(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046448
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】プラズマプロセスのイオンエネルギー分析用の装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/00 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
H05H1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021146371
(22)【出願日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】20195445
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521396983
【氏名又は名称】インペダンズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】スカリン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ドイル,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】レノン,ジェージェー
(72)【発明者】
【氏名】ガーン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ポゴシアン,ティグラン
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084HH02
2G084HH15
2G084HH20
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH30
2G084HH43
(57)【要約】
【課題】 プラズマプロセスのイオンエネルギー分析用の装置を提供する。
【解決手段】 プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置であって、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG
0、第2導電性グリッドG
1、第3導電性グリッドG
2、第4導電性グリッドG
3、収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び制御回路と、を有し、少なくとも1つの絶縁層は、絶縁層の残りの部分との関係において低減された厚さを有する周辺部分を含む。
【選択図】
図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置であって、
前記プラズマ処理システム内に配置され、前記プラズマに曝露される、基材と、
プラズマ処理の際に前記基材表面において前記イオンエネルギー分布を計測するべく前記基材内に配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、
前記イオンエネルギーアナライザの前記グリッド及び前記コレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく前記基材内において統合された電池電源及び制御回路と、
を有し、
少なくとも1つの絶縁層は、前記絶縁層の残りの部分との関係において低減された厚さを有する周辺部分を含む、装置。
【請求項2】
前記周辺部分は、前記絶縁層の前記残りの部分から突出している、請求項1に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項3】
凹入した部分が、前記周辺部分の上方及び下方において提供されている、請求項1又は2に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項4】
前記周辺部分は、その間の凹入した部分を有する2つの突出する部分を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項5】
前記イオンエネルギーアナライザ、前記電源、及び前記制御回路を収容するファラデーシールドを更に有する、請求項1~4のいずれか1項に記載にIED計測を取得する装置。
【請求項6】
前記ファラデーシールド内のギャップと、前記ギャップを通じて前記IED計測を前記装置から伝達するためのトランスポンダと、を更に有する、請求項5に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項7】
前記基材内の電池マネージャを更に有し、前記電池マネージャは、前記電池の出力電圧を固定された電圧レベルに調節するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項8】
前記基材内の第1高電圧生成回路を更に有し、前記高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤに供給している低電圧-高電圧変圧器を有し、前記高電圧生成回路は、前記電池マネージャの前記出力電圧を取得し、且つ前記電圧掃引を前記第3導電性グリッドG2に供給している、請求項7に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項9】
前記電圧マルチプライヤは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤである、請求項8に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項10】
前記基材内のマイクロコントローラを更に有し、前記第1高電圧生成回路は、前記変圧器の一次側に対する入力用の低電圧AC信号を生成するべくHブリッジを更に有し、前記AC信号の周波数及び振幅は、前記マイクロコントローラによって制御される、請求項8又は9に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項11】
前記第1高電圧生成回路は、前記第3グリッドを前記装置の前記浮動接地に放電するべく高電圧スイッチを更に有する、請求項8~10のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項12】
前記電池マネージャの前記電圧出力を使用して前記第3グリッドに前記電圧掃引を供給するべく前記基材内の第2高電圧生成回路を更に有し、前記高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤセクションによって後続されるDC-DCコンバータ及びブーストセクションを有する、請求項7に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項13】
前記ブーストセクションは、インダクタL1、トランジスタQ1、ダイオードD2、及びコンデンサC1を有し、前記ブースト回路は、前記DC-DCコンバータの前記電圧出力をブーストするように構成される、請求項12に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項14】
前記基材内のマイクロプロセッサを更に有し、前記トランジスタは、前記マイクロプロセッサからのパルス幅変調された信号によって制御される、請求項13のIED計測を取得する装置。
【請求項15】
前記電圧マルチプライヤは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤである、請求項12~14のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項16】
前記電圧マルチプライヤ回路は、複数のステージを有し、それぞれのステージは、前記個々のステージの入力に印加される電圧を増大させる、請求項12~15のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項17】
前記第2高電圧生成回路は、前記第3グリッドを前記装置の前記浮動接地に放電するべく高電圧スイッチを更に有する、請求項12~16のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【請求項18】
それぞれのグリッドと制御回路の間において直列状態の抵抗器を更に有する、請求項1~17のいずれか1項に記載のIED計測を取得する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本出願は、プラズマ処理の際に基材又は表面に到達した入射帯電粒子の電流密度及びエネルギー分布を計測する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プラズマ処理は、現代産業において、様々な用途について広範に使用されている。周知の例は、半導体産業における集積回路の製造である。また、プラズマ処理は、多くのその他のものに加えて、太陽電池パネル、フラットパネルディスプレイ、薄膜被覆、及び医療装置の製造においても使用されている。
【0003】
基材表面に到達したイオンの電流密度(イオン束)及びエネルギー分布は、プラズマに基づいたプロセスの性能に対して強力な影響を及ぼしている。半導体製造においては、基材は、シリコンウエハである一方で、その他の産業においては、基材は、ガラスパネル又は様々な代替肢であってよい。ウエハと基材は、本明細書においては、相互交換可能に使用されうるが、プラズマプロセスにおいて使用される基材の任意のタイプを意味するものと理解することができる。プロセスの全体を通じて、基材表面は、被加工物表面上において構造又は特徴を形成するために、材料の層を除去(エッチング)及び/又は堆積させるべく、エネルギーイオンを含むプラズマ種によって照射されている。イオンの衝撃は、エッチング及び堆積を直接的に駆動してもよく、或いは、作業を実施するべく相対的に反応性のプラズマ種のために表面を活性化させるべく、使用することもできる。例えば、半導体産業における特徴のプラズマエッチングにおいては、イオン束及び関連する(IED)が、エッチングレート、エッチング選択性、及びエッチング異方性などの、重要なパラメータを決定している。従って、IEDは、最適なプロセス性能を保証するべく、計測、理解、及び制御するべき重要なプラズマパラメータである。
【0004】
トランジスタの限界寸法のスケールダウンが継続するのに伴って、ウエハ表面におけるIEDの更に緊密な制御が必要とされている。IEDの反復可能性及び均一性は、最適なプロセス収率のために重要である。従って、ウエハ及び基材に統合されたIEDセンサは、プラズマ処理を使用して製造されるナノテクノロジーの進歩にとって不可欠である。
【0005】
様々なイオンエネルギーアナライザが、数十年間にわたって、プラズマプロセスにおけるIEDを計測するべく開発されている。平坦なリターディングフィールドアナライザ(RFA:Retarding Field Analyzer)設計が周知である。多くのRFAの実施形態において、そのエネルギーに基づいてイオンを分離するべく、従って、IEDを判定するべく、絶縁体によって個別に分離された導電性グリッドの積層体が使用されている。プラズマに対向するアパーチャが、分析のためにイオンのサンプルが装置内に進入することを許容している。一連のグリッドは、a)装置の内側におけるプラズマの貫通を防止するべく、b)プラズマ電子を撥ね返すべく、c)そのエネルギーに基づいてイオンを弁別するべく、且つd)コレクタ電極からの二次電子放出を防止するべく、使用されている。コレクタ電極が、積層体を終端しており、且つ計測のためにイオン電流信号を検出するべく使用されている。イオン電流は、エネルギー分布の全体的な形態を付与するべく、イオンエネルギー弁別グリッドに印加されたそれぞれのリターディング電圧ごとに記録されている。表化されたイオン電流対弁別器グリッド電圧データが、IEDを判定するべく数値微分されている。
【0006】
