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特開2022-45687バクテリオファージ、バクテリオファージを含む植物病害防除剤、及びバクテリオファージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045687
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】バクテリオファージ、バクテリオファージを含む植物病害防除剤、及びバクテリオファージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/00 20060101AFI20220314BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20220314BHJP
   A01N 63/40 20200101ALI20220314BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
C12N7/00 ZNA
C12N1/20 A
A01N63/40
A01P3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151404
(22)【出願日】2020-09-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (その1) 発行日 2019年9月24日から2019年9月25日(頒布日) 刊行物 令和元年度(第55回)日本植物病理学会東北部会 プログラム・講演要旨集 (その2) 開催日 2019年9月24日から2019年9月25日 集会名、開催場所 令和元年度(第55回)日本植物病理学会東北部会 秋田ビューホテル(秋田県秋田市中通2-6-1) (その3) 発行日 2020年2月25日 刊行物 日本植物病理学会報 2020年86巻1号 (その4) 開催日 2020年2月20日から2020年2月21日 集会名、開催場所 第73回北日本病害虫研究発表会 秋田ビューホテル(秋田県秋田市中通2丁目6-16) (その5) 開催日 2020年3月19日から2020年3月21日 集会名、開催場所 令和2年度日本植物病理学会大会 かごしま県民交流センター(鹿児島市山下町14-50) (その6) 発行日 2020年3月5日 刊行物 令和2年度日本植物病理学会大会 プログラム・講演要旨予稿集
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 稜太
(72)【発明者】
【氏名】安藤 杉尋
(72)【発明者】
【氏名】宮下 脩平
【テーマコード(参考)】
4B065
4H011
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA98X
4B065BA22
4B065CA47
4H011AA01
4H011BB21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イネ苗病害、青枯病等の細菌性植物病害を防除し得る新たなバクテリオファージを提供する。
【解決手段】有機栽培育苗土から見出したバクテリオファージであり、新規な塩基配列を含む核酸分子、又はその塩基配列に対し95%以上の相同性を有する塩基配列を含む核酸分子を含有する、バクテリオファージを開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で表される塩基配列を含む核酸分子、又は配列番号1で表される塩基配列に対し95%以上の相同性を有する塩基配列を含む核酸分子を含有する、バクテリオファージ。
【請求項2】
ジャンボファージである、請求項1記載のバクテリオファージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバクテリオファージを含む、植物病害防除剤。
【請求項4】
植物病害がイネ苗病害及び青枯病の一方又は両方である、請求項3に記載の植物病害防除剤。
【請求項5】
有機培土から目的のバクテリオファージを含むバクテリオファージ群を誘出する工程
宿主細胞の存在下で当該ファージ群を培養して目的のファージを増殖させる工程
培養液から宿主細胞を除去する工程
宿主細胞を除去した培養液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養し、宿主細胞に感染するファージのプラークを形成する工程
を含む、前記宿主細胞に感染するバクテリオファージの製造方法。
【請求項6】
有機培土と液体培地と混合する工程
上記工程で得られた有機培土と液体培地との混合物を遠心分離及び/又は濾過する工程
上記工程で得られた上澄液又は濾液に宿主細胞を添加し、培養する工程
上記工程で得られた培養液を遠心分離及び/又は濾過する工程
上記工程で得られた上澄液又は濾液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養する工程
