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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045537
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】衣服及びファン付き衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
A41D13/002 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151179
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】今田 謙次郎
(72)【発明者】
【氏名】宮 勇二
(72)【発明者】
【氏名】小谷 愛奈
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC03
3B011AC17
(57)【要約】
【課題】ファンが取り付けられる衣服の快適性を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】衣服は、少なくとも一つのファンが取り付けられる少なくとも一つの取付開口部と、排気部と、制限部とを備える。排気部は、少なくとも一つのファンによって少なくとも一つの取付開口部から衣服内に取り込まれた空気を衣服外に排気する。制限部は、排気部からの空気の排出よりも、衣服の襟ぐり開口部からの空気の排出を制限する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンが取り付け可能な衣服であって、
少なくとも一つのファンが取り付けられる少なくとも一つの取付開口部と、
前記少なくとも一つのファンによって前記少なくとも一つの取付開口部から前記衣服内に取り込まれた空気を、前記衣服外に排気する排気部と、
前記排気部からの空気の排出よりも、前記衣服の襟ぐり開口部からの空気の排出を制限する制限部と
を備える、衣服。
【請求項2】
請求項1に記載の衣服であって、
前記制限部は、
襟部と、
首に対する前記襟部の締め付け具合を調整する調整部と
を有する、衣服。
【請求項3】
請求項1に記載の衣服であって、
前記制限部は、首に密着する襟部を有する、衣服。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の衣服であって、
前記襟部の少なくとも一部は伸縮性を有する、衣服。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の衣服であって、
前記襟部の少なくとも一部は、前記衣服における、前記少なくとも一つの取付開口部に含まれるいずれの取付開口部の周辺の素材よりもqmax(最大熱吸収速度)の値が大きい素材で構成される、衣服。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の衣服であって、
前記少なくとも一つの取付開口部は、前記衣服の身頃部の背面において、前記衣服の着丈方向に沿った中心線の両側にそれぞれ位置する第1取付開口部及び第2取付開口部を含む、衣服。
【請求項7】
請求項6に記載の衣服であって、
前記第1取付開口部は、前記第2取付開口部よりも前記襟ぐり開口部側に位置する、衣服。
【請求項8】
請求項7に記載の衣服であって、
前記第1取付開口部は、前記身頃部を前記背面側から見て右側に位置する、衣服。
【請求項9】
請求項7及び請求項8のいずれか一つに記載の衣服であって、
前記排気部は、前記背面の上部に位置する、衣服。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の衣服と、
前記衣服の前記少なくとも一つの取付開口部に取り付けられた少なくとも一つのファンと
を備える、ファン付き衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンが取り付けられる衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファンが取り付けられる衣服に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-101354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファンが取り付けられる衣服の快適性には改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、ファンが取り付けられる衣服の快適性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
衣服及びファン付き衣服が開示される。一の実施の形態では、衣服は、ファンが取り付けられる衣服である。衣服は、少なくとも一つのファンが取り付けられる少なくとも一つの取付開口部と、排気部と、制限部とを備える。排気部は、少なくとも一つのファンによって少なくとも一つの取付開口部から衣服内に取り込まれた空気を衣服外に排気する。制限部は、排気部からの空気の排出よりも、衣服の襟ぐり開口部からの空気の排出を制限する。
