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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045409
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】超音波接合装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20220314BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20220314BHJP
   H01R 4/02 20060101ALN20220314BHJP
【FI】
B23K20/10
H01R43/02 B
H01R4/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150998
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】307044493
【氏名又は名称】株式会社アドウェルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】中居 誠也
【テーマコード(参考)】
4E167
5E051
5E085
【Fターム(参考)】
4E167AA03
4E167AA06
4E167AA08
4E167BE06
4E167BE10
4E167BE11
5E051LA04
5E051LB03
5E085BB01
5E085BB11
5E085CC03
5E085DD04
5E085HH11
5E085JJ06
(57)【要約】
【課題】過度な硬化を生じることなく超音波接合に必要な延性を維持した電線と被接合物とをより高い接合強度で接合できるようにする。
【解決手段】制御装置により、接合対象である複数の電線W1に対する最適変形度合および加圧力をマップから読み出し、加圧センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように加圧手段の加圧力を制御して複数の電線W1同士を加圧変形したのち超音波振動手段を駆動制御して、加圧変形した電線W1と接続端子T1とを超音波接合する。これにより、電線W1の過度な硬化を生じることなく超音波接合に必要な延性を維持して電線W1間で効率よく超音波振動エネルギを伝達することが可能になり、重ね合わされた複数本の電線W1をインゴット化して電線W1間の接合強度を高めるとともに、インゴット化した各電線W1と接続端子T1とをより高い接合強度で接合できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の電線と被接合物とを重畳して超音波振動により接合する超音波接合装置において、
前記電線同士を重ね合わせた状態で、当該電線が超音波接合に必要な延性を維持するための最適変形度合まで前記電線同士を加圧変形させる加圧手段と、
加圧変形された前記電線同士および前記被接合物を重ね合わせて超音波振動を与える超音波振動手段と、
前記加圧手段による前記電線同士への加圧力を検出する検出センサと、
当該電線の素材ごとにその素材特有の加工硬化係数に基づき、超音波接合に必要な延性を維持するための前記最適変形度合を予め求めておき、求められた当該電線の素材および線径ごとの前記最適変形度合と、当該最適変形度合を得るための加圧力との関係をマップとして記憶する記憶手段と、
接合対象である前記電線に対する前記最適変形度合および加圧力を前記記憶手段の前記マップから読み出し、前記検出センサにより検出される加圧力が、前記マップから読み出した加圧力になるように前記加圧手段の加圧力を制御して前記電線同士を加圧変形し、前記超音波振動手段を駆動制御する制御手段と
を備え、
加圧変形された前記電線同士と前記被接合物とを重ね合わせた状態で超音波接合することを特徴とする超音波接合装置。
【請求項2】
同じ素材および同じ線径の2本以上の前記電線を重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
異なる素材および同じ線径の2本以上の前記電線を重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
同じ素材および異なる線径の2本以上の前記電線を重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項5】
同じ素材および同じ線径の複数本の前記電線を多層に重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項6】
異なる素材および同じ線径の複数本の前記電線を多層に重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項7】
