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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046237
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】検査装置、および、検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20180101AFI20220315BHJP
   G01N 23/18 20180101ALI20220315BHJP
【FI】
G01N23/04 340
G01N23/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152175
(22)【出願日】2020-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】久保 拓右
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001BA15
2G001CA01
2G001DA08
2G001FA01
2G001FA06
2G001GA06
2G001HA07
2G001HA13
2G001JA09
2G001JA13
2G001KA05
2G001LA01
2G001PA03
2G001PA11
(57)【要約】
【課題】本開示の1つの目的は、異常確信度の確認が容易な検査装置、および、検査システムを提供することにある。
【解決手段】検査装置は、照射部と、検出部と、画像生成部と、表示部と、制御部と、を備える。照射部は、物品に電磁波を照射する。限定するものではないが、本実施形態において、電磁波はX線である。検出部は、物品Pを透過したX線を検出する。画像生成部は、検出部の検出結果に基づいて、物品Pの検査画像を生成する。表示部は、検査画像を表示する。制御部は、表示部における検査画像の表示態様を変更させる。制御部は、検査画像を構成する画素ごとに、異常状態の確からしさを示す異常確信度を算出する。制御部は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を検査する検査装置であって、
前記物品に電磁波を照射する照射部と、
前記物品を透過した又は前記物品に反射した前記電磁波を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記物品の検査画像を生成する画像生成部と、
前記検査画像を表示する表示部と、
前記表示部における前記検査画像の表示態様を変更させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検査画像を構成する画素ごとに、異常状態の確からしさを示す異常確信度を算出し、前記異常確信度の大きさに基づき前記画素の表示態様を変化させる、
検査装置。
【請求項2】
前記画素は、画素値として色相を含み、
前記制御部は、前記異常確信度の大きさに基づき前記画素の表示態様を変化させる際に、異なる前記異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記画素は、画素値として明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つを含み、
前記制御部は、前記異常確信度の大きさに基づき前記画素の表示態様を変化させる際に、異なる前記異常確信度に対し明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように変化させる、
請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記異常確信度が第1閾値以上である画素と、前記第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせ、且つ第1閾値以上である画素については前記異常確信度に応じて表示態様を変化させ、前記検査画像を視覚的に区分して、前記表示部に表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記異常確信度が前記第1閾値未満である前記画素については前記検査画像における画素値に基づいて前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記異常確信度が第1閾値以上である画素と、前記第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせ、且つ第1閾値未満である画素については前記異常確信度に応じて表示態様を変化させ、前記検査画像を視覚的に区分して、前記表示部に表示させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記異常確信度が第1閾値以上である画素と、前記第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせ、且つ前記異常確信度が前記第1閾値以上である前記画素については前記検査画像における画素値に基づいて、前記表示部に表示させる、
請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記異常確信度が前記第1閾値よりも小さい閾値である第2閾値未満である前記画素については、前記検査画像における画素値に基づいて前記表示部に表示させる、
請求項6又は7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記異常確信度が前記第1閾値未満である画素であって、且つ、前記異常確信度が前記第1閾値以上である前記画素からの距離が所定範囲内に位置する前記画素を、前記検査画像における画素値に基づいて、前記表示部に表示させる、
請求項6から8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記異常確信度が前記第1閾値未満である画素であって、且つ、前記異常確信度が前記第1閾値以上である前記画素からの距離が所定範囲内に位置する前記画素に対して、マーキングを行って表示させる、
請求項6から9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の検査装置と、
物品を、第1方向と、前記第1方向とは異なる第2方向とに振り分ける、振分部と、
を備え、
前記検査装置の前記制御部は、前記検査画像に含まれる前記画素のうち、
前記異常確信度の大きさが前記第1閾値以上である前記画素が所定数以上である場合に、前記検査画像に対応する前記物品に異常があると判断して、前記振分部に、前記物品を前記第1方向に振り分けさせるとともに、
それ以外の場合に、前記検査画像に対応する前記物品に異常がないと判断して、前記振分部に、前記物品を前記第2方向に振り分けさせる、
検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、および、検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2014-048178号公報)に開示されているように、物品に対して電磁波としてのX線を照射し、検査画像としてのX線画像を作成することで、物品の異常を検出する検査装置が知られている。
【0003】
上記の特許文献1に記載の検査装置では、X線透視像信号の値が、所定の閾値よりも小さい場合に検査対象に異物が混入していると判定する。また、上記の特許文献1では、異物ありと判定された領域(画素)を視認できるように、異物ありと判定された領域を赤色に塗りつぶす例が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載の検査装置では、異常確信度を、X線画像から容易に確認することができない。
【0005】
本開示の課題は、異常確信度を容易に確認することができる検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る検査装置は、物品を検査する検査装置である。検査装置は、照射部と、検出部と、画像生成部と、表示部と、制御部と、を備える。照射部は、物品に電磁波を照射する。検出部は、物品を透過した又は物品に反射した電磁波を検出する。画像生成部は、検出部の検出結果に基づいて、物品の検査画像を生成する。表示部は、検査画像を表示する。制御部は、表示部における検査画像の表示態様を変更させる。制御部は、検査画像を構成する画素ごとに、異常状態の確からしさを示す異常確信度を算出する。制御部は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる。
【0007】
この構成によれば、異常確信度を確認することが容易である。
【0008】
第2観点に係る検査装置は、第1観点に係る検査装置であって、画素は、画素値として色相を含む。制御部は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる。
【0009】
第3観点に係る検査装置は、第1観点又は第2観点に係る検査装置であって、画素は、画素値として明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つを含む。制御部は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように変化させる。
【0010】
第4観点に係る検査装置は、第1観点から第3観点のいずれかに記載の検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値以上である画素と、第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、制御部は、異常確信度が第1閾値以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部に表示させる。
【0011】
第5観点に係る検査装置は、第4観点に係る検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値未満である画素については検査画像における画素値に基づいて表示部に表示させる。
【0012】
第6観点に係る検査装置は、第1観点から第3観点のいずれかに記載の検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値以上である画素と、第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、制御部は、第1閾値未満である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部に表示させる。
【0013】
第7観点に係る検査装置は、第6観点に係る検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値以上である画素と、第1閾値未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、制御部は、異常確信度が第1閾値以上である画素については検査画像における画素値に基づいて、表示部に表示させる。
【0014】
第8観点に係る検査装置は、第6観点又は第7観点に係る検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値よりも小さい閾値である第2閾値未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部に表示させる。
【0015】
第9観点に係る検査装置は、第6観点から第8観点のいずれかに記載の検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素を、検査画像における画素値に基づいて、表示部に表示させる。
【0016】
第10観点に係る検査装置は、第6観点から第9観点のいずれかに記載の検査装置であって、制御部は、異常確信度が第1閾値未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行って表示させる。
【0017】
第11観点に係る検査システムは、第1観点から第10観点のいずれかに記載の検査装置と、振分部と、を備える。振分部は、物品を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とに振り分ける。検査装置の制御部は、検査画像に含まれる画素のうち、異常確信度の大きさが第1閾値以上である画素が所定数以上である場合に、検査画像に対応する物品に異常があると判断して、振分部に、物品を第1方向に振り分けさせる。制御部は、それ以外の場合に、検査画像に対応する物品に異常がないと判断して、振分部に、物品を第2方向に振り分けさせる。
【0018】
この検査システムは、異常確信度を確認することが容易な検査装置を備えている。このため、第11観点に係る検査システムでは、作業効率が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る検査装置および、検査システムでは、異常確信度の確認が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態である検査装置の外観を示す斜視図である。
図2】検査装置が組み込まれる検査システムの概略図である。
図3】検査装置のシールドボックスの内部の概略図である。
図4】検知部によって検出される透過X線の強度の例を示すグラフである。
図5】表示部と表示部に表示される検査画像の例を示す概略図である。
図6】制御装置のブロック図である。
図7】ニューラルネットワークの構成を示す模式図である。
図8】画像生成部により生成される画像の一例である。
図9A】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図9B】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図10】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図11】検査装置が物品を検査する処理のフローチャートである。
図12】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図13】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図14】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図15】画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図16】第2実施形態に係る制御装置のブロック図である。
図17】第2実施形態に係る表示部と表示部に表示される検査画像の例を示す概略図である。
図18】第2実施形態に係る画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図19】第2実施形態に係る画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図20】第2実施形態に係る画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図21】第2実施形態に係る画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図22】第2実施形態に係る画像処理部の処理によって作成される検査画像の一例である。
図23】従来技術に係る検査装置によって生成される検査画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の一実施形態に係る検査装置について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、具体例であって、技術的範囲を限定するものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0022】
<第1実施形態>
(1)検査システムの全体構成
