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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045800
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】マスクケース
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220314BHJP
   A62B 25/00 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151584
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】516227238
【氏名又は名称】株式会社イオンライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】町田 潤次
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185CC77
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、新規な構成を有する折り畳み可能でコンパクトなマスクケースを提供することである。
【解決手段】マスクケースは、マスクの第1面に接し、第1方向に曲げて開閉可能なシート本体と、開状態のシート本体との間に差し込まれるマスクの第2面に接し、シート本体と共に第1方向に曲げて開閉可能な押さえシートと、を備える。前記押さえシートにおいて、第1折り目部よりも押さえシートの先端側に位置する第1角片が、第1折り目部を境にシート本体から離れる側に折られる。第2折り目部よりも押さえシートの先端側に位置する第2角片が、第2折り目部を境にシート本体から離れる側に折られる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの第1面に接し、第1方向に曲げて開閉可能なシート本体と、
前記シート本体の開状態時に前記第1方向と直交する第2方向に回動可能に前記シート本体に接続し、開状態の前記シート本体との間に差し込まれる前記マスクの第2面に接し、前記シート本体と共に前記第1方向に曲げて開閉可能な押さえシートと、を備え、
前記押さえシートにおいて、
前記第1方向の一端側、かつ前記押さえシートの基端側から前記、第1方向の中央部側、かつ前記押さえシートの先端側に向かう第1折り目部よりも前記押さえシートの先端側に位置する第1角片が、前記第1折り目部を境に前記シート本体から離れる側に折られ、
前記第1方向の他端側、かつ前記押さえシートの基端側から、前記第1方向の中央部側、かつ前記押さえシートの先端側に向かう第2折り目部よりも前記押さえシートの先端側に位置する第2角片が、前記第2折り目部を境に前記シート本体から離れる側に折られるマスクケース。
【請求項2】
請求項1に記載のマスクケースにおいて、
前記第1角片の前記第1方向の一端側には、前記マスクの耳掛けの一方を保持するための第1切り欠き部が前記第2方向に離れて一対あり、
前記第2角片の前記第1方向の他端側には、前記マスクの耳掛けの他方を保持するための第2切り欠き部が前記第2方向に離れて一対あるマスクケース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートには、前記第1角片と前記第2角片の接続部の基端から前記第2方向に沿って前記押さえシートの基端に至るスリットがあり、
前記第1角片の前記第1方向の他端側の端部と、前記第2角片の前記第1方向の一端側の端部とは、積層された部位にて接合されるマスクケース。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の第3折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であるマスクケース。
【請求項5】
請求項2に記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の第3折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であり、
前記シート本体は、前記押さえシートよりも前記第2方向に長く、
前記シート本体の前記第1方向の両側において前記第2方向の先端側には、それぞれ第1留め具があり、前記両第1留め具は着脱可能であり、
