(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045678
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220314BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151385
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】397012897
【氏名又は名称】株式会社北國銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰輔
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】銀行員の作業負担を軽減すると共に、金融機関の窓口営業時間の終了後等の時間帯であっても、現金の入金処理を早期に完了することが可能な情報処理システム、情報処理方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システムは、顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数し、顧客情報及び金額を含む入金データをサーバ10へ送信する現金入金機20と、入金データが示す金額を仮払金口座から出金し、顧客の金融機関口座に入金するサーバ10を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数する現金受付機と、顧客情報に対応付けて顧客の金融機関口座の入出金情報を記憶するサーバとを含む情報処理システムであって、
前記現金受付機は、前記顧客情報及び計数した金額を含む入金データを前記サーバへ送信する送信部を備え、
前記サーバは、前記現金受付機から受信した入金データが示す金額を仮払金口座から出金し、出金した金額を、前記入金データが示す顧客の金融機関口座に入金する入金処理部を備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記サーバは、
1つの金融機関口座に複数の顧客情報を対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記入金処理部は、前記入金データが示す顧客情報に対応する金融機関口座に入金する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記現金受付機が受け付けた現金が回収された後、回収された金額と、前記仮払金口座から出金して前記顧客の金融機関口座に入金した金額とを照合し、回収された現金を前記仮払金口座に入金する入金部
を備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数する現金受付機と、顧客情報に対応付けて顧客の金融機関口座の入出金情報を記憶するサーバとを含む情報処理システムであって、
前記現金受付機は、前記顧客情報及び計数した金額を含む入金データを前記サーバへ送信する送信部を備え、
前記サーバは、
1つの金融機関口座に複数の顧客情報を対応付けて記憶する記憶部と、
前記現金受付機から受信した入金データが示す金額を、前記入金データが示す顧客情報に対応する金融機関口座に入金する入金処理部とを備える
情報処理システム。
【請求項5】
前記サーバは、分散配置された複数の現金受付機から前記入金データを受信し、
前記入金処理部は、それぞれの前記現金受付機から受信した入金データが示す金額を仮払金口座から出金し、出金した金額を、それぞれの前記入金データが示す顧客の金融機関口座に入金し、
前記サーバは、それぞれの前記現金受付機から現金が回収された後、各現金受付機から回収された金額と、各現金受付機から送信された入金データに基づいて前記仮払金口座から出金して前記顧客の金融機関口座に入金した金額とを照合し、回収された現金を前記仮払金口座に入金する入金部を更に備える
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
各顧客に前記顧客情報に対応付けられたコード情報が割り当てられており、
前記現金受付機は、前記コード情報を読み取って前記顧客情報を取得する読取部を備える
請求項1から5までのいずれかひとつに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記顧客の金融機関口座毎に、仮払金口座から出金されて前記顧客の金融機関口座に入金された入金情報を表示する表示情報を出力する出力部を備える
請求項1から6までのいずれかひとつに記載の情報処理システム。
【請求項8】
顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数する現金受付機と、顧客情報に対応付けて顧客の金融機関口座の入出金情報を記憶するサーバとを含む情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記現金受付機が、前記顧客情報及び計数した金額を含む入金データを前記サーバへ送信し、
前記サーバが、前記現金受付機が受け付けた現金が回収される前に、前記現金受付機から受信した入金データが示す金額を仮払金口座から出金すると共に、出金した金額を、前記入金データが示す顧客の金融機関口座に入金する
情報処理方法。
【請求項9】
顧客情報に対応付けて顧客の金融機関口座の入出金情報を記憶する情報処理装置であって、
顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数する現金受付機から、前記顧客情報及び計数した金額を含む入金データを受信する受信部と、
受信した入金データが示す金額を仮払金口座から出金し、出金した金額を、前記入金データが示す顧客の金融機関口座に入金する入金処理部と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関のATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)等を用いて、金融機関に開設された預貯金口座に対して入金、出金、振込、振替等の各種の取引が行われている。また、インターネットを利用したインターネットバンキングを用いて振込、振替等の取引が行われている。特許文献1では、1つの口座に多数の振込が行われる場合に、それぞれの支払人を特定できると共に、それぞれの支払人から振り込まれた資金を1つの口座でまとめて管理できるシステムが提案されている。これらのシステムにより、金融機関の窓口営業時間が終了した後であっても、ATM又はインターネットバンキングを介して各種の取引を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、夜間に営業を行っている店舗等では、売上金(現金)を店舗内で保管することによるリスクを回避するために、金融機関の夜間金庫が利用されている。