IEDは、様々なレベルの成功を伴って、異なるプラズマツールプラットフォームに跨って広範に計測されている。イオンエネルギーアナライザ技術の進歩が、増大する数の用途において、且つ相対的に広いパラメータ空間にわたって、IED計測を可能にしている。具体的には、高周波(RF)バイアスされた基材ペデスタル上におけるイオンエネルギーアナライザの配備を可能にするRFフィルタリング技法(一般に半導体製造において使用されているもの)が、これらの装置に対する需要を劇的に増大させている。Kawamura et al (Plasma Sources Sci. Technol. 8 (1999) R45-R64)は、1999年まで処理プラズマにおいて使用されていたIED計測及びリターディングフィールドアナライザ技術の進歩の広範な調査結果を付与している。Gahan et al (Rev. Sci. Instrum. 79, 033502 (2008))は、2008年において、広い周波数範囲にわたってRFバイアシングと互換性を有する最もよく知られている方法に基づいて有線接続されたRFAを発明している。センサ積層体が、様々な直径選択肢を伴って、厚さが5mmのアルミニウムのダミーウエハ内に構築されている。センサは、プラズマの貫通を防止するためのもの、プラズマ電子を撥ね返すためのもの、及びイオンエネルギーを弁別するためのもの、という3つの能動型のグリッドから構成されている。この設計の後のバージョンは、二次電子抑圧用の第4のグリッドを内蔵している。ダミーウエハは、円周方向のエッジから離脱する信号搬送ケーブル束を有する。ケーブル束は、保護セラミックスリーブによって遮蔽され、且つマルチピンプラグによって終端されている。チャンバ真空ポートに取り付けられた統合されたRFフィルターモジュールを有する真空フィードスルーは、ケーブルプラグと結合するためのレシーバポートを有する。従って、RFA信号は、計測電子回路、コントローラ、及びグリッド電源が配置されているフィードスルーを介して、真空チャンバの内側に配置されたセンサから、空気側に送信されている。著者らは、RFバイアシングを含む一連のペデスタルバイアス条件に跨って、IEDの成功的な計測を実証している。但し、限定を伴うことなしに、(a)既存のRFAがリモート電子制御システムに有線接続されており、この結果、接地に対する寄生インピーダンスが追加され、これにより、ペデスタルRFバイアス状態及び結果的に得られるIEDに人工的な影響が及ぶこと、(b)有線接続が、標準的なロボットローディングシステムを使用してプラズマ処理チャンバへのイオンエネルギーアナライザの容易なローディングを妨げていること、(c)イオンエネルギーアナライザ構造の高さが、通常、数ミリメートルにもなり、これにより、同時に、装置がその下方において動作しうる真空圧力範囲を制限しつつ、プロセスウエハへの類似の厚さを有する基材上の配備を困難にしていること、並びに、(d)通常のプラズマプロセスにおいて予想されるIEDを計測するためには、RFAを実際に有用なものにするべく、数千電子ボルト(eV)のエネルギー範囲が必要とされていること、を含む、この技術の更に広範な採用を妨げているいくつかの課題が依然として残っている。IED計測用のウエハ又は基材に統合された無線RFA設計は、ペデスタルの混乱を除去するために、そしてロボットによるローディングを可能にするために非常に望ましい。ウエハに統合されたグリッドを有するセンサ積層体の製造、十分なイオンエネルギー範囲用の数キロボルトスキャニング能力の実現、及び統合されたセンサ電源及び回路コンポーネントの高温要件の充足を含む克服するべき相当な技術的課題が存在している。
【0007】
埋め込み型のセンサを有するイミテーション基材が、多数の特許の主題となっている。これらの発明のいくつかは、新規のセンサ設計及びその構造に注目している一方で、その他のものは、センサデータを処理、保存、及び送信するための電子制御プラットフォームに注目している。電子プラットフォームは、その独自の電源と共に、イミテーション基材内に完全に統合されているか、或いは、真空フィードスルーを使用して、チャンバ壁を通じて空気側において配置された電子制御プラットフォームまで通過する相互接続ワイヤを使用して、イミテーション基材から結合解除されている。
【0008】
米国特許第5,969,639号において、発明者らは、様々な処理用途においてペデスタルの温度均一性を監視するべく複数の統合された温度センサを有するシリコンウエハプローブについて記述している。データを外部レシーバに送信するためのトランスミッタを含む電源及び制御電子回路がその内部において完全に統合されている。データは、後からの取得のためにメモリ内において保存されている。温度は、有用なパラメータではあるが、イオンエネルギー分布のような主要なプロセスドライバではない。
【0009】
プラズマ処理の際にイオン電流を計測するウエハプローブ装置は、米国特許第6,830,650B2号において記述されている。装置は、統合されたセンサ、電源、及び、センサデータを保存するためのマイクロプロセッサを有するイミテーション基材から構成されている。電源は、電子回路に電力供給するためにプラズマからエネルギーを収集及び保存するべく、積層されたコンデンサを使用している。また、これは、センサデータをチャンバ壁上の真空ポートに取り付けられた無線レシーバに送信するべく、統合された無線トランスミッタをも有する。イオンセンサは、上部表面上においてプラズマに曝露されるフラットな金属円板から構成された単純なデュアルラングミュアプローブである。これらのセンサは、限られた精度により、表面におけるイオン電流の計測を提供している。このタイプのセンサは、ウエハ処理にとって決定的な重要性を有するイオンエネルギー分布を計測するための能力を有してはいない。これは、限られた精度しか有しておらず、その理由は、これが、計測対象である衝突するイオンによって誘発されうるセンサ表面からの二次電子放出のなんらの抑圧をも含んでいないからである。センサを駆動するべく必要とされる電圧範囲は、リターディングフィールドアナライザに必要とされるものよりも一桁超だけ小さい。
【0010】
米国特許出願公開第2005/0115673A1号において、発明者らは、イオンエネルギーアナライザ、VUV光子検出器、及びラジカルイオン放出スペクトロメータを含む様々な統合されたセンサを有するイミテーションシリコン基材について記述している。この装置は、完全に統合された電源及び制御電子回路を有する。ビューポートに取り付けられたレシーバによる双方向通信が光学的な方式で実行されている。イオンエネルギーアナライザは、プラズマブロッキンググリッド、到来電子リターディンググリッド、イオンエネルギー分離グリッド、及び二次電子抑圧グリッドを含む4つのグリッドから構成されている。また、これは、イオンエネルギーの関数としてイオンの電流を記録するべく、コレクタ電極をも含む。グリッド層及びグリッド間絶縁層は、標準的なプラズマエッチング及び堆積プロセスを使用して形成されている。グリッド及びコレクタ電極は、アルミニウムから製造されている一方で、アルミニウム酸化物が電気的絶縁のために使用されている。イオンサンプルが分析のために装置を通過することを許容するべく、グリッド孔又は「ポア」が、上部においてウエハ表面に対向しているプラズマから、下部におけるコレクタ電極まで、垂直方向において構造を通じて下方に延在している。電圧は、センサを動作させるために必要とされる電界を生成するべく、それぞれのグリッドに印加されている。このタイプのアナライザ設計によれば、グリッド孔又は「ポア」を形成する自由空間内の電位は、金属フレーム上のものと同一であるものと仮定されている。Talley et al (Plasma Sources Sci. Technol., 26, 12, 2017)は、その他のものに加えて、孔内の電界の「サギング」(低減)の効果と、特に、本発明におけるように完全にアライメントされたポアの場合に、機能に対するフィールドサギングの影響を極小化するべく、グリッド間の間隔がポア寸法よりも格段に大きくなることの必要性と、を示している。説明において示唆されている寸法が付与された場合に、この基準が考慮されたかどうかは疑わしい。また、発明者らは、ポアチャネルに曝露されるグリッドの側壁を絶縁している。これは、フィールドサギング効果を更に強調することになる。正しい電圧が前記層の外部表面上に出現するように、これが十分に薄い層によって克服された場合には、特に高電圧イオンエネルギー分離グリッドからの、隣接するグリッドへの絶縁体の表面に跨る電圧フラッシュオーバーの尤度が大きい。発明者らは、高電圧イオンエネルギー分離電圧掃引が生成される方式について明らかにしておらず、計測されたデータのなんらの例をも示していない。この発明を使用する能力は、チャンバ壁上の遠隔場所におけるレシーバとの間の視準線光学通信に依存しており、これは、現在のプラズマ処理ツールにおいて、常に実際的であるわけではない。
【0011】
Mahoneyらは、国際公開第2005/017937A2号及びその他の関係する特許において、プラズマ境界の近傍におけるイオン電流を計測するデュアルラングミュアプローブから構成された発明について記述している。この発明においては、センサは、ウエハがその上部において処理されるチャックを取り囲む誘電絶縁リング内において埋め込まれうる。センサは、チャンバ壁内の真空封止されたフィードスルーを通じて、処理電子回路に有線接続されている。この装置は、計測されるパラメータの観点において、同一の制限を有する。また、有線接続は、配備の容易性をも制限している。米国特許出願公開第2005/0034812A1号においてRocheらによって公開されている著者らによる後続の発明は、埋め込み型のセンサ、積層されたコンデンサ電源メカニズム、マイクロプロセッサ、及びデータをチャンバに取り付けられたレシーバに送信するための無線トランシーバを有するウエハ様のプローブについて記述している。発明者らは、プラズマプロセスからのイオン電流を検知するための、但し、今回は、無線イミテーションウエハ内において埋め込まれている、同一のタイプのデュアルラングミュアプローブについて記述している。
【0012】
米国特許第7,151,366B2号において、Renkenらは、ウエハからデータを取得するべく統合されたトランスミッタ/レシーバ技術を有する、電池電源、CPU、及びデータをイミテーションFOUPに伝達するためのトランスミッタを装備したイミテーションウエハから構成された発明について記述しており、この場合に、これは、コンピュータ接続を通じてユーザーがアクセスすることが可能であり、また、これは、工場のホストサーバーに直接的に報告するべく使用することもできる。このイミテーションウエハプラットフォームは、センサデータを管理するように設計されているが、センサ設計は、この特許において報告されてはいなかった。
【0013】
米国特許第7,960,670B2号において、Mundtらは、プラズマプロセスパラメータを検知するべく埋め込まれたセンサを有する別のウエハ様の又は基材様の装置について記述している。著者らは、様々なプラズマ処理パラメータを検知するように構成されうる複数の容量性検知要素について記述しているが、具体的なセンサ設計については、記述されていない。容量性検知要素は、ウエハを処理するべく使用されるrfパワーに比例したDC電圧を生成するトランスデューサによって電力供給されており、且つ情報プロセッサに結合されている。また、装置は、データを送受信するべく、トランシーバをも有する。リモート通信装置が装置からデータを受け取るものと想定されているが、この特許においては、記述されていない。
【0014】
米国特許第7,875,859号において、Chenらは、RFバイアシングの際に処理プラズマ内においてIEDを計測するための統合されたイオンエネルギーアナライザを有するウエハ様の装置を製造及び使用する方法について記述している。イオンエネルギーは、プラズマブロッキング用のもの、イオンエネルギー分離用のもの、及び電子抑圧用のもの、という3つのグリッドを有するように構築されており、且つイオン電流信号を検出するべく、コレクタ電極によって終端されている。著者らは、数ミリメートルのオーダーを有するグリッドの間の分離を示唆しており、これにより、装置は、低い処理圧力においてのみ使用可能となっている。また、この設計は、イオン及び電子が通過するサンプリングアパーチャに対向するプラズマの直接下方においてイオン分離グリッドを配置している。最良のやり方は、電子が第1優先順位として除去されうるように、アパーチャに対向しているプラズマの直接下方において電子リペラグリッドを配置する、というものである。イオン分離グリッドが、その到来するエネルギーに基づいてイオンを分離するべく正の電位掃引によって必然的にバイアスされるサンプリングアパーチャの直接下方において配置された状態において、電子は、反発の前に、アナライザ構造内に深く、高エネルギーに加速されている。実際に、この構成は、しばしば、加速された電子によって生成されるアナライザの内側の望ましくないイオン化をもたらし、これにより、計測されたIEDを破壊する。計測電子回路及び電源は、メインウエハ構造に接続された別個のモジュール内において収容されている。この結果、ウエハグリッドと電源の間のrfフィルタリングが不可欠である。更なるモジュールは、ロボットによるローディングを許容しておらず、且つこのモジュールが処理の際に配置されることを要するかどうかも明瞭ではない。システムがウエハ構造内において完全に収容されていない状態において、装置の配置は、実際の処理状態の混乱のリスクを有する。
