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特開2022-45822認証システム、認証方法、認証プログラム及び端末装置
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  • 特開-認証システム、認証方法、認証プログラム及び端末装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045822
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】認証システム、認証方法、認証プログラム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20220314BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20220314BHJP
【FI】
H04L9/00 673D
G06F21/32
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151626
(22)【出願日】2020-09-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松雪 克哉
(72)【発明者】
【氏名】穴澤 誠
(72)【発明者】
【氏名】田口 健一
(72)【発明者】
【氏名】織野 真琴
(72)【発明者】
【氏名】國貞 祐貴
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって簡便に乗車時の認証を行い、個人の生体情報の秘匿も適切に行う。
【解決手段】本発明の認証システムは、車両を予約したユーザの生体情報を、ユーザが車両に乗車する前に取得する車両側の装置と、ユーザに携帯され、取得した生体情報を車両側の装置から受信し、受信した生体情報と、予め自身が記憶しているユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、ユーザが車両に乗車することを許可する旨の指示を車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する端末装置と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する車両側の装置と、
前記ユーザに携帯され、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信し、
前記受信した生体情報と、予め自身が記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する端末装置と、
を備えることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記ユーザが前記生体情報の見本を入力するのを受け付け、
前記車両側の装置は、
前記車両に搭載される生体情報取得装置から、前記ユーザが前記車両に乗車する直前に、前記ユーザの生体情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記生体情報は、
前記ユーザの顔画像であること、
を特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記受信した生体情報が、前記ユーザの生体情報の見本に一致する場合、前記指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
前記受信した生体情報及び前記ユーザの生体情報の見本を同じ画面に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項6】
前記車両側の装置は、
前記ユーザが前記車両に乗車する直前に取得した前記ユーザの生体情報を、当該生体情報を前記端末装置に送信した後に削除すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項7】
車両側の装置が、
前記車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得し、
前記ユーザに携帯される端末装置が、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信し、
前記受信した生体情報と、予め自身が記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信すること、
を特徴とする認証方法。
【請求項8】
車両側の装置に対し、
前記車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する処理を実行させ、
前記ユーザに携帯される端末装置に対して、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信し、
