(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046452
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】フレックス回路及び表面装着型電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021146729
(22)【出願日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】63/076,614
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/371,000
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK22
4C160KK39
4C160KL03
4C160MM33
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】医療システムを提供すること。
【解決手段】一実施形態では、医療システムは、身体部位に挿入されるカテーテルを含み、カテーテルは、遠位端を含む細長い撓み可能な要素と、遠位端に接続された近位連結具と、可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、ストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、可撓性ポリマー回路ストリップが、近位結合具に接続され、近位結合具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、拡張可能なアセンブリと、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続された表面装着可能な電極であって、各表面装着可能な電極が、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのもののそれぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、表面装着可能な電極と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体対象の身体部位に挿入されるように構成されたカテーテルを含む医療システムであって、前記カテーテルが、
遠位端を含む細長い撓み可能な要素と、
前記遠位端に接続された近位連結具と、
複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記近位連結具に接続され、前記近位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、拡張可能なアセンブリと、
前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続された複数の表面装着可能な電極であって、各表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、複数の表面装着可能な電極と、を含む医療システム。
【請求項2】
各表面装着可能な電極が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カテーテルに接続され、かつ前記表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つに電気信号を印加して前記身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、
前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記ストリップ電極のうちのものから電気信号を受信し、かつ受信された前記電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アブレーション電力発生器が、前記表面装着可能な電極のうちのものの間に前記電気信号を印加するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記カテーテルが、遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続され、前記遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、
前記カテーテルが、遠位先端を有し、
前記カテーテルが、前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記遠位端の間で前記カテーテルの前記遠位先端に配設された遠位電極を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記カテーテルに接続され、かつ前記表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つと前記遠位電極との間に電気信号を印加して、前記身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、
前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記ストリップ電極のうちのものから電気信号を受信し、かつ受信された前記電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各表面装着可能な電極が、近位端及び遠位端を含み、
各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記それぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端が、前記それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
各可撓性ポリマーストリップが、複数の層を含み、前記複数の層のうちの第1の層が回路トレースを含み、前記複数の層のうちの第2の層が、前記ストリップ電極及び前記それぞれの接触パッドを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルが、遠位部分を含み、前記撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、
前記カテーテルが、前記プッシャの前記遠位部分に接続された遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記プッシャの前記遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、
前記ストリップは、前記プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、前記拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、前記表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが前記表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記可撓性ポリマー回路ストリップの各々が、それぞれの外側表面を有し、前記表面装着可能な電極の各々が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの外側表面に向かって付勢された導電性材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
カテーテルを製造する方法であって、
細長い撓み可能な要素と、前記細長い撓み可能な要素の遠位端に接続された近位連結具と、複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリと、を含むカテーテルを提供することであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記近位連結具に接続され、前記近位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、提供することと、
複数の表面装着可能な電極を、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続し、各表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されるようにすることと、を含む、方法。
【請求項14】
各表面装着可能な電極が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記カテーテルが、遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続され、前記遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、