検査システム100及び検査システム100に含まれる検査装置10の概要を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本開示に係る検査装置10の一実施形態であるX線検査装置の外観を示す斜視図である。なお、後述するように、本開示はX線検査装置のみに適用されるものではなく、多種多様な装置に適用可能である。図2は、検査装置10が組み込まれる検査システム100の概略図である。検査システム100は、検査装置10と、振分部70と、を備える。本実施形態に係る検査システム100では、検査装置10と振分部70とがそれぞれ別体に構成されている。検査装置10と振分部70とは、通信線等によって電気的に接続されている。この構成により、検査装置10の後述する制御部52は、検査装置10と、振分部70とを制御することができる。検査システム100は、物品Pの検査を行う。検査システム100において、物品Pは、前段コンベア60によって検査装置10まで搬送される。図2では、物品Pが搬送される方向は、矢印で示されている。
【0024】
検査装置10は、前段コンベア60によって連続的に搬送されてくる物品Pに電磁波としてのX線を照射することにより、物品Pの検査を行う。例えば、本実施形態に係る検査装置10は、物品Pの異物混入検査を行い、検査結果に基づいて物品Pを良品又は不良品に分類する。なお、後述するように、本開示に係る検査装置が行う検査は異物混入検査に限定されるものではなく、検査装置10は多種多様な検査を実施することができる。検査装置10によって行われた検査の結果は、制御部52によって、検査装置10の下流側に配置されている振分部70の振分部制御装置170に送られる。
【0025】
振分部制御装置170は、検査装置10において良品と判断された物品Pを、第1方向D1へ振り分けるように振分部70を制御する。第1方向D1は、例えば良品を排出する後段コンベア80へと向かう方向である。振分部制御装置170は、検査装置10において不良品と判断された物品Pを、第2方向D2へ振り分けるように振分部70を制御する。第2方向D2は、例えば不良品排出方向であり、第2方向D2に振り分けられた物品Pは、検査システム100から排出される。詳細は後述する。
【0026】
なお、限定するものではないが、本実施形態における物品Pは、例えば鶏肉である。また、物品Pに含まれる異物は、例えば骨である。
【0027】
(2)検査装置の詳細な説明
本実施形態に係る検査装置10は、主として、シールドボックス11と、搬送ユニット12と、照射部20と、検出部30と、表示部40と、制御装置50と、から構成される。
【0028】
(2-1)シールドボックス
図3は、検査装置10のシールドボックス11の内部の概略図である。シールドボックス11は、検査装置10のケーシングである。図1に示されるように、シールドボックス11の両側面には、物品Pを搬出入するための開口11aが形成されている。開口11aは、シールドボックス11の外部から内部に物品Pを搬入するため、又は、シールドボックス11の内部から外部に物品Pを搬出するために用いられる。開口11aは、遮蔽のれん19により塞がれている。遮蔽のれん19は、シールドボックス11の内部から外部へのX線の漏洩を抑える。遮蔽のれん19は、タングステンシートから成形される。遮蔽のれん19は、物品Pが搬出入される時に物品Pによって押しのけられる。
【0029】
シールドボックス11の内部には、搬送ユニット12、照射部20、検出部30及び制御装置50等が収容されている。シールドボックス11の正面上部には、表示部40、入力用のキー、及び、電源スイッチ等が配置されている。
【0030】
(2-2)搬送ユニット
搬送ユニット12は、シールドボックス11の内部を通過するように物品Pを搬送するためのベルトコンベアである。図1に示されるように、搬送ユニット12は、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。
【0031】
搬送ユニット12は、主として、コンベアモータ12aと、エンコーダ12bと、コンベアローラ12cと、無端状のベルト12dとから構成されている。コンベアローラ12cは、コンベアモータ12aによって駆動される。コンベアローラ12cの駆動により、ベルト12dが回転し、ベルト12d上の物品Pが搬送される。図4において、物品Pが搬送される方向は矢印で示されている。
【0032】
搬送ユニット12による物品Pの搬送速度は、検査装置10のオペレータによって入力された設定速度に応じて変動する。制御装置50は、設定速度に基づいてコンベアモータ12aをインバータ制御し、物品Pの搬送速度を細かく制御する。搬送ユニット12のエンコーダ12bは、コンベアモータ12aの回転速度を検出することで物品Pの搬送速度を算出し、制御装置50に送信する。
【0033】
なお、搬送ユニット12は、搬送機構としてベルトコンベアを用いているが、ベルトコンベアの代わりにトップチェーンコンベア及び回転テーブル等を搬送機構として用いてもよい。
【0034】
(2-3)照射部
照射部20は、シールドボックス11内部の所定の位置まで搬送ユニット12によって搬送された物品Pに、電磁波の一例としてのX線を照射するX線源である。照射部20から照射されるX線には、様々なエネルギーのX線が含まれている。
【0035】
図3に示されるように、照射部20は、搬送ユニット12の上方に配置されている。照射部20は、搬送ユニット12の下方に配置される検出部30に向けて扇状のX線(放射光)を照射する。X線の照射範囲IRは、図3に示されるように、搬送ユニット12の搬送面に対して垂直であり、かつ、搬送ユニット12によって物品Pが搬送される方向に対して直交する方向に広がる。換言すると、照射部20から照射されるX線は、ベルト12dの幅方向に広がる。
【0036】
(2-4)検出部
検出部30は、照射部20から照射されたX線を検出するセンサである。具体的には、検出部30は、搬送ユニット12によって搬送された物品Pを透過したX線である透過X線を検出する。
【0037】
図3に示されるように、検出部30は、搬送ユニット12のベルト12dの下方に配置されている。検出部30は、複数のX線検出素子30aから構成されている。複数のX線検出素子30aは、搬送ユニット12によって物品Pが搬送される方向に直交する方向(ベルト12dの幅方向)に沿って一直線に水平に配置されている。
【0038】
検出部30は、透過X線を検出し、検出された透過X線の強度に応じた電圧を示すX線透過信号を出力する。X線透過信号は、後述するように、物品Pの透過画像(検査画像)の生成に用いられる。図4は、検出部30によって検出される透過X線の強度の例を示すグラフである。グラフの横軸は、検出部30上の位置を表す。グラフの縦軸は、検出部30が検出した透過X線の強度を表す。
【0039】
物品Pの検査画像では、透過X線の検出量の多いところが明るく(輝度が高く)表示され、透過X線の検出量が少ないところが暗く(輝度が低く)表示される。すなわち、物品Pの検査画像の明暗(輝度)は、透過X線の検出量に依存する。図4に示されるように、物品Pを透過したX線の検出量は、物品Pを透過しなかったX線の検出量より低い。
【0040】
(2-5)表示部
本実施形態において、表示部40は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイである。表示部40は、検査装置10の入力部としても機能する。表示部40には、例えば物品Pの検査結果等が表示される。また、図5に示されるように、表示部40には、物品Pの良否判断に関するパラメータの入力のための画面等が表示される。
【0041】
検査装置10のオペレータは、表示部40を操作して、検査パラメータ及び動作設定情報等を入力することができる。検査パラメータとは、物品Pの良否を判定するために必要なパラメータである。具体的には、検査パラメータは、物品Pに含まれる異常(異物)の有無を判定するために用いられる第1閾値K1等の閾値や、異常確信度等である。動作設定情報とは、物品Pの検査速度、及び、搬送ユニット12の搬送方向等の情報である。
【0042】
本実施形態において、第1閾値K1は、物品の異常確信度に関する閾値である。本実施形態においては、物品Pの検査画像を構成する画素の異常確信度の大きさが第1閾値K1以上となることで、又は、第1閾値K1以下となることで、検査画像の表示態様が変化する。詳細は後述する。
【0043】
本実施形態において、異常確信度は、物品Pに生じている異常状態の確からしさを示すパラメータである。物品Pに生じている異常状態とは、例えば、物品Pに異物が混入されている状態等を含む。異常確信度は、物品Pの検査画像を構成する画素から算出することができる。詳細は後述する。
【0044】
本実施形態において、第1閾値K1は、異常確信度の上限又は下限を限度として設定することができる。限定するものではないが、本実施形態において、異常確信度の下限は0で、上限は255とする。本実施形態において、第1閾値K1は、例えば異常確信度150に設定されるものとする。
【0045】
本開示に係る検査装置10は、第1閾値K1の大きさの変更をオペレータ(ユーザ)から受け付ける閾値変更部90を備える。後述する制御部52は、閾値変更部90が受け付けた変更に応じて、検査画像の画素の表示態様を変化させる。
【0046】
本実施形態において、閾値変更部90は、表示部40に表示される(図5参照)。検査装置10のオペレータは、閾値変更部90を通じて、第1閾値K1を変更することができる。第1閾値K1は、例えば図5に示すようなトグルスイッチ91を左右にスライドさせることで変更することができる。ただし、第1閾値K1の変更手段はこれに限定されるものではなく、第1閾値K1は、ボタン、目盛、手入力、タッチ操作、その他様々な手段によって、変更されるものであってもよい。
【0047】
表示部40は、制御装置50に接続されており、制御装置50と信号の送受信を行う。表示部40によって入力された検査パラメータ及び動作設定情報は、制御装置50の記憶部51に記憶される。
【0048】
(2-6)制御装置
制御装置50は、主として、CPU、ROM、RAM及びHDD(ハードディスクドライブ)等によって構成されている。なお、HDDの代わりにSSD(ソリッドステートドライブ)が用いられてもよい。制御装置50は、図示されない表示制御回路、入力回路及び通信ポート等も備えている。表示制御回路は、表示部40の表示を制御する回路である。入力回路は、表示部40のタッチパネル及び入力キーを介してオペレータによって入力された入力データを取り込む回路である。通信ポートは、プリンタ等の外部機器、及び、LAN等のネットワークとの接続を可能にするポートである。
【0049】
図6は、制御装置50のブロック図である。制御装置50は、主として、記憶部51と、制御部52と、を有する。制御装置50は例えば、コンベアモータ12a、エンコーダ12b、照射部20、検出部30及び表示部40等に電気的に接続されている。制御装置50は、エンコーダ12bからコンベアモータ12aの回転数に関するデータを取得し、そのデータに基づいて物品Pの移動距離を算出する。制御装置50は、検出部30から出力されたX線透過信号を受信し、搬送ユニット12のベルト12d上の物品PがX線の照射範囲IRに到達したタイミングを検出する。
【0050】
なお、本実施形態に係る制御装置50は、一実施例にすぎない。制御装置50は、本実施形態に係る制御装置50が発揮する機能と同様の機能を、論理回路等のハードウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実現してもよい。
【0051】
また、制御装置50に代えて、又は、制御装置50とともに、本実施形態で説明する制御装置50の機能の一部又は全部を実現する制御装置を有してもよい。例えば、後述する画像生成部52aの機能は、制御装置50以外の制御装置によって実現されてもよい。
【0052】
また、制御装置50は、本実施形態で説明する機能の一部又は全部を有していなくてもよい。例えば、本実施形態で説明する制御装置50の機能の一部又は全部は、検査装置10とは別の場所に設置されるサーバ等により実現されてもよい。換言すると、制御装置50の機能は、検査装置10だけで実行されなくてもよく、検査装置10とは別に設置される図示しないサーバ等により実現されてもよい。
【0053】
(2-6-1)記憶部
記憶部51には、制御部52に実行させる各種プログラムが記憶されている。また、記憶部51には、表示部40からオペレータにより入力された検査パラメータ、デフォルト値として記憶されている検査パラメータ、及び異常(異物)検査の検査結果等が記憶される。オペレータにより入力された検査パラメータには、オペレータにより閾値変更部90を通じて入力された第1閾値K1を含む。記憶部51は、主として、画像記憶部51aと、教師データ記憶部51bと、を有する。
【0054】
(2-6-1-1)画像記憶部
画像記憶部51aは、検査画像に関するデータを記憶する。検査画像に関するデータとは、ここでは例えば異物無し画像データや、異物混み画像データである。異物無し画像データとは、異物や仮想異物を含まない物品Pに係る画像データのことを指す。異物無し画像データは、H×Wの2次元配列である。異物混み画像データとは、異物や仮想異物を含む物品Pに係る画像データのことを指す。異物混み画像データは、異物無し画像データと同様に、H×Wの2次元配列である。画像記憶部51aに記憶される異物混み画像データ及び異物無し画像データは、限定するものではないが、後述する画像生成部52aによって取得されるものであってもよい。
【0055】
具体的には、異物混み画像データは、例えば、異物を含む物品Pを検査装置10の搬送ユニット12に流し、画像生成部52aによる処理を経ることで取得されてもよい。この場合、異物は例えば、プラスチック片や金属片や骨等であってもよいし、異物混み画像データを取得するために用意されたテストピースであってもよい。あるいは、異物混み画像データは、例えば、検査画像の任意の場所に、仮想的な異物の画像を手動で追加することにより取得されてもよい。あるいは、異物混み画像データは、例えば、検査画像に仮想的な異物の画像を自動で追加するプログラムを実行することにより取得されてもよい。
【0056】
このほか、異物混み画像データや異物無し画像データは、例えばオペレータによってデータ入力されることで、画像記憶部51aに記憶されるものであってもよい。
【0057】
(2-6-1-2)教師データ記憶部
教師データ記憶部51bは、後述する学習部52cが物品Pに関する特徴を取得するために使用する教師データを記憶する。教師データは、主として、画像記憶部51aに記憶されている検査画像から抽出された画像データ、及び、その他のデータである。その他のデータは、例えば、物品Pの検査画像において、物品Pの異常(例えば、異物等)が存在する領域(例えば、異物等の異常に該当する画素の位置)に関するデータである。教師データの詳細及び利用方法については、後述する。
【0058】
(2-6-2)制御部
制御部52は、記憶部51に記憶された各種プログラムを呼び出して実行し、検査装置10の各部の制御を行う。例えば、制御部52は、照射部20のX線照射タイミングや、X線照射量を制御する。
【0059】
また、制御部52は、主として、画像生成部52aと、教師データ取得部52bと、学習部52cと、画像処理部52dと、検査部52eと、を有する。これらは、記憶部51に記憶されているプログラムを実行することによって実現される機能である。
【0060】
(2-6-2-1)画像生成部
画像生成部52aは、検出部30によって検出された透過X線量に基づいて、図8に示すような物品PのX線画像(検査画像)を生成する。図8に示すように、物品Pの検査画像では、透過X線の検出量の多い領域が明るく(輝度が高く)表示され、透過X線の検出量が少ない領域が暗く(輝度が低く)表示される。すなわち、物品Pの検査画像の明暗(輝度)は、透過X線の検出量に依存する。画像生成部52aが生成する検査画像において、輝度が最低値である領域の画素は黒く、輝度が最高値である画素は白で表示される。換言すると、画像生成部52aが生成する検査画像は、無彩色の画像である。図8に示す領域A1、A2、A3、A4は、輝度が低い領域である。一方で、領域B1は、輝度が高い領域である。
【0061】