同じ素材および異なる線径の複数本の前記電線を多層に重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項8】
前記超音波振動手段は、重畳状態の前記電線側および前記被接合側の両側から異なる周波数の超音波振動を印加するものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の超音波接合装置。
【請求項9】
電線と被接合物とを重畳して超音波振動により接合する超音波接合装置において、
前記電線が超音波接合に必要な延性を維持するための最適変形度合まで前記電線を加圧変形させる加圧手段と、
加圧変形した前記電線および前記被接合物を重畳して超音波振動を印加する超音波振動手段と、
前記加圧手段による前記電線への加圧力を検出する検出センサと、
当該電線の素材ごとにその素材特有の加工硬化係数に基づき、超音波接合に必要な延性を維持するための前記最適変形度合を予め求めておき、求められた前記電線の素材および線径ごとの前記最適変形度合と、当該最適変形度合を得るための加圧力との関係をマップとして記憶する記憶手段と、
接合対象である前記電線に対する前記最適変形度合および加圧力を前記記憶手段の前記マップから読み出し、前記検出センサにより検出される加圧力が、前記マップから読み出した加圧力になるように前記加圧手段の加圧力を制御して加圧変形し、前記超音波振動手段を駆動制御する制御手段と
を備え、
加圧変形された前記電線と前記被接合物とを重ね合わせた状態で超音波接合することを特徴とする超音波接合装置。
【請求項10】
前記被接合物は、配線基板に形成された金属箔パターンであることを特徴とする請求項9に記載の超音波接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1本の電線或いは複数本の重ね合わせた電線と、金属製の接続端子や金属箔パターンなどの被接合物とを重畳した状態で、超音波振動を印加して接合する超音波接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の芯線が束状に纏められた撚り線等の電線を、超音波接合装置により金属製の接続端子に電気的に接続する場合、電線の先端部の絶縁被覆を剥がして複数の芯線の先端部を露出させ、露出させた芯線の先端部をプレス機により階段状に圧縮成型したのち接続端子の接続部に収納し、超音波振動手段による超音波振動を加えて、成型した複数の芯線を接続端子に電気的に接続することが行われている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この場合、露出状態の芯線の先端部をプレス機により階段状に圧縮成型することにより、先端に行くほど強く圧縮されて密着度が高くなり、芯線の先端がばらけることなく接続端子に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-211959号公報(段落0030~0034および図1図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の超音波接合装置では、プレス機により露出状態の芯線が先端に行くほど強く圧縮されるため、先端ほど断面円形の芯線が大きく変形し、いわゆる加工硬化が進んで過剰に硬さが増し、超音波接合に必要な延性を喪失することになり、超音波振動を加えても、特に硬くなり過ぎて延性を喪失した先端部分における芯線間で振動エネルギが効率よく伝わらず、芯線同士の接合強度が上がらず、接続端子との接合強度としても所望の強度が得ることができないおそれがある。
【0006】
このように、闇雲に複数の芯線を加圧して成型するだけでは、2本以上の電線(或いは芯線)同士を重ねて接続端子に接続したり、素材や線径の異なる複数の電線(芯線)を層状に重ねて接続端子に接続したりする場合にも同様に電線(芯線)同士の接合強度が高くならず、超音波接合により所望の接合強度が得られる手法が望まれている。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、過度な硬化を生じることなく超音波接合に必要な延性を維持した電線と被接合物とをより高い接合強度で接合できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる超音波接合装置は、複数本の電線と被接合物とを重畳して超音波振動により接合する超音波接合装置において、前記電線同士を重ね合わせた状態で、当該電線が超音波接合に必要な延性を維持するための最適変形度合まで前記電線同士を加圧変形させる加圧手段と、加圧変形された前記電線同士および前記被接合物を重ね合わせて超音波振動を与える超音波振動手段と、前記加圧手段による前記電線同士への加圧力を検出する検出センサと、当該電線の素材ごとにその素材特有の加工硬化係数に基づき、超音波接合に必要な延性を維持するための前記最適変形度合を予め求めておき、求められた当該電線の素材および線径ごとの前記最適変形度合と、当該最適変形度合を得るための加圧力との関係をマップとして記憶する記憶手段と、接合対象である前記電線に対する前記最適変形度合および加圧力を前記記憶手段の前記マップから読み出し、前記検出センサにより検出される加圧力が、前記マップから読み出した加圧力になるように前記加圧手段の加圧力を制御して前記電線同士を加圧変形し、前記超音波振動手段を駆動制御する制御手段とを備え、加圧変形された前記電線同士と前記被接合物とを重ね合わせた状態で超音波接合することを特徴としている。