前記カテーテルが、遠位先端を有し、
前記カテーテルが、前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記遠位端の間で前記カテーテルの前記遠位先端に配設された遠位電極を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記電気的に接続することが、各表面装着可能な電極の近位端及び遠位端を、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記それぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端を、前記それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
複数の層から各可撓性ポリマー回路ストリップを形成することを更に含み、前記複数の層のうちの第1の層が、回路トレースを含み、前記複数の層のうちの第2の層が、前記ストリップ電極及び前記それぞれの接触パッドを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテルが、遠位部分を含み、前記撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、
前記カテーテルが、前記プッシャの前記遠位部分に接続された遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記プッシャの前記遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、
前記ストリップは、前記プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、前記拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記表面装着可能な電極を、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、前記表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが前記表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
電気生理学的可撓性回路装置であって、
第1の基材端から第2の基材端まで延びる弾性基材と、
第1のストリップ端から第2のストリップ端まで延びる可撓性回路ストリップであって、前記弾性基材に連結され、前記可撓性回路ストリップ上に配設された導電性接触パッドを有する、可撓性回路ストリップと、
前記可撓性回路ストリップ上に配設された複数の記録電極であって、各記録電極が、生体組織からの電気信号を記録するように構成されている、複数の記録電極と、
前記弾性基材と前記可撓性回路ストリップとの間に配設された少なくとも1つの繊維と、
中空状の部分を有するアブレーション電極であって、前記中空状の部分が、前記アブレーション電極を通って延び、前記可撓性回路ストリップ、前記少なくとも1つの繊維、及び前記弾性基材が前記中空状の部分を通って延びることを可能にし、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極を前記導電性接触パッドに電気的に接続する、少なくとも1つの導電性リテーナを有する、アブレーション電極と、を備える、電気生理学的可撓性回路装置。
【請求項22】
前記アブレーション電極を、前記可撓性回路ストリップ、前記弾性基材、及び前記導電性接触パッドのうちの任意の1つ又は2つ以上に付着させる接着剤を更に含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記記録電極の各々が、第1の露出表面積を含み、各アブレーション電極が、前記第1の露出表面積の少なくとも3倍の第2の露出表面積を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のストリップ端が、ヒンジと、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分と、を含み、前記第1の部分が、第2の幅まで先細になる第1の幅を有し、前記第2の部分が、前記第2の幅から、前記第1のストリップ端の前記第3の部分における最終幅まで先細になっている、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの繊維が、糸を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
各記録電極が、平面電極を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記アブレーション電極が、半円筒形断面を有する細長い部材を含む、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用デバイスに関し、特に、但し限定することなく、電極を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療処置は、カテーテルなどのプローブを患者の身体内に配置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、位置検知システムが開発されてきた。磁気的位置検知は、当該技術分野において既知の方法のうちの1つである。磁気的位置検知においては通常、磁界発生器が患者の外部の既知の位置に配置される。プローブの遠位端内の磁界センサは、これらの磁界に応答して電気信号を生成し、これらの信号は、プローブの遠位端の座標位置を判定するために処理される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に説明されている。位置はまた、インピーダンス又は電流ベースのシステムを使用して追跡されてもよい。
【0003】
これらのタイプのプローブ又はカテーテルが極めて有用であると証明されている医療処置の1つは、心不整脈の治療におけるものである。心不整脈及び特に心房細動は、特に老年人口では、一般的かつ危険な病状であり続けている。
【0004】
心不整脈の診断及び治療には、心組織、特に心内膜及び心容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、不要な電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか又は修正することができる。アブレーションプロセスは、非導電性の損傷部を形成することによって不要な電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作成するためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には高周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングの後にアブレーションを行う2工程の処置において、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを含むカテーテルを心臓の中へと前進させ、複数のポイントでデータを得ることによって、心臓内の各ポイントにおける電気活動を検知及び測定する。次いで、これらのデータを利用して、このアブレーションを行うべき心内膜の標的領域を選択する。
【0005】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは、心臓内の電気活動を刺激かつマッピングし、異常な電気活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈に挿入された後、関心の心臓の心腔内へとガイドされる。典型的なアブレーション処置は、その遠位端に1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを心腔に挿入することを伴う。参照電極は、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって提供され得る。RF(radio frequency、高周波)電流をアブレーションカテーテルの先端電極と参照電極との間に印加し、電極間、つまり血液と組織0との間の媒体を通って電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触している電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、非電導性である心臓組織内の損傷部が形成される。