ただし、図8の表示は一例であり、実際には、輝度の高い領域であっても、異物が混入している恐れがあり、また、輝度が低い領域であっても、異物が混入しているとは限らない。このため、画像生成部52aで生成された段階の検査画像では、異物を確認することが容易ではない。
【0062】
画像生成部52aは、検出部30の各X線検出素子から出力されるX線透過信号を所定の短い時間間隔で取得し、取得したX線透過信号に基づいて検査画像を生成する。画像生成部52aは、扇状のX線の照射範囲IR(図4参照)を物品Pが通過する際に各X線検出素子から出力されるX線透過信号に基づいて、物品Pの検査画像を生成する。照射範囲IRにおける物品Pの有無は、検出部30が出力する信号の出力のタイミングにより判断される。
【0063】
画像生成部52aは、検出部30の各X線検出素子30aから得られる透過X線の強度に関する所定の時間間隔ごとのデータを時系列的に沿ってマトリックス状につなぎ合わせて、物品Pの検査画像を生成する。
【0064】
(2-6-2-2)教師データ取得部
教師データ取得部52bは、学習部52cが使用する教師データを、画像記憶部51aから取得する。画像記憶部51aには、異物無し画像データや、異物混み画像データが記憶されている。異物無し画像データとは、異物や仮想異物を含まない物品Pに係る画像データのことを指す。異物無し画像データは、H×Wの2次元配列である。異物混み画像データとは、異物や仮想異物を含む物品Pに係る画像データのことを指す。異物混み画像データは、異物無し画像データと同様に、H×Wの2次元配列である。
【0065】
教師データ取得部52bは、画像記憶部51aに記憶されているこれらの異物無し画像データや、異物混み画像データを教師データとして取得する。例えば、教師データ取得部52bは、画像記憶部51aに予め記憶されている異物無し画像データや異物混み画像データを、合わせて数百枚又は数千枚取得する。
【0066】
(2-6-2-3)学習部
学習部52cは、教師データ取得部52bが取得した教師データを用いて、学習モデル136の学習処理を実行する。学習モデル136に用いられる機械学習の例としては、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト等が挙げられる。
【0067】
学習部52cは、教師データ取得部52bが取得した異物無し画像データや異物混み画像データに係る多数の教師データを用いて学習モデル136を生成する。
【0068】
本実施形態では、図7に示すように、学習モデル136は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)130である。畳み込みニューラルネットワーク130は、入力層131、中間層132及び出力層133を含む。
【0069】
入力層131では、異物無し画像データや異物混み画像データからなる教師データが入力される。入力層131は、H×Wの2次元配列を入力できるように構成する。
【0070】
中間層132は、畳み込み層132aとプーリング層132bとを有する。畳み込み層132aは、画像データの局所的な特徴を抽出する層である。プーリング層132bは、画像データの局所的な特徴をまとめる層である。畳み込み層132aとプーリング層132bとは、交互に繰り返す構成を取るものであってもよい。畳み込み層132a及びプーリング層132bの構成は、ResNet(Residual Network)等の代表的なモデルを用いてもよい。また、畳み込み層132a及びプーリング層132bの構成は、例えば、正解率が最良となるように、適宜カスタマイズされてもよい。中間層132の最後の層は、全結合層132cとする。畳み込み層132a及びプーリング層132bは、各層のノードを用いた演算によって、入力層131を通じて入力される異物無し画像データや異物混み画像データの特徴を抽出する。全結合層132cは、畳み込み層132a及びプーリング層132bを通して特徴部分が取り出された経過画像を1つのノードに結合し、活性化関数によって変換した値を特徴ベクトルとして出力する。限定するものではないが、中間層132では、活性化関数の一例としてReLU関数を用いる。全結合層132cが出力した特徴ベクトルは、出力層133に送出される。
【0071】
出力層133では、例えば、物品Pの異常状態の確からしさを示す異常確信度が出力される。本実施形態における異常状態とは、限定するものではないが、例えば物品Pに異物が含まれている状態である。出力層133の活性化関数は、例えば、シグモイド関数を用いる。
【0072】
畳み込みニューラルネットワーク130の損失関数は、例えば、交差エントロピーを用いる。畳み込みニューラルネットワーク130の最適化は、例えば最急降下法等を用いる。
【0073】
学習部52cは、上記機械学習を実行することにより、画像生成部52aが生成した検査画像が入力されることで、検査画像を構成する画素ごとに、異常確信度を算出(出力)する学習モデル136を生成する。
【0074】
本実施形態に係る学習モデル136は、例えば、検査画像の輝度に基づいて異常確信度を算出するよう機械学習が行われたものであってもよい。この場合、検査画像において、画素値としての輝度が小さい領域の画素(換言すると、透過したX線の強度が弱い領域の画素)については、異常確信度を大きく算出するものであってもよい。また、該当画素の画素値と、近傍の画素の画素値との関係性から、異常確信度を算出するものであってもよい。
【0075】
本実施形態に係る学習モデル136は、画像生成部52aが生成した検査画像に対して自動的に異常確信度を算出する。ただし、検査画像は、画像生成部52aや検査部52e、その他記憶部51に記憶された各種プログラムを制御部52が実行することによって、学習モデル136に入力されるものであってもよい。この場合、学習モデル136は、検査画像が入力されるごとに異常確信度を算出する。
【0076】
ここでは、学習モデル136は、検査画像を構成する画素の異常確信度の大きさを、0~255の256段階に分類する。
【0077】
(2-6-2-4)画像処理部
画像処理部52dは、画像生成部52aで生成された検査画像であって、学習モデル136によって画素ごとの異常確信度が算出された検査画像に対して画像処理を行う。画像処理部52dは、検査画像の画素ごとの異常確信度の大きさに基づき、検査画像を構成する画素の表示態様を変化させる。当該検査画像は、表示部40に表示される。
【0078】
詳細には、画像処理部52dは、検査画像を構成する画素ごとの異常確信度の大きさに基づき、検査画像の画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる。
【0079】
(a)例えば、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である検査画像の画素と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素との表示態様を異ならせる。なおかつ、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分させる。以下、このような表示態様を、第1表示態様と呼ぶことがある。
【0080】
(b)上記の(a)で説明した態様(第1表示態様)で検査画像を表示する場合、好ましくは、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部40に表示させる。以下、このような表示態様を、第2表示態様と呼ぶことがある。
【0081】
以下、具体的に説明する。
【0082】
(a)第1表示態様
第1表示態様では、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分させる。
【0083】
例えば、本実施形態に係る画像処理部52dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図9Aの(a)に示すような検査画像を作成し、表示部40のC1で示す領域(図5参照)に表示させる。
【0084】
図9Aの(a)において、A1、A2、A3、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。上記の通り、本実施形態では、第1閾値K1は異常確信度150に設定されている。このため、図9Aの(a)において、A1、A2、A3、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが150以上の画素からなる領域であると考えられる。換言すると、領域A1、A2、A3、A4は、異常確信度の大きさが第1閾値K1を上回る程度に、異常状態が生じている恐れがあると考えられる領域である。より具体的には、領域A1、A2、A3、A4には、例えば異物が混入している恐れがある。なお、図9Aの(a)に示すように、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素によって構成される領域は、表示部40に表示されていない。
【0085】
以下、図9の(a)においては、領域A1を構成する画素の異常確信度が最も大きく、A2、A3、A4、の順に、異常確信度が低下しているものとして説明する。本実施形態において、検査画像を構成する各画素の画素値としての色相は、第1閾値K1の大きさに応じて変化する。より具体的には、検査画像の各画素から算出される異常確信度の大きさが第1閾値K1をどの程度上回っているかに応じて、検査画像の各画素の表示態様は変化する。ここで、画像処理部52dは、例えば、異常確信度が大きい画素から順に、赤色、橙色、緑色、空色に対応させるとする。この場合、例えば、最も異常確信度が大きい画素からなるA1の領域が赤色に、次いで異常確信度が大きい画素からなるA2の領域が橙色に、次いで異常確信度が大きい画素からなるA3の領域が緑色に、次いで異常確信度が大きい画素からなるA4の領域が空色に対応しており、画像処理部52dは、各領域を、各領域が対応する色で表示部40に表示させる。ただし、これらの表示の態様はあくまでも一例であって、例えば、各異常確信度に対応する色は、適宜変更可能である。詳細は以下の(b)や変形例1Iで後述する。
【0086】
なお、図面の都合上、本願図面において色相の変化は、ハッチングの態様を変化させることで表現している。
【0087】
このように、本実施形態に係る画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素と、の表示態様を異ならせている。なおかつ、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分させている。
【0088】
図9Aの(a)に示すように、本実施形態に係る検査装置10によって表示される検査画像では、異常確信度を確認することが容易である。
【0089】
また、画像生成部52aで生成された無彩色の検査画像(図8参照)と比較して、画像処理部52dによる処理を経た有彩色の検査画像(図9Aの(a)参照)は、異物の有無や異常確信度の大きさを直感的に把握することができる。
【0090】
なお、図9Aの(a)に示すように、表示部40には、異常確信度の大きさに対応したカラーバー45が表示されていてもよい。これにより、本実施形態に係る検査装置10のオペレータは、異常確信度をより容易に確認することができる。図9Aの(a)では、上方から下方に向けて、確信度が大きいものから順に、表示される色相を並べて表示している。検査装置10のオペレータは、カラーバー45を確認することで、異常確信度が、第1閾値K1をどの程度上回っているかを確認することができる。ここでは、カラーバー45は、第1閾値K1に対する異常確信度の相対的な大きさを示すものである。例えば、カラーバー45の上部45aに表示されている色に対応した色が表示されている領域(図9Aの(a)では、領域A1)は、異常確信度が第1閾値K1を大きく上回っている画素によって構成されている領域である。また、カラーバー45の底部45bの色に対応した色が表示されている領域(図9Aの(a)では、領域A4)は、異常確信度が第1閾値K1を僅かに上回る画素によって構成されている領域である。この構成によれば、カラーバー45を参照することで、各領域を構成する画素の異常確信度が、第1閾値K1をどの程度上回っているのかを容易に確認することができる。
【0091】
ただし、カラーバー45による表示は、上記の例に限定されるものではなく、カラーバー45は、異常確信度の絶対的な大きさに対応するものであってもよい。例えば、カラーバー45には、256階調の色相が表示されているものであってもよい。この場合、カラーバーの上部45aは、異常確信度の最大値(ここでは、255)に対応する色を表示し、底部45bは、異常確信度の最小値(ここでは、0)に対応した色を表示する。また、この場合、第1閾値K1に対応する色相を示すマーク(矢印等)が、カラーバー45とともに表示されるものであってもよい。
【0092】
また、第1閾値K1の変更は、カラーバー45から受け付けるものであってもよい。換言すると、カラーバー45は、閾値変更部90として機能するものであってもよい。この場合、カラーバー45は、図5に示すようなトグルスイッチ91を有するものであってもよい。あるいは、図9Aの(b)に示すように、表示部40には、カラーバー45とともに、閾値変更部90が表示されるものであってもよい。
【0093】
なお、本実施形態においては、画像生成部52aで生成された検査画像は、画像処理部52dによる処理を経ることで、画素値としての色相を含む検査画像となる。
【0094】
(b)第2表示態様
第2表示態様では、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分させる。なおかつ、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部40に表示させる。
【0095】
例えば、本実施形態に係る画像処理部52dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図10の(a)に示すような検査画像を作成し、表示部40のC1で示す領域に表示させる。
【0096】
図10の(a)において、A1、A2、A3、で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。図10の(a)において、領域A4、B1は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域である。
【0097】
ここで、画像処理部52dは、例えば、異常確信度が大きい画素から順に、赤色、橙色、緑色、に対応させるとする。この場合、例えば、最も異常確信度が大きい画素からなるA1の領域が赤色に、次いで異常確信度が大きい画素からなるA2の領域が橙色に、次いで異常確信度が大きい画素からなるA3の領域が緑色に、対応しており、画像処理部52dは、各領域を、各領域が対応する色で表示部40に表示させる。ただし、これらの表示はあくまでも一例であって、適宜変更可能である。
【0098】
また、図10の(a)に示すように、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素からなる領域A4、B1については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部40に表示されている。換言すると、制御部52は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素からなる領域については、画像生成部52aによって生成された状態から特に処理を加えることなく、表示部40に表示する。なお、本願図面において、検査画像における画素値に基づいて表示される領域については、斜線のハッチングを付して表現している(図8参照)。
【0099】
このように、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については、異常確信度に応じて表示態様を変化させる一方で、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素については、画素が有する画素値に基づいて表示部40に表示させている。このため、本実施形態に係る検査装置10では、異常確信度を確認することが容易である。