【0015】
米国特許第8,816,281B2号において、Funkらは、複数の基材のサンドイッチから構成されたウエハ様のイオンエネルギーアナライザ装置を製造するためのプロセスについて記述している。これらは、それぞれの層の間においてサンプリングアパーチャのアレイをアライメントするべく下部層内において埋め込まれた光源を使用している。イオンエネルギーアナライザは、2つのグリッド及びコレクタ電極を有する非常に単純な構造を有する。イオンエネルギーセパレータグリッドは、入口アパーチャに隣接している一方で、コレクタは、同時にイオン電流を検出しつつ、到来する電子のための反発力を提供するように、バイアスされている。この構成の単純さは、魅力的であるが、これは、好ましい構成ではなく、その理由は、a)コレクタ電極からの二次電子抑圧が存在しておらず、且つb)電子が、入口アパーチャに隣接したグリッドの正のバイアシングに起因して、装置内に深く加速されており、これが、構造内の望ましくないイオン化を結果的にもたらし、これにより、計測されたIEDを破壊しうる、からである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のことから、従来技術に伴って多数の欠点が存在していることが明らかである。これらの欠点に対処するためのニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0017】
概要
本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得するための装置について記述しており、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性電極G1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び制御回路と、を有し、この場合に、少なくとも1つの絶縁層は、絶縁層の残りの部分との関係において低減された厚さを有する周辺部分を含む。
【0018】
周辺部分は、絶縁層の残りの部分から突出しうる。
【0019】
凹入した部分を周辺部分の上方及び下方において提供することができる。
【0020】
任意選択により、周辺部分は、その間において凹入された部分を有する2つの突出部分を有する。
【0021】
IED計測を取得する装置は、イオンエネルギーアナライザ、電源、及び制御回路を収容するファラデーシールドを更に有することができる。
【0022】
IED計測を取得する装置は、ファラデーシールド内のギャップと、ギャップを通じて装置からIED計測を伝達するためのトランスポンダと、を更に有することができる。
【0023】
IED計測を取得する装置は、基材内において電池マネージャを更に有していてもよく、電池マネージャは、電池出力電圧を固定された電圧レベルに調節するように構成されている。
【0024】
IED計測を取得する装置は、基材内において第1高電圧生成回路を更に有していてもよく、高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤに供給する低電圧-高電圧変圧器を有し、この場合に、高電圧生成回路は、電池マネージャの出力電圧を取得し、且つ電圧掃引を第3導電性グリッドG2に供給している。
【0025】
任意選択により、電圧マルチプライヤは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤである。
【0026】
IED計測を取得する装置は、基材内においてマイクロコントローラを更に有していてもよく、第1高電圧生成回路は、変圧器の一次側への入力用の低電圧AC信号を生成するべくHブリッジを更に有し、AC信号の周波数及び振幅は、マイクロコントローラによって制御されている。
【0027】
任意選択により、第1高電圧生成回路は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電するための高電圧スイッチを更に有する。
【0028】
IED計測を取得する装置は、電池マネージャの電圧出力を使用して電圧掃引を第3グリッドに供給するべく基材内において第2高電圧生成回路を更に有していてもよく、高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤセクションによって後続されるDC-DCコンバータ及びブーストセクションを有する。
【0029】
任意選択により、ブーストセクションは、インダクタL1、トランジスタQ1、ダイオードD2、及びコンデンサC1を有し、ブースト回路は、DC-DCコンバータの電圧出力をブーストするように構成されている。
【0030】
IED計測を取得する装置は、基材内においてマイクロプロセッサを更に有していてもよく、この場合に、トランジスタは、マイクロプロセッサからのパルス幅変調された信号により、制御されている。
【0031】
任意選択により、電圧マルチプライヤは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤである。
【0032】
任意選択により、電圧マルチプライヤ回路は、複数のステージを有し、且つ、それぞれのステージは、個々のステージの入力に印加された電圧を増大させている。
【0033】
任意選択により、第2高電圧生成回路は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電させるべく高電圧スイッチを更に有する。
【0034】
IED計測を取得する装置は、それぞれのグリッドと制御回路の間において直列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0035】
また、本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置にも関係しており、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、且つ、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び電池マネージャと、基材内の高電圧生成回路であって、電圧マルチプライヤに供給する低電圧-高電圧変圧器を有する高電圧生成回路と、を有し、高電圧生成回路は、電池マネージャの出力電圧を取得し、且つ電圧掃引を第3導電性グリッドに供給している。
【0036】
第3導電性グリッドに印加される電圧掃引は、上昇するものであってよい。
【0037】
装置のイオンエネルギーアナライザは、電圧掃引が上昇している間に、イオン電流をサンプリングするように構成されている。
【0038】
第3導電性グリッドに印加される電圧掃引は、下降しているものであってよい。
【0039】
装置のイオンエネルギーアナライザは、電圧掃引が上昇している間に、イオン電流をサンプリングするように構成されている。
【0040】
電池マネージャは、電池出力電圧を固定された電圧レベルに調節するように構成することができる。
【0041】
電圧マルチプライヤは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤであってよい。
【0042】
IED計測を取得する装置は、基材内においてマイクロコントローラを更に有していてもよく、高電圧生成回路は、変圧器の一次側への入力用に低電圧AC信号を生成するべくHブリッジを更に有し、この場合に、AC信号の周波数及び振幅は、マイクロコントローラによって制御されている。
【0043】
高電圧生成回路は、変圧器の一次巻線に印加されるAC信号の周波数及び振幅を制御することにより、第3導電性グリッドに印加される電圧が決定されるように構成することができる。
【0044】
高電圧生成回路は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電させるための高電圧スイッチを更に有することができる。
【0045】
高電圧生成回路は、高電圧スイッチと並列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0046】
抵抗器は、電圧生成回路が、下降する電圧掃引を第3グリッドに印加するように構成されている際に、電圧の放電時間を決定している。
【0047】
IED計測を取得する装置は、第3導電性グリッドに印加される電圧掃引が連続的なものになるように更に構成することができる。
【0048】
IED計測を取得する装置は、第3導電性グリッドに印加される電圧掃引が階段関数となるように更に構成することができる。
【0049】
IED計測を取得する装置は、それぞれのグリッドと制御回路の間において直列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0050】
本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置に関し、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、且つ、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び電池マネージャと、基材内の高電圧生成回路であって、電圧マルチプライヤセクションによって後続されたDC-DCコンバータ及びブーストセクションを有する高電圧生成回路と、を有し、高電圧生成回路は、電池マネージャの出力電圧を取得し、且つ電圧掃引を第3導電性グリッドに供給している。
【0051】
第3導電性グリッドに印加される電圧掃引は、上昇するものであってよい。
【0052】
装置のイオンエネルギーアナライザは、電圧掃引が上昇している間に、イオン電流をサンプリングするように構成することができる。
【0053】
第3導電性グリッドに印加される電圧掃引は、下降するものであってよい。
【0054】
装置のイオンエネルギーアナライザは、電圧掃引が上昇している間に、イオン電流をサンプリングするように構成することができる。
【0055】
電池マネージャは、電池出力電圧を固定された電圧レベルに調節するように構成することができる。
【0056】
任意選択により、電圧マルチプライヤセクションは、コッククロフト-ウォルトンに基づいた電圧マルチプライヤである。
【0057】
ブーストセクションは、インダクタL1、トランジスタQ1、ダイオードD2、及びコンデンサC1を有していてもよく、ブースト回路は、DC-DCコンバータの電圧出力をブーストするように構成されている。
【0058】
IED計測を取得する装置は、基材内においてマイクロコントローラを更に有していてもよく、トランジスタは、マイクロプロセッサからのパルス幅変調された信号によって制御されている。
【0059】
高電圧生成回路は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電するべく高電圧スイッチを更に有することができる。
【0060】
高電圧生成回路は、高電圧スイッチと並列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0061】
抵抗器は、電圧生成回路が、下降する電圧掃引を第3グリッドに印加するように構成されている際に、電圧の放電時間を決定している。
【0062】
IED計測を取得する装置は、第3導電性グリッドに印加される電圧掃引が連続的なものになるように更に構成することができる。
【0063】
IED計測を取得する装置は、第3導電性グリッドに印加される電圧掃引が階段関数になるように更に構成することができる。
【0064】
IED計測を取得する装置は、それぞれのグリッドと制御回路の間において直列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0065】
