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特開2022-45791配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045791
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセル
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/954 20060101AFI20220314BHJP
   E03F 7/00 20060101ALI20220314BHJP
   E03F 3/04 20060101ALI20220314BHJP
   F16L 55/38 20060101ALI20220314BHJP
   F16L 101/30 20060101ALN20220314BHJP
【FI】
G01N21/954 A
E03F7/00
E03F3/04 Z
F16L55/38
F16L101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151569
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】519237269
【氏名又は名称】はるひ建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100194836
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 優一
(72)【発明者】
【氏名】平井 悦子
【テーマコード(参考)】
2D063
2G051
【Fターム(参考)】
2D063BA37
2D063EA03
2G051AA82
2G051AC17
2G051BA06
2G051BA20
2G051CA04
2G051CB01
(57)【要約】
【課題】 より低コストでより確実に配管内を検査する。
【解決手段】 本発明は、流体が流れる配管内を検査する配管内検査装置に関する。そして、本発明の配管内検査装置は、少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部と、前記検査部を支持する検査部支持部とを含む検査部支持構造と、前記検査部支持構造を収容する筒体形状の収容部を有し、前記配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルとを備え、前記検査部は前記カメラを支持するカメラ支持部と、周囲を証明する照明部と、前記検査部支持構造と連結する連結部とを有し、前記検査部支持構造は、前記収容部の底部に載置される基台部と、前記基台部の上で前記検査部の前記連結部と連結することにより前記検査部を支持する検査部支持部とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる配管内を検査する配管内検査装置において、
少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部と、前記検査部を支持する検査部支持部とを含む検査部支持構造と、
前記検査部支持構造を収容する筒体形状の収容部を有し、前記配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルとを備え、
前記検査部は前記カメラを支持するカメラ支持部と、周囲を照明する照明部と、前記検査部支持構造と連結する連結部とを有し、
前記検査部支持構造は、前記収容部の底部に載置される基台部と、前記基台部の上で前記検査部の前記連結部と連結することにより前記検査部を支持する検査部支持部とを有する
ことを特徴とする配管内検査装置。
【請求項2】
前記収容部には前記検査部支持構造を出し入れ可能な開口部が形成されており、
前記収容カプセルは、前記開口部に脱着自在に取り付けられた蓋をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の配管内検査装置。
【請求項3】
前記収容カプセルの前端部分には、前側にゆくにつれて幅が狭くなるテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管内検査装置。
【請求項4】
筒体形状の収容部を有し、流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルの前記収容部内で、少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部を支持する検査部支持構造であって、
前記収容部の底部に載置される基台部と、
前記基台部の上で前記検査部を支持する検査部支持部とを有する
ことを特徴とする検査部支持構造。
【請求項5】
筒体形状の収容部を有し、流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルの前記収容部内に収容される検査組立体であって、
少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部と、
前記検査部を支持する検査部支持部とを含む検査部支持構造とを有し、
前記検査部支持構造は、前記収容部の底部に載置される基台部と、前記基台部の上で前記検査部を支持する検査部支持部とを有する
ことを特徴とする検査組立体。
【請求項6】
流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルであって、請求項5に記載の検査組立体を収容するための筒体形状の収容部を有することを特徴とする収容カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルに関し、例えば、地中に埋設された下水道管等の配管内の検査に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に埋設された下水道管、ガス管等の配管内を移動しながらカメラ等の検査デバイスにより検査する検査装置(以下、「配管内検査装置」と呼ぶ)が存在する。
【0003】
従来の配管内検査装置としては、特許文献1の記載技術が存在する。
【0004】
特許文献1に記載された配管内検査装置では、配管内面に接触する車輪を用いた移動機構を用いて配管内を移動する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-40577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、配管内面に接触する移動機構を用いた配管内検査装置を用いる場合、検査する配管内の環境によっては利用しづらい場合がある。
【0007】