【0006】
VanScoyらの米国特許公開第2014/0276733号は、近位端及び遠位端を有する細長い本体を含むアブレーションカテーテルを記載している。少なくとも1つのアブレーション要素が、近位端と遠位端との間の本体上に配設され、腎組織をアブレーションして高血圧症を制御するように構成されている。少なくとも1つの位置特定センサが本体上に配設され、磁場と相互作用するように構成されている。少なくとも1つの位置特定センサは、アブレーションのための適切な標的組織を決定するのに役立つ。
【0007】
Stoneらの米国特許公開第2008/0125772号は、患者の血管のアテローム性動脈硬化性物質であることが多い、体腔に沿った標的物質の再構築及び/又は除去のために調整されたエネルギーを使用するカテーテル及びカテーテルシステムを記載している。径方向に拡張可能な構造を有する細長い可撓性カテーテル本体は、その構造が拡張するとき、アテローム性動脈硬化性物質と半径方向に係合するように、複数の電極又は他の電気外科用エネルギー送達表面を有してもよい。アテローム性動脈硬化性物質検出器システムは、任意選択で、インピーダンス監視を使用して、アテローム性動脈硬化性物質及びその位置を測定及び/又は特徴付けることができる。
【0008】
Nguyenらの米国特許公開第2011/0137298号は、円筒形状を有する圧電要素を含む超音波トランスデューサと、圧電要素の外側表面上に配設された複数の外部電極と、圧電要素の内側表面に配設された少なくとも1つの内部電極と、を備えるアブレーション装置を記載している。内部電極は、圧電要素に対して外部電極の反対側に配設された対応する内部電極部分を提供し、外部電極及び少なくとも1つの内部電極は、圧電要素にわたって電界を印加するように通電される。外部電極の超音波アブレーションゾーンは、長手方向軸の周りの1つ又は2つ以上の開放円弧セグメントにまたがるように千鳥状構成で分布され、長手方向軸に垂直な任意の横方向平面上に長手方向に投影されたすべての外部電極の超音波アブレーションゾーンが、長手方向軸の周りの実質的に閉じたループに広がる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の更に別の実施形態によれば、医療システムであって、生体対象の身体部位内に挿入されるように構成されたカテーテルを含み、カテーテルが、遠位端を含む細長い撓み可能な要素と、遠位端に接続された近位連結具と、複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、可撓性ポリマー回路ストリップが、近位結合具に接続され、近位結合具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、拡張可能なアセンブリと、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続された複数の表面装着可能な電極であって、各表面装着可能な電極が、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのもののそれぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、表面装着可能な電極と、を含む、医療システムが提供される。
【0010】
更に、本開示の実施形態によれば、各表面装着可能な電極は、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている。
【0011】
また更に、本開示の実施形態によれば、システムは、カテーテルに接続され、かつ表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つに電気信号を印加して身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、可撓性ポリマー回路ストリップのストリップ電極のうちのものから電気信号を受信し、かつ受信された電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を含む。
【0012】
加えて、本開示の実施形態によれば、アブレーション電力発生器は、表面装着可能な電極のうちのものの間に電気信号を印加するように構成されている。
【0013】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルは遠位連結具を含み、可撓性ポリマー回路ストリップが、遠位連結具に接続され、遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、カテーテルは、遠位先端を有し、カテーテルは、可撓性ポリマー回路ストリップの遠位端の間でカテーテルの遠位先端に配設された遠位電極を含む。
【0014】
更に、本開示の実施形態によれば、システムは、カテーテルに接続され、かつ表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つと遠位電極との間に電気信号を印加して、身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、可撓性ポリマー回路ストリップのストリップ電極のうちのものから電気信号を受信すし、かつ受信された電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を更に含む。
【0015】
また更に、本開示の実施形態によれば、各表面装着可能な電極は、近位端及び遠位端を含み、各表面装着可能な電極の近位端及び遠位端は、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップのそれぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている。
【0016】
加えて、本開示の実施形態によれば、各表面装着可能な電極の近位端及び遠位端は、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続されている。
【0017】
更に、本開示の実施形態によれば、各可撓性ポリマーストリップは、複数の層を含み、複数の層のうちの第1の層が回路トレースを含み、複数の層のうちの第2の層は、ストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含む。
【0018】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルは、遠位部分を含み、撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、カテーテルは、プッシャの遠位部分に接続された遠位連結具を含み、可撓性ポリマー回路ストリップは、プッシャの遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、可撓性ポリマー回路ストリップは、遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、ストリップは、プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている。
【0019】
また更に、本開示の実施形態によれば、表面装着可能な電極は、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続されている。
【0020】
加えて、本開示の実施形態によれば、可撓性ポリマー回路ストリップの各々は、それぞれの外側表面を有し、表面装着可能な電極の各々は、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのもののそれぞれの外側表面に向かって付勢された導電性材料を含む。
【0021】
本開示の別の実施形態によれば、カテーテルを製造する方法であって、細長い撓み可能な要素と、細長い撓み可能な要素の遠位端に接続された近位連結具と、複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリと、を含むカテーテルを提供することであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、可撓性ポリマー回路ストリップが、近位連結具に接続され、近位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、提供することと、複数の表面装着可能な電極を、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続し、各表面装着可能な電極が、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのもののそれぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されるようにすることと、を含む、方法もまた提供される。