前記シート本体の前記第1方向の両側において、前記第2方向における前記第1切り欠き部の間の位置と前記第2切り欠き部の間の位置とに対応する位置には、それぞれ第2留め具があり、前記両第2留め具は着脱可能であるマスクケース。
【請求項6】
マスクの第1面に接し、第1方向に曲げて開閉可能なシート本体と、
前記シート本体の開状態時に前記第1方向と直交する第2方向に回動可能に前記シート本体に接続し、開状態の前記シート本体との間に差し込まれる前記マスクの第2面に接し、前記シート本体と共に前記第1方向に曲げて開閉可能であり、前記第1方向の一方側には、前記マスクの両端にある耳掛けのうちの一方を保持するための第1切り欠き部があり、前記第1方向の他方側には、前記マスクの耳掛けの他方を保持するための第2切り欠き部がある押さえシートと、を備え、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であり、前記シート本体を前記第1方向に開くことで前記シート本体から離れる方向に立ち上がるマスクケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクケースに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が世界中で流行し、マスクが日常的に携帯されるようになってきている。そこで、マスクを衛生的に携帯できる折り畳み可能でコンパクトなマスクケースが開発されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-11035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
折り畳み可能なマスクケースの開発は、近年始まったばかりであり、新規な構成が求められている。
【0005】
本発明の目的は、新規な構成を有する折り畳み可能でコンパクトなマスクケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)マスクの第1面に接し、第1方向に曲げて開閉可能なシート本体と、
前記シート本体の開状態時に前記第1方向と直交する第2方向に回動可能に前記シート本体に接続し、開状態の前記シート本体との間に差し込まれる前記マスクの第2面に接し、前記シート本体と共に前記第1方向に曲げて開閉可能な押さえシートと、を備え、
前記押さえシートにおいて、
前記第1方向の一端側、かつ前記押さえシートの基端側から前記、第1方向の中央部側、かつ前記押さえシートの先端側に向かう第1折り目部よりも前記押さえシートの先端側に位置する第1角片が、前記第1折り目部を境に前記シート本体から離れる側に折られ、
前記第1方向の他端側、かつ前記押さえシートの基端側から、前記第1方向の中央部側、かつ前記押さえシートの先端側に向かう第2折り目部よりも前記押さえシートの先端側に位置する第2角片が、前記第2折り目部を境に前記シート本体から離れる側に折られるマスクケース。
(2)(1)に記載のマスクケースにおいて、
前記第1角片の前記第1方向の一端側には、前記マスクの耳掛けの一方を保持するための第1切り欠き部が前記第2方向に離れて一対あり、
前記第2角片の前記第1方向の他端側には、前記マスクの耳掛けの他方を保持するための第2切り欠き部が前記第2方向に離れて一対あるマスクケース。
(3)(1)または(2)に記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートには、前記第1角片と前記第2角片の接続部の基端から前記第2方向に沿って前記押さえシートの基端に至るスリットがあり、
前記第1角片の前記第1方向の他端側の端部と、前記第2角片の前記第1方向の一端側の端部とは、積層された部位にて接合されるマスクケース。
(4)(1)から(3)のいずれか一つに記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の第3折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であるマスクケース。
(5)(2)に記載のマスクケースにおいて、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の第3折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であり、