【0100】
また、本実施形態に係る検査装置10のオペレータは、検査画像において、物品Pと、異常確信度が第1閾値K1を超える画素からなる領域と、の関係を確認することが容易である。例えば、物品Pと、異常確信度が第1閾値K1を超える画素からなる領域と、の位置関係を確認することが容易である。このように、本実施形態に係る検査装置10では、異常確信度をより容易に確認することができる。
【0101】
(2-6-2-5)検査部
検査部52eは、学習モデル136によって算出された異常確信度を用いて、物品Pに異常が生じているか否か(物品Pが良品であるか否か)を判断する。限定するものではないが、本実施形態における異常状態とは、物品Pに異物が混入されている状態である。
【0102】
検査部52eは、学習モデル136に入力された検査画像に含まれる画素のうち、第1閾値K1を超える異常確信度を有する画素が所定数以上である場合に、検査画像に対応する物品Pに異常がある(物品Pは不良品である)と判断して、振分部70に、物品Pを第1方向D1に振分けさせる。なお、所定数、とは、所定割合、を意味するものとして解釈することもできる。より詳細には、本実施形態に係る検査システム100の制御部52の一機能としての検査部52eは、学習モデル136に入力された検査画像に含まれる画素のうち、第1閾値K1以上の異常確信度を有する画素が所定割合以上存在する場合に、検査画像に対応する物品Pに異常がある(物品Pは不良品である)と判断して、振分部70に、物品Pを第1方向D1に振分けさせる。
【0103】
検査部52eは、上記以外の場合に、検査画像に対応する物品Pに異常がない(物品Pは良品である)と判断して、振分部70に、物品Pを第2方向D2に振り分けさせる。
【0104】
本実施形態において、検査部52eは、例えば検査の結果を振分部制御装置170に送る。振分部制御装置170は、検査装置10において良品と判断された物品Pを、第1方向D1へ振り分けるように振分部70を制御する。第1方向D1は、例えば良品を排出する後段コンベア80へと向かう方向である。振分部制御装置170は、検査装置10において不良品と判断された物品Pを、第2方向D2へ振り分けるように振分部70を制御する。第2方向D2は、例えば不良品排出方向であり、第2方向D2に振り分けられた物品Pは、検査システム100から排出される。
【0105】
なお、検査部52eは、学習モデル136に入力された検査画像に含まれる画素のうち、第1閾値K1以上の異常確信度を有する画素が、所定数以上連続して存在する場合や、所定範囲内に所定数以上存在している場合に、検査画像に対応する物品Pに異常がある(物品Pは不良品である)と判断するものであってもよい。
【0106】
(3)検査装置の動作
本実施形態に係る検査システム100が行う動作について、図11を用いて説明する。なお、図11に示される処理の流れはあくまでも一例であり、矛盾のない範囲で適宜変更されてもよい。例えば各ステップの前後に、図示されていない他のステップが含まれていてもよく、互いに矛盾しない範囲で各ステップの順序が適宜変更されてもよい。
【0107】
(3-1)
まず、ステップS1では、検査システム100のオペレータによって、検査装置10の閾値変更部90から第1閾値K1が設定(入力)される。
【0108】
次に、ステップS2では、画像生成部52aが、X線検出素子30aから出力されたX線透過信号を用いて、ベルト12dを流れる物品PのX線画像(検査画像)を生成する。
【0109】
次に、ステップS3では、学習モデル136によって検査画像を構成する画素の異常確信度が算出される。
【0110】
次に、ステップS4では、画像処理部52dが、ステップS1で設定された第1閾値K1やステップS3で算出された異常確信度に基づき、検査画像に対して画像処理を行う。
【0111】
次に、ステップS5では、検査部52eが、ステップS3で算出された異常確信度に基づき、異常判定を実行する。異常判定の結果は、制御装置50や振分部制御装置170に信号として出力される。
【0112】
ステップS5で不合格(異常あり)と判定された場合には、ステップS6に進む。
【0113】
ステップS6では、表示部40に、検査に不合格であった旨を示す表示と、ステップS4で作成された検査画像とが表示される。換言すると、異常確信度が第1閾値K1以上の画素からなる領域と、第1閾値K1未満の画素からなる領域とで、検査画像の表示態様が異なる検査画像が表示される。
【0114】
次に、ステップS7では、振分部制御装置170から、振分部70に対し、検査に不合格の物品Pを第2方向D2へ振り分けるように命令がなされる。
【0115】
一方、ステップS5で合格(異常なし)と判定された場合には、ステップS8に進む。ステップS8では、表示部40に、異常検査に合格であった旨を示す表示と、ステップS4で作成された検査画像とが表示される。
【0116】
次に、ステップS9では、異常検査に合格した物品Pが、第1方向D1へと搬送される。
【0117】
(4)制御部の機能
以下、本開示に係る検査装置10の制御部52の機能について説明する。
【0118】
本実施形態において、制御部52は、記憶部51に記憶されている所定のプログラムを実施することで、画像生成部52a、教師データ取得部52b、学習部52c、画像処理部52d及び検査部52eとして機能する。ここでは、特に、制御部52が有する画像処理部52dとしての機能について説明する。
【0119】
(4-1)
従来技術に係る検査装置では、X線透視像信号の値が、所定の閾値よりも小さい場合に検査対象に異物が混入していると判定する。これは、異常確信度が所定の閾値よりも大きいことと対応している。また、従来技術に係る検査装置では、異物ありと判定された領域(画素)を視認できるように、異物ありと判定された領域に対して、着色処理(例えば、赤色に塗りつぶす処理など)を行うことがある。このため、従来技術に係る検査装置では、図23の(a)に示すような検査画像が表示部に表示されることが考えられる。
【0120】
図23の(a)は、従来技術に係る検査装置によって生成された検査画像の一例である。図23の(a)では、異物ありと判定された領域a1、a2、a3、a4のそれぞれを構成する画素に、着色処理が行われているものとする。図23の(a)において、画素から算出される異常確信度は、領域a1が最も大きく、領域a2、領域a3、領域a4、領域b1の順に異常確信度が低下するものとする。なお、領域b1は、異常確信度が第1閾値K1未満の画素からなる領域であるものとする。しかしながら、図23の(a)に示す通り、従来技術に係る検査画像には、領域a1、a2、a3、a4、の各領域を構成する画素に係る異常確信度の大きさが反映されていない。このため、例えば検査装置から誤検出が生じていることが判明した際に、適切な第1閾値K1を把握する事が困難である。以下、具体的に説明する。
【0121】
例えば、従来技術に係る検査装置において、検査用のサンプルの物品Pを切り開いて異物の有無を確認するなどして、物品Pの図23の(a)に示される領域a1、a2、a3には異物が含まれているが、領域a4には実際には異物が含まれていない(領域a4の異物は誤検出である)ことが判明した場合を想定する。この場合、オペレータは、領域a1、a2、a3を構成する画素の異常確信度の大きさを下回り、かつ、領域a4の異常確信度の大きさを上回るように、第1閾値K1の設定を変更する必要がある。しかしながら、図23の(a)には、領域a1、a2、a3及びa4の各領域を構成する画素の異常確信度の大きさが反映されていない。換言すると、領域a1、a2、a3及びa4を構成する画素の異常確信度の大きさが、第1閾値K1をどの程度上回っているのかが示されていない。このため、従来技術の検査装置に係るオペレータは、領域a1、a2、a3を構成する画素の異常確信度を下回り、かつ、領域a4の異常確信度を上回る第1閾値K1を見出すために、第1閾値K1の微調整を繰り返す必要があった。具体的には、第1閾値K1を実際に増減させて、異常確信度が第1閾値K1を上回る領域を確認し(異常確信度が第1閾値K1を上回らなくなる領域を確認し)、所望の結果が得られるかを試す必要があった。そのため、オペレータは、適切な第1閾値K1を設定するための調整に時間がかかっていた。
【0122】
また、例えば、従来技術に係る検査装置において、物品Pの図23の(a)に示される領域a1、a2、a4には異物が含まれているが、領域a3には実際には異物が含まれていないことが判明した場合を想定する。この場合、領域a3の異物は誤検出であるが、領域a4の異物は正しく検出されていることになる。そのため、異物検出を確実に行うためには、領域a4に対応する異物が確実に検出されるように第1閾値K1を設定することが必要となる。しかしながら、領域a3を構成する画素の異常確信度は、領域a4を構成する画素の異常確信度よりも大きい。そのため、領域a3の異物が誤検出されず、且つ領域a4の異物が検出されるように第1閾値K1を設定することは不可能である。しかしながら、従来技術に係る検査装置において、オペレータは、領域a3及び領域a4を構成する画素の異常確信度がどの程度第1閾値K1を上回っているか、表示により即座に把握することができない。そのため、オペレータは、実際に第1閾値K1の値を増減させて、領域a3及び/又は領域a4における各々の異常確信度が第1閾値K1を超えて又は下回って、領域a3及び領域a4における着色処理の有無が変化する様子を確認するまでは、領域a3が誤検出されず、且つ領域a4が検出されるように第1閾値K1を設定することは不可能であるという事実を認識することができなかった。そのため、オペレータは、設定不可能な調整を試みてしまい、適切な第1閾値K1を設定するための調整に無用な時間を費やす可能性があった。なお、この場合は、例えば、領域a4に係る異物の検出を優先するため、領域a3に係る誤検出を許容して、領域a3の異常確信度及び領域a4の異常確信度がいずれも第1閾値K1を上回るように調整するのが好ましい。
【0123】
このように、従来技術に係る検査装置では、画素の異常確信度の大きさが、検査画像に反映されていない。この場合、従来技術に係る検査装置において、例えば異常の誤検出が抑制されるような最適な第1閾値K1を把握することは、非常に時間のかかる作業となる。
【0124】
(4-2)
一方で、本実施形態に係る検査装置10では、画像処理部52dによる画像処理が行われる。本実施形態に係る画像処理部52dは、検査画像を構成する画素から算出される異常確信度の大きさに基づき、検査画像を構成する画素の表示態様を変化させる。
【0125】
詳細には、画像処理部52dは、大きさが異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように表示態様を変化させる。
【0126】
例えば、画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。なおかつ、画像処理部52dは、第1閾値K1以上である画素については異常確信度の大きさに応じて表示態様を変化させる。
【0127】
また、例えば画像処理部52dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部40に表示させる。
【0128】
このため、表示部40には、例えば図10の(b)に示すような検査画像が表示される。図10の(b)に示す通り、検査画像には、領域A1、A2、A3、A4、の各領域を構成する画素に係る異常確信度が反映されている。このため、例えば検査装置10から誤検出が生じていることが判明した際に、適切な第1閾値K1を把握することが容易である。以下、具体的に説明する。
【0129】
例えば、検査装置10において、検査用のサンプルの物品Pを切り開いて異物の有無を確認するなどして、物品Pの図10の(b)に示される領域A1、A2、A3には異物が含まれているが、領域A4には異物が含まれていない(領域A4の異物は誤検出である)ことが判明した場合を想定する。この場合、オペレータは、領域A1、A2、A3を構成する画素の異常確信度を下回り、かつ、領域A4を構成する画素の異常確信度を上回るように、第1閾値K1を変更する必要がある。図10の(b)に示すように、検査画像には、領域A1、A2、A3及びA4を構成する画素の異常確信度の大きさが反映されている。換言すると、領域A1、A2、A3及びA4を構成する画素の異常確信度の大きさが、第1閾値K1をどの程度上回っているのかが示されている。このため、ここでは、領域A3を構成する画素の異常確信度の大きさを下回り、かつ、領域A4を構成する画素の異常確信度の大きさを上回るように第1閾値K1の変更を行うことで、誤検出が抑制されることがオペレータに容易に確認される。
【0130】
また、例えば、検査装置10において、物品Pの図10の(b)に示される領域A1、A2、A4には異物が含まれているが、領域A3には実際には異物が含まれていないことが判明した場合を想定する。この場合、領域A3の異物は誤検出であるが、領域A4の異物は正しく検出されていることになる。ここで、オペレータは、検査装置10における領域A1、A2、A3の表示の態様(例えば、異常確信度の大きさに対応させた色)を確認すれば、即座に領域A3を構成する画素の異常確信度が領域A4を構成する画素の異常確信度よりも大きいことを理解できる。そのため、領域A3が誤検出されず、且つ領域A4が検出されるように第1閾値K1を設定することは不可能であるという事実を、実際に第1閾値K1の値を増減させることなく認識することができる。したがって、オペレータは、無用な調整を試みることがなくなる。
【0131】
このように、本実施形態に係る検査装置10では、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。また、これにより、オペレータは、最適な第1閾値K1を設定するための調整を、従来よりも短い時間で行うことができるようになる。
【0132】
(4-3)
また、本実施形態に係る検査装置10では、異常確信度の大きさに応じて色相を変化させることで、異常確信度の大きい領域を2次元的に表示することができる。例えば、本実施形態に係る検査装置10の制御部52は、図12に示すような検査画像を表示部40の領域C1に表示させる。図12では、物品Pのベルト12dにおける搬送方向をXとして、物品Pの幅方向をYとする。
【0133】
図12では、領域A1と領域A2とが、物品Pの搬送方向Xにおいて共通する座標であるX1に、それぞれ位置している。一方で、領域A1は幅方向YにおいてY1に、領域A2は幅方向YにおいてY2に、それぞれ位置することから、領域A1と領域A2とは明確に区別されて表示部40に表示される。
【0134】
あるいは、図12では、領域A1と領域A5とが、物品Pの幅方向Yにおいて共通する座標であるY1にそれぞれ位置している。しかしながら、領域A1は搬送方向XにおいてX1に、領域A5は搬送方向XにおいてX2に、それぞれ位置することから、領域A1と領域A5とは明確に区別されて表示部40に表示される。
【0135】
このように、物品Pに、異常確信度が所定の閾値(基準値)を超えている画素からなる領域が複数存在する場合であって、当該複数の領域が搬送方向又は幅方向のいずれかにおいて共通する座標に位置する場合であっても、本実施形態における検査装置10では、各領域の正確な位置と、各領域を構成する画素の異常確信度の大きさと、を同時に表示部40に表示することができている。換言すると、本実施形態に係る検査装置10では、異常が生じている恐れがある画素からなる領域の2次元的な表示と、異常が生じている恐れがある画素からなる領域における異常確信度の大きさの表示と、が両立されている。
【0136】
このため、本実施形態に係る検査装置10のオペレータは、物品Pの検査画像において、異常が生じている恐れがある画素からなる領域を正確に、確認することができ、かつ、当該領域における異常確信度の大きさを正確に確認することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る検査装置10のオペレータは、異常が生じている恐れがある画素からなる領域を直ちに確認することができ、かつ、当該領域における異常確信度の大きさを直ちに確認することができる。
【0138】
また、本実施形態の検査装置10に係るオペレータは、異常確信度が、閾値(基準値)をどの程度上回っているのか、直ちに把握(理解)することができる。