【0007】
また、一の実施の形態では、ファン付き衣服は、上記の衣服と、当該衣服の少なくとも一つの取付開口部に取り付けられた少なくとも一つのファンとを備える。
【発明の効果】
【0008】
ファンが取り付けられる衣服の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図2】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図3】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図4】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図5】衣服の外観の一例を示す概略図である。
図6】ファンを衣服に取り付ける様子の一例を示す概略図である。
図7】ファンが衣服に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
図8】衣服の外観の一例を示す概略図である。
図9】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図10】衣服を着た着用者がエンジン式工具を使用している様子の一例を示す概略図である。
図11】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
図12】ファン付き衣服の外観の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~4はファン付き衣服1の外観の一例を示す概略図である。図1には、ファン付き衣服1を後ろ側から見た様子の一例が示されている。図2には、ファン付き衣服1を前側から見た様子の一例が示されている。図3には、ファン付き衣服1を前側から見た様子の一例が拡大されて示されている。図4には、ファン付き衣服1を斜め前側から見た様子の一例が拡大されて示されている。
【0011】
図1~4に示されるように、ファン付き衣服1は、上衣である衣服10と、衣服10に取り付けられた少なくとも一つのファン50とを備える。少なくとも一つのファン50によって衣服10内に取り込まれた空気が衣服10内で循環して衣服10外に排気されることによって、ファン付き衣服1の着用者80の体が冷却される。本例では、ファン付き衣服1は、2個のファン50を備えているが、ファン付き衣服1が備えるファン50の数はこれに限られない。ファン付き衣服1が備えるファン50の数は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。以後、ファン付き衣服1の説明において、右と言えば着用者80の右腕側を意味し、左と言えば着用者80の左腕側を意味する。
【0012】
図5は衣服10を後ろ側から見た様子の一例を示す概略図である。衣服10は、例えば、衣服10内に取り込まれた空気が透過しないあるいは透過しにくい少なくとも1種類の素材で構成されている。衣服10は、図1~5に示されるように、着用者80の胴体を覆う身頃部11と、着用者80の両腕をそれぞれ覆う一対の袖部14と、襟部15とを備える。一対の袖部14は、右側の右袖部140と、左側の左袖部141とで構成されている。各袖部14の裾部14a(袖裾部14aともいう)は、例えば伸縮性を有し、着用者80の腕、例えば手首を少し締め付ける。袖裾部14aは腕を締め付ける腕締め付け部とも言える。袖裾部14aにゴムが入れられることによって袖裾部14aが伸縮性を有してもよい。また、袖裾部14aは伸縮性素材で構成されてもよい。この場合、袖裾部14aには、ゴムが入れられてもよいし、ゴムが入れられなくてもよい。
【0013】
襟部15は、着用者80の首81が通る襟ぐり開口部16を構成する。襟ぐり開口部16は、首回り開口部とも言える。襟部15は、身頃部11の上端につながっている。右袖部140は身頃部11の上部の右端から延びており、左袖部141は身頃部11の上部の左端から延びている。
【0014】
身頃部11は、着用者80の胴体の前側を覆う前身頃部12と、当該胴体の後ろ側を覆う後身頃部13とを有する。身頃部11は胴部であるとも言える。前身頃部12は身頃部11の前面11a側に位置し、後身頃部13は身頃部11の背面11b側に位置すると言える。身頃部11の裾部11c(身頃裾部11cともいう)は、例えば伸縮性を有し、着用者80の胴体、例えば腰を少し締め付ける。身頃裾部11cは胴体を締め付ける胴体締め付け部とも言える。身頃裾部11cにゴムが入れられることによって身頃裾部11cが伸縮性を有してもよい。この場合、ゴムは、前身頃部12の裾部と後身頃部13の裾部とに入れられる。また、身頃裾部11cは伸縮性素材で構成されてもよい。この場合、身頃裾部11cには、ゴムが入れられてもよいし、ゴムが入れられなくてもよい。
【0015】
前身頃部12は、左右に分かれており、右側の右前身頃部120と、左側の左前身頃部121とを有する。襟部15は、右前身頃部120から後身頃部13まで延びる右襟部150と、左前身頃部121から後身頃部13まで延びる左襟部151とを有する。右襟部150と左襟部151とは身頃部11の背面11b側で(言い換えれば衣服10の後ろ側で)つながっている。