前記シート本体は、前記押さえシートよりも前記第2方向に長く、
前記シート本体の前記第1方向の両側において前記第2方向の先端側には、それぞれ第1留め具があり、前記両第1留め具は着脱可能であり、
前記シート本体の前記第1方向の両側において、前記第2方向における前記第1切り欠き部の間の位置と前記第2切り欠き部の間の位置とに対応する位置には、それぞれ第2留め具があり、前記両第2留め具は着脱可能であるマスクケース。
(6)マスクの第1面に接し、第1方向に曲げて開閉可能なシート本体と、
前記シート本体の開状態時に前記第1方向と直交する第2方向に回動可能に前記シート本体に接続し、開状態の前記シート本体との間に差し込まれる前記マスクの第2面に接し、前記シート本体と共に前記第1方向に曲げて開閉可能であり、前記第1方向の一方側には、前記マスクの両端にある耳掛けのうちの一方を保持するための第1切り欠き部があり、前記第1方向の他方側には、前記マスクの耳掛けの他方を保持するための第2切り欠き部がある押さえシートと、を備え、
前記押さえシートは、前記シート本体の前記第2方向の一方の端の折り目部を境に折られることで前記シート本体に対して回動可能であり、前記シート本体を前記第1方向に開くことで前記シート本体から離れる方向に立ち上がるマスクケース。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】マスクケースを組み立てるための打抜き体の平面図である。
図2】打抜き体において押さえシートを折り返した状態を示す斜視図である。
図3】開いた状態のマスクケースを示す斜視図である。
図4】マスクをマスクケースに差し込む様子を示す図である。
図5】マスクを差し込んだ状態のマスクケースを示す図である。
図6】マスクの耳掛けをマスクケースに保持させた状態を示す図である。
図7】マスクケースを折り畳む様子を示す図である。
図8】マスクを収容した状態で閉じられたマスクケースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(打抜き体1Aの構成)
図1は、マスクケース1(図3)を組み立てるための打抜き体1Aの平面図である。まず、打抜き体1Aの構成を説明する。
【0009】
打抜き体1Aは、シートを抜型で打ち抜いたものに第1留め具23および第2留め具24を取り付けたものである。打抜き体1Aの材質は、紙等、適宜でよく、実施形態では有色または無色の熱可塑性の樹脂であるものとする。
【0010】
打抜き体1Aは、シート本体2と、押さえシート3とを備える。
【0011】
(シート本体2の構成)
シート本体2は、図1の左右方向であるX方向(第1方向)に長い矩形状である。図1の右側を+X方向とし、図1の左側を-X方向と記載する。シート本体2のX方向の中央には、図1の上下方向であるY方向(第2方向)に延びる折り目部21がある。Y方向は、X方向に直交する。図1の上側を+Y方向とし、図1の下側を-Y方向と記載する。
【0012】
折り目部21は、X方向に僅かな間隔T1、実施形態では6mmの間隔T1を空けて並ぶ折り目211の間の領域を含む。折り目211は、スジ押しされた折り目スジであってもよい。折り目部21は、一本の折り目のみを含んで構成されてもよい。以下の折り目部31、34、35も、間隔をあけて並ぶ複数の折り目およびそれらの間の領域を含んで構成されてもよいし、一本のみの折り目を含んで構成されてもよい。
【0013】
シート本体2のX方向中央、かつ-Y方向の端部には、孔22がある。折り目部21は、シート本体2の+Y方向端から孔22に至る。孔22は、適宜の形状でよく、実施形態では円状である。孔22は、直径が折り目部21の幅T1および後述する各幅T2、T3よりも大きい。
【0014】
シート本体2の-Y方向の端部は、X方向に延びる折り目部31(第3折り目部)を介して押さえシート3と接続する。折り目部31は、Y方向に僅かな間隔T2、実施形態では3mmの間隔T2を空けて並ぶ折り目311の間の領域を含む。折り目部31のX方向の中央に孔22がある。
【0015】
(押さえシート3の構成)
押さえシート3は、折り目部31を境にシート本体2側に折り返され、Y方向に回動可能な状態とされる。従って、以下、図1の状態における押さえシート3の+Y方向側を基端側と記載し、-Y方向側を先端側と記載する場合がある。
【0016】
押さえシート3は、絞り部32と、X方向に長い略矩形状の押さえシート本体33とを備える。
【0017】