【0022】
更に、本開示の実施形態によれば、各表面装着可能な電極は、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている。
【0023】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルは遠位連結具を含み、可撓性ポリマー回路ストリップが、遠位連結具に接続され、遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、カテーテルは、遠位先端を有し、カテーテルは、可撓性ポリマー回路ストリップの遠位端の間でカテーテルの遠位先端に配設された遠位電極を含む。
【0024】
加えて、本開示の実施形態によれば、電気的に接続することは、それぞれの表面装着可能な電極の近位端及び遠位端を、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップのそれぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続することを含む。
【0025】
また更に、本開示の実施形態によれば、本方法は、各表面装着可能な電極の近位端及び遠位端を、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続することを含む。
【0026】
加えて、本開示の実施形態によれば、本方法は、複数の層から各可撓性ポリマー回路ストリップを形成することを更に含み、複数の層のうちの第1の層が、回路トレースを含み、複数の層のうちの第2の層が、ストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含む。
【0027】
更に、本開示の実施形態によれば、カテーテルは、遠位部分を含み、撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、カテーテルは、プッシャの遠位部分に接続された遠位連結具を含み、可撓性ポリマー回路ストリップは、プッシャの遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、可撓性ポリマー回路ストリップは、遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、ストリップは、プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている。
【0028】
更に、本開示の実施形態によれば、本方法は、表面装着可能な電極を、可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続することを含む。
【0029】
本開示の更に別の実施形態によれば、電気生理学的可撓性回路装置であって、第1の基材端から第2の基材端まで延びる弾性基材と、第1のストリップ端から第2のストリップ端まで延びる可撓性回路ストリップであって、弾性基材に連結され、可撓性回路ストリップ上に配設された導電性接触パッドを有する、可撓性回路ストリップと、可撓性回路ストリップ上に配設された複数の記録電極であって、各記録電極が、生体組織からの電気信号を記録するように構成されている、複数の記録電極と、弾性基材と可撓性回路ストリップとの間に配設された少なくとも1つの繊維と、中空状の部分を有するアブレーション電極であって、中空状の部分が、アブレーション電極を通って延び、可撓性回路ストリップ、少なくとも1つの繊維、及び弾性基材が中空状の部分を通って延びることを可能にし、アブレーション電極が、アブレーション電極を導電性接触パッドに電気的に接続する、少なくとも1つの導電性リテーナを有する、アブレーション電極と、を含む、電気生理学的可撓性回路装置もまた提供される。
【0030】
また更に、本開示の実施形態によれば、装置は、可撓性回路ストリップ、弾性基材、及び導電性接触パッドのうちの任意の1つ又は2つ以上に、アブレーション電極を付着させる接着剤を含む。
【0031】
加えて、本開示の実施形態によれば、記録電極の各々は、第1の露出表面積を含み、各アブレーション電極は、第1の露出表面積の少なくとも3倍の第2の露出表面積を含む。
【0032】
更に、本開示の実施形態によれば、第1のストリップ端が、ヒンジと、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分と、を含み、第1の部分が、第2の幅まで先細になる第1の幅を有し、第2の部分が、第2の幅から、第1のストリップ端の第3の部分における最終幅まで先細になっている。
【0033】
更に、本開示の実施形態によると、少なくとも1つの繊維は、糸を含む。
【0034】
また更に、本開示の一実施形態によれば、各記録電極は、平面電極を含む。
【0035】
加えて、本開示の実施形態によれば、アブレーション電極は、半円筒形断面を有する細長い部材を含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
【
図1】本発明の一実施形態に従って構築され動作する医療システムの部分絵画部分ブロック図である。
【
図2】
図1のシステムのカテーテルの概略図である。
【
図4A】遠位電極のない
図2のカテーテルの遠位端の概略図である。
【
図4B】
図2のカテーテルの可撓性ポリマー回路ストリップの遠位端の概略図である。
【
図4C】
図2のカテーテルの可撓性ポリマー回路ストリップの遠位端の概略図である。
【
図7A】それぞれ展開形態及び折り畳み形態である、
図1のカテーテルを示す概略図である。
【
図7B】それぞれ展開形態及び折り畳み形態である、
図1のカテーテルを示す概略図である。
【
図8】
図2のカテーテルの可撓性ポリマー回路ストリップの概略図である。
【
図9】回路トレースを示す、
図2のカテーテルの可撓性ポリマー回路ストリップの概略図である。
【
図10】回路トレースを示す、
図2のカテーテルの可撓性ポリマー回路ストリップの概略図である。
【
図11】表面装着可能な電極が取り付けられた、
図8の可撓性ポリマー回路ストリップの概略図である。
【
図15】
図2のカテーテルを製造する方法における工程を含む流れ図である。
【
図16】
図2のカテーテルで使用するためのバイアス電極の概略図である。
【
図17】
図16の線A-Aを通るバイアス電極の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
概論
バスケットカテーテルなどの診断用カテーテルは、患者の身体部位の組織からの電位などの電気信号を捕捉するために多くの電極を提供する。次いで、電気信号を分析して、身体部位の医学的状態の指標を提供することができる。例えば、電気信号を使用して電気解剖学的マップを提供することができる。身体部位の医学的状態は、組織の一部が、好適なカテーテルを使用してアブレーション(高周波(RF)アブレーション又は不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)など)を必要とし得ることを示すことがある。バスケットカテーテル電極は診断目的に好適であり得るが、電極及び/又は電極への接続は、アブレーションに使用されるために小さすぎる場合がある。これは、高電流が使用されるIREに特に当てはまるものであり、有効なIREアブレーションを提供するために大きな電極表面積が必要である。したがって、このような状況では、診断用バスケットカテーテルが患者から除去され、好適なアブレーションカテーテルが患者の身体部位に挿入され、アブレーションが実施される。2つのカテーテルを使用すると、医療処置の長さが増加し、本質的な治療処置が遅延する場合があり、時間遅延及び2つのカテーテルの使用により、患者の外傷が増加する可能性がある。
【0038】
本発明の実施形態は、診断用電極とアブレーション電極との両方を含むバスケットカテーテルを提供し、それによって治療と診断とを組み合わせたカテーテルを提供することにより上記の問題を解決する。
【0039】
バスケットカテーテルは、バスケットを形成するために近位側及び遠位側に一緒に接続された可撓性ポリマー回路ストリップで作製された遠位端拡張可能アセンブリを含む。各ストリップは、診断用電極を含む。各ストリップはまた、ストリップに接続されたアブレーション電極を含む。各ストリップのアブレーション電極は、そのストリップの上を摺動してもよく、そのストリップの周囲に巻き付けられてもよく、又はそのストリップの周囲に一緒に接続された2つの部位から形成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、患者内へのカテーテルの挿入中及び患者からのカテーテルの除去中に拡張可能なアセンブリをコンパクトに収納できるように、交互のアブレーション電極が他方のアブレーション電極よりも近位に配設された千鳥状の配列で、可撓性ポリマー回路ストリップに接続される。