前記受信した生体情報と、予め自身が記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する処理を実行させること、
を特徴とする認証プログラム。
【請求項9】
車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する車両側の装置と通信可能に接続される端末装置であって、
前記ユーザに携帯され、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信し、
前記受信した生体情報と、予め自身が記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信すること、
を特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証システム、認証方法、認証プログラム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、車両に乗車しようとする者がその車両に乗車することを許容されていることをコンピュータが認証する技術が普及している。特許文献1の遠隔車両制御システムは、いわゆるキーレスエントリシステムである。車両の運転者は自身の携帯端末装置に、自身の顔画像を予め記憶しておく。運転者が車両に乗車する直前に、携帯端末装置は運転者の顔画像を撮像する。すると、携帯端末装置は、予め記憶している顔画像と撮像した顔画像とを照合し、両者が一致した場合、車両に対しドアロック解除を要求する。
【0003】
特許文献2の車両用顔画像認証装置は、車載コンピュータである。運転者が携帯するキーは、運転者の顔画像を予め記憶している。当該車両用顔画像認証装置は、キーから顔画像を取得すると、ステアリングに装着されたカメラを介して運転者の顔画像を撮像する。当該車両用顔画像認証装置は、取得した顔画像を撮像した顔画像と照合し、両者が一致した場合、車両のエンジンを始動する。
【0004】
特許文献3の車両開閉体操作装置もまた、車載コンピュータである。運転者が車両から離れているとき、車両に人物が近づくと、当該車両開閉体操作装置は、車載カメラを介してその人物の顔画像を撮像する。当該車両開閉体操作装置は、撮像した顔画像を、運転者が携帯する携帯端末機に送信する。携帯端末機が表示する顔画像が乗車を許容されていることを運転者が確認すると、当該車両開閉体操作装置は、車両のドアのロックを解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-286343号公報
【特許文献2】特開2014-177141号公報
【特許文献3】特開2013-36251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、大規模な宿泊施設のタクシー乗り場には、タクシーが多数集まり、そのタクシーを予約したユーザ(乗客)もまた多数集まる。このような場合、ユーザのそれぞれは、自身が予約したタクシーに間違いなく乗車しなければならい。しかしながら、特許文献1~3の技術は、本来自家用車向けのものであり、仮にタクシー乗り場におけるユーザの認証に応用できる構成を有するとしても、使い勝手が悪い。また、特許文献1~3は、その技術が仮にタクシーに適用される場合の、ユーザの個人情報の秘匿については言及していない。
【0007】
例えば、特許文献1に記されているように、ユーザが乗車直前に自身の携帯端末装置で、自身の顔画像を撮像するのは手間である。特許文献2では、車載コンピュータが顔画像の照合を行うが、照合の具体的な方法及び精度は車両によって区々であり、ユーザにとってはブラックボックス化している。そして、特許文献2の技術は、そもそも運転席に座ることが認証の前提となっているので、乗車するための認証には不向きである。
【0008】
特許文献3の技術は、単に運転者が遠方から人物を視認するためのものであり、表示されている顔画像を所定の場所に記憶されている見本画像と機械的に照合するものではない。結局、その人物の乗車を許容するか否かは、運転者の主観による。
そこで、本発明は、ユーザにとって簡便に乗車時の認証を行い、個人の生体情報の秘匿も適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の認証システムは、車両を予約したユーザの生体情報を、ユーザが車両に乗車する前に取得する車両側の装置と、ユーザに携帯され、取得した生体情報を車両側の装置から受信し、受信した生体情報と、予め自身が記憶しているユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、ユーザが車両に乗車することを許可する旨の指示を車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する端末装置と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザにとって簡便に乗車時の認証を行い、個人の生体情報の秘匿も適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の環境を説明する図である。