絞り部32は、押さえシート3の+Y方向側の部位であり、-Y方向に進むにしたがってX方向の長さが短くなる。これにより、押さえシート本体33のX方向の長さを、シート本体2よりも実施形態では15%程短くし、マスク9の耳掛け91を押さえシート3に保持させた際に、耳掛け91がシート本体2からはみ出ないようにしている。絞り部32は、押さえシート3のY方向の長さのうち、実施形態では17%程であり、Y方向に短く形成されている。
【0018】
押さえシート3には、折り目部34、35と、スリット36とがある。
【0019】
折り目部34(第1折り目部)は、折り目部31の-X方向端が基端となる。折り目部34は、-X方向側(X方向の一端側)、かつ押さえシート3の基端側(+Y方向側)から、X方向の中央部側、かつ押さえシート3の先端側(-Y方向側)に直線状に向かう。折り目部34は、折り目スジである。
【0020】
折り目部35(第2折り目部)は、折り目部31の+X方向端が基端となる。折り目部35は、+X方向側(X方向の他端側)、かつ押さえシート3の基端側から、X方向の中央部側、かつ押さえシート3の先端側に直線状に向かう。折り目部35は、折り目スジである。
【0021】
折り目部34、35は、X方向に対して同一の傾斜角度であり、押さえシート3の先端側、かつX方向の中央部でつながる。折り目部34、35が繋がる点を頂点Pと記載する。スリット36は、孔22からY方向に直線状に延び頂点Pに至る。スリット36の幅T3は、実施形態では4mmである。
【0022】
頂点Pからは、+X方向に傾斜し、押さえシート3の先端縁に至る切込み37が直線状に延びる。頂点Pからは、-X方向に傾斜し、押さえシート3の先端縁に至る折り目部371が直線状に延びる。折り目部361は、Y軸に対して切込み37と線対称である。
【0023】
押さえシート3において、折り目部34よりも先端側、かつ切込み37よりも-X方向側に位置する部位から第1角片41が形成され、折り目部35よりも先端側、かつ切込み37よりも+X方向側に位置する部位から第2角片42が形成される。押さえシートにおいて、折り目部34、35よりも基端側の部位から押さえ片43が形成される。
【0024】
第1角片41の-X方向の端側には、マスク9の耳掛け91の一方を保持するための第1切り欠き部411、412がY方向に離れて一対ある。第1切り欠き部411は、絞り部32とシート本体33との境界にある。第1切り欠き部411は、第1角片41の-X方向の端縁から+Y方向に延び、耳掛け91が通されるスリット411Aと、スリット411Aの+Y方向の先端部にあり、耳掛け91が嵌められる円状の孔部411Bとを備える。孔部411Bは、耳掛け91の断面形状よりも僅かに大きな孔であり、適宜の形状を取りえる。スリット411Aは、+Y方向側に進むに従ってY方向の幅が狭くなり、孔部411Bとの接続箇所の幅は孔部411BのY方向の最大幅よりも小さい。これにより、耳掛け91を孔部411Bでがたつくことなく保持できるとともに、耳掛け91が孔部411Bからスリット411A側に抜けることを抑制できる。第1切り欠き部412および後述する第2切り欠き部421、422の形状は、第1切り欠き部411と同様であるため、それらの形状の詳細な説明は省略する。第1角片41の-X方向の端において、第1切り欠き部411、412の間には、押さえシート3を折り返した際に第2留め具24を露出させるための半円状の切り欠き部413がある。
【0025】
第2角片42の+X方向の端側には、マスク9の耳掛け91の他方を保持するための第2切り欠き部421、422がY方向に離れて一対ある。第2切り欠き部421は、絞り部32とシート本体33との境界にある。第2角片42の+X方向の端において、第2切り欠き部421、422の間には、押さえシート3を折り返した際に第2留め具24を露出させるための半円状の切り欠き部423がある。
【0026】
(第1留め具23および第2留め具24の構成)
シート本体2のX方向の両側においてY方向の先端側(+Y方向側)には、それぞれ第1留め具23がある。両第1留め具23は着脱可能である。シート本体2は、押さえシート3よりもY方向に長く、第1留め具23は、折り返した押さえシート3の先端位置よりも+Y方向に位置する(図7参照)。実施形態のマスクケース1は、鼻部分および顎部分が上下に突出するいわゆる立体型マスクを収容でき、そのためにシート本体2のY方向の寸法が押さえシート2のY方向の寸法よりもかなり大きくなっている。しかし、マスクケース1の収容対象をいわゆる平型およびブリーツ型マスクに限定している場合などには、シート本体2のY方向の寸法は実施形態よりも短くてもよく、これに伴い、第1留め具23は無くてもよい。