例えば、下水管内には、汚水や汚泥が存在するため、配管内検査装置が汚染することは避けられず、一度使用した配管内検査装置を回収する際には汚れを洗浄する必要がある。また、下水管内は、上述の通り機械にとって過酷な環境であり、高度な防水能力を維持することは非常に高コストである。さらに、上述の通り、下水管内には汚水だけでなく汚泥が存在したり、配管内面が腐食している場合もあるため、特許文献1に記載された配管内検査装置のように、車輪を用いた機構では配管内を移動することが困難となったり、配管内面を破損する場合もあり得る。
【0008】
以上のような問題に鑑みて、より低コストでより確実に配管内を検査することができる配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明は、流体が流れる配管内を検査する配管内検査装置において、(1)少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部と、前記検査部を支持する検査部支持部とを含む検査部支持構造と、(2)前記検査部支持構造を収容する筒体形状の収容部を有し、前記配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルとを備え、(3)前記検査部は前記カメラを支持するカメラ支持部と、周囲を証明する照明部と、前記検査部支持構造と連結する連結部とを有し、(4)前記検査部支持構造は、前記収容部の底部に載置される基台部と、前記基台部の上で前記検査部の前記連結部と連結することにより前記検査部を支持する検査部支持部とを有することを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、(1)筒体形状の収容部を有し、流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルの前記収容部内で、少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部を支持する検査部支持構造であって、(2)前記収容部の底部に載置される基台部と、(3)前記基台部の上で前記検査部を支持する検査部支持部とを有することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明は、(1)筒体形状の収容部を有し、流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルの前記収容部内に収容される検査組立体であって、(2)少なくとも前記配管内を撮影するカメラを含む検査部と、(3)前記検査部を支持する検査部支持部とを含む検査部支持構造とを有し、(4)前記検査部支持構造は、前記収容部の底部に載置される基台部と、前記基台部の上で前記検査部を支持する検査部支持部とを有することを特徴とする。
【0012】
第4の本発明は、流体が流れる配管内で前記流体の流れに乗って移動する収容カプセルであって、第3の本発明の検査組立体を収容するための筒体形状の収容部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、より低コストでより確実に配管内を検査することができる配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る配管内検査装置の側面図である。
図2】第1の実施形態に係る配管内検査装置を下水管内に流した状態について示した図である。
図3】第1の実施形態に係る全天球カメラの構成について示した図である。
図4】第1の実施形態に係る検査器具の構成について示した図である。
図5】第1の実施形態に係る全天球カメラを撮影器具に収容する構造(検査部の構造)について示した図である。
図6】第1の実施形態に係る検査部支持部の構成について示した図である。
図7】第1の実施形態に係る検査部支持構造(検査部支持部)が検査部(全天球カメラが搭載された検査器具)を支持する構造について示した図である。
図8】第1の実施形態に係る収容カプセルの構造について示した図である。
図9】第1の実施形態に係る検査組立体を収容カプセルに収容して、配管内検査装置を完成させる構造について示した図である。
図10】第1の実施形態に係る収容カプセル(収容部)と検査部支持構造の外形との関係について示した図である。
図11】第2の実施形態に係る配管内検査装置の側面図である。
図12】第2の実施形態に係る収容カプセルの構造について示した図である。
図13】第3の実施形態に係る配管内検査装置の側面図である。
図14】第3の実施形態に係る収容カプセルの構造について示した図である。
図15】第3の実施形態に係る検査部支持部の構成について示した図である。
図16】第4の実施形態に係る配管内検査装置を下水管内に流した状態について示した図である。
図17】第4の実施形態に係る配管内検査装置の側面図である。
図18】第4の実施形態に係る配管内検査装置を下水管内に流した状態について示した図である。
図19】第4の実施形態に係る収容カプセル(その1)の構造について示した図である。
図20】第4の実施形態に係る収容カプセル(その1)における蓋の取り付け構造について示した図である。
図21】第4の実施形態に係る収容カプセル(その2)の構造について示した図である。
図22】第5の実施形態に係る配管内検査装置の側面図である。
図23】第5の実施形態に係る収容カプセルの構造について示した図である。
図24】第1の変形実施例に係る配管内検査装置の側面図である。
図25】第2の変形実施例に係る配管内検査装置の側面図である。
図26】第2の変形実施例に係る検査部支持構造の側面図である。
図27】第3の変形実施例に係る配管内検査装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0016】
(A-1)第1の実施形態の構成及び動作
図1は、この実施形態の配管内検査装置10の側面図である。
【0017】
配管内検査装置10は、下水道等の流体が流れる配管内を移動しながら、配管内の検査(例えば、カメラによる配管内の撮影)を行う装置である。
【0018】
配管内検査装置10は、透明の素材を用いて形成された収容カプセル40内に、全天球カメラ20及びLEDライト32が付けられた検査器具30を含む検査組立体60が挿入された構成となっている。
【0019】
収容カプセル40は、釣鐘形状(略砲弾形状)であり、ガイドワイヤー80を接続(固定)するためのガイドワイヤー接続部70が設けられている。収容カプセル40の材料については限定されないものであるが、内部の全天球カメラ20による撮影(下水管内面の撮影)を妨げない透明色であることが望ましい。収容カプセル40の材料は、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)、アクリル等の透明色の樹脂材料を適用することが望ましい。
【0020】