また、本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置に関し、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び電池マネージャと、基材内の高電圧生成回路であって、電圧マルチプライヤに供給する高電圧パルス生成器を有する高電圧生成回路と、を有し、高電圧生成回路は、電池マネージャの出力電圧を取得するように、且つ電圧掃引を第3導電性グリッドに供給するように、構成されている。
【0066】
電圧パルス生成器は、電池マネージャの出力電圧を取得するように、且つ高電圧パルス列を電圧マルチプライヤに提供するように、構成することができる。
【0067】
電圧マルチプライヤは、パルス生成器から受け取られた電圧の複数倍である電圧を出力するように構成することができる。
【0068】
IED計測を取得する装置は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電するべく高電圧スイッチを更に有することができる。
【0069】
任意選択により、電圧生成回路は、高電圧スイッチと並列状態において抵抗器を更に有する。
【0070】
また、本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置に関し、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内に配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び電池マネージャと、基材内の、且つ電池マネージャの出力電圧を取得するように、且つ下降する電圧掃引を第3導電性グリッドに供給するように、構成された高電圧生成回路と、を有し、イオンエネルギーアナライザは、電圧掃引が下降している間に、イオン電流をサンプリングするように構成されている。
【0071】
高電圧生成回路は、第3グリッドを装置の浮動接地に放電するべく高電圧スイッチを更に有することができる。
【0072】
電圧生成回路は、高電圧スイッチと並列状態において抵抗器を更に有することができる。
【0073】
また、本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置に関し、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された電池電源及び制御回路と、導電性グリッドの1つと隣接する導電性グリッドの間のプラズマ形成を防止するべく制御回路と導電性グリッドの1つの間において提供された抵抗器と、を有する。
【0074】
制御回路は、電池の出力電圧を取得するように、且つ第3導電性グリッドに電圧掃引を供給するように、構成された高電圧生成回路を有することができる。
【0075】
装置は、第3導電性グリッドと隣接する導電性グリッドの間のプラズマ形成を防止するべく高電圧生成回路と第3導電性グリッドの間において提供された抵抗器を更に有することができる。
【0076】
本教示は、プラズマ処理システムにおいてイオンエネルギー分布IED計測を取得する装置について記述しており、装置は、プラズマ処理システム内に配置され、プラズマに曝露される、基材と、プラズマ処理の際に基材表面においてイオンエネルギー分布を計測するべく基材内において配設されたイオンエネルギーアナライザであって、第1導電性グリッドG0、第2導電性グリッドG1、第3導電性グリッドG2、第4導電性グリッドG3、及び収集電極Cを有し、それぞれのグリッドは、絶縁層によって分離されている、アナライザと、イオンエネルギーアナライザのグリッド及びコレクタのそれぞれに電圧を供給及び制御するべく基材内において統合された制御回路を含む電池電源と、イオンエネルギーアナライザ、電源、及び制御回路を収容するファラデーシールドと、を有する。
【0077】
任意選択により、第1グリッドG0は、ファラデーシールドに電気的に接続され、且つその一部分を形成している。
【0078】
任意選択により、基材は、シリコンであり、且つ、ファラデーシールドは、シリコン内において導電性層によって形成されており、この層が、イオンエネルギーアナライザ、電源、及び電子制御回路を収容している。
【0079】
図面の簡単な説明
以下、次の添付図面を参照し、本出願について説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】プラズマ処理の際にウエハプローブ表面に到達したイオンエネルギー分布を計測する能力を有する本教示によるシステムの概要を示す。
【
図2a】ウエハプローブの表面に跨って分散したIEDを計測するセンサのアレイを示す。
【
図2b】
図2(a)のセンサ内のグリッドの一構成を示す。
【
図2c】
図2(a)のセンサ内のグリッドの別の構成を示す。
【
図2d】
図2(a)のセンサ内のグリッドの更なる構成を示す。
【
図3a】電力をセンサに提供するための一構成を示す。
【
図3b】電力をセンサに提供するための別の構成を示す。
【
図4b】センサ内の絶縁層の別の可能な構成を示す。
【
図5a】ファラデーシールドを内蔵する本教示によるウエハプローブの断面を示す。
【
図5b】同様に、本教示によるウエハプローブの断面を示す。
【
図6】センサのグリッドの好ましい潜在的構成を示す。
【
図7】イオン電流対センサのグリッドに印加された電圧を示すものと、結果的に得られたIEDを示すもう1つのグラフと、という2つのグラフを示す。
【
図8a】本教示による高電圧生成回路の構成を示す。
【
図8b】本教示による高電圧生成回路の別の構成を示す。
【
図9】センサの特定のグリッドに高電圧掃引を提供する1つの回路構成を示す。
【
図10】センサの特定のグリッドに電圧を提供する別の回路構成を示す。
【
図11】本教示によるクエンチ抵抗器の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図面の詳細な説明
以下、
図1を参照し、本教示について説明することとする。この図は、プラズマ処理の際にウエハプローブ101の表面に到達したイオンエネルギー分布を計測する能力を有するシステム100の概要を示している。この特定の図において、診断システム100は、統合されたイオンエネルギーアナライザ、電子制御回路、電池電源、及び無線通信を有するイミテーションウエハプローブを含む。診断システムは、イミテーションウエハプローブ101の充電、構成、及びデータ取得を可能にするべく統合された無線トランスポンダ103を有するドッキングステーション102を更に有する。ドッキングステーション102は、ホストPC 104と通信するべくEthernet接続を装備している。取得されたデータを表示及び分析するべく、アプリケーションソフトウェアが提供されている。アプリケーションソフトウェアは、実験割当をスケジューリングするための制御パネルを提供している。また、ドッキングステーションと工場制御ソフトウェアの間の直接的な相互作用を許容するべく、高度なプログラミングインターフェイス(API:Advanced Programming Interface)も提供されている。
【0082】
また、
図1には、4チャンバプラズマ処理システム105も示されている。これは、多くの異なるタイプのプラズマ処理システムのうちの1つであり、且つ本教示によるイミテーションウエハプローブ101の機能を示すべく使用されている。プラズマ処理システム105は、1つ又は複数の相互接続された処理チャンバ106を有することができる。それぞれの処理チャンバ106は、チャンバを排気するための真空ポンプと、プロセスレシピを設定するためのガスフロー制御装置と、プロセス動作圧力を調節するための真空ゲージ及びトランスデューサと、化学レシピをプラズマ状態に励起するための電力供給メカニズムと、処理の際に基材を保持するためのペデスタルと、を装備している。処理チャンバとの間において基材を搬送するべく、ロボット転送メカニズム107を有するロードロックチャンバ108が使用されている。基材バッチが、カセット又はFOUPを通じて、ロードロックチャンバ108に供給されている。
【0083】
好適な実施形態において、ウエハプローブ101は、ドッキングステーション102内において配置されており、且つ通信がホストPC 104上のアプリケーションソフトウェアを通じて確立されている。ウエハプローブ101上の電池電源が充電され、保存されているデータが取得され、且つ、ウエハプローブ101を準備するべく、次の実験割当がスケジューリングされる。次いで、イミテーションウエハプローブ101は、フロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP:Front Opening Universal Pod)内の利用可能なスロットに配置され、その後に、これは、ロードロックチャンバ108に供給されている。ロボットアーム107は、イミテーションウエハプローブ101を処理チャンバ106に搬送し、且つ、プラズマ曝露のための準備として、これを処理ペデスタル上において位置決めしている。チャンバ106が既に真空下にある状態において、プロセスレシピが構成され、且つ、プラズマが点火される。プラズマが形成された際に、プラズマ種がウエハプローブ101の照射を開始し、且つ、そのサンプルが分析のためにプローブ101のセンサに進入する。分析は、高電圧用途用の閾値が充足されたことをオンボード圧力センサが報告した場合に、スケジューラにおいて構成された時点において進捗する。この安全メカニズムは、電気アークに起因してセンサを破壊しうる大気圧における高電圧の偶発的な印加を防止している。圧力閾値が充足された場合に、ウエハプローブ101が、スケジューリングされた時点において起動される。適切な電圧がグリッド及びコレクタのすべてに印加され、コレクタ電流が、図示されてはいないマイクロコントローラ(MCU)により、イオン弁別電位の関数として記録され、且つ、結果的に得られたデータがメモリ内において保存される。ウエハプローブ101は、次のスケジューリングされた計測の時点までスリープモードに戻り、その時点において、プロセスが反復される。実験割当が完了した際に、プラズマプロセスは、ウエハプローブをロードロックチャンバ108を通じてFOUPに搬送して戻すロボットアームを使用することにより、処理ペデスタルからのウエハプローブ101の回収を許容するべく終了することができる。ユーザーは、FOUPからウエハプローブ101を取り出し、且つ、次の実験割当のデータ取得、充電、及びスケジューリングのために、これをドッキングステーション102内において配置して戻している。或いは、ウエハプローブが、既知の無線通信装置及び方法を使用することにより、処理チャンバの内側の自身の場所からセンサデータをリアルタイムでドッキングステーションに送信することもできる。
【0084】
以下、ウエハプローブ101の構成について更に詳細に説明することする。好適な実施形態において、ウエハプローブ101は、標準的な半導体被加工物を模倣するように、シリコンウエハベース上において製造することができる。また、これは、プラズマ処理において使用されているその他のタイプの基材を模倣するように、セラミック、金属、又はガラスなどのその他の材料上において製造することもできると共に、実質的に同一の寸法及び重量を有する標準的な基材と同一の形状を有することもできる。
図2(a)には、1つのこのような構成の一例が示されており、これは、半導体ウエハプローブ101の表面に跨って分散されたセンサのアレイ(或いは、センサ積層体)201を描いている。具体的には、
図2(a)は、9つのセンサ201を有する300mmのウエハプローブ101の平面図を示している。また、アライメントノッチ202も示されている。以下において更に詳述するように、これらのセンサ201は、好ましくは、ウエハプローブ101の基材表面上におけるイオンエネルギー分布を計測するためのイオンエネルギーアナライザである。
【0085】
図3(a)は、1つの可能なアーキテクチャを示しており、この場合に、ウエハプローブ101のそれぞれのセンサ201は、その独自の専用の電源、信号コンディショニング回路、MCU、圧力センサ、及び無線トランスポンダを有することにより、モジュラー化されている。
【0086】
一代替アーキテクチャにおいて、電子制御回路は、中央集中化されており、且つ、それぞれの検知要素からの個々のコレクタ電流は、
図3(b)において示されているように、中央集中化された計測回路に多重送信されている。
【0087】
イオンエネルギーアナライザ201は、プラズマ処理の際の基材表面におけるイオンエネルギー分布を計測する、という点において特に興味深い。
