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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046382
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220315BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 L
A62B18/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152427
(22)【出願日】2020-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】520351174
【氏名又は名称】株式会社NSパワー
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】鉄升 卓爾
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185CA03
2E185CB09
2E185CC16
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】より安全性が高いフェイスシールドを提供する。
【解決手段】使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなるフェイスカバー11と、フェイスカバー11を使用者の顔の前方で支持する固定具12と、を備えるフェイスシールド10であって、送風可能なファン13と、ファン13に取り付けられファン13を通過する空気を清浄化するフィルター14と、ファン13とフェイスカバー11の上部後方とを連通する流路15と、を備え、フェイスカバー11の左右両端を後方に折り込んでなる折込部11aを形成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなるフェイスカバーと、
前記フェイスカバーを使用者の顔の前方で支持する固定具と、を備えるフェイスシールドであって、
送風可能なファンと、
前記ファンに取り付けられ前記ファンを通過する空気を清浄化するフィルターと、
前記ファンと前記フェイスカバーの上部後方とを連通する流路と、を備えることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記流路の上流側の断面積と、前記流路の下流側の断面積とは略等しいことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記フェイスカバーの左右両端を後方に折り込んでなる折込部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなるフェイスカバーを備えるフェイスシールドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウィルス等の感染病の感染を予防するために、医療従事者だけでなく一般人もマスクの他に図11に示すようなフェイスシールドを用いることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなフェイスシールド20は、使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなるフェイスカバー21と、フェイスカバー21を使用者の顔の前方で支持する固定具22と、を備える。
このフェイスシールド20を使用すると、フェイスカバー21が使用者の顔を覆っているので他人の飛沫を直接顔に浴びなくて済む。また、他人に自分の飛沫を浴びせなくて済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3227501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、新型コロナウィルスにおいては研究が進んだ結果、接触感染及び飛沫感染の他に、空気感染するという説も出始めた。
もし新型コロナウィルスが空気感染する場合、マスクに比べて顔との間に大きな隙間が生じてしまうフェイスシールド20では安全性が低くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、より安全性が高いフェイスシールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のフェイスシールド(10)は、
使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなるフェイスカバー(11)と、
前記フェイスカバー(11)を使用者の顔の前方で支持する固定具(12)と、を備えるフェイスシールド(10)であって、
送風可能なファン(13)と、
前記ファン(13)に取り付けられ前記ファン(13)を通過する空気を清浄化するフィルター(14)と、
前記ファン(13)と前記フェイスカバー(11)の上部後方とを連通する流路(15)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のフェイスシールド(10)は、
前記流路(15)の上流側の断面積(15A)と、前記流路(15)の下流側の断面積(15B)とは略等しいことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のフェイスシールド(10)は、
前記フェイスカバー(11)の左右両端を後方に折り込んでなる折込部(11a)を形成したことを特徴とする。
【0010】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送風可能なファンと、ファンに取り付けられファンを通過する空気を清浄化するフィルターと、ファンとフェイスカバーの上部後方とを連通する流路と、を備えるので、フェイスカバーによって飛沫を直接浴びなくて済むだけでなく、フェイスカバーの後方に清浄な空気を流すことができ、より高い安全性を確保することができる。
【0012】
また、本発明によれば、流路の上流側の断面積と、流路の下流側の断面積とは略等しいので、圧力差が生じにくい。
【0013】
また、本発明によれば、フェイスカバーの左右両端を後方に折り込んでなる折込部を形成したので、フェイスカバーと使用者の顔との間の隙間を減らせることができるので、より安全性が高くなる。