【0016】
図3及び図4に示されるように、衣服10には、右前身頃部120と左前身頃部121とを接続するとともに、身頃部11の前面11a側(言い換えれば衣服10の前側)で右襟部150と左襟部151とを接続するためのオープンファスナー17(単にファスナー17ともいう)が設けられている。ファスナー17は線ファスナーである。ファスナー17によって、右前身頃部120と左前身頃部121とは閉じたり開いたりすることができる。言い換えれば、身頃部11は、ファスナー17によって、前側で閉じたり開いたりすることができる、また、右襟部150と左襟部151とは、ファスナー17によって、前側で閉じたり開いたりすることができる。ファスナー17が閉じた状態では、襟部15は、着用者80の首81を周方向に取り囲み、いわゆるハイネックとなる。ファスナー17が閉じた状態において、襟部15は首81に接触してもよいし、接触しなくてもよい。
【0017】
ファスナー17の務歯(エレメントともいう)171を構成する一対の歯列171aの一方は、右前身頃部120及び右襟部150の前側の縁に沿って当該縁に設けられている。また、一対の歯列171aの他方は、左前身頃部121及び左襟部151の前側の縁に沿って当該縁に設けられている。一対の歯列171aがスライダ170の移動に応じて噛み合うことによって、ファスナー17が閉じる。スライダ170の上側(言い換えれば襟部15側)への移動に応じて、右前身頃部120と左前身頃部121とが下側(言い換えれば身頃部11の裾側)から徐々に閉じていく。また、スライダ170の上側への移動に応じて、右襟部150と左襟部151とが下側から徐々に閉じていく。
【0018】
左前身頃部121及び左襟部151の前側の縁には、ファスナー17の務歯171を隠す生地である長尺状の務歯隠し部18が繋がっている。務歯隠し部18は務歯隠し生地とも言える。務歯隠し部18は、左前身頃部121及び左襟部151の前側の縁に沿って設けられている。務歯隠し部18は、ファスナー17の閉じられた部分の務歯171を覆う。ファスナー17が一番上まで閉じられたときには、務歯171の全領域が務歯隠し部18で覆われる。
【0019】
衣服10は、少なくとも一つのファン50が取り付けられる少なくとも一つの取付開口部19を備える。本例では、ファン付き衣服1は2個のファン50を備えることから、衣服10には、2個のファン50がそれぞれ取り付けられる2個の取付開口部19が設けられている。図5に示されるように、2個の取付開口部19は、例えば、身頃部11の背面11bに設けられている。2個の取付開口部19は後身頃部13に設けられている。2個の取付開口部19は、例えば、背面11bにおいて、衣服10の着丈方向(上下方向ともいう)に沿った中心線CLの両側(言い換えれば右側及び左側)にそれぞれ位置する。以後、2個の取付開口部19のうち、中心線CLよりも右側の取付開口部19を右取付開口部190と呼び、中心線CLよりも左側の取付開口部19を左取付開口部191と呼ぶことがある。
【0020】
右取付開口部190は、例えば、左取付開口部191よりも襟ぐり開口部16側(言い換えれば上側)に位置する。右取付開口部190は、例えば、背面11bにおける、衣服10の脇部の周辺に位置する。右取付開口部190は、例えば、背面11bにおける、衣服10の脇部の斜め下に位置する。後身頃部13と右前身頃部120との境界線を右境界線と呼ぶと、右取付開口部190は、例えば、背面11bにおける、中心線CLと右境界線との間の領域において、右境界線寄りに位置している。右取付開口部190は、衣服10の右側方寄りに位置していると言える。
【0021】
左取付開口部191は、例えば、衣服10の腰部の背面に設けられている。後身頃部13と左前身頃部121との境界線を左境界線と呼ぶと、左取付開口部191は、例えば、背面11bにおける、中心線CLと左境界線との間の領域において、左境界線寄りに位置している。左取付開口部191は、衣服10の左側方寄りに位置していると言える。
【0022】
各取付開口部19にはファン50が取り付けられる。図6は取付開口部19に対してファン50が取り付けられる様子の一例を示す概略図である。図6において、衣服10の右側は衣服10の外側であって、衣服10の左側は衣服10の内側(言い換えれば着用者80の体側)である。
【0023】
図6に示されるように、ファン50は、本体部510と、本体部510を衣服10に固定するための固定部材550とを備える。ファン50は、例えば、軸流ファンであってもよいし、斜流ファンであってもよい。本体部510はハウジング520を備える。ハウジング520内には羽根部が設けられている。羽根部が回転することによってファン50が回転する。
【0024】
ハウジング520は、例えば、互いに対向する一対の底面がやや外側に膨らんだ略円柱状を成している。ハウジング520の一方の底面には、羽根部の回転時に空気をハウジング520内に取り込む吸気部521が設けられている。吸気部521は、例えば複数の吸気穴を備える。吸気部521の外周には、当該吸気部521を取り囲む環状のフランジ部523が設けられている。ハウジング520の他方の底面及び環状の側面には、羽根部の回転時に、ハウジング520内の空気をハウジング520外に排気する排気部522が設けられている。排気部522は、例えば複数の排気穴を有する。また、ハウジング520の側面には、固定部材550が有するネジ部と螺合する環状のネジ部524が設けられている。ネジ部524は、吸気部521と排気部522との間に位置する。
