(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046372
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152410
(22)【出願日】2020-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 遼
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CA04
2C182DA02
(57)【要約】
【課題】案内通路における遊技媒体の詰まりを抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシンの前扉FDは、ホッパーユニットと対向する前扉FDの裏面側に設けられた通路ベース部31aと、通路ベース部31aの凹部31bに嵌め合わされ、メダル通路内にてホッパーユニットから排出されたメダルが当接するプレート部材37と、プレート部材37を覆うように設けられた通路カバー35と、を備える。プレート部材37は、通路ベース部31aと通路カバー35との間に挟まれるように配置されており、凹部31bの高さは、プレート部材37の厚さと同一または略同一となっている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられたホッパーと、
前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備えた遊技機において、
前記前扉は、
ベース部と、
前記ベース部に対して取り付けられたプレート部材と、
前記プレート部材を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、
前記カバー部材と前記プレート部材との間には、前記ホッパーから払い出されたメダルを案内する案内通路が形成され、
前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、
前記プレート部材は、前記受入口と対向し、
前記プレート部材は、前記ベース部に形成された段差部に嵌め合わされ、
前記プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、
前記段差部の高さは、前記プレート部材の厚さと同一または略同一である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に設けられたホッパーと、
前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備えた遊技機において、
前記前扉は、
ベース部と、
前記ベース部に対して取り付けられたプレート部材と、
前記プレート部材を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、
前記カバー部材と前記プレート部材との間には、前記ホッパーから払い出されたメダルを案内する案内通路が形成され、
前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、
前記プレート部材は、前記受入口と対向し、
前記プレート部材は、前記カバー部材に形成された段差部に嵌め合わされ、
前記プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、
前記段差部の高さは、前記プレート部材の厚さと同一または略同一である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記段差部の高さは、前記プレート部材の厚さと略同一でかつ、前記プレート部材の厚さよりも小さい、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者のスタートレバーに対する開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者のストップボタンに対する停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、メダルを弾き出すホッパー(ホッパーユニット)と、ホッパーから弾き出されたメダルを案内するメダルシュートと、を備えたスロットマシンが開示されている(特許文献1参照)。特許文献1のスロットマシンでは、水平断面がコ字状に形成された合成樹脂製のカバー部材と、金属製のプレート部材と、によって、メダルシュートを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ホッパーから払い出されたメダルが連続的に当接する部分には、破損を防ぐために耐久性の高い部材を配置することが望ましい。例えば、特許文献1のように、案内通路内に金属製のプレート部材を配置する場合、案内通路内の面とプレート部材とのギャップにメダルが接触すると、メダルの落下速度が低下する。また、例えば、メダルとプレート部材との接触によりプレート部材が変形して、案内通路内の面とプレート部材とのギャップが大きくなると、当該ギャップにメダルがより接触してメダルの落下速度が低下しやすくなる。このように、案内通路内でのメダルの落下速度が低下すると、当該メダルと後続のメダルとが接触することで案内通路でのメダルの詰まりの原因となる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、案内通路におけるメダルの詰まりを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、筐体と、前記筐体内に設けられたホッパーと、前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備えた遊技機において、前記前扉は、ベース部と、前記ベース部に対して取り付けられたプレート部材と、前記プレート部材を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、前記カバー部材と前記プレート部材との間には、前記ホッパーから払い出されたメダルを案内する案内通路が形成され、前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、前記プレート部材は、前記受入口と対向し、前記プレート部材は、前記ベース部に形成された段差部に嵌め合わされ、前記プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、前記段差部の高さは、前記プレート部材の厚さと同一または略同一である、ことを特徴とする遊技機である。
【0008】
また、本発明の一態様は、筐体と、前記筐体内に設けられたホッパーと、前記筐体に対して開閉可能に設けられた前扉と、を備えた遊技機において、前記前扉は、ベース部と、前記ベース部に対して取り付けられたプレート部材と、前記プレート部材を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、前記カバー部材と前記プレート部材との間には、前記ホッパーから払い出されたメダルを案内する案内通路が形成され、前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、前記プレート部材は、前記受入口と対向し、前記プレート部材は、前記カバー部材に形成された段差部に嵌め合わされ、前記プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、前記段差部の高さは、前記プレート部材の厚さと同一または略同一である、ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、案内通路におけるメダルの詰まりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図。