を含む前記宿主細胞に感染するバクテリオファージの製造方法。
【請求項7】
宿主細胞がBurkholderia属細菌及びRalstonia属細菌からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のバクテリオファージを得るための、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバクテリオファージ、バクテリオファージを含む植物病害防除剤、及びバクテリオファージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物病害は農作物の生産過程での損失の原因となるものであり、イネ苗病害、青枯病等の細菌性植物病害が問題となっている。例えば、イネもみ枯細菌病菌 (Burkholderia glumae)およびイネ苗立枯細菌病菌 (B. plantarii)はイネの苗腐敗症を引き起こすため水稲の育苗過程で大きな問題となる病原細菌である。また、青枯病は青枯病菌(Rastonia pseudosolanacearum)が引き起こす植物病害であり、ナス科植物をはじめ、200種以上の植物に感染、枯死させる病害であり、青枯病がもたらす被害は農業上深刻なものである。
【0003】
これらの防除は化学農薬を用いる方法が主流であるが、耐性菌の発生や環境負荷が問題となるため、新たな防除法の開発が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Organic Agriculture volume 4, pages187-196(2014)
【非特許文献2】Jouenal of Phytophathology Volume 166, Issue 4 April 2018, p249-264
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、イネ苗病害、青枯病等の細菌性植物病害を防除し得る新たなバクテリオファージを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる状況の下、これまでに本発明者らは、 有機栽培育苗土はイネもみ枯細菌病の抑制効果を持ち (非特許文献1)、この効果には多様で安定な細菌群集が関与している可能性 (非特許文献2) を示唆してきた。しかし一方で 有機栽培育苗土の病害抑制効果におけるファージの関与についてはこれまで検討されていなかった。そのため本発明者らは、今回有機栽培育苗土からのファージの単離を試み、非常に多くの試行錯誤を行った末、有機培土から目的のバクテリオファージを含むバクテリオファージ群を誘出する工程、宿主細胞の存在下で当該ファージ群を培養して目的のファージを増殖させる工程、培養液から宿主細胞を除去する工程、宿主細胞を除去した培養液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養し、宿主細胞に感染するファージのプラークを形成する工程を含む方法により得たバクテリオファージが上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる新規の知見に基づくものである。従って、典型的には本発明は、以下の項を提供する:
【0007】
項1.配列番号1で表される塩基配列を含む核酸分子、又は配列番号1で表される塩基配列に対し95%以上の相同性を有する塩基配列を含む核酸分子を含有する、バクテリオファージ。
【0008】
項2.ジャンボファージである、項1記載のバクテリオファージ。
【0009】
項3.項1又は2に記載のバクテリオファージを含む、植物病害防除剤。
【0010】
項4.植物病害がイネ苗病害及び青枯病の一方又は両方である、項3に記載の植物病害防除剤。
【0011】
項5.有機培土から目的のバクテリオファージを含むバクテリオファージ群を誘出する工程
宿主細胞の存在下で当該ファージ群を培養して目的のファージを増殖させる工程
培養液から宿主細胞を除去する工程
宿主細胞を除去した培養液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養し、宿主細胞に感染するファージのプラークを形成する工程
を含む、前記宿主細胞に感染するバクテリオファージの製造方法。
【0012】
項6.有機培土と液体培地と混合する工程
上記工程で得られた有機培土と液体培地との混合物を遠心分離及び/又は濾過する工程
上記工程で得られた上澄液又は濾液に宿主細胞を添加し、培養する工程
上記工程で得られた培養液を遠心分離及び/又は濾過する工程
上記工程で得られた上澄液又は濾液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養する工程
を含む前記宿主細胞に感染するバクテリオファージの製造方法。
【0013】
項7.宿主細胞がBurkholderia属細菌及びRalstonia属細菌からなる群より選択される少なくとも1種である、項5又は6に記載の方法。