【0009】
このとき、電線の加圧変形が最適変形度合に満たないと、電線同士の間で超音波振動エネルギが効率よく伝わらず、電線間での接合強度が弱くなる一方、電線の過加圧変形が最適変形度合を超えると、従来のプレス成型のように、加工硬化が進んで電線が過度に硬くなり過ぎて超音波接合に必要な延性を喪失し、電線間での超音波振動エネルギの伝達効率の低下を招くことになる。
【0010】
そこで、制御手段により、接合対象である電線に対する最適変形度合および加圧力を記憶手段のマップから読み出し、検出センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように加圧手段の加圧力を制御して電線同士を加圧変形したのち超音波振動手段を駆動制御することにより、電線の過度な硬化を防止して電線間で効率よく超音波振動エネルギを伝達することができ、重ね合わされた電線をインゴット化して電線間の接合強度を高めることが可能になり、電線と被接合物とをより高い接合強度で接合することができる。
【0011】
このとき、超音波接合に必要な電線の延性を維持するための最適変形度合は、例えば電線の加圧変形前の元の線径から、超音波接合に必要な延性を維持できる程度まで加圧変形した後の線径を差し引いた値の元の線径に対する比率としてマップに記憶するとよく、電線の素材や線径が異なる場合には、素材および線径の組み合わせを満たす上記した比率を導出して加圧変形するとよい。
【0012】
また、同じ素材および同じ線径の2本以上の電線を重ね合わせるようにしてもよく、異なる素材および同じ線径の2本以上の電線や、同じ素材および異なる線径の2本以上の電線を重ね合わせるようにしてもよい。さらに、同じ素材および同じ線径の複数本の電線を多層に重ね合わせたり、異なる素材および同じ線径の複数本の電線を多層に重ね合わせたり、同じ素材および異なる線径の複数本の電線を多層に重ね合わせたりしてもよい。
【0013】
また、前記超音波振動手段は、重畳状態の前記電線側および前記被接合側の両側から異なる周波数の超音波振動を印加するものであるとよい。
【0014】
また、電線と被接合物とを重畳して超音波振動により接合する超音波接合装置において、前記電線が超音波接合に必要な延性を維持するための最適変形度合まで前記電線を加圧変形させる加圧手段と、加圧変形した前記電線および前記被接合物を重畳して超音波振動を印加する超音波振動手段と、前記加圧手段による前記電線への加圧力を検出する検出センサと、当該電線の素材ごとにその素材特有の加工硬化係数に基づき、超音波接合に必要な延性を維持するための前記最適変形度合を予め求めておき、求められた前記電線の素材および線径ごとの前記最適変形度合と、当該最適変形度合を得るための加圧力との関係をマップとして記憶する記憶手段と、接合対象である前記電線に対する前記最適変形度合および加圧力を前記記憶手段の前記マップから読み出し、前記検出センサにより検出される加圧力が、前記マップから読み出した加圧力になるように前記加圧手段の加圧力を制御して加圧変形し、前記超音波振動手段を駆動制御する制御手段とを備え、加圧変形された前記電線と前記被接合物とを重ね合わせた状態で超音波接合するようにしてもよい。
【0015】
ここで、前記被接合物は、配線基板に形成された金属箔パターンであってもよい。このとき、電線を加圧変形させずに金属箔パターンに重ね、加圧により電線を変形させつつ金属箔パターンと超音波接合すると、電線と金属箔パターンとが接合する前に、加圧による電線の変形の際に金属箔パターンに圧力集中によるクラックが生じて接合品質の低下を招くのに対し、電線を予め最適変形度合まで加圧変形させておいた後、加圧変形させた電線と金属箔パターンとを超音波接合することにより、金属箔パターンにクラックを生じさせることなく電線と金属箔パターンとを品質よく、かつ高い接合強度で接合することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、制御手段により、接合対象である電線に対する最適変形度合および加圧力が記憶手段のマップから読み出し、検出センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように加圧手段の加圧力を制御して電線同士を加圧変形したのち超音波振動手段を駆動制御することにより、電線の過度な硬化を防止しつつ超音波接合に必要な延性を維持して、電線間で効率よく超音波振動エネルギを伝達することができ、電線間の接合強度を高めることが可能になり、電線と被接合物とをより高い接合強度で高品質に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る超音波接合装置の第1実施形態の側面図である。