【
図2】第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態に係る遊技機の筐体の内部の構成を示す正面図。
【
図4】第1の実施形態に係る遊技機の前扉を示す背面図。
【
図5】第1の本実施形態に係る遊技機の前扉を示す分解図。
【
図6】第1の実施形態に係る遊技機において使用される正規のメダルを示す図で、(A)正規のメダルの正面図、(B)正規のメダルの側面図。
【
図7】第1の実施形態に係る遊技機の断面図で、(A)前扉が閉じた状態を示す図、(B)前扉が開いた状態を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係る遊技機のメダル通路を示す前扉の断面図。
【
図9】第1の実施形態に係る遊技機の前扉を示す断面図で、通路カバー及びプレート部材の取付部を示す拡大図。
【
図10】第1の実施形態に係る遊技機の前扉を示す断面図で、(A)排出メダル受入口を通る断面図、(B)払出メダル受入口を通る断面図。
【
図11】第1の実施形態に係る遊技機の通路カバーを示す正面図。
【
図12】第1の実施形態に係る遊技機のメダル払出口部を示す図で、(A)断面を上方から視た図、(B)断面の斜視図。
【
図13】第1の実施形態に係る遊技機のメダル払出口部を示す図で、(A)断面を右方から視た図、(B)断面の斜視図。
【
図14】第2の実施形態に係る遊技機の前扉を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0012】
[遊技機の構成の概要]
図1は、本実施形態のスロットマシン1の外観構成を示す正面図であり、
図2は、本実施の形態のスロットマシン1の外観構成を示す側面図である。また、
図3は、本実施形態のスロットマシン1の内部構成を示す正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前、
図2のZ方向)を「前方(正面)」、反対を「後方(背面)」と記載する。また、
図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
【0013】
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXb(
図2参照)が形成された箱形の筐体BX、筐体BXに対して開閉可能に設けられた前扉FDを備えている。筐体BXには、前扉FDが開閉可能となるように前扉FDの左方側と筐体BXの左方側とを接続する蝶番HNと、前扉FDが閉じた状態で前扉FDの右方側を支持する支持部22と、が設けられており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、内部に貯留したメダルを払い出す払出装置としてのホッパーユニット(ホッパー)320が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10も収められている。
【0014】
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2、及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面を一定の間隔で複数の仮想領域(本実施形態では20の仮想領域(以下、各仮想領域を「コマ」又は「図柄配置領域」とも記載する))に区画した場合の各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(不図示)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0015】
前扉FDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に周方向に沿って配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0016】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0017】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された有効図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の有効図柄組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320から入賞の結果(遊技の結果)に応じた枚数のメダルの払い出し等が行われる。
【0018】
また、前扉FDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが傾動操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後に第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利区間制御手段によって有利区間が開始されている場合に点灯し、有利区間が開始されていない、つまり非有利区間が開始されている場合に消灯することで有利区間が開始されているか否かを報知する有利区間報知部500Aが設けられている。
【0021】
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、複数の音響装置(スピーカ)380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
【0022】
また、前扉FDには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが設けられている。操作部CPには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が設けられている。
【0023】
また、操作部CPには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSL、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSが設けられている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1~第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。
【0024】
本実施形態のスロットマシン1では、メダルを受け入れ可能な受入可能期間において遊技者が遊技に使用可能な正規のメダル(正規メダル、遊技媒体)をメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを傾動させる開始操作(傾動操作)を実行すると、制御基板10において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0025】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1~第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
【0026】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
【0027】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0028】