【0014】
項8.項1又は2に記載のバクテリオファージを得るための、項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、イネ苗病害、青枯病等の細菌性植物病害を防除し得る新たなバクテリオファージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】FLC6 粒子とプラークの形態。 FLC6 は B. glumae MAFF302552 に (A) 透明なプラークを形成した。 (B) contractile tail が収縮していない FLC6 粒子と (C) 収縮した FLC6 粒子が透過型電子顕微鏡を用いて観察された。
図2】FLC6 と類似の配列を持つ、Ralstonia phage RSL2 (RefSeq アクセッション番号NC_028950.1) および Ralstonia phage RSF1 (同 NC_028899.1) の全長ゲノム配列の比較。 矢印は ORF を表す。 灰色の帯は、塩基配列の相同性を示す。
図3A】FLC6 とその他のファージの配列に基づく分子系統樹。 (A) FLC6 とその他のファージのプロテオミックツリー。 外群として、Escherichia virus P2 を用いた。
図3B】FLC6 とその他のファージの配列に基づく分子系統樹。 (B) FLC6 の putative major head protein (gp125) および他のファージの相同なタンパク質のアミノ酸配列に基づく分子系統樹。 属名は、ICTV #35 master species list を参照した。
図4】FLC6 処理によるイネ苗腐敗症抑制効果。 (A) B. glumae MAFF302746 汚染種子を FLC6 への浸漬処理を行った場合と、対照区のイネ苗腐敗症の病徴の割合。 対照区では、ファージ希釈液と同じ濃度に希釈した PPG 液体培地に浸漬した。 (B) B. glumae MAFF302746 汚染種子、健全種子に対し、ファージ処理を行った植物体(接種8日後)。
図5】本発明のバクテリオファージの製造方法の概要。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書中において、「核酸」は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドと同義であって、DNA、RNA、DNA-RNAハイブリッドのいずれであってもよい。また、これらは2本鎖であっても1本鎖であってもよく、ある配列を有する核酸分子といった場合、特に言及しない限り、これに相補的な配列を有する核酸分子(またはヌクレオチド、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド)も包括的に意味するものとする。また、これらの核酸分子は環状でも直鎖状であってもよく、また合成及び生物由来のいずれであってもよい。
【0018】
バクテリオファージ
典型的な実施形態において、本発明は、配列番号1で表される塩基配列を含む核酸分子を含有するバクテリオファージを提供する。また、本発明にかかるバクテリオファージは、本発明の効果を奏する限りにおいて上記のものに限定されず、本発明の好ましい実施形態において、本発明は、配列番号1で表される塩基配列に対し95%以上の相同性を有する塩基配列を含む核酸分子を含有する、バクテリオファージを提供する。
【0019】
本発明において、塩基配列の相同性は、市販された又はインターネットを通じて利用可能な解析ソフトを用いて算出することができる。例えば、NCBIのBLASTプログラムの解析ソフト用いることができる。
【0020】
当該実施形態において、本発明のバクテリオファージが有する核酸分子は、配列番号1で表される塩基配列に対し95%以上、より好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.9%以上の相同性を有することが好ましい。本発明のバクテリオファージが有する、配列番号1で表される塩基配列又は配列番号1で表される塩基配列に対し95%以上の相同性を有する塩基配列を含む核酸分子としては、典型的には、DNA分子が挙げられる。より具体的には、典型的な実施形態において、本発明のバクテリオファージは、上記核酸分子を、ゲノムDNAとして有する。
【0021】
本発明のバクテリオファージは、イネ苗病害に対する防除効果を奏するだけでなく、青枯病に対しても防除効果を奏するため有用である。一般的には、イネ苗立枯病に対し有効なバクテリオファージは全く異なる細菌に起因する青枯病に対しても有効であるとは限らない。従って、これらの両方に対し防除し得る本発明のバクテリオファージが示す効果は容易には予想し得ないものである。
【0022】
また、典型的な実施形態において、本発明のバクテリオファージは、ジャンボファージである。本発明において、ジャンボファージとは、ゲノムのサイズが20万bp以上であるバクテリオファージを意味する。本発明のバクテリオファージは、例えば、後述する「バクテリオファージの製造方法」に記載の方法により製造することができる。