図2(b)を参照すれば、イオンエネルギーアナライザ201は、平坦で、平行な、導電性金属グリッド及び絶縁体の交互に変化する層を有しており、グリッドは、プラズマ電子をフィルタリングによって除去するべく、そのエネルギーに基づいて正のイオンを分離するべく、二次電子放出を抑圧するべく、且つ計測のためのイオン電流を取得するべく、システマチックな方式により、電気的に偏極されていることがわかる。
【0088】
図2(b)において、センサ201のプラズマに対向している上部表面203は、基材表面と同一平面上にあり、且つ同一の材料から製造されている。サンプリングアパーチャ204のアレイがこの上部表面203上において形成されており、これを通じて、プラズマ種が分析のために装置に進入している。サンプリングアパーチャ204は、直径において、1ミリメートル未満であることが可能であり、且つ検出用の十分な帯電粒子束を供給するべく十分な開口部面積を提供しなければならない。処理チャンバ内のプラズマ形成の開始の際に、プラズマシースが基材の表面に隣接した状態において形成され、且つ、すべてのその他の表面がプラズマに曝露される。シースに印加された電圧は、基材表面に到達するイオンエネルギーを操作するべく使用されている。センサアパーチャ204の存在は、前記アパーチャの近傍における局所的なシース形成を妨げる可能性を有する。プラズマに曝露される任意のアパーチャは、アパーチャの上方におけるシース形成を可能にするべく、且つ、これにより、アパーチャを通じたプラズマ貫通を防止するべく、プラズマデバイ長(λ
D)よりも小さな寸法を有することを要する。λ
Dは、次式を使用することにより、算出することが可能であり、
【数1】
ここで、ε
0は、真空誘電率であり、kT
eは、電子温度であり、n
eは、電子密度であり、且つ、eは電子電荷である。3eVの電子温度及び10
17m
-3の電子密度を有する通常のプラズマ処理条件を使用した場合に、デバイ長は、約40ミクロンである。従って、通常は、数ミリメートルのスケールであるアパーチャは、絶縁におけるサブデバイ長基準を充足することができない。
【0089】
図2(b)に示されている実施形態において、以下においてG
0と呼称される第1導電性グリッド(或いは、メッシュ)は、両方の表面の間の良好な電気接続を伴って、アパーチャ204の裏面に装着されている。グリッドG
0は、プラズマスクリーニングを保証するべく、サブデバイ長アパーチャサイズを有するように製造され、且つ、検出のために十分なイオン束を伝達するべく十分な開口部面積比率を有する。
【0090】
別の実施形態において、G
0は、
図2(c)に示されているものと同一の機能を実現するべく、アパーチャのプラズマに対向している側に装着することができる。
【0091】
一代替実施形態において、アパーチャ204は、検出用の十分なイオン束を維持し、これにより、独立したG
0に対するニーズを除去するべく、サブデバイ長寸法を有するように、且つ、十分な数において、プラズマに対向する表面内において直接的に製造されている。この実施形態は、
図2(d)に示されている。
【0092】
図2(a)、
図2(b)、及び
図2(c)のそれぞれの構成において、G
0は、処理ペデスタルに印加された励起電位及びプラズマプロパティによって決定されるウエハプローブ外側ボディと同一の電位を採用している。この電位は、センサ回路及びグリッド間電界形成用の基準電位として機能している。
【0093】
例えば、G1、G2、及びG3などのその他のグリッドからの電気的な絶縁を提供するべく、第1絶縁層205が、G0に近接した状態において配設されている。絶縁層205は、1つ又は複数の絶縁体から構成することができる。絶縁体は、妨げられていない状態においてイオンが通過することを許容するべく、イオンサンプリングアパーチャアレイにマッチングしたアパーチャアレイを有することができる。或いは、絶縁体は、アパーチャアレイ全体に跨る開口部面積を有する単一の大直径のアパーチャを有することもできる。
【0094】
図4(a)には、1つの適切な絶縁体層構造の図が描かれている。絶縁層205は、中央領域内において更に突出するように、且つ隣接したグリッドとの接触状態となる場所の上方及び下方において凹入するように、階段状になっている。即ち、絶縁層は、絶縁層の残りの部分との関係において低減された厚さを有する周辺部分を含む。絶縁層構造は、電圧クリープ距離(d
creep)として知られる隣接するグリッドの間の絶縁表面に沿った最短経路が絶縁材料の電圧フラッシュオーバー距離(d
flash)よりも大きくなるように、設計されている。従って、d
creepは、
図3に示されているように、グリッドの間において印加される最大電位差によって既定されている。グリッドの間の距離は、エアギャップ領域に跨って相対的に短いが、これは、電圧破壊の懸念を提示することがなく、その理由は、センサが、前記ギャップに跨る破壊電圧がパッシェンの法則によって定義されているように数十キロボルトである低圧力において動作することを要しているからである。絶縁層205の厚さは、用途に応じて、ミリメートル又はサブミリメートルの範囲にあり、通常は、数百マイクロメートルが使用されている。アナライザを通過するイオンの合計移動距離は、衝突を回避するべく、且つ、これにより、計測されたIEDの完全性を維持するべく、イオン平均自由行程未満であることを要する。
【0095】
図4(a)は、経路長を延長させている突出した中央領域を示している。同一の結果は、
図4(b)において示されているように、わずかに異なる構造により、実現することができよう。即ち、
図4(b)は、グリッドの間の電圧フラッシュオーバーを防止するための絶縁層用の別の構成を示しており、これは、絶縁層の周囲におけるその間の凹入した部分を有する2つの突出した部分に依存している。
【0096】
図4(a)及び
図4(b)の突出した部分は、舌部として見なすことができる一方で、凹入した部分は、溝と見なすことができる。それぞれの実施形態は、同一の効果を実現するべく、複数の舌部及び/又は溝を含みうる。
【0097】
本教示は、
図4(a)及び
図4(b)を参照して上述した階段状の絶縁層に限定されるものではないことを理解されたい。グリッド積層体は、階段状の絶縁層を有することなしに、機能しうる。但し、高電圧において機能するべくグリッドの間の分離を増大させることが必要となろう。また、これに加えて、階段状の絶縁層は、上述の有線接続されたIEDアナライザの場合に、有用である。これは、統合された電源を含んでいないアナライザ、即ち、外部ソースから電力を受け取っているアナライザ、の場合に適切である。階段状の絶縁体の追加は、圧力範囲を犠牲にすることなしに、エネルギー範囲の拡張を許容している。また、周辺部分における低減された厚さ又は絶縁層の領域を提供する階段構成に対する一代替形状も使用することができる。
【0098】
図2(b)を再度参照すれば、以下においてG
1と呼称される第2グリッドが、アパーチャサイズ及び開口部面積比率の観点において、G
0と同一又は類似の幾何学的特性を伴って、第1絶縁層205の近傍において配設されている。G
1は、第1電圧ソースに結合され、且つG
0との関係において負にバイアスされ、これにより、到来するプラズマ電子を撥ね返すべく必要とされるリターディング電界を生成している。第1絶縁層と同一又は類似した寸法を有する第2絶縁層206がG
1の近傍において配設されている。その他のグリッドと同一又は類似した形状を有する、以下においてG
2と呼称される、第3グリッドが、第2絶縁層の近傍において配設されている。G
2は、第2電圧ソースに結合され、且つG
0との関係において正の電位掃引によってバイアスされ、これにより、イオンエネルギー弁別に必要とされる電界を生成している。その他の絶縁層と同一又は類似した寸法を有する第3絶縁層207がG
2の近傍において配設されている。その他のグリッドと同一又は類似した幾何学的特性を有する、以下においてG
3と呼称される、第4グリッドが、第3絶縁層207の近傍において配設されている。G
3は、第3電圧ソースに結合され、且つコレクタとの関係において負にバイアスされ、これにより、コレクタからの二次電子放出を抑圧するべく必要とされる電界を生成している。その他の絶縁層と同一又は類似した寸法を有する第4絶縁層208がG
3の近傍において配設されている。コレクタであるイオン収集電極Cが第4絶縁層208の近傍において配設されている。コレクタは、電流計測回路を通じて、第4電圧ソースに結合され、且つ、検出のためにコレクタに向かってイオンを引っ張るための吸引性電界を確立するべく、G
0との関係において負にバイアスされている。最終的な絶縁層209がコレクタ電極とセンサシャーシのバックプレートの間において配設されている。グリッドは、通常、ニッケル又はステンレス鋼などの金属から製造されるが、任意のその他のプロセスと互換性を有する導電性材料を使用することができる。絶縁体は、通常、セラミック、マイカ、又はその他のプロセスと互換性を有する絶縁材料から製造されている。
【0099】
図3(a)及び
図3(b)を再度参照すれば、信号コンディショニングが、グリッドG
1、G
2、及びG
3のみならず、上述のコレクタのそれぞれごとに電圧ソースを提供していることがわかる。G
2に提供される電圧は可変である。G
2に対する電圧の生成のための更に詳細な構成については、
図8及び
図9との関係において説明する。但し、グリッドG
2に可変電圧を提供するべく、電池との組合せにおける任意の既知の信号コンディショニング回路が使用されうることを理解されたい。
【0100】
本教示による本発明の主要な特徴は、イオンエネルギーアナライザ(グリッド積層体)201の近傍における、且つ慎重に構築されたファラデーケージ内における、すべての電子回路の内蔵であり、これにより、G
0グリッドは、
図5(a)に示されているように、イオンエネルギーアナライザ積層体、制御電子回路、及び電池を完全に収容する連続的な導電性シールドに電気的に接続されており、且つその一部分を形成している。具体的には、
図5(a)は、直径を通じたウエハプローブ101の断面図を示している(正確な縮尺ではない)。これは、センサ又はイオンエネルギーアナライザ201及び電源(図示されてはいない)を含む関連する電子回路を取り囲むファラデーケージを示している。これは、すべての電子コンポーネントがフィットされる機械加工された空洞を示している。
【0101】
図5(a)において、ファラデーシールドは、シリコン基材との関係において示されている。シリコンの場合に、ファラデーシールドを生成するべく、構造内の更なる導電性層(金属)501が追加されている。グリッド積層体及び回路が基材内において設置されたら、これを封止するべく、カバー(蓋又はバックプレート)が使用されている。シリコンカバーの場合に、これは、ファラデーシールドを構成するべく、一面上において金属層を有することになる。
【0102】
基材は、シリコンである必要はなく、且つ金属であってもよい。このケースにおいては、これは、同一の方式によって機械加工されることになるが、更なるファラデーシールド層は不要である。これは、実質的に、更なる導電性層501を有していない
図5(a)の構成と同様の外観を有することになろう。基材自体がファラデーシールドとして機能することになろう。このケースにおける蓋は、基材と同一の材料を有する金属層である。使用されうる一般的な金属は、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルを含む。
【0103】
ファラデーシールドは、自身が着座する表面と同一の電位において電気的に浮動状態にあり、且つその内部において収容されているすべての電子回路用の基準電位として機能している。ファラデーシールドは、IED計測を歪ませることになる電磁干渉に起因したイオンエネルギーアナライザのグリッド積層体201内の望ましくない電界形成を防止している。
【0104】
制御電子システムが遠隔配置されている、従来技術の設計においては、ファラデーシールドを完全に維持することができない。電気信号を搬送するべく、ケーブルをアナライザと遠隔場所の間において接続しなければならない。RFバイアスされた用途の場合には、これが大きな問題を課すことになる。正確な動作を目的として、イオンエネルギーアナライザ構造内のすべてのグリッドは、RFバイアス電位において浮動状態にならなければならない。ファラデーシールドが、遠隔場所に有線接続することにより、損なわれたら、グリッドは、RFバイアス電位から結合解除された状態となる。有線接続されたグリッドは、完全にファラデーシールドされた実施形態における接地に対する無限のインピーダンスとは異なり、接地に対する有限な電気インピーダンスを有する。先ほど参照したGahanらは、その2008年の公開公報においてこの問題に対処する方法について記述している。第1に、高インピーダンス低域通過フィルタが、実際的であるだけグリッドに近接した状態において、アナライザグリッドと遠隔場所の間において、すべてのケーブルと直列状態において配置される。第2に、RF結合を最適化するべく、それぞれのグリッドとアパーチャ表面の間の静電容量を極大化させる。これらの要件は、遠隔設計の実装を複雑化させ、グリッドをRFバイアスに完全に結合されることが決してできず、且つ、ペデスタルインピーダンスの寄生ローディングを防止するべく、フィルタインピーダンスが決して無限大になることができない。