この実施形態において、ガイドワイヤー接続部70は、輪形状に形成された部材であるものとして説明するが、ガイドワイヤー80を接続(固定)可能な形状であれば、具体的な形状は限定されないものである。ガイドワイヤー接続部70としては、鉄、ステンレス等の金属を用いることができる。例えば、ガイドワイヤー接続部70は、輪形状ではなく棒形状としてもよい。ガイドワイヤー80は、ユーザが被測定対象の配管内から配管内検査装置10を回収する際に用いるためのワイヤー(糸)である。ガイドワイヤー80の一方の端は、収容カプセル40のガイドワイヤー接続部70に接続(結び付け)されており、他方の端はリール機構90に接続されている。ガイドワイヤー80として用いるワイヤー(糸)については限定されないものであるが、例えば、釣り用の糸や金属製のワイヤー等を用いることができる。
【0021】
リール機構90は、ガイドワイヤー80の送り出し及び巻き上げを行う機構である。リール機構90としては、例えば、釣り糸用のリール等を用いることができる。リール機構90は、手動式でも良いし電動式でも良い。
【0022】
図2は、この実施形態の配管内検査装置10を下水管T内に流した状態について示した図である。
【0023】
図2に示すように、配管内検査装置10は、下水(流体)が流れる下水管Tの中に配置することにより、下水の流れに乗って配管内を移動することができる。
【0024】
図2において、線WLは下水管T内の下水の水面(水面の高さ)を表している。
【0025】
上述の通り、配管内検査装置10が下水管Tの内部を下水の流れに乗って移動することで、下水管T内をLEDライト32で照らしながら全天球カメラ20で撮影することになる。全天球カメラ20はほぼ全ての方向に視野を向けることができるため、下水管T内で配管内検査装置10の姿勢が変動したとしても下水管T内の全ての内面(下水等により覆われている部分を除く)について、画像を撮影(検査、走査)することができる。また、検査器具30は、筒形状で外周面に略等間隔でLEDライト32が設置されているため、全周方向(下水管Tの内面)を均等に照明しながら、下水管Tの内面を撮影(走査/スキャン)することができる。なお、配管内検査装置10に搭載する検査センサ(検査部を構成するセンサデバイス)は、全天球カメラ20に限定されず、赤外線カメラ、照度センサ、温度センサ等の種々のセンサを適用(複数センサを搭載するようにしてもよい)するようにしてもよい。
【0026】
図2では、配管内検査装置10が配管内の下水の流れに乗って移動する方向(下水の流れの方向:以下、「進行方向」とも呼ぶ)を矢印Xとしている。以下では、配管内検査装置10において、進行方向の側を「前側」と呼び、進行方向と逆の側を「後側」と呼ぶものとする。
【0027】
以下では、配管内検査装置10の構成を説明する際に、配管内検査装置10を配管内(例えば、下水管内)に配置した際(例えば、図2に示すように、下水面WLと進行方向Xが並行となる状態に置かれた場合)に、進行方向と並行となる方向(例えば、図2の方から見て左右方向)を「長さ方向」、鉛直方向(WLと直交する方向)と並行となる方向(図2の方から見て上下方向)を「高さ方向」、流体の液面上(図2の下水面WL上)で進行方向と直交する方向(図2の方から見て奥行方向)を「幅方向」とそれぞれ呼ぶものとする。また、以下では、図2の方から見て、上側を「上方向」、下側を「下方向」、手前側を「手前方向」、奥側を「奥方向」とそれぞれ呼ぶものとする。
【0028】
次に、全天球カメラ20の構成について図3を用いて説明する。
【0029】
図3(a)~図3(c)は、それぞれ全天球カメラ20の側面図、正面図、底面図である。
【0030】
全天球カメラ20の具体的な構成については限定されないものであるが、この実施形態では、全天球カメラ20として、リコー社製のいわゆる360度カメラ(RICOH THETA(登録商標)シリーズのカメラ)を適用する例について説明する。
【0031】
図3に示すように、全天球カメラ20の本体は縦長の板形状であり、上側の両側面(各板面)にはそれぞれレンズ21、22が配置されている。また、全天球カメラ20の底面には、三脚や自撮り棒等の器具と接続可能な螺子穴23が形成されている。図3では、全天球カメラ20の板面の長手方向(長さ方向)、短手方向(高さ方向)、板厚(幅方向)の寸法を、それぞれL31、L32、L33と図示している。この実施形態では、L31=130mm、L32=45mm、L33=23mm程度であるものとして説明する。
【0032】
ここでは、全天球カメラ20には、図示しないバッテリー及びデータ記録媒体が搭載されているものとする。したがって、全天球カメラ20は、ユーザの操作(例えば、図示しないボタン操作やスマートホン等の無線端末を用いた遠隔操作)に応じて動画の撮影(全周囲を視野ないに収めた動画撮影;いわゆるVR動画撮影)を開始し、撮影した動画像データを前記データ記録媒体に記録することが可能である。
【0033】
なお、この実施形態では、検査センサ(検査デバイス)として用いるカメラとして全天球カメラを用いるものとして説明するが、全天球の視野を備えないカメラを備えるようにしてもよい。しかしながら、配管内検査装置10に適用するカメラの視野は広いもの(死角の少ないもの)が望ましい。
【0034】
次に、検査器具30の構成について図4を用いて説明する。
【0035】
図4(a)~図4(c)は、それぞれ検査器具30の斜視図、前側から見た図、後側から見た図である。
【0036】
検査器具30の具体的な構成については限定されないものであるが、この実施形態では、参考文献1(実用新案登録第3212609号公報)に記載された撮影器具(パノラマ撮影装置)を適用するものとして説明する。
【0037】
検査器具30は、本体が筒形状で外周面に略等間隔でLEDライト32が設置されている。また、検査器具30の前側の面には、全天球カメラ20の長手方向の半分(レンズ21、22が配置されていない側)を収容(支持)すると共に、検査器具30のレンズ21、22を含む側の半分(長手方向の半分)を突出させるカメラ収容穴31が配置されている。また、検査器具30の後側の面には、三脚やいわゆる「自撮り棒」等の器具(いわゆるカメラアクセサリ)と接続可能な螺子穴33が形成されている。なお、検査器具30には、図示しないバッテリーが搭載されており、当該バッテリーによりLEDライト32へ電力供給が成されているものとする。
【0038】
図4では、検査器具30の幅方向及び高さ方向の寸法(筒形状の直径)をL21、長さ方向(筒形状の高さ)の寸法をL22と図示している。この実施形態では、L21=95mm、L22=80mm程度であるものとして説明する。
【0039】
全天球カメラ20を検査器具30に収容する構造(検査部の構造)について、図5を用いて説明する。
【0040】
図5(a)は全天球カメラ20を検査器具30のカメラ収容穴31に収容(挿入)する前の状態について示した図であり、図5(b)は全天球カメラ20を検査器具30のカメラ収容穴31に収容(挿入)した状態について示した図である。
【0041】
次に、検査部支持構造50の構成について図6図7を用いて説明する。
【0042】
検査器具30は、全天球カメラ20を支持すると共に、配管内を証明する照明手段を備えた装置である。