一般的に夜間金庫を利用する場合、顧客は、専用の入金袋に現金及び金額を記入した入金帳を入れて夜間金庫の投入口に投入し、金融機関は、入金袋で預かった現金について翌営業日に顧客の口座に入金処理を行う。従って、夜間金庫に預けられた現金は、翌営業日以降に入金処理されるので、入金袋が夜間金庫に預けられてから入金処理が完了するまでに時間を要する。特に、金融機関の休業日後の営業日には、夜間金庫に多数の入金袋が預けられているので、入金処理を行う銀行員の作業負担は大きく、各顧客に対する入金処理が完了するまでに長時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、銀行員の作業負担を軽減すると共に、金融機関の窓口営業時間の終了後等の時間帯であっても、現金の入金処理を早期に完了することが可能な情報処理システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、顧客情報に対応付けて現金の投入を受け付け、受け付けた金額を計数する現金受付機と、顧客情報に対応付けて顧客の金融機関口座の入出金情報を記憶するサーバとを含む情報処理システムであって、前記現金受付機は、前記顧客情報及び計数した金額を含む入金データを前記サーバへ送信する送信部を備え、前記サーバは、前記現金受付機から受信した入金データが示す金額を仮払金口座から出金し、出金した金額を、前記入金データが示す顧客の金融機関口座に入金する入金処理部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様にあっては、銀行員の作業負担を軽減できると共に、金融機関の窓口営業時間の終了後等の時間帯であっても、現金の入金処理を早期に完了することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの構成例を示す模式図である。
【
図2】現金入金機の構成例を示すブロック図である。
【
図5】サーバに記憶されるDBの構成例を示す模式図である。
【
図6】現金入金機を介した入金処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態2の顧客口座DBの構成例を示す模式図である。
【
図10】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施形態3の入金処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の情報処理システム、情報処理方法及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
現金入金機(現金受付機)を介して現金を受け付け、受け付けた現金を金融機関の預貯金口座(以下では単に口座という)に入金する(預け入れる)情報処理システムについて説明する。
図1は情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムは、サーバ10及び現金入金機20を含み、サーバ10及び現金入金機20は、広域イーサネット、VPN(Virtual Private Network )又は専用回線等のネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。なお、情報処理システムは、現金入金機20のほかに、ATM及びCD(Cash Dispenser:現金自動支払い機)等を含み、ATM及びCDもネットワークNに接続されている。
【0011】
サーバ10は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等である。サーバ10は、複数台設けられて分散処理する構成でもよく、1台のサーバ装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよく、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。サーバ10は、金融機関に開設された各顧客の口座に対して、現金入金機20に投入された現金(現金入金機20を介して預け入れされた現金)を入金する処理等、種々の情報処理を行う。なお、サーバ10は、各顧客の口座に対して、ATM、CD及びインターネットバンキング等を介して受け付けた入金、出金、振込、振替等の各取引に係る処理を行うが、これらの処理は公知であるため、詳細については説明を省略する。
【0012】
本実施形態の情報処理システムにおいて、金融機関に口座を開設したユーザ(顧客)は、現金入金機20を介した現金の預け入れ(入金)を行いたい場合、現金入金機20を使用するための契約を金融機関との間で行う。金融機関は、現金入金機20の使用契約を行った顧客に対して、現金入金機20を使用する際に用いるカード30(入金専用カード)を発行する。カード30は、例えば磁気テープ30a(磁気ストライプ)を有する磁気カードであり、磁気テープ30aに、口座に対応付けられた顧客の情報(カード情報)が記憶されている。なお、カード30は、IC(Integrated Circuit)チップを有するICカードであってもよく、この場合、ICチップに、口座に対応付けられた顧客の情報(カード情報)が記憶されている。
【0013】
現金入金機20は、金融機関の店舗、コンビニエンスストア及びショッピングモール等の商業施設等に分散配置されており、顧客が投入した現金を顧客自身の口座に預け入れる入金処理のみを行うように構成されている。現金入金機20は、例えば略四角柱状の筐体を有し、筐体の一面側(現金入金機20の正面側)に表示部25、カード30を挿入するためのカード挿入口20a、現金(紙幣及び貨幣)を投入するための現金投入口20bが設けられている。現金投入口20bには、制御部21(
図2参照)によって開閉が制御される開閉蓋が取り付けてある。また現金入金機20は、筐体内部に、現金投入口20bから投入された現金(紙幣及び貨幣)が例えば金種(金額)毎に収納される現金収納部28(
図2参照)が設けられている。表示部25、カード挿入口20a及び現金投入口20bの配置位置は
図1に示す例に限定されない。表示部25は現金入金機20を操作する顧客が表示内容を見易い位置に設けてあればよく、カード挿入口20aは顧客がカード30を挿入し易い位置に設けてあればよく、現金投入口20bは顧客が現金を投入し易い位置に設けてあればよい。
【0014】
図2は現金入金機20の構成例を示すブロック図である。現金入金機20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、カード読取部26、現金受付部27、現金収納部28等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを適宜実行することにより、現金入金機20が行うべき種々の情報処理及び制御処理を実行する。