図2】認証システムの構成等を説明する図である。
図3】登録処理手順のフローチャートである。
図4】予約処理手順のフローチャートである。
図5】乗車認証処理手順のフローチャートである。
図6】端末装置の出力装置の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、タクシーがそのタクシーを予約したユーザに乗車場所で出会う例である。しかしながら、本発明は、タクシーに限らず、自家用の車両が、任意の人物を任意の場所に迎えに行く例に適用可能である。以降では、専ら“車両”という語が使用されるが、この車両は、有人又は無人(自動運転)のタクシー又は共同利用のカーシェアリングに係る車両を想定している。
【0013】
(本実施形態の環境)
図1は、本実施形態の環境を説明する図である。宿泊施設の道路に面する場所に、乗車場所74が存在する。乗車場所74は、いわゆるタクシー乗り場であり、多くのユーザ71、72及び73がそこに集まり、多くの車両61、62及び63がそこに到着する。個々のユーザは、予め特定の車両を予約している。したがって、乗車場所74においては、車両とユーザとは1対1に関連付けられている。しかしながら、ユーザは、自身に関連付けられている車両を一見して特定するのは難しく、車両もまた、自身に関連付けられているユーザを一見して特定するのは難しい。
【0014】
(認証システムの構成等)
図2は、認証システム5の構成等を説明する図である。認証システム5は、端末装置1、車載装置2(車両側の装置)及び管理装置3を有する。端末装置1は、一般的な携帯式のコンピュータであり、車両のユーザ(乗客)によって携帯される。端末装置1は、中央制御装置11、タッチパネル等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15、通信装置16及び無線通信装置17を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、顔画像見本(詳細後記)を格納している。
【0015】
主記憶装置14における認証部21、予約管理部22及び入出力処理部23は、プログラムである。中央制御装置11は、これらのプログラムを補助記憶装置15から読み出し主記憶装置14にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。端末装置1は、車両のユーザ71等(図1)によって使用される。
【0016】
車載装置2は、一般的な車載式のコンピュータであり、多くの場合、車両のダッシュボード等に搭載される。中央制御装置41、タッチパネル等の入力装置42、ディスプレイ等の出力装置43、主記憶装置44、補助記憶装置45、通信装置46、無線通信装置47及びカメラ48を備える。カメラ48は、例えば車両側方を撮像するサイドミラーに取り付けられている。より一般的には、カメラ48がユーザを撮像することが可能であれば、カメラ48の位置は任意である。カメラ48に代替して、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得装置が車両の後部ドア外側部分に搭載されていてもよい。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置45は、顔画像32(詳細後記)を格納している。車載装置2は、有人の車両の運転者が携帯するコンピュータであってもよい。また、車載装置2は、必ずしも車載される必要はなく、タクシー乗り場等に設置されていてもよい(車両側の装置)。
【0017】
主記憶装置44における入出力処理部24及び撮像処理部25は、プログラムである。中央制御装置41は、これらのプログラムを補助記憶装置45から読み出し主記憶装置44にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。車載装置2は、例えば、車両61等(図1)に搭載されている。
【0018】
管理装置3は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置51、マウス、キーボード等の入力装置52、ディスプレイ等の出力装置53、主記憶装置54、補助記憶装置55及び通信装置56を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置55は、ユーザ情報33(詳細後記)を格納している。
【0019】
主記憶装置54における運行管理部26及びユーザ情報管理部27は、プログラムである。中央制御装置51は、これらのプログラムを補助記憶装置55から読み出し主記憶装置54にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。管理装置3は、例えば、タクシー会社の事務所等に配置されている。
【0020】
端末装置1は、有線又は無線のネットワーク4を介して、車載装置2及び管理装置3と接続され得る。さらに、端末装置1と車載装置2とは、近距離無線通信技術を使用して相互に通信可能である。
【0021】