【0105】
本発明は、ケーブルを除去して、ほとんど完全に浮動状態となる解決策を保証し、これにより、妨げのないシリコンウエハが使用された際に、ペデスタルにおける条件に緊密にマッチングさせることにより、これらの設計の複雑化を回避している。
【0106】
また、制御電子システム及び電源がイミテーションウエハプローブ内に完全に統合されている従来技術の設計においては、IED計測を歪ませる望ましくない電界形成が発生している。
【0107】
図2(b)及び
図2(c)を再度参照すれば、アパーチャ204は、ウエハプローブ101基材のプラズマに対向する表面内において製造されており、且つイオンエネルギーアナライザ201の上部表面を構成している。一実施形態において、基材は、100mm、150mm、200mm、300mm、又は450mmの直径のシリコンウエハであるが、用途における要件に応じて、任意のその他の材料、形状、又は寸法をウエハプローブの製造において使用することができる。イミテーションウエハプローブ101は、単一ポイント計測センサ201を有していてもよく、或いは、複数の空間的に分散した計測センサ201を有することもできる。
【0108】
イミテーションウエハプローブ101を製造するべく、望ましい形状及び寸法を有するベース基材が、検知要素及び電子コンポーネントをフィットするために、その内部において空洞を形成するべく機械加工されている。一実施形態において、回路フットプリント及びコンポーネントは、ベース基材上において直接的に配設されている。別の実施形態において、回路フットプリント及びコンポーネントは、1つ又は複数の別個のパネル上において配設され、且つベース基材内の機械加工された1つ又は複数の空洞内においてフィットされ、且つ定位置において固定されている。導電性プレーンがウエハプローブアパーチャプレーンの裏面上において配設されており、この一部分は、プラズマスクリーニングのために使用されるG0要素により、形成されている。個々のイオンエネルギーアナライザサイトのそれぞれにおいて、交互に変化するグリッド及び絶縁体の層が独立的に形成されている。一実施形態において、イオンエネルギーアナライザ201は、ウエハプローブ組立体にフィットされた置換可能な部分であり、これは、必然的に、イミテーションウエハプローブ101の高さを増大させるが、相対的に便利である。別の実施形態において、イオンエネルギーアナライザ201は、イミテーションウエハプローブ101の永久的に統合された部分であり、且つ置換不能であり、これにより、相対的に低いプロファイルのウエハプローブ101の製造を許容している。グリッド及び絶縁体は、定位置において配置及び固定される機械的コンポーネントである。1つの製造方法は、印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)製造技法を利用してセラミックに基づいたPCB内において層を埋め込むことを伴っている。別の製造方法は、厚膜印刷技法を使用したグリッド及び絶縁体層の印刷を伴っている。電子回路コンポーネントは、イオンエネルギーアナライザグリッド積層体に隣接した状態において配設されている。必要に応じて高さ制限が付与されたベアダイ形態の電子コンポーネントが定位置においてワイヤボンディングされている。コンポーネントは、プラズマ処理の際のガス放出を防止するべく、封止剤を使用して密封状態において封止されている。プローブコンポーネントが組み立てられたら、ウエハプローブ101は、製造を完了させるべく、適切に製造されたウエハ又はパネルと裏面上において封止される。上述したファラデーシールドを完成させるべく、金属導電性層が、このエンクロージングウエハ又はパネルの内部プレーン上において配設されてもよく、或いは、ファラデーシールドは、既に設置済みのコンポーネント基板上において完成させることもできる。
【0109】
電子制御システムに電力供給するべく、低プロファイルの電池が使用されている。電池は、充電式であってもよいが、このような構成に限定されるものではない。圧力センサを内蔵することができると共に、グリッドに対する高電圧出力の開始が安全である際を通知するための安全メカニズムとして使用することができる。大気圧において、通常の分離が付与された場合に、数百ボルトは、グリッドの間の絶縁破壊を引き起こすことになろう。圧力センサは、高電圧出力を開始する前に、圧力が、パッシェン曲線によって定義されている安全なレベルに降下した際に通知するべく、使用されている。圧力が降下したら、ウエハプローブ101が、プラズマチャンバ内に位置しており、且つ真空下であるものと安全に仮定することができる。統合されたフラッシュメモリモジュール及びアナログ-デジタルコンバータ(ADC:Analog to Digital Converter)を有するマイクロコントローラは、信号コンディショニング回路を制御し、イオン電流を弁別電圧の関数として記録し、データをメモリ内において保存し、且つデータ送信のために無線トランスポンダを構成している。
【0110】
プラズマ処理の際に基材表面に到達するイオンエネルギー分布の正確な計測は、プロセス分析及び制御のために重要である。本教示において記述されているイオンエネルギーアナライザ201は、このような計測を提供している。上述のグリッド積層体を有するイオンエネルギーアナライザ検知要素201は、イオンエネルギー分布計測に適した電界プロファイルを有するように構成されている。
図6には、好適な電位構成及び基本動作原理が示されている。G
1は、G
0との関係において一定の負の電位によってバイアスされている。これは、アナライザに進入するプラズマ電子を撥ね返すための電界を生成する。G
2は、相対的に高いエネルギーを有するイオンを順番に反射するべく、正の電圧掃引によってバイアスされている。掃引内のそれぞれの電圧ステップにおいて、十分に高いエネルギーを有するイオンのみが、検出のために通過することができる。コレクタに到達したイオンの電流は、電圧掃引におけるそれぞれのステップごとに記録されている。これは、イオンエネルギー分布の全体的な形態に等しい電流対電圧特性を提供している。
【0111】
図6は、G
0が基準であり、G
1が、負であり、且つ電子を撥ね返す、グリッドの電位図を示している。G
2は、0Vにおいて始まり、且つ益々高いエネルギーを有するイオンを徐々に撥ね返すべく、正で掃引している。G
3は、コレクタから放出された二次電子を抑圧するべく、負である。コレクタは、検出のためにイオンを吸引するべく、わずかに負である。
【0112】
図7に示されているように、イオンエネルギー分布を明らかにするべく、電流対電圧特性の一次微分が実行されている。この分布の相対的に科学的に正しい名称は、「イオン電流対エネルギー分布」であるが、公開された文献においては、イオンエネルギー分布として知られている。
【0113】
具体的には、
図7の上部のグラフは、グリッドG
2に印加されたイオン電流対電圧を示している。これは、IEDの全体的な形態を生成している。
図7の下部のグラフは、結果的に得られたIEDを示す上部の曲線の一次微分である。X軸は、電圧からエネルギーに変換されている。
【0114】
本教示の別の特徴は、共通プラズマプロセスにおいて見出されるIEDを十分に計測するべく、十分に大きなG2電圧掃引範囲の生成のために使用される方法及び構成である。遭遇されるプラズマプロセスの多くは、数十eV~数千eVの範囲のエネルギーを有するイオンを生成している。これは、様々な産業プロセスにおいてIEDを十分にプロービングするべく、G0との関係において、G2電圧掃引範囲がゼロボルトから数千ボルトまで延在することを必要としている。
【0115】
但し、電力をグリッドG2に提供するべく本明細書において記述されている構成は、上述の電圧掃引をグリッドG2に提供するべく使用される必要がないことを理解されたい。むしろ、既知の電池駆動型の電源を使用することが可能であり、且つ、本教示のその他の特徴をこのような既知の電池駆動型の電源との関連において使用することができよう。
【0116】
図8(a)は、高電圧生成回路800の一般的な構成を示しており、これは、必要とされる高電圧掃引を生成するべく使用することができる。この回路は、電池の低電圧を取得し、且つ必要とされる高電圧掃引を生成する、2つのステージを含む。それぞれのステージの可能な構成の具体的な詳細については、
図9及び
図10との関係において後述する。但し、それぞれのステージは、
図9及び/又は
図10の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。
【0117】
図8(a)において、回路は、低電圧供給源B1と、高電圧パルス生成器801(第1ステージ)と、電圧マルチプライヤ802(第2ステージ)と、を有する。また、電圧マルチプライヤ802は、当技術分野において、チャージポンプとして知られている。高電圧パルス生成器801は、高電圧パルス列を電圧マルチプライヤ802に提供している。電圧マルチプライヤ802は、通常は4~5倍であるパルス生成器801からのパルス電圧の複数倍の電圧に出力を充電するために、一連の内部コンデンサを充電するべく、パルス列を使用している。
【0118】
高電圧生成回路は、
図3(a)及び
図3(b)との関係において概説した信号コンディショニング回路内において含まれうることを理解されたい。また、
図3(a)及び
図3(b)に示されている電池マネージャ回路(更に詳細に後述する)も、回路800内において提供されうることを理解されたい。電池マネージャ回路は、電池出力電圧を固定された電圧レベルに調節している。例示用の一実施形態において、低電圧供給源は、3v DCレギュレータを有する単一セルLiPo電池であってよい。
【0119】
図8(a)の回路は、ゼロにおいて始まり且つ最大値まで徐々に増大する電圧掃引、即ち、増大する電圧掃引、を生成している。イオン電流は、掃引が増大するのに伴って、サンプリングされている。但し、電圧の迅速な上昇及び低速の降下が電池性能の改善を結果的にもたらすことが見出された。即ち、相対的に乏しい電力が、それぞれの掃引ごとに電池から取得されている。従って、電池の交換又は充電が必要となる前に、センサを相対的に長い期間にわたって使用することができる。
【0120】
図8(b)には、電圧を最大レベルに迅速に上昇させ、且つ、次いで、ゼロに低速で掃引して戻すべく使用される高電圧生成回路900が示されている。
図8(a)の回路に非常に類似しているが、いくつかの更なる要素が必要とされている。
図8(b)には、これが示されている。放電抵抗器R1が、電圧掃引の、放電レート、即ち、タイミング、を制御するべく追加されている。また、放電スイッチS1が、電圧掃引がV
G2に印加される前にV
G2を放電するべく、追加されている。即ち、電圧掃引プロセスが開始される直前にG
2を放電するべく、G
2に対する高電圧出力と浮動接地の間のスイッチが使用されている。電圧が減少するのに伴って、イオン電流がサンプリングされている。
【0121】
例示用の一実施形態において、回路900は、VG2が、5ミリ秒内において2kVをちょうど上回ったところに迅速に充電されることを許容しており、且つ、次いで、VG2は、最大で1秒の期間にわたってR1を介して低速で放電されることが許容されている。
【0122】
高電圧生成回路の別の構成において、電池によって電力供給されるマイクロコントローラ(
図3(a)及び
図3(b)のMCU)は、周波数の範囲に跨って掃引される正弦波のAC電圧を出力するようにプログラミングされている。出力は、ステップアップ変圧器の一次巻線に結合されている。二次巻線における巻線の数は、電圧を一次巻線入力に印加された特定の周波数に必要とされる最大レベルにステップアップするべく、選択されている。二次巻線出力において、電圧は、必要に応じて電圧範囲を改善するために電圧を更に増強するべく、電圧マルチプライヤ(ステージ2)に結合されうる直流(DC)電圧を生成するように整流されている。二次巻線の出力において生成されるDC電圧は、周波数依存性を有する。一次巻線に印加されるAC信号の周波数及び/又は振幅を掃引することにより、二次巻線又はマルチプライヤの出力におけるDC電圧は、使用されている変圧器の巻線比率に応じて、ゼロボルトから数千ボルトまでの必要とされる電圧範囲に跨って掃引されている。電流は、現時点の電圧特性を蓄積するべく、ADCを使用して高電圧掃引における規則的な電圧インターバルにおいてサンプリングされている。このような手段が、
