(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045896
(43)【公開日】2022-03-22
(54)【発明の名称】フィルターメディアの完全性を試験するための方法
(51)【国際特許分類】
B01D 65/10 20060101AFI20220314BHJP
B01D 61/14 20060101ALI20220314BHJP
B01D 69/08 20060101ALI20220314BHJP
B01D 69/06 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B01D65/10
B01D61/14 500
B01D69/08
B01D69/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021119771
(22)【出願日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】20195249
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘスライン, ラルフ
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA02
4D006HA18
4D006HA71
4D006JA02B
4D006JA25A
4D006JA27A
4D006JA63
4D006LA06
4D006MA01
4D006MA04
4D006MC63
4D006PC12
(57)【要約】
【課題】ハウジングに組み込まれた多孔質フィルターメディアのための完全性試験方法を提供すること。
【解決手段】ハウジングは、多孔質フィルターメディアによって上流部分及び下流部分に分離された内部と、上流部分と流体接続している入口と、下流部分と流体接続している出口とを備え、出口は、そこから離れた位置に閉鎖可能な端部を備える濾液導管に接続される。フィルターメディアは、その細孔が湿潤されて液体で満たされた状態で試験される。内部の下流部分及び濾液導管は液体で満たされる。濾液導管の遠くの閉鎖可能な端部は閉じられる。内部の上流部分は、下流部分内の液体を保持した状態で、排液されて試験ガスで満たされる。ガスで満たされた試験容積部は、濾液導管を介して下流部分に流体接続される。所定の試験差圧に対応する上流部分の試験ガスの圧力が発生され、この圧力レベルに維持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側及び下流側を有する多孔質フィルターメディアの完全性を試験するための方法であって、
前記多孔質フィルターメディアがハウジングに組み込まれており、前記ハウジングが、前記多孔質フィルターメディアによって前記フィルターメディアの前記上流側の上流部分と前記フィルターメディアの前記下流側の下流部分とに分離された内部を備え、前記ハウジングが、前記内部の前記上流部分と流体接続している入口と、前記内部の前記下流部分と流体接続している出口とをさらに備え、前記出口が、前記出口から離れた位置に閉鎖可能な端部を備える濾液導管に接続されており、前記多孔質フィルターメディアが、所定のバブルポイントを有し、
前記方法が、
前記フィルターメディアの細孔が湿潤されて液体で満たされた状態の前記多孔質フィルターメディアを用意するステップと、
前記内部の前記下流部分及び前記濾液導管内のガスを追い出すために液体で満たされた、前記ハウジングの前記内部の前記下流部分及び前記濾液導管を用意するステップと、
前記濾液導管の前記遠くの閉鎖可能な端部を閉じるステップと、
前記内部の前記下流部分内の前記液体を保持した状態で、前記内部の前記上流部分を排液し、少なくとも、基本的に前記多孔質フィルターメディアの前記上流側の全体が試験ガスにさらされる程度まで、前記試験ガスで前記上流部分を満たすステップと、
前記液体で満たされた前記濾液導管を介して前記内部の前記下流部分に流体接続された、ガスで満たされた試験容積部を用意するステップと、
前記内部の前記下流部分の圧力を測定するための手段を用意するステップと、
所定の試験差圧に対応する前記試験ガスの圧力を前記内部の前記上流部分に発生させて、前記圧力をこの圧力レベルに維持するステップであって、前記所定の試験差圧が、前記多孔質フィルターメディアの前記所定のバブルポイントよりも低いステップと、
前記所定の試験差圧が確立されてから所定の時間後に前記圧力を測定するための前記手段によって前記試験容積部内の前記ガスの圧力を測定するステップと
を含み、
前記試験容積部が、前記所定のバブルポイントに対応するバブルポイントを有するフィルターメディアが試験されるときに約100mbar以上の前記試験容積部内の前記ガスの圧力上昇が10分以内に得られるように選択される、方法。
【請求項2】
前記試験容積部が、所定のバブルポイントを有するフィルターメディアが試験されるときに10分以内に前記所定の圧力差の約0.1~約0.8倍、好ましくは約0.2~約0.6倍の前記試験容積部内の前記ガスの圧力上昇が得られるような容積に制限される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試験ガスが、特に窒素である不活性ガス、及び空気からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記多孔質フィルターメディアが、1つ以上のフィルターエレメントの形態で、好ましくは多孔質膜フィルターメディアの形態で提供され、前記多孔質膜フィルターメディアが、プリーツ状の膜フィルターメディア又は中空糸膜フィルターメディアである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
濾過システムが、1つ以上の追加のハウジングを備え、前記ハウジングのそれぞれが、内部を有し、多孔質フィルターメディアを組み込んでおり、前記内部のそれぞれが、それぞれの前記多孔質フィルターメディアによって前記フィルターメディアの上流側の上流部分と前記フィルターメディアの下流側の下流部分とに分離されており、前記ハウジングのそれぞれが、その下流部分に出口を有し、任意選択で、前記下流部分の前記出口に接続された弁を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ハウジングが、特に食品及び飲料、化学、医薬品、並びにバイオテクノロジーの分野で液体を濾過するための工業用濾過システムの一部を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
多孔質フィルターメディアの完全性を試験するためのアセンブリであって、
1つ以上のハウジングであって、前記ハウジングのそれぞれが、上流部分と下流部分とに分離された内部を備え、前記ハウジングが、前記内部の前記上流部分と流体接続している入口と、前記内部の前記下流部分と流体接続している出口とをさらに備える1つ以上のハウジングと、
多孔質フィルターメディアであって、前記ハウジングの前記内部を前記多孔質フィルターメディアの上流側の前記上流部分と前記多孔質フィルターメディアの下流側の前記下流部分とに分離しており、1つ以上のフィルターエレメントの形態で設けられており、所定のバブルポイントを有する多孔質フィルターメディアと、
前記ハウジングの前記下流部分に流体接続可能な、ガスで満たされた試験容積部と、
前記試験容積部内の前記ガスの圧力を測定するための手段と、
前記ハウジングの前記内部の前記出口から前記試験容積部まで延びる流路を提供する濾液導管であって、前記出口から離れた位置に閉鎖可能な端部を備える濾液導管と、
前記ハウジングの前記上流部分内の試験ガスの圧力を所定の試験差圧まで上昇させ、前記圧力を前記圧力レベルに維持するのに適した圧力源であって、前記試験差圧が、前記多孔質フィルターメディアの前記所定のバブルポイントよりも低い圧力源と
を備える、アセンブリ。
【請求項8】