【0139】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態に係る検査装置10は、物品Pを検査する検査装置10である。検査装置10は、照射部20と、検出部30と、画像生成部52aと、表示部40と、制御部52と、を備える。照射部20は、物品Pに電磁波を照射する。なお、限定するものではないが、本実施形態において、電磁波はX線である。検出部30は、物品Pを透過したX線を検出する。画像生成部52aは、検出部30の検出結果に基づいて、物品Pの検査画像を生成する。表示部40は、検査画像を表示する。制御部52は、表示部40における検査画像の表示態様を変更させる。制御部52は、検査画像を構成する画素ごとに、異常状態の確からしさを示す異常確信度を算出する。制御部52は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる。
【0140】
この検査装置10では、異常確信度を確認することが容易である。
【0141】
(5-2)
本実施形態に係る検査装置10では、画素は、画素値として色相を含む。制御部52は、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる。
【0142】
この検査装置10では、異常確信度を確認することが容易である。
【0143】
(5-3)
本実施形態に係る検査装置10では、制御部52は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、制御部52は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部40に表示させる。
【0144】
この検査装置10では、異常確信度を確認することが容易である。
【0145】
また、この検査装置10では、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0146】
また、この検査装置10では、異常が生じている恐れがある領域を容易に確認することができる。さらに、この検査装置10では、当該領域における異常確信度の大きさを容易に確認することができる。
【0147】
また、この検査装置10では、異常が生じている恐れがある領域を直ちに確認することができる。さらに、この検査装置10では、当該領域における異常確信度の大きさを直ちに確認することができる。
【0148】
(5-4)
本実施形態に係る検査装置10では、制御部52は、異常確信度が第1閾値K1未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部40に表示させる。
【0149】
この検査装置10では、異常確信度を確認することが容易である。
【0150】
また、この検査装置10では、検査画像において、物品Pと、異常確信度が第1閾値K1を超える領域と、の関係を確認することが容易である。このため、この検査装置10では、異常確信度をより容易に確認することができる。
【0151】
また、この検査装置10では、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0152】
また、この検査装置10では、異常が生じている恐れがある領域を容易に確認することができる。さらに、この検査装置10では、当該領域における異常確信度の大きさを容易に確認することができる。
【0153】
また、この検査装置10では、異常が生じている恐れがある領域を直ちに確認することができる。さらに、この検査装置10では、当該領域における異常確信度の大きさを直ちに確認することができる。
【0154】
(5-5)
本実施形態に係る検査システム100は、検査装置10と、振分部70と、を備える。振分部70は、物品Pを、第1方向D1と、第1方向D1とは異なる第2方向D2とに振り分ける。制御部52は、検査画像に含まれる画素のうち、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素が所定数以上である場合に、検査画像に対応する物品Pに異常があると判断して、振分部70に、物品Pを第1方向D1に振り分けさせる。制御部52は、それ以外の場合に、検査画像に対応する物品Pに異常がないと判断して、振分部70に、物品Pを第2方向D2に振り分けさせる。
【0155】
この検査システム100は、異常確信度を確認することが容易な検査装置10を備えている。このため、本実施形態に係る検査システム100では、作業効率が向上する。
【0156】
(6)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。各変形例は、矛盾が生じない範囲で、本実施形態に係る変形例や他の実施形態に係る変形例と組み合わせて適用されてもよい。なお、上記の第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0157】
(6-1)変形例1A
上記実施形態では、制御部52(画像処理部52d)が、異常確信度の大きさに基づき検査画像の画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、検査画像の画素値として、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つを含むものであってもよい。この場合、検査装置は、制御部が異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように変化させる検査装置であってもよい。例えば検査装置は、制御部が異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、異常確信度の大きさに対応して輝度が変化するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。
【0158】
あるいは、本変形例に係る検査装置は、異なる異常確信度に対し、異なる色相とともに、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。例えば検査装置は、異常確信度の大きさに応じて、色相とともに、輝度が変化するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。
【0159】
本変形例に係る検査装置は、表示部40が有する性能の制約上、表示部40に表示可能な色相が限定される場合等に有効である。例えば、本変形例に係る検査装置は、表示部40として安価なディスプレイ等を用いる場合であっても、異常確信度を明確に反映させることができる。このため、本変形例においては、検査装置の低コスト化が実現される。
【0160】
また、本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0161】
(6-2)変形例1B
上記実施形態では、電磁波の一例としてのX線を物品Pに照射する検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、赤外線を物品Pに照射するものであってもよい。この場合、異常確信度は、物品Pを透過又は反射した赤外線の量や強度に基づいて算出されるものであってもよい。
【0162】
このほか、本開示に係る検査装置は、物品の検査において一般的に用いられる光によって対象物品の検査を行う装置であれば、紫外線および可視光等を用いて物品Pの検査を行う装置に適用可能である。
【0163】
また、本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0164】
(6-3)変形例1C
上記実施形態では、機械学習を行うことで生成された学習モデル136によって算出された異常確信度を用いて物品の検査を行う検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではない。すなわち、本開示に係る検査装置において、異常確信度の算出手段は、適宜選択されればよい。
【0165】
本変形例における検査装置は、例えば、X線透過信号の強度を異常確信度とするものであってもよい。この場合、容易な構成で異常確信度を算出することができる。
【0166】
また、本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0167】
(6-4)変形例1D
上記実施形態では、物品Pの検査として、異物混入検査を行う検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置が行う検査はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、割れ検査や、欠品検査や、物品内部の空洞検査や、形状検査を行うものであってもよい。また、物品Pは上記実施形態で説明したものに限定されず、様々な物品P(例えば袋状の物品など)を検査対象とすることができる。この場合、異常状態とは、物品Pに割れ(ひび割れ)が生じている状態や、物品Pの内容物が破損している状態や、物品Pの内容物の欠品状態や、物品Pの内部に空洞部分が存在している状態や、物品Pが変形している状態を指すものであってもよい。この場合に、検査装置10は、これらの異常状態が発生している確からしさを、各画素毎に異常確信度として算出する。
【0168】
また、本変形例に係る検査装置は、変形例1Aに示す構成と組み合わせることで、噛みこみ検査を行うものであってもよい。この場合、物品は例えば内容物を含む袋状の物品であり、異常状態とは、当該物品のシール部において内容物の噛み込みが生じている状態を指すものであってもよい。
【0169】
(6-5)変形例1E
上記実施形態では、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせて、検査画像を表示部40に表示する検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置が行う表示の態様はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、閾値を考慮することなく、異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させた検査画像を表示部40に表示させるものであってもよい。
【0170】
本変形例に係る検査装置は、例えば、図13の(a)に示すような検査画像を表示部40に表示させる。ここでは、検査画像を構成する全画素の異常確信度の大きさが、検査画像に反映されている。また、ここでは、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように、検査画像の表示態様が変化している。換言すると、本変形例に係る検査装置では、異常確信度が全面的にカラーマップ化された検査画像が、表示部40の領域C1に表示される。
【0171】
また、本変形例に係る検査装置は、例えば図13の(b)に示すように、物品Pの輪郭を抽出して表示するものであってもよい。この場合、異常確信度の大きさを確認することがさらに容易になる。
【0172】
なお、本変形例に係る検査装置は、上記実施形態において、第1閾値K1を最小値(最小単位)に設定する事でも実現される。
【0173】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0174】
(6-6)変形例1F
上記実施形態では、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせて、検査画像を表示部40に表示する検査装置10について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではない。例えば検査装置は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素についてマーキングを行うものであってもよい。本変形例に係るマーキングは、限定するものではないが、例えば画素の異常確信度が第1閾値K1以上であると判定された領域を、円で囲む処理である(図14参照)。ただし、本変形例にかかるマーキングの態様はこれに限定されるものではなく、例えば異常確信度が第1閾値K1以上であると判定された領域を矩形で囲む処理であってもよい。この場合、囲まれた領域の内部が、異常確信度に応じた表示態様(例えば、色)として表示される。
【0175】
本変形例においては、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域が強調して表示されるため、異常状態の見落としが抑制される。本変形例に係る検査装置は例えば、物品Pに混入された異物が極小である場合等に有効である。
【0176】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0177】
(6-7)変形例1G
上記実施形態では、検査装置10の制御部52が、学習部52cによって学習モデル136の機械学習を行う例について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば、検査装置と学習部とはそれぞれ別体であってもよい。
【0178】
また、本開示に係る検査装置は、検査装置とは別体の機械学習装置(図示省略)が有する学習部によって生成された学習モデルを用いるものであってもよい。この場合、検査装置は機械学習装置と有線又は無線で接続されることにより、機械学習装置によって生成された学習モデルと通信を行うものであってもよい。この場合、検査装置は、外部のクラウドサーバと通信して、このクラウドサーバから機械学習装置によって生成された学習モデルをダウンロードして用いるように構成されていても良い。
【0179】
(6-8)変形例1H
上記実施形態では、検査装置10の制御部52が、学習部52cによって学習モデル136の機械学習を行う例について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、予め機械学習済みの学習モデルを用いるものであってもよい。
【0180】
例えば、検査装置10とは別体の機械学習装置によって予め機械学習が行われた学習モデルを用いるものであってもよい。
【0181】
(6-9)変形例1I
上記実施形態では、制御部52は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である検査画像の画素と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素と、の表示態様を異ならせることで、検査画像を視覚的に区分して表示部40に表示させると説明した。
【0182】
異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である検査画像の画素と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素と、の表示態様を異ならせる表示の一例として、上記実施形態では、図9Aの(a)や、図10の(a)に示すような表示態様を説明したが、本開示に係る検査装置による表示の例は、これらに限定されるものではない。
【0183】
本変形例に係る検査装置では、例えば図9Bに示すように、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素からなる領域については表示部40に表示させず、且つ、物品Pの輪郭部分を示す画素については抽出して表示部40に表示させることで、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である検査画像の画素と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である検査画像の画素と、の表示態様を異ならせてもよい。
【0184】
また、本変形例に係る検査装置では、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域の輝度、明度、彩度、色相等に、補正を行うことで、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域と、を視覚的に区分して表示部40に表示させるものであってもよい。例えば、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域の色相を、一律に白色に変化させて表示させるものであってもよい。
