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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045477
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】財布
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/08 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
A45C1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151090
(22)【出願日】2020-09-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年12月9日、UNLOCKTOKYO合同会社のウェブサイト http://note.com/unlock/n/n1f5461528613?magazine_key=mc1d9f6c88b00に掲載。
(71)【出願人】
【識別番号】519376085
【氏名又は名称】續 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】續 大輔
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA01
3B045CE09
3B045DA33
3B045DA41
3B045DA45
3B045EB11
(57)【要約】
【課題】硬い収納物とカード類を一緒に収納した場合でも、カード類が破損しにくく、また使用者が握りやすい財布を提供すること。
【解決手段】略袋状に形成された外装材10の内部に第1収納部20、第2収納部30及び第3収納部40が設けられ、外装材10の開口部10aを開閉する第1ファスナー14を有する財布であって、第1収納部20は、外装材10の第1側部11と第2収納部30との間に設けられ、第1側部11の内側に、第1ポケット21を有し、第2収納部30は、第1収納部20と第3収納部40との間に設けられ、第1仕切り材31及び第2仕切り材32により略袋状に形成されると共に、第1仕切り材31及び第2仕切り材32の開口部30aを開閉する第2ファスナー33を有し、第3収納部40は、第2収納部30と外装材10の第2側部12との間に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略袋状に形成された外装材の内部に第1収納部、第2収納部及び第3収納部が設けられ、前記外装材の開口部を開閉する第1ファスナーを有する財布であって、
前記第1収納部は、前記外装材の第1側部と前記第2収納部との間に設けられ、前記第1側部の内側に、第1ポケットを有し、
前記第2収納部は、前記第1収納部と前記第3収納部との間に設けられ、第1仕切り材及び第2仕切り材により略袋状に形成されると共に、前記第1仕切り材及び第2仕切り材の開口部を開閉する第2ファスナーを有し、
前記第3収納部は、前記第2収納部と前記外装材の第2側部との間に設けられる、
財布。
【請求項2】
前記外装材は、平面視において矩形状に形成され、
前記外装材の開口部は、矩形状の隣り合う2辺に設けられ、
前記第1ファスナーは、前記外装材の前記開口部を第1スライダーにより開閉するL字ファスナーであって、長辺側の終端部が前記第1スライダーによる閉じ操作の開始位置となる、
請求項1に記載の財布。
【請求項3】
前記第1仕切り材及び前記第2仕切り材は、平面視において矩形状に形成され、
前記第1仕切り材及び前記第2仕切り材の開口部は、矩形状の隣り合う2辺に設けられ、
前記第2ファスナーは、前記第1仕切り材及び前記第2仕切り材の前記開口部を第2スライダーにより開閉するL字ファスナーであって、短辺側の終端部が前記第2スライダーによる閉じ操作の開始位置となる、
請求項1又は2に記載の財布。
【請求項4】
前記第1仕切り材の前記第1収納側にキーホルダーが設けられた、
請求項1~3のいずれかに記載の財布。
【請求項5】
前記キーホルダーは、前記第1仕切り材に対して着脱自在である、
請求項4に記載の財布。
【請求項6】
前記第1収納部の前記第1ポケットに、折り畳まれた袋が収納された、
請求項1~5のいずれかに記載の財布。
【請求項7】
前記第3収納部は、前記第2側部の内側に、第2ポケットと、前記第2ポケットの開口部を覆うカバーを有する、
請求項1~6のいずれかに記載の財布。
【請求項8】
前記第3収納部において、前記カバーは、前記第2ポケットの前記開口部の内側に折り込み可能である、
請求項7に記載の財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれた袋等を収納可能な財布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、財布と一体化させたエコバッグ(登録商標)が提案されている。このエコバッグは、財布とほぼ同じ大きに折り畳むことができる一方、展開することで本来の大きさに広げて使用することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-72546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のエコバッグでは、財布に硬貨や紙幣、家や車の鍵、クレジットカードや電子カード等のカード類を一緒に収納した場合、硬貨や鍵等の硬い収納物により、柔らかいカード類が破損したり、硬貨や鍵等がランダムに重なり合って、使用者が財布を握りにくくなったりするという課題がある。