【0043】
図6(a)~図6(e)は、それぞれ検査部支持構造50の上側から見た図、手前側から見た図、下側から見た図、前側から見た図、後側から見た図である。
【0044】
検査部支持構造50は、底面(側の面)が収容カプセル40(収容部41)の内面(底部)と接する形状(収容カプセル40の内面と対応する形状)に形成された基台部51と、基台部51の上側で検査器具30を支持する検査部支持部52とを有している。
【0045】
図5において、基台部51の底面は、収容カプセル40の円柱内面の形状に接するようなU字型の形状(収容カプセル40の円柱内面に対応する形状;上面が平面となる蒲鉾形の形状)となっている。図5に示すように基台部51は収容カプセル40(収容部41)の底部に載置される。なお、検査部支持構造50は、収容カプセル40内で、種々の固定手段や係止手段等により脱着自在に固定されるようにしてもよい。
【0046】
図7は、検査部支持構造50(検査部支持部52)が検査器具30(全天球カメラ20が搭載された検査器具30)を支持(連結)する構造について示した図である。
【0047】
図7(a)は、検査器具30を検査部支持構造50に連結(接続)する前の状態について示した図であり、図7(b)は検査器具30を検査部支持構造50に連結(接続)した状態について示した図である。
【0048】
上記の通り、検査部支持部52は、基台部51の上側で検査器具30(全天球カメラ20が搭載された検査器具30)を支持する形状となっている。検査部支持部52の具体的な形状は限定されないものであるが、図5図6において、検査部支持部52は、蒲鉾型の形状となっており、前側の面に検査器具30の螺子穴33に螺合(篏合;連結;接続)して支持する支持螺子53が形成されている。この実施形態では、検査部支持部52と検査器具30との間は螺合することにより支持する構造となっているが、検査部支持部52が検査器具30を支持する構造は螺合に限定されず種々の支持構造を適用することができる。例えば、検査部支持部52と検査器具30とのそれぞれに磁石を取り付けて磁力により支持(連結)する構造としても良い。
【0049】
本明細書では、全天球カメラ20を搭載(連結)した検査器具30を「検査部」とも呼ぶものとする。例えば、収容カプセル40に検査器具30以外の照明手段が搭載されている場合には、検査器具30は不要となるため、全天球カメラ20(下面の螺子穴23)を直接検査部支持部52(支持螺子53)に連結(螺合)するようにしてもよい。この場合、検査部は全天球カメラ20のみとなる。以上のように、検査部支持構造50(検査部支持部52)に連結する検査部には、少なくとも全天球カメラ20が含まれていればよい。
【0050】
検査部支持部52の上面の形状は、収容カプセル40内に挿入した際に、収容カプセル40の円柱内面と干渉しない形状である必要がある。図5図6では、検査部支持部52の上面は、収容カプセル40内に挿入した際に、収容カプセル40の円柱内面と干渉しないように、面取りされた形状(収容カプセル40の円柱内面と対応する形状)となっている。
【0051】
図6(b)に示すように、検査部支持構造50(検査部支持部52)を検査器具30(全天球カメラ20が搭載された検査器具30)に連結(接続)することにより、検査組立体60が構成されることになる。
【0052】
図6では、検査部支持構造50の高さ方向の寸法をL41、長さ方向の寸法をL42と図示している。また、図6では、基台部51の高さ方向の寸法をL43と図示している。
【0053】
次に、収容カプセル40の形状の詳細について図8を用いて説明する。
【0054】
収容カプセル40は、検査組立体60を収容可能な筒形状(円筒形状)の収容部41を有している。収容部41の前側の開口部分は半球形状のドーム部により覆われており、後側の開口部分には蓋42が取り付けされている。そして、図8に示すように、蓋42にはガイドワイヤー接続部70が付けられている。
【0055】
収容部41では、後端の外縁部分(開口部の外縁部分)には、蓋42と螺合するための螺子切部411が形成されている。また、蓋42の内周面にも、収容部41の螺子切部411と螺合するための螺子切が形成されている。以上のように、この実施形態では、収容部41と蓋42とは脱着自在に取り付け可能な構造となっているものとする。収容部41と蓋42を脱着自在に連結(接続)する構造は、上記の螺合に限定されず種々の構造を適用することができる。
【0056】
図8では、収容部41(円筒形状)の内径(高さ方向及び奥行方向)の寸法をL11、収容部41(円筒形状)の長さ(長さ方向)の寸法をL12と図示している。
【0057】
検査部支持構造50の長さL42は長い方が収容部41内での検査部支持構造50の位置や姿勢は安定するが、当然のことながら、検査部支持構造50の長さL42は、収容部41の長さL12以下である必要がある。また、長さL42とL12は同じとしてもよいが、図7に示すように、検査部支持構造50の前側の端(基台部51の端)が、全天球カメラ20のレンズ21、22よりも後側の位置となるように形成すると、全天球カメラ20の下側の視野が良好となる。
【0058】
次に、検査組立体60を収容カプセル40に収容して、配管内検査装置10を完成させる構造について図9を用いて説明する。
【0059】
図9(a)は、検査組立体60を収容カプセル40の収容部41に収容する前の状態を示した図である。図9(b)は、収容カプセル40の収容部41の開口部分から検査組立体60を挿入した状態について示した図である。図9(a)、図9(b)に示すように、収容カプセル40(収容部41)の開口部分から、検査組立体60の底面(基台部51の底面)を、収容カプセル40(収容部41)の内面(底部)に摺動させながら挿入することができる。そして、収容カプセル40の収容部41の内部に検査組立体60を挿入した状態で、収容部41の開口部に蓋42を取り付ける(螺合により取り付ける)ことで、配管内検査装置10は完成する。
【0060】
次に、配管内検査装置10を用いた下水管Tの検査方法について説明する。
【0061】
ユーザにより、検査部(全天球カメラ20を搭載した検査器具30)が検査部支持構造50に取り付けられると検査組立体60が完成する。さらに、ユーザにより、検査組立体60が収容カプセル40(収容部41)に挿入されて、蓋42が取り付けされたものとする。なお、ここでは、検査組立体60が収容カプセル40(収容部41)に挿入される前に、ユーザの操作により、検査器具30のスイッチがオン(LEDライト32が点灯した状態)となり、全天球カメラ20による撮像が開始されているものとする。以上により、配管内検査装置10は完成し、周囲を証明しながら撮影し、撮影した動画像を記録する状態となる。この状態で、ユーザが、配管内検査装置10を検査対象の下水管Tに流して、後に下流側で回収したものとする。その後、ユーザにより、配管内検査装置10から検査組立体60を分離し、当該検査組立体60から全天球カメラ20を取り外されたものとする。当該全天球カメラ20(図示しないデータ記録媒体)には、検査対象の下水管Tの内面を撮影した動画像(検査結果)が記録されているので、ユーザは種々の再生手段(例えば、スマートホンやPC等の端末を用いた再生手段)により当該動画像(検査結果)を確認することができる。また、ユーザは、下水管Tから配管内検査装置10を回収した後、容易に収容カプセル40だけを分離し、処理(例えば、廃棄や洗浄等)することができる。