【0014】
なお、本発明のフェイスシールドのように、ファンとフィルターを備える点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係るフェイスシールドにおけるファン及び流路を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るフェイスシールドにおける流路を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを使用者が装着した状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを使用者が装着した状態を示す正面図である。
図9】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを使用者が装着した状態を示す側面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係るフェイスシールドを示す平面図である。
図11】従来例に係るフェイスシールドを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1乃至図9を参照して、本発明の実施形態に係るフェイスシールド10を説明する。
このフェイスシールド10は、フェイスカバー11と、固定具12と、ファン13と、フィルター14と、流路15と、を備え、新型コロナウィルス等の感染病の感染を予防するために顔に装着されるものである。
【0017】
フェイスカバー11は、使用者の顔を覆う大きさの透明なシート体からなる。
フェイスカバー11の材質は透明で可撓性を有しつつ一定の形状を保持可能であればよく、例えばポリプロピレン等のプラスチックフィルムが使用される。
このフェイスカバー11は使用者の顔から一定距離離れた場所で顔を覆うように保持されるので、フェイスカバー11の左右中央部が突出するように湾曲して形状を保持される。
【0018】
また、フェイスカバー11の左右両端を後方(使用者側)に折り込んでなる折込部11aを形成している。
フェイスシールド10の装着時にはこの折込部11aの先端(後端)の一部が使用者の耳の前方から頬にかけての部位に当接する(図7及び図9参照)。
また、折込部11aの製造方法は限定されるものではなく、例えば突出するように取り付けられていてもよい。
【0019】
フェイスカバー11の上端後方には、使用者の頭部との接触を和らげるための緩衝部16が取り付けられている。この緩衝部16としては例えばスポンジ体が使用される。
この緩衝部16は後述する流路15に干渉しないように流路15の左右両側に取り付けられている。
【0020】
固定具12は、フェイスカバー11を使用者の顔の前方で支持する。
本実施形態においては、フェイスカバー11の上端左右両側から延びるベルト帯である。使用者の頭部の大きさの違いに対応できるよう、サイズを調整可能なものであることが望ましい。
また、ファン13が比較的重量があるので、固定具12はそれを支えることが可能なものである必要がある。
【0021】
ファン13は、送風可能な一般的な送風機であり電源として電池を使用可能なものである。図1においては、ファン13から下方に風が出る。
また、ファン13は極力軽量のものが好ましい。
【0022】
フィルター14は、ファン13の下方(下流側)に取り付けられ、ファン13を通過する空気を清浄化する。ここでは新型コロナウィルスに対応できるよう、医療用マスクにも用いられるN95規格のものを用いた。
なお、この規格のフィルター14を用いてもファン13からの送風がせき止められず、送風可能である。
【0023】
流路15は、ファン13と前記フェイスカバー11の上部後方とを連通し、シート体を筒状にしてなる。
本実施形態においてはフェイスカバー11と同じ素材で形成したが、これに限られるものではない。
また、流路15の下端位置と緩衝部16の下端位置を一致させている。つまり、流路15はフェイスカバー11の上方から、フェイスカバー11の上端を横切ってその下方まであり、正面視において流路15の下部とフェイスカバー11の上部が重なり合っている。
【0024】
流路15の上流側はファン13に接しているので円形であり、下流になるにつれ変形し、最下流では略三日月状である。
また、図5及び図6に示すように、流路15の上流側(最上流側)の断面積15Aと、流路15の下流側(最下流側)の断面積15Bとは略等しい。
【0025】
以上のように構成されたフェイスシールド10によれば、送風可能なファン13と、ファン13に取り付けられファン13を通過する空気を清浄化するフィルター14と、ファン13とフェイスカバー11の上部後方とを連通する流路15と、を備えるので、フェイスカバー11によって飛沫を直接浴びなくて済むだけでなく、フェイスカバー11の後方に清浄な空気を流すことができ、より高い安全性を確保することができる。
【0026】
また、流路15の上流側の断面積15Aと、流路15の下流側の断面積15Bとは略等しいので、圧力差が生じにくい。
【0027】
さらに、フェイスカバー11の左右両端を後方に折り込んでなる折込部11aを形成したので、フェイスカバー11と使用者の顔との間の隙間を減らせることができるので、より安全性が高くなる。
【0028】
なお、本実施形態において、流路15の上流側の断面積15Aと、流路15の下流側の断面積15Bとは略等しいとしたが、これに限られるものではない。
【0029】
また、フェイスカバー11の左右両端を後方に折り込んで折込部11aを形成したが、これに限られるものではなく、図10に示すように折込部11aが無くてもよい。
【0030】
また、固定具12をベルトタイプとしたが、これに限られるものではない。
例えば眼鏡の左右のテンプルのように耳にかけて固定するタイプであってもよく、他の方法を採用してもよい。
【0031】
また、フィルター14をファン13の下方(下流側)に取り付けたが、これに限られるものではなく、上方(上流側)に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 フェイスシールド
11 フェイスカバー
11a 折込部
12 固定具
13 ファン
14 フィルター
15 流路
15A 上流側の断面積
15B 下流側の断面積
16 緩衝部
20 フェイスシールド
21 フェイスカバー
22 固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11