【0005】
本発明は、硬い収納物とカード類を一緒に収納した場合でも、カード類が破損しにくく、また使用者が握りやすい財布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、略袋状に形成された外装材の内部に第1収納部、第2収納部及び第3収納部が設けられ、前記外装材の開口部を開閉する第1ファスナーを有する財布であって、前記第1収納部は、前記外装材の第1側部と前記第2収納部との間に設けられ、前記第1側部の内側に、第1ポケットを有し、前記第2収納部は、前記第1収納部と前記第3収納部との間に設けられ、第1仕切り材及び第2仕切り材により略袋状に形成されると共に、前記第1仕切り材及び第2仕切り材の開口部を開閉する第2ファスナーを有し、前記第3収納部は、前記第2収納部と前記外装材の第2側部との間に設けられる財布に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、硬い収納物とカード類を一緒に収納した場合でも、カード類が破損しにくく、また使用者が握りやすい財布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。
図2A】財布1の斜視図である。
図2B】財布1を図2Aとは異なる方向から視た斜視図である。
図3】財布1の外装材10と内部に設けられた第2収納部30との位置関係を説明する図である。
図4】第2収納部30に設けられたキーホルダー35の着脱を説明する図である。
図5】第3収納部40にマスク60と名刺65を収納した場合の内部状態を概念的に示した断面図である。
図6】(A)~(D)は、広げたエコバッグ50とその折り畳みの手順を説明する図である。
図7】財布1の各収納部に各種の収納物を入れた場合の内部状態を概念的に示した断面図である。
図8図7のI-I断面に相当する図である。
図9A】変形形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。
図9B】他の変形形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る財布の実施形態について説明する。なお、本明細書に添付した図面は、いずれも模式図であり、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。また、図面においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
本明細書等においては、財布1を平面視したときに、財布1の長辺方向をX(X1-X2)方向、短辺方向をY(Y1-Y2)方向、厚さ方向をZ(Z1-Z2)方向とする。なお、本明細書においては、「~方向」を適宜に「~側」ともいう。
【0010】
図1は、実施形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。図2Aは、財布1の斜視図である。図2Bは、財布1を図2Aとは異なる方向から視た斜視図である。図3は、財布1の外装材10と内部に設けられた第2収納部30との位置関係を説明する図である。図4は、第2収納部30に設けられたキーホルダー35の着脱を説明する図である。図5は、第3収納部40にマスク60と名刺65を収納した場合の内部状態を概念的に示した断面図である。図5は、第3収納部40のY-Z断面に相当する図である。
【0011】
図1に示すように、財布1は、外装材10と、その内部に設けられた第1収納部20、第2収納部30及び第3収納部40を備えている。
外装材10は、第1側部11、第2側部12及び底部13により構成されている。また、外装材10には、外ファスナー(第1ファスナー)14が設けられている。第1側部11は、外装材10のZ1側に設けられる部材である。第2側部12は、外装材10のZ2側に設けられる部材である。底部13は、図2A及び図2Bに示すように、第1側部11及び第2側部12において、Y1側の辺、X2側の辺及びX1側の辺の一部を接合するように設けられる部材である。外装材10を構成する第1側部11及び第2側部12は、図2A及び図2Bに示すように、厚さ方向(Z方向)から視たときに、長辺(X方向)と短辺(Y方向)からなる矩形状に形成されている。すなわち、外装材10は、厚さ方向(Z方向)からの視た平面視において矩形状に形成されている。外装材10の第1側部11、第2側部12及び底部13の素材としては、例えば、ポリエステル繊維等からなる生地材を用いることができる。
【0012】