図2】第1実施形態の正面図である。
図3】第1実施形態の加圧変形段階における一部の動作説明図である。
図4】第1実施形態の超音波接合の初期段階における一部の動作説明図である。
図5】第1実施形態の超音波接合の最終段階における一部の動作説明図である。
図6】第1実施形態との比較例の一部の動作説明図である。
図7】第1実施形態における最適変形度合の説明図である。
図8】本発明の第2実施形態の加圧変形段階における一部の動作説明図である。
図9】第2実施形態の超音波接合の初期段階における一部の動作説明図である。
図10】第2実施形態の超音波接合の最終段階における一部の動作説明図である。
図11】第2実施形態との比較例の一部の動作説明図である。
図12】本発明の第3実施形態の一部の動作説明図である。
図13】第3実施形態との比較例の一部の動作説明図である。
図14】本発明の第4実施形態の一部の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明に係る超音波接合装置の第1実施形態について図1図7を参照して説明する。
【0019】
(装置構成)
図1および図2は超音波接合装置1を示し、支持体2の支持面21と、支持面21に平行な水平方向(図1図2中のY軸方向)に超音波振動するヘッド部3のホーンとの間に接合対象を挟んだ状態で、CPUおよびメモリを備えるマイクロコンピュータ構成の制御装置4により制御される加圧手段により接合対象を上下方向(Z軸方向)に加圧しつつ左右方向(Y軸方向)へのいわゆる横振動の超音波振動エネルギを印加することによって、接合対象を接合するものである。ここで、接合対象とは、図3に示すように、複数本の層状に重ね合わされた電線W1、および、被接合物である金属製の接続端子T1であり、各電線W1は同じ素材、同じ線径である。
【0020】
ヘッド部3は、押圧方向である図1中のY軸方向への超音波振動を印加する振動子31と、振動子31の一方端に接続された共振器32と、振動子31および共振器32を振動方向である左右方向(図1図2中のY軸方向)に直交する上下方向(図1図2中のZ軸方向)に移動自在に支持する支持手段33とを備え、振動子31が共振器32を超音波振動させることにより、接合対象に超音波振動が印加されて接合対象が接合される。ここで、共振器32はブースタ34とホーン35とを備え、振動子31、共振器32(ブースタ34およびホーン35)が、本発明における超音波振動手段に相当する。
【0021】
具体的には、共振器32は、制御装置4により制御される振動子31が生成する超音波振動に共振してその中心軸の方向である左右方向(図2中のY軸方向)に超音波振動するものであって、ブースタ34とホーン35とを備え、ブースタ34の下面側にホーン35が連結されている。ブースタ34は、例えばY軸方向におけるそのほぼ中央の位置と、その左右の両端位置とが最大振幅点となるように、共振周波数の一波長の長さに形成され、中央の最大振幅点にホーン35が連結されている。このとき、左右方向(Y軸方向)において各最大振幅点から1/4波長離れた2つの位置が、それぞれブースタ34の第1および第2最小振幅点に相当し、これら最小振幅点において共振器32が支持手段33により支持されている。なお、ブースタ34は、その横断面が例えば八角形を成す柱状に形成され、ブースタ34の右端に、ブースタ34の中心軸と同軸になるように振動子31が無頭ねじ等により接続されている。
【0022】
ここで、共振器32(ブースタ34およびホーン35)は、チタン、チタン合金、鉄、ステンレス、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミニウム合金など、一般的に共振器を形成するのに用いられる種々の金属材料により形成するとよい。また、共振器32は、その共振周波数が約15kHz~約60kHz、その振動振幅(図1図2中のY軸方向における伸縮の振幅)が約2μm~約300μmとなるように構成するのが望ましい。
【0023】
支持手段33は、基部33aと、上端が基部33aに連結された上下方向(図1図2中のZ軸方向)の支柱33bと、支柱33bの下端に連結された支持部33cと、支持部33cの下面に連結された一対のクランプ部33dとを備え、両クランプ部33dでブースタ34の第1、第2最小振幅点に相当する位置の被把持部を把持することにより共振器32を支持する。
【0024】
ここで、両クランプ部33dはそれぞれ上下2分割されて成る合体可能な把持部材33d1,33d2からなり、上側の把持部材33d1が支持部33cの下面に固着され上下の把持部材33d1,33d2により、共振器32のブースタ34の第1、第2最小振幅点に相当する位置の被把持部が挟持されて把持されている。