前記アセンブリが、特に食品及び飲料、化学、医薬品、並びにバイオテクノロジーの分野で液体を濾過するための工業用濾過システムの一部を形成する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記アセンブリが、多孔質フィルターメディアを組み込んだ2つ以上のハウジングを備え、前記ハウジングのそれぞれが、前記下流部分の前記出口に接続された弁を有する、請求項7又は8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記フィルターエレメントがフィルターキャンドルの形態であり、及び/又は前記多孔質フィルターメディアがプリーツ状のフィルターメディア及び/又は膜フィルターメディア、特に中空糸膜フィルターメディアである、請求項7~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジング/アセンブリが、前記ハウジングの前記上流部分と加圧試験ガス源とを流体接続するための入口弁を備える、請求項7~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アセンブリが、前記試験容積部と前記ハウジングの前記下流部分とを流体接続及び流体切断するための弁を備える、請求項7~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記試験容積部が、前記試験容積部と環境とを流体接続するための出口を備える、請求項7~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングのそれぞれが、前記ハウジングの前記内部の前記上流部分に前記試験ガスを供給するための別個の入口及び弁を備える、請求項7~13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記試験容積部が、前記濾液導管の部分に設けられており、前記濾液導管部分が、中間に前記試験容積部を形成する上流弁及び下流弁によって画定されており、任意選択で出口を備える、請求項7~14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質フィルターメディアの完全性を試験するための方法及び完全性試験用のアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多孔質フィルターメディアは、液体から望ましくない成分を除去するために濾過デバイスで使用される。医薬品、食品加工及び飲料加工、並びにバイオテクノロジー産業の分野では、フィルターメディアは一定の性能基準を遵守する必要がある。フィルターメディアの完全性試験は、フィルターメディアが有効な性能基準を満たしていることを保証するための一手段を提供するものである。
【0003】
従来技術で使用されている完全性試験は、湿潤した多孔質フィルターメディアを通るガスの流量を測定する気液拡散試験である。多孔質フィルターメディアは、その上流側で、多孔質フィルターメディアのバブルポイントを下回る圧力を有する加圧ガスにさらされる。多孔質フィルターメディアが有効な性能基準を満たし、欠陥がない場合、ガス拡散効果に限定されるため、ガスの流量が比較的小さくなっていることが観察される。多孔質フィルターメディアに欠陥がある場合、多孔質フィルターメディアの欠陥部分を通るバルクガス流によって発生するかなり大きいガス流量が観察される。
【0004】
米国特許第8,689,610号明細書は、多孔質フィルターの完全性を試験するための方法を提案しており、そこでは、導管が、試験されるフィルターの下流に設けられ、液体で満たされる。導管は、フィルター材料の下流の液体を通るガスの拡散流に実質的に抵抗するような長さ対断面積比(length to cross-sectional area ratio)を有する。湿潤した多孔質フィルターは、その上流側で、多孔質フィルターのバブルポイントよりも低い圧力の加圧ガス、典型的には空気又は窒素にさらされる。ガス圧力は所定の速度でゆっくりと上昇し、試験されるフィルターメディアを通るガス流が、サンプルの下流の液体流の流量を測定することによって測定される。このように移動した液体の重さが量られ、移動した液体体積に基づいてガス流量が計算され、その結果、拡散ガス流の影響が基本的に排除される。得られた結果は、欠陥のないフィルターに対応するデータと比較される。
【0005】
多孔質フィルターの完全性を計るための別の手法が、米国特許第5,786,528号明細書に開示されている。提案された方法は、非湿潤性と見なされる液体を、試験される多孔質フィルターに使用するというものである。非湿潤性液体は、試験されるフィルターの上流側に塗布される。フィルターの下流側には液体がない。フィルターの完全性を測定するために、初期システム体積及びフィルターの加圧に関連する体積変化を使用して、複合流量変化を測定し、これを評価することにより、様々な流れ成分を区別して、試験されているフィルターの細孔径又はフィルターの欠陥を正確に判定する。後者は、前記フィルターの細孔への液体の侵入及びそこからの液体の漏れを表す第2の流れ成分に基づく。
【0006】
米国特許第6,324,898号明細書は、中空糸膜の完全性を試験するための方法を提案している。この方法は、膜の第1の面を空気にさらす一方で、第2の面を水にさらしたままにすることを含む。膜貫通圧力は、空気を膜の欠陥に押し通す。1組の膜に重大な欠陥があるかどうかを大まかに示すために、膜を通過する空気が収集され、その量が測定されて、許容可能な空気量と比較される。
【0007】
当技術分野で知られている、フィルターメディアの完全性試験のための方法は、試験条件を整えるために特別な試験環境及び/又はかなりの時間を必要とすることが多く、したがって、典型的には、工業用濾過プロセスを過度の期間にわたって中断することなく工業規模のフィルターアセンブリで実行することができず、及び/又は必要なレベルの精度及び再現性を実現していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、工業用濾過プロセスで使用されるフィルターアセンブリにも適用可能な信頼性の高い完全性試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、多孔質フィルターメディアの完全性を試験するための方法が、請求項1に記載のように提供される。本発明の試験方法は、非破壊完全性試験手順として設計されている。したがって、この試験は、通常の濾過システムの一部を形成するアセンブリ内で実施することができ、最小限の労力で完全性試験後に濾過動作を再開することを可能にする。
【0010】
上流側及び下流側を有する多孔質フィルターメディアは、ハウジングに組み込まれ、前記ハウジングは、多孔質フィルターメディアによって、フィルターメディアの上流側の又は上流側に隣接する上流部分と、フィルターメディアの下流側の又は下流側に隣接する下流部分とに分離された内部を備え、前記ハウジングは、内部の上流部分と流体接続している入口と、内部の下流部分と流体接続している出口とをさらに備え、前記出口は、前記出口から離れた位置に閉鎖可能な端部を備える濾液導管に接続され、前記多孔質フィルターメディアは、所定のバブルポイントを有する。前記ハウジング内に収容されるフィルターメディアは、単一のフィルターエレメント又は複数のフィルターエレメントによって設けることができる。
【0011】
多孔質フィルターメディアの特性は、様々な方法で、例えば平均細孔径、平均流量、圧力降下などによって定義することができるが、バブルポイントは、液体によって湿潤される多孔質フィルターメディアの重要な特性を定義するためのパラメータであり、容易に測定することができる。バブルポイントは、ASTM F316-03(2019)に記載されている標準試験方法に従って測定することができる。欠陥のない多孔質フィルターメディアのバブルポイントが、本明細書では所定のバブルポイントとして扱われる。本発明の説明の文脈において、この用語は、多孔質フィルターメディアの重要なパラメータ及び重要な目標設定を指す。試験中にフィルターメディアを湿潤させるために選択される液体は、その表面張力により、結果として得られる所定のバブルポイントに何らかの影響を及ぼすため、所定のバブルポイントは試験液体の種類に関連付けられる。