【0041】
いくつかの実施形態では、各ストリップは、一般に診断用電極と同じ又は類似の様式で形成される接触パッドを含む。開示される実施形態では、接触パッドは、診断用電極よりも大きい。アブレーション電極は、はんだ、導電性エポキシ、抵抗溶接、レーザ溶接、又は任意の他の好適な方法を使用するなど、好適な結合方法を使用し、それぞれの接触パッドに接続され、各アブレーション電極と対応する接触パッドとの間に電気的接続を提供する。アブレーション電極は、1つ又は2つの結合部を使用して接続されてもよい。アブレーション電極は、本明細書では、表面装着可能な電極とも呼ばれる。診断用電極は、本明細書ではストリップ電極とも呼ばれる。接着剤はまた、結合に加えて、表面装着可能な電極をストリップに接続するためにも使用されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、プロセッサによって実行されるマッピングモジュールは、可撓性ポリマー回路ストリップのストリップ電極の少なくとも一部から電気信号を受信し、受信された電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成する。アブレーション電力発生器は、カテーテルに接続され、身体部位の組織をアブレーションする(RF又はIREアブレーションを使用して)表面装着可能な電極のうちの1つ又は2つ以上に電気信号を印加する。いくつかの実施形態では、アブレーション電力発生器は、表面装着可能な電極の少なくともいくつかの間に電気信号を印加する。
【0043】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、本明細書では遠位電極と呼ばれる電極を含んでもよく、遠位電極は、ストリップの遠位端間のカテーテルの遠位先端に配置される。遠位電極は、アブレーションに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーション電力発生器は、表面装着可能な電極のうちの1つ又は2つ以上と遠位電極との間に電気信号を印加して、身体部位の組織をアブレーションする(RF又はIREアブレーションを使用して)。
【0044】
いくつかの実施形態では、アブレーション電極は、ストリップの組織接触側により多くの材料が存在するように付勢され、それによって遠位端アセンブリが小型シース内に折り畳まれることを可能にする。この電極設計の別の態様は、付勢(すなわち、突出)は非外傷性であり、組織接触側のアブレーション電力を強化することを確実にする。いくつかの実施形態では、非外傷性の付勢は、アブレーション電極内の任意の鋭い縁部を平滑化することによって実施される。鋭利な縁部を平滑化することは、組織又はシースへのいかなる損傷も防止し、アーク放電を生じ得る高電流密度を防止するのに役立つ。
【0045】
システムの説明
次に、本発明の実施形態に従って構築され、動作可能である医療システム10の部分描写、部分ブロック図である
図1を参照する。医療システム10は、生体対象の身体部位14(例えば、心腔)に挿入されるように構成されたカテーテル12を含む。
【0046】
カテーテル12は、遠位端18を含む細長い撓み可能な要素16を含む。細長い撓み可能な要素16は、任意の好適な外径及び長さを有してもよく、例えば、外径は1mm~4mmの範囲であってもよく、長さは1cm~15cmの範囲であってもよい。
【0047】
カテーテル12はまた、遠位端18に接続された近位連結具20を含む。近位連結具20は、撓み可能な要素16の一体部位として、又は別個の要素として形成されてもよく、次いで、接着剤、例えばエポキシを使用するなど、任意の好適な接続方法を使用して遠位端18に接続される。カテーテル12はまた、可撓性回路ストリップ24(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)を含む拡張可能な遠位端アセンブリ22も含む。いくつかの実施形態では、可撓性回路ストリップ24は、可撓性ポリマー回路ストリップである。各可撓性ポリマー回路ストリップ24は、その上に配設された、複数のストリップ電極26(例えば、マッピング、記録、又は診断用電極)(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)と、それぞれの導電性接触パッド28と、を含む。接触パッド28は、
図1においてほとんど覆い隠されており、
図8~10、13、及び14ではより明確に示されている。カテーテル12は、遠位部分32を含むプッシャ30を含む。プッシャ30は、撓み可能な要素16を通って前進及び後退するように構成されている。カテーテル12はまた、プッシャ30の遠位部分32に接続された遠位連結具34を含む。可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端は、近位連結具20に接続され、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、可撓性ポリマー回路ストリップ24がプッシャ30の遠位部分32の周囲に円周方向に配設された状態で、遠位連結具34に接続される。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、
図7A~
図7Bを参照してより詳細に説明するように、プッシャ30が後退して拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するときに、半径方向外側に弓状に曲がるように構成されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、カテーテル12は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端の間でカテーテル12の遠位先端に配設された遠位電極36を含む。他の実施形態では、カテーテル12は、遠位電極36の代わりに遠位連結具34内に配置されたノーズキャップ(図示せず)を含む。
【0049】
カテーテル12は、可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのものに電気的に接続された表面装着可能な電極38を含む。いくつかの実施形態では、1つの表面装着可能な電極38は、各可撓性ポリマー回路ストリップ24上に配設される。表面装着可能な電極38は、
図13を参照してより詳細に説明されるように、接触パッド28を介して可撓性ポリマー回路ストリップ24に電気的に接続される。
【0050】
表面装着可能な電極38は、各可撓性ポリマー回路ストリップ24上の同じ位置で接続されてもよく、又は患者の身体部位14への挿入中及び身体部位14からの除去中に収納されたとき、拡張可能なアセンブリ22が効率的に圧縮され得るように、交互の表面装着可能な電極38が他方の表面装着可能な電極38よりも近位に配設された千鳥状の配列で接続されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、表面装着可能な電極38は、カテーテル12の要素とは異なる要素を有する任意の好適なバスケットカテーテルに接続されてもよい。
【0052】
医療システム10は、カテーテル12に接続されるように構成されたアブレーション電力発生器40を含む。アブレーション電力発生器40は、コンソール42内に収容されてもよい。アブレーション電力発生器40は、表面装着可能な電極38のうちの1つ又は2つ以上に電気信号を印加して、身体部位14の組織をアブレーションするように構成されている。いくつかの実施形態では、アブレーション電力発生器40は、表面装着可能な電極38のいくつかの間に電気信号を印加して、組織をアブレーションする(RF又はIREアブレーションを使用して)ように構成されている。いくつかの実施形態では、アブレーション電力発生器40は、表面装着可能な電極38のうちの1つ又は2つ以上と遠位電極36との間に電気信号を印加して、身体部位14の組織をアブレーションする(RF又はIREアブレーションを使用して)ように構成されている。
【0053】
医療システム10は、プロセッサ44を含み、プロセッサ44は、可撓性ポリマー回路ストリップ24のストリップ電極26の少なくともいくつかから電気信号を受信し、かつ受信された電気信号に応答して電気解剖学的マップ48を生成するように構成されたマッピングモジュール46を実行するように構成されている。
【0054】