【0027】
シート本体2のX方向の両側において、Y方向における第1切り欠き部411、412の間の位置と第2切り欠き部421、422の間の位置とに対応する位置(図7も参照)には、それぞれ第2留め具24がある。両第2留め具24は着脱可能である。第1、第2留め具23、24は、プラホックであるものとするが、いずれも適宜の物を利用でき、磁石、面ファスナー、スナップボタンであってもよい。
【0028】
(マスクケース1の製造方法)
続いて、打抜き体1Aを組み立ててマスクケース1を製造する方法を説明する。なお、以下の図2図6では第1、第2留め具23、24を描いていない。
まず、図1に示す開いた状態の打抜き体1Aから、図2に示すように、押さえシート3を、シート本体2の-Y方向の端(第2方向の一方の端)の折り目部31を境にシート本体2側に折り返す。続いて、第1角片41を、折り目部34を境にシート本体2から離れる側に折る。第2角片42を、折り目部35を境にシート本体2から離れる側に折る。
【0029】
続いて、第1角片41の+X方向側の端部、実施形態では折り目部371よりも+X方向側の部位を含む端部上に、第2角片42の-X方向側の端部を重ねる。そして、図3に示すように、積層した両部位を接合する。接合は、実施形態では高周波誘電加熱により行うものとするが、超音波や接着剤、テープ等を利用してもよく、適宜の接合方法を採用できる。以上により、マスクケース1を製造できる。
【0030】
実施形態では、1枚の打抜き体1Aからマスクケース1を製造できるので、組立工数および材料費を抑えることができる。
【0031】
(マスクケース1の使用方法)
マスクケース1では、スリット36は、第1角片41と第2角片42の接続部の基端からY方向に沿って押さえシート3の基端に至る。シート本体2は、折り目部21を境にX方向に曲げて開閉可能である。押さえシート3は、シート本体2の開状態時にY方向に回動可能にシート本体2に接続する。また、押さえシート3は、スリット36を境にシート本体2と共にX方向に曲げて開閉可能である。
【0032】
以下、マスクケース1の使用方法を説明する。
使用者は、図3に示すように、マスクケース1を開いた状態にする。使用者は、第1、第2角片41、42の一方を持ち上げて押さえシート3をシート本体2から離れた傾斜姿勢等にする。そして、図4、5に示すように、使用者は、マスク9を、長手方向がX方向に沿う姿勢で、押さえシート3とシート本体2との間に差し込む。この際、実施形態では、第1、第2角片41、42がシート本体2から離れるように折られているので掴みやすい。
【0033】
実施形態では、第1角片41の+X方向側の端部と第2角片42の-X方向側の端部とが重ねられて接合されているので、マスクケース1を開くと(シート本体2を平らになるように開くと)、押さえシート3がシート本体3から離れる方向に自動的に立ち上がるとともに、第1角片41および第2角片42が、シート本体2から離れる側に折られた状態に保たれる。
【0034】
実施形態では、押さえシート3が自動的に立ち上がるので、マスク9を押さえシート3とシート本体2との間に差しみやすく、また、マスク9を押さえシート3とシート本体2との間から引き出しやすい。実施形態では、マスク9と接触する押さえシート3の裏面(図3の押さえシート3の紙面奥側の面)を触ることなくマスク9を差し込み可能および引き出し可能であり、衛生的である。
【0035】
また、押さえシート3の基端の折り目部31は、実施形態では、2本の折り目311で2回折られることにより若干の厚みT2(図6参照)を有する。そのため、押さえシート3がシート本体2から若干浮いた状態となるため、押さえシート3とシート本体2との間に隙間が生じる。これにより、実施形態では、押さえシート3とシート本体2との間にマスク9を差し込みやすく、また該間からマスク9を引き出しやすい。
【0036】
マスク9は、本説明では、矩形で長手状であり、長手方向両側にひも状の耳掛け91がU字状に接続するものを例に挙げて説明する。マスク9が押さえシート3とシート本体2との間に差し込まれた状態において、シート本体2は、マスク9の第1面に接し、押さえシート3は、第1面の裏面であるマスク9の第2面に接する。
【0037】