【0023】
植物病害防除剤
別の実施形態において、本発明は、バクテリオファージを含む、植物病害防除剤を提供する。
【0024】
本明細書において「防除」とは、予防、駆除、又はその両方を指す。植物の病害には、植物の病害を予防することと、植物の病害を抑制又は排除することが含まれる。
【0025】
本発明の細菌集団により病害を防除される植物は特に限定されないが、野菜類、いも類、きのこ類、果実類、豆類、穀物類、種実類、観賞用植物類、シダ類、コケ類などであることができ、穀物類、野菜類等が好ましい。穀物類としてはイネ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、アワ、キビ、ヒエ、トウモロコシ等が挙げられ、イネが好ましい。野菜類としては、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、パプリカ、トウガラシ等のナス科の野菜;ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー等のアブラナ科の野菜;キュウリ、カボチャ等のウリ科の野菜等が挙げられ、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、パプリカ、トウガラシ等のナス科植物が好ましい。
【0026】
本発明に係る植物病害防除剤は、特にイネ科植物、ナス科植物等に病害を引き起こす各種病害菌に対して有効である。イネ科植物に病害を引き起こす病害菌としては、イネ籾枯細菌病菌であるブルクホルデリア(Burkholderia)属菌(例えば、Burkholderia glumae)、イネ褐条病菌であるシュードモナス(Psudomonas)属菌(例えば、Psudomonas avenae)、イネ苗立枯細菌病菌であるブルクホルデリア(Burkholderia)属菌(例えば、Burkholderia plantarii)、イネ白葉枯病菌であるキサントモナス(Xanthomonas)属菌(例えば、Xanthomonas oryzae pv. oryzae)等を挙げることができる。ナス科植物に病害を引き起こす病害菌としては、青枯病菌であるラルストニア(Ralstonia)属菌(例えば、Ralstonia pseudosolanacearum、R. syzygii subsp. indonesiensis)、軟腐病菌であるエルビニア(Erwinia)属菌(例えば、Erwinia carotovora subsp. carotovora)が挙げられる。その他の病害菌としては、例えば、黒ぐされ病菌であるキサントモナス属菌(Xanthomonas)属菌(例えば Xanthomonas campestris pv. campestris)等も挙げられる。
【0027】
本発明の植物病害防除剤におけるバクテリオファージの濃度は特に限定されるものでなく、適用される病害の種類や程度、施用方法、剤型に応じて適宜設定することができるが、1×104CFU/mL以上とすることが好ましく、特には1×105~1013CFU/mLの範囲とすることが好ましい。
【0028】
本発明の植物病害防除剤は、バクテリオファージの培養物をそのまま或いは希釈して用いることもできるし、あるいはバクテリオファージを水、緩衝液等の溶媒に希釈した懸濁液を調製することもできる。本発明の植物病害防除剤は、公知の植物病害防除剤と同様に、水和剤、顆粒水和剤、乳剤等の各種製剤として調製することもできる。
【0029】
本発明の植物病害防除剤によって、植物の種子、苗、育苗土又は育苗培地を処理することにより、植物病害の防除を行うことができる。
【0030】
植物病害防除剤による植物の種子、苗、育苗土又は育苗培地の処理は、病害の種類や感染程度、施用範囲、剤型等に応じた方法で行うことができる。例えば、かかる処理としては、種子浸漬処理、種子粉衣処理、種子塗布処理、種子吹き付け処理、覆土への混和、床土への混和、育苗箱への施用、液剤かん注、株元散布、側条施用、水面施用、無人飛行機による散布等が挙げられる。
【0031】
また、本発明に係る植物病害防除剤を施用する際には、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長促進剤、肥料、土壌改良資材等と混合してもよく、また、混合せずに交互に又は同時に併用してもよい。
【0032】
バクテリオファージの製造方法
好ましい実施形態において、本発明は、
有機培土から目的のバクテリオファージを含むバクテリオファージ群を誘出する工程
宿主細胞の存在下で当該ファージ群を培養して目的のファージを増殖させる工程
培養液から宿主細胞を除去する工程
宿主細胞を除去した培養液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養し、宿主細胞に感染するファージのプラークを形成する工程
を含む、前記宿主細胞に感染するバクテリオファージの製造方法
を提供する。
【0033】