また、前扉FDの前面下部には、メダル払出口(払い出し口)MOと、払い出されたメダルを受けるメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出される(排出される)ようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1~第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルが払い出される。
【0029】
[前扉ユニットの構成]
次に、
図4乃至
図6を参照して、本実施形態の前扉FDの構成について説明する。
図4は、本実施形態の前扉FDを示す背面図であり、
図5は、本実施形態の前扉FDを示す分解図である。前扉FDは、前扉ベース31、右端部に配置されて筐体BXに対する前扉FDの開放を制限する施錠装置32、上述した受け皿MP、前扉ベース31の前面下部を覆って装飾する装飾パネル36、メダル投入口MIに投入されたメダルの枚数に応じたメダル投入信号を出力可能なセレクタ33、メダルを案内する通路カバー(カバー部材)35、及びホッパーユニット320(
図3参照)によって払い出されるメダルから前扉ベース31を保護するプレート部材37を有している。
【0030】
前扉ベース31は、正面視(又は背面視)において前扉FDと略同サイズとなるように、例えば、合成樹脂等によって形成されており、前扉FDの各構成を保持している。なお、前扉ベース31は、合成樹脂以外の材料、例えば、マグネシウム合金やアルミ合金等の金属で形成されていてもよいし、合成樹脂で形成された部分と、金属フレームや金属板等の金属等で形成された部分と、を有して、これら金属等で形成された部分によって合成樹脂で形成された部分を補強するように構成されていてもよい。
【0031】
施錠装置32は、前扉ベース31に取り付けられる施錠ベース32aと、施錠ベース32aに対して傾動可能に支持された係合部材32b(
図7参照)と、キー操作によって係合部材32bを傾動操作するシリンダ錠32cと、前扉FDが閉じた状態で支持部22(
図7参照)に支持される被支持部としての被支持ローラ32dと、を有している。係合部材32bが筐体BXに設けられた被係合部材21(
図7参照)に係合すると、筐体BXに対する前扉FDの開放が制限される。
【0032】
装飾パネル36は、前扉ベース31の前面下部に取り付けられており、装飾パネル36には、上述したメダル払出口MOを形成する払い出し口部36aや、音響装置390に対応して配置され、音響装置390と外部とを連通させる複数の放音孔が形成されている。受け皿MPは、払い出されたメダルを受ける底板MPa、底板MPaの前端部から上方へ向けて起立する前板MPb、底板MPaの左端部から上方へ向けて起立する左板MPc、及び底板MPaの右端部から上方へ向けて起立する右板MPdを有している。これら装飾パネル36、底板MPa、前板MPb、左板MPc及び右板MPdによって、払い出されたメダルを収容する収容空間MP1が形成されている。なお、装飾パネル36は、受け皿MPと一体的に形成されていてもよい。
【0033】
セレクタ33は、メダル投入口MIから投入されたメダルをホッパーユニット320及び受け皿MPのいずれか一方に向けて選択的に案内(排出)する。具体的には、セレクタ33は、メダルを受け入れ可能な受入可能期間において、メダル投入口MIに投入された遊技価値を有するメダル、即ち遊技に使用可能な正規のメダルを受け入れ、受け入れたメダルをホッパーユニット320に向けて案内する。このとき、セレクタ33は、投入されたメダルの枚数に応じたメダル投入信号を出力する。ホッパーユニット320に向けて案内されたメダルは、ホッパーユニット320に貯留される。
【0034】
また、セレクタ33は、メダルが受け入れられない受入不能期間において、メダル投入口MIに投入されたメダルを受け皿MPに向けて下方に排出する。本実施形態においては、制御基板10によって遊技結果を判定する入賞判定処理が行われたあとで受入可能期間が開始され、クレジット可能な最大数のメダルが投入状態に設定された場合、及び規定投入数のメダルが投入状態に設定された状態でスタートレバーSLによる開始操作が行われた場合に、受入不能期間が開始される。
【0035】
また、セレクタ33は、受入可能期間及び受入不能期間のいずれであるかによらず、メダル投入口MIに投入されたメダルが遊技価値を有していないメダル、即ち遊技に使用できない非正規のメダルであった場合、当該メダルを下方に向けて排出する。セレクタ33によって下方に向けて排出されたメダルは、受け皿MPに案内される。このように、セレクタ33は、メダル投入口MIに投入されたメダルを、正規のメダルと非正規のメダルとに選別している。本実施形態において、セレクタ33は、正規のメダルと非正規のメダルとを、メダルの大きさによって選別している。
【0036】
図6(A)及び(B)は、本実施形態において使用される正規のメダルを示す図である。
図6(A)及び(B)に示すように、正規のメダルは、円板状に形成された金属製のメダルであり、例えば、直径L2が25mm、厚さL3が1.6mmの所謂φ25メダルである。なお、メダルを正確に均一なサイズに製造することは困難であると共に、摩耗や変形によってメダルのサイズが変化することも考えられるため、例えば、24.5mm≦直径L2≦25.5mm、かつ1.3mm≦厚さL3≦2.3mmであるメダルを正規のメダルとしてもよいし、24.7mm≦直径L2≦25.3mm、かつ1.5mm≦厚さL3≦2.1mmであるメダルを正規のメダルとしてもよい。
【0037】
また、正規のメダルの大きさは、φ25メダルに限らず、例えば、直径L2が30mm、厚さL3が1.7mmの所謂φ30メダルであってもよい。この場合も同様に、29.8mm≦直径L2≦31.1mm、かつ1.3mm≦厚さL3≦2.2mmであるメダルを正規のメダルとしてもよいし、30.0mm≦直径L2≦30.9mm、かつ1.5mm≦厚さL3≦2.0mmであるメダルを正規のメダルとしてもよい。
【0038】
図4及び
図5に示すように、前扉FDには、ホッパーユニット320と対向する前扉ベース31の背面側(裏面側)に形成されてメダルが当接する通路ベース部31a、通路カバー35、プレート部材37及び装飾パネル36によって囲まれた内側に、セレクタ33及びホッパーユニット320と受け皿MPとを繋いでメダルを案内するメダル通路(案内通路)39が形成されている。言い換えると、前扉FDは、メダル通路39を形成する通路形成部30を備え、この通路形成部30は、通路カバー35、前扉ベース31、プレート部材37及び装飾パネル36によって構成されている。なお、通路ベース部31aは、前扉ベース31と一体で形成されていてもよいし、前扉ベース31とは別部品として形成されていてもよい。セレクタ33から下方に向けて排出されたメダル及びホッパーユニット320から排出された(払い出された)メダルは、メダル通路39を介して受け皿MPへと案内される。
【0039】
通路カバー35は、前扉ベース31の裏面側に配置されている。詳しくは、通路カバー35は、前後方向における前扉ベース31とホッパーユニット320との間、かつセレクタ33の下方に配置されている。通路カバー35は、通路ベース部31a及びプレート部材37を覆うように前扉ベース31に取り付けられている。通路カバー35は、前扉ベース31とホッパーユニット320との間において、通路ベース部31aに対し間隙を存して対向配置された背板部35dと、背板部35dから前方に向けて延在する側板部35eと、を有し、前方側が開放する略箱状に形成されている。
【0040】