使用者は、図6に示すように、耳掛け91を第1切り欠き部411、412および第2切り欠き部421、422に差し込む。耳掛け91は、押さえシート3上に乗った状態となる。これにより、マスク9を固定できるとともに、耳掛け91とマスク9の本体部とを隔離して衛生的にマスク9をマスクケース1内に収容することが可能となる。
【0038】
続いて、使用者は、図7に示すように、シート本体2および押さえシート3を共にX方向に折り曲げてマスクケース1を2つ折りにする。この際、押さえシート3のX方向の長さがシート本体2よりも短いので、耳掛け91をマスクケース1内に容易に収めることができる。
【0039】
続いて、使用者は、図7、8に示すように、第1留め具23間および第2留め具24間を付着させ、マスクケース1を閉じた状態に留める。以上のように、マスクケース1は、マスク9を収容した状態で折り畳むことができ、コンパクトな状態で携帯することが可能である。
【0040】
マスクケース1からマスク9を取り出す際は、使用者は、マスクケース1を開き、耳掛け91を第1切り欠き部411、412および第2切り欠き部421、422から外す。そして、使用者は、マスク9をシート本体2および押さえシート3の間から引き出すことで、マスク9を取り出すことができる。
【0041】
なお、実施形態では、図8に示すように、折り目部21の間隔T1が、マスクケース1を閉じた際の厚みT1なる。この厚みT1を設けることで、シート本体2の内側に押さえシート3およびマスク9が収まり、シート本体2を円滑に開閉しやすくなっている。
【0042】
(変形例)
本発明は、その特徴から逸脱することなく、実施形態で実施できる。実施形態、変形例、効果は単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施形態および変形例の特徴、構造は、追加でき、また代替の構成を得るために様々な方法で組み合わせることができる。
【0043】
マスクケース1は、長手状で耳掛け91を有するマスク9を収容するものとしたが、適宜の形状のマスク9や、耳掛け91の無いマスク9を収容するのに適した構成となっていてもよい。マスクケース1では、第1切り欠き部411、412および第2切り欠き部421、422は無くてもよいし、X方向に長手状でなくてもよく、例えば円状で口の周りに付着するマスク9を収容する場合などにこのような構成を採用することが好ましい。
【0044】
第1、第2切り欠き部411、412、421、422の形状は、実施形態に限定されず、適宜の形状であってよい。例えば、耳掛け91が本体と一体に帯状に形成されるウレタン製のマスク9を収容対象とするマスクケース1の場合、第1、第2切り欠き部411、412、421、422は、耳掛け91の厚みの分、実施形態よりも太く、長く形成されてもよい。第1、第2切り欠き部411、412、421、422に替えて、耳掛け91を保持する適宜の構造の第1、第2保持部があってもよい。例えば、第1保持部は、第1角片41のX方向中央部側に設けられ、X方向中央部側から耳掛け91を差し込み可能なフックであってもよく、耳掛け91が張った状態で引っ掛けられてもよい。この場合、第1角片41の-X方向の端縁には、耳掛け91が通されて耳掛け91を案内するV字状や凹状の一対の溝が第1切り欠き部411、412に替えて設けられてもよい。第2保持部も同様である。
【0045】
シート本体2は矩形状でなくてもよく、キャラクター等の外郭形状に沿った部位を有する適宜の形状であってもよい。押さえシート3も同様であり、適宜の絵の外郭形状を有していてもよい。また、押さえシート3は、シート本体2の適宜の位置で基端側が回動可能に接続されていればよく、シート本体2のY方向の端に接続されていなくてもよい。
【0046】
押さえシート3は、マスクケース1を開くことで自動的に立ち上がることが好ましく、そのための構成として、実施形態で説明したもの以外の構成を備えていてもよく、例えば第1、第2折り目部34,35を有さない構成を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…マスクケース、2…シート本体、3…押さえシート、9…マスク、23…第1留め具、24…第2留め具、31…第3折り目部、34…第1折り目部、35…第2折り目部、36…スリット、41…第1角片、42…第2角片、91…耳掛け、411、412…第1切り欠き部、421、422…第2切り欠き部、X…第1方向、Y…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8