【0012】
本発明による方法は、以下のステップ、すなわち、
フィルターメディアの細孔が湿潤されて液体で満たされた状態の多孔質フィルターメディアを用意するステップと、
内部の下流部分及び濾液導管内のガスを追い出すために液体で満たされた、ハウジングの内部の下流部分及び濾液導管を用意するステップと、
濾液導管の遠くの閉鎖可能な端部を閉じるステップと、
内部の下流部分内の液体を保持した状態で、内部の上流部分を排液し、少なくとも、基本的に多孔質フィルターメディアの上流側の全体が試験ガスにさらされる程度まで、試験ガスで上流部分を満たすステップと、
液体で満たされた前記濾液導管を介して内部の下流部分に流体接続された、ガスで満たされた試験容積部を用意するステップと、
内部の下流部分の圧力を測定するための手段、例えば圧力センサを用意するステップと、
所定の試験差圧に対応する試験ガスの圧力を内部の上流部分に発生させて、この圧力をこのような圧力レベルに維持するステップであって、前記所定の試験差圧が、多孔質フィルターメディアの所定のバブルポイントよりも低いステップと、
所定の試験差圧が確立されてから所定の期間後に圧力を測定するための手段によって示される試験容積部内のガスの圧力を測定するステップと
を含む。
【0013】
測定された圧力は、欠陥のないフィルターメディアを試験したときに同じ期間、例えば10分以内に得られた圧力と比較される。測定された圧力が、特定の濾過環境のフィルターメディアに規定された所定の量だけ高い場合、完全性が試験されたフィルターメディアは欠陥があると見なされる。
【0014】
完全性試験が、工業用濾過システムに組み込まれたフィルターアセンブリで実施される場合、多くの場合、内部の下流部分及び濾液導管は、典型的には、液体(濾液)で完全に満たすことができ、濾過の開始前にガスは既に追い出されている。一実施形態によれば、濾液は別の液体に交換されず、本発明による完全性試験のさらなるステップを直ちに実施することができる。その表面張力に起因する、所定のバブルポイントに対する濾液体の特定の影響を考慮に入れる必要がある。
【0015】
濾液導管の閉鎖可能な端部が閉じられると、閉鎖可能な端部は、完全性試験の終了までこのような状態のままである。
【0016】
試験容積部は、所定のバブルポイントに対応するバブルポイントを有するフィルターメディアが試験されるときに約100mbar以上の圧力上昇が10分以内に得られるように本発明に従って選択される。試験容積部のサイズのこの制限は、正確で再現可能な完全性試験を可能にし、完全性基準を満たすフィルターメディアと、欠陥があると見なされ得るフィルターメディアとの、妥当な期間内での明確な区別を実現する。
【0017】
試験容積部内のガスの圧力は、試験容積部内のガスと直接接触するように、圧力を測定するための手段(以下では、圧力センサとも呼ばれる)を配置することによって監視することができるが、圧力センサは、試験容積部の上流又は下流で、ハウジングの下流部分と、ハウジングの出口に接続された濾液導管とを満たす液体と接触するように配置することもできる。関連する圧力条件下での液体の非圧縮性により、圧力センサによって示される関連する圧力値は、試験容積部内の圧力変化を常に十分に正確に反映する。
【0018】
試験容積部に供給されるガスと上流部分に供給される試験ガスとは同じであっても異なっていてもよい。したがって、典型的には、試験容積部内のガスは、化学的に中性であり、流体中の測定可能な量と反応しない又はこれに溶解しないと考えられる窒素及び空気のようなガスから選択される。
【0019】
試験容積部内のガスの圧力の変化は経時的に連続的に監視することができるが、本発明によれば、典型的には、前記所定の期間の経過後、例えば圧力差が確立されてから数分後に1回だけ試験容積部内のガスの圧力を測定すれば十分である。
【0020】
本発明の別の態様によれば、多孔質フィルターメディアの完全性を試験するためのフィルターアセンブリが提供され、前記アセンブリは、1つ以上のハウジングであって、前記ハウジングのそれぞれが、多孔質フィルターメディアによってフィルターメディアの上流側の又は上流側に隣接する上流部分とフィルターメディアの下流側の又は下流側に隣接する下流部分とに分離された内部を有し、前記ハウジングが、内部の上流部分と流体接続している入口と、内部の下流部分と流体接続している出口とをさらに備え、前記多孔質フィルターメディアが、所定のバブルポイントを有する1つ以上のハウジングと、
ハウジングの下流部分に流体接続可能な、ガスで満たされた試験容積部と、
試験容積部内のガスの圧力を測定するための手段と、
ハウジングの内部の出口から試験容積部まで延びる流路を提供する濾液導管であって、出口から離れた位置に閉鎖可能な端部を備える濾液導管と、
所定の試験差圧に対応する試験ガスの圧力をハウジングの上流部分に発生させ、この圧力をこのような圧力レベルに維持するのに適した圧力源であって、前記試験差圧が、多孔質フィルターメディアの所定のバブルポイントよりも低い圧力源と
を備える。
【0021】
本発明のアセンブリは、別個の試験ユニットとして提供することができるが、実験室規模のみならず工業規模の多種多様なフィルターアセンブリの一部を形成することができる。
【0022】
さらに、本発明による方法は、フィルターメディアを湿潤させ、ハウジングの下流部分を満たすために多種多様な液体を使用して実施することができる。したがって、工業用フィルターアセンブリにおける通常の濾過プロセスで濾過された液体を排液して、この液体を特別な試験液体に置き換える必要はない。対照的に、濾過された液体(濾液)は、湿潤したフィルターメディア内、ハウジングの下流部分内、及びハウジングの出口に接続された濾液導管内に保持することができる。
【0023】
本発明によれば、試験容積部は、上記で指摘したように、比較的小さい容積に制限され、特別な試験ガスチャンバとアセンブリの下流部とを接続することによって設けることができるし、代替案では、ハウジングの出口の下流の濾液導管の一部に設けることができる。小さい容積の試験容積部は、より精度の高い完全性試験を実現する。さらに、例えば約5分の短期間で有意な試験結果を得ることができる。
【0024】
試験されるアセンブリ内に複数のハウジングが存在する場合、共通の試験容積部を使用することができるが、試験ガス容積部のサイズを決めるための基準は、依然として、上記で一般的に記載したように決定される。
【0025】
試験ガスは、多種多様な試験ガスから選択することができる。唯一の前提条件は、試験手順に対する実質的な障害を回避するなどのために、液体中の試験ガスの溶解度が比較的低いことである。典型的には、窒素又は空気が、特に親水性の多孔質フィルターメディアを湿潤させるために使用される水又は水系液体に対して、好ましい試験ガスである。フィルターメディアの湿潤性が悪い場合、アルコール/水の混合物が使用されてもよい。ここでも、窒素又は空気が好ましい好適な試験ガスである。フィルターメディアのバブルポイントは、フィルターメディアを湿潤させるために使用される液体に依存するため、所定のバブルポイントは、試験されるフィルターメディアを湿潤させるために使用される液体に応じて適宜調整する必要がある。
【発明の詳細な説明】
【0026】
好ましくは、試験容積部は、所定のバブルポイントに対応するバブルポイントを有するフィルターメディアが試験されるときに10分以内に所定の試験差圧の約0.1~約0.8倍、好ましくは約0.2~約0.6倍の試験容積部内のガスの圧力上昇が得られるような容積に制限される。
【0027】
例えば、試験差圧が1240mbarのレベルにある場合、10分の所定の期間の経過時に、約120mbar以上、好ましくは約200mbar~500mbarの範囲の好ましい圧力上昇が得られる。
【0028】