通路カバー35の上端部と前扉ベース31の通路ベース部31aとの間には、セレクタ33から排出されて落下するメダルをメダル通路39内へ受け入れる排出メダル受入口39aが形成されている。また、通路カバー35には、ホッパーユニット320のメダル射出口320a(
図3参照)に対向配置された払出メダル受入口35mが形成されており、この払出メダル受入口35mを介して、ホッパーユニット320から払い出されたメダルをメダル通路39内へ受け入れ可能となっている。メダル通路39の詳細は後述する。
【0041】
プレート部材37は、前扉ベース31の裏面側に沿うように、前扉ベース31に取り付けられており、前扉ベース31の一部を覆ってメダル通路39の一部を形成している。例えば、プレート部材37は、前扉ベース31よりも強度(曲げ強さ、剛性、硬度)が高い材質、具体的には、平板状のステンレス鋼板やめっき鋼板等の金属板によって形成されている。また、例えば、プレート部材37は、厚さ0.4mmのステンレス鋼板によって形成されている。
【0042】
プレート部材37は、払出メダル受入口35mに対向配置されており、払出メダル受入口35mを介してホッパーユニット320のメダル射出口320aに対向し、ホッパーユニット320から射出(排出)されたメダルがメダル通路39内にて当接(衝突)するように配置されている。言い換えると、プレート部材37は、ホッパーユニット320のメダル射出口320aから射出されるメダルの軌道と前扉ベース31とが交差する部分に、ホッパーユニット320からのメダルの射出方向(前後方向)と交差する面に沿って(通路ベース部31aに沿って)配置されている。
【0043】
一般に、スロットマシンでは、ホッパーユニットから略同一の軌道で繰り返しメダルが射出されるため、射出されるメダルが当接する部分には、摩耗、破損、変形等(以下、破損等ともいう)を抑制可能な高い耐久性や、摩耗や破損があった場合のための高い交換作業性が求められる。本実施形態では、前扉ベース31よりも強度の高いプレート部材37を、ホッパーユニット320から射出されるメダルの軌道上に配置することによって、前扉ベース31を保護している。
【0044】
なお、プレート部材37の材質は、上述したものに限らず、例えば、硬質の合成樹脂等であってもよいし、プレート部材37の裏側の部材を保護可能なゴム、その他の弾性が高い材質(弾性体)であってもよい。ホッパーユニット320からのメダルが当接する部分に前扉ベース31とは別部品であるプレート部材37が配置されていることにより、メダルの当接による前扉ベース31の破損等を抑制し、仮にメダルが当接する部分(プレート部材37)に破損等があった場合であっても部品交換の作業性を向上させることが可能となる。更に、プレート部材37がゴム等で形成されている場合には、メダルの衝撃力を吸収して前扉ベース31の破損やメダルが当接する際の衝突音を抑制することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態において、プレート部材37は、ホッパーユニット320から射出されるメダルの軌道と前扉ベース31とが交差する部分を含むメダル通路39の一部において、前扉ベース31の裏面側を覆うように配置されている。このように、本実施形態では、プレート部材37によって前扉ベース31の一部のみを覆うことで、プレート部材37を小型化し、コストの抑制を図っている。プレート部材37の詳細は、後述する。
【0046】
[前扉ユニットを支持する構成]
次に、
図7(A)及び(B)を参照して、本実施形態における前扉FDを支持する構成について説明する。
図7(A)及び(B)は、いずれも
図1のA-A断面図であり、
図7(A)は前扉FDが閉じた状態を、
図7(B)は前扉FDが開いた状態を示す図である。
【0047】
図7(A)に示すように、前扉FDが閉じており、施錠装置32によって前扉FDの開放が制限された状態では、施錠装置32の係合部材32bが被係合部材21に係合し、被支持ローラ32dが上方から支持部22に当接している。前扉FDが閉じた状態では、前扉FDは、左方側が蝶番HNによって支持され、右方側が支持部22によって支持される。
【0048】
本実施形態において、前扉FDが閉じた状態での、前扉FDの下端FDaとスロットマシン1の設置面との距離、即ち前扉FDの下端FDaと筐体BXの下面BXaとの上下方向の距離L4は、正規のメダルの厚さL3(
図6参照)よりも大きい(L4>L3)。これにより、遊技中にメダルが受け皿MPからこぼれた場合等であっても、前扉FDと設置面との間にメダルが挟まることを抑制し、スロットマシン1の利便性を向上させることができる。
【0049】
係合部材32bが被係合部材21に係合した状態で、作業者によってシリンダ錠32c(
図1参照)がキー操作されると、係合部材32bが
図7(A)の矢印方向(時計方向)に傾動して
図7(B)の状態となり、係合部材32bと被係合部材21との係合が解除されて、筐体BXに対して前扉FDが開閉自在な状態となる。前扉FDが開いた状態において、前扉FDは、左方側が蝶番HNによって支持されるが、右方側が支持されないため、前扉FDの自重により、閉じた状態よりも右方側が下がった状態となる。
【0050】
本実施形態においては、前扉FDが開いた状態、即ち前扉FDの右方側が自重によって下がった状態であっても、前扉FDの下端FDaと筐体BXの下面BXaとの上下方向の距離L5が、正規のメダルの厚さL3よりも大きい(L5>L4>L3)。これにより、遊技中にメダルが受け皿MPからこぼれた場合や、前扉FDを開いた際に筐体BX内のメダルがこぼれた場合であっても、前扉FDと設置面との間にメダルが挟まることなく前扉FDを滑らかに開閉することが可能となり、前扉FDを開閉する際の作業性を向上させると共に、前扉FDや設置面の傷付きを抑制することができる。
【0051】
[通路カバー及び保護板を保持する構成]
次に、
図8及び
図9を参照して、本実施形態における通路カバー35及びプレート部材37を保持する構成について説明する。
図8は、前扉FDを背面から視た、
図2のB-B断面図であり、
図9は、通路カバー35及びプレート部材37の取付部を示す
図8のC-C断面図(拡大図)である。
【0052】
図8及び
図9に示すように、通路カバー35には、複数個所、本実施形態では、3箇所に取付孔35bが形成され、前扉ベース31の取付孔35bに対応する位置には、ねじ下穴31cが形成されている。通路カバー35は、取付孔35bを貫通するねじ40によって、前扉ベース31に対して保持されている。
【0053】
前扉ベース31の背面側には、通路ベース部31aの背面(メダルを案内する面、通路カバー35が取り付けられる面)に対して前方に向けて凹むように形成された凹部(段差部)31b(
図5参照)が形成されており、プレート部材37は、この凹部31bに嵌め合わされるように配置されている。凹部31bは、正面視においてプレート部材37の外形に沿うように形成されており、周縁部が段差となっている。プレート部材37の厚さ方向(略前後方向)における凹部31bの高さ(深さ)L6は、プレート部材37の厚さL7と同一又は略同一となっている。言い換えると、プレート部材37の周辺部における通路ベース部31aの表面(背面)と、プレート部材37の表面(背面)とは、前後方向において同じ位置又は略同じ位置に配置されている。
【0054】
例えば、凹部31bの高さL6とプレート部材37の厚さL7との差は、0.3mm以下(好ましくは、0.2mm以下)となっている。また、例えば、高さL6と厚さL7との差は、厚さL7の半分以下となっている。言い換えると、プレート部材37を前扉ベース31の側(前方側)に寄せて配置した場合に、プレート部材37の周辺部における通路ベース部31aと、プレート部材37の表面と、のギャップが、厚さL7の半分以下となっている。