【0015】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部22は、制御部11が実行する制御プログラム22P及び制御プログラム22Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部22は、制御部21が制御プログラム22Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部22は、後述する入金履歴DB(データベース)22aを記憶する。入金履歴DB22aは、現金入金機20に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、現金入金機20が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0016】
通信部23は、有線通信又は無線通信によって、ネットワークNに接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNを介してサーバ10との間で情報の送受信を行う。入力部24は、現金入金機20を操作する顧客による操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部21へ送出する。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部24及び表示部25は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0017】
カード読取部26は、例えば磁気カードリーダであり、カード30に設けられた磁気テープ30aに記憶してあるカード情報を読み取り、読み取ったカード情報を制御部21へ送出する。なお、カード30がICカードである場合、カード読取部26はICカードリーダであり、カード30に設けられたICチップに記憶してあるカード情報を読み取る。カード読取部26は、カード挿入口20aから挿入されたカード30からカード情報を読み取る。なお、カード読取部26は、カード挿入口20aから現金入金機20の筐体内部に挿入されたカード30に対して読み取り処理を行うほかに、筐体の所定位置に載置されたカード30に対して読み取り処理を行う構成でもよい。
【0018】
現金受付部27は、投入口開閉部27a、センサ27b、金額計数部27c等を含む。投入口開閉部27aは、制御部21からの指示に従って、現金投入口20bに設けられた開閉蓋の開け閉めを行う。センサ27bは、現金投入口20bの開閉蓋が開いているときに、現金投入口20bの開口部に顧客の手指等が残留しているか否かを検知する。例えばセンサ27bは、現金投入口20bの開口部に顧客の手指等(以下では残留物という)が残留していることを検知した場合、残留物があることを示す検知結果を制御部21へ送出する。金額計数部27cは、現金投入口20bから投入された紙幣及び貨幣(現金)の金種(金額)を判別する金種判別部と、判別された金種毎の枚数及び個数を計数する計数部と、合計金額を算出する算出部とを含む。金額計数部27cは、現金投入口20bから投入された現金の合計金額を算出し、算出した金額を制御部21へ送出する。
【0019】
現金収納部28は、搬送部28a及び収納カセット28bを含む。収納カセット28bは、例えば金種毎に紙幣及び貨幣(現金)を収納するように構成された収納箱である。搬送部28aは、現金投入口20bから投入された現金を、金額計数部27cによって金額が算出された後に、金種毎に収納カセット28bまで搬送する。現金入金機20は、上述した構成に加えてスピーカ又はランプが設けられていてもよい。スピーカが設けられている場合、スピーカによる音声出力によって、現金入金機20を操作する顧客に各種の情報を通知することができる。ランプが設けられている場合、ランプの点灯又は点滅によって、現金入金機20の動作状態等を顧客に通知することができる。
【0020】
図3は入金履歴DB22aの構成例を示す模式図である。入金履歴DB22aは、現金入金機20を介して行われた入金処理に関する情報を記憶する。
図3に示す入金履歴DB22aは、入金処理ID列、日時列、カード情報列、金額列等を含み、入金処理IDに対応付けて入金処理に関する各情報を記憶する。入金処理ID列は、各入金処理に割り当てられた識別情報(入金処理ID)を記憶する。日時列は、入金処理が行われた日時を記憶し、カード情報列は、入金処理を行った顧客のカード30から読み取られたカード情報を記憶し、金額列は、入金された金額を記憶する。入金履歴DB22aに記憶される入金処理IDは、現金入金機20を介した入金処理が行われた場合に制御部21によって発行されて記憶される。入金履歴DB22aに記憶される日時は、入金処理が行われた場合に、その時点の日時が制御部21によって記憶される。なお、現金入金機20は時計(図示せず)を有しており、制御部21は、入金処理が行われた場合に、その時点の日時を時計にて取得して入金履歴DB22aに記憶する。入金履歴DB22aに記憶されるカード情報及び金額は、入金処理が行われた場合にカード読取部26が読み取ったカード情報、及び金額計数部27cが計数した金額(入金額)が制御部21によって記憶される。入金履歴DB22aの記憶内容は
図3に示す例に限定されず、入金処理及び入金処理を行った顧客に関する各種の情報が記憶されてもよい。
【0021】
図4はサーバ10の構成例を示すブロック図である。サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14及び表示部15のそれぞれは、現金入金機20の制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24及び表示部25と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、サーバ10の記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12Pに加え、顧客口座DB12a及び仮払金口座DB12bを記憶する。顧客口座DB12a及び仮払金口座DB12bは、サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0022】
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0023】
図5は、サーバ10に記憶されるDB12a,12bの構成例を示す模式図である。
図5Aは顧客口座DB12aを、
図5Bは仮払金口座DB12bをそれぞれ示す。顧客口座DB12aは、金融機関に開設された各顧客の口座に関する情報を記憶し、例えば口座(金融機関口座)に対して行われる入出金処理に関する入出金情報を記憶する。
図5Aに示す顧客口座DB12aは、店番号列、口座番号列、顧客情報列、カード情報列、入金履歴列等を含み、各店番号について、各顧客の口座番号に対応付けて、顧客に関する情報及び口座に対する入金取引に関する情報を記憶する。なお、