【0025】
なお、ブースタ34の被把持部が支持手段33により、Oリングやダイアフラム等の弾性部材を介して支持されていてもよい。
【0026】
加圧手段5は、共振器32を支持する支持手段33を上下方向(図1図2中のZ軸方向)に移動させて、ホーン35を支持体2に近接または支持体2から離間するようホーン35を上下方向に移動させるものであって、駆動モータ51と、駆動モータ51により回転される上下方向(Z軸方向)のボールねじ52と、ボールねじ52の上下端を回転自在に支持する断面コ字状の架台53と、中央部に形成された上下方向の雌ねじにボールねじ52が螺合した直方体状の可動支持体54とを備える。ここで、可動支持体54の前側面に支持手段33の基部33aが連結されている。
【0027】
架台53は、上下方向(図1図2中のZ軸方向)に長尺の平板部53aと、この平板部53aの上下端に一体に設けられボールねじ52の上下端を起点自在に支持する水平な延出部53bと、平板部53aの前側であって上下の延出部53b間に基部53aに沿うように取り付けられた上下方向(Z軸方向)のガイドレール53cとを備え、上側の延出部53bの上面に駆動モータ51が載置され、可動支持体54の後側面に形成された上下方向(Z軸方向)のガイド溝にガイドレール53cが嵌挿し、制御装置4により、駆動モータ51が制御されて回転し、ボールねじ52が回転することにより、ガイドレール53に沿って可動支持体54が上下方向(Z軸方向)に移動する。
【0028】
このとき、ボールねじ52の回転方向に応じて可動支持体54が上方向または下方向に移動することにより、可動支持体54に連結された支持手段33の基部33aが上下動し、共振器32のホーン35が、支持体2に近接し、支持体2から離間する。
【0029】
ところで、支持体2またはヘッド部3にロードセル等により構成される本発明における検出センサに相当する加圧センサ(図示省略)が設けられており、加圧手段5によるホーン35と支持体2巻に挟持された接合対象に対する加圧力が加圧センサにより検出される。また、可動支持体54にはリニアエンコーダ6(図1参照)が設けられ、これにより上下方向(図1中のZ軸方向)におけるヘッド部3の高さが検出されて、リニアエンコーダ6の検出信号に基づいて制御装置4により駆動モータ51が制御されることにより、ヘッド部3の高さが調整されて、共振器32のホーン35の支持体2に対する高さが調整される。
【0030】
上記した構成の超音波接合装置1により、例えば図3に示すように多層(ここでは4層)に重ね合わされた同じ素材で同じ線径の複数本の電線W1と、金属製の接続端子T1とを接合する場合に、まず複数本の電線W1同士を、当該電線W1が超音波接合に必要な延性を維持できる最適変形度合まで電線W1同士を加圧変形させる。このとき、電線W1の加圧変形が最適変形度合に満たないと、電線W1同士の間で超音波振動エネルギが効率よく伝わらず、電線W1間での接合強度が弱くなる一方、電線W1の加圧変形が最適変形度合を超えると、従来のプレス成型のような加工硬化により電線が過度に硬くなり過ぎて超音波接合に必要な延性を喪失し、電線間での超音波振動エネルギの伝達効率の低下を招くことになる。そのため、電線W1同士を接続端子T1と超音波接合するのに先立ち最適変形度合まで加圧変形させておく。
【0031】
このとき、図3に示すように、ホーン35と支持体2との間に、層状に重ね合わされた複数本の電線W1と接続端子T1とを重畳した状態で挟持し、ホーン35の幅と同じ距離離れて一対のガイドGを電線W1の両側に配置し、複数本の電線W1がばらけてホーン35の幅よりも外側に広がらないように、両ガイドGにより電線W1の動きを規制する。両ガイドGは、支持体2或いはヘッド部3に取り付けておくのが望ましい。なお、図3以降の図面において図示するように、ホーン35の下面および支持体2の上面にはそれぞれ、電線および接続端子等の被接合物との噛み合いを良くするための粗面加工が施されている。
【0032】
そして、複数本の電線W1を最適変形度合まで加圧変形させるために、制御装置4は、接合対象である電線W1(図3参照)の素材および線径ごとの電線W1の最適変形度合と、当該最適変形度合を得るための加圧力との関係をマップとして記憶する記憶手段としての機能をメモリが担い、接合対象である電線W1に対する最適変形度合および加圧力をメモリのマップから読み出し、加圧センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように加圧手段5の加圧力を制御して電線W1同士を加圧変形し、振動子31等の超音波振動手段を駆動制御する制御手段としての機能をCPUが担う。
【0033】