外装材10は、図2A及び図2Bに示すように、第1側部11、第2側部12及び底部13により略袋状に形成されている。略袋状とは、矩形状となる外装材10の隣り合う2辺を接合したものが袋状となる形状又は矩形状となる外装材10の1辺を接合したものが袋状となる形状をいう。本実施形態の外装材10では、矩形状となる第1側部11及び第2側部12の隣り合う2辺を底部13により接合したものを略袋状という。外装材10を2つの部材で形成した場合、2つの部材を重ね合わせて矩形状とし、隣り合う2辺を接合したものを略袋状という。また、外装材10を1つの部材で形成した場合、1つの部材を2つ折りにして矩形状とし、長辺又は短辺のいずれか1辺を接合したものを略袋状という。なお、図示していないが、外装材10は、4つ以上の部材により形成してもよい。
【0013】
外装材10は、図3に示すように、Y2側の長辺とX1側の短辺からなるL字形の部分が開口部10aとなる。外ファスナー14は、外装材10の開口部10aを開閉するスライド式の留め金具である。本実施形態の外ファスナー14は、図2Aに示すように、外装材10のY2側の長辺とX1側の短辺を、外スライダー15により開閉するL字ファスナーである。本実施形態の外ファスナー14は、図3に示すように、Y2側の長辺のX2側の終端部が外スライダー15(図1参照)による閉じ操作の開始位置S1となるように閉じ方向が設定されている。
【0014】
図1に示すように、第1収納部20は、外装材10の第1側部11と第2収納部30との間に設けられた収納部である。第1収納部20は、第1側部11の内側に、折り畳まれた袋であるエコバッグ50を収納可能なバッグポケット(第1ポケット)21を備えている。なお、バッグポケット21には、エコバッグ50に限らず、例えば、折り畳まれたビニール袋等を収納することもできる。第1収納部20において、バッグポケット21と第2収納部30との間は、キーホルダー35(後述)に連結された鍵の収納領域(キーケース)となる。このように、第1収納部20には、エコバッグや鍵等を収納することができる。
【0015】
第2収納部30は、第1収納部20と第3収納部40との間に設けられた収納部である。第2収納部30には、例えば、硬貨、リップクリーム、キャンディ等の硬い収納物の他、紙幣等を収納することができる。図3に示すように、第2収納部30は、外装材10と同じく、厚さ方向(Z方向)から視たときに、長辺(X方向)と短辺(Y方向)とからなる矩形状に形成されている。第2収納部30は、外装材10の内部に収納可能な大きさに形成されており、外装材10と略相似形となる。図1に示すように、第2収納部30は、第1仕切り材31及び第2仕切り材32により略袋状に形成されている。また、第2収納部30は、図3に示すように、Y2側の長辺とX1側の短辺が開口部30aとなる。第2収納部30において、Y1側の長辺とX2側の短辺、すなわち開口部30aが設けられていない辺は、外装材10の内部に縫い付けられている。また、図1及び図3に示すように、第2収納部30には、開口部30aを開閉する内ファスナー(第2ファスナー)33が設けられている。
【0016】
内ファスナー33は、第2収納部30の開口部30aを開閉するスライド式の留め金具である。本実施形態の内ファスナー33は、第2収納部30のY2側の長辺とX1側の短辺を、内スライダー34により開閉するL字ファスナーである。本実施形態の内ファスナー33は、図3に示すように、X1側の短辺のY1側の終端部が内スライダー34(図1参照)による閉じ操作の開始位置S2となるように閉じ方向が設定されている。
第2収納部30の第1仕切り材31及び第2仕切り材32の素材としては、例えば、外装材10と同じく、ポリエステル繊維等からなる生地材を用いることができる。
【0017】
図1に示すように、第2収納部30において、第1仕切り材31の第1収納部20側(Z1側)で且つX1側の端部付近には、キーホルダー35が設けられている。図4に示すように、キーホルダー35には、スナップボタン36の凹部36aが設けられている。また、第1仕切り材31(30)の側には、スナップボタン36の凸部36bが設けられている。キーホルダー35のスナップボタン36の凹部36aを第2収納部30の凸部36bに嵌め込むことにより、キーホルダー35に取り付けた鍵類(不図示)を、第1収納部20に収納することができる。また、キーホルダー35のスナップボタン36の凹部36aを第2収納部30の凸部36bから引き離すことにより、キーホルダー35に取り付けた鍵類を、財布1から分離することができる。
【0018】
図1に示すように、第3収納部40は、第2収納部30と外装材10の第2側部12との間に設けられた収納部である。第3収納部40には、例えば、クレジットカード、電子カード、免許証、定期券、名刺等のカード類、カード型の万能ツール、手帳、絆創膏、チョコレート等を収納することができる。また、第3収納部40には、第2側部12の内側に、マスクを収納可能なマスクポケット(第2ポケット)41と、マスクポケット41を覆うカバー42と、が設けられている。マスクポケット41には、折り畳まれたマスク60を収納することができる。
【0019】