図5Aでは省略するが、顧客口座DB12aは、口座に対する出金取引に関する情報を記憶する構成でもよい。店番号列は、金融機関の本支店を含む各店舗に割り当てられた識別情報(店番号)を記憶し、口座番号列は、各店舗に開設された各口座に割り当てられた識別情報(口座番号)を記憶する。顧客情報列は、顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日等の個人情報を記憶し、カード情報列は、各口座に対応付けて顧客に発行されたカード30に記憶されているカード情報を記憶する。入金履歴列は、各口座に対して行われた入金処理に関する情報を記憶する。具体的には、入金履歴列は、日時列、機械ID列、入金額列を含む。日時列は、入金処理が行われた日時を記憶し、機械ID列は、入金処理が行われた機械に割り当てられた識別情報(機械ID)を記憶する。なお、入金処理が行われる機械は、現金入金機20のほかにATM及びCD等を含む。入金額列は、入金処理において入金された金額を記憶する。顧客口座DB12aに記憶される店番号は、新たな店舗が設けられた場合に、店舗に割り当てられた店番号が制御部11によって記憶される。顧客口座DB12aに記憶される口座番号、顧客情報及びカード情報は、新たな顧客が口座を開設した場合に、顧客に割り当てられた口座番号、顧客が指定した顧客情報、顧客に発行されたカード30に記憶してあるカード情報が制御部11によって記憶される。顧客口座DB12aに記憶される入金履歴は、各口座に対して入金処理が行われた場合に、入金処理に関する情報が制御部11によって記憶される。入金処理に関する情報は、例えば入金処理を行った機械からサーバ10へ送信されて制御部11によって記憶される。顧客口座DB12aの記憶内容は
図5Aに示す例に限定されず、顧客及び口座に関する各種の情報が記憶されてもよい。例えば、口座に対する出金取引に関して、出金処理が行われた日時、出金処理が行われた機械の機械ID、出金額等の情報が顧客口座DB12aに記憶されてもよい。
【0024】
仮払金口座DB12bは、金融機関に設けられた仮払金口座に関する情報を記憶する。仮払金口座は、現金入金機20を介して入金処理が行われた場合に使用される口座である。現金入金機20を介して入金処理が行われる場合、現金投入口20bから投入された現金は現金入金機20内で保管され、投入された金額が、仮払金口座から顧客の口座に入金される。即ち、現金入金機20を介した入金処理では、現金入金機20に投入された金額が、仮払金口座から一時的に立て替えられて顧客の口座に入金される。以下では、この立て替え処理を仮払処理という。その後、現金入金機20で保管されていた現金が金融機関の店舗等に回収され、回収された現金が仮払金口座に入金されることにより、立て替えられていた金額が回収される。このような処理を行うことにより、例えば営業時間外の時間帯のように、金融機関が各顧客の口座への入金処理を受け付けていない場合であっても、顧客が現金入金機20に現金を投入した時点で、顧客の口座への入金処理が可能となる。なお、仮払金口座は、1つの金融機関に1つ設けてあればよく、金融機関の店舗(本支店等)毎に設けられていてもよい。
【0025】
図5Bに示す仮払金口座DB12bは、仮払処理ID列、日時列、カード情報列、入金機ID列、金額列等を含み、仮払処理IDに対応付けて仮払処理に関する各情報を記憶する。仮払処理ID列は、各仮払処理に割り当てられた識別情報(仮払処理ID)を記憶する。日時列は、仮払処理が行われた日時を記憶する。カード情報列は、仮払処理が行われた入金処理を行った顧客のカード30から読み取られたカード情報を記憶し、入金機ID列は、仮払処理が行われた入金処理を受け付けた現金入金機20に割り当てられた識別情報(入金機ID)を記憶し、金額列は、仮払処理で建て替えられた金額を記憶する。仮払金口座DB12bに記憶される仮払処理IDは、現金入金機20を介して受け付けた入金処理によって仮払処理が行われた場合に制御部11によって発行されて記憶される。仮払金口座DB12bに記憶される日時は、仮払処理が行われた場合に、制御部11によってその時点の日時が記憶される。カード情報、入金機ID及び金額は、顧客の口座に対して仮払処理が行われた場合に、仮払処理に関する各情報が制御部11によって記憶される。仮払金口座DB12bの記憶内容は
図5Bに示す例に限定されない。例えば、仮払処理によって立て替えられた金額が現金入金機20から回収された場合に、回収された金額が仮払金口座に入金される入金処理に関する処理が仮払金口座DB12bに記憶されてもよい。
【0026】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて、顧客が現金入金機20を介して入金(預け入れ)する際に各装置が行う処理について説明する。
図6は現金入金機20を介した入金処理手順の一例を示すフローチャート、
図7は画面例を示す模式図である。
図6では左側に現金入金機20が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、現金入金機20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部21によって実行され、サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0027】
現金入金機20の制御部21は、入金処理の受付待機状態である場合、カード読取部26によって、カード挿入口20aから挿入されたカード30からカード情報(顧客情報)を読み取ったか否かを判断する(S11)。なお、制御部21は、例えば「入金専用カードを挿入して下さい」のようなメッセージを表示し、カード挿入口20aからのカード30の挿入を顧客に促す初期画面を表示部25に表示していてもよい。カード情報を読み取っていないと判断した場合(S11:NO)、制御部21は、カード情報を読み取るまで待機する。カード情報を読み取ったと判断した場合(S11:YES)、制御部21は、読み取ったカード情報に基づく顧客認証をサーバ10に要求する(S12)。具体的には、制御部21は、カード情報を含み顧客認証を要求する要求信号をサーバ10へ送信する。
【0028】
サーバ10の制御部11は、現金入金機20から顧客認証の要求信号を受信した場合、受信したカード情報に基づいて認証処理を行う(S13)。ここでは、制御部11は、現金入金機20から受信したカード情報が、顧客口座DB12aに記憶してあるか否かに応じて、顧客認証が成功したか否かを判断する。なお、入金処理を行う際に、現金入金機20がカード30の読み取りだけでなく、顧客から暗号番号(パスワード)の入力を受け付けている場合、制御部11は、カード情報及び暗号番号に基づいて顧客認証を行ってもよい。この場合、暗証番号は、カード情報と共に顧客口座DB12aに記憶しておく。制御部11は、認証結果を現金入金機20へ送信する(S14)。