【0055】
メダル通路39内において、通路ベース部31aとプレート部材37との境界に前後方向のギャップが形成されている場合、当該ギャップにメダルが接触してメダルの落下速度が低下すると、当該メダルと後続のメダルとが接触することでメダル通路39内でのメダルの詰まりの原因となる場合がある。本実施形態においては、プレート部材37の周辺部における通路ベース部31aの表面と、プレート部材37の表面とが、前後方向に同じ位置又は略同じ位置に配置されている。これにより、本実施形態では、通路ベース部31aとプレート部材37の表面とのギャップを抑制し、ギャップにメダルが接触することを抑制している。
【0056】
なお、プレート部材37の厚さ方向における凹部31bの高さL6は、プレート部材37の厚さL7と同一であるものに限定されない。例えば、凹部31bの高さL6は、プレート部材37の厚さL7と略同一かつ、厚さL7よりもわずかに小さくなっていてもよい。このように構成された場合、メダル通路39内を案内されるメダルがプレート部材37の表面から通路ベース部31aの表面へと、通路ベース部31aとプレート部材37との境界を越えて案内される場合に、メダルが凹部31bの段差に接触することが抑制されて、メダルの流下速度の低下を抑制すると共に、メダルと段差とが接触して前扉ベース31が摩耗することを抑制することが可能となる。
【0057】
また、例えば、凹部31bの高さL6は、プレート部材37の厚さL7と略同一かつ、厚さL7より大きくなっていてもよい。メダル通路39内を案内されるメダルの経路によっては、例えば、セレクタ33から排出されたメダルが、通路ベース部31aからプレート部材37へと、通路ベース部31aとプレート部材37との境界を越えて案内される場合も考えられる。凹部31bの高さL6がプレート部材37の厚さL7と略同一かつ、厚さL7よりも大きくなるように構成することで、メダルが、通路ベース部31aからプレート部材37の背面へと、通路ベース部31aとプレート部材37との境界を越えて案内される場合に、メダルがプレート部材37の外縁部(周縁部、端部)37dに接触することが抑制されて、メダルの流下速度の低下を抑制すると共に、メダルとプレート部材37の端部とが接触することによるメダルやプレート部材37の摩耗を抑制することが可能となる。
【0058】
また、プレート部材37は、その外縁部37dの複数個所が前扉ベース31と通路カバー35とによって厚さ方向(前後方向)に挟まれている。例えば、プレート部材37は、その外縁部37dのうち、上端部37b及び左端部37cが前扉ベース31と通路カバー35とによって挟まれて保持されている。プレート部材37には、ホッパーユニット320から射出される大量のメダルが繰り返し衝突するため、長期間の使用により、変形する場合がある。しかしながら、プレート部材37は、周縁部が前扉ベース31と通路カバー35とによって挟まれているので、変形した場合であっても外縁部37dが捲り上がってメダルが引掛りやすくなることを抑制することができる。また、凹部31bの高さL6が、プレート部材37の外縁部37dの厚さL7と同一または略同一となっているので、プレート部材37の板厚方向のがたつきを抑制し、プレート部材371が傾いて通路幅の誤差が大きくなることによるメダルの詰まりを防止することができるとともに、プレート部材371が振動して前扉ベース311や通路カバー351と接触することによる振動音を抑制することができる。
【0059】
なお、プレート部材37は、少なくとも一部が前扉ベース31と通路カバー35との間に挟まれていればよいが、2箇所以上で前扉ベース31と通路カバー35との間に挟まれていることが望ましい。これにより、プレート部材37の変形を抑制しやすくなるとともに、プレート部材37の前後方向のがたつきを抑制しやすくなる。また、プレート部材37は、メダル通路39の外側に近い側の外縁部37dが前扉ベース31と通路カバー35との間に挟まれていることが望ましい。これにより、プレート部材37を挟む部分によってメダル通路39を狭くすることなく、メダルの詰まりを抑制することが可能となる。
【0060】
プレート部材37の上端部37bには、通路カバー35を前扉ベース31に保持させるためのねじ40が貫通する貫通孔37aが形成されており、プレート部材37は、前扉ベース31に対しねじ40によって通路カバー35と共締めされて保持されている。上述したように、プレート部材37は、プレート部材37の外形に沿うように形成された凹部31bに配置されているので、プレート部材37を止めるねじ40の数は1本であっても、プレート部材37がねじ40を中心に回転してしまうことを抑制している。
【0061】
[メダル通路の詳細]
次に、
図10乃至
図13を参照して、本実施形態のメダル通路39の詳細について説明する。
図10(A)は、前扉FDの排出メダル受入口39aを通る面で切断した
図4のD-D断面図であり、
図10(B)は、前扉FDの払出メダル受入口35mを通る面で切断した
図4のE-E断面図である。
図11は、通路カバー35を示す正面図である。
図12(A)は、
図1におけるG-G断面を上方から視た図、
図12(B)は、
図1におけるG-G断面の斜視図である。
図13(A)は、
図1におけるF-F断面を右方から視た図、
図13(B)は、
図1におけるF-F断面の斜視図である。
【0062】
図10(A)、
図10(B)及び
図11に示すように、通路カバー35は、鉛直方向に沿って形成され、セレクタ33から排出されて排出メダル受入口39aからメダル通路39へ侵入したメダルが下方に向けて案内される側面39oや、上流から下流へ向けて下方に傾斜するように形成され、側面39oによって案内されたメダルが転がりながら案内される底面(転動面)39nを有している。
【0063】
また、通路カバー35は、セレクタ33から受け皿MPに向けて排出されたメダルを排出メダル受入口39aから合流部39cまで案内する通路である第1通路39dを形成する第1通路部35fと、ホッパーユニット320から排出された(払い出された)メダルを払出メダル受入口35mから合流部39cまで案内する通路である第2通路39eを形成する第2通路部35gと、セレクタ33から排出されて第1通路部35fを通過したメダルと、ホッパーユニット320から排出されて第2通路部35gを通過したメダルと、の両方を合流部39cから受け皿MPに向けて案内する通路である第3通路39fを形成する第3通路部35hと、を有している。言い換えると、メダル通路39は、第1通路39d、第2通路39e及び第3通路39fを有している。
【0064】
セレクタ33から排出されたメダルは、排出メダル受入口39aからメダル通路39へ侵入し、側面39oや底面39n等によって合流部39cへ向けて案内される。ホッパーユニット320から払い出されたメダルは、払出メダル受入口35mを介してメダル通路39へ侵入する。セレクタ33から排出されたメダル及びホッパーユニット320から払い出されたメダルの経路は、メダル通路39内の合流部39cで合流し、受け皿MPへと連通している。
【0065】
本実施形態において、メダル通路39は、部位によって通路の寸法(広さ)が異なる。例えば、
図11に示すように、本実施形態の通路カバー35は、第1通路39dにおいて、排出メダル受入口39a付近の通路幅(側面35oと直交する方向の寸法、メダルの流下方向に直交してかつ前後方向に直交する方向の寸法)である寸法L8aよりも、合流部39cに近い部分の通路幅(底面35nと直交する方向の寸法、メダルの流下方向に直交してかつ前後方向に直交する方向の寸法)である寸法L8bの方が小さくなっている。具体的には、寸法L8aは92mm、寸法L8bは、48mmとなっている。なお、メダルの流下方向とは、メダル通路39内において、メダルが重力によって移動する方向であり、例えば、メダル通路39内の所定部位において、通路カバー35(通路形成部30)の側面39oや底面35nに沿った方向(例えば、