本発明の方法において、まず有機培土から目的のバクテリオファージを含むバクテリオファージ群を誘出する工程を行う。本発明において「目的のバクテリオファージ」とは、典型的には、植物病害をもたらす微生物に感染し、当該微生物によりもたらされる植物病害を防除し得るようなバクテリオファージを意図する。
【0034】
本発明において「有機培土」とは、肥料として用いられる有機物を含む培土である。有機培土としては、落葉堆肥、バーク、油粕、キノコ栽培残渣、オガクズ、苔、炭、草木炭、泥炭、ピートモス、腐葉土、米ぬか、稲わら、もみ殻、フスマ、樹木の繊維、発酵、乾燥又は焼成した動物の排泄物由来の資材、食品工場又は繊維工場からの資材、食品廃棄物由来の資材、これらから選ばれた一つ又は複数を含む堆肥、これらから選ばれた一つ又は複数を含む育苗土も含む。有機培土は、植物の育苗前に殺菌のための加熱処理を行わない。なお、加熱処理とは通常、70℃以上、30分間以上で行う処理を指す。
【0035】
当該誘出工程は、例えば、有機培土と液体培地と混合することにより行う。液体培地としては、バクテリオファージの培養に使用し得るものであれば特に限定されないが例えば、Potato-Peptone-Glucose (PPG)液体培地、Lysogeny Brothe(LB)液体培地、Nutrient Broth(NB)液体培地、Casamino acid-Peptone-Glucose(CPG)液体培地等が挙げられ、PPG培地が挙げられる。また、培地としては後の工程で添加する宿主細胞の培養にも適したものが好ましい。PPG液体培地は、希釈して用いてもよく、希釈する場合の希釈倍率としては、例えば、1000倍以下に希釈すること等が挙げられる。
なお例示として、PPG液体培地の組成としては、200 g のジャガイモに対し 1 L の蒸留水を加えてで煮た煎汁に0.5% (w/v) ペプトン、0.5% (w/v) グルコース、0.3% (w/v) Na2HPO4・12H2O、0.05% (w/v) KH2PO4を混合したものが挙げられる。LB液体培地の組成は培地1L中、酵母抽出物 5 g、トリプトン 10g、NaCl 5gを含む。NB液体培地の組成は培地1L中、乾燥ブイヨン 30 gを含む。CPG液体培地の組成は培地1L中、ペプトン 10 g、カザミノ酸 1g、ぶどう糖 5gを含む。上記培地には、グルコース、でんぷん等の炭素源;リン酸又はその塩等のpH調整剤;動物油、植物油、鉱物油等の消泡剤;金属塩等を添加してもよい。有機培土と液体培地との配合量は特に限定されず、例えば、有機培土10質量部に対し、液体培地を10~500質量部、好ましくは30~100の範囲で適宜設定できる。混合の際の温度は特に限定されず、16~45℃、より好ましくは20~40℃の範囲で適宜設定できる。混合の時間も特に限定されないが、例えば、10分~3時間、より好ましくは30分~2時間の範囲で適宜設定できる。
【0036】
上記誘導工程で得られた有機培土と液体培地との混合物をそのまま次のファージ増殖工程に用いてもよいが、当該混合物を遠心分離及び/又は濾過して土壌粒子等を除去し、上澄み液を次の工程に用いることが好ましい。遠心分離、濾過の方法としては、目的のバクテリオファージを上澄み液又は濾液に残しつつ土壌粒子等を除去しうるものであれば特に限定されず、本発明の属する分野において通常使用されている方法を用いることができる。
【0037】
次に、宿主細胞の存在下で当該ファージ群を培養して目的のファージを増殖させる工程を行う、当該工程は、上記工程で得られた混合物、上澄液又は濾液に宿主細胞を添加し、培養することにより行う。本発明の典型的な実施形態においては、宿主細胞としては植物病害をもたらす微生物を用いる。宿主細胞の添加時点での添加量は特に限定されないが、例えば、105~109cfu/mL、好ましくは106~108cfu/mLの範囲が挙げられる。培養は静置培養でも振盪培養でもよいが、振盪培養が好ましい。培養の際の温度は特に限定されず、16~45℃、より好ましくは20~40℃の範囲で適宜設定できる。混合の時間も特に限定されないが、例えば、8~30時間、より好ましくは10~24時間の範囲で適宜設定できる。
【0038】
次に、培養液から宿主細胞を除去する工程を行う。当該工程は、例えば、上記工程で得られた培養液を遠心分離及び/又は濾過することにより行うことができる。本工程により一旦培地から宿主細胞を除去しておくことで、次のプラーク形成工程により、宿主細胞に対し感染し得るファージを選抜することができる。遠心分離の条件としては、当該遠心分離のみで、又は当該遠心分離と濾過工程とを組み合わせることで宿主細胞を除去し得、かつ目的のバクテリオファージを残しておき得るものであれば特に限定されないが、例えば、3000~12000g、好ましくは4000~6000gの範囲で適宜設定できる。遠心分離の時間も特に限定されないが、例えば、例えば、1~15分、好ましくは3~10分の範囲で適宜設定できる。濾過に用いるフィルタとしては、当該濾過のみで、又は当該濾過工程と遠心分離とを組み合わせることで宿主細胞を除去し得、かつ目的のバクテリオファージを残しておき得るものであれば特に限定されないが、例えば、孔径0.2~1μm、好ましくは0.3~0.5μm のものを適宜使用できる。濾過は、異なる孔径のフィルタを用いて(例えば、0.3~0.5μm のフィルタと0.7~0.9μm のフィルタ等)複数行ってもよい。上記遠心分離及び濾過の際の温度は特に限定されず、20~40℃、より好ましくは20~30℃の範囲で適宜設定できる。本工程においては、宿主細胞除去の観点から、遠心分離及び濾過の両方を行うことが好ましい。