【0029】
現金入金機20の制御部21は、サーバ10から認証結果を受信した場合、受信した認証結果に基づいて認証処理が成功したか否かを判断する(S15)。認証処理が失敗したと判断した場合(S15:NO)、制御部21は、
図7Aに示すようなエラー画面を表示部25に表示する(S16)。
図7Aに示すエラー画面は、挿入されたカード30での入金処理を行えないことを通知するメッセージを表示する。なお、制御部21は、例えばエラー画面を表示してから所定時間(例えば30秒等)が経過した後に、エラー画面の表示を終了して処理を終了する。このとき制御部21は、表示部25の表示画面を、カード挿入口20aからのカード30の挿入を顧客に促す初期画面に戻してもよい。
【0030】
認証処理が成功したと判断した場合(S15:YES)、制御部21は、投入口開閉部27aによって現金投入口20bの開閉蓋を開ける(即ち、現金投入口20bを開ける)(S17)。このとき制御部21は、例えば「投入口からお金を投入して下さい」のようなメッセージを表示し、現金投入口20bからの現金の投入を顧客に指示する画面を表示部25に表示してもよい。顧客は、入金したい現金を現金投入口20bから投入する。
【0031】
制御部21は、センサ27bによる検知結果に基づいて、現金投入口20bに顧客の手指等(残留物)が残っているか否かを判断する(S18)。残留物が残っている(残留物あり)と判断した場合(S18:NO)、制御部21は、残留物がなくなるまで待機する。残留物が残っていない(残留物なし)と判断した場合(S18:YES)、制御部21は、投入口開閉部27aによって現金投入口20bの開閉蓋を閉じる(即ち、現金投入口20bを閉じる)(S19)。
【0032】
制御部21は、現金投入口20bに投入された現金の金額(投入金額)を、金額計数部27cによって計数する(S20)。そして制御部21は、
図7Bに示すように、計数した投入金額を通知する金額通知画面を表示部25に表示する(S21)。
図7Bに示す金額通知画面は、通知された金額の全てを口座に入金する指示を行うための「全額入金」ボタンと、通知された金額の一部を、金額を指定して口座に入金する指示を行うための「金額を指定して入金」ボタンとを有する。顧客は、投入した現金全てを入金したい場合、「全額入金」ボタンを操作し、この場合、制御部21は、全額(投入金額)に対する入金指示を受け付ける。また顧客は、金額を指定して入金したい場合、「金額を指定して入金」ボタンを操作し、この場合、制御部21は、金額の入力を受け付ける金額入力画面(図示せず)を表示部25に表示し、金額入力画面を介して入金すべき金額の指定を受け付け、受け付けた全額に対する入金指示を受け付ける。
【0033】
よって、制御部21は、金額通知画面において入力部24を介して入金指示を受け付けたか否かを判断しており(S22)、受け付けていないと判断した場合(S22:NO)、入金指示を受け付けるまで待機する。入金指示を受け付けたと判断した場合(S22:YES)、即ち、全額(投入金額)又は指定された金額に対する入金指示を受け付けた場合、制御部21は、受け付けた入金指示に基づく入金処理の実行をサーバ10に要求する(S23)。具体的には、制御部21(送信部)は、ステップS11でカード読取部26によって読み取ったカード情報と、入金指示された金額と、現金入金機20に割り当てられた識別情報(入金機ID)とを含み入金処理の実行を要求する要求信号(入金データ)をサーバ10へ送信する。なお、入金機IDは例えば記憶部22に予め記憶されている。
【0034】
サーバ10の制御部11(受信部)は、現金入金機20から入金処理の要求信号を受信した場合、受信した要求信号に従って、仮払金口座から顧客の口座に入金処理を行う。具体的には、制御部11は、入金処理の要求信号から入金処理を行った顧客のカード情報、金額及び入金機IDを取得し、仮払金口座に対して、取得した金額の出金処理を行う(S24)。ここでは制御部11は、仮払処理IDを発行し、仮払処理IDに対応付けて、現在の日時と、入金処理の要求信号から取得したカード情報、入金機ID及び金額とを仮払金口座DB12bに記憶する。なお、制御部11は、仮払金口座の残金を算出して仮払金口座DB12bに記憶しておいてもよい。次に制御部11(入金処理部)は、入金処理を行う顧客の口座に対して、仮払金口座から出金した金額の入金処理を行う(S25)。ここでは制御部11は、現在の日時と、入金処理の要求信号から取得した入金機ID(機械ID)と、金額(入金額)とを、入金処理の要求信号から取得したカード情報に対応付けて顧客口座DB12aに記憶する。これにより、カード情報に対応する顧客の口座(口座番号)に、現金入金機20に投入された金額を、仮払金口座から立て替えて入金することができる。なお、制御部11は、顧客の口座の残金を算出して顧客口座DB12aに記憶しておいてもよい。
【0035】
これにより、仮払金口座から顧客の口座への入金処理が完了し、制御部11は、入金処理の完了通知を現金入金機20へ送信する(S26)。現金入金機20の制御部21は、サーバ10からの入金処理の完了通知を受信した場合、
図7Cに示すように、入金処理が完了したことを通知するメッセージを表示する完了通知画面を表示部25に表示する(S27)。なお、制御部21は、例えば完了通知画面を表示してから所定時間(例えば30秒等)が経過した後に、完了通知画面の表示を終了して処理を終了する。このとき制御部21は、表示部25の表示画面を、カード挿入口20aからのカード30の挿入を顧客に促す初期画面に戻してもよい。また、制御部21は、完了通知画面の代わりに初期画面を表示部25に表示することにより、入金処理が完了したことを顧客に通知するように構成されていてもよい。
【0036】
上述した処理により、顧客は、現金入金機20を用いて自身の口座に現金の入金を行うことができる。これにより、例えば金融機関の窓口の営業時間外、ATM等の機械の稼働時間外等のように、口座への入金処理が行われていない時間帯であっても、顧客が現金入金機20に現金を投入した時点で自身の口座への入金処理が可能となる。即ち、本実施形態では、現金入金機20から現金が回収される前に、現金入金機20に投入された現金を顧客の口座に入金することが可能となる。よって、従来の夜間金庫では顧客が現金を投入してから入金処理が完了するまでにタイムラグがあったが、本実施形態の情報処理システムでは、即時の(リアルタイムでの)入金処理が可能となる。従って、例えばインターネットバンキングを利用して自身の口座の残高を確認する場合に、現金入金機20に投入した現金の入金処理が完了した後、この入金処理が反映された残高を確認できる。
【0037】