試験容積部のこれらの限界は、容易に測定することができ、さらに、試験されるフィルターメディアの完全性の測定を妥当な期間で容易に実施することを可能にする試験条件を提供することができる。したがって、所定の期間は数分、例えば5分又は10分に設定されてもよい。したがって、完全性試験が工業用濾過システムで実施される場合、特に、適切なバブルポイントが液体とフィルターメディアとの組み合わせから得られる条件下では、フィルターメディアの下流の濾液を異なる液体に置き換える必要がないため、通常の濾過プロセスを短期間だけ中断すればよい。それでも、試験容積部内の圧力上昇は、欠陥のあるフィルターメディアと欠陥のないフィルターメディアとを明確かつ正確に区別することを可能にする。
【0029】
既に上記で言及したように、本発明による方法は、多種多様な環境で、したがって、特に食品及び飲料、化学、バイオテクノロジー、並びに医薬品の分野で液体を濾過するための工業用濾過システムの一部をハウジングが形成する環境でも実施することができる。
【0030】
特にこのような場合、ハウジングの内部の下流部分と濾液導管とを満たす液体は、フィルターアセンブリ内で通常濾過される流体の濾液であってもよい。これによっても、通常の濾過動作を再開するときの時間が節約される。
【0031】
さらに、フィルターメディアは、膜フィルターメディア、特に中空糸膜フィルターメディア又はプリーツ状の膜フィルターメディアであってもよい。本発明のさらなる態様によれば、多孔質フィルターメディアは、フィルターキャンドルの形態で提供されてもよい。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、試験ガスは、特に窒素である不活性ガス、及び空気から選択される。
【0033】
通常の空気に含まれる少量の二酸化炭素は、アセンブリ内に存在する液体とある程度化学反応する可能性があるが、再現性に悪影響を及ぼさないため、問題を引き起こさない。また、上記で特定した様々な試験ガスの溶解度の差は、試験結果に顕著に影響を及ぼさないため、許容可能である。
【0034】
本発明の方法によれば、フィルターアセンブリは、1つ以上の追加のハウジングを備えることができ、各ハウジングは、内部を有し、多孔質フィルターメディアを組み込んでおり、各内部は、それぞれの多孔質フィルターメディアによって、フィルターメディアの上流側の又は上流側に隣接する上流部分と、フィルターメディアの下流側の又は下流側に隣接する下流部分とに分離される。各ハウジングは、内部の下流部分に出口を有し、この出口は、典型的には、その一部が濾液導管を形成する共通の管システムに接続される。好ましくは、各出口に弁を接続して、各ハウジングのフィルターメディアの個々の試験を可能にすることができる。
【0035】
上記で指摘したように、本アセンブリは、好適には、濾過システム、特に、例えば食品及び飲料、化学、医薬品、並びにバイオテクノロジーの分野で液体を濾過するための工業規模の濾過システムの一部を形成することができる。
【0036】
したがって、試験のために多孔質フィルターメディアをその典型的な環境から取り外して分離する必要がない。
【0037】
非常に多くの場合、本アセンブリは、多孔質フィルターメディアを組み込んだ2つ以上のハウジングを備え、各ハウジングは、下流部分の出口に接続された弁を有する。したがって、ハウジングに組み込まれる1つの多孔質フィルターメディア/複数の多孔質フィルターメディアは、各ハウジングと、各ハウジングに別々に含まれる1つのフィルターメディア/複数のフィルターメディアとを試験するために構成することができる。
【0038】
さらなる態様によれば、多孔質フィルターメディアは、膜フィルターメディア、特に中空糸膜フィルターメディア又はプリーツ状の膜フィルターメディアの形態で提供される。
【0039】
前記ハウジング/アセンブリは、典型的には、ハウジングの内部の上流部分と加圧試験ガス源とを流体接続するための入口弁を備える。
【0040】
本発明によるアセンブリは、ハウジングの下流部分に対して試験容積部を流体接続及び流体切断するための弁を備えることができる。したがって、試験容積部は、工業用フィルターアセンブリの一体部分として設けることができ、本発明による完全性試験を行うときにハウジングの内部の下流部分に選択的に流体接続することができる。
【0041】
好適には、試験容積部は、試験容積部と環境とを流体接続するための出口を備える。したがって、試験容積部をフラッシング及び/又は排液することができ、試験容積部内の圧力を所定の試験条件に調整することができる。
【0042】
先に指摘したように、試験容積部の容積は、好ましくは、1つのフィルターメディア/複数のフィルターメディアの下流のアセンブリの容積と比較して比較的小さい容積に制限される。大型の工業用濾過システムの試験用に設計される場合であっても、典型的には、試験容積部は、約10L以下、より好ましくは約5L以下、最も好ましくは約2L以下に制限することができる。
【0043】
あるいは、試験容積部は、中間に試験容積部を形成する上流弁及び下流弁によって画定され得る、ハウジングの下流の前記濾液導管の部分によって設けられてもよい。濾液導管のこのような部分は、好ましくは、導管の前記部分をフラッシング及び/又は排液し、前記部分をガスで満たすなどのために出口を備える。
【0044】
好ましくは、各ハウジングは、内部のその上流部分に別個の入口と、任意選択で、本発明の方法の実施中に上流部分に試験ガスを供給するための弁とを備える。
【0045】
本発明のこれらの及びさらなる態様及び利点は、図面、図面の以下の詳細な説明、及び例から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】FIG1A~FIG.1Eは従来技術による完全性試験における一連の試験ステップを概略的に示す。
【
図2】FIG.2A~FIG.2Dは本発明による完全性試験における一連の試験ステップを概略的に示す。
【
図3】FIG.3A~FIG.3Cは
図2のFIG.2A~FIG.2Dの試験ステップの変更例を概略的に示す。
【
図4A】下記の実施例で使用されるフィルターアセンブリを示す。
【
図4B】下記の実施例で使用される別のフィルターアセンブリを示す。
【
図5A】実施例で得られた結果の圧力/時間の図を示す。
【
図5B】実施例で得られた結果の圧力/時間の図を示す。
【
図6】本発明に従って使用及び試験される別の特定の種類のフィルターエレメントを示す。
【
図7A】本発明によるアセンブリとして構成された複合的な工業用濾過システムを三次元図で示す。
【
図7B】本発明によるアセンブリとして構成された複合的な工業用濾過システムを部分断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1のFIG.1Aは、従来技術で知られている方法に従ってフィルターメディア12の完全性を試験するためのアセンブリ10を概略的に示す。アセンブリ10はまた、濾過システム(ここでは図示せず)の一部を形成し、工業規模で未濾液(non-filtrate)の濾過を可能にすることができる。
【0048】
アセンブリ10は、完全性が試験されるフィルターメディア12を組み込んだフィルターエレメント18を収容する内部16を有するハウジング14を備える。フィルターメディア12は、ハウジング14の内部16を上流部分20と下流部分22とに分離する。
【0049】
ハウジング14は、内部16の上流部分20に入口24を備え、そこには、未濾液を供給する供給ライン28に/供給ライン28から内部16の上流部分20を接続又は切断するために弁26が設けられている。
【0050】
ハウジング14は、下流部分22に、濾液を下流部分22から濾液導管32に排液することができる出口30を備える。濾液導管32は、典型的には、アセンブリ10を下流のさらなる機器(ここでは図示せず)から分離することを可能にする弁34を備える。
【0051】
内部16の上流部分20は試験ガス入口36をさらに備え、試験ガス入口36は、その目的については以下で説明する弁38によって開閉することができる。
【0052】
通常の濾過中、その上流部分20及び下流部分22を有するハウジング14並びに濾液導管32は、完全に液体で満たされる。通常の濾過動作中の、上流部分20及び下流部分22の両方の圧力レベルは、典型的には、周囲圧力を上回る約1バール~約9バールの範囲である。