(顔画像見本、顔画像及びユーザ情報)
顔画像見本31は、ユーザの顔画像の見本である(予め自身が記憶しているユーザの生体情報の見本に相当)。端末装置1は、ユーザの指示に基づき入力装置12としてのカメラ又は外部カメラ(図示せず)を介して、例えば1年に1回、ユーザの顔画像を予め取得し、取得した顔画像を顔画像見本31として補助記憶装置15に記憶しておく。なお、ここでの補助記憶装置15は、ユーザが個人情報の秘匿を適切に行うことができる装置の一例である。車載装置2は、乗車場所74において、カメラ48を介して、ユーザ71等の顔画像を撮像し、撮像した顔画像を顔画像32として補助記憶装置45に記憶する。
【0022】
ユーザの人相、髪型等が変化しない限り、同じ顔画像見本31が補助記憶装置15に保持され、多くの乗車機会に亘り使い回される。一方、顔画像32は、個々の乗車機会ごとに別々のユーザのものが撮像され、乗車機会の後は、通常破棄される。ユーザ情報33とは、ユーザID(Identifier)、パスワード等を含むユーザについての情報であり、管理装置3によって、車両の予約の可否についての認証のために使用される。
【0023】
個々の乗車機会において、端末装置1が顔画像32を車載装置2から受信し、受信した顔画像32を、予め記憶している顔画像見本31と比較することによって、車両への乗車の可否についての認証を行うことが本実施形態の特徴である。なお、指紋、指の毛細血管、瞳の虹彩を含むユーザの生体情報が顔画像32に代替してもよい。この場合、このような生体情報の見本が、顔画像見本31に代替することになる。
【0024】
(処理手順)
以降において処理手順を説明する。処理手順は、3つ存在し、それらは、登録処理手順、予約処理手順及び乗車認証処理手順である。予約処理手順が開始されるためには、登録処理手順が終了していることが前提となっている。乗車認証処理手順が開始されるためには、予約処理手順が終了していることが前提となっている。
【0025】
(登録処理手順)
図3は、登録処理手順のフローチャートである。図3における端末装置1及び管理装置3の長方形は、その装置が、その下部に記された処理の主体となっていることを示す(図4及び図5においても同様)。
ステップS101において、端末装置1の入出力処理部23は、顔画像見本31を受け付ける。具体的には、入出力処理部23は、ユーザが入力装置12(カメラ)又は外部カメラを介して、ユーザの顔画像を入力するのを受け付ける。
ステップS102において、入出力処理部23は、顔画像見本31を記憶する。具体的には、入出力処理部23は、ステップS101において受け付けた顔画像を、顔画像見本31として補助記憶装置15に記憶する。
【0026】
ステップS103において、入出力処理部23は、パスワード等を受け付ける。具体的には、入出力処理部23は、ユーザが入力装置12を介してユーザID及びパスワードを入力するのを受け付ける。
ステップS104において、入出力処理部23は、パスワード等を送信する。具体的には、入出力処理部23は、ステップS103において受け付けたパスワード等を管理装置3に送信する。このとき、個人情報を可能な限り秘匿する必要性から、入出力処理部23は、顔画像見本31を管理装置3に送信(登録)することはない。
【0027】
ステップS105において、管理装置3のユーザ情報管理部27は、パスワード等を受信する。具体的には、ユーザ情報管理部27は、パスワード等を端末装置1から受信する。
ステップS106において、ユーザ情報管理部27は、パスワード等を記憶する。具体的には、ユーザ情報管理部27は、ステップS105において受信したパスワード等を相互に関連付けて、ユーザ情報33として補助記憶装置55に記憶する。
【0028】
(予約処理手順)
図4は、予約処理手順のフローチャートである。
ステップS201において、端末装置1の予約管理部22は、予約情報を送信する。具体的には、第1に、予約管理部22は、ユーザが入力装置12を介して予約情報を入力するのを受け付ける。予約情報は、ユーザID、パスワード、乗車場所、乗車日時、及び、乗車人数を含む。予約情報は、目的地情報を含んでいてもよい。
第2に、予約管理部22は、受け付けた予約情報を管理装置3に送信する。
【0029】
ステップS202において、管理装置3のユーザ情報管理部27は、予約情報を受信する。具体的には、ユーザ情報管理部27は、予約情報を端末装置1から受信する。
ステップS203において、ユーザ情報管理部27は、予約認証を行う。具体的には、ユーザ情報管理部27は、受信した予約情報に含まれるユーザID及びパスワードの組合せが、ユーザ情報33として補助記憶装置55に予め記憶しているものと一致するか否かを確認する。ユーザ情報管理部27は、一致した場合 “成功”を、それ以外の場合“失敗”を生成する。
【0030】
ステップS204において、ユーザ情報管理部27は、予約認証に成功したか否かを判断する。具体的には、ユーザ情報管理部27は、“成功”が生成された場合(ステップS204“Yes”)、ステップS205に進み、“失敗”が生成された場合(ステップS204“No”)、ステップS208に進む。