【0185】
あるいは、異常確信度が第1閾値K1未満の画素からなる領域については、例えば輝度を小さくする等の補正を行うものであってもよい。
【0186】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域と、の表示態様を視覚的に区分させることができる。
【0187】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0188】
(6-10)変形例1J
上記実施形態では説明を省略したが、画像処理部52dによって処理が行われた検査画像は、処理が行われた際に設定されていた第1閾値K1とともに、記憶部51に記憶されるものであってもよい。また、記憶部51に記憶される検査画像は、オペレータによって確認可能な態様で、記憶部51に記憶されるものであってもよい。これにより、オペレータは例えば、第1閾値K1の変更の履歴と、各変更に伴い表示された検査画像の履歴とを適宜確認することができる。
【0189】
本変形例に係る検査装置では、オペレータは、過去に行った第1閾値K1の変更の履歴と、各変更に伴い表示された検査画像の履歴とを参照することができる。このため、本変形例の検査装置に係るオペレータは、適切な第1閾値K1をより容易に把握することができる。
【0190】
(6-11)変形例1K
上記実施形態では、表示部40には、カラーバー45が表示されていてもよいと説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、検査装置は例えば、カラーバー45とともに、又はカラーバー45に代えて、数値化された異常確信度を表示部40に表示させるものであってもよい。
【0191】
異常確信度が、学習モデル136によって、大きさに応じて256段階に分類されることは上記の通りである。本変形例に係る検査装置では、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素が所定数又は所定割合集合している領域が検出された検査画像は、当該領域を構成する画素の異常確信度の大きさが数値として視覚的に表示される。例えば、本変形例に係る検査装置では、当該領域を構成する画素の異常確信度の大きさを示す数値のうち、最も大きい異常確信度の数値が表示される。あるいは、例えば、当該領域を構成する画素の異常確信度の大きさを示す数値のうち、最も小さい異常確信度の数値が表示される。
【0192】
あるいは、例えば、本変形例に係る検査装置では、図15の(a)に示すような検査画像が表示部40の領域C1に表示される。図15の(a)では、領域を構成する画素の異常確信度の大きさを示す数値のうち、最も大きい異常確信度の数値が、第1閾値K1をどの程度上回っているのかが数値として表示される。これにより、例えば第1閾値K1が150に設定されている場合に、図15の(a)の領域A1を確認したオペレータは、領域A1を構成する画素の異常確信度の最大値が199であることを把握する。
【0193】
このように、本変形例に係る検査装置では、検査画像の画素の異常確信度の大きさが数値として表示部40に表示されるため、オペレータは、異常確信度の詳細な大きさを容易に確認することができる。
【0194】
また、本変形例に係る検査装置は、図15の(a)における領域A1及び領域A5や、領域A2及び領域A6のように、異なる異常確信度の大きさを有する複数の画素からなる領域が重複している場合であっても、各領域における異常確信度の大きさの確認が容易である。
【0195】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0196】
また、本変形例に係る検査装置は、異常確信度が数値化されて検査画像に反映されるため、異常確信度の詳細な大きさが確認できる。
【0197】
(6-12)変形例1L
変形例1Dで説明したように、本開示に係る検査装置は、物品Pとして、袋状の物品を検査するものであってもよい。検査装置が袋状の物品を検査する場合、袋状の物品におけるシール部等のように、異物として誤検出されやすい領域の画素や、当該領域の付近の領域の画素に対して、マスク処理が行われることが考えられる。
【0198】
本変形例に係る検査装置は、マスク処理が行われた領域の画素と、異常確信度の大きさに基づき表示態様を変化させた画素と、が視覚的に区分された検査画像を表示部40に表示するものであってもよい。
【0199】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0200】
また、本変形例に係る検査装置は、異物として誤検出されやすい領域の画素にマスク処理を行うことで、異物の誤検出を抑制することができる。
【0201】
(6-13)変形例1M
上記実施形態では、それぞれが別体に構成された検査装置10と振分部70とが、通信線等によって接続されることで、検査システム100を構成する例について説明した。しかしながら、本開示に係る検査システム100の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査システム100は、一体に構成された検査装置10と振分部70とを備えるものであってもよい。
【0202】
<第2実施形態>
(1)第2実施形態に係る検査装置
本開示の第2実施形態に係る検査システム100及び検査システム100に含まれる検査装置110について説明する。
【0203】
なお、第2実施形態に係る検査装置110は、第1実施形態に係る検査装置10が有する機能と、第2実施形態に係る検査装置110が有する機能と、を切り替え可能に構成された検査装置であってもよい。換言すると、本開示は、第1実施形態に係る検査装置10が有する機能と、第2実施形態に係る検査装置110が有する機能と、の両方の機能を有する検査装置によって実施されるものであってもよい。この場合、例えば検査装置110は、第1実施形態に係る検査装置10が有する機能と、第2実施形態に係る検査装置110が有する機能と、を切り替えるボタン等を表示部140に有するものであってもよい。
【0204】
図16は、検査システム100に含まれる検査装置110が有する制御装置150のブロック構成図である。検査システム100は、検査装置110の構成を除き、第1実施形態に係る検査システム100と実質的に共通した構成を採る。また、検査装置110は、制御装置150の構成を除き、第1実施形態に係る検査装置10と実質的に共通した構成を採る。以下では、説明の簡略化のため、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0205】
(2)表示部
表示部140は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイである。表示部140は、検査装置110の入力部としても機能する。表示部140には、例えば物品Pの検査結果等が表示される。また、図15に示されるように、表示部140には、物品Pの良否判断に関するパラメータの入力のための画面等が表示される。
【0206】
検査装置110のオペレータは、表示部140を操作して、検査パラメータ及び動作設定情報等を入力することができる。検査パラメータとは、物品Pの良否を判定するために必要なパラメータである。具体的には、検査パラメータは、物品Pに含まれる異常(異物)の有無を判定するために用いられる第1閾値K1や第2閾値K2等の閾値や、異常確信度等である。動作設定情報とは、物品Pの検査速度、及び、搬送ユニット12の搬送方向等の情報である。
【0207】
第1閾値K1及び第2閾値K2は、異常確信度に関する閾値である。第2閾値K2は、第1閾値K1よりも小さい閾値である。動作設定情報とは、物品Pの検査速度、及び、搬送ユニット12の搬送方向等の情報である。
【0208】
本実施形態において、第1閾値K1は、物品の異常確信度に関する閾値である。本実施形態においては、物品Pの検査画像を構成する画素の異常確信度の大きさが第1閾値K1以上となることで、又は第1閾値K1以下となることで、検査画像の表示態様が変化する。
【0209】
本実施形態において、第2閾値K2は、物品の異常確信度に関する閾値である。本実施形態に係る制御装置150は、異常確信度の大きさが第2閾値K2未満である画素は、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。詳細は後述する。
【0210】
本実施形態において、第1閾値K1及び第2閾値K2は、異常確信度の上限又は下限を限度として設定することができる。限定するものではないが、本実施形態において、異常確信度の下限は0で、上限は255とする。本実施形態において、第1閾値K1は、例えば異常確信度150に設定される。本実施形態において、第2閾値K2は、例えば異常確信度5に設定される。このように、第2閾値K2を異常確信度の下限に近い数値に設定することで、検査画像における異常確信度が小さい領域を画素値に基づいて表示させることができる。第1閾値K1及び第2閾値K2は、閾値変更部190によって適宜変更可能である。
【0211】
本開示に係る検査装置110は、第1閾値K1の大きさの変更をオペレータ(ユーザ)から受け付ける閾値変更部190を備える。後述する制御部152は、閾値変更部190が受け付けた変更に応じて、画素の表示態様を変更させる。
【0212】
本実施形態において、閾値変更部190は、表示部140に表示される(図17参照)。検査装置110のオペレータは、閾値変更部190を通じて、第1閾値K1及び第2閾値K2を変更することができる。第1閾値K1は、例えば図17に示すようなトグルスイッチ191で変更可能である。第2閾値K2は、例えば図17に示すような矢印192で変更可能である。ただし、第1閾値K1及び第2閾値K2の変更手段はこれらに限定されるものではなく、ボタンや目盛操作、手入力、その他様々な手段によって、適宜変更することが可能である。
【0213】
表示部140は、制御装置150に接続されており、制御装置150と信号の送受信を行う。表示部140によって入力された検査パラメータ及び動作設定情報は、制御装置150の記憶部151に記憶される。
【0214】
(3)制御装置
制御装置150は、記憶部151と制御部152とを有する。
【0215】
制御部152は、記憶部151に記憶された各種プログラムを呼び出して実行し、検査装置110の各部の制御を行う。例えば、制御部152は、照射部20のX線照射タイミングや、X線照射量を制御する。
【0216】
また、制御部152は、主として、画像生成部52aと、教師データ取得部52bと、学習部52cと、画像処理部152dと、と、検査部52eと、を有する。これらは、記憶部151に記憶されているプログラムを実行することによって実現される機能である。
【0217】
以下、画像処理部152dについて説明する。
【0218】
(3-1)画像処理部
画像処理部152dは、画像生成部52aで生成された検査画像であって、学習モデル136によって画素ごとの異常確信度が算出された検査画像に画像処理を行う。画像処理部152dは、検査画像の画素ごとの異常確信度の大きさに基づき、検査画像を構成する画素の表示態様を変化させる。当該検査画像は、表示部140に表示される。
【0219】
詳細には、画像処理部152dは、検査画像を構成する画素ごとの異常確信度の大きさに基づき、検査画像の画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる。当該検査画像は、表示部140に表示される。
【0220】
(a)例えば画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素については異常確信度の大きさに応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部140に表示させる。以下、このような表示態様を、第1表示態様と呼ぶことがある。
【0221】
(b)上記の(a)で説明した態様(第1表示態様)で検査画像を表示する場合、好ましくは、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。以下、このような表示態様を、第2表示態様と呼ぶことがある。
【0222】
(c)上記の(a)又は(b)で説明した態様(第1表示態様又は第2表示態様)で検査画像を表示する場合、さらに好ましくは、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素のうち、異常確信度の大きさが第1閾値K1よりも小さい閾値である第2閾値K2未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。以下、このような表示態様を、第3表示態様と呼ぶことがある。
【0223】
(d)上記の(a)~(c)のうちいずれかに示す態様(第1表示態様から第3表示態様のうちいずれか)で検査画像を表示する場合、さらに好ましくは、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行って表示部140に表示させる。
【0224】
以下、具体的に説明する。
【0225】
(a)第1表示態様
第1表示態様では、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素については異常確信度の大きさに応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部140に表示させる。
【0226】
例えば、本実施形態に係る画像処理部152dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図18の(a)に示すような検査画像を作成する。
【0227】
図18の(a)において、A1、A2、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。図18の(a)において、A3、B1で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域である。上記の通り、本実施形態では、第1閾値K1は異常確信度150に設定されている。このため、図18の(a)のA1、A2、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが150以上の画素からなる領域であると考えられる。一方で、図18の(a)のA3、B1で示される領域は、異常確信度の大きさが150未満の画素からなる領域であると考えられる。
【0228】
図18の(a)においては、A3、B1の順に、異常確信度が低下しているものとして説明する。ここで、画像処理部152dは、例えば、異常確信度が大きい順に、空色、青色、に対応させるものとする。この場合、A3の領域が空色に、B1の領域が青色に対応しており、画像処理部152dは、各領域を、各領域が対応する色で表示部140に表示させる。ただし、これらの表示はあくまでも一例であって、適宜変更可能である。
【0229】
なお、図18の(a)に示すように、ここでは、異常確信度が第1閾値K1以上の画素からなる領域については、表示部140に表示させていない。ただし、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域の表示の態様は、これに限定されるものではない。詳細は、以下の(b)や変形例2Aで後述する。
【0230】
このように、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせている。且つ、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素については異常確信度の大きさに応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部140に表示させている。
【0231】