【0053】
完全性試験の準備をするとき、アセンブリ10は、最終的にフィルターメディアを再生し、洗浄剤の残留物をアセンブリ10から除去するために、洗浄及びフラッシングステップに供することができる。さらなるステップにおいて、アセンブリ10は水で満たされる。このような状態が
図1のFIG.1Aに示されている。
【0054】
その後、アセンブリ10は、
図1のFIG.1Bの矢印によって示されているように、開かれた弁26、34によって実質的に完全に排液される。このステップは、追加の通気弁(図示せず)によって容易にすることができる。ただし、フィルターメディア12を湿潤状態に保つように注意する必要がある。上流部分20及び下流部分22は、弁26及び供給ライン28によって排液されるが、濾液導管32の容積部については、弁34によってアセンブリ10から排液される。
【0055】
図1のFIG.1Cは、完全性試験の開始直前の基本的に完全に排液された状態のアセンブリ10を示す。
図1のFIG.1Cに示されているように、フィルターエレメント18の底部では、少量の液体40、例えば、このような用途でよく使用される30インチの濾過カートリッジの下流容積の約10%以下に相当する約100mL以下を許容することができる。
【0056】
その後、弁26及び34は閉じられ、この時点でアセンブリ10は、完全性試験の準備が整う。依然として、フィルターエレメント18のフィルターメディア12は湿潤状態に保たれている。
【0057】
図1のFIG.1Dに示されているように、入口36を通して内部16の上流部分20に試験ガスを供給するとき、弁34及び38は開状態にある。例示的な試験圧力は、周囲圧力を上回る約1.2バールであるが、これは、依然として、試験されるフィルターメディア12のバブルポイント(この例では約1.6バール)を下回る。完全性試験は、上流部分20に試験圧力を発生させた後に弁34を閉じることによって開始される。
【0058】
したがって、内部16の下流部分22は、最初は依然として周囲圧力より下である。次に、試験ガスは、フィルターメディア12の前後の圧力差がその所定のバブルポイントを下回ることから、ガス拡散プロセスによって湿潤したフィルターメディア12を通って内部の下流部分22に入る。下流部分22及び導管32内のガスの圧力は、弁34が閉じられたままの状態で
図1のFIG.1Eに示されているようにガスがフィルターメディアを通過するにつれてゆっくりと上昇する。下流部分の圧力は、圧力センサ50によって検出される。10分後に下流部分22及び濾液導管32で観察される圧力上昇は、下流部分22及び導管32で利用可能な容積にもよるが、実質的に100mbar未満である。
【0059】
フィルターメディア12に欠陥がある場合、この圧力上昇は幾分顕著になる。したがって、試験したフィルターメディアの状態を大まかに評価することが可能である。
【0060】
図2のFIG.2A~FIG.2Dは、従来技術による方法よりも著しく短い期間及び高い精度で試験結果をもたらす、本発明による完全性試験のための方法の各ステップを示す。
【0061】
図2のFIG.2Aは、フィルターメディア112の完全性を試験するためのフィルターアセンブリ100を示す。このアセンブリ100もまた、濾過システム(ここでは図示せず)の一部を形成し、工業規模で未濾液の濾過を可能とする。
【0062】
アセンブリ100は、完全性が試験されるフィルターメディア112を組み込んだフィルターエレメント118を収容する内部116を有するハウジング114を備える。フィルターメディア112は、ハウジング114の内部116を上流部分120と下流部分122とに分離する。
【0063】
ハウジング114は、内部116の上流部分120に入口124を備え、そこには、未濾液を供給する供給ライン128に/供給ライン128にから116の上流部分120を接続又は切断するために弁126が設けられている。
【0064】
ハウジング114は、下流部分122に、濾液を下流部分122から濾液導管132に排液することができる出口130を備える。濾液導管132は、出口130から離れた位置に弁134を備え、弁134は、アセンブリ100を下流のさらなる機器(ここでは図示せず)から分離することを可能にする。
【0065】
内部116の上流部分120は試験ガス入口136をさらに備え、試験ガス入口136は、その目的については以下で説明する弁138によって開閉することができる。
【0066】
通常の濾過中、その上流部分120及び下流部分122を有するハウジング114並びに導管132は、
図2のFIG.2Aに示されているように、完全に液体で満たされる。通常の濾過動作中の圧力レベルは、ここでも、典型的には周囲圧力を上回る約1バール~約9バールであり得る。これまでのところ、アセンブリ100は、
図1のFIG.1Aを参照して説明したアセンブリに対応する。
【0067】
さらに、アセンブリ10とは対照的に、アセンブリ100の導管132は、ガスで満たされたチャンバ140を備え、チャンバ140は、弁142を開閉することによって導管132に/導管132から流体接続及び流体切断することができる制限された試験容積部を提供する。典型的には、チャンバ140は、ドレン144と、ドレン144をチャンバ140に/チャンバ140から接続/切断するための弁146とを備える。さらに、チャンバ140は、チャンバ140を環境に対して通気するための弁148を備える。
図2のFIG.2Aに示されているチャンバ140は、既にフラッシング及び排液されている。通常の濾過動作中、典型的には、チャンバ140内の圧力は、弁142が閉じられていて、弁146及び/又は148が開状態にある状態で周囲圧力にある。
【0068】
完全性試験の準備をするとき、アセンブリ100は、最終的にフィルターメディア112を再生し、洗浄剤の残留物をアセンブリ100から除去するために、洗浄及びフラッシングステップに供することができる。さらなるステップでは、次に、アセンブリ100は、フィルターメディア112を湿潤状態にし、内部116の下流部分122と、弁134までの濾液導管132とを、基本的にすべてのガスが追い出された状態にするために、典型的には水で満たされる。このような状態が
図2のFIG.2Aに示されている。
【0069】
次に、アセンブリ100のハウジング114の内部116の上流部分120が、
図2のFIG.2Bの矢印によって示されているように、開かれた弁126によって完全に排液される。排液は、弁138を開くことによって容易にすることができる。ただし、フィルターメディア112を湿潤状態に保つように注意する必要があり、このことは、下流部分122及び濾液導管132内に水を保持することによって容易になる。したがって、弁134は閉じられたままであり、チャンバ140は依然として濾液導管132から切断されている(弁142は依然として閉じられたままである)。上流部分120を排液するだけでよいということから、完全性試験のためにアセンブリ100を準備する時間は既に短くなっている。少量の液体152が、内部116の上流部分120内に残っていてもよい。
【0070】
図2のFIG.2Cは、完全性試験の開始時の十分に排液された状態のアセンブリ100のハウジング114の内部116の上流部分120を示す。弁126は閉じられており、試験ガスは、開かれた弁138を介してハウジング114の上流部分120に供給される。上流部分120では、フィルターメディア112の所定のバブルポイントを下回るレベルまで、例えば、周囲圧力を上回る所定のバブルポイントの約80%に達するレベルまで、試験圧力差を発生させる。上流部分における試験ガスの圧力レベルは、このようなレベルに維持される。チャンバ140は、周囲圧力のガスで満たされた試験容積部を提供する。弁146、148が閉状態に保たれた状態で、その後、弁142は開かれる。
【0071】
完全性試験は、弁142を開くことによって開始され、これにより、ガスがフィルターメディア112を通って内部116の下流部分122に拡散することが可能となり、その結果、チャンバ140と流体接続するように設けられ得る圧力センサ150、又はフィルターメディア112の下流のアセンブリ100の任意の他の部分、例えば導管132にも設けられ得る圧力センサ150によって測定される下流圧力レベルが、上昇する。