ところで、最適変形度合とは、電線W1の素材(銅や黄銅、ステンレス鋼、アルミニウムなど)ごとに、その素材特有の加工硬化係数(いわゆるn値)に基づき、電線W1が過度に硬くなり過ぎず超音波接合に必要な電線W1の延性を維持できるように、電線W1に加圧力を加えて加圧変形させる際の目安となるもので、当該電線の素材および線径ごとに、どれくらい加圧すれば超音波接合に必要な電線W1の延性を維持できるかを実験で求め、その加圧力で加圧したときの当該電線の変形度合として表わしたものであり、図7(a)に示す断面円形の電線W1の変形前の元の線径φから、同図(b)に示すように超音波接合に必要な延性を維持できる程度まで加圧変形した後の線径Lを差し引いた値(=φ-L)の元の線径φに対する比率(=(φ-L)/φ)で表わせば、1%~50%の範囲とするのが好ましい。
【0034】
(加圧変形・接合処理)
接合対象である層状に重ね合わされた複数本の電線W1と金属製の接続端子T1とを緒音波接合する場合、大きく分けて加圧変形工程および接合工程の2つの工程があり、これらの工程は連続的に行われる。
【0035】
まず、加圧変形工程として、図3に示すように、支持体2の支持面21上に接続端子T1を載置し、さらにその上に多層に重ね合わされた複数本の電線W1を載置し、ホーン35を下方に移動させ、ホーン35と支持体2との間に、多層に重ね合わされた複数本の電線W1と接続端子T1とを重畳した状態で挟持するとともに、両ガイドGにより層状に重ね合わされた電線W1の両側を規制して加圧変形工程の準備をする。
【0036】
そして、制御装置4により、電線W1に対する最適変形度合および加圧力をメモリのマップから読み出し、加圧センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように、図3中の太線矢印に示すように、加圧手段5の加圧力を制御しつつ電線W1同士を加圧変形する。これにより、多層に重ね合わされた各電線W1が扁平に変形される。
【0037】
次に、超音波による接合工程として、各電線W1を最適変形度合まで加圧変形した後、図4に示すように、制御装置4により超音波振動装置を駆動制御し、ホーン35により各電線W1および接続端子T1に、電線W1の長さ方向への横振動の超音波振動をかけて超音波接合を開始する。
【0038】
さらに、図5に示すように、ホーン35による超音波振動を印加し続けるとともに、加圧手段4による接合対象への加圧を並行して行い、予め設定された接合時間後に超音波振動の印加および加圧を停止し、接合工程を終了する。
【0039】
このとき、層状に重ね合わされた複数本の電線W1が予め最適変形度合に加圧変形されているため、各電線W1に効率よく超音波振動エネルギが伝達され、図5に示すように接合工程を終えた段階では、各電線W1がインゴット化して塊のようになり、インゴット化した各電線W1と接続端子T1とが高い接合強度で接合される。
【0040】
比較のために、図6に示すように、多層に重ね合わされた複数本の電線W1を最適変形度合まで加圧変形せずに、ホーン35による電線W1の長さ方向への横振動の超音波振動の印加と加圧を並行して接続端子T1と超音波接合を行うと、図6に示すように、過剰な加圧力により、例えば上部の電線W1だけが扁平に変形して過剰に硬くなり過ぎて超音波接合に必要な電線W1の延性を喪失した状態で接続端子T1と接合されることになり、変形により過度に硬くなり過ぎた電線W1が、超音波接合に必要な延性を維持することができず、各電線W1間に超音波振動エネルギがうまく伝達されなくなる。その結果、各電線W1同士がインゴット化することなく接合工程を終えるため、各電線W1同士の接合強度はインゴット化する場合に比べて非常に低くなり、各電線W1と接続端子T1との接合強度も所要の強度に達しない。
【0041】
したがって、上記した第1実施形態によれば、制御装置4により、接合対象である電線W1に対する最適変形度合および加圧力をマップから読み出し、検出センサである加圧センサにより検出される加圧力が、メモリのマップから読み出した加圧力になるように加圧手段5の加圧力を制御して電線W1同士を加圧変形したのち、超音波振動手段を駆動制御するため、電線W1の過度な硬化を防止しつつ超音波接合に必要な延性を維持して、電線W1間で効率よく超音波振動エネルギを伝達することができ、多層に重ね合わされた複数本の電線W1をインゴット化して各電線W1間の接合強度を高めることができ、インゴット化した各電線W1と接続端子T1とをより高い接合強度で接合することが可能になる。
【0042】
なお、上記した第1実施形態では、電線W1を同じ素材、同じ線径としたが、異なる素材および同じ線径の複数本の電線を多層に重ね合わせたり、同じ素材および異なる線径の複数本の電線を多層に重ね合わせてもよい。
【0043】
