(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045579
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】クラッチ
(51)【国際特許分類】
F16D 41/12 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
F16D41/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151247
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000154347
【氏名又は名称】株式会社ユニバンス
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】野寄 英人
(72)【発明者】
【氏名】大池 栄弥
(72)【発明者】
【氏名】大板 慎司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 侑
(72)【発明者】
【氏名】大形 勇介
(57)【要約】
【課題】摩擦によるエネルギー損失のばらつきを低減できるクラッチを提供する。
【解決手段】クラッチは、軸線に交差する第1面に第1穴が設けられた第1部材と、第1面と軸線方向に対向する第2面を有し、第2面に第2穴が設けられ、軸線を中心に第1部材と相対回転する第2部材と、第2穴に配置され、トルクの伝達時に第1穴と第2穴とに係合し、トルクの伝達を遮断するときに第1穴と第2穴との係合が解除される係合子と、第1面と第2面との間の隙間を確保するスペーサと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクの伝達と遮断とを切り換えるクラッチであって、
軸線に交差する第1面に第1穴が設けられた第1部材と、
前記第1面と軸線方向に対向する第2面を有し、前記第2面に第2穴が設けられ、前記軸線を中心に前記第1部材と相対回転する第2部材と、
前記第1穴に配置され、トルクの伝達時に前記第1穴と前記第2穴とに係合し、トルクの伝達を遮断するときに前記第1穴と前記第2穴との係合が解除される係合子と、
前記第1面と前記第2面との間の隙間を確保するスペーサと、を備えるクラッチ。
【請求項2】
前記スペーサは、前記第1部材および前記第2部材に接する軸受である請求項1記載のクラッチ。
【請求項3】
前記軸受は、転がり軸受である請求項2記載のクラッチ。
【請求項4】
前記転がり軸受は、前記第1部材および前記第2部材の一方に接する内輪と、前記第1部材および前記第2部材の他方に接する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された転動体と、を備えるラジアル軸受である請求項3記載のクラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトルクの伝達と遮断とを切り換えるクラッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1面に第1穴が設けられた第1部材と、第1面と軸方向に対向する第2面を有し第2面に第2穴が設けられた第2部材と、第1穴に配置された係合子と、を備え、第1穴と第2穴とに係合子が係合するとトルクが伝達され、係合子の第1穴と第2穴との係合が解除されるとトルクの伝達が遮断されるクラッチは知られている(特許文献1)。特許文献1の技術では、軸に配置されたスナップリングによって、第1部材の第1面と第2部材の第2面との間の軸方向の距離の広がりが規制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記技術では、スナップリングは、第1面と第2面との間の距離の狭まりは規制できないので、第1部材と第2部材とが相対回転するときに第1面と第2面とが近づき、第1面と第2面とが接触するおそれがある。相対回転する第1面と第2面とが接触して摩擦が生じると、エネルギー損失のばらつきの原因となる。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、摩擦によるエネルギー損失のばらつきを低減できるクラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明のクラッチは、軸線に交差する第1面に第1穴が設けられた第1部材と、第1面と軸線方向に対向する第2面を有し、第2面に第2穴が設けられ、軸線を中心に第1部材と相対回転する第2部材と、第2穴に配置され、トルクの伝達時に第1穴と第2穴とに係合し、トルクの伝達を遮断するときに第1穴と第2穴との係合が解除される係合子と、第1面と第2面との間の隙間を確保するスペーサと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
第1の態様によれば、第1部材の第1面と第2部材の第2面との間の隙間をスペーサが確保する。スペーサにより第1面と第2面との接触をなくすことができるので、相対回転する第1面と第2面との間の摩擦によるエネルギー損失のばらつきを低減できる。
【0008】