【0025】
固定部材550は環状を成している。固定部材550の内周面には、ハウジング520のネジ部524と螺合するネジ部が設けられている。固定部材550の外周面には環状のフランジ部551が設けられている。
【0026】
以上のような構造を有するファン50が、取付開口部19に取り付けられる場合には、図6に示されるように、まず、ハウジング520が、衣服10の外側から取付開口部19に挿入される。このとき、ハウジング520は、排気部522側から取付開口部19に挿入される。ハウジング520が排気部522側から取付開口部19に挿入される場合には、フランジ部523は、取付開口部19を通らずに、衣服10における取付開口部19の周辺部10aの外側の面と当たる。
【0027】
次に、固定部材550のフランジ部551が衣服10の周辺部10aの内側の面と当たるように、固定部材550が、衣服10の内側から、ハウジング520に取り付けられる。具体的には、フランジ部551が周辺部10aの内側の面と当たりつつ、ハウジング520における衣服10の内側に突出している突出部分520aの側面のネジ部524に固定部材550の内側のネジ部が螺合するように、固定部材550がハウジング520の当該突出部分520aに取り付けられる。そして、衣服10の内側から見て時計周りに固定部材550が締め込まれることによって、ハウジング520のフランジ部523と、固定部材550のフランジ部551とが、衣服10の周辺部10aを狭持する。これにより、図7に示されるように、ファン50が取付開口部19に固定される。衣服10に固定されたファン50が回転すると、衣服10の外側の空気が吸気部521及び排気部522を通じて、衣服10の内側に取り入れられる。このように、ファン50の働きにより、取付開口部19から衣服10内に空気が取り込まれる。
【0028】
一方で、ファン50が取付開口部19から取り外される場合には、衣服10の内側から見て反時計周りに固定部材550が回転させられて、固定部材550がハウジング520の突出部分520aから取り外される。そして、ハウジング520が取付開口部19から取り出される。
【0029】
なお、衣服10において、フランジ部523とフランジ部551とで狭持される周辺部10aには、樹脂等から成る環状の補強板が入れられてもよい。
【0030】
ファン50の構造は上記の例に限られない。また、ファン50の取付開口部19への取付方法は上記の例に限られない。また、本例では、ファン50は衣服10に対して着脱可能であるが、ファン50は衣服10に対して着脱不可能に取り付けられてもよい。
【0031】
取付開口部19の数は上記の例に限られない。例えば、取付開口部19の数は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、取付開口部19の位置は上記の例に限られない。例えば、図8に示されるように、左取付開口部191は、右取付開口部190よりも襟ぐり開口部16側に位置してもよい。また、右取付開口部190と左取付開口部191とは、身幅方向(言い換えれば左右方向)に沿って並んでもよい。また、身頃部11の背面11bにおいて、中心線CLの右側だけに少なくとも一つの取付開口部19が設けられてもよいし、中心線CLの左側だけに少なくとも一つの取付開口部19が設けられてもよい。また、中心線CL上に少なくとも一つの取付開口部19が設けられてもよい。また、取付開口部19は、背面11bの肩部分に設けられてもよい。また、取付開口部19は、身頃部11の前面11aに設けられてもよいし、袖部14に設けられてもよい。
【0032】
図5及び8の例のように、取付開口部19が衣服10の側方寄りに位置する場合には、衣服10を着た着用者80が、背もたれを有する椅子に座ったり、車の座席シートに座ったりするときに、ファン50が背もたれに当たりにくくなる。よって、衣服10の快適性が向上する。
【0033】
衣服10は、ファン50によって衣服10内に取り込まれた空気を衣服10外に排気する排気部20を備える。排気部20は、例えば、図1等に示されるように、身頃部11の背面11bに設けられている。排気部20は後身頃部13に設けられている。排気部20は、例えば背面11bの上部に設けられている。排気部20は、例えば、背面11bの背中部分に設けられている。排気部20は、背面11bの背中部分において、右肩部分と左肩部分の間に設けられている。
【0034】
図9は、衣服10を右斜め後ろ側から見た様子の一例を示す概略図である。図9では、ファン50によって衣服10内に取り込まれた空気によって衣服10が膨らんでいる様子の一例が示されている。図1及び9等に示されるように、本例では、身頃部11の背面11bには、生地が部分的に膨らんでいる部分110が設けられており、その部分110の上端に設けられた開口部111が排気部20を構成している。背面11bに設けられた開口部111は、例えば襟ぐり開口部16側(言い換えれば上側)を向いている。したがって、ファン50によって衣服10内に取り込まれた空気は、排気部20から、襟ぐり開口部16側(言い換えれば上側)に向かって排気される。
