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  • 特開-衛生マスク収納ケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045840
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】衛生マスク収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220314BHJP
   A62B 25/00 20060101ALI20220314BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
A45C11/00 T
A62B25/00
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151666
(22)【出願日】2020-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】592015983
【氏名又は名称】株式会社平野屋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】平島 和義
(72)【発明者】
【氏名】相垣 元彦
(72)【発明者】
【氏名】母里 圭太郎
【テーマコード(参考)】
2E185
3B045
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC77
3B045EA02
3B045FC04
3B045IA06
(57)【要約】
【課題】従来の衛生マスク収納ケースは複数の収納部有したものが少なく、また収納部を複数有した形状のものでは必要となる部材が増え作成が複雑となる欠点があった。
【解決手段】この発明は、上側縁開口に開閉自在にマスク出入口を形成したケース本体と、マスク出入口に連続したケース前側壁とケース後側壁とにより形成したケース内収納部と、ケース内収納部においてケース前側壁とケース後側壁との各下端部を折り返して断面山形に形成した区画体と、ケース内収納部においてケース前後壁と区画体とにより形成したケース内の前後区画収納部とより構成した衛生マスク収納ケースに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側縁開口に開閉自在にマスク出入口を形成したケース本体と、
マスク出入口に連続したケース前側壁とケース後側壁とにより形成したケース内収納部と、
ケース内収納部においてケース前側壁とケース後側壁との各下端部を折り返して断面山形に形成した区画体と、
ケース内収納部においてケース前後壁と区画体とにより形成したケース内の前後区画収納部と、よりなる衛星マスク収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納内部を区画分けすることにより様々な使い分けをすることができる衛生マスク収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生マスク収納ケースとしては様々な形状のものが利用されている。例えば、平面視略長方形のシート部材を3つ折りにし、その折畳み内部にマスクを収納するマスクケースや(特許文献1参照)、平面視略長方形のシート部材を2つ折りにしたのち、その折り曲げてできた1辺に隣接した1辺を溶着させ、未溶着の他の2辺を出入口としたマスクケースが開示されている(特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、上記のマスクケースはいずれも収納部分が1つのみであり、複数枚のマスクを持ち歩く際や、外出先で外した場合の一時保管の際に最良な機能を有さなかった。
【0004】
そこで、平面視略長方形のシート部材を2つ折りにし、その内側の2面にそれぞれ収納部を有したマスクケースが開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
収納部を2つとしたことで、そのうち1つを予備マスクの収納部として、もう1つを一時保管用の収納部として用いることができる。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3222103号
【特許文献2】実用新案登録第3158317号
【特許文献3】意匠登録第1573580号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3のマスクケースに形成された2か所の収納部は、それぞれの仕切り壁部材とマスク保持のために複数の押さえ部材とを有しており、部材数が多くなり作成が容易とは云い難い。
【0008】