現金入金機20に投入された現金は、例えば1日に1回等所定のタイミングで回収される。現金の回収者は、現金入金機20から収納カセット28bを取り外すことにより、収納カセット28bに収納された現金を回収する。なお、現金入金機20は、現金が投入されて収納カセット28bに収納される都度、投入金額を加算することで収納カセット28bに収納されている合計金額を算出している。そして、現金入金機20は、収納カセット28bが取り外される際に、収納カセット28b内の合計金額をプリンタ(図示せず)にて印字する。回収者は、収納カセット28bと共に合計金額が印字された用紙を回収することにより、回収金額を把握することができる。回収された現金は金融機関の店舗等に配送され、店舗内の端末(図示せず)を用いて、仮払金口座への入金処理が行われる。具体的には、入金処理を行う銀行員が、店舗内の端末を用いて、現金入金機20に収納されていた金額を仮払金口座に入金する入金処理の実行をサーバ10に要求する。サーバ10は、仮払金口座への入金処理を要求された場合、仮払金口座に対して、入金指示された金額の入金処理を行う。例えばサーバ10の制御部11(入金部)は、入金処理IDを発行し、入金処理IDに対応付けて、現在の日時と、入金指示された金額と、収納カセット28bが回収された現金入金機20の入金機IDとを記憶部12(例えば仮払金口座DB12b)に記憶する。これにより、現金入金機20に投入された現金の仮払金口座への入金処理が完了し、それぞれの現金入金機20から回収された金額を仮払金口座に戻すことができる。このとき、サーバ10は、それぞれの現金入金機20から回収された金額と、仮払処理によって仮払金口座から各顧客の口座に立て替えられていた金額とを照合してもよい。そして、サーバ10は、照合の結果、金額が一致した場合、現金入金機20から回収された金額の仮払金口座への入金を行い、一致しなかった場合、金額が一致しないこと銀行員等に通知する。なお、銀行員が、仮払処理によって仮払金口座から立て替えられていた金額と、現金入金機20から回収された金額とを照合することによって、仮払金口座の残高の過不足を確認してもよい。よって、従来の夜間金庫では、銀行員が入金袋に入れられた現金を計数して、入金帳に記載された金額と照合する必要があったが、本実施形態の情報処理システムでは、回収された収納カセット28b内の金額を確認する必要がない。銀行員は、仮払処理によって仮払金口座から出金(立て替え)された金額と、現金入金機20から回収した金額とを照合すればよく、銀行員の作業負担を軽減できる。
【0038】
図6に示す処理において、現金入金機20の制御部21は、ステップS21~S22の処理を行わない構成でもよい。この場合、制御部21は、投入金額を計数した後、投入金額を顧客に通知せずに、投入金額での入金処理の実行をサーバ10に要求すればよい。この場合にも、現金入金機20に投入された全金額を顧客の口座に入金する処理を行うことができる。
【0039】
(実施形態2)
1つの口座に対して複数枚のカード30の発行が可能な情報処理システムについて説明する。本実施形態では、口座を有する顧客が例えば複数の店舗を経営する経営者である場合、顧客は金融機関から複数枚のカード30を発行してもらい、それぞれの店舗の従業員にカード30を配布する。この場合、各店舗の従業員は、配布されたカード30を用いて現金入金機20から入金処理を行うことにより、各店舗における売上金を同一の口座に入金することが可能となる。また、口座を有する顧客が1つの店舗を経営する経営者である場合、顧客は金融機関から複数枚のカード30を発行してもらい、各従業員にカード30を配布する。この場合、各従業員は、配布されたカード30を用いて現金入金機20から入金処理を行うことができるので、異なる従業員が入金処理を行った場合であっても、同一の口座に入金することが可能となる。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。本実施形態では、サーバ10の記憶部12に記憶してある顧客口座DB12aが、
図5Aに示す実施形態1の構成と若干異なるので、異なる箇所についてのみ説明する。
【0040】
図8は実施形態2の顧客口座DB12aの構成例を示す模式図である。本実施形態の顧客口座DB12aは、
図5Aに示す顧客口座DB12aと同様の構成を有するが、1つの口座番号(顧客情報)に対して複数のカード情報が登録されており、各カード情報に対応付けて、各カード30を用いて行われた入金処理の履歴情報が登録されている。このような構成により、1つの口座(口座番号、顧客情報)に対して複数のカード情報を対応付けることができ、複数のカード30を用いて入金処理された現金を同一の口座に入金することが可能となる。また、各カード30を用いて行われた入金処理を管理できる。
【0041】
本実施形態の情報処理システムにおいて、現金入金機20及びサーバ10は、
図6に示す処理と同様の処理を実行する。なお、本実施形態では、
図6中のステップS25において、サーバ10の制御部11は、顧客口座DB12aに基づいてカード情報に対応する口座番号を特定し、特定した口座番号の口座に対して、仮払金口座から出金した金額の入金処理を行う。具体的には制御部11は、カード情報に対応付けて現在の日時と、入金処理を要求してきた現金入金機20の入金機ID(機械ID)と、入金額とを顧客口座DB12aに記憶する。これにより、カード情報に対応する顧客の口座(口座番号)に、現金入金機20に投入された金額の入金を行うことができる。本実施形態では、1つの口座に複数のカード情報が対応付けられているので、複数のカード30を用いて行われた入金処理は、1つの口座に対する入金処理となる。よって、複数のカード30のそれぞれを用いて入金処理された現金は同一の口座に入金される。
【0042】
上述した処理により、例えば金融機関で口座への入金処理が行われていない時間帯であっても、顧客は、現金入金機20を用いて自身の口座に対する現金の入金をリアルタイムで行うことができる。
図9は、入金履歴画面の構成例を示す模式図である。顧客は、インターネットバンキングの利用又は通帳記入を行うことにより、自身の口座に対する入金履歴、出金履歴及び残高等を確認することができる。例えば顧客は、端末装置を用いて、インターネットバンキングを提供するサーバ(例えばサーバ10)に対して、自身の口座に対する入金処理の履歴情報を示す入金履歴画面を要求する。サーバ10(出力部)は、顧客の端末装置からの要求に応じて、この顧客の口座に対する入金履歴の情報を顧客口座DB12aから読み出して入金履歴画面を生成して顧客の端末装置へ送信する。これにより、サーバ10は、顧客の口座毎に、仮払金口座から立て替えることにより顧客の口座に行われた入金処理の情報(入金情報)を表示する表示情報を出力することができる。
【0043】
図9Aに示す入金履歴画面は、複数(ここでは3つ)のカード30が発行されている顧客について、この顧客の口座に対する入金処理の履歴情報を表示する。入金処理の履歴情報は、各入金処理について、例えば日時、入金処理に用いられた機械(現金入金機20、ATM、CD等)の情報、カード30の情報、入金額等を含む。このような入金履歴画面によって、顧客は、それぞれのカード30を用いて入金された金額を把握できるので、各カード30に対応する店舗の売上額を把握できると共に、複数店舗の売上額の合計を把握できる。なお、