図11のR方向)である。
【0066】
また、例えば、第1通路部35fは、排出メダル受入口39aと合流部39cとの間において、通路カバー35の内面35aからメダル通路39内に向けて突出する突出部35cを有している。第1通路部35fには、この突出部35cによって、第1通路39dにおける通路幅が最も狭い第1幅狭部35jが形成されている。第1幅狭部35jの通路幅である寸法L8cは、通路幅が正規のメダルの直径を2倍した長さよりも小さくなるように形成されている。
【0067】
また、第2通路部35gには、合流部39cよりも払出メダル受入口35mの側に、第2通路39eにおける通路幅が最も狭い第2幅狭部35kが形成されている。本実施形態では、第2幅狭部35kがメダル通路39における幅寸法が最も狭い部分となっている。例えば、第2幅狭部35kの通路幅である寸法L8dは、φ30メダルの直径(30mm)よりも大きくなるように形成されている。また、第3通路39fの通路幅である寸法L8eは、第1幅狭部35j及び第2幅狭部35kの通路幅よりも大きくなっている。具体的には、寸法L8dは、34mm、寸法L8eは、57mmとなっている。
【0068】
本実施形態の通路カバー35は、突出部35cによって第1幅狭部35jが設けられていることにより、例えば、メダル払出口MOからセレクタ33に向けて針金等の細長い器具を挿入した際に、この細長い器具の操作を困難にすると共に細長い器具が突出部35cに引掛りやすくすることで、細長い器具でセレクタ33を誤作動させる等の不正行為を行いにくくしている。また、第2幅狭部35kが30mmよりも大きくなるように形成されていることにより、正規のメダルがφ25メダル及びφ30メダルのいずれであっても第2幅狭部35kでのメダルの詰まりを抑制することができるとともに、使用されるメダルの大きさが異なる遊技機間で通路カバー35を流用することができ、生産性を向上させることができる。
【0069】
このように、メダル通路39は、部位によって通路の寸法が異なっている。しかしながら、部位によって通路の寸法が異なる場合、通路の寸法によっては、通路の寸法が小さくなる部分(狭くなる部分)でメダルの流下速度が低下してメダルが詰まりやすくなる場合がある。
【0070】
本実施形態のメダル通路39は、第1幅狭部35jにおける通路幅である寸法L8cが、正規のメダルの直径L2と正規のメダルの厚さL3とを加算した長さよりも大きくなるように構成されている。また、第1幅狭部35jは、通路の前後方向の寸法L8f(
図10(A)参照)が、正規のメダルの直径L2と正規のメダルの厚さL3とを加算した長さよりも大きくなるように構成されている。例えば、寸法L8fは、44mmとなっている。これにより、通路幅が最も狭い第1幅狭部35jにおいて、例えば、2枚のメダルがT字状に重なった状態で詰まることを抑制している。
【0071】
図12(A)及び(B)並びに
図13(A)及び(B)に示すように、上述した装飾パネル36の払い出し口部36aは、メダルの流下方向において、通路カバー35(第3通路部35h)の下流側に接続されている。言い換えると、第3通路部35hは、メダルの流下方向において、払い出し口部36aの上流側に接続されている。
【0072】
メダル通路39を形成する部品間の接続部において、上流側の部品によって形成される通路の寸法と、下流側の部品によって形成される通路の寸法を全く同一とすることや、上流側の部品と下流側の部品とを全くずれることなく接続することは困難であるため、上流側の部品と下流側の部品との接続部においては、ギャップ(段差)の発生を避けることができない。しかしながら、メダル通路39を形成する部品間の接続部において、流下方向に向かって移動するメダルが引掛るようにギャップが形成されると、この接続部でメダルの流下速度が低下してメダルの詰まりが発生しやすくなる場合がある。
【0073】
このため、本実施形態では、正面視において、払い出し口部36aの下方側の内面が通路カバー35(第3通路部35h)の下方側の内面よりも下方に位置するように形成され、払い出し口部36aの左方側の内面が通路カバー35の左方側の内面よりも左方に位置するように形成され、払い出し口部36aの右方側の内面が通路カバー35の右方側の内面よりも右方に位置するように形成されている。言い換えると、払い出し口部36aは、通路カバー35との接続部において、メダルの流下方向に向かって通路の寸法(広さ)が大きくなるように形成されている。これにより、メダル通路39を形成する各部品間のギャップ(段差)でメダルの流下速度が低下することを抑制し、メダル通路39でのメダルの詰まりを抑制することが可能となる。
【0074】
本実施形態では、下方側における通路カバー35と払い出し口部36aとの間のギャップL12を第1ギャップ、左方側における通路カバー35と払い出し口部36aとの間のギャップL11Lを第2ギャップ、右方側における通路カバー35と払い出し口部36aとの間のギャップL11Rを第3ギャップとした場合、第1ギャップは、第2ギャップ及び第3ギャップよりも大きい(L12>L11L,L12>L11R)。
【0075】
これにより、仮に部品間の接続部における各ギャップの大きさに寸法誤差が生じた場合であっても、メダルの自重によってメダルとメダル通路39とが強く接触しやすい下方側において、部品間の接続部で確実に通路の寸法が大きくなるようにすることが可能となり、メダルの詰まりを効果的に抑制することが可能となる。なお、下方側のギャップであるギャップL12は、0.5mm以上であることが望ましい。
【0076】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、筐体(BX)と、
前記筐体(BX)内に設けられたホッパー(320)と、
前記筐体(BX)に対して開閉可能に設けられた前扉(FD)と、を備えた遊技機(1)において、
前記前扉(FD)は、
ベース部(31a)と、
前記ベース部(31a)に対して取り付けられたプレート部材(37)と、
前記プレート部材(37)を覆うように設けられたカバー部材(35)と、を備え、
前記カバー部材(35)と前記プレート部材(37)との間には、前記ホッパー(320)から払い出されたメダルを案内する案内通路(39)が形成され、
前記カバー部材(35)は、前記ホッパー(320)から払い出されたメダルを受け入れる受入口(35m)を有し、
前記プレート部材(37)は、前記受入口(35m)と対向し、
前記プレート部材(37)は、前記ベース部(31a)に形成された段差部(31b)に嵌め合わされ、
前記プレート部材(37)は、前記ベース部(31a)と前記カバー部材(35)との間に挟まれるように配置され、
前記段差部(31b)の高さ(L6)は、前記プレート部材(37)の厚さ(L7)と同一または略同一である、ことを特徴とする。
【0077】
これにより、通路ベース部31aとプレート部材37の表面(背面)とのギャップにメダルが接触してメダルの落下速度が低下しにくくして、メダル通路39におけるメダルの詰まりを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る遊技機(1)は、前記段差部(31b)の高さは、前記プレート部材(37)の厚さと略同一でかつ、前記プレート部材(37)の厚さよりも小さい、ことを特徴とする。
【0079】