また、ケース本体を2つ折りにしてマスクを収納するため、マスクを取り出す際に展開しなければならず、急を要する際に取り出しが煩わしいという欠点があった。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、上側縁開口に開閉自在にマスク出入口を形成したケース本体と、マスク出入口に連続したケース前側壁とケース後側壁とにより形成したケース内収納部と、ケース内収納部を断面山形の区画体により前後に分けられた前後区画収納部とすることで上記課題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る衛生マスク収納ケースは、上側縁開口に開閉自在にマスク出入口を形成したケース本体と、マスク出入口に連続したケース前側壁とケース後側壁とにより形成したケース内収納部と、ケース内収納部においてケース前側壁とケース後側壁との各下端部を折り返して断面山形に形成した区画体と、ケース内収納部においてケース前後壁と区画体とにより形成したケース内の前後区画収納部と、より構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ケース内収納部を断面山形に形成した区画体により前区画収納部と後区画収納部とに区画分けしたことで、一方を予備のマスク入れとして使用しもう一方を使用中のマスクの一時保管として使用する場合や、親子や夫婦等でサイズの異なるマスクを同時に同じケースで保管する場合等様々な使い分けを行うことができる効果がある。
【0012】
また、ケース表側面を形成するケース前側壁と、ケース裏側面を形成するケース後側壁と、ケース内収納部を区画分けする区画体と、を一体に溶着形成可能な構成としているため、形成が容易にできる効果がある。
【0013】
また、マスク出入口を上側縁開口に開閉自在に形成することで、マスクを取り出すに際して、取り出しに場所を選ばず、例えば鞄の中に入れたままの状態で容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の衛生マスク収納ケースを示す斜視図である。
図2】本発明の衛生マスク収納ケースを示す平面図である。
図3】本発明の衛生マスク収納ケースを示す側面図である。
図4】本発明の衛生マスク収納ケースを示す断面図である。
図5】本発明の衛生マスク収納ケースにかかる分解状態を示す模式的斜視図である。
図6】本発明の衛生マスク収納ケースにかかる収納区画を示す模式的断面図である。
図7】本発明の衛生マスク収納ケースにかかるマスクを収納した状態を示す模式的断面図である。
図8】本発明の衛生マスク収納ケースにかかるマスクを収納した状態を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の要旨は、衛生マスク収納ケースを、上側縁開口に開閉自在にマスク出入口を形成したケース本体と、マスク出入口に連続したケース前側壁とケース後側壁とにより形成したケース内収納部と、ケース内収納部においてケース前側壁とケース後側壁との各下端部を折り返して断面山形に形成した区画体と、ケース内収納部においてケース前後壁と区画体とにより形成したケース内の前後区画収納部と、より構成したことにある。
【0016】
以下、本発明に係る衛生マスク収納ケースの実施例を図面に基づいて詳説する。
図1図4は、本発明の衛生マスク収納ケースを示す説明図であり、それぞれ斜視図、平面図、側面図、断面図である。図5は、本発明の衛生マスク収納ケースに係る分解状態を示す模式的斜視図である。図6図7及び図8は、本発明の衛生マスク収納ケースの機能を示す説明図である。
【0017】
本発明の衛生マスク収納ケースMは、図1図5に示すように、マスクmを取り出すために上端縁に開閉自在に形成した袋状の衛生マスク収納ケースM本体のマスク出入口1と、出入口1に下方連続して形成した方形状のシート部材からなるケース前側壁2及びケース後側壁2′と、ケース前側壁2とケース後側壁2′との間において方形状のシート部材を二つ折りに上方に折曲させた断面山形の区画体3と、により構成されている。
【0018】
衛生マスク収納ケースMは、前記4つの部材を熱溶着することで形成し、平面視を略長方形状とし側面視を逆Y字状としている。
【0019】
マスク出入口1は図4に示すように、開閉ジッパー11をケース前側壁2及びケース後側壁2′の上縁部に熱溶着することで形成される。
【0020】
開閉ジッパー11は、マスク出入口1を開閉自在とするものであればよく、線ファスナーや面ファスナーを用いてもよいが、収納内を密閉できるジップロック(登録商標)式等が好ましく図面ではこの方式で図示する。
【0021】
ケース前側壁2及びケース後側壁2′は、横幅を同幅とし後側壁2′の方が縦方向にはやや長くなるような長方形状の樹脂製積層フィルムで形成され、片面にシーラント加工がされている。
【0022】
ケース前側壁2及びケース後側壁2′を形成する樹脂製積層フィルムは、例えば、表面の手触りや見た目を良好とするためにマット加工を施したОPフィルム(二軸延伸フィルム)を第一層目とし、第二層目に着色したバイオマスPETフィルム、第三層目にはヒートシール性に優れたLLフィルムとした三層構造等が好ましい。
【0023】
区画体3は図3図5に示すように、長方形状の樹脂フィルムを半分に折り曲げ、側面視逆V字状に形成する。また、折り曲げた外側の面にシーラント加工がされている。
【0024】
区画体3を形成する樹脂フィルムは、例えば、PETフィルムとヒートシール性に優れたLLフィルムとを合わせた積層フィルムが挙げられる。
【0025】
また、区画体3は長手方向をケース前側壁2及びケース後側壁2′と同じ長さに形成し、短手方向を折り曲げた状態でケース前側壁2及びケース後側壁2′に溶着した開閉ジッパー11の位置よりも短くなるように形成する。