【0031】
ステップS205において、管理装置3の運行管理部26は、空き車両をさがす。具体的には、運行管理部26は、多くの車両の候補のうち、予約情報に含まれる乗車日時に予約情報に含まれる乗用場所に到着することができ、かつ、予約情報に含まれる予約人数を乗車させることができる空き車両を1台特定することを試みる。さらに、予約情報が目的地情報を含む場合、運行管理部26は、乗車日時に乗用場所に到着し、目的地まで走行することができ、かつ、予約人数を乗車させることができる空き車両を1台特定することを試みる。候補が複数ある場合、最も乗車場所に近い位置に存在する車両を特定する。運行管理部26は、このような車両を特定できない場合もある。管理装置3は、全ての車両の位置、空き/乗車中の状態等を、リアルタイムで取得可能であるとする。
【0032】
ステップS206において、運行管理部26は、空き車両が存在するか否かを判断する。具体的には、運行管理部26は、空き車両を特定することができた場合(ステップS206“Yes”)、ステップS207に進み、それ以外の場合(ステップS206“No”)、ステップS208に進む。
【0033】
ステップS207において、運行管理部26は、配車情報を送信する。具体的には、運行管理部26は、配車情報を車載装置2に送信する。配車情報とは、予約情報及び乗車場所に向かう旨の指示である。ここでの予約情報は、乗車場所、乗車日時、及び、乗車人数を必ず含むが、目的地情報、ユーザID及びパスワードを含まなくてもよい。説明の便宜上、ステップS207の後、予約処理手順は2つのフローに分岐する。
【0034】
ステップS208において、管理装置3のユーザ情報管理部27は、予約結果を送信する。具体的には、ユーザ情報管理部27は、予約結果を端末装置1に送信する。ここでの予約結果は、以下の場合ごとに、その場合に応じた情報を含む。
【0035】
〈ステップS207を経由した場合〉
・車両を特定できる情報(車両ID、プレートナンバ―等)
・“ご指定の日時、場所でお待ちください。”の文言
〈ステップS206“No”を経由した場合〉
・“申し訳ございません。空き車両がございません。”の文言
〈ステップS204“No”を経由した場合〉
・“あなたの認証に失敗しました、ユーザID及びパスワードを再度入力してください。”の文言
説明の便宜上、ステップS207を経由したものとして以下の説明を続ける。
【0036】
ステップS209において、端末装置1の入出力処理部23は、予約結果を受信する。具体的には、入出力処理部23は、予約結果を管理装置3から受信する。
ステップS210において、端末装置1の予約管理部22は、予約結果を記憶する。具体的には、予約管理部22は、予約結果を補助記憶装置15に記憶する。
【0037】
ステップS207から分岐したステップS211において、車載装置2の入出力処理部24は、配車情報を受信する。具体的には、入出力処理部24は、配車情報を管理装置3から受信する。
ステップS212において、入出力処理部24は、配車情報を記憶する。具体的には、入出力処理部24は、配車情報を補助記憶装置45に記憶する。
ステップS210及びS212がいずれも終了した後、予約処理手順を終了する。その後、車両は、乗車場所に向かうことになる。
【0038】
(乗車認証処理手順)
図5は、乗車認証処理手順のフローチャートである。いま、車両が乗車場所74に到着し、ユーザは、自身が予約した車両らしきものと出会ったとする。
ステップS301において、端末装置1の入出力処理部23は、端末装置1の機器情報を送信する。具体的には、入出力処理部23は、近距離無線通信技術を使用して、端末装置1を特定する情報を車載装置2に送信する。
【0039】
ステップS302において、車載装置2の入出力処理部24は、端末装置1の機器情報を受信する。具体的には、入出力処理部24は、端末装置1を特定する情報を端末装置1から受信する。
ステップS303において、車載装置2の入出力処理部24は、車載装置2の機器情報を送信する。具体的には、入出力処理部24は、近距離無線通信技術を使用して、車載装置2を特定する情報を端末装置1に送信する。
【0040】
ステップS304において、端末装置1の入出力処理部23は、車載装置2の機器情報を受信する。具体的には、入出力処理部23は、車載装置2を特定する情報を車載装置2から受信する。
ステップS305において、車載装置2の入出力処理部24は、ペアリングを行う。具体的には、入出力処理部24は、端末装置1を近距離無線通信における通信相手として通信を確立する(ペアリングを行う)。なお、端末装置1の入出力処理部23がステップS305の処理を行ってもよく、車載装置2の入出力処理部24及び端末装置1の入出力処理部23の両者がステップS305の処理を行ってもよい。
【0041】
ステップS306において、車載装置2の入出力処理部24は、ペアリングに成功したか否かを判断する。具体的には、入出力処理部24は、ペアリングに成功した場合(ステップS306“Yes”)、ステップS307に進み、それ以外の場合(ステップS306“No”)、乗車認証処理を終了する。