【0062】
次に、検査部支持構造50と収容カプセル40の各寸法の設計について図10を用いて説明する。
【0063】
図10は、収容カプセル40(収容部41)と検査部支持構造50の外形(進行方向と直交する面における外形)との関係について示した図である。図10は、検査組立体60(検査部支持構造50)が挿入された収容カプセル40を後側から見た図(蓋42を取り外した状態の図)である。図10では、検査部支持構造50の部分にハッチ(斜線)を付して図示している。
【0064】
通常、道路の地下に埋設される下水管の中で最も細いもので直径20cm程度となっている。したがって、下水管内で配管内検査装置10(収容カプセル40)をスムーズに流すためには、収容カプセル40の外径は、20cmよりも小さい寸法(例えば、12cm~16cm程度)であることが望ましい。したがって、例えば、収容カプセル40が厚さ1mmの透明色の樹脂で構成されているとすれば、収容カプセル40(収容部41)の内径L11は、11.8cm~15.8cm程度が望ましいということになる。そして当然のことながら、検査部支持構造50の高さ方向の寸法L41は、収容カプセル40(収容部41)の内径L11未満とする必要がある。例えば、検査部支持構造50の高さ方向の寸法L41は、収容カプセル40(収容部41)の内径L11から2mm~4mm程度差し引いた寸法(すなわち、L41=L11-α;αは1mm~4mm程度のオフセット(わずかな隙間)を示す)とするようにしてもよい。α(わずかな隙間)は小さく設定する方が収容カプセル40(収容部41)内における検査部支持構造50の位置や姿勢が安定する(がたつき等が少なくなる)が、αが小さすぎると検査部支持構造50を収容カプセル40に挿入することが困難になるため、2mm~4mm程度とすることが望ましい。
【0065】
すなわち、検査部支持構造50では、基台部51の底面を収容カプセル40の収容部41の底部と対応する形状(この実施形態ではU字型の形状)とし、α(わずかな隙間)に上記の適切な寸法を適用することで、検査部支持構造50の外形(基台部51と検査部支持部52により形成される外形;進行方向と直交する面における外形)を、収容カプセル40(収容部41)の内面に対応する形状(収容カプセル40(収容部41)の内面にほぼ接する形状)とすることができる。これにより、収容カプセル40(収容部41)内における検査部支持構造50の位置や姿勢を安定させることができる。
【0066】
検査部支持構造50に適用する材料については限定されないものであり、種々の樹脂、木材、金属等を適用することができる。基台部51及び検査部支持部52は中空であってもよいし中実であってもよい。
【0067】
(A-2)第1の実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0068】
第1の実施形態では、全天球カメラ20を搭載した検査器具30を検査部支持構造50に取り付けるだけで検査組立体60を構成でき、さらに検査組立体60を収容カプセル40(収容部41)に挿入して蓋42を取り付けるだけで配管内検査装置10を構成することができる。また、第1の実施形態では、配管内検査装置10を検査対象の下水管Tに流して後に下流側で回収するだけで、下水管Tの内面を撮影した動画像(検査データ)を取得することが可能である。
【0069】
また、第1の実施形態では、下水管Tに配管内検査装置10を流した後、配管内検査装置10から容易に検査組立体60を取り出して回収することができる。
【0070】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0071】
(B-1)第2の実施形態の構成及び動作
図11は、この実施形態の配管内検査装置10Aの側面図である。図11では、上述の図1と同一部分又は対応部分については、同一符号又は対応符号を付している。
【0072】
第2の実施形態の配管内検査装置10Aでは、収容カプセル40が収容カプセル40Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
【0073】
図12は、第2の実施形態の収容カプセル40Aの構成について示した図である。
【0074】
収容カプセル40Aは、円筒形状(円柱形状)の収容部41Aと、収容部41Aの前側(開口部)を覆う蓋43と、収容部41Aの後側(開口部)を覆う蓋42とを有している。そして、図12に示すように、後側の蓋42にはガイドワイヤー接続部70が付けられている。
【0075】
収容部41Aの両端(開口部の外周部分)の外縁部分には、それぞれ蓋42、43と螺合するための螺子切部411、412が形成されている。また、蓋42、43の内周面にも、それぞれ収容部41Aの螺子切部411、412と螺合するための螺子切が形成されている。以上のように、この実施形態では、収容部41Aの両端に、それぞれ蓋42、43が脱着自在に取り付けされた構造となっているものとする。収容部41Aと蓋42、43を脱着自在に取り付けする構造は、上記の螺合に限定されず種々の構造を適用することができる。
【0076】
第2の実施形態の収容カプセル40Aでは、収容部41Aの一方の端(開口部)から検査組立体60の挿入を受けることができる。そして、第2の実施形態では、収容カプセル40A内に検査組立体60を収容した後に、蓋42、43を取り付けることで配管内検査装置10Aを構成(図11の状態)とすることができる。
【0077】
なお、収容カプセル40Aとしては、例えば、既存の気送管を適用するようにしてもよい。気送管は、筒状の容器を管に荷物を入れて、圧縮空気もしくは真空圧を利用して輸送する手段である。
【0078】
(B-2)第2の実施形態の効果
この実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
【0079】
第2の実施形態において、収容カプセル40Aの形状は既存の気送管を適用できるため、検査組立体60の形状と合う気送管が存在すれば、非常に安価に収容カプセル40Aを構成することが可能となる。
【0080】
(C)第3の実施形態
以下、本発明による配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0081】
(C-1)第3の実施形態の構成及び動作
図13は、この実施形態の配管内検査装置10Bの側面図である。図13では、上述の図1と同一部分又は対応部分については、同一符号又は対応符号を付している。
【0082】