図9Aに示す画面例は、1つの口座に対する入金履歴の一覧を示しているが、日付毎に各カード30を用いて行われた入金処理の情報と、入金額の合計とを表示してもよい。
【0044】
図9Bに示す入金履歴画面は、1つのカード30が発行されている顧客の口座に対する入金処理の履歴情報を表示する。
図9Bに示すように、入金履歴画面は、現金入金機20を用いた入金処理だけでなくATM又はCD等を用いた入金処理の履歴情報を表示してもよい。また、入金処理の履歴情報だけでなく、出金処理の履歴情報、振込・振替処理の履歴情報も含めて、各処理の履歴情報を一覧表示する画面を顧客に提供してもよい。
図9に示すような画面によって、顧客は、自身の口座に対する入金処理の情報を把握できる。よって、金融機関の営業時間外等の時間帯であっても、現金入金機20を用いて入金処理を行った場合に、この入金処理が反映された残高をリアルタイムで確認できる。
【0045】
本実施形態においても、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、複数のカード30のそれぞれを用いて同一の口座に対する入金を行うことができる。よって、各店舗の売上金を1つの口座に入金することができるので、各店舗の売上額をまとめて管理することが可能となる。また、例えば店舗の売上金を現金入金機20にて入金処理する従業員のそれぞれにカード30を配布することが可能となり、入金処理を行う際のカード30のやり取りが容易となる。また、カード30は入金専用カードであるので、紛失等した場合であっても悪用される可能性を抑制でき、カード30の取り扱いが容易である。本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0046】
(実施形態3)
カード30の代わりにサーバ10で発行されるコードを用いて、現金入金機20を介して現金の入金処理を行う情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1で説明した現金入金機20及びサーバ10に加えて、ユーザ端末50を含む。本実施形態の現金入金機20及びサーバ10は、実施形態1の現金入金機20及びサーバ10と同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の現金入金機20は、カード読取部26の代わりに、QRコード(登録商標)又はバーコード等のコードを読み取ってコード情報を取得するコード読取部(図示せず)を有する。コード読取部は、コード情報を取得した場合、取得したコード情報を制御部21へ送出する。
【0047】
本実施形態の情報処理システムにおいて、ユーザ端末50及びサーバ10は、インターネット等のネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。ユーザ端末50は、金融機関に口座を有する顧客の端末装置であり、可搬型の機器であることが好ましい。ユーザ端末50は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末50は、サーバ10が提供するインターネットバンキングを利用する処理、現金入金機20を介して現金を入金する際に使用する入金専用コードをサーバ10から取得する処理等、種々の情報処理を行う。
【0048】
図10はユーザ端末50の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末50は、制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54、表示部55等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末50の制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54及び表示部55のそれぞれは、サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14及び表示部15と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、ユーザ端末50の記憶部52は、制御部51が実行する制御プログラム52Pに加え、サーバ10が提供するインターネットバンキングを利用するためのインターネットバンキング用アプリケーションプログラム52AP(以下では、インターネットバンキング用アプリ52APという)を記憶する。インターネットバンキング用アプリ52APは、制御部51が通信部53を介して他の装置からダウンロードして記憶部52に記憶してもよい。またユーザ端末50が可搬型記憶媒体に記憶された情報を読み取る読み取り部を有する場合、インターネットバンキング用アプリ52APは、制御部51が読み取り部を介して可搬型記憶媒体から読み取って記憶部12に記憶してもよい。
【0049】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて、顧客が現金入金機20を介して入金する際に各装置が行う処理について説明する。
図11は実施形態3の入金処理手順の一例を示すフローチャート、
図12は画面例を示す模式図である。
図11では左側に現金入金機20が行う処理を、中央にユーザ端末50が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。
図11に示す処理は、
図6に示す処理において、ステップS11の代わりにステップS31~S38を追加したものである。
図6と同じステップについては説明を省略する。また
図11では
図6中のステップS18~S27の図示を省略している。
【0050】
本実施形態の情報処理システムにおいて、顧客は、現金入金機20を用いて入金処理を行いたい場合、入力部54を介して所定操作を行うことによって、ユーザ端末50にインターネットバンキング用アプリ52APを起動させる。ユーザ端末50の制御部51は、入力部54を介してインターネットバンキング用アプリ52APの実行指示を受け付けた場合、インターネットバンキング用アプリ52APを起動する(S31)。制御部51は、インターネットバンキング用アプリ52APを起動した場合、例えば
図12Aに示すように、インターネットバンキングを利用して実行したい処理を選択するための処理選択画面を表示部55に表示する(S32)。このとき制御部51は、例えば入力部54を介してインターネットバンキングを利用するためのID及びパスワードの入力を受け付け、入力されたID及びパスワードを用いてサーバ10(インターネットバンキング)に対してログイン処理を行ってもよい。そして、制御部51は、ログイン処理が成功した後に、処理選択画面を表示するように構成されていてもよい。
【0051】