実際には、プロセッサ44の機能の一部又はすべては、組み合わせて単一の物理的構成要素とするか、代替的に、複数の物理的構成要素を使用して具現化することが可能である。これらの物理的構成要素は、ハードワイヤードデバイス若しくはプログラマブルデバイス、又はこれら2つの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ44の機能のうちの少なくとも一部は、好適なソフトウェアの制御下でプログラム可能なプロセッサによって実行されてもよい。このソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子的形態でデバイスにダウンロードされてもよい。代替的に又は追加的に、このソフトウェアは、光学的メモリ、磁気的メモリ又は電子的メモリなどの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよい。
【0055】
医療システム10は、簡略化のために示されていない他のモジュール及び要素、例えば、心電図モジュール、表示スクリーン、及びユーザ入力デバイス(例えば、キーボード及びマウス)などを、単に例として含むことができる。
【0056】
次に、
図1のシステム10のカテーテル12の概略図である
図2を参照する。
図2は、近位連結具20、遠位連結具34、可撓性ポリマー回路ストリップ24(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)、プッシャ30、及び表面装着可能な電極38(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)をより詳細に示す。
【0057】
プッシャ30の内径は、ワイヤを収容するようにサイズ決定されている。プッシャ30は、任意の好適な材料から形成されてもよく、例えば、限定するものではないが、編組を有する若しくは有しないポリイミド、編組を有する若しくは有しないポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、又は編組を有する若しくは有しないポリアミドから形成され得る。遠位連結具34及び近位連結具20は、任意の好適な材料、例えば、限定するものではないが、ガラス充填剤を有する若しくは有しないポリカーボネート、ガラス充填剤を有する若しくは有しないPEEK、又はガラス充填剤を有する若しくは有しないPEIから形成され得る。
【0058】
カテーテル12は、拡張可能なアセンブリ22の拡張形態で拡張可能なアセンブリ22の形状を提供する可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのものの長さに沿って接続された細長い弾性支持要素50(本明細書では弾性基材とも呼ばれる)を含む(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)。細長い弾性支持要素50は、任意の好適な材料、例えば、これらに限定されないが、ニチノール及び/又はポリエーテルイミド(Polyetherimide、PEI)を含んでもよい。細長い弾性支持要素50は、
図4A~
図4Cを参照してより詳細に説明されるように、可撓性ポリマー回路ストリップ24が遠位連結具34に入る直前まで、それぞれのストリップ24の内側表面に沿って近位連結具20から延びて、可撓性ポリマー回路ストリップ24がその時点で十分に屈曲できるようにする。細長い弾性支持要素50は、例えば、約0.025mm~0.25mmの範囲の任意の好適な厚さを有してもよい。
【0059】
次に、
図3を参照するが、これは、
図2のカテーテル12の部分分解図である。
図3は、可撓性ポリマー回路ストリップ24が遠位連結具34及び近位連結具20にどのように接続されるかを示すために、遠位電極36(又はノーズ部品)及び近位連結具20が除去されたカテーテル12を示している。可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端は、近位連結具20の内側表面に接続され、近位連結具20の内側表面の周囲に円周方向に配設される。可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、遠位連結具34の内側表面に接続され、遠位連結具34の内側表面の周囲に円周方向に配設される。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、例えば、接着剤(例えば、エポキシ)を使用し、及び/又は圧力嵌合を使用して、任意の好適な方法を使用して、近位連結具20及び遠位連結具34に接続されてもよい。可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、一般に、遠位連結具34の遠位端の上に屈曲され、遠位連結具34の遠位端に接続され、可撓性ポリマー回路ストリップ24がほぼ90度で屈曲して、平坦なノーズカテーテルを形成することができる。いくつかの実施形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、遠位連結具34の外側表面に接続されてもよく、又は遠位連結具を使用することなく一緒に接続されてもよい。
【0060】
次に、遠位電極36を有しない
図2のカテーテル12の遠位端の概略図である、
図4Aを参照する。また次に、
図2のカテーテル12の可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちの1つの遠位端の概略図である、
図4B~
図4Cも参照する。
図4Aは、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端が遠位連結具34内に屈曲していることを示している。いくつかの実施形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、可撓性ポリマー回路ストリップ24が遠位連結具34に嵌合するように先細になっている。
【0061】
前述したように、可撓性ポリマー回路ストリップ24は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端から、各可撓性ポリマー回路ストリップ24のヒンジ区分52まで延びる細長い弾性支持要素50を使用して支持される。ヒンジ区分52は、任意の好適な材料を使用して強化されてもよい。いくつかの実施形態では、ヒンジ区分52は、可撓性ポリマー回路ストリップ24と細長い弾性支持要素50との間から可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端まで走る糸54(
図4B)などの少なくとも1つの繊維を使用して強化される。糸54は、超高分子量ポリエチレン糸、又は液晶ポリマーから紡糸された糸、のうちの任意の1つ又は2つ以上を含み得る。糸54は、例えば、およそ25デニール~250デニールの範囲の任意の好適な線密度であってもよい。可撓性ポリマー回路ストリップ24、細長い弾性支持要素50、及び糸54は、任意の好適な方法を使用して、例えば、エポキシなどの接着剤を使用して一緒に接続されてもよく、好適な被覆部56(
図4B及び4C)、例えば、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)収縮チューブで被覆されていてもよい。ストリップ電極26及び接触パッド28(
図1)を露出させるために、被覆部56内に窓が開かれる。
【0062】
また、
図4Bでは、ヒンジ区分52が、細長い弾性支持要素50を含む領域よりもはるかに薄い(厚さが「t」である)ことが分かる。ヒンジ区分52は、例えば、約10~140マイクロメートルの範囲内の任意の好適な厚さを有してもよい。ヒンジ区分52は、部分52A、部分52B、及び端部分52Cを有する。部分52Aは、幅w1(
図4A)からより小さい幅w2(
図4A)まで先細になっている。部分52Bは、幅w2から、端部分52Cのより小さい最終幅w3(
図4A)まで先細になっている。幅w1は、幅w3の約2倍である。端部分52Cの長さLは約3mmであり、分離せずに電極が連結具34内に保持され得ることを確実にする。
【0063】
次に、
図1の線A-Aを通る断面図である
図5を参照する。
図5は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端が、遠位連結具34の内側表面にどのように接続されているかを示している。位置センサ58(磁気位置センサなど)は、遠位連結具34内に任意選択で配設される。遠位電極36は、可撓性ポリマー回路ストリップ24と位置センサ58との間の遠位連結具34内に挿入される。
図5は、プッシャ30の遠位端が遠位連結具34の近位端にどのように接続されるかを示している。
【0064】
次に、
図1の線B-Bを通る断面図である
図6を参照する。
図6は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端が、近位連結具20の内側表面にどのように接続されるかを示している。
図6はまた、近位連結具20が、例えば、カテーテル12の遠位端から近位端までワイヤと、灌漑チューブを運ぶための管腔60と、を含む撓み可能な要素16の外側表面の周囲に接続されていることを示している。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、保持リング62を使用して適所に追加的に保持されてもよい。