第3の実施形態の配管内検査装置10Bでは、収容カプセル40と検査組立体60が、それぞれ収容カプセル40Bと検査組立体60Bに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
【0083】
図14は、第3の実施形態の収容カプセル40Bの構成について示した図である。
【0084】
図14(a)~図14(e)は、それぞれ収容カプセル40Bの上側から見た図、手前側から見た図、下側から見た図、前側から見た図、後側から見た図である。
【0085】
図13図14に示すように、第3の実施形態では、収容カプセル40Bの底面の形状が船と同様の形状となっている点で第1の実施形態と異なっている。図14に示すように、収容カプセル40Bの下面(船型の底面)は略U字型であり、長さ方向の両端(前端及び後端)に向かって次第に幅狭となるテーパ形状となっている。そして、図14に示すように、収容カプセル40Bの前端部分は上側から見て鋭角を形成する形状となっている。さらに、図14に示すように収容カプセル40Bの前側の先端部分は、下側(底面)から上側(上面)に向かって傾斜が増す形状に形成されている。言い換えると、収容カプセル40Bの前端部分はいわゆる「High-chin spoon bow」と同様の思想に基づく形状(船首の形状)に形成されている。
【0086】
そして、収容カプセル40Bでは、検査組立体60Bを収容する収容部41Bも外形に対応する形状となっている。ここでは、図14に示すように、収容部41Bは断面が略U字型(収容カプセル40Bの外形に応じた形状;上側が平面となる釣鐘型)となっているものとする。
【0087】
収容カプセル40Bの上面(収容部41Bの上側の面)には、検査組立体60Bを出し入れ可能な開口部44が設けられている。そして、収容カプセル40Bの上面には、開口部44を覆う(閉じる)蓋45が脱着自在(開閉自在)に取り付けされている。蓋45を開口部44に脱着自在(開閉自在)に取り付ける構造については限定されないものであり種々の構成を適用することができる。
【0088】
この実施形態の検査組立体60Bでは、検査部支持構造50が検査部支持構造50Bに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
【0089】
図15は、第3の実施形態の検査部支持構造50Bの構成について示した図である。
【0090】
図15(a)~図15(e)は、それぞれ検査部支持構造50Bの上側から見た図、手前側から見た図、下側から見た図、前側から見た図、後側から見た図である。
【0091】
検査部支持構造50Bでは、基台部51と検査部支持部52が、基台部51Bと検査部支持部52Bに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。基台部51Bの底面は、収容部41Bの底面(収容カプセル40Bの内側の底部)の形状に接するようなU字型の形状となっている。図15に示すように、検査部支持部52Bの上面は、収容部41Bの上面に応じた平面となっている。
【0092】
図16は、この実施形態の配管内検査装置10Bを下水管T内に流した状態について示した図である。
【0093】
図16に示すように、配管内検査装置10Bは、下水(流体)が流れる下水管Tの中に配置することにより、下水の流れに乗って配管内を移動する。図16では、下水管T内において、水面WL(水嵩)は浅く、配管内検査装置10Bの進路上に汚泥Zが存在する状態について示している。このように下水管T内は、配管内検査装置10Bの進行方向Xへの移動を妨げる汚泥が存在する場合がある。しかしながら、配管内検査装置10Bの収容カプセル40Bの底面は船の船首と同様に水面WLに対する抵抗を減らす形状(例えば、先端部分が鋭角となる形状)となってる。これにより、第3の実施形態の配管内検査装置10Bでは、汚泥Z等による進行方向Xへの移動の阻害を抑制することができる。
【0094】
(C-3)第3の実施形態の効果
この実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏することができる。
【0095】
第3の実施形態の配管内検査装置10Bでは、収容カプセル40Bの底面が水面WLに対する抵抗を減らす形状となっているため、汚泥Z等による進行方向Xへの移動の阻害を抑制することができる。
【0096】
(D)第4の実施形態
以下、本発明による配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルの第4の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0097】
(D-1)第4の実施形態の構成
図17は、この実施形態の配管内検査装置10Cの側面図である。図17では、上述の図1と同一部分又は対応部分については、同一符号又は対応符号を付している。
【0098】
第4の実施形態の配管内検査装置10Cでは、収容カプセル40が収容カプセル40C置き換わっており、収容カプセル40Cの後端に、推進部100が付けられている点で第1の実施形態と異なっている。推進部100は、下水(流体)内でスクリュー102が回転することにより、配管内検査装置10C(収容カプセル40C)を進行方向Xに付勢させる推進力を発生させる手段(付勢手段、推進手段)である。推進部100は、モータ101と、モータ101の駆動力により回転するスクリュー102とを有している。推進部100としては、例えば、種々の小型水中モータを適用することができる。
【0099】
図18は、この実施形態の配管内検査装置10Cを下水管T内に流した状態について示した図である。
【0100】
図18に示すように、配管内検査装置10Cは、下水(流体)が流れる下水管Tの中に配置することにより、下水の流れに乗って配管内を移動することができる。図18では、下水管T内において、配管内検査装置10Cの進路上に汚泥Zが存在する状態について示している。しかしながら、配管内検査装置10Cには、推進部100により進行方向Xへの推進力(付勢力)が働くため、配管内検査装置10C(収容カプセル40C)の前端により汚泥Zを掻き分ける(掻き分ける)ことを促す。言い換えると、配管内検査装置10Cでは、推進部100の推進力(付勢力)により、汚泥Zによる進行方向Xへの移動の阻害を抑制することができる。
【0101】
図19図20は、第4の実施形態の収容カプセル40Cの構成について示した図である。
【0102】
図19(a)~図19(e)は、それぞれ収容カプセル40Cの上側から見た図、手前側から見た図、下側から見た図、前側から見た図、後側から見た図である。
【0103】
図17図19に示すように、第4の実施形態では、収容カプセル40Cの後側に後端に向かって次第に径が小さくなる(狭まる)テーパ部46が形成されている。推進部100は、テーパ部46の先端(後端)につけられている。
【0104】
ただし、第4の実施形態の収容カプセル40Cにおいて、収容部41Cの形状自体は第1の実施形態と同様の筒形状(円筒形状)となる。したがって、ここでは、第1の実施形態と同様の形状の検査組立体60が適用できるものとして説明する。