図9に示されているが、更に詳細に後述することとする。例示用の実施形態においては、4ステージ電圧マルチプライヤ(クアドラプラ)が使用されているが、任意の数のステージが当業者によって適宜選択されうることを理解されたい。
【0123】
電圧掃引を生成する別の方法又は構成においては、ブースト変換及び/又はチャージポンピングの原理を適用することができる。ハイブリッド解決策が提供されるが、本技法の変形が適用可能であることが明らかである。
図10は、この技法を使用して高電圧掃引を生成するべく使用される回路を示している。電池は、電圧を約80Vに増大させるべく、3V出力を低プロファイルのDC-DCコンバータの入力に供給している。80V信号は、直列ブーストインダクタ及びダイオード(ブースト回路)を通じて電圧マルチプライヤ回路に結合されている。80V供給源を変調するべく、且つ電圧マルチプライヤ回路を駆動するべく、パルス幅変調(PWM)された信号によって制御されている電界効果トランジスタ(FET)が、直列ダイオードの後において、システムの浮動接地に結合されている。電圧マルチプライヤ回路に対する入力において、電圧は、ブースト回路によって約250Vにブーストされているが、用途における要件に応じて、更に高いものであってもよい。この例において、電圧マルチプライヤは、4つのステージを有するが、益々高い電圧を供給するべく、更に多くのステージを有することができる。それぞれの電圧マルチプライヤステージは、通常の設計を有しており、この場合に、それぞれのステージは、入力に印加された電圧を増大させている。第1コンデンサC1は、PWM信号の十分な数のサイクルが発生した後に、500Vの最大レベルに充電されることになる。同様に、C3の出力は、1000Vに到達することになり、C5は、1500Vに到達することになり、且つ、C7は、2000Vに到達することになる。それぞれのステージにおいて、一連のダイオードは、電荷保存コンデンサが、PWMオフ状態において放電することを防止し、これにより、高電圧掃引を生成するべく望ましい「増強」効果を提供するように、構成されている。イオン電流は、現時点の電圧特性を蓄積するべく、ADCを使用して、高電圧掃引における規則的な電圧インターバルにおいてサンプリングされている。
【0124】
以下、
図10の高電圧生成回路がどれだけ正確に動作するのか、に関する更に詳細な説明を提供する。
【0125】
高電圧掃引を生成するべく使用されているメカニズムとは無関係に、G2に印加された電圧掃引が上昇している及び/又は降下している間に、イオン電流をサンプリングすることができる。掃引が階段関数である場合には、電流は、それぞれの電圧ステップにおいてサンプリングされている。掃引が連続的なものである場合には、電流は、選択されたビン内のすべてのポイントの平均及びスロープが回復されうるように、いくつかのサンプル(N)、電流値の合計、電流二乗値の合計、電圧値の合計、電圧二乗値の合計が記録されるように、連続的にサンプリングされている。
【0126】
アナライザ内に流れるイオン電流は、イミテーションウエハプローブがアイドルモードにある際には、G2の望ましくない充電をもたらしうる。電圧掃引プロセスが開始される直前にG2を放電するべく、G2に対する高電圧出力と浮動接地の間のスイッチが使用されている。コレクタは、到来イオンが検出のためにコレクタに到達することを保証するために、到来イオン用の吸引力を生成するべく、G0との関係において負にバイアスされている。コレクタ電流は、計測回路を通じて流れており、ここで、サンプリングされ、且つ、高速ADCを使用して、G2に印加された電圧の関数としてデジタル化されている。
【0127】
G
3は、
図6に示されているように、コレクタに戻るように、イオンの衝突に起因してコレクタ表面から放出された任意の二次電子を撥ね返すべく、コレクタとの関係において負にバイアスされている。さもなければ、逃避した電子が、計測回路内において検出されることによってIEDの計測を歪ませる余分なイオンとして、知覚されることになろう。IED、或いは、上述のように、イオン電流対エネルギー分布、は、以下の式によって表現され、
【数2】
ここで、f(v)は、イオン速度分布であり、M
iは、イオン質量であり、T
effは、グリッド積層体の有効透過率であり、Aは、サンプリングアパーチャの面積であり、I
Cは、コレクタ電流であり、且つ、V
G2は、G
2に印加されたイオンエネルギー弁別電圧である。プロットされた際に、弁別器電圧は、電子チャージeV
G2によって乗算されることにより、イオンエネルギーに容易に変換される。但し、イオン電流は、イオン速度の関数として留まっている。従って、これは、真のイオンエネルギー分布ではなく、むしろ、イオン電流対エネルギー分布である。但し、計測された分布は、プラズマ処理のために相対的に重要であり、その理由は、プロセスを駆動している2つの主要パラメータが表面におけるイオン電流(イオン束とも呼称される)及びイオン衝突エネルギーであるからである。参照されているイオンエネルギーは、基材表面に垂直のエネルギーであることに留意されたい。
【0128】
図1との関係において上述したように、イミテーションウエハプローブ101が処理ペデスタルに転送され、且つ、チャンバ圧力基準が充足されたら、IEDスキャンがスケジュールに従って進捗する。それぞれのIED計測は、マイクロコントローラのフラッシュメモリモジュール内において保存される。実験割当が完了したら、ロボットアームは、IWPを処理ペデスタルからFOUPに転送し、ここで、IWPは、ユーザーによって除去されうる。次いで、これは、データ取得のために、ドッキングステーション内において配置される。ウエハプローブ上の1つ又は複数のトランスポンダは、RF又はIR技術を使用して、ドッキングステーションに対して無線通信している。すべてのセンサからのデータを伝達する1つの中央集中化されたウエハプローブトランスポンダが存在していてもよく、或いは、それぞれのセンサデータを個別に伝達する局所化されたウエハプローブトランスポンダが存在していてもよい。1つ又は複数のトランスポンダは、IWPのバックプレーンに近接した状態において配置されている。ドッキングステーション内のトランシーバによる検出のための無線信号が1つ又は複数のウエハプローブトランスポンダとアライメントされることを許容するべく、小さなギャップが、それぞれのトランスポンダごとに、イミテーションウエハプローブ101のファラデーシールド内において生成されている。この構成は、
図5(a)及び
図5(b)において観察することができる。具体的には、
図5(a)は、RF通信のみの使用を示している一方で、
図5(b)は、RF及びIR通信の両方のために構成されたウエハプローブ101を示している。当然のことながら、ウエハプローブ101は、IR通信のみのために構成されうる。実際に、IR通信がRF通信よりも格段に高速であることが見出された。
【0129】
1つ又は複数のトランスポンダ-トランシーバペアは、ウエハプローブ電池用の無線充電経路を提供する、という二重の目的のために機能している。ドッキングステーションのフォームファクタは、クリーンルーム環境との間の搬送の容易性を目的として、任意の標準的なウエハ又は基材キャリアを緊密に模倣するように設計することができる。1つ又は複数のドッキングステーショントランシーバは、マイクロコントローラを通じて制御されており、そして、マイクロコントローラは、ドッキングステーション内に埋め込まれたコンピュータを通じて制御されている。ウエハプローブ101から取得されたデータは、コンピュータ内のデータベース内において保存されており、且つ、利便のために、Ethernet接続を通じて、ユーザーによってアクセス可能な状態になっている。センサを構成及び充電するべく、且つデータをデータベースからエクスポートするべく、ドッキングステーションコンピュータとやり取りするために、ウェブブラウザが使用されている。アプリケーションは、それぞれの実験割当ごとに、ウエハ表面に跨って、時間に伴うプロセスドリフト及び/又は空間的な均一性の課題を識別するべく、単一ポイントウエハプローブにおける時間イオン電流対エネルギープロファイル及び複数ポイントウエハプローブにおける時間イオン電流対エネルギープロファイルを表示している。また、半導体産業においてしばしば使用されているSECS/GEMプロトコルなどの多数の産業プロトコルを使用してドッキングステーションと通信するべく、いくつかのAPIを利用することもできる。
【0130】
上述のように、イオンエネルギーアナライザ201は、適切に機能するべく、適切な高電圧掃引信号がG
2に印加されることを必要としている。プラズマ処理チャンバ内の複雑な環境において機能するべく、高電圧回路及び物理センサは、
図5(a)において示されているように、電磁干渉から保護するべく、ファラデーシールド内において一緒に収容されなければならない。プラズマは、点火されたら、ウエハプローブ表面に対するイオン電流のソースを提供している。これは、ウエハプローブ101がアイドルモードにある際には、1つ又は複数のイオンエネルギーアナライザ内のグリッド表面を充電することができる。従って、高電圧掃引生成器回路の出力は、それぞれのイオンエネルギースキャンが実行される前に、G
2をウエハの浮動接地に放電させるべく、高電圧スイッチを内蔵していなければならない。
【0131】
ウエハプローブは、メイン処理チャンバに転送チャンバウィンドウを通じてフィットするべく、高さが3又は4mm未満となるように、ウエハ厚さに対する厳格な要件を有するシリコンウエハ設計であってよい。また、ウエハプローブは、その他の用途の場合に、これらの高さ制限を有していない、いくつかの代替基材ベース上において製造することもできる。この結果、高電圧掃引生成器は、高さ制限、必要とされる掃引電圧プロファイル、及び電力消費限度に応じて、2つの異なる方式により、構成することができる。
【0132】
図9及び
図10は、低電圧dcソースから高電圧dc掃引生成器を生成するべく使用される回路の変形を示しており、これは、例示用の実施形態において、2.75~4.5Vの範囲内のdc電圧出力を有する低プロファイル固体電池であってよい。過充電及び過放電から電池を保護するべく、電池マネージャが使用されている。これは、電圧が、特定の閾値未満に枯渇した際に、電池を接続解除するように構成されている。次いで、これは、メイン回路に対する電力を接続解除している。メイン回路に対する電力は、電池電圧が閾値レベル超に充電される時点まで、回復されることにならない。また、電池マネージャは、ドッキングステーション内においてレシーバの一部分を形成しているRFアンテナからも充電電力を引き出している。
【0133】
また、電池マネージャ回路は、電池出力電圧を、この例示用の実施形態においては、3.2Vである、固定された電圧レベルに調節している。
図9に示されている高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤ(第2ステージ)に供給している低電圧-高電圧変圧器(T1)(第1ステージ)を含む。電圧マルチプライヤは、ダイオードコンポーネントD1、D2、D3、及びD4との組合せにおけるコンデンサコンポーネントC1、C2、C3、及びC4から構成された、コッククロフト-ウォルトン電圧マルチプライヤ回路の1つのタイプである。低電圧AC信号が、Hブリッジスイッチを利用してT1の一次側において生成されている。単一レール電源からT1の一次巻線を通じてバイポーラ電流が流れることを許容するべく、Hブリッジ、或いは、任意の類似のスイッチングトポロジーが使用されている。AC信号の周波数及び振幅は、マイクロコントローラによって制御されている。1:Nの巻線比率の変圧器T1は、二次側において高電圧AC信号を生成している。正のハーフサイクルにおいて、C2は、C1及びD2を介して充電され、且つ、C4は、C1、C3、及びD4を介して充電されている。負のハーフサイクルにおいて、C1は、D1を介して充電され、且つ、C3は、C2及びD3を介して充電されている。既定の数のACサイクルの後に、すべてのコンデンサに跨る電圧は、等化され、且つ、VG