【0039】
次に、宿主細胞を除去した培養液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養し、宿主細胞に感染するファージのプラークを形成する工程を行う。当該工程は、例えば、上記工程で得られた上澄液又は濾液を、宿主細胞を添加した軟寒天培地を用いて培養することにより行うことができる。本発明において軟寒天培地とは、寒天濃度として、0.8%以下の寒天培地を意味する。軟寒天培地としては、PPG液体培地、LB培地、NB培地、CPG培地等の液体培地に寒天を加えたものを用いることができる。寒天の添加量としては、例えば、プラークを形成する際の培地中の寒天の最終濃度として、0.3~0.8質量%、好ましくは0.35~0.5質量%の範囲で適宜設定できる。ジャンボファージのような拡散速度の遅いファージのプラークも検出することができる。宿主細胞としては、前述したものを使用することができる。本発明によれば、軟寒天培地を用いることによって、宿主細胞の添加時点での添加量は特に限定されないが、例えば、105~109cfu/mL、好ましくは106~108cfu/mLの範囲が挙げられる。培養の際の温度は特に限定されず、16~45℃、より好ましくは20~40℃の範囲で適宜設定できる。混合の時間も特に限定されないが、例えば、8~30時間、より好ましくは10~24時間の範囲で適宜設定できる。本発明において、当該工程は、上澄液又は濾液及び宿主細胞を含む軟寒天培地を平板培地上に、重層して培養する二重平板法により行うことができる。当該工程により形成されたプラークから目的のバクテリオファージを取得することができる。
【0040】
本発明によれば、上記各工程を行うこと、特に目的のバクテリオファージの分離源として有機培土を使用し、単離のために宿主細菌を添加して増幅を行い、かつファージのプラークも検出するために軟寒天培地を用いることによって目的のバクテリオファージを効率的に取得することができる。
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明の実施形態を詳述するが本発明は当該実施例に限定されない。
【実施例0042】
方法
細菌株と培養条件
本研究では、イネもみ枯細菌病菌 Burkholderia gulmae (MAFF 番号: 302552、106619、301169、302417、302746)、イネ苗立枯細菌病菌 B. plantarii (106726、106727、301723、302475、302909、302936)、青枯病菌Ralstonia pseudosolanacearum (106603、106611、211270、301485) および青枯病菌 R. syzygii subsp. indonesiensis (211271、327032) を用いた。 これらの菌株は、全て農研機構・農業生物資源ジーンバンクから取り寄せた。
【0043】
Burkholderia 属細菌は、Potato-Peptone-Glucose (PPG) 培地 (0.5% (w/v) ペプトン、0.5% (w/v) グルコース、0.3% (w/v) Na2HPO4・12H2O、0.05% (w/v) KH2PO4を、 200 g のジャガイモに対し 1 L の蒸留水を加えて煮た煎汁に混合)、Ralstonia 属細菌の培養にはCasamino acid-Peptone-Glucose (CPG) 培地 (1.0% (w/v) ペプトン、0.1% (w/v) カザミノ酸、0.5% (w/v) グルコース) をそれぞれ用いた。 ストックからの菌の培養には 1.5% (w/v) 寒天の平板培地を用い、二重平板法には 0.5% (w/v) 寒天の軟寒天培地を用いた。
【0044】
B. glumae、B. plantarii は、スキムミルク分散媒 (1% (w/v) グルタミン酸ナトリウム、10% (w/v) スキムミルク) に懸濁して -80℃ で保存した。 ストックからの培養は、平板培地上で 25℃、2 日間行った。 R. solanacearum、R. syzygii subsp. indonesiensis は、20% (v/v) グリセロールに懸濁して、-80℃ で保存した。 ストックからの培養は、平板培地上で 25℃、2 日間行った。 平板培地上の菌体を滅菌水に懸濁し、細菌懸濁液の調製を行った。
【0045】
ファージの単離、培養条件