【0105】
そして、収容カプセル40C(収容部41C)の後側には検査組立体60を出し入れ可能な開口部分が設けられており、当該開口部分には蓋47が脱着可能に取り付けされている。そして、蓋47にはガイドワイヤー接続部70が付けられている。
【0106】
図20に示すように、収容部41Cでは、後端の外縁部分(開口部の外縁部分)には、蓋47と螺合するための螺子切部413が形成されている。また、蓋47の内周面にも、収容部41Cの螺子切部413と螺合するための螺子切が形成されている。以上のように、この実施形態では、収容部41Cと蓋47とは脱着自在に取り付け可能な構造となっているものとする。収容部41Cと蓋47を脱着自在に連結(接続)する構造は、上記の螺合に限定されず種々の構造を適用することができる。
【0107】
なお、第4の実施形態において、収容カプセル40Cを図21に示す収容カプセル40Dに置き換えるようにしてもよい。
【0108】
収容カプセル40Cでは、後端部分だけでなく、前端部分もテーパ形状に形成されている。例えば、図21に示す収容カプセル40Dでは、後側だけでなく、前側にも前端に向かって次第に径が小さくなる(狭まる)テーパ部48が形成されている。図21に示す収容カプセル40Dでは、テーパ部48の最先端部分49(最も前端の部分)は鋭角を成すように形成されている。収容カプセル40Cでは、前側にもテーパ部48を形成することにより、進行方向Xに存在する汚泥Zの抵抗を抑制する(汚泥Zを掻き分けることを促す)ことができる。
【0109】
(D-2)第4の実施形態の効果
この実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
【0110】
第4の実施形態の配管内検査装置10Cでは、推進部100の推進力(付勢力)により、汚泥Zによる進行方向Xへの移動の阻害を抑制することができる。
【0111】
(E)第5の実施形態
以下、本発明による配管内検査装置、検査組立体、検査部支持構造、及び収容カプセルの第5の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0112】
(E-1)第5の実施形態の構成及び動作
図22は、この実施形態の配管内検査装置10Eの側面図である。図22では、上述の図1と同一部分又は対応部分については、同一符号又は対応符号を付している。
【0113】
第4の実施形態の配管内検査装置10Eでは、収容カプセル40が収容カプセル40E置き換わっている。収容カプセル40Eでは、後端に推進部100が付けられている点で第1の実施形態と異なっている。推進部100は、下水内でスクリュー102が回転することにより、配管内検査装置10C(収容カプセル40C)を進行方向Xに付勢させる推進力を発生させる手段(付勢手段、推進手段)である。推進部100は、モータ101と、モータ101により回転するスクリュー102とを有している。
【0114】
第5の実施形態では、周囲の空気を取り込んで圧縮した圧縮空気を放出するポンプ装置130が、チューブ120に接続されている。そして、チューブ120は、後端から収容カプセル40Eの内部に挿入され、収容カプセル40Eの前端(先端)に設けられた吹出口410(開口部)に接続されている。すなわち、第5の実施形態では、ポンプ装置130から放出される圧縮空気は、チューブ120を介して収容カプセル40Eの前端の吹出口410(開口部)から放出されることになる。
【0115】
図23は、収容カプセル40Eの斜視図である。
【0116】
図23に示すように蓋42Eには、チューブ120を貫通させるための孔421が設けられている。すなわち、ポンプ装置130から延在するチューブ120は、蓋42Eの孔421を経て、収容カプセル40E内部に挿入されている。
【0117】
上述の通り、下水管T内には、配管内検査装置10Eの進行方向Xへの移動を妨げる汚泥が存在する場合がある。しかしながら、配管内検査装置10Eでは、前端の吹出口410(開口部)から圧縮空気(ポンプ装置130から放出される圧縮空気)が放出されることになる。これにより、この実施形態の配管内検査装置10Eでは、前端の吹出口410(開口部)から放出される圧縮空気により、進行方向Xに存在する汚泥Zを掻き分ける(掻き分ける)ことを促す。
【0118】
(E-2)第5の実施形態の効果
この実施形態によれば、第1の実施形態の場合に加えて以下のような効果を奏することができる。
【0119】
言い換えると、配管内検査装置10Eでは、前端の吹出口410(開口部)から放出される圧縮空気により、汚泥Zによる進行方向Xへの移動の阻害を抑制することができる。また、配管内検査装置10Eでは、推進部100の推進力(付勢力)により、前端から圧縮空気が放出されることによる反動を抑制して、新工法方向Xへの移動を促すことができる。
【0120】
(F)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0121】
(F-1)上記の各実施形態において、配管内検査装置には、下水管内を照明する照明手段としてLEDライト32が付けられた検査器具30が搭載されているが、照明手段の構成は限定されず種々の構成を適用することができる。例えば、収容カプセルの周囲又は内面にLEDテープライトが等間隔に配置されたLEDテープを取り付けるようにしてもよい。
【0122】
図24は、第1の変形実施例に係る配管内検査装置10F(第1の変形実施例)の構成について示した図である。
【0123】
図24は、第1の実施形態の配管内検査装置10から検査器具30を除外すると共に、収容カプセル40の外周面にLEDライト141が等間隔に形成されたLEDテープライト140を複数本(図24では3本)巻き付けた構成(配管内検査装置10F)について図示している。図24において、て、全天球カメラ20(下面の螺子穴23)は、検査部支持構造50の検査部支持部52(支持螺子53)に直接接続(螺合)した状態となっている。LEDテープライト140は、既存のもの(防水性能を備えるものが望ましい)を適用することができる。なお、図24においては、LEDテープライト140の電源については図示を省略しているが、収容カプセル40内又は検査部支持部52内に、LEDテープライト140に電力供給するバッテリーを搭載するようにしてもよい。なお、図24では、照明手段としてLEDテープライト140を備える構成について説明したが、他の照明装置(例えば、単体のLEDライトを複数取り付ける構成)に置き換えるようにしてもよい。また、第2~第4の実施形態の配管内検査装置10B、10C、10Dにおいても同様に、LEDテープライト140を照明手段として備えるようにしてもよい。
【0124】
(F-2)第1~第3の実施形態の配管内検査装置10、10B、10Cにおいて、第4の実施形態と同様に、収容カプセル40、40B、40Cの後端部分に推進部100を取り付けるようにしてもよい。また、第4の実施形態の配管内検査装置10D、10Eにおいて、収容カプセル40D、40Eから推進部100を除外するようにしてもよい。