【0072】
試験容積部は、従来技術に従って使用されている試験容積部と比較して大幅に制限される。本例では、試験容積部は、従来技術による方法と比較して、試験開始後10分以内に約400mbar以上の試験ガスの圧力上昇が得られる程度に制限される。したがって、より短い時間で大幅に正確な試験結果を得ることができる。
【0073】
フィルターメディア112に欠陥がある場合、圧力上昇は経時的に著しく高くなる。
【0074】
完全性試験が完了すると、濾過プロセスを迅速に再開することができる。弁142を閉じることによって試験チャンバ140をアセンブリ100から流体切断するだけでよい。このとき、アセンブリ100の動作とは無関係に、必要に応じて、試験容積部を提供するチャンバ140をフラッシング及び排液してもよい。
【0075】
図3のFIG.3A及びFIG3Bは本発明による完全性試験のための方法の各ステップを示し、この方法は、試験容積部が
図2のFIG.2A~FIG.2Dのアセンブリ100と比較した場合に異なる方法で提供される。
【0076】
図3のFIG.3Aは、フィルターメディア212の完全性を試験するためのフィルターアセンブリ200を示す。このアセンブリ200もまた、濾過システム(ここでは図示せず)の一部を形成し、工業規模で未濾液の濾過を可能にすることができる。
【0077】
アセンブリ200は、完全性が試験されるフィルターメディア212を組み込んだフィルターエレメント218を収容する内部216を有するハウジング214を備える。フィルターメディア212は、ハウジング214の内部216を上流部分220と下流部分222とに分離する。
【0078】
ハウジング214は、内部216の上流部分220に入口224を備え、そこには、未濾液を提供する供給ライン228に/供給ライン228から216の上流部分220を接続又は切断するために弁226が設けられる。
【0079】
ハウジング214は、下流部分222に、濾液を下流部分222から濾液導管232に排液することができる出口230を備える。典型的には、濾液導管232は、出口230から離れた位置のその閉鎖可能な端部に弁234を備え、弁234は、アセンブリ200を下流のさらなる機器(ここでは図示せず)から分離することを可能にする。
【0080】
内部216の上流部分220は、
図2のFIG.2A/FIG.2C及び弁138の動作に関連して既に説明したように弁238によって開閉することができる試験ガス入口236をさらに備える。
【0081】
通常の濾過中、その上流部分220及び下流部分222を有するハウジング214並びに導管232は、完全に液体で満たされる。通常の濾過動作中の圧力レベルは、ここでも、典型的には周囲圧力を上回る約1バール~約9バールであり得る。これまでのところ、アセンブリ200は、
図1のFIG.1A及び
図2のFIG.2Aのアセンブリにそれぞれ対応する。
【0082】
しかしながら、アセンブリ200は、弁234の下流の濾液導管232に配置された弁252をさらに備える。2つの弁234と252との間の導管232内の空間254は、本発明に従って制限された試験容積部を提供するためのチャンバとして機能する。アセンブリ200の通常の濾過動作中、弁234及び252は開いたままである。
【0083】
図2のFIG.2Aに関連して既に示し説明したものと同様に上流部分220が排液されると、弁234が閉じられたままの状態で、導管部分254の空間から液体を排液し、この空間を典型的には周囲圧力のガスで満たすために弁252は開かれる。その後、弁252は、再び閉じられ、このときアセンブリ200内に所定の試験体積のガスを保持する。このような状態が
図3のFIG.3Bに示されている。
【0084】
完全性試験時には、導管部分254の試験容積部と下流部分222とを流体接続するために、弁234が開かれる。アセンブリ及びその濾液導管232の向きに応じて、試験容積部のガスは、導管部分254に留まり得るが、そうでなければ、
図3のFIG.3Cに示されているように例えば濾液導管232の部分256まで、上方に移動することも可能である。
【0085】
ここでも、試験容積部は、従来技術に従って使用されている試験容積部と比較して大幅に制限される。本例では、試験容積部は、従来技術による方法と比較して、試験開始後10分以内に約400mbar以上の試験ガスの圧力上昇が得られる程度に制限される。したがって、より短い時間でより正確な試験結果を得ることができる。
【実施例0086】
試験されるべきフィルターメディアを提供する6個のフィルターキャンドル304をその内部306に組み込んだハウジング302を備える例示的な試験アセンブリ300を、
図4Aに示されているように構成した。ハウジングの内部の容積は約30Lである。
【0087】
これらの具体的な例では、フィルターキャンドル304は、型番AB3BB7W32(Pall Corp.(米国ニューヨーク州)からPall BB Final Beer filter cartridgesとして入手可能な)のものである。各フィルターキャンドル304は軸線方向に位置合わせされた10インチ(254mm)の長さの3個のフィルターエレメント305を備え、これらのエレメントはプリーツ状のポリエーテルスルホン膜の形態のフィルターメディアを提供する。フィルターエレメント305は、0.6m2の公称濾過面積と、1240mbarの差圧での8mL/分の順方向流量限界とにより特徴付けられている。フィルターキャンドル304のフィルターメディアのバブルポイントは、水性媒体(DI水)中で試験する場合、約1600mbarになる。1組6個のフィルターキャンドル304(それぞれは30インチのキャンドル長をもたらす3個の10インチのフィルターエレメントを含む)の全体的な順方向流量限界は、1240mbarの試験差圧で144mL/分になる。公称濾過面積は10.8m2になる。
【0088】
内部306の上流部分312は、ハウジングの下端に、濾過される流体のための開口316又は入口を備える。内部の下流部分は、ハウジング302から濾液を排液するために設計された出口318を備える。
【0089】
入口316には、通常の濾過動作中に未濾液のための供給通路を提供する配管システム320が接続される。配管システム320は、未濾液のさらなる供給を遮断するために閉じることができる弁322を備える。
【0090】
配管システム320は、ハウジング302の内部306の上流部分312から流体を排液することを可能にするさらなる弁326を含む分岐部324をさらに含む。ハウジング302の内部306の上流部分312を排液するために、弁322は閉じられ、弁326は開かれる。
【0091】
ハウジング302の内部306の上流部分312は、ハウジング302の上側部分に、圧力源330に接続されたさらなる入口328を備える。圧力源330は、以下でより詳細に述べるように、試験ガス及び圧力差をもたらし、さらに、本発明による完全性試験に備えてハウジング302の内部306の上流部分312から未濾液を排液することを加速及び完了するために、内部306の上流部分312にガス、例えば試験ガスを供給するために使用することができる。
【0092】
ハウジング302の内部306の下流部分314の出口318は、ハウジング302から濾液を受け入れるように設計された導管336に接続される。濾液導管336は、試験容積部内のガスを提供するチャンバ340を取り付けることができる分岐部338をさらに含む。通常の濾過動作中、チャンバ340は、弁341を閉じることによって分岐部338から遮断される。さらに、チャンバ340には圧力センサ342が接続される。分岐部338より下流の濾液導管336の部分は、弁344を閉じることによって遮断することができる。
【0093】