ファージの探索に用いた落葉堆肥は、東北大学大学院農学研究科の実験圃場で作製した。 広葉樹の落葉 135 L ともみ殻 45 L を層状に重ね、水 20 L を加えた。 堆肥の温度を継続的に計測し、60℃ を超えた後に気温と等温になった時点で切り返しを行った。 この操作を 5 回繰り返し、堆肥の熟成に必要な好気条件を維持した。
【0046】
落葉堆肥 (生重量 6.5 g) を PPG 液体培地 25 mL に懸濁し、2 時間室温で激しく振盪した。 5000 xg、5 分間室温で遠心し、その上清を 0.8 μm、0.45 μm 孔径のセルロース混合エステルフィルタで順次濾過した。 濾液 約10mLに B. glumae MAFF302552 懸濁液 約1mL (終濃度 107 cfu/mL)、CaCl2 (終濃度 1 mM) を加えて 180 rpm、25℃で一晩旋回培養した。 5000 xg、5 分間室温で遠心し、その上清を 0.8 μm、0.45 μm 孔径のフィルタ (セルロース混合エステル) で順次濾過した。 濾液から二重平板法によってプラーク (溶菌斑: 細菌が生育しないために透明な部分) を検出した。 二重平板法では、濾液 0.5 mL と B. glumae MAFF302552 懸濁液 (108 cfu/mL) 0.5 mL を混合して 10 分間 25℃ で静置したのち、軟寒天培地 5 mL を加えて混ぜ、平板培地に重層した (寒天の終濃度 0.42%). 25℃ で一晩培養し、プラークの有無を観察した。
【0047】
プラークを周囲の宿主細菌とともにくりぬき、ファージバッファ (10 mM Tris-HCl、pH 7.5、68.5 mM NaCl、10 mM MgSO4 and 1 mM CaCl2) に懸濁した。 これを段階希釈して、二重平板法によって再度プラークをまばらに形成させた。 単一のプラークの取得を 3 回繰り返し、ファージの単離を行った。 得られたファージを、B. glumaeMAFF302552 とともに PPG 液体培地中で 180 rpm、25℃ で一晩旋回培養することで増幅したのち、5000 xg、5 分間室温で遠心し、その上清を 0.8 μm、0.45 μm 孔径のフィルタ (セルロース混合エステル) で順次濾過して細菌を除いた。 このファージ増幅液は、4℃で保存した。
【0048】
宿主範囲解析は、スポットテストにより行った。 各菌株の懸濁液 (108 cfu/mL) 0.5 mL を軟寒天培地 5 mL と混合して平板培地に重層した。 軟寒天培地が固まったのちにファージ増幅液および対照としてファージバッファをそれぞれ 10 μL 滴下し、25℃ で一晩培養してプラーク形成の有無を確認した。
【0049】
電子顕微鏡による観察
ファージ増幅液を 45,000 rpm、90 分間 4℃ で超遠心を行い、ファージ濃縮液を得た。 超遠心の際には、ロータ S50A-2521 および超遠心機 himac CS100FNX (工機ホールディングス) を用いた。 ファージ濃縮液を 400 メッシュのコロジオン膜貼付メッシュ (日新 EM) に滴下し、リンタングステン酸で染色して透過型電子顕微鏡 H-7650 (日立ハイテク) で観察した。
【0050】
DNA 抽出と次世代シークエンシング
濃縮ファージ液から、常法に従ってフェノールクロロホルム抽出を行い FLC6 のゲノム DNA を抽出した。 Nextera XT kit v2 (Illumina) でライブラリを調製し、MiSeq v2 Reagent Kit Nano (Illumina) を用いて MiSeq (Illumina) で 2 x 150 bp のシークエンスを行った。
【0051】
in silico 解析
次世代シークエンシングによって得られたリードは、SPAdes v3.11.1 を用いてアセンブルを行った。 FLC6 の全長ゲノム配列の相同性検索には、NCBI Nucleotide collection をデータベースとし、BLASTn により行った。 GeneMarkS v4.28 を用いて、ORF を同定した。 tRNA 配列および rRNA 配列の探索は、それぞれ tRNAscan-SE v2.0、RNAmmer 1.2 を用いて行った。
【0052】
FLC6、Ralstonia phage RSL2、Ralstonia phage RSF1 の全長ゲノム配列および ORF の図示は、EasyFig を用いて行った。 FLC6 の putative major head protein を、アミノ酸配列に基づき他のファージの相同な配列を持つタンパク質との間で分子系統樹を作成した。 その際、DDBJ のウェブサイトで、clustalW v2.1 を用いて NJ 法により系統樹を作成した。 tBLASTx に基づくプロテオミックツリーは、ViPTree v1.9 を用いて作成した。
【0053】
イネ苗腐敗症に対する病害抑制効果の評価