【0042】
ステップS307において、車載装置2の撮像処理部25は、顔画像を撮像する。具体的には、撮像処理部25は、ユーザが車両に乗車する直前に、カメラ48を介してユーザの顔画像を撮像する。前記したように、カメラ48は、車両側方を撮像するサイドミラーに取り付けられているので、車両の後部ドア付近に存在するユーザを視野に捉えている。このとき、ユーザは、わざわざ自身の顔画像を撮像する必要はない。
ステップS308において、撮像処理部25は、顔画像を送信する。具体的には、撮像処理部25は、近距離無線通信技術を使用して、撮像した顔画像を端末装置1に送信する。撮像処理部25は、顔画像を端末装置1に送信した後の任意の時点において、その顔画像を補助記憶装置45から削除してもよい。
【0043】
ステップS309において、端末装置1の入出力処理部23は、顔画像を受信する。具体的には、第1に、入出力処理部23は、顔画像を車載装置2から受信する。
第2に、入出力処理部23は、予め補助記憶装置15に記憶していた顔画像見本31、及び、ステップS309の“第1”において受信した顔画像32を出力装置13に表示する(図6参照)。
【0044】
図6は、端末装置1の出力装置13の表示例である。図6の右側は、人違い又は端末装置1の盗難等の不正が発生している場合の表示例である。顔画像(受信画像)32は、顔画像見本31と明らかに異なる。図6の左側は、人違いも不正も発生していない場合の表示例である。顔画像(受信画像)32は、顔画像見本31と充分に類似している。左右いずれの場合でも、出力装置13は、顔画像(受信画像)32及び顔画像見本31を同じ画面に表示する。出力装置13は、顔画像に代替して、指紋等の生体情報を表示してもよい。
【0045】
図5に戻り、ステップS310において、端末装置1の認証部21は、乗車認証を行う。具体的には、認証部21は、ステップS309の“第1”において受信した顔画像を、予め補助記憶装置15に記憶されている顔画像見本31と比較する。そして、認証部21は、一致した場合、又は、完全に一致しないまでも誤差が所定の許容範囲内にある場合“乗車を許可します”を生成し、それ以外の場合“乗車を許可しません”を生成し、出力装置13に表示する(図6参照)。
【0046】
ステップS311において、端末装置1の入出力処理部23は、認証結果を送信する。具体的には、入出力処理部23は、認証結果として、“乗車を許可します”又は“乗車を許可しません”を車載装置2に送信する。
ステップS312において、車載装置2の入出力処理部24は、認証結果を受信する。具体的には、入出力処理部24は、認証結果として、“乗車を許可します”又は“乗車を許可しません”を端末装置1から受信する。
【0047】
ステップS313において、車載装置2の入出力処理部24は、乗車認証に成功したか否かを判断する。具体的には、入出力処理部24は、ステップS312において、“乗車を許可します”を受信した場合(ステップS313“Yes”)、ステップS314に進む。入出力処理部24は、“乗車を許可しません”を受信した場合(ステップS313“No”)、乗車認証処理手順を終了する。
【0048】
ステップS314において、車載装置2の入出力処理部24は、ドアの開錠等を行う。具体的には、入出力処理部24は、車両のドアを制御する装置に対して、ドアを開錠する旨の指示を送信する。なお、入出力処理部24は、管理装置3に当該指示を送信してもよい。この場合、ドアを開錠する権限を有する管理装置3が、当該指示を車載装置2に転送してもよい。
【0049】
(変形例)
ステップS313において、入出力処理部24は、“乗車を許可しません”を受信した場合(ステップS313“No”)、ステップS307に戻ってもよい。戻った後のステップS307において、カメラ48が予約したユーザの顔画像を撮像できれば、その後の処理は、ステップS313“Yes”を経由することになる。
【0050】
(本実施形態の効果)
本実施形態の認証システムの効果は以下の通りである。
(1)認証システムは、車両のユーザに対し操作負担を課すことなく、かつ、ユーザが操作する装置以外の装置に生体情報を登録させることなく、車両乗車時の認証を行うことを可能とする。
(2)認証システムは、ユーザが予め入力した生体情報の見本と、乗車の直前に取得された生体情報とを比較することができる。
(3)認証システムは、撮像が容易な顔画像を生体情報として使用することができる。
(4)認証システムは、比較対象の生体情報の一致によって、認証を正確に行うことができる。
(5)認証システムは、ユーザが自身の端末装置の画面上で、認証の可否を知ることを可能にする。
(6)認証システムは、車載装置からユーザの生体情報を削除することができる。
【0051】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 端末装置
2 車載装置(車両側の装置)
3 管理装置
4 ネットワーク
5 認証システム
11、41、51 中央制御装置
12、42、52 入力装置
13、43、53 出力装置
