及び82からS相-T相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相
交流の電力が供給される。
【0034】
また、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50
に流れる電流は、発光装置90により検出されてよい。具体的には、配線61、62、配
線71、72、配線81、82及び配線52、53、54に流れる電流が、発光装置90
により検出されてよい。また、発光装置90は、検出した電流に応じて発光してよい。
【0035】
図4は、本実施形態に係る発光装置90の機能ブロック図である。
図4に示すように、
本実施形態に係る発光装置90は、電流検出部91、制御部92及び発光部93を備える
。
【0036】
電流検出部91は、各種の公知の電流を検出する装置を備えてよい。電流検出部91は
、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50の少な
くともいずれかに流れる電流を、電流信号として検出できる。電流検出部91は、電流の
検出結果を制御部92に伝送できる。検出結果は、検出された電流が流れる電路及び検出
された電流の大きさ等の情報を含んでよい。
【0037】
発光部93は、制御部92による制御に応じて発光できる。発光部93は、各種の公知
の光源を備え、光源は例えばLED(Light Emitting Diode)等であってよい。また、発
光部93は、複数の光源を備えてよく、それぞれの光源は、例えば、分電装置1が備える
電路(例えば、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電
路50等)に対応してよい。光源が配置される場所は特に限定されないが、光源は、例え
ば、対応するコネクタ等の付近に配置されてよい。例えば、第1単相電路60に対応する
光源は、筐体10の外側の第1単相コネクタ17の付近等に配置されてよい。
【0038】
制御部92は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及
びRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部92が備えるROMには、各種の
処理を実行するための処理プログラム等が記憶される。また、CPUは、ROMに記憶さ
れた処理プログラム等を実行し、各種の処理を実行する。なお、制御部92が備えるRA
Mには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される。
【0039】
制御部92は、発光部93の動作を制御できる。具体的には、電流検出部91による電
流の検出結果に応じて、発光部93による発光を制御する。例えば、制御部92は、特定
の電路において電流が流れていることが検出された場合には、その電路に対応する光源に
発光させてよい。例えば、第1単相電路60に電流が流れたことが検出された場合には、
制御部92は、第1単相電路60に対応する光源(例えば、第1単相コネクタ17の付近
に配置された光源)等を発光させてよい。これにより、使用者は、どのコネクタから電流
が流れているのかを簡便に確認することができる。
【0040】
以上、本実施形態に係る分電装置1について説明した。本実施形態に係る分電装置1に
よれば、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる。例えば、
三相交流の電力源が、施設に配置されている分電装置であるとする。また、その電力源か
ら電力が供給される装置が、施設から遠い位置に配置されているとする。使用者は、施設
に配置された電力源と本実施形態に係る分電装置1とをケーブル等を用いて接続すること
により、分電装置1を用いて単相交流の電力を複数の装置に使用したり、あるいは、三相
交流の電力を使用したりできる。本実施形態に係る分電装置1は、簡便に持ち運び可能で
あるため、容易に装置の付近に配置しておくことが可能である。このため、電力源が現場
から離れていても、簡便に分電装置1を使用できる。
【0041】
[補足]
上記実施形態では、第1単相電路60、第2単相電路70及び第3単相電路80のそれ
ぞれが開閉器を備える例について説明した。これに限らず、第1単相電路60、第2単相
電路70及び第3単相電路80のいずれも開閉器を有していなくてもよいし、これらの電
路のうちの1つまたは2つの電路が開閉器を有してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、三相出力電路50が開閉器を備えない例を説明したが、三相
出力電路50は開閉器を備えてよい。この場合には、三相出力電路50が備える開閉器は
、例えば、上述した分岐開閉器30と実質的に同一の機能及び構成を有してよい。この場
合には、三相出力電路50の開閉器のスイッチが制御されることで、配線51、52及び
53の状態(導通状態及び開放状態)が制御される。これにより、三相交流電圧の出力が
必要ない場合には、開閉器の状態をOFFにすることにより、三相交流の電力が外部に供
給されないようにすることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、分岐器が開閉器としての機能を有する分岐開閉器30である
例を説明した。これに限らず、分岐器が開閉器としての機能を有していなくてもよい。す
なわち、配線21と配線51及び第3分岐配線47が常に電気的に接続され、配線22及
び配線52及び第2分岐配線46が常に電気的に接続され、配線23及び配線53及び第
1分岐配線45が常に電気的に接続されてもよい。
【0044】
また、上述実施形態で説明した筐体10、各種のコネクタ及びインレットは、防水機能
を有してもよい。これにより、分電装置1が配置される現場において水が利用される場合
であっても、支障なく分電装置1を利用することが可能となる。
【0045】
[変形例]
変形例では、分電装置1が備える開閉器の開閉状態に応じた発光を発光装置が行う例を
説明する。なお、変形例では、発光装置を除く分電装置の構成は、
図1から
図3を使用し
て説明した構成と実質的に同一であってよい。
【0046】
図5は、変形例に係る発光装置95の機能ブロック図である。
図5に示すように、変形
例に係る発光装置95は、状態検出部96、制御部97及び発光部98を備える。変形例
に係る制御部97及び発光部98は、上記実施形態に係る制御部92及び発光部93が備
える構成をそれぞれ有してよい。
【0047】
状態検出部96は、分電装置が備える開閉器の開閉状態を検出できる。具体的には、状
態検出部96は、上述の分岐開閉器30、第1開閉器63、第2開閉器73及び第3開閉
器83の開閉状態を検出できる。例えば、状態検出部96は、それぞれの開閉器から開閉
状態を示す信号(状態信号)を取得してもよい。状態検出部96は、検出した開閉状態の
検出結果を制御部97に伝送できる。開閉状態の検出結果は、検出された開閉器の開閉状
態及び開閉器を特定する情報等を含んでよい。
【0048】
状態検出部96は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory
)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。状態検出部96が備えるROMには
、各種の処理を実行するための処理プログラム等が記憶される。また、CPUは、ROM
に記憶された処理プログラム等を実行し、各種の処理を実行する。なお、状態検出部96
が備えるRAMには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される
。
【0049】
変形例に係る制御部97は、状態検出部96による開閉状態の検出結果に応じて、発光
部98による発光を制御する。例えば、制御部97は、特定の開閉器のスイッチがONで
あること(すなわち、導通状態)が検出された場合には、その開閉器に対応する光源を発
光させてよい。例えば、第1単相電路60が備える第1開閉器63のスイッチがONであ
ることが検出された場合には、制御部97は、第1単相電路60に対応する光源(例えば
、第1単相コネクタ17の付近に配置された光源)等を発光させてよい。これにより、使
用者は、どのコネクタから電力を供給可能であるのかを簡便に確認することができる。
【0050】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定
して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件
、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
る。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可
能である。
【符号の説明】
【0051】
1…分電装置、10…筐体、20…三相入力電路、30…分岐開閉器(分岐器)、50
…三相出力電路、60…第1単相電路、63…第1開閉器、70…第2単相電路、73…
第2開閉器、80…第3単相電路、83…第3開閉器、90,95…発光装置、91…電
流検出部、92,97…制御部、93,98…発光部、96…状態検出部