これにより、メダル通路39内を案内されるメダルがプレート部材37の表面(背面)から通路ベース部31aへと、通路ベース部31aとプレート部材37との境界を越えて案内される場合に、メダルが凹部31bの段差に接触することを抑制することで、メダルの流下速度の低下を抑制すると共に、メダルと段差とが接触して前扉ベース31が摩耗や変形することを抑制することができる。
【0080】
なお、本実施形態において、プレート部材37は、前扉ベース31に形成された凹部31bに配置されているが、これに限定されない。プレート部材37が取り付けられる部品に、少なくともプレート部材37の表面とのギャップを抑制するための段差が設けられていればよく、例えば、前扉ベース31の背面側に、周囲よりも隆起する凸部が形成されて、この凸部に隣接してプレート部材37が配置されることによって、前扉ベース31とプレート部材37の表面とのギャップを抑制するように構成されていてもよい。また、凸部が形成されるのは、前扉ベース31に限らず、通路カバー35を保持するための通路カバー保持部材(不図示)に凸部が形成されていてもよい。
【0081】
また、本実施形態において、払い出し口部36aは、装飾パネル36によって形成されているが、これに限定されない。例えば、払い出し口部は、前扉ベース31によって形成されていてもよいし、受け皿MPによって形成されていてもよいし、これらのうち複数の部品によって払い出し口部が形成されていてもよい。また、前扉FDが、通路カバー35を保持する通路カバー保持部材を備えて、この通路カバー保持部材や、通路カバー保持部材と装飾パネル36とによって払い出し口部36aが形成されていてもよい。
【0082】
また、通路カバーは、単一の部品で構成されているものに限定されない。例えば、複数の部品を重ねて、又は接続して構成されていてもよい。具体的には、メダル通路の上流部を形成する部品と、メダル通路の下流部を形成する部品と、を含む複数の部品によって構成されていてもよいし、メダルが当接する板金部品と、この板金部品を保持する樹脂部品と、によって構成されていてもよいし、樹脂部品と、この樹脂部品の一部を覆って保護する板金部品と、によって構成されていてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、プレート部材37は、ホッパーユニット320から射出されるメダルの軌道と前扉ベース31とが交差する部分を含むメダル通路39の一部において、前扉ベース31の背面側を覆うように配置されているが、これに限定されない。プレート部材37は、少なくとも、前扉ベース31の、ホッパーユニット320のメダル射出口320aに対向する部分を覆って保護するように配置されていればよく、例えば、メダル通路39内において前扉ベース31の略全体を覆って保護するように配置されていてもよい。このように配置されることにより、セレクタ33から排出されたメダルや、ホッパーユニット320から払い出されてプレート部材37によって跳ね返ったメダル等から、前扉ベース31を保護することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態では、プレート部材37が前扉ベース31に形成された凹部31bに嵌め合わされており、その外縁部37dの複数個所において前扉ベース31と通路カバー35とによって厚さ方向(前後方向)に挟まれているが、これに限定されない。プレート部材は、少なくとも一部が前扉ベースと通路カバーとによって厚さ方向に挟まれていればよく、例えば、プレート部材が通路カバーよりも大きく、プレート部材の外縁部以外の部分が前扉ベース31と通路カバー35とによって挟まれて保持されていてもよい。また、例えば、プレート部材が嵌め合わされる凹部は、通路カバー側に形成されていてもよい。以下、プレート部材が嵌め合わされる凹部が通路カバー側に形成された第2の実施形態について説明する。
【0085】
<第2の実施形態>
図14は、第2の実施形態に係る前扉FD(
図5参照)を示す断面図である。第2の実施形態は、第1の実施形態に対し、前扉ベース、通路カバー及びプレート部材の形状が異なり、他の構成については同様であるため、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0086】
前扉FDは、前扉ベース311、メダルを案内する通路カバー(カバー部材)351、及びホッパーユニット320(
図3参照)によって払い出されるメダルから前扉ベース311を保護するプレート部材371を有している。前扉FDには、前扉ベース311のホッパーユニット320と対向する背面側(裏面側)に形成された通路ベース部31a、通路カバー351、プレート部材371及び装飾パネル36(
図5参照)によって、セレクタ33及びホッパーユニット320と受け皿MP(
図5参照)とを繋ぐメダル通路(案内通路)391が形成されている。
【0087】
本実施形態において、プレート部材371は、外縁部371dが前扉ベース311と通路カバー351とによって厚さ方向(前後方向)に挟まれている。通路カバー351の側板部351eの前端部には、プレート部材371の外縁部371dが嵌め合わされる凹部(段差部)351bが形成されている。凹部351bの高さ(深さ)L14は、プレート部材371の外縁部371dの厚さL15と同一または略同一となっている。
【0088】
本実施形態では、プレート部材371の外縁部371dが前扉ベース311と通路カバー351とによって挟まれているので、プレート部材371がメダルの衝突によって変形した場合であっても、外縁部371dが捲り上がってメダルが引掛りやすくなることを抑制することができる。また、凹部351bの高さL14が、プレート部材371の外縁部371dの厚さL15と同一または略同一となっているので、プレート部材371の板厚方向のがたつきを抑制し、プレート部材371が傾いて通路幅の誤差が大きくなることによるメダルの詰まりを防止することができるとともに、プレート部材371が振動して前扉ベース311や通路カバー351と接触することによる振動音を抑制することができる。
【0089】
また、プレート部材371が通路カバー351の凹部351bに嵌め込まれているので、プレート部材371を取り付ける際のプレート部材371や通路カバー351のずれを防止して、組立作業性を向上させることができる。また、プレート部材371が通路カバー351の凹部351bに嵌め込まれていることにより、メダルの衝突や振動によるプレート部材371のずれを防止して、プレート部材371がずれて通路幅が変化することによるメダルの詰まりを防止することができる。また、プレート部材371の外縁部371dが通路カバー351によって覆われることにより、プレート部材371の外縁部371dが露出している場合と比較して、作業者がプレート部材371の外縁部371dの角に触れてしまうことを抑制することができるとともに、プレート部材371の外縁部371dに錆が発生することを抑制することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、プレート部材371の厚さ方向における凹部351bの高さL14は、プレート部材371の厚さL15と同一であるものに限定されない。例えば、凹部31bの高さL4は、プレート部材37の厚さL15と略同一かつ、厚さL7よりもわずかに小さくなっていてもよい。このように構成された場合、プレート部材371の外縁部371dと、前扉ベース311及び通路カバー351と、の前後方向の隙間をより小さくすることができ、プレート部材371のがたつきをより抑制することができる。
【0091】