第2の態様によれば、スペーサは、第1部材および第2部材に接する軸受である。第1面と第2面との間の隙間の寸法のばらつきを低減できるので、第1の態様の効果に加え、エネルギー損失のばらつきをさらに低減できる。
【0009】
第3の態様によれば、軸受は転がり軸受なので摩擦を低減できる。よって第2の態様の効果に加え、エネルギー損失を低減できる。
【0010】
第4の態様によれば、転がり軸受は、第1部材および第2部材の一方に内輪が接し、第1部材および第2部材の他方に外輪が接し、内輪と外輪との間に転動体が配置されるラジアル軸受である。第3の態様に加え、軸受の寿命を長くできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態におけるクラッチの軸線を含む断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず
図1を参照してクラッチ10の概略構成について説明する。
図1は一実施の形態におけるクラッチ10の軸線Oを含む断面図である。
図1では軸線Oを境にして片側が図示され、もう片側の図示が省略されている。
【0013】
クラッチ10は、第1部材20、第2部材30、係合子40及びスペーサ50を備えている。クラッチ10は、共通の軸線O上にある第1部材20と第2部材30との間のトルクの伝達と遮断とを切り換える機能をもつ。第1部材20は、軸11に回転可能に配置されている。第1部材20は、軸11に固定されたスラスト軸受12及び止め輪13によって、軸線方向に抜けないように軸11に配置されている。第2部材30は軸11に結合している。軸11には、軸の中央から径方向の外側へ向かって延びる油穴14が設けられている。
【0014】
第1部材20は、円盤状の本体21と、本体21の径方向の外側に設けられた円筒状の外周部22と、を備えている。外周部22は、第2部材30と間隔をあけて、第2部材30の径方向の外側に配置されている。本体21は、軸線Oに交差する第1面23に第1穴24が設けられている。第1面23は、第1部材20の、止め輪13及びスラスト軸受12が配置された面の反対側に位置する。
【0015】
本実施形態では、第1穴24は、第1内穴25と、第1内穴25よりも径方向の外側に設けられた第1外穴26と、を含む。第1内穴25は、軸線Oからの距離が一定の第1の円周上に複数設けられている。第1外穴26は、軸線Oからの距離が一定の円周上であって第1の円の直径よりも大きな第2の円周上に複数設けられている。第1内穴25及び第1外穴26は止まり穴である。
【0016】
本体21には、第2部材30を向く第3面27及び第4面28が設けられている。第3面27は第1内穴25の一部であり、第4面28は第1外穴26の一部である。第3面27は、第1内穴25の底と第1面23との間に設けられている。第4面28は、第1外穴26の底と第1面23との間に設けられている。
【0017】
外周部22の径方向の内側に隣接して、軸線方向を向く第5面29が本体21に設けられている。第5面29は、第3面27及び第4面28よりも径方向の外側に位置する。第1面23は、軸線方向において、第3面27及び第4面28と第5面29との間に位置する。
【0018】
第2部材30は、円盤状の本体31と、本体31の径方向の外側に設けられた円環状の壁32と、を備えている。第2部材30は、第1面23と軸線方向に対向する第2面33が本体31に設けられている。本体31の第2面33に第2穴34が設けられている。本実施形態では、第2穴34は、第2内穴35と、第2内穴35よりも径方向の外側に設けられた第2外穴36と、を含む。第2内穴35は、軸線Oからの距離が一定の第1の円周上に複数設けられている。第2外穴36は、軸線Oからの距離が一定の円周上であって第1の円の直径よりも大きな第2の円周上に複数設けられている。
【0019】
第2部材30は、第1部材20の第1面23と軸線方向に対向する第6面37が、壁32に設けられている。第6面37は、第1部材20の第5面29よりも径方向の内側に位置する。第2部材30の本体31には、軸線方向に貫通する穴38が設けられている。穴38は、第2外穴36につながっている。穴38の中にピン39が嵌合している。ピン39は、第2係合子42が第2外穴36に入り込まないように、第2係合子42の動きを制限する。
【0020】
第1部材20の第1穴24には係合子40が配置されている。本実施形態では、係合子40は、第1内穴25に配置された第1係合子41と、第1外穴26に配置された第2係合子42と、を含む。第1係合子41は第3面27に配置され、第2係合子42は第4面28に配置されている。第1係合子41及び第2係合子42が配置されているから、係合子40の数を増やすことができ、トルク容量を大きくできる。
【0021】
係合子40と第1穴24の底との間に圧縮ばね43が配置されている。本実施形態では、圧縮ばね43は圧縮コイルばねである。圧縮ばね43は、係合子40を第2部材30に押し付ける弾性力(復元力)を係合子40に加える。
【0022】
ばね44は、ピストン47を介して、第2係合子42が第2外穴36に入り込まない位置までピン39を押し込む。ばね44は圧縮コイルばねであり、第1リング45とピストン47との間に配置されている。第1リング45は軸11に結合しており、軸線方向に第1リング45が抜けないように軸11に止め輪46が配置されている。