アセンブリ300の初期設置時に、アセンブリは、弁322が閉じられた状態で弁326及び分岐部324を介してアセンブリに供給される脱イオン水でフラッシングすることができる。フィルターキャンドル304のフィルターメディアが完全に湿潤され、空気が濾液導管336を介して、また、その閉鎖可能な端部では弁344を介してアセンブリから排出されることを確実にするように注意が払われる。このとき、チャンバ340は、弁341を閉じることによって分岐部338から遮断される。
【0094】
フィルターキャンドル304によって提供されるフィルターメディアの完全性試験に備えて、内部の上流部分から脱イオン水を排液するために弁322が閉じられ、その後、弁326が開かれる。弁344は、典型的には、このようなプロセスステップ中は閉じられ、これによりフィルターキャンドル304のフィルターメディアは湿潤状態に維持される。
【0095】
この時点で、内部306の下流部分314及び導管336は周囲圧力にある。試験容積部を提供するチャンバ340は、典型的には、弁346を開くことによって周囲圧力に保たれる。
【0096】
内部306の上流部分312の排液が完了すると、弁326は閉じられる。試験ガス、この例では空気が、フィルターキャンドル304のフィルターメディアの所定のバブルポイント(1600mbar)の約80%に相当する1240mbarの圧力差となるまで、上流部分312に導入される。この(絶対)圧力レベルは、以下の試験手順の間にわたって維持される。
【0097】
弁346が閉じられ、チャンバ340と下流導管336とを接続する弁341が開かれ、チャンバ340内の試験容積部のガスの圧力の上昇が圧力センサ342によって測定される。
【0098】
図4Bは、アセンブリ300にほぼ対応する基本構造を有するアセンブリ380を示す。したがって、同じ参照番号が使用されており、これに関連して
図4Aの上記の説明を参照することができる。
【0099】
しかしながら、試験容積部が、その上流端では弁341によって画定され、その下流端では弁382によって画定された、導管338の区画384によって設けられるという点で、アセンブリ380はアセンブリ300とは異なる。さらに、導管338は圧力センサ386を備える。
【0100】
本発明による完全性試験に備えて、導管338の区画384は排液されて、周囲圧力のガスで満たされる。区画384の容積は、ここでも、10分の制限時間内に著しい圧力上昇をもたらすように制限される。
【0101】
フィルターキャンドル304と、基本的にフィルターキャンドルを構成するフィルターエレメント305との構造のより詳細な図が、以下でより詳細に説明する
図4C、
図4D、及び
図4Fで提供される。
【0102】
フィルターキャンドル304は、プリーツ状の多孔質フィルターメディア350としてポリエーテルスルホン膜を備え、単一開口端部を有するものである。フィルターキャンドル304の開口端部308は、ハウジング302の内部306を横断する壁部310の開口にシールして取り付けられ、フィルターキャンドル304は、フィルターキャンドル304の開口端部308が上方を向いた状態で通常の濾過動作の間にわたって前記壁部から垂直に垂下する。ハウジングの内部306は、フィルターキャンドル304のフィルターエレメント305のフィルターメディアによって上流部分312と下流部分314とに分離される。
【0103】
フィルターエレメント305の詳細な構造が
図4Cで提供される。フィルターエレメントは、254mm(10インチ)の長さを有し、0.6m
2の公称濾過面積を有するプリーツ状のフィルターメディア350を提供する。上記で指摘したように、順方向流量限界は、1240mbarの差圧で8mL/分である。このフィルターメディアの所定のバブルポイントは、約1600mbarである。
【0104】
プリーツ状のフィルターメディア350は、中空円筒構造内に設けられ、個々のプリーツ352は、内側の中空格子状支持構造354の周りに半径方向に配置される。プリーツ状のフィルターメディア350の外周には、中空格子状支持構造356が設けられる。フィルターエレメント305の上端358は開いており、一方、下端はエンドキャップ360によって閉じられる。
【0105】
図4Dは、フィルターエレメント305を2つの断面図(長手方向軸線に平行な断面図及び垂直な断面図)で概略的に示し、フィルターエレメント305に出入りする流体の流れを矢印で示す。
【0106】
図4E及び
図4Fにそれぞれ示されているようにフィルターキャンドル304’、304を形成するために、2つ以上のフィルターエレメント305を軸線方向に位置合わせし、シールして接続することができる。このような構成では、最も下のフィルターエレメント305のみがそのエンドキャップ360を保持する。
【0107】
フィルターキャンドルは、軸線方向に配置された1つ以上のフィルターエレメント305を備えることができる。
図4Dに示されているフィルターキャンドルは、1個のフィルターエレメント305のみからなる。
図4Eに示されているフィルターキャンドル304’は、軸線方向に位置合わせされた2個のフィルターエレメント305を備え、一方、
図4A及び
図4Bのアセンブリで使用されるフィルターキャンドル304は、
図4Fに概略的に示されている、軸線方向に位置合わせされた3個のフィルターエレメント305を備える。
【0108】
例示を目的として、フィルターアセンブリ300及び380の圧力センサ342及び386によってそれぞれ経時的に測定された圧力レベルが、
図5A及び
図5Bの図に示されている。
図5Aに示されている値は、試験容積部(チャンバ340)が6850mLに定められた設定に基づき、一方、
図5Bに示されている値は、わずか1000mLの試験容積部(導管区画384)を用いて測定された値に対応する。
【0109】
図5A及び
図5Bは、異なる設定に関して、導管338並びにチャンバ340及び導管区画384内の圧力上昇にそれぞれ対応する下流部分314における圧力上昇を経時的に示す。
【0110】
最も下の曲線は、18個すべてのフィルターエレメント305のフィルターメディアに欠陥がない場合にアセンブリ300、380に関して実際に測定された圧力上昇を示す。すぐ上の曲線は、すべてのフィルターエレメントのフィルターメディアが、フィルターエレメントの仕様で規定されている有効な順方向流体流量の上限内にちょうどあるときにもたらされる圧力上昇を示す。
【0111】
フィルターエレメント305のうちの1つのフィルターメディアに小さい欠陥(ここでは、70mL/分の順方向ガス流量をもたらす1つのピンチホールによって示される)がある場合、圧力レベルは、下から3番目の曲線によって示されているように経時的に上昇する。最も上の曲線は、このような規模の2つの欠陥が存在する場合の状況を明示している。
【0112】
図5A及び
図5Bの図のそれぞれの曲線の比較は、本発明による試験容積部の適切な制限が、短期間で有意で信頼性の高い完全性試験結果を得るという利点を明確に提供することを明示している。
【0113】
より大きい試験容積部は10分以上の測定時間を必要とする(
図5A参照)が、試験容積部を大幅に縮小すると、5分後には既に完全なフィルターメディアと欠陥のあるフィルターメディアとの明確な区別が可能であり得る(
図5B参照)。
【0114】
図6は、いくつかの修正が加えられたアセンブリ100、200、300、及び380のいずれか1つで使用することができるフィルターエレメント400を示す。フィルターエレメント400は、接線流濾過用に設計されている。
【0115】
フィルターエレメント400は、中空糸膜束412を形成するように互いに平行に配置された複数の中空糸膜402によって提供されるフィルターメディアを備える。中空糸膜束412は、第1の端部420に供給入口422を有し、反対側の第2の端部444に残液出口446を有する中空円筒ハウジング414内に配置される。
【0116】
ハウジングは、第1の端部420及び第2の端部444に隣接する2つの透過液出口450、452をさらに備える。未濾液体は、ハウジング414に入ると、供給入口422に隣接する、個々の中空糸402の端部から個々の中空糸402内に導かれる。この液体は、残液出口446に向かう方向に中空糸402内を流れる一方で、この液体及び/又はその成分の一部は、中空糸膜402を横切って、ハウジング414内に溜まり、透過液として透過液出口450、452を通って排液される。