また、本実施形態に係る検査装置110では、異常確信度の大きさが第1閾値K1を下回る画素の表示態様が、異常確信度の大きさに応じて変化する。このため、検査装置110のオペレータは、異常確信度が第1閾値K1を下回る画素の中で、比較的異常確信度が大きい画素について容易に確認することができる。このため、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の変更(調整)を行うことなく、検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0232】
(b)第2表示態様
第2表示態様では、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。
【0233】
例えば、本実施形態に係る画像処理部152dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図19の(a)に示すような検査画像を作成する。
【0234】
図19の(a)において、A1、A2、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。図19の(a)において、A3、B1で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域である。
【0235】
図19の(a)では、A3、B1の順に、異常確信度の大きさが低下しているものとして説明する。ここで、画像処理部152dは、例えば、異常確信度が大きい順に、空色、青色、に対応させるものとする。この場合、A3の領域が空色に、B1の領域が青色に対応しており、画像処理部152dは、各領域を、各領域が対応する色で表示部140に表示させる。ただし、これらの表示はあくまでも一例であって、適宜変更可能である。
【0236】
また、図19の(a)に示すように、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域A1、A2、A4については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部140に表示されている。
【0237】
このように、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域については検査画像における画素値に基づいて、表示部140に表示させている。
【0238】
このため、検査装置110のオペレータは、異常確信度が第1閾値K1を下回る画素の中で、比較的異常確信度が大きい画素について容易に確認することができる。
【0239】
また、本実施形態に係る検査装置110では、異常確信度の大きさが第1閾値K1を下回る画素の表示態様が変化し、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素は、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示される。このため、検査装置110のオペレータは、異物として表示されている領域が、確かに異物足り得るものであるのか、検査画像における画素値に基づいて判断することができる。より具体的には、検査装置110のオペレータは、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からなる領域について、検査画像に表示される輝度に基づいて判断することができる。また、検査装置110のオペレータは、学習モデル136の学習精度を確認することができる。
【0240】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の変更(調整)を行うことなく、検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0241】
(c)第3表示態様
第3表示態様では、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第2閾値K2未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。
【0242】
例えば、本実施形態に係る画像処理部152dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図20の(a)に示すような検査画像を作成する。
【0243】
図20の(a)において、A1、A2、A4で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。図20の(a)において、A3で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域である。図20の(a)において、B1で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満であり、かつ、異常確信度の大きさが第2閾値K2未満である画素からなる領域である。この場合、画像処理部152dは、領域A3を、領域A3の画素の異常確信度に対応する色(例えば空色)で表示部140に表示させる。
【0244】
また、図20の(a)に示すように、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域A1、A2、A4と、異常確信度が第2閾値K2未満である画素からなる領域B1については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部140に表示されている。
【0245】
このように、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1よりも小さい閾値である第2閾値K2未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させている。
【0246】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、検査画像の画素における異常確信度が第1閾値K1未満の領域であって、かつ、検査画像の画素における異常確信度が第2閾値K2以上である領域について確認することができる。このため、この検査装置110では、異常確信度を確認することが容易である。
【0247】
なお、本実施形態において、第2閾値K2は、異常確信度の下限に近い数値に設定されている。このため、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、明らかに異常が生じている恐れがない領域(異常確信度の大きさが第2閾値K2未満である領域)については、異常確信度の表示がされていない検査画像を確認することができる。ここでは、「明らかに異常が生じている恐れがない領域」とは例えば、領域B1を指す。このため、本実施形態に係る検査装置110では、実際の物品Pの様子を確認しながら、異常の有無を確認することができる。従って、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異常確信度をより容易に確認することができる。
【0248】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の変更(調整)を行うことなく、検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0249】
(d)第4表示態様
第4表示態様では、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行って表示させる。
【0250】
例えば、本実施形態に係る画像処理部152dは、画像生成部52aで生成された検査画像(図8参照)に対して、画像処理を行うことで、図21に示すような検査画像を作成する。
【0251】
図21において、A1、A2、で示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域である。図21において、A3、A4で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域である。図21において、B1で表示される領域は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満であり、かつ、異常確信度の大きさが第2閾値K2未満である画素からなる領域である。
【0252】
ここで、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満であって且つ第2閾値K2以上である画素からなる領域であるA3、A4については、異常確信度の大きさに応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部140に表示させる。画像処理部152dは、例えば、異常確信度が大きい順に、空色、青色、に対応させるものとする。この場合、A3の領域が空色に、A4の領域が青色に対応しており、画像処理部152dは、各領域を、各領域が対応する色で表示部140に表示させる。
【0253】
さらに、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満であって、且つ、異常確信度が第1閾値K1以上である画素(ここでは、領域A1、A2を構成する画素)からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行っている。
【0254】
このように、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行って表示部140に表示させている。
【0255】
本実施形態に係る検査装置110は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域と、を視覚的に明確に区分して表示する。このため、検査装置110のオペレータは、異常確信度をより容易に確認することができる。
【0256】
(4)制御部の機能
以下、本開示に係る検査装置110の制御部152の機能について説明する。
【0257】
本実施形態において、制御部152は、記憶部151に記憶されている所定のプログラムを実施することで、画像生成部52a、教師データ取得部52b、学習部52c、画像処理部152d及び検査部52eとして機能する。ここでは、制御部152が有する画像処理部152dとしての機能について説明する。
【0258】
(4-1)
従来技術に係る検査装置では、X線透視像信号の値が、所定の閾値よりも小さい場合に検査対象に異物が混入していると判定する。これは、異常確信度が所定の閾値よりも大きいことと対応している。また、従来技術に係る検査装置では、異物ありと判定された領域(画素)を視認できるように、異物ありと判定された領域に着色処理(例えば、赤色に塗りつぶす処理など)を行うことがある。このため、従来技術に係る検査装置では、図23の(b)に示すような検査画像が表示部に表示されることが考えられる。
【0259】
図23の(b)は、従来技術に係る検査装置によって生成された検査画像の一例である。図23の(b)において、領域a1、a2のそれぞれを構成する画素には着色処理が行われているものとする。また図23の(b)において、領域a3、a4、b1のそれぞれを構成する画素については、検査画像における画素値に基づいて表示されているものとする。図23の(b)において、画素の異常確信度は領域a1が最も大きく、領域a2、領域a3、領域a4、領域b1の順に異常確信度が低下するものとする。なお、領域a3、a4及び領域b1は、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域とする。しかしながら、図23の(b)に示すように、従来技術に係る検査画像には、領域a1、a2、a3、a4、の各領域を構成する画素に係る異常確信度の大きさが反映されていない。このため、例えば検査装置から未検出が生じていることが判明した際に、適切な第1閾値K1を把握することが困難となる。以下、具体的に説明する。
【0260】
ここでは、従来技術に係る検査装置において、検査用のサンプルの物品Pを切り開いて異物の有無を確認するなどして、物品Pの図23の(b)に示される領域a1、a2、に加えて、実際には領域a3にも異物が含まれている(領域a3の異物は未検出である)ことが判明した場合を想定する。この場合、オペレータは、領域a1、a2を構成する画素の異常確信度だけでなく、領域a3を構成する画素の異常確信度をも下回るように、第1閾値K1を変更する必要がある。一方で、第1閾値K1の変更次第では、領域a3の異常確信度のみならず、領域a4の異常確信度をも下回ることで、領域a4の誤検出を招く恐れがある。しかしながら、図23の(b)には、領域a1、a2、a3及びa4を構成する画素の異常確信度の大きさが反映されていない。このため、オペレータは、領域a1、a2、a3を構成する画素の異常確信度を下回り、かつ、領域a4を構成する画素の異常確信度を上回る第1閾値K1を把握するために、第1閾値K1の微調整を繰り返す必要があった。
【0261】
このように、従来技術に係る検査装置では、画素の異常確信度の大きさが、検査画像に反映されない場合がある。この場合、従来技術に係る検査装置において、異常の未検出がない最適な第1閾値K1を把握することは、非常に時間のかかる作業となっている。
【0262】
(4-2)
一方で、本実施形態における検査装置110では、画像処理部152dによる画像処理が行われる。
【0263】
本実施形態に係る画像処理部152dは、検査画像を構成する画素から算出される異常確信度の大きさに基づき、検査画像を構成する画素の表示態様を変化させる。
【0264】
例えば、本実施形態に係る画像処理部152dは、上記の第1表示態様~第4表示態様で説明した処理を行い、検査画像を表示させる。
【0265】
このため、表示部140には、例えば図21に示すような検査画像が表示される。図21では、領域A1と領域A2と領域B1を構成する画素については検査画像の画素値に基づいて表示されており、領域A3、A4の画素については異常確信度の大きさに応じて表示態様が変化している。ここでは、領域A1、A2は異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域であり、領域A3、A4は異常確信度の大きさが第1閾値K1未満かつ第2閾値K2以上の画素からなる領域であり、領域B1は異常確信度の大きさが第2閾値K2未満の画素からなる領域である。また、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素であって、領域A1、A3からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングが行われている。
【0266】
ここでは、検査用のサンプルの物品Pを切り開いて異物の有無を確認するなどして、物品Pには、図21に示される領域A1、A2、に加えて、領域A3にも異物が含まれている(領域A3の異物は未検出である)ことが判明した場合を想定する。また、領域A4には異物が含まれていないことが判明した場合を想定する。本実施形態に係る検査装置110においては、図21に示すように、領域A3、A4を構成する画素の異常確信度が反映されている。換言すると、領域A3、A4の異常確信度が、第1閾値K1をどの程度下回っているのかが示されている。
【0267】
このため、領域A3を構成する画素の異常確信度を下回り、且つ、領域A4を構成する画素の異常確信度を上回るように第1閾値K1を変更することで、未検出が抑制されることが、検査装置110のオペレータに容易に確認される。
【0268】
このように、本実施形態に係る検査装置110では、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。また、本実施形態に係る検査装置110では、最適な第1閾値K1をただちに把握することができる。
【0269】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態に係る検査装置110では、制御部152は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、制御部152は、第1閾値K1未満である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、検査画像を視覚的に区分して、表示部140に表示させる。