この場合、マップに記憶された電線の素材および線径ごとに最適変形度合が、図7に示すように、加圧変形前の元の線径φから、加工硬化を引き起こす手前まで加圧変形した後の線径Lを差し引いた値(=φ-L)の元の線径φに対する比率である場合、電線の素材、線径ごとの最適変形度合である比率に基づき、電線の素材および線径の組み合わせを満たす比率を導出して加圧力を決定するとよい。具体的には、素材M1で線径φ1の電線と、素材M2で線径φ2の電線の2種類の電線を複数本ずつ重ね合わせる場合に、素材M1で線径φ1の電線の最適変形度合である上記比率範囲が1%~10%であり、素材M2で線径φ2の電線の最適変形度合である上記比率が3%~12%であるとしたときに、素材M2で線径φ2の電線の比率の上限(12%)を目標として加圧変形すると、素材M1で線径φ1の電線が、超音波接合に必要な延性を喪失してしまうことから、素材M1で線径φ1の電線の比率の上限(10%)を、両種類の電線の組み合わせを満たす最適変形度合として採用し、その最適変形度合を得るための加圧力を導出、決定すればよい。
【0044】
<第2実施形態>
本発明に係る超音波接合装置の第2実施形態について図8図11を参照して説明する。なお、第2実施形態における装置の全体構成は、上記した第1実施形態の超音波接合装置1とほぼ同じであるため、以下では図1および図2も参照し、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
【0045】
第2実施形態では、同じ素材で同じ線径の2本の電線W2を重ね合わせ、両電線W1を最適変形度合まで加圧変形したのち金属製の接続端子T2と超音波接合する点が、上記した第1実施形態と異なる。この第2実施形態は、電力用半導体等に適用される線径の太い電線W2と接続端子T2等の被接合物との接合に有利である。
【0046】
そして、接合対象である重ね合わされた2本の電線W2と金属製の接続端子T2とを超音波接合する場合、まず加圧変形工程として、図8に示すように、支持体2の支持面21上に接続端子T1を載置し、さらにその上に重ね合わされた2本の電線W2を載置し、ホーン35を下方に移動させ、ホーン35と支持体2との間に、重ね合わされた2本の電線W2と接続端子T2とを重畳した状態で挟持するとともに、両ガイドGにより重ね合わされた電線W2の両側を規制する。
【0047】
そして、制御装置4により、電線W2に対する最適変形度合および加圧力をメモリのマップから読み出し、加圧センサにより検出される加圧力が、マップから読み出した加圧力になるように、図8中の太線矢印に示すように、加圧手段5の加圧力を制御しつつ電線W2同士を加圧変形する。これにより、図9に示すように重ね合わされた両電線W2が扁平に変形される。
【0048】
次に、超音波による接合工程として、両電線W2を最適変形度合まで加圧変形した両電線W2および接続端子T2に、電線W2の長さ方向への横振動の超音波振動をかけて超音波接合を開始し、図10に示すように、ホーン35による横振動の超音波振動を印加し続けるとともに、加圧手段4による接合対象への加圧を並行して行い、予め設定された接合時間後に超音波振動の印加および加圧を停止し、接合工程を終了する。
【0049】
このとき、重ね合わされた2本の電線W2が、超音波接合に必要な延性を維持できる最適変形度合に加圧変形されているため、両電線21に効率よく超音波振動エネルギが伝達され、図10に示すように接合工程を終えた段階では、両電線W2がインゴット化して塊のようになり、インゴット化した両電線W2と接続端子T2とが高い接合強度で接合される。
【0050】
比較のために、図11に示すように、重ね合わされた2本の電線W2を最適変形度合まで加圧変形せずに、ホーン35による電線W2の長さ方向への横振動の超音波振動の印加と加圧を並行して接続端子T2と超音波接合を行うと、図11に示すように、過剰な加圧力により、例えば上部の電線W2だけが扁平に変形して過剰に硬くなり過ぎて超音波接合に必要な電線W2の延性を喪失した状態で接続端子T2と接合されることになり、変形により過度に硬くなり過ぎた電線W1が、超音波接合に必要な延性を維持することができず、超音波振動エネルギがうまく伝達されなくなる。その結果、両電線W2同士がインゴット化することなく接合工程を終えるため、電線W2同士の接合強度はインゴット化する場合に比べて非常に低くなり、両電線W2と接続端子T2との接合強度も所要の強度に達しない。
【0051】
したがって、上記した第2実施形態によれば、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0052】
なお、上記した第2実施形態では、2本の電線W2を同じ素材、同じ線径としたが、3本以上の同じ素材、同じ線径の電線W2を重ね合わせる場合であってもよく、異なる素材および同じ線径の2本以上の電線や、同じ素材および異なる線径の2本以上の電線を重ね合わせるようにしてもよい。この場合も、例えば素材M3で線径φ3の電線と素材M4で線径φ3の電線の2種類の電線を重ね合わせる場合に、素材M3で線径φ3の電線の最適変形度合である上記した変形前後での線径の変化率である上記比率が2%~13%であり、素材M4で線径φ3の電線の最適変形度合である上記比率が5%~16%であるしたときに、素材M4線径φ3の電線の比率の上限(16%)を目標として加圧変形すると、素材M3で線径φ3の電線が、超音波接合に必要な延性を喪失してしまうことから、素材M3で線径φ3の電線の比率の上限(13%)を、両種類の電線の組み合わせを満たす最適変形度合として採用し、その最適変形度合を得るための加圧力を導出、決定すればよい。