図1に示すように、マスクポケット41にマスク60を収納し、カバー42によりマスクポケット41の開口部41aを外側から覆うことにより、マスク60と第3収納部40に収納したカード類(不図示)とが接触しにくくなるため、マスク60を清潔な状態で保持することができる。また、図5に示すように、マスクポケット41にマスク60が収納された状態で、カバー42をマスクポケット41の開口部41aの内側に折り込むようにしてもよい。この状態で、マスクポケット41とカバー42との間に名刺65を入れれば、マスク60の清潔な状態を維持しつつ、名刺65を取り出しやすい状態で収納することができる。なお、この使い方において、マスクポケット41には、マスク60を入れなくてもよい。また、図示していないが、マスク60の代わりにマスクポケット41に名刺65を入れて、カバー42によりマスクポケット41の開口部41aを外側から覆うようにすれば、名刺65を汚れにくい状態で保持することができる。なお、図示していないが、第2収納部30とマスクポケット41との間の収納空間Sにカードや折り畳んだ紙幣等を収納してもよい。
【0020】
次に、バッグポケット21(第1収納部20)に収納されるエコバッグ50について説明する。図6(A)~(D)は、広げたエコバッグ50とその折り畳みの手順を説明する図である。図6(A)に示すエコバッグ50を折り畳む場合、まず折り線aに沿って幅方向の両側を矢印方向に谷折りする。次に、図6(B)に示すように、折り線bに沿って幅方向の一方の側を矢印方向に谷折りする。次に、図6(C)に示すように、帯状となったエコバッグ50の一方の端部から所定の長さで巻き上げるように折り畳む。これにより、図6(D)に示すように、エコバッグ50を小さく折り畳むことができる。なお、エコバッグ50は、第1収納部20に収納することができれば、形状、折り畳み手順は、図6(A)~(D)に示す例に限定されない。エコバッグ50の素材としては、例えば、リップストップナイロン等の生地材を用いることができる。このような生地材を用いることにより、小さく折り畳めるだけでなく、軽量且つ撥水性にも優れたエコバッグ50を作製することができる。
【0021】
次に、実施形態の財布1に各種の収納物を入れた場合の機能及び効果について説明する。図7は、財布1の各収納部に各種の収納物を入れた場合の内部状態を概念的に示した断面図である。図7では、前述した財布1の各部を適宜に省略して描いている。図8は、図7のI-I断面に相当する図である。
図7に示す使用形態において、第1収納部20(バッグポケット21)には、エコバッグ50が収納されている。第2収納部30のキーホルダー35(不図示)には、複数の鍵70が連結されている。第2収納部30の内部には、硬貨80及び紙幣90が収納されている。第3収納部40には、カード類100が収納され、マスクポケット41には、マスク60が収納されている。上記のような収納物を入れた状態で財布1の全体を手で揉むと、キーホルダー35に連結された鍵70と第2収納部30に収納された硬貨80との隙間が相互に吸収されるため、財布1の厚みを全体的により薄くすることができる。
【0022】
また、財布1の全体を手で揉むと、第1収納部20に収納された鍵70の尖った部分が、折り畳まれたエコバッグ50の凹凸に覆われるため、第1収納部20の外側(Z1側)に鍵70の尖った部分が突出しにくくなる。この状態において、図8に示すように、第3収納部40に収納されたカード類100は、第1収納部20に収納された鍵70(図7参照)の尖った部分及び第2収納部30に収納された硬貨80と直に接しないため、カード類100の破損を抑制することができる。また、マスクポケット41に収納されたマスク60は、第3収納部40に収納されたカード類100と接触しにくいため、マスク60を清潔な状態で保持することができる。
したがって、本実施形態の財布1によれば、硬い収納物とカード類とを一緒に収納した場合でも、カード類の破損を抑制することができる。また、全体を薄くできると共に、財布1の外側に鍵の尖った部分が突出しにくくなるため、使用者は、財布1をより握りやすくなる。
【0023】
実施形態の財布1は、上述した効果を奏するだけでなく、例えば、以下のような効果を奏する。
実施形態の財布1において、外ファスナー14は、長辺側の終端部(X2側の端部)が外スライダー15による閉じ操作の開始位置となるように閉じ方向が設定されている。そのため、外ファスナー14がすべて閉じられた状態において、外スライダー15により外ファスナー14の短辺側を開くことにより、キーホルダー35に連結された鍵を取り出すことができる。なお、外ファスナー14において、短辺側の終端部(Y1側の端部)が外スライダー15による閉じ操作の開始位置となるように閉じ方向が設定されていると、キーホルダー35に連結されている鍵を取り出すために、外ファスナー14をすべて開く必要がある。このように、外ファスナー14をすべて開くと、鍵を取り出す際に、内部に収納されているカード類等が不用意に飛び出してしまうおそれがある。
【0024】
これに対して、実施形態の財布1においては、外ファスナー14をすべて開くことなく鍵を取り出すことができるので、鍵を取り出す際に、内部に収納されているカード類等が不用意に飛び出してしまう不具合を抑制することができる。
また、実施形態の財布1において、キーホルダー35は、第1仕切り材31の第1収納部20側(Z1側)で且つX1側の端部付近に設けられている。そのため、外スライダー15により外ファスナー14の短辺側(X1側)を開いた場合に、キーホルダー35に連結された鍵をより簡単に取り出すことができる。
【0025】