【0026】
熱溶着に際しては、ケース前側壁2とケース後側壁2′との間に区画体3を挟み込むようにして行う。
【0027】
この時ケース前側壁、ケース後側壁2′及び区画体3は、それぞれ下端部と左右端部を揃えて熱溶着を行う。
【0028】
そうすることで、ケース前側壁2は下端部及び左右端部の中途部まで区画体3の折り曲げた外側面の片側と熱溶着され、左右端部の上方がケース後側壁2′と熱溶着される。
【0029】
また同様にして、ケース後側壁2′は下端部及び左右端部の中途部まで区画体3の折り曲げた外側面のもう片側と熱溶着され、左右端部の上方がケース前側壁2と熱溶着される。
【0030】
また、ケース後側壁2′の上縁部がケース前側壁2よりも突出した形状とすることで、衛生マスク収納ケースMの開閉をしやすく、また、角部にケース後側壁2′の厚みのみとなることでケース前側壁2と重ねるときよりも比較的柔らかく使用者が怪我を負いにくくする効果がある。
【0031】
また、使用者が怪我を負いにくくする形状として衛生マスク収納ケースMの下部両端の角を丸くすることが好ましい。
【0032】
但し、ケース後側壁2′の上縁部が突出する形状と衛生マスク収納ケースMの下部両端を丸くする形状は必ずしも必要とされるものでなく、必要に応じて形成されるものであってよい。
【0033】
上記の方法で袋状に形成することで図6に示すように、その内部にできた空間をケース内収納部4としてマスクmの収納を行うことができる。
【0034】
また、区画体3はケース内収納部4を断面山形とし、前後に収納部を区画分けしたことで図6に示すように、前後区画収納部5、すなわち前方区画51と後方区画52とに2つの収納部を形成することができる。
【0035】
この前後区画収納部5は、ケース内収納部4を区画分けしたことで、例えば前方区画51に予備のマスクmを収納し、もう片方の後方区画52に食事等で一時的にマスクmを外した際の一時保管に使用することができる。
【0036】
また図7に示すように、親子や夫婦等サイズの異なるマスクmを保管し持ち歩く際にも、前方区画51に大きいサイズを、後方区画52に小さいサイズを保管するといった使用方法も考えられる。
【0037】
衛生マスク収納ケースMは、形成される際その各部材に抗菌機能を持たせることができる。
【0038】
具体的には、銅イオンや銀イオン等を練り込んだ合成樹脂を用いて形成したり、ケース前側壁2ケース後側壁2′及び区画体3の表面に銅イオンや銀イオンをコーティングしたりする方法などがある。
【0039】
また、使用する樹脂フィルム全体の表面に微細な凹凸面を形成するマット加工を施すことも考えられる。
【0040】
マット加工を施すことで、フィルム表面に付着した菌の活動時間を短くすることができる。
【0041】
衛生マスク収納ケースMは、上述したように側面視逆Y字状に形成されているため図8に示すように、ケース前側壁2及びケース後側壁2′の外側面、すなわち使用時に視認できる面に印刷を施した場合でも、区画体3を透明なフィルムもしくは半透明なフィルムで形成することで、ケース前側壁2またはケース後側壁2′の下方を区画体3の折返し部分まで捲ることができ、衛生マスク収納ケースMを開封することなく確認することが可能となる。
【0042】
また、他の実施例として、区画体3を形成する樹脂フィルムを両面にシーラント面を有する積層フィルムとすることができる。
【0043】
より詳しくは、PETフィルムをヒートシール性に優れたLLフィルムで挟むように三層構造としたフィルム等を使用することができる。
【0044】
この場合出来上がる衛生マスク収納ケースMは、衛生マスク収納ケースMの左右端縁部及び下端縁部が完全に溶着し、略長方形の袋状とした衛生マスク収納ケースMのケース内収納部を区画分けする機能のみを有した形状とすることができる。
【0045】
本発明の形成方法により、区画体3は樹脂フィルムを折り曲げ2重の壁により形成することで、単に1枚の樹脂フィルムを区画体として使用する場合よりも強度が増す効果がある。
【0046】
また、このように形成された区画体3では、衛生マスク収納ケースMを開封したときに壁として自立しやすく、前後区画収納部5が形状を維持しやすく取り出しが容易になる効果がある。
【0047】
また、他の実施例として、ケース前側壁2及びケース後側壁2′を側面視略V字状に形成し、略V字状の向き合う辺同士で区画体3を形成する方法や、樹脂フィルムを側面視W字状とし、ケース前側壁2、ケース後側壁2′及び区画体3を一体に形成することもできる。
【0048】
上述したように、本発明の衛生マスク収納ケースは、上端縁に開口部を有する袋状のケース本体とケース本体の略中央底部を上方に折り返してケース本体の前後側壁との間に形成した区画壁とを有したものである。
【0049】
また、上述した各種効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
M 衛生マスク収納ケース
m マスク
1 マスク出入口
11 開閉ジッパー
2 ケース前側壁
2′ ケース後側壁
3 区画体
4 ケース内収納部
5 前後区画収納部
51 前方区画
52 後方区画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8