2は、C2に跨る電圧の4倍の最大レベルに到達する。VG
2は、T1の一次巻線に印加されるAC信号の周波数及び振幅を制御することにより、ゼロから最大値まで徐々に増大されうることが明らかである。従って、リターディングフィールドアナライザ内におけるイオンエネルギー弁別を駆動するべく使用される通常の増大する電圧ランプ(鋸歯又は階段関数)を実現することができる。電圧掃引における最大電圧に到達したら、且つ、結果的に得られるイオン電流が計測されたら、T1の一次巻線に印加されるAC電圧は、次の電圧掃引のための準備として、VG
2をゼロにリセットするべく、ターンオフされる。また、G
2及びコンデンサの迅速な放電を支援するべく、スイッチS1が、この時点において閉路される。
【0134】
図9に示されている回路は、有線接続されたリターディングフィールドアナライザ設計において一般的に使用されているものに類似した電圧掃引プロファイルを生成するが、これは、すべてのタイプのイミテーション基材プローブにおいて適切であるわけではない。制限要因は、変圧器の高さプロファイルである。要件を充足する既成の変圧器は、例えば、イミテーションシリコンウエハプローブにフィットするべく、3~4mmの最大全体高さ制限と、<1mmの望ましい高さと、を有する十分に低いプロファイルを有するものは、存在していない。このような変圧器は、設計されうるが、法外な費用がかかることがある。
【0135】
高さ要件を充足するべく、
図10に示されているように、一代替解決策を案出した。
【0136】
電池及び電池マネージャコンポーネントは、
図9におけるものと同一である。電池マネージャは、DC電圧レベルを80Vにステップアップするべく統合された電圧ダブラを有する既成の低プロファイルのDC-DCコンバータに供給している。高電圧生成回路は、電圧マルチプライヤセクションによって後続されるブーストセクションを有する。ブーストセクションは、インダクタL1、MOSFETトランジスタQ1(パルス幅変調器によってオン及びオフスイッチングされている)、ダイオードD2、及びコンデンサC1を使用する通常のDC-DCブーストコンバータトポロジーである。これは、回路が、本明細書の例示用の実施形態におけるDC-DC出力電圧である80V超の電圧にC1を充電することを許容している。マルチプライヤセクションは、コンデンサコンポーネントC2、C3、C4、C5、C6、及びC7並びにダイオードコンポーネントD3、D4、D5、D6、D7、及びD8を有する、
図9のコッククロフト-ウォルトン型の電圧マルチプライヤ回路に非常に類似している。
図10の回路は、
図9の回路との比較において、異なる方式で電圧掃引を生成している。ゼロにおいて開始し、且つ、徐々に最大値に増大する、電圧掃引の代わりに、この回路は、電圧を最大レベルに迅速に上昇させ、且つ、次いで、低速でこれを掃引してゼロに戻すべく、使用されている。但し、これは、電圧を徐々にゼロから最大電圧に掃引するべく、使用することもできよう。
【0137】
当業者は、本教示が、MOSFETトランジスタに限定されるものではないことを理解するであろう。むしろ、例えば、バイポーラトランジスタなどの任意の適切なトランジスタを選択することができる。
【0138】
イオンエネルギーアナライザ201の動作の場合に、グリッドG
2に印加される電圧掃引が、ゼロから最大値に上昇するかどうか、或いは、最大値からゼロに降下するかどうか、は問題ではない。但し、迅速な上昇及び低速の放電(降下する電圧掃引)を使用して電圧掃引を生成しているこの方法は、徐々にゼロから最大値に電圧を増大させている
図9の連続モードよりも大幅に乏しい電力を消費している。
図9の回路は、
図10について記述されている非連続モードにおいて動作させることが可能であり、この場合にも、電圧は、ゼロに低速で放電して戻される前に最大値に迅速に増大されうることに留意されたい。当業者には明らかなように、これは、
図8(b)及び
図10との関係において更に詳述されているように、放電抵抗器R1の追加を必要とすることになろう。
【0139】
図10に示されている回路は、非連続的に動作していることから、L1内において保存されているエネルギーが枯渇した後に、C2から電流がL1を介して浮動接地に流れ戻ることを防止するべく、D1が追加されている。
【0140】
DC-DCコンバータの80V出力にブースト回路を接続するべく、スイッチS1が使用されている。S1は、VG
2が最大レベルに充電されている間、閉路状態に留まっている。MOSFETトランジスタQ1のスイッチングレートは、マイクロプロセッサ出力により、制御されている。Q1が開路状態にある際に、C1は、D1及びD2を介して、DC-DCコンバータ80Vの出力及びエネルギー供給されたインダクタから、充電されている。次いで、C3は、D4を介して、C2によって充電され、C5は、D6を介して、C4によって充電され、且つ、C7は、D8を介して、C6によって充電されている。Q1が閉路された際に、L1は、Q1を介して、DC-DCコンバータから浮動接地に流れる電流により、エネルギー供給される。浮動接地との関係におけるコンデンサC2、C4、及びC6に跨る電圧は、Q1が閉路されることに起因して減少し、且つ、それぞれ、コンデンサC1、C3、及びC5に跨る電圧未満に降下する。いまや、C2は、D3を介して、C1によって充電され、C4は、D5を介して、C3によって充電され、且つ、C6は、D7を介して、C5によって充電される。非連続モードにおいて動作するブーストセグメントによれば、L1内において保存されているエネルギー(E)は、
【数3】
によって付与され、ここで、Vは、L1に跨る電圧であり、T
ONは、トランジスタスイッチが閉路される時間の長さであり、Lは、L1のインダクタンスである。いくつかのQ1スイッチサイクルの後に、必要とされる最大値VG
2を付与するべく、すべてのコンデンサに跨る電圧が等化される。この例において、VG
2は、C1に跨る電圧の約4倍となる。必要に応じて、VG
2を増大させるべく、更に多くのステージを追加することができる。最大VG
2に到達したら、スイッチS2は、VG
2の放電を開始するべく、且つこれを低速でゼロボルトに減少させるべく、閉路される。抵抗器R1が、S2と並列状態において配置されている。R1及びコンデンサの組合せは、VG
2放電掃引レートを設定している。
【0141】
図10の電圧マルチプライヤ(高電圧生成回路のステージ2)は、コンデンサの2つの並列ストリング(C1、C3、C5、及びC7)並びに(C2、C4、及びC6)を有する。トランジスタスイッチQ1が開路状態にある際に、マルチプライヤに対する入力は、Highであり、且つ、これは、C1を充電し、C2は、C3を充電し、C4は、C5を充電し、且つ、C6は、C7を充電する。Q1が閉路された際に、入力は、Lowであり、且つ、C1は、C2を充電し、C3は、C4を充電し、且つ、C5は、C6を充電する。スイッチQ1は、すべてのコンデンサが入力電圧に等しい充電電圧を有するように、反復的にドグルオン及びオフされる。この結果、出力VG
2は、入力電圧の4倍である。80Vラインから直接的に電圧マルチプライヤを使用することは、効率が考慮された際に、約300Vの最大電圧を付与することになろう。
【0142】
この電圧を更に増大させるべく、電圧マルチプライヤは、ブースト回路によって先行されている。エネルギーは、インダクタL1内において保存され、且つコンデンサC1に転送されるが、ここで、ダイオードD1が、エネルギーがインダクタを介して入力に戻ることを防止している。ブースト回路に対する入力は、80Vであり、トランジスタがオン状態にある際には、インダクタは、接地に対する短絡状態にあり、これにより、インダクタ電流を増大させ、且つエネルギーを保存する。トランジスタがオフ状態にある際には、電流は、D8及びD1を介して、インダクタを通じてコンデンサC7に流れることを継続することになる。コンデンサC7に跨る電圧は、その保存されているエネルギーが増大するのに伴って、増大することになる。入力電圧は、80Vであり、MOSFETトランジスタは、インダクタ及び電圧マルチプライヤ入力の両方を接地に対して短絡させている。トランジスタは、数マイクロ秒の後に解放され、この結果、最大電圧VG2を生成するために、電荷ポンピング効果を実現するべく必要とされる電流が誘発される。
【0143】
当業者は、
図8(a)、
図8(b)、
図9、及び
図10の例示用の実施形態との関係において提供されている電圧値が、例示を目的としたものに過ぎないことを理解するであろう。本教示は、これらの値に限定されるものと見なしてはならない。むしろ、これらの回路は、適宜、望ましい電圧を提供するように構成することができる。
【0144】
本教示の別の有利な特徴が
図11との関係において示されている。この図は、イオンエネルギーアナライザ201のグリッドの間の短いアーク1001又はプラズマ形成の概略図を示している。実際に、これは、G
2といずれかの側におけるグリッドの1つの間において発生する確率が高いことが見出された。但し、これは、任意の2つのグリッドの間において発生しうる。これらの現象は、いくつかの理由から発生しうる。パッシェンの法則は、G
2上の高電圧は、理想的な条件下においては、対象の圧力範囲において使用される間隔を有するグリッドの間に絶縁破壊が生じるべきではないと規定している。但し、微視的粒子が、プラズマから進入することが可能であり、或いは、グリッド表面化からスパッタリングすることが可能であり、且つ突然のアーク1001又は短いプラズマストライクを開始しうる。
【0145】
絶縁破壊が発生した場合に、G2は、その他のグリッドの1つに突然放電しうる。また、この突然の放電は、電池から、制限されていない電流を引き出すことにより、相対的に長く維持されうるということも可能である。放電が発生した場合に、G2電圧(及び、蓄積されたエネルギー)は、即座に放電され、これにより、スキャンを役に立たない状態にしてしまう。
【0146】
グリッドの間のアーク形成の課題に対処するべく、発生した場合に絶縁破壊イベントを即座にクエンチするべく、電流制限抵抗器の組1002が、グリッドとの直列状態において追加される。抵抗器は、グリッドと個々のグリッドに対するエネルギー供給源の間において配置されている。これを実行する際に、スキャンデータの損失を防止するべく、G2電圧供給源の突然の放電をも防止することになる。
【0147】
図11において示されている抵抗器のフルセットの提供が必須ではないことを理解されたい。例えば、単一の抵抗器のみが、導電性グリッドの任意のものと対応する電源の間に提供されうる。大部分のプラズマ形成がグリッドG
2との関係において発生することが見出されていることから、抵抗器は、このグリッドのみに提供することができる。
【0148】
この特徴は、
図8(a)、
図8(b)、
図9、又は
図10の高電圧生成回路と共に使用することに限定されるものではない。また、この特徴は、上述の従来技術との関係において記述されている統合された電源を有する既知のセンサと共に使用することもできる。
【0149】
本発明者らは、本明細書の全体を通じてIED計測について説明したが、グリッド電位の極性をスワップすることによっても、電子エネルギー分布が計測されうることは明らかである。
【0150】
本発明は、本明細書において記述されている1つ又は複数の実施形態に限定されるものではなく、且つ、本発明の範囲を逸脱することなしに修正又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0151】
100 システム
101 ウエハプローブ
102 ドッキングステーション
103 無線トランスポンダ
104 ホストPC
105 4チャンバプラズマ処理システム
106 処理チャンバ
107 ロボット転送メカニズム
108 ロードロックチャンバ
201 イオンエネルギーアナライザ
202 アライメントノッチ
203 上部表面
204 サンプリングアパーチャ
205 第1絶縁層
206 第2絶縁層
207 第3絶縁層
208 第4絶縁層
209 最終絶縁層
501 導電性層
800、900 高電圧生成回路
801 高電圧パルス生成器
802 電圧マルチプライヤ
1001 アーク
B1 低電圧供給源
C 収集電極
C1~C7 コンデンサコンポーネント
D1~D7 ダイオードコンポーネント
G0 第1導電性グリッド
G1 第2導電性グリッド
G2 第3導電性グリッド
G3 第4導電性グリッド
L1 インダクタ
Q1 トランジスタ
R1 抵抗器
RF ペデスタル
S1、S2 スイッチ
T1 変圧器
【外国語明細書】