【0023】
第1リング45及び第1部材20の外周部22にはギヤが設けられている。第1リング45及び外周部22に設けられたギヤによって、トルクの出力および入力が行われる。
【0024】
ピストン47は、軸11を囲む筒部48と、筒部48の軸線方向の端部から径方向の外側へ張り出すフランジ49と、を備えている。筒部48の径方向の内側に、軸11に設けられた油穴14が開口している。フランジ49は、第2部材30の本体31の、第2面33の反対の面に接している。ばね44は、フランジ49を介してピン39に軸線方向の弾性力を加えている。
【0025】
スペーサ50は、第1部材20の第1面23と第2部材30の第2面33との間の隙間を確保する部材である。本実施形態では、スペーサ50は、内輪51と外輪52との間に転動体53が配置された転がり軸受である。転動体53はボールやコロが例示される。
【0026】
スペーサ50の内輪51の内周は、第2部材30の本体31の外周に接し、内輪51の軸方向の端面は、第2部材30の壁32の第6面37に接する。スペーサ50の外輪52の外周は、第1部材20の外周部22の内周に接し、外輪52の軸方向の端面は、第1部材20の第5面29に接する。スペーサ50は、内輪51の軸方向の端面が壁32の第6面37に接し、外輪52の軸方向の端面が第1部材20の第5面29に接したときに、第1面23と第2面33との間に軸線方向の隙間Gができるように(G>0)、内輪51及び外輪52の軸線方向の長さが設定されている。
【0027】
図2は第1部材20及び係合子40の斜視図である。第1係合子41の構成は第2係合子42の構成と同様であり、第1内穴25の構成は第1外穴26の構成と同様である。従って第1外穴26及び第2係合子42を説明し、第1内穴25及び第1係合子41の説明は省略する。
【0028】
第2係合子42は、矩形の板状の支柱42aと、支柱42aの端から支柱42aの幅方向の両側へ突出する腕42bと、を備えている。第1部材20に設けられた第4面28は、第2係合子42を配置する広さがある。第4面28と第1面23との間の距離は、第2係合子42の厚さより大きく設定されている。第1部材20には、第2係合子42の腕42bを収容する凹み28aが設けられている。第4面28に第2係合子42が配置された第1外穴26に圧縮ばね43が配置される。
【0029】
図3はクラッチ10の断面図である。第2係合子42は、第1部材20の第4面28と第2部材30の第2面33との間に配置される。圧縮ばね43は、第2係合子42の支柱42aの、腕42bと反対側の部分に弾性力を加える。腕42aは第2部材30の第2面33に押さえられるので、第2係合子42は腕42bを支点にして、第1面23を超えて支柱42aが起き上がる。
【0030】
第1面23と第2面33との間に軸線方向の隙間Gは、起き上がった第2係合子42が第2外穴36に係合できる大きさに設定されている。第2係合子42が第1外穴26と第2外穴36とに係合すると、第2係合子42はトルクを伝達する。第2係合子42の第1外穴26と第2外穴36との係合が解除されると、第2係合子42はトルクの伝達を遮断する。本実施形態におけるクラッチ10は、第1係合子41及び第2係合子42の腕42bと支柱42aが全て同じ向きに配置された一方向クラッチである。
【0031】
第1部材20の第1面23と第2部材30の第2面33との間の隙間G(G>0)をスペーサ50が確保するので、第1面23と第2面33との接触を低減できる。これにより第1部材20と第2部材30とが相対回転するときの第1面23と第2面33との間の摩擦を低減できる。よって摩擦によるエネルギー損失のばらつきを低減できる。
【0032】
クラッチ10は、第1部材20と第2部材30とを軸線方向に押し付けるばね44が配置されているので、スペーサ50が設定する第1面23と第2面33との間の隙間Gが広がりすぎないようにできる。
【0033】
スペーサ50は、第1部材20及び第2部材30に接する軸受である。第1面23と第2面33との間の隙間Gの寸法のばらつきを低減できるので、エネルギー損失のばらつきをさらに低減できる。また、スペーサ50による摩擦を低減できるので、エネルギー損失を低減できる。スペーサ50は転がり軸受なので、スペーサ50がすべり軸受の場合に比べ、摩擦をさらに低減できる。よってエネルギー損失をさらに低減できる。
【0034】
スペーサ50は、第2部材30に内輪51が接し、第1部材20に外輪52が接し、内輪51と外輪52との間に転動体53が配置されるラジアル軸受である。これにより第1部材20と第2部材30との間にスラスト軸受を配置する場合に比べ、転動体53に加わる荷重を小さくできるので、軸受の寿命を長くできる。
【0035】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、第1係合子41や第2係合子42の形状、第1穴24や第2穴34の形状は例示であり、適宜設定できる。
【0036】
実施形態では、軸11に第2部材30が結合され、軸11の周りを回転可能に軸11に第1部材20が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸11に第1部材20を結合し、軸11の周りを回転可能に軸11に第2部材30を配置することは当然可能である。また、相対回転する第1軸および第2軸に、第1部材20及び第2部材30をそれぞれ結合させることは当然可能である。