図6はまた、撓み可能な要素16の管腔60のうちの1つから拡張可能なアセンブリ22内へと延びるプッシャ30も示している。
【0065】
次に、
図1のカテーテル12が展開形態及び折り畳み形態であることをそれぞれ示す概略図である
図7A~
図7Bを参照する。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、プッシャ30が後退して拡張可能なアセンブリ22を折り畳み形態から拡張形態に拡張するときに、半径方向外側に曲がるように構成される。拡張可能なアセンブリ22の折り畳み形態は、細長い弾性支持要素50(
図4A~
図4C)を使用してそれらの形状が提供されている可撓性ポリマー回路ストリップ24の非応力形態を表す。いくつかの実施形態では、拡張可能なアセンブリ22の非応力形態は、拡張形態である。いくつかの実施形態では、拡張可能なアセンブリ22は、プッシャ又は同様の要素を必要とせずにシース(図示せず)内に後退させられると折り畳む。
【0066】
いくつかの実施形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24は、平坦なストリップとして形成される。可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端は、遠位連結具34の内側表面に接続され、次いで、可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端は、近位連結具20に接続され、これにより、折り畳み形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端への接線とプッシャ30の軸との間の角度が180度に近くなり、一方、拡張形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端への接線と軸との間の角度が約90度になるようになる。したがって、動作時(可撓性ポリマー回路ストリップ24が遠位電極36及び近位連結具20に接続されているとき)には、ヒンジ区分52は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の移動の約90度の最大角度範囲を提供し、一般的には80度を超えるように構成される。しかしながら、ヒンジ区分52は、180度以上屈曲することができる。
【0067】
次に、
図2のカテーテル12の可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちの1つの概略図である
図8を参照する。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、ストリップ電極26及び接触パッド28を示している。接触パッド28は、典型的には、接触パッド28が各ストリップ電極26よりも長くてもよいことを除いて、ストリップ電極26と同じ様式で形成される。いくつかの実施形態では、接触パッド28は、ストリップ電極26と同じサイズであってもよい。
図8はまた、可撓性ポリマー回路ストリップ24の下側のヒンジ区分52及び細長い弾性支持要素50を示している。可撓性ポリマー回路ストリップ24はまた、ストリップ電極26及び接触パッド28を、撓み可能な要素16(
図1)をカテーテル12の近位端まで延びるワイヤに接続するための接触アレイ64を含む。
【0068】
次に、回路トレース66を示す
図2のカテーテル12の可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちの1つの概略図である、
図9及び
図10を参照する。
図9及び
図10の可撓性ポリマー回路ストリップ24は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の異なる層の可視化を可能にする半透明形式で示されている。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、概して、下側層及び上側層を含む複数の層から形成される。可撓性ポリマー回路ストリップ24の下側層は、ストリップ電極26及び接触パッド28を接触アレイ64に接続する回路トレース66を含む。上側層は、ストリップ電極26及び接触パッド28を含む。下側層の回路トレース66は、ビア(図示せず)を使用して上側層のストリップ電極26及び接触パッド28に接続される。接触パッド28への回路トレース66は、他の回路トレース66よりも幅が広くてもよく、適切な絶縁を確実にするために、他の回路トレース66から更に離れて配置されてもよい。ストリップ電極26の回路トレース66は、約0.005mm~0.1mm幅の範囲内(例えば、0.025mm)で、間隔が約0.005mm~0.1mmの範囲(例えば、0.025mm)であってもよく、一方、接触パッド28のトレース66は、約0.025mm~0.25mm幅の範囲内(例えば、0.125mm幅)で、最も近いトレースまでの間隔が約0.010mm~0.125mmの範囲(例えば、0.050mm)であってもよい。トレース66の厚さは、約0.005mm~0.100mm(例えば、0.010mm)の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、回路トレース66は、同じ幅及び間隔を有してもよい。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、任意の好適な材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性ポリマー回路ストリップ24の各々は、ポリイミドのストリップを含む。回路トレース66は、ポリイミドのストリップの裏側表面上に配設され、ストリップ電極26及び接触パッド28は、ポリイミドのストリップの前側表面上に配設される。
【0069】
可撓性ポリマー回路ストリップ24は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、可撓性ポリマー回路ストリップ24の長さは、10mm~60mmの範囲、例えば30mmであってもよく、可撓性ポリマー回路ストリップ24の幅は、約0.25mm~3mmの範囲、例えば0.72mmであってもよく、可撓性ポリマー回路ストリップ24の厚さは、約0.005mm~0.14mmの範囲であってもよい。
【0070】
次に、
図11を参照し、これは、電極26(例えば、マッピング、記録、又は診断用電極)(簡略化のためにいくつかのみが標識付けされている)を有し、電極26の上に表面装着可能な電極38のうちの1つが取り付けられている、
図8の可撓性ポリマー回路ストリップ24の概略図である。電極26は、概して、生体組織(例えば、心臓組織)によって生成された電気信号(例えば、心電図又は心内電位図信号)を記録するために使用される。各電極26は、露出表面積A1を有する。各電極26は、典型的には、平面電極である。表面装着電極38は、例えば、電極38を介してDC信号又はAC信号を送達することによって、アブレーションに使用されてもよい。電極38は、各マッピング電極26の露出面積A1の少なくとも3倍の露出表面積A2を有する。いくつかの実施形態では、露出表面積A1は、約0.08mm~約1mm平方までである。表面装着可能な電極38は、可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の上を摺動される単一の要素として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、表面装着可能な電極38は、ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の周囲で一緒に接続された2つの半体から形成されてもよい。更に他の実施形態では、表面装着可能な電極38は、可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の周囲に巻き付けられたバンドとして形成されてもよい。表面装着可能な電極38は、例えば、金、金合金、白金、白金合金、パラジウム、又はパラジウム合金であるが、これらに限定されない、任意の好適な材料から形成されてもよい。
【0071】
次に、
図11の表面装着可能な電極38のより詳細な図である、
図12を参照する。表面装着可能な電極38は、接触パッド28の上に装着されて示されている。表面装着可能な電極38は、2つの導電性リテーナ68を使用して(例えば、はんだ、導電性エポキシ、抵抗溶接、レーザ溶接、又は任意の他の好適な方法を使用して)接触パッド28に電気的に接続されている。表面装着可能な電極38は、ポリウレタン接着剤又はエポキシなどの接着剤70を使用して、可撓性ポリマー回路ストリップ24(及び/又は細長い弾性支持要素50及び/又は接触パッド28)に更に固定される。接着剤70は、接触パッド28がカテーテル12の周囲の環境から電気的に絶縁されるように印加されてもよい。