【0125】
(F-3)上記の各実施形態において、収容カプセルにはガイドワイヤー接続部70が設けられているが、ガイドワイヤー80を必要としない場合には、収容カプセルからガイドワイヤー接続部70を除外するようにしてもよい。
【0126】
(F-4)第1の実施形態の配管内検査装置において、下水管T内で、配管内検査装置10(全天球カメラ20)の姿勢を安定させるためには、配管内検査装置10の重心が一部(例えば、下側)に偏っていることが望ましい。例えば、検査部支持構造50の基台部51の内部を錘収容部として構成して、内部に適宜錘を配設することで、配管内検査装置10の重心位置を調整するようにしてもよい。
【0127】
図25は、第2の変形実施例に係る配管内検査装置10G(第2の変形実施例)の構成について示した図である。
【0128】
配管内検査装置10Gでは、検査部支持構造50が、検査部支持構造50Gに置き換えられている点で第1の実施形態と異なっている。
【0129】
図26は、第2の変形実施例に係る検査部支持構造50Gの構成について示した図である。
【0130】
図26(a)は検査部支持構造50Gの正面図であり、図26(b)は検査部支持構造50Gの側面図(右側面図)である。図26(c)は、図26(b)のA-A線拡大断面図である。
【0131】
検査部支持構造50Gでは、基台部51が基台部51Gに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。検査部支持構造50Gでは、基台部51Gを中空の構造とし、内部に錘WTを収容するための錘収容部511が設けられている。
【0132】
図26(d)は、錘WTの構成例(形状の例)について示した図である。
【0133】
検査部支持構造50Gでは、基台部51Gの錘収容部511内部に、1又は複数の錘WTを配設することで、配管内検査装置10の重心や喫水を調整可能とするようにしてもよい。
【0134】
錘収容部511に収容する錘の材料は形状は限定されないものであるが、比重の大きく低コストな金属(例えば、鉛を含む合金)であることが望ましい。錘WTの形状については、例えば、図26(d)に示すような、錘収容部511の長さ方向(長手方向)の長さと略一致する棒形状としてもよい。図26(d)に示す錘WTは、断面が円形の棒形状となっている。錘WTの形状(断面の形状や長さ)は限定されないものである。例えば、錘WTの断面は多角形(例えば、四角形、五角形、六角形、八角形等)や楕円形としてもよい。錘WTを、錘収容部511の長さ方向(長手方向)の長さと略一致する棒形状とすることで、検査部支持構造50Gにおける長さ方向の重心の偏りを低減することができる。
【0135】
図26(a)に示すように、基台部51Gの正面には、錘収容部511の錘WTを出し入れするための開口部512が設けられている。そして、開口部512には、脱着自在に蓋513が取り付けされている。開口部512の位置・形状や、開口部512に蓋513を取り付けする構造については限定されないものであり、種々の構造(例えば、螺子や爪等を用いて脱着自在とする構造)を適用することができる。
【0136】
ここでは、図26(c)に示すように、錘収容部511の底部を基台部51Gの底面と対応するU字型とした場合、錘収容部511内の錘WTは重力(自重)により錘収容部511の底部に位置に集まることになる。これにより、検査部支持構造50Gの重心(すなわち、配管内検査装置10G全体の重心)を基台部51G側(錘収容部511側;下側)に調整することができる。これにより、配管内検査装置10Gでは、全体の姿勢を安定させることができる。
【0137】
また、検査部支持構造50Gでは、基台部51G(錘収容部511)に収容する錘WTの数(錘の量)により、配管内における配管内検査装置10の喫水(喫水線)の寸法(幅)を調整し、安定的に配管内検査装置10が流すことが可能となる。例えば、下水管T内において、水面WLが高い(深い)場合には、基台部51G(錘収容部511)に収容する錘の量を増やすことで喫水の寸法を長く(大きく)し、水面WLが低い(浅い)場合には、基台部51(錘収容部)に収容する錘の量を減らして喫水の寸法を短く(小さく)するようにしてもよい。
【0138】
なお、第2~第5の実施形態の検査部支持構造50A,50B、50C、50Dにおいても、同様に基台部に錘収容部を設けて錘を収容する構造としてもよい。
【0139】
(F-5)上記の各実施形態において、自装置の位置情報を取得する手段(以下、「位置情報取得手段」と呼ぶ)及び、外部と通信(無線又は有線通信)する手段(以下、「通信手段」と呼ぶ)を備えるようにしてもよい。
【0140】
図27は、第2の変形実施例に係る配管内検査装置10H(第3の変形実施例)の構成について示した図である。
【0141】
配管内検査装置10Hでは、検査部支持構造50が、検査部支持構造50Hに置き換えられている点で第1の実施形態と異なっている。
【0142】
図27に示す検査部支持構造50Hは、第1の実施形態の検査部支持構造50の検査部支持部52内に、位置情報取得手段150と通信手段160が追加された構成となっている。
【0143】
位置情報取得手段150が位置情報を取得する方式については限定されないものである。位置情報取得手段150としては、例えば、外部(例えば、図示しないGPS衛星や無線ビーコン)から受信する電波に基づく位置情報取得する手段を適用するようにしてもよい。
【0144】
通信手段160としては、例えば、無線通信インタフェース(例えば、無線LAN等のインタフェース)を備えるコンピュータ(例えば、無線インタフェースを備えるマイクロコンピュータ等)を適用するようにしてもよい。
【0145】
例えば、通信手段160が、位置情報取得手段150が取得した位置情報や全天球カメラ20で取得した画像データ(動画データ)をリアルタイムに外部(例えば、外部の端末やサーバ)に送信することで、配管内の位置と画像データを紐づけたデータを出力するようにしてもよい。なお、検査部支持構造50Hにおいて、通信手段160を、データ記録機能を備えたコンピュータに置き換えることで、配管内の位置と画像データを紐づけたデータを記録するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0146】
10…配管内検査装置、20…全天球カメラ、21…レンズ、22…レンズ、23…螺子穴、30…検査器具、31…カメラ収容、32…LEDライト、33…螺子穴、40…収容カプセル、41…収容部、411…螺子切部、42…蓋、50…検査部支持構造、51…基台部、52…検査部支持部、53…支持螺子、60…検査組立体、70…ガイドワイヤー接続部、80…ガイドワイヤー、90…リール機構。
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