【0037】
実施形態では、第1部材20に外周部22が設けられ、第2部材30の本体31の外周と外周部22の内周との間にスペーサ50が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20の外周部22の代わりに、第2部材30に外周部を設け、第1部材20の本体21の外周と外周部の内周との間にスペーサ50を配置することは当然可能である。この場合にはスペーサ50の内輪51は第1部材20に接し、スペーサ50の外輪52は第2部材30に接する。
【0038】
実施形態では、第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37との間に配置されたスペーサ50がラジアル軸受の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37との間に、スラスト軸受からなるスペーサ50を配置することは当然可能である。
【0039】
実施形態では、第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37との間に配置されたスペーサ50が転がり軸受の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37との間に、すべり軸受からなるスペーサ50を配置することは当然可能である。
【0040】
実施形態では、第1部材20と第2部材30との間に配置されたスペーサ50が軸受の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37との間に配置された摺動材をスペーサとすることは当然可能である。摺動材は、第1部材20の第5面29と第2部材30の第6面37とを擦りながら滑り、第1部材20の第1面23と第2部材30の第2面33との間の隙間を確保する。第1部材20の第1面23と第2部材30の第2面33との間に、摺動材からなるスペーサを配置することは当然可能である。
【0041】
実施形態では、第1部材20と第2部材30との間に配置されたスペーサ50が軸受の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20と第2部材30との間に配置した止め輪を軸11に固定して、この止め輪をスペーサにすることは当然可能である。第1部材20と第2部材30との間に配置した止め輪からなるスペーサによって、第1部材20及び第2部材30が軸線方向に近づかないようにできるので、第1面23と第2面33との間の隙間を確保できる。
【0042】
実施形態では、第1部材20の軸線方向の位置を規制して、ばね44で第2部材30を第1部材20に押し付ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これと反対に、第2部材30の軸線方向の位置を規制して、ばね44で第1部材20を第2部材30に押し付けるようにすることは当然可能である。実施形態では、ばね44が圧縮コイルばねの場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ばね座金など、種々のばねを適宜採用できる。
【0043】
実施形態では、圧縮ばね43として圧縮コイルばねを用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。圧縮コイルばねの代わりに、ねじりコイルばね等の他の圧縮ばねを用いることは当然可能である。
【0044】
実施形態では、第2係合子42に弾性力を加える圧縮ばね43、及び、第1係合子41に弾性力を加える圧縮ばね43が、形状および仕様が同一の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2係合子42に弾性力を加える圧縮ばねのばね定数を、第1係合子41に弾性力を加える圧縮ばねのばね定数よりも小さくすることで、第2係合子42に加える弾性力を、第1係合子41に加える弾性力よりも小さくすることは当然可能である。
【0045】
実施形態では、係合子40が、第1係合子41、及び、第1係合子41の径方向の外側に配置される第2係合子42と、を含む場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1係合子41、第2係合子42のいずれかを省略することは当然可能である。
【0046】
実施形態では、一方向クラッチからなるクラッチ10の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。係合子40を2組に分け、各組の腕42bと支柱42aを別の向きに配置し、クラッチ10を二方向クラッチにすることは当然可能である。
【0047】
実施形態では説明を省略したが、係合子40の起き上がりを規制するアクチュエータを設けることは当然可能である。アクチュエータを作動して係合子40の起き上がりを規制すると、トルクの遮断ができる。
【符号の説明】
【0048】
10 クラッチ
20 第1部材
23 第1面
24 第1穴
30 第2部材
33 第2面
34 第2穴
40 係合子
50 スペーサ
51 内輪
52 外輪
53 転動体