【0035】
上記の例では、排気部20は一つの開口部111で構成されているが、排気部20の構成はこの限りではない。排気部20は、例えば、取付開口部19のように、衣服10の後ろ側に向く開口部で構成されてもよい。また、排気部20は複数の排気穴で構成されてもよい。
【0036】
排気部20の位置は上記の例に限られない。排気部20は、例えば、背面11bの肩部分に設けられてもよいし、背面11bの腰部分に設けられてもよい。また、排気部20は、身頃部11の前面11aに設けられてもよいし、袖部14に設けられてもよい。
【0037】
上記の例では、排気部20の数は1個であるが、排気部20の数は複数であってもよい。この場合、例えば、2個の排気部20が、背面11bの右肩部分及び左肩部分にそれぞれ設けられてもよい。また、2個の排気部20が、右袖部140及び左袖部141にそれぞれ設けられてもよい。
【0038】
本例の衣服10は、例えば、排気部20からの空気の排出よりも、衣服10の襟ぐり開口部16からの空気の排出を制限する制限部21を有する。制限部21は、例えば、襟部15と、着用者80の首81に対する襟部15の締め付け具合を調整する調整部210とを備える。調整部210は、例えば、着用者80が指でつまむつまみ部211と、面ファスナー212と、面ファスナー212に係合する面ファスナー213とを備える。面ファスナー212はオス型であってもよいし、メス型であってもよい。面ファスナー212がオス型である場合、面ファスナー213はメス型となり、面ファスナー212がメス型である場合、面ファスナー213はオス型となる。
【0039】
つまみ部211は、例えば長方形のシート状を成している。つまみ部211は、務歯隠し部18から、務歯隠し部18の長手方向に対して垂直な方向に沿って延びており、務歯隠し部18の外側まで延びている。つまみ部211の基端部は、務歯隠し部18の裏面18aの襟ぐり開口部16側(言い換えれば上側)の端部に固定されている。
【0040】
面ファスナー212はつまみ部211の裏面211aに設けられている。面ファスナー212は、つまみ部211における、務歯隠し部18よりも外側に突出している部分に設けられている。面ファスナー212は例えば長方形を成している。面ファスナー212は、例えば、その長手方向がつまみ部211の長手方向と一致するように、つまみ部211の裏面211aに設けられている。
【0041】
面ファスナー213は、図4に示されるように、右襟部150の表面150aに設けられている。面ファスナー213は例えば長方形を成している。面ファスナー213は、例えば、その長手方向が右襟部150の長手方向と一致するように右襟部150の表面150aに設けられている。面ファスナー213は、右襟部150における、着用者80の首81の右側方を覆う部分に設けられている。
【0042】
着用者80は、つまみ部211を指でつまんで、面ファスナー212を面ファスナー213に係合させる。例えば、スライダ170が一番上まで上げられてファスナー17が完全に閉じられた状態で、面ファスナー212は面ファスナー213に係合させられる。ファン付き衣服1を着た着用者80は、右手あるいは左手の指で、つまみ部211を右襟部150の方へ引っ張りながら面ファスナー212を面ファスナー213に係合させる。これにより、襟部15が調整部210により締められて、襟部15で着用者80の首81が締め付けられるようになる。本例では、着用者80は、面ファスナー212が面ファスナー213に係合したときのつまみ部211の先端の位置を変更することによって、首81に対する襟部15の締め付け具合を調整することができる。面ファスナー212が面ファスナー213に係合したときのつまみ部211の先端の位置がファスナー17から遠いほど、首81に対する襟部15の締め付け具合が強くなる。言い換えれば、面ファスナー212が面ファスナー213に係合したときのつまみ部211の先端の位置が首81の後ろ側に近いほど、首81に対する襟部15の締め付け具合が強くなる。首81に対する襟部15の締め付け具合が強くなると、ファン50の回転時に、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量が小さくなる。ここで、排出される空気の風量とは、単位時間当たりに排出される空気の量を意味する。調整部210によって襟部15を首81に対して強く締め付けることによって、ファン50の回転時に、襟ぐり開口部16からはほとんど空気が排出されなくなる。
【0043】
制限部21は、排気部20から排出される空気の風量よりも、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量を制限するとも言える。制限部21の働きによって、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量は、排気部20から排出される空気の風量よりも小さくなる。制限部21は、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量を制限して、襟ぐり開口部16からほとんど空気が排出されないようにすることができる。