生物検定にはイネ 'コシヒカリ'を使用した。 B. glumae MAFF302746 懸濁液 (107 cfu/mL) にイネ種子を浸漬し、5 分間減圧接種することで汚染種子を調製した。 減圧接種後に一晩風乾し、使用まで 4℃ で保存した。 ファージ増幅液を水で希釈し、107 pfu/mL のファージ液を調製し、汚染種子および接種前の健全種子を、ファージ液に 28℃ で 1 日間浸漬した。 対照区としては、ファージ液と培地成分を等濃度に調製した PPG 液体培地希釈液に浸漬した。 浸漬液を捨てて 3 回水道水ですすぎ、水道水に 28℃ で 1 日間浸漬した。
【0054】
発芽した種子を、オートクレーブ滅菌した市販育苗土 L (三研ソイル) に播種した。 7.5 x 7.5 x 5.5 cm のプラスチック容器を使用し、1 ポットあたり床土を 100 g、覆土を 50 g、水位は表面が浸る程度とした。 インキュベータを用いて 30℃、14L10D で 8 日間栽培し、各個体の発病スコアを 0: 無病徴、1: 生育抑制/黄白化、2: 半枯死、3: 完全枯死の 4 段階で評価した。 汚染種子-ファージ処理区と、汚染種子-対照区の間で、発病スコアごとの個体数について U 検定を行った。 処理区ごとの発病度は、以下の式で算出した。 [(1A + 2B + 3C) / 3N] × 100 (A: 発病スコア 1 の個体数、B: 発病スコア 2 の個体数、C: 発病スコア 3 の個体数、N: 全個体数). 防除価は 100 - (FLC処理区の発病度 / 対照区の発病度) × 100 で算出した。
【0055】
結果
落葉堆肥からの単離と粒子構造の観察
落葉堆肥からのプラーク検出実験を行った結果、直径約 0.5 mm の透明なプラーク (図1A) が確認された。 シングルプラークを単離し、この株を FLC6 とした。 透過型電子顕微鏡によるファージ粒子の観察を行ったところ、収縮する尾部の構造である contractile tail を持つ head and tail 型の粒子構造 (図1B、C) が確認されたため Myoviridae 科のファージであると推察された。
【0056】
FLC6 のゲノム塩基配列の決定と解析
Myoviridae 科のファージは、二本鎖 DNA をゲノムに持つことが知られているため、FLC6 の粒子からゲノム DNA の抽出と次世代シーケンサによる塩基配列決定を行った。 その結果、FLC6 は 227,105 bp のゲノム配列を持つことが明らかになった。FLC6のゲノムDNA配列を配列番号1に示す。 なお、ゲノムサイズが 200,000 bp を超すファージは、ジャンボファージと呼称される。 Burkholderia 属の植物病原細菌を溶菌するジャンボファージは、これまでに報告がない. FLC6 ゲノムには、241 個の ORF が同定された。 tRNA 配列や rRNA 配列は FLC6 のゲノム中にはみられなかった。
【0057】
FLC6 の全長ゲノム配列をクエリとし、NCBI Nucleotide collection をデータベースとした BLASTn 検索の結果、2 種の既報の青枯病菌に感染するジャンボファージ Ralstonia phage RSL2 (88 % query coverage、90 % identity)、Ralstonia phage RSF1 (同 79 %、85 %) との相同性が確認された (図2). また、major head protein のアミノ酸配列に基づき、clustalW v2.1 を用いて NJ 法で作成した分子系統樹 (図3A) や、tBLASTx を利用したプログラムである ViPTree を用いて作成したプロテオミックツリー (図3B) ではいずれも、FLC6 は Ralstonia phage RSL2、Ralstonia phage RSF1 と同じクレードに含まれた。 Ralstonia phage RSL2、Ralstonia phage RSF1 はいずれも Chiangmaivirus 属に属すことから、FLC6 も Chiangmaivirus 属に含まれると考えられる。
【0058】
宿主範囲解析
FLC6 は、表1に記載のB. glumae、B. plantarii の菌株だけでなく、R. pseudosoranacearum の菌株を溶菌した。 すなわち、複数の属の植物病原細菌を宿主範囲に持つことが明らかになった。
【0059】
【表1】
【0060】
FLC6 処理によるイネ苗腐敗症抑制効果
B. glumae(MAFF302746) がで汚染したイネ種子を、FLC6 の希釈液に浸漬処理を行ってから播種したところ、培地成分が等濃度となるよう PPG 培地希釈液に浸漬した対照区と比較して有意に発病が抑制された (図4).発病度は FLC6 処理区で 1.0、対照区で 89 であり、防除価は 99 であった。 FLC6 が属をまたいだ宿主を持つことから、FLC6 は幅広い植物病害防除に有効だと考えられる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【配列表】
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