【0117】
この液体の残りの部分は、残液出口446を介して排液される。
【0118】
フィルターエレメント400及びそのフィルターメディア、すなわち中空糸膜402は、上記で説明したフィルターエレメント305と同様に完全性に関して試験することができる。とられる唯一の追加の手続きは、中空糸402の膜のみわたって試験時に圧力差を発生させるために残液出口446を閉じることである。
【0119】
それ以外は、この種類のフィルターメディアに対して本発明を実施するために、完全性試験のための先に説明した手続きのみが守られるべきである。
【0120】
図7A及び
図7Bは、例えばビール濾過用の工業規模の濾過システム500を示す。
【0121】
システム500は、ラック502上に構成され、平行な2つの列としてラック502上に設置された8つのフィルターアセンブリ510を備える。フィルターアセンブリ510は、
図4Aの文脈で説明したものと同様に構成されるが、それぞれが10インチ(254mm)の長さの4つのフィルターエレメントを備える7つのフィルターキャンドルによってハウジング当たりで約50%多くの濾過面積を提供するという違いがある。
【0122】
図7Bは、前列のアセンブリ510の内部520が見えるシステム500の断面図を示す。各アセンブリ510は、内部520を有するハウジング512を備える。内部520の上側部分には、7つのフィルターキャンドル526を受け入れるように設計された7つの開口524を提供する分離壁522が配置される。各フィルターキャンドル526は、
図4Fに関連して示し説明したものと同様に、軸線方向に位置合わせされた4つのフィルターエレメント528から構成される。
【0123】
すべてのアセンブリ510は、それらの下端で、未濾液をアセンブリ510に供給する共通の供給ライン構造540に接続される。
【0124】
すべてのアセンブリ510は、それらの上端で、フィルターアセンブリ510からの濾液を受け入れる共通の濾液導管構造550に接続される。典型的には、システム500は、アセンブリ510及び濾液導管構造550、したがってシステム500の下流部全体を通気することを可能にする、濾液導管構造550に接続された通気導管552を備える。
【0125】
システム500は、例えば
図7A及び
図7Bに示されているようにチャンバ560を備えることができ、チャンバ560は、システムの完全性試験を行う必要があるときに試験容積部を提供する、通気導管552の一部を形成する。このようなチャンバ560は、システム500の恒久的な部分を形成する。チャンバ560を組み込んだ通気導管552の区画は、典型的には、弁562及び弁564を備え、これにより、チャンバ560は容易に通気し、フラッシングし、排液することができる。
【0126】
システム500のさらなる代替設計によれば、試験容積部は、導管構造550の通気導管552とは別個に設けられてもよい(図示せず)。
【0127】
図7A及び
図7Bのシステム500は、フィルターキャンドル526が
図4A及び
図4Bの実施形態で使用されているフィルターエレメントに基づいて構成される場合、130m
2の公称濾過面積を提供することができる。システム500は、全体として、約150hL/h~約250hL/hの速度でビールを濾過することが可能である。すべてのアセンブリ510を同時に試験する場合、最大拡散順方向ガス流量は、1.8L/分を幾分超える量になる。典型的には、このような設定は回避され、各アセンブリ510は、224mL/分の最大拡散順方向ガス流量で別々に試験される。完全性試験時に、各アセンブリ510は、共通の試験容積部560を使用して別々に試験することができる。
【0128】
本発明を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における「ある(a)」及び「ある(an)」及び「その(the)」及び「少なくとも1つ」という用語及び同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈上明確な矛盾がない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ以上の項目のリストの後に続く「少なくとも1つ」という用語の使用(例えば、「A及びBの少なくとも1つ)は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈上明確な矛盾がない限り、リストされた項目から選択される1つの項目(A若しくはB)又はリストされた項目のうちの2つ以上の項目の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」という用語は、別段の指摘がない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある個別の値のそれぞれに個々に言及する簡略な方法として機能することを単に意図しており、個別の値のそれぞれは、それが本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されているすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈上明確な矛盾がない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されているありとあらゆる例、又は例示の言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明をより明らかにすることを単に意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるどんな言葉も、特許請求されていない要素を本発明の実施に不可欠なものとして示しているとは解釈されるべきではない。
【0129】
本発明者に知られている、本発明を実施するための最良態様を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書では説明されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を解読することで、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形例を適切に採用すると予期しており、本発明者らは、本発明が本明細書で具体的に説明されているのとは異なる方法で実施されることを意図している。
10、100、200、300、380、510…アセンブリ、12、112、212、350…フィルターメディア、14、114、214、302、414…ハウジング、16、116、216、306、520…内部、18、118、218、305、400、528…フィルターエレメント、20、120、220、312…上流部分、22、122、222、314…下流部分、24、124、224、316、328…入口、26、34、38、126、134、138、142、146、148、226、234、238、252、322、326、341、344、346、382、562、564…弁、28、128、228…供給ライン、30、130、230、318…出口、32、132、232、336…濾液導管、36、136、236…試験ガス入口、40、152…液体、50、150、250、342、386…圧力センサ、140、340、560…チャンバ、144…ドレン、254…導管部分、256…濾液導管の部分、304、304’、526…フィルターキャンドル、308…開口端部、310…壁部、320…配管システム、324、338…分岐部、330…圧力源、352…プリーツ、354、356…中空格子状支持構造、358…上端、360…エンドキャップ、384…区画、402…中空糸膜、412…中空糸膜束、420…第1の端部、422…供給入口、444…第2の端部、446…残液出口、450、452…透過液出口、500…システム、502…ラック、522…分離壁、524…開口、540…供給ライン構造、550…濾液導管構造、552…通気導管