【0044】
以上のように、衣服10には、排気部20からの空気の排出よりも、襟ぐり開口部16からの空気の排出を制限する制限部21が設けられている。これにより、例えばエンジン式工具の使用により、ファン50によって取付開口部19から排ガスが衣服10内に取り込まれたとしても、襟ぐり開口部16から排ガスが排出されにくくなる。よって、排ガスが着用者80の顔にかかる可能性が低減し、その結果、衣服10の快適性が向上する。
【0045】
図10は、ファン付き衣服1を着た着用者80がエンジン式工具を使用している様子の一例を示す概略図である。図10には、着用者80がエンジン式刈払機600を使用している様子の一例が示されている。エンジン式刈払機600は、エンジン式草刈り機とも呼ばれる。
【0046】
図10に示されるように、エンジン式刈払機600は、例えば、エンジン610と、エンジン610から延びるパイプ630と、パイプ630の先端部に取り付けられた刈刃620とを備える。刈刃620はエンジン610によって回転させられる。刈刃620は着用者80(言い換えれば作業者)から見て反時計回りに回転する。パイプ630には、着用者80が両手で持つハンドル部640が取り付けられている。また、パイプ630には、肩掛けバンド660が取り付けられる取り付け部650が設けられている。肩掛けバンド660の端部にはフック661が設けられており、このフック661が取り付け部650のリング部651に引っ掛けられる。着用者80は、衣服10を着ていない状態で、肩掛けバンド660を肩にかけ、その後、衣服10を着用する。そして、着用者80は、衣服10に設けられた取り出し穴300からフック661を取り出して、フック661をリング部651に引っかける。着用者80は、パイプ630を右側に配置し、ハンドル部640を両手に持った状態でエンジン式刈払機600を使用する。着用者80は、刈刃620が右から左に動くようにエンジン式刈払機600を操作し、刈刃620の左側で雑草等が刈られる。エンジン610のマフラから排出される排ガスは、マフラカバー部611に設けられた複数の排気口から排出される。マフラカバー部611は、排ガスが排気される排気部として機能する。
【0047】
図10のように、着用者80がエンジン式刈払機600を使用して作業を行っている場合、マフラカバー部611から排出された排ガスが、ファン50の回転によって取付開口部19から衣服10内に取り込まれることがある。衣服10内に取り込まれた排ガスが襟ぐり開口部16から排出されると、排ガスが着用者80の顔にかかり、排ガスのにおい等により着用者80が不快に感じることがある。
【0048】
本例では、襟ぐり開口部16からの空気の排出を制限する制限部21が設けられていることから、衣服10内に取り込まれた排ガスが襟ぐり開口部16から排出されにくくなる。よって、排ガスが着用者80の顔にかかる可能性が低減し、その結果、衣服10の快適性が向上する。
【0049】
なお、図10の例では、着用者80はエンジン式刈払機600を使用しているが、着用者80が他のエンジン式工具を使用する場合であっても、同様に、排ガスが着用者80の顔にかかる可能性が低減し、その結果、衣服10の快適性が向上する。他のエンジン式工具としては、例えば、エンジン式ブロワ、エンジン式芝刈り機、エンジン式チェンソーあるいはエンジン式ヘッジトリマ等が考えられる。
【0050】
また、本例では、首81に対する襟部15の締め付け具合を調整する調整部210が設けられていることから、首81の太さに応じて首81に対する襟部15の締め付け具合を適切に調節することができる。よって、衣服10の快適性がさらに向上する。
【0051】
また、上述の図5及び8の例では、衣服10の身頃部11の背面11bに、衣服10の着丈方向に沿った中心線CLの両側にそれぞれ位置する右取付開口部190及び左取付開口部191が設けられている。これにより、例えば、身頃部11の背面11bにおいて、中心線CLの右側あるいは左側だけに取付開口部19が設けられる場合と比較して、衣服10内で空気が循環しやすくなる。これにより、ファン付き衣服1の冷却性能が向上する。
【0052】
また、図5の例では、右取付開口部190が左取付開口部191よりも襟ぐり開口部16側に位置する。つまり、右取付開口部190は、左取付開口部191よりも上方に位置する。このように、右取付開口部190を上方に配置することによって、着用者80がエンジン式刈払機600を使用する場合のように(図10参照)、着用者80が使用するエンジン式工具のエンジンが例えば着用者80の腰の右側に位置するときに、当該エンジンから右取付開口部190を離すことができる。よって、当該エンジンから排出される排ガスが、右取付開口部190から衣服10内に取り込まれにくくなる。その結果、衣服10の快適性がさらに向上する。
【0053】