実施形態の財布1において、第2収納部30の内ファスナー33は、短辺側の終端部(Y1側の端部)が内スライダー34による閉じ操作の開始位置となるように閉じ方向が設定されている。そのため、内ファスナー33がすべて閉じられた状態において、内スライダーにより内ファスナー33の長辺側のみを開くことにより、第2収納部30に収納されている硬貨や紙幣を取り出すことができる。
【0026】
なお、第2収納部30の内ファスナー33において、長辺側の終端部(X2側の端部)が内スライダー34による閉じ操作の開始位置となるように閉じ方向が設定されていると、第2収納部30に収納されている硬貨や紙幣を取り出すために、内ファスナー33をすべて開く必要がある。このように、内ファスナー33をすべて開くと、取り出そうとしている硬貨や紙幣が第2収納部30の短辺側から不用意に飛び出してしまうおそれがある。これに対して、実施形態の財布1においては、内ファスナー33をすべて開くことなく硬貨や紙幣を取り出すことができるので、取り出そうとしている硬貨や紙幣が第2収納部30の短辺側から不用意に飛び出してしまう不具合を抑制することができる。
【0027】
実施形態の財布1において、外ファスナー14の閉じ操作の開始位置と、内ファスナー33の閉じ操作の開始位置は、互いに反対側となるように設定されている。そのため、第2収納部30から硬貨や紙幣を取り出す際の操作において、以下のような利便性がある。すなわち、外ファスナー14と内ファスナー33とが閉じられた財布1において、外ファスナー14をすべて開くと、外スライダー15は、長辺側の終端部(X2側の端部)に移動する。この位置は、内ファスナー33において、内スライダー34による開き操作の開始位置となるため、使用者は、手を移動することなく、同じ位置から内スライダー34を操作して、内ファスナー33の長辺側を開くことにより、第2収納部30から硬貨や紙幣を取り出すことができる。
【0028】
そして、第2収納部30から硬貨や紙幣を取り出した後、内ファスナー33の長辺側を閉じると、内スライダー34は、長辺側の終端部に移動する。この位置は、外ファスナー14において、外スライダー15による閉じ操作の開始位置となるため、使用者は、手を移動することなく、同じ位置から外スライダー15を閉じ位置に移動させることにより、外ファスナー14をすべて閉じることができる。このように、実施形態の財布1は、第2収納部30から硬貨や紙幣を取り出す際に、手の移動を必要最小限に抑えることができるため、第2収納部30からの硬貨や紙幣の取り出しをより速やかに且つ効率良く行うことができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0030】
(変形形態)
図9Aは、変形形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。図9Bは、他の変形形態の財布1を開いた状態を示す斜視図である。なお、図9A及び図9Bでは、説明に必要な部分にのみ符号を付している。
図9Aに示すように、第3収納部40において、カバー42を設けずに、マスクポケット41のみを設けた構成としてもよい。また、図9Bに示すように、第3収納部40において、マスクポケット41及びカバー42のいずれも設けない構成としてもよい。このような構成とすることにより、財布1の厚さをより薄くすることができる。また、財布1の構成を簡素化することができるので、必要最小限の機能を維持しつつ、コストの低減を図ることができる。
【0031】
実施形態の財布1において、外ファスナー14を、外装材10のY2側の長辺と、X1及びX2側の短辺の3辺を開閉するラウンドファスナーにより構成してもよい。
実施形態の財布1において、内ファスナー33を、第2収納部30のY2側の長辺のみを開閉するファスナーにより構成してもよい。
実施形態の財布1において、外ファスナー14及び内ファスナー33のいずれか又は両方を、どちらの側からも開けられる両開きファスナーにより構成してもよい。
実施形態の財布1において、キーホルダー35は、第2収納部30に対して着脱自在に設けられていなくてもよい。また、キーホルダー35を複数設けて、いずれか1つ又はすべてを着脱自在としてもよい。
【0032】
実施形態の財布1において、キーホルダー35を設けない構成としてもよい。その場合でも、鍵類を第1収納部20に収納して、財布1の全体を手で揉めば、第1収納部20に収納された鍵類の尖った部分が、折り畳まれたエコバッグ50の凹凸に覆われる。そのため、第1収納部20の外側(Z1側)に鍵70の尖った部分が突出しにくくなる。
実施形態の財布1において、各収納部に収容される物品として挙げた名称は一例に過ぎない。どの収納部にどのようなものを収納するかは、利用者により適宜に選択可能であり、実施形態で挙げた物品に限定されない。
【符号の説明】
【0033】
1 財布
10 外装材
10a,30a,41a 開口部
11 第1側部
12 第2側部
14 外ファスナー
20 第1収納部
21 バッグポケット
30 第2収納部
31 第1仕切り材
32 第2仕切り材
33 内ファスナー
35 キーホルダー
40 第3収納部
41 マスクポケット
42 カバー
50 エコバッグ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B