また、凹部351bの高さL4は、プレート部材37の厚さL15と略同一かつ、厚さL7よりもわずかに大きくなっていてもよい。このように構成された場合、前扉ベース311に対して通路カバー351を取り付ける際に、前扉ベース311と通路カバー351とを前後方向に密着させることが可能となり、前扉ベース31と通路カバー351との隙間から埃等がメダル通路391内に侵入することでメダルが詰まりやすくなることを防ぐことができる。
【0092】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、筐体(BX)と、
前記筐体(BX)内に設けられたホッパー(320)と、
前記筐体(BX)に対して開閉可能に設けられた前扉(FD)と、を備えた遊技機(1)において、
前記前扉(FD)は、
ベース部(311a)と、
前記ベース部(311a)に対して取り付けられたプレート部材(371)と、
前記プレート部材(371)を覆うように設けられたカバー部材(351)と、を備え、
前記カバー部材(351)と前記プレート部材(371)との間には、前記ホッパー(320)から払い出されたメダルを案内する案内通路(391)が形成され、
前記カバー部材(351)は、前記ホッパー(320)から払い出されたメダルを受け入れる受入口(35m)を有し、
前記プレート部材(371)は、前記受入口(35m)と対向し、
前記プレート部材(371)は、前記カバー部材(351)に形成された段差部(351b)に嵌め合わされ、
前記プレート部材(371)は、前記ベース部(311a)と前記カバー部材(351)との間に挟まれるように配置され、
前記段差部(351b)の高さ(L14)は、前記プレート部材(371)の厚さ(L15)と同一または略同一である。
【0093】
これにより、プレート部材371のがたつきを抑制し、メダル通路391におけるメダルの詰まりを抑制することができる。
【0094】
なお、本実施形態において、プレート部材は、通路カバー351の凹部(段差部)351bに嵌め合わされているが、これに加えて前扉ベース311に対して嵌め合わされていてもよい。例えば、前扉ベース311が、裏面側から後方へ向けて突設された凸部(不図示)を有し、プレート部材には、この凸部に対応する位置に貫通孔が形成されて、前扉ベース31の凸部がプレート部材の貫通孔に挿入されることによりプレート部材が前扉ベース31に嵌め合わされるように構成されていてもよい。このように構成されることで、前扉ベース311に対してプレート部材を位置決めすることができるので、前扉ベース311にプレート部材を取り付ける際の作業性を向上させたり、プレート部材の前扉ベース311に対する位置がずれることでメダル通路391の寸法の誤差が大きくなってしまうことを防止したりすることができる。
【0095】
なお、上述したいずれの実施形態においても、プレート部材は、厚さが全体で均一であるものや、単一の板金で構成されているものに限定されない。例えば、プレート部材は、
図14に示すように、一部の厚さL16が外縁部371dの厚さL15よりも厚くなっていてもよいし(L15<L16)、プレート部材が複数の部材から構成されていてもよい。例えば、プレート部材は、第1プレート372と、第2プレート373と、を含む複数枚のプレート(ステンレス鋼板等)が重ねられて、又は接続されて形成されていてもよい。このような構成において、例えば、厚さL15は、0.4mm、厚さL16は、1mmとなっている。また、複数のプレートが重ねられてプレート部材が構成されている場合、少なくともいずれか1つのプレートが前扉ベースや通路カバーに形成された凹部に嵌め合わされて、当該嵌め合わされがプレートの板厚と凹部の段差の高さとが同一または略同一となっていればよい。また、例えば、プレート部材は、前扉ベース31と対向する前面側に配置された、合成樹脂製又は紙製の薄い緩衝部材(不図示)等や、前面側に配置された両面テープ等の粘着部材(不図示)を有していてもよい。このような構成においては、ホッパーユニット320から排出されたメダルがプレート部材に衝突する際の力を吸収し、プレート部材や前扉ベース31の変形を抑制することができる。例えば、このような緩衝部材や粘着部材の厚さは約1mmとなっている。
【符号の説明】
【0096】
1 遊技機(スロットマシン)
31a、311a ベース部(通路ベース部)
31b、311b 段差部(凹部)
35、351 カバー部材(通路カバー)
35m 受入口
37、371 プレート部材
39、391 案内通路(メダル通路)
320 ホッパー(ホッパーユニット)
BX 筐体
FD 前扉
L6 高さ
L7 厚さ
L14 高さ
L15 厚さ
MP 受け皿
【手続補正書】
【提出日】2021-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、ホッパーと、前扉と、を備えた遊技機において、
前記前扉は、
ベース部と、
前記ベース部との間でメダルを案内するカバー部材と、
払い出し口部と、
受皿と、を備え、
前記カバー部材と前記払い出し口部とは接続され、
前記受皿は、前記払い出し口部に案内されたメダルを受け、
前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、
前記前扉は、前記受入口に対向して配置されて前記ホッパーから払い出されたメダルが衝突するプレート部を備え、
前記プレート部は、金属製からなる第1プレート部材と、金属製からなる第2プレート部材と、を有し、
前記第1プレート部材は、前記第2プレート部材に対して前記受入口の側となるように固定され、
前記第1プレート部材は、メダルの厚さよりも薄い厚さであり、
前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材の厚さよりも薄い厚さであり、
前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材よりも外形が大きく、
前記第2プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、
前記第2プレート部材は、前記カバー部材に形成された段差部に嵌め合わされ、
前記段差部の高さは、前記第2プレート部材の厚さと同一または略同一である、
ことを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様は、筐体と、ホッパーと、前扉と、を備えた遊技機において、前記前扉は、ベース部と、前記ベース部との間でメダルを案内するカバー部材と、払い出し口部と、受皿と、を備え、前記カバー部材と前記払い出し口部とは接続され、前記受皿は、前記払い出し口部に案内されたメダルを受け、前記カバー部材は、前記ホッパーから払い出されたメダルを受け入れる受入口を有し、前記前扉は、前記受入口に対向して配置されて前記ホッパーから払い出されたメダルが衝突するプレート部を備え、前記プレート部は、金属製からなる第1プレート部材と、金属製からなる第2プレート部材と、を有し、前記第1プレート部材は、前記第2プレート部材に対して前記受入口の側となるように固定され、前記第1プレート部材は、メダルの厚さよりも薄い厚さであり、前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材の厚さよりも薄い厚さであり、前記第2プレート部材は、前記第1プレート部材よりも外形が大きく、前記第2プレート部材は、前記ベース部と前記カバー部材との間に挟まれるように配置され、前記第2プレート部材は、前記カバー部材に形成された段差部に嵌め合わされ、前記段差部の高さは、前記第2プレート部材の厚さと同一または略同一である、ことを特徴とする遊技機である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明によれば、カバー部材により案内されるメダルの詰まりを抑制することができる。