また、図5の例では、排気部20が、身頃部11の背面11bの上部に位置することから、右取付開口部190よりも身頃部11の裾側(言い換えれば下側)に位置する左取付開口部191と排気部20との距離を大きくすることができる。これにより、左取付開口部191から衣服10内に取り込まれた空気が衣服10内において循環しやすくなる。その結果、ファン付き衣服1の冷却性能が向上する。
【0054】
なお、図8の例のように、左取付開口部191が右取付開口部190よりも襟ぐり開口部16側に位置する場合には、エンジン式工具のエンジンが例えば着用者80の腰の左側に位置するときに、当該エンジンから左取付開口部191を離すことができる。よって、当該エンジンから排出される排ガスが、左取付開口部191から衣服10内に取り込まれにくくなる。その結果、衣服10の快適性がさらに向上する。
【0055】
襟部15の少なくとも一部は伸縮性を有してもよい。この場合、着用者80は首81を動かしやすくなることから、衣服10の快適性がさらに向上する。襟部15の少なくとも一部にゴムが入れられることによって当該一部が伸縮性を有してもよい。また、襟部15の少なくとも一部は伸縮性素材で構成されてもよい。また、襟部15の少なくとも一部は伸縮性素材で構成されるとともに、当該一部にゴムが入れられてもよい。
【0056】
上記の例では、首81に対する襟部15の締め付け具合を調整する調整部210は、つまみ部211、面ファスナー212及び面ファスナー213で構成されているが、調整部210の構成はこの限りではない。図11は調整部210の他の構成例を示す概略図である。
【0057】
図11に示される調整部210は、ファスナー17で構成されている。図11の例では、襟部15の全部あるいは大部分は伸縮性を有している。襟部15の全部あるいは大部分は伸縮性素材で構成されてもよい。また、襟部15の全部あるいは大部分にはゴムが入れられてもよい。また、襟部15の全部あるいは大部分は伸縮性素材で構成されるとともに、襟部15の全部あるいは大部分にゴムが入れられてもよい。図11の例では、ファスナー17の閉じ具合が変更されることによって、襟部15の首81に対する締め付け具合が調整される。具体的には、スライダ170の位置が着用者80の顔に近いほど、襟部15の首81に対する締め付け具合が強くなる。そして、スライダ170が一番上まで上げられた状態では、首81を取り囲む襟部15は、首81の全周囲にわたって首81に密着する。図11の例では、衣服10の襟ぐり開口部16からの空気の排出を制限する制限部21は、襟部15と、襟部15の首81に対する締め付け具合を調整するファスナー17(言い換えれば調整部210)とで構成されている。
【0058】
図11の例であっても、制限部21は、排気部20から排出される空気の風量よりも、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量を制限することができる。よって、衣服10内に取り込まれた排ガスが襟ぐり開口部16から排出されにくくなり、衣服10の快適性が向上する。
【0059】
衣服10はファスナー17を備えなくてもよい。図12はファスナー17を備えない衣服10の構成の一例を示す概略図である。図12の例では、襟部15は、いわゆるハイネックであって、首81の全周囲を取り囲んでいる。襟部15の全部あるいは大部分は、伸縮性を有しており、首81に密着する。襟部15は、首81の全周囲にわたって首81に密着する。襟部15の全部あるいは大部分は伸縮性素材で構成されてもよい。また、襟部15の全部あるいは大部分にはゴムが入れられてもよい。また、襟部15の全部あるいは大部分は伸縮性素材で構成されるとともに、襟部15の全部あるいは大部分にゴムが入れられてもよい。図12の例では、襟ぐり開口部16からの空気の排出を制限する制限部21は、首81に密着する襟部15で構成されている。
【0060】
図12の例であっても、制限部21は、排気部20から排出される空気の風量よりも、襟ぐり開口部16から排出される空気の風量を制限することができる。よって、衣服10内に取り込まれた排ガスが襟ぐり開口部16から排出されにくくなり、衣服10の快適性が向上する。
【0061】
衣服10の少なくとも一部は、qmax(最大熱吸収速度)の値が大きい素材で構成されてもよい。例えば、衣服10の少なくとも一部は、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材で構成されてもよい。
【0062】
ここで、qmaxとは、人がものに触れたときに冷たいと感じる接触冷感性を示す指標であって、値が大きいほど接触冷感性が高いことを意味する。qmaxは、Q-maxあるいはQ-MAXと呼ばれることもある。qmaxの測定方法は、例えば、日本産業規格としての「JIS L 1927」に規定されている。
【0063】
qmaxの値が0.3W/cm以上の素材としては、例えば、ポリエチレン、麻、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、キュプラ、加工綿あるいはシルクなどが採用されてもよい。また、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材として、例えば、ポリエチレン、麻、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、キュプラ、加工綿及びシルクのうちの少なくとも2種類以上の素材で構成された合成素材が採用されてもよい。