【0053】
<第3実施形態>
本発明に係る超音波接合装置の第3実施形態について図12図13を参照して説明する。なお、第3実施形態における装置の全体構成は、上記した第1実施形態の超音波接合装置1とほぼ同じであるため、以下では図1および図2も参照して説明する。
【0054】
第3実施形態では、1本の電線W3を最適変形度合まで加圧変形したのち、被接合物である配線基板B上に形成された銅箔パターンPに重畳し、加圧変形した電線W3と銅箔パターンPとを超音波接合する点が、上記した第1実施形態と異なる。
【0055】
このとき、電線W3を最適変形度合まで加圧変形する工程は、支持体2上に電線W3を載置してホーン35と支持体2との間に電線W3を挟持し、ホーン35により加圧して行われる。その後、支持体2上に配線基板Bが載置され、さらにその配線基板Bの銅箔パターンP上に電線W3が重畳され、支持体2とホーン35との間に、配線基板Bとその銅箔パターンP上に重畳された電線W3とが挟持された状態でホーン35による加圧と並行して電線W1の長さ方向への横振動の超音波振動が印加されて、銅箔パターンPに電線W3が超音波接合される。
【0056】
ところで、図13(a)にしめすように、電線W3を全く加圧変形させずに配線基板Bの銅箔パターンP上に重ね、加圧により電線W3を変形させつつ銅箔パターンPと超音波接合すると、電線W3と銅箔パターンPとが接合する前に、加圧による電W3線の変形の際に、図13(b)に示すように、銅箔パターンPに圧力集中によるクラックCが生じて接合品質の低下を招く。
【0057】
これに対し、電線W3を予め最適変形度合まで加圧変形させておくことにより、加圧変形させた電線W3と銅箔パターンPとを超音波接合する際の加圧力により、銅箔パターンPに図13のような圧力集中が生じることを防止でき、銅箔パターンPにクラックを生じさせることなく電線W3と銅箔パターンPとを品質よく、かつ高い接合強度で接合することができる。また、電線W3を最適変形度合まで加圧変形させておくため、電線W3にも銅箔パターンにも効率よく超音波振動エネルギを伝達することができる。
【0058】
したがって、上記した第3実施形態によれば、電線W3を予め最適変形度合まで加圧変形させておくことにより、加圧変形させた電線W3と銅箔パターンPとを超音波接合する際の加圧力により、銅箔パターンPに圧力集中によるクラックを生じさせることなく電線W3と銅箔パターンPとを品質よく、かつ高い接合強度で接合することができる。なお、被接合物は、上記した銅箔パターンPに限られるものではなく、銅以外に金その他の金属箔パターンであってもよい。
【0059】
本発明の第4実施形態として、図14に示すように、多層に重ね合わされた複数本の電線W1と、接続端子T1とを重畳した状態で超音波接合する工程において、支持体2側からも電線W1の長さ方向への異なる周波数の横振動の超音波振動を印加するようにしてもよい。また、重ね合わされた2本の電線W2と接続端子T2(図8参照)とを重畳した状蓼で超音波接合する工程でも、同様に支持体2側からも電線W2の長さ方向への横振動の超音波振動を印加するようにしてもよいのは勿論である。この場合、ヘッド部3をもう1つ設けて、当該ヘッド部3のホーン35を支持体2として使用すればよい。
【0060】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0061】
例えば、上記した各実施形態では、被接合物を金属製の接続端子T1,T2、配線基板Bの銅箔パターンPとして説明したが、被接合物はこれら接続端子T1,T2や銅箔パターンPなどの金属箔パターンに限らず、電線と超音波接合されるものであればよい。
【0062】
また、本発明の加圧手段5は上記した構成に限られるものではなく、支持体に対して共振器32を上下方向に移動させることができれば、リニアモータやシリンダ等の周知のアクチュエータを用いるなど、どのように加圧手段5を構成してもよい。
【0063】
また、加圧力を検出する検出する検出センサは、上記した圧力センサに限るものではない。
【0064】
そして、1本の電線或いは複数本の重ね合わせた電線と、金属製の接続端子や配線基板の金属箔パターンなどの被接合物とを重畳した状態で、超音波振動を印加して接合する超音波接合装置に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 …超音波接合装置
3 …ヘッド部
31…振動子(超音波振動手段)
32…共振器(超音波振動手段)
35…ホーン(超音波振動手段)
4 …制御装置(制御手段、記憶手段)
5 …加圧手段
W1,W2,W3…電線
T1,T2…接続端子(被接合物)
P …銅箔パターン(被接合物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14