【0270】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、検査画像における異常確信度が第1閾値K1を超えない領域の中で、比較的異常確信度が大きい領域について確認することができる。このため、この検査装置110では、異常確信度を確認することが容易である。
【0271】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の調整を行うことなく、検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0272】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異常の取り逃がし(未検出)が発生した際は、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0273】
(5-2)
本実施形態に係る検査装置110では、制御部152は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせる。且つ、画像処理部152dは、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域については検査画像における画素値に基づいて、表示部140に表示させる。
【0274】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、検査画像における異常確信度が第1閾値K1を超えない領域の中で、比較的異常確信度が大きい領域について確認することができる。このため、この検査装置110では、異常確信度を確認することが容易である。
【0275】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の調整を行うことなく、検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0276】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異常の取り逃がし(未検出)が発生した際は、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0277】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異物として表示されている領域が、確かに異物足り得るものであるのか、検査画像における画素値に基づいて判断することができる。
【0278】
(5-3)
本実施形態に係る検査装置110では、制御部152は、異常確信度が第1閾値K1よりも小さい閾値である第2閾値K2未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる。
【0279】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、検査画像における異常確信度が第1閾値K1を超えない領域であって、かつ、検査画像における異常確信度が第2閾値K2異常である領域、について確認することができる。このため、この検査装置110では、異常確信度を確認することが容易である。
【0280】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、明らかに異常が生じている恐れが無い領域については、異常確信度の表示がされていない検査画像を確認することができる。このため、この検査装置110では、異常確信度の大きさをより容易に確認することができる。
【0281】
本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、第1閾値K1の調整を行うことなく検査画像における異常の取り逃がし(未検出)の有無を確認することができる。
【0282】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異常の取り逃がし(未検出)が発生した際は、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0283】
(5-4)
本実施形態に係る検査装置110では、制御部152は、異常確信度が第1閾値K1未満である画素であって、且つ、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素に対して、マーキングを行って表示させる。
【0284】
本実施形態に係る検査装置110は、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上の画素からなる領域と、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満の画素からなる領域と、を視覚的に明確に区分して表示する。このため、この検査装置110のオペレータは、異常確信度をより容易に確認することができる。
【0285】
また、本実施形態に係る検査装置110のオペレータは、異常の取り逃がし(未検出)が発生した際は、最適な第1閾値K1を容易に把握することができる。
【0286】
(6)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。各変形例は、矛盾が生じない範囲で、本実施形態に係る変形例や他の実施形態に係る変形例と組み合わせて適用されてもよい。なお、上記の第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0287】
(6-1)変形例2A
上記実施形態では、制御部152(画像処理部152d)が、異常確信度の大きさに基づき検査画像の画素の表示態様を変化させる際に、異なる異常確信度に対し異なる色相が対応するように変化させる検査装置110について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、検査画像の画素値として、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つを含むものであってもよい。
【0288】
本変形例に係る検査装置は、制御部が異常確信度の大きさに基づき画素の表示態様を変化させる際に、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように変化させる検査装置であってもよい。例えば検査装置は、異常確信度の大きさに応じて、輝度が変化するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。
【0289】
あるいは、本変形例に係る検査装置は、異なる異常確信度に対し、異なる色相とともに、明度、輝度、彩度のうち少なくとも一つの大きさが異なるものが対応するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。例えば検査装置は、異常確信度の大きさに応じて、色相とともに、輝度が変化するように、検査画像の画素の表示態様を変化させるものであってもよい。
【0290】
本変形例は、例えば表示部140の性能の制約上、表示部140に表示可能な色相の数が限定される場合等に有効である。換言すると、本変形例に係る検査装置は、表示部140として、安価なディスプレイ等を用いる場合であっても、異常確信度を明確に反映させることができる。このため、本変形例においては、検査装置の低コスト化が実現される。
【0291】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0292】
(6-2)変形例2B
上記実施形態では、表示部140にカラーバー45が表示されている例について説明した。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではなく、例えば検査装置は、カラーバー45とともに、又はカラーバー45に代えて、数値化された異常確信度を表示部140に表示させるものであってもよい。
【0293】
例えば、本変形例に係る検査装置では、図15の(b)に示すような検査画像が表示部140の領域C1に表示される。図15の(b)では、各領域を構成する画素の異常確信度の大きさを示す数値のうち、最も大きい異常確信度の数値が、第1閾値K1に対してどの程度不足しているのかが数値として表示される。これにより、例えば第1閾値K1が150に設定されている場合に、図15の(b)の領域A1を確認したオペレータは、領域A1を構成する画素の異常確信度の最大値が140であることを把握できる。
【0294】
このように、本変形例に係る検査装置では、検査画像の画素の異常確信度の大きさが数値として表示部140に表示されるため、オペレータは、異常確信度の詳細な大きさを容易に確認することができる。
【0295】
また、本変形例に係る検査装置は、図15の(b)における領域A1及び領域A5や、領域A2及び領域A6のように、異なる異常確信度の大きさを有する複数の画素からなる領域が重複している場合であっても、各領域における異常確信度の大きさの確認が容易である。
【0296】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0297】
また、本変形例に係る検査装置は、異常確信度が数値化されて検査画像に反映されるため、異常確信度の詳細な大きさが確認できる。
【0298】
(6-3)変形例2C
上記実施形態では、制御部152は、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせることで、検査画像を視覚的に区分して表示部140に表示させると説明した。
【0299】
異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせることで、検査画像を視覚的に区分して表示部140に表示させる態様の一例として、上記実施形態では図18の(a)や図19の(a)に示すような表示態様を説明したが、本開示に係る検査装置による表示の例は、これらに限定されるものではない。
【0300】
本変形例に係る検査装置では、例えば図18の(b)に示すように、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域を表示させず、且つ、物品Pの輪郭部分を示す画素については抽出して表示させることで、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、第1閾値K1未満である画素からなる領域との表示態様を異ならせてもよい。
【0301】
あるいは、本変形例に係る検査装置では、例えば図19の(b)に示すように、異常確信度が第1閾値K1以上である画素については画素値に基づいて表示させ、且つ、物品Pの輪郭部分を示す画素については抽出して表示させることで、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、第1閾値K1未満である画素との表示態様を異ならせてもよい。
【0302】
また、本変形例に係る検査装置では、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域の輝度、明度、彩度、色相等に、補正を行うことで、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域と、を視覚的に区分して表示部140に表示させるものであってもよい。例えば、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域の色相を、一律に白色に変化させて表示させるものであってもよい。
【0303】
あるいは、異常確信度が第1閾値K1以上の画素からなる領域については、例えば輝度を小さくする等の補正を行うものであってもよい。
【0304】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域と、の表示態様を視覚的に区分させることができる。
【0305】
本変形例に係る検査装置は、上記実施形態と同様に、異常確信度の確認が容易である。
【0306】
(6-4)変形例2D
上記実施形態では、異常確信度が第1閾値K1よりも小さい閾値である第2閾値K2未満である画素については、検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させる検査装置について説明した。例えば、上記実施形態では、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域については、検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部140に表示させる検査装置について説明した(図20の(a)参照)。しかしながら、本開示に係る検査装置の例はこれに限定されるものではない。
【0307】
本変形例に係る検査装置は、例えば、図20の(b)に示すように、異常確信度が第1閾値K1以上である画素は表示せず、且つ、異常確信度が第2閾値K2未満である画素については検査画像における画素が有する画素値に基づいて表示部140に表示させるものであってもよい。
【0308】
(6-5)変形例2E
上記実施形態では説明を省略したが、画像処理部152dは、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素であって、且つ、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素を、検査画像における画素値に基づいて、表示部140に表示させるものであってもよい。
【0309】
上記の第2表示形態では、異常確信度の大きさが第1閾値K1未満である画素については異常確信度に応じて表示態様を変化させ、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素については検査画像における画素値に基づいて表示部140に表示させると説明した。
【0310】
しかしながら、上記態様によって検査画像を表示した場合、異常確信度が大きい領域と、異常確信度が小さい領域との境界部分の把握が困難になる恐れがある。より具体的には、異物と思われる領域の輪郭の視認性が低下する恐れがある。
【0311】
本変形例に係る検査装置では、異常確信度の大きさが第1閾値K1以上である画素からの距離が所定範囲内に位置する画素を、検査画像における画素値に基づいて、表示部140に表示させる(図22参照)。また、本変形例に係る検査装置は、図22に示すように、物品Pの輪郭を抽出して表示するものであってもよい。
【0312】
本変形例に係る検査装置では、異常確信度が第1閾値K1以上である画素からなる領域と、異常確信度が第1閾値K1未満である画素からなる領域と、の表示態様の視覚的な区分がより明確になされる。このため、本変形例に係る検査装置のオペレータは、異物の全体像を直感的に把握することができる。
【0313】
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0314】
本開示は、上記各実施形態そのままに限定されるものではない。本開示は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本開示は、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。したがって、本実施形態はあらゆる点で一例に過ぎず、限定するものではないと考えるべきであり、これにより、当業者に自明のあらゆる修正が実施形態に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0315】
10、110 検査装置
20 照射部
30 検出部
40、140 表示部
52、152 制御部
52a 画像生成部
100 検査システム
P 物品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0316】
【特許文献1】特開2014-048178号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
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図20
図21
図22
図23