【0064】
衣服10においては、例えば、着用者80を締め付ける部分の内側の少なくとも一部の素材として、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用されてもよい。例えば、襟部15の内側の少なくとも一部の素材として、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用されてもよい。この場合、襟部15のすべてが、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材で構成されてもよい。あるいは、襟部15が表地と裏地とで構成され、裏地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用され、表地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材あるいはqmaxの値が0.3W/cm未満の素材が採用されてもよい。
【0065】
また、袖裾部14aの内側の少なくとも一部の素材として、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用されてもよい。この場合、袖裾部14aのすべてが、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材で構成されてもよい。また、袖裾部14aが表地と裏地とで構成される場合には、裏地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用され、表地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材あるいはqmaxの値が0.3W/cm未満の素材が採用されてもよい。
【0066】
また、身頃裾部11cの内側の少なくとも一部の素材として、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用されてもよい。この場合、身頃裾部11cのすべてが、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材で構成されてもよい。また、身頃裾部11cが表地と裏地とで構成される場合には、裏地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材が採用され、表地の少なくとも一部の素材としてqmaxの値が0.3W/cm以上の素材あるいはqmaxの値が0.3W/cm未満の素材が採用されてもよい。
【0067】
衣服10のうち、襟部15、袖裾部14a及び身頃裾部11c以外の部分の少なくとも一部は、qmaxの値が0.3W/cm未満の素材で構成されてもよい。例えば、身頃部11のうち身頃裾部11c以外の部分のすべてが、qmaxの値が0.3W/cm未満の素材で構成されてもよい。この場合、襟部15の内側の少なくとも一部の素材として、身頃部11における右取付開口部190の周辺の素材よりもqmaxの値が大きい素材が採用されてもよい。あるいは、襟部15の内側の少なくとも一部の素材として、身頃部11における左取付開口部191の周辺の素材よりもqmaxの値が大きい素材が採用されてもよい。あるいは、襟部15の内側の少なくとも一部の素材として、身頃部11における右取付開口部190の周辺の素材よりもqmaxの値が大きく、かつ身頃部11における左取付開口部191の周辺の素材よりもqmaxの値が大きい素材が採用されてもよい。また、袖部14のうち袖裾部14a以外の部分のすべてが、qmaxの値が0.3W/cm未満の素材で構成されてもよい。
【0068】
qmaxの値が0.3W/cm以上の素材については、衣服10のうち、襟部15のみに使用されてもよいし、袖裾部14aのみに使用されてもよいし、身頃裾部11cのみに使用されてもよい。また、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材については、衣服10のうち、襟部15、袖裾部14a及び身頃裾部11cの少なくとも2つの部位のみに使用されてもよい。また、衣服10のすべてが、qmaxの値が0.3W/cm以上の素材で構成されてもよい。
【0069】
このように、襟部15の内側の少なくとも一部の素材として、qmaxの値が大きい素材が採用されることによって、首81が接触する部分のqmaxの値を大きくすることができる。これにより、衣服10の素材により首81を冷却することが可能となる。よって、ファン付き衣服1の冷却性能を向上させることができる。
【0070】
以上のように、衣服10及びファン付き衣服1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0071】
1 ファン付き衣服
10 衣服
15 襟部
16 襟ぐり開口部
19,190,191 取付開口部
20 排気部
21 制限部
210 調整部
50 ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図11
図12