図12Aに示す処理選択画面は、残高照会の実行を指示するための残高照会ボタン、振込又は振替処理の実行を指示するための振込・振替ボタン、各種の変更手続の実行を指示するための各種変更手続ボタン、現金入金機20を用いた入金処理に使用するコードの発行を指示するための入金専用コード発行ボタン等を表示する。なお、処理選択画面は、これらのボタンのほかに、インターネットバンキングを利用して行うことが可能な各種処理の実行を指示するためのボタンを表示している。顧客は、処理選択画面中のいずれかのボタンを操作することにより、インターネットバンキングを利用して行いたい処理を選択する。ユーザ端末50の制御部51は、処理選択画面中の入金専用コード発行ボタンが操作されたか否かを判断しており(S33)、操作されていないと判断した場合(S33:NO)、他の処理を行いつつ待機する。なお、処理選択画面中の他のボタンが操作された場合、制御部51は、操作されたボタンに対応する処理を行うことにより、残高照会、振込・振替、各種変更手続等の各処理を行う。
【0052】
入金専用コード発行ボタンが操作されたと判断した場合(S33:YES)、制御部51は、入金専用コードの発行をサーバ10に要求する(S34)。サーバ10の制御部11は、現金入金機20から入金専用コードの発行要求を受信した場合、入金専用コードを要求した顧客の情報(例えばカード情報)をコード化して入金専用コードを発行する(S35)。入金専用コードは例えばQRコード又はバーコードを利用することができるが、これらに限定されない。また、入金専用コードを発行する際に用いる顧客の情報は、例えば顧客口座DB12aに記憶してあるカード情報を用いることができるが、その他の情報を用いてもよく、入金専用コード発行用の情報を顧客口座DB12aに記憶しておいてもよい。
【0053】
制御部11は、発行した入金専用コードをユーザ端末50へ送信する(S36)。ユーザ端末50の制御部51は、サーバ10が送信した入金専用コードを受信した場合、
図12Bに示すように受信した入金専用コードを表示部55に表示する(S37)。これにより、顧客は、ユーザ端末50を用いて、現金入金機20を介した入金処理に用いる入金専用コードをサーバ10から取得することができる。顧客は、ユーザ端末50の表示部55に表示された入金専用コードを、現金入金機20のコード読取部にかざすことにより、コード読取部に入金専用コードを読み取らせる。
【0054】
現金入金機20の制御部21は、コード読取部によって、ユーザ端末50の表示部55に表示された入金専用コードを読み取ったか否かを判断する(S38)。このとき制御部21は、例えば「入金専用カードを挿入するか、入金専用コードを読み取り部にかざして下さい」のようなメッセージを表示部25に表示し、カード挿入口20aからのカード30の挿入、又はコード読取部による入金専用コードの読み取りを顧客に促す初期画面を表示部25に表示していてもよい。コード情報を読み取っていないと判断した場合(S38:NO)、制御部21は、コード情報を読み取るまで待機する。コード情報を読み取ったと判断した場合(S38:YES)、制御部21は、読み取ったコード情報を用いて、ステップS12以降の処理を実行する。
【0055】
具体的には、制御部21は、コード情報に基づく顧客認証をサーバ10に要求し(S12)、サーバ10の制御部11は、現金入金機20から顧客認証の要求信号を受信した場合、受信したコード情報に基づいて認証処理を行う(S13)。上述した処理により、顧客は、サーバ10から発行された入金専用コードを用いて、現金入金機20から自身の口座に現金の入金を行うことができる。
【0056】
本実施形態においても、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、顧客は、自身のユーザ端末50を利用してサーバ10に入金専用コードの発行を要求し、サーバ10が発行した入金専用コードを用いて現金入金機20から入金処理を行うことができる。よって、顧客は、入金専用のカード30を携帯する必要がなく、カード30の取り扱いが容易となる。本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0057】
本実施形態において、入金専用コードの発行に用いる情報は、実施形態1のカード30に記憶されているカード情報であってもよく、顧客口座DB12aに記憶されている他の情報であってもよい。また、入金専用コードの発行用の情報として、任意の情報が、口座番号に対応付けて顧客口座DB12aに記憶されている場合、この情報を用いて入金専用コードを発行することができる。
【0058】
本実施形態では、インターネットバンキング用アプリ52APを実行し、インターネットバンキングの1つの機能として入金専用コードの発行処理をサーバ10に要求する構成であった。このほかに、入金専用コードの発行処理のみをサーバ10に要求するためのアプリを用意してもよい。この場合、顧客が経営する店舗の従業員が、自身のユーザ端末50を用いて、サーバ10から入金専用コードの発行を受けることができる。このようなアプリを用いる場合、従業員は、インターネットバンキングの通常の機能を利用することなく、入金処理のみを行うことが可能となる。よって、本実施形態の構成は、実施形態2の情報処理システムに適用することができ、実施形態2の情報処理システムに適用した場合に実施形態2と同様の効果が得られる。このような構成とした場合、各従業員は、カード30を携帯する必要がない。なお、本実施形態では、サーバ10によって発行された入金専用コードを印刷した印刷物を用いて、現金入金機20からの入金処理を行うこともできる。
【0059】
本実施形態において、現金入金機20を介して顧客の口座に入金する処理と、ユーザ端末50からの要求に応じて入金専用コードを発行する処理とを各別のサーバで行うように構成されていてもよい。この場合、ユーザ端末50は、入金専用コードを発行する処理を行うサーバに対して入金専用コードの発行を要求し、現金入金機20は、顧客の口座に入金する処理を行うサーバに対して入金処理の実行を要求する。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0060】
上述した各実施形態において、現金入金機20を利用して顧客の口座に入金する処理が可能な時間帯を制限してもよい。例えば、金融機関の窓口営業時間外の時間帯を、現金入金機20を介した入金処理の受付時間に制限してもよい。このような構成とした場合、従来の夜間金庫の代わりに現金入金機20を用いることが可能となる。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
10 サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 現金入金機
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
26 カード読取部
27 現金受付部
28 現金収納部
12a 顧客口座DB
12b 仮払金口座DB