14、44、54 主記憶装置
15、45、55 補助記憶装置
16、46、56 通信装置
17、47 無線通信装置
48 カメラ
21 認証部
22 予約管理部
23、24 入出力処理部
25 撮像処理部
26 運行管理部
27 ユーザ情報管理部
31 顔画像見本
32 顔画像
33 ユーザ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する車両側の装置と、
前記ユーザに携帯される端末装置と、を有し、
前記端末装置は、
前記ユーザの生体情報の見本を撮像したうえで記憶する機能と、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信する機能と
前記受信した生体情報と、前記記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する機能と、
を備えることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記ユーザが前記生体情報の見本を入力するのを受け付け、
前記車両側の装置は、
前記車両に搭載される生体情報取得装置から、前記ユーザが前記車両に乗車する直前に、前記ユーザの生体情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記生体情報は、
前記ユーザの顔画像であること、
を特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記受信した生体情報が、前記ユーザの生体情報の見本に一致する場合、前記指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
前記受信した生体情報及び前記ユーザの生体情報の見本を同じ画面に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項6】
前記車両側の装置は、
前記ユーザが前記車両に乗車する直前に取得した前記ユーザの生体情報を、当該生体情報を前記端末装置に送信した後に削除すること、
を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項7】
車両側の装置が、
前記車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得し、
前記ユーザに携帯される端末装置が、
前記ユーザの生体情報の見本を撮像したうえで記憶する処理と、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信する処理と
前記受信した生体情報と、前記記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する処理と
を実行すること、
を特徴とする認証方法。
【請求項8】
車両側の装置に対し、
前記車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する処理を実行させ、
前記ユーザに携帯される端末装置に対して、
前記ユーザの生体情報の見本を撮像したうえで記憶する処理と、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信する処理と
前記受信した生体情報と、前記記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する処理を実行させること、
を特徴とする認証プログラム。
【請求項9】
車両を予約したユーザの生体情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する前に取得する車両側の装置と通信可能に接続される端末装置であって、
前記ユーザに携帯され、
前記ユーザの生体情報の見本を撮像したうえで記憶する機能と、
前記取得した生体情報を前記車両側の装置から受信する機能と
前記受信した生体情報と、前記記憶している前記ユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、前記ユーザが前記車両に乗車することを許可する旨の指示を前記車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する機能と、
備えることを特徴とする端末装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の認証システムは、車両を予約したユーザの生体情報を、ユーザが車両に乗車する前に取得する車両側の装置と、ユーザに携帯される端末装置と、を有し、端末装置は、ユーザの生体情報の見本を撮像したうえで記憶する機能と、取得した生体情報を車両側の装置から受信する機能と、受信した生体情報と、記憶しているユーザの生体情報の見本とを比較した結果に基づき、ユーザが車両に乗車することを許可する旨の指示を車両側の装置又は許可権限を有する管理装置に送信する機能と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。