【0072】
次に、
図12の線A-Aを通る断面図である
図13を参照する。
図13は、表面装着可能な電極38が、接触パッド28の上及び細長い弾性支持要素50の下に延びていることを示している。表面装着可能な電極38は、
図13に示すような半円筒形の断面を有する細長い部材として形成される。
図13はまた、可撓性ポリマー回路ストリップ24の2つの層、すなわち回路トレース66を含む層72(
図9及び
図10の各々に示される)、及び接触パッド28及びストリップ電極26を含む層74(
図10に示す)を示している。
図13に示される接触パッド28は、表面装着可能な電極38よりも幅が広い。いくつかの実施形態では、接触パッド28は、表面装着可能な電極38よりも幅が狭くてもよいし、同じ幅であってもよい。表面装着可能な電極38は、少なくとも1つの導電性リテーナ68を使用して接触パッド28に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、表面装着可能な電極38の近位端及び遠位端は、2つのそれぞれの導電性リテーナ68を使用して接触パッド28に電気的に接続される。表面装着可能な電極38の近位端及び遠位端は、接着剤70を使用して、可撓性ポリマー回路ストリップ24に任意選択で接続される。接着剤70は、典型的には、表面装着可能な電極38によって被覆されていない接触パッド28の残部を被覆している。接着剤70は、例として、ポリウレタン接着剤又はエポキシを含んでもよい。結合部68は、典型的には、可撓性ポリマー回路ストリップ24の外側表面上に配設されるが、接着剤70は、一般に、可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の周囲に配設されて、表面装着可能な電極38を可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50に固定し、カテーテル12の使用中に接触パッド28に液体が接触することを防止するようにする。
【0073】
次に、
図12の線B-Bを通る断面図である
図14を参照する。
図14は、表面装着可能な電極38が可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の周囲に延びていることを示している。
図14はまた、可撓性ポリマー回路ストリップ24と細長い弾性支持要素50との間に挟まれた糸54(又は少なくとも1つの繊維)を示している。被覆部56(例えば、収縮チューブ)は、細長い弾性支持要素50を取り囲み、可撓性ポリマー回路ストリップ24を部分的に取り囲み、接触パッド28を露出させるために被覆部56内で窓が開かれているところが示されている。
図14に示す表面装着可能な電極38は、一体型中空状の電極(すなわち、内部を通って延びる中空状の部分を有するアブレーション電極)であり、一体型中空状の電極は、可撓性ポリマー回路ストリップ24及び細長い弾性支持要素50の組み合わせの上を摺動され、可撓性ポリマー回路ストリップ24、糸54(又は少なくとも1つの繊維)、及び細長い弾性支持要素50が中空状の部分を通って延びることができるようにする。前述したように、表面装着可能な電極38は、ストリップ24の周囲に一緒に接続された2つの半体から形成されてもよい。更に他の実施形態では、表面装着可能な電極38は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の周囲に巻き付けられたバンドとして形成されてもよい。
【0074】
次に、
図2のカテーテル12を製造する方法における工程を含む流れ
図80である、
図15を参照する。
図1もまた参照する。
【0075】
この方法は、複数の層から各可撓性ポリマー回路ストリップ24を形成する(ブロック82)ことを含み、層72(
図13)は回路トレース66(
図9及び
図10)を含み、層74(
図13)はストリップ電極26及びそれぞれの接触パッド28を含む。
【0076】
本方法は、カテーテル12の形成又は提供(ブロック84)を含み、カテーテル12は、細長い撓み可能な要素16と、撓み可能な要素16の遠位端18に接続された近位連結具20と、遠位連結具34と、遠位電極36と、プッシャ30と、拡張可能なアセンブリ22と、を含む。拡張可能なアセンブリ22は、可撓性ポリマー回路ストリップ24を含む。各可撓性ポリマー回路ストリップ24は、その上に配設された、それぞれのストリップ電極26と、それぞれの接触パッド28と、を含む。可撓性ポリマー回路ストリップ24の近位端及び遠位端は、近位連結具20及び遠位連結具34にそれぞれ接続され、近位連結具20及び遠位連結具34の周囲に円周方向に配設される。遠位電極36は、可撓性ポリマー回路ストリップ24の遠位端の間でカテーテル12の遠位先端に配設される。プッシャ30は、撓み可能な要素16を通って前進及び後退するように構成されている。プッシャ30の遠位部分は、遠位連結具34に接続される。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、プッシャ30の遠位部分の周囲に円周方向に配設される。可撓性ポリマー回路ストリップ24は、プッシャ30が後退して拡張可能なアセンブリ22を折り畳み形態から拡張形態に拡張するときに、半径方向外側に曲がるように構成される。
【0077】
方法はまた、表面装着可能な電極38を可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのものに接続する(ブロック86)ことも含む。いくつかの実施形態では、本方法は、表面装着可能な電極38を、可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのものに、表面装着可能な電極38のうちの1つおきのものが表面装着可能な電極38のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続することを含む。ブロック86の工程は、以下のようにブロック88及び90のサブステップを含んでもよい。
【0078】
本方法はまた、表面装着可能な電極38を可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのものに電気的に接続し(ブロック88)、各表面装着可能な電極38が可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちのそれぞれのもののそれぞれの接触パッド28に、少なくとも1つの導電性リテーナ68を使用して(
図13)、例えば、はんだ、導電性エポキシ、抵抗溶接、レーザ溶接、又は任意の他の好適な方法を使用して電気的に接続されるようにすることも含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、各表面装着可能な電極38の近位端及び遠位端を、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップ24のそれぞれの接触パッド28に、2つのそれぞれの導電性リテーナ68を使用して電気的に接続することを含む。
【0079】
本方法はまた、各表面装着可能な電極38の近位端及び遠位端を、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップ24に、接着剤70を使用して接続する(ブロック90)ことを含んでもよい。
【0080】
次に、
図2のカテーテル12とともに使用するための付勢されたアブレーション電極92の概略図である、
図16を参照する。次に、
図17も参照し、これは、
図16の線A-Aを通る付勢されたアブレーション電極92の断面図であり、可撓性ポリマー回路ストリップ24のうちの1つに配設された付勢されたアブレーション電極92を有する。
【0081】
付勢されたアブレーション電極92は、表面装着可能な電極であり、表面装着可能な電極38のうちの1つ又は2つ以上を置き換えることができる。付勢されたアブレーション電極92は、生体適合性の導電性材料から製造され、その中を通る電極管腔94を有する。付勢されたアブレーション電極92は、外側表面96と、その管腔94によって画定される内側表面98と、を有する。
【0082】
可撓性ポリマー回路ストリップ24の各々は、それぞれの外側表面100を有する。各付勢されたアブレーション電極92は、それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップ24のそれぞれの外側表面100に向かって付勢された導電性材料を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、所与の可撓性ポリマー回路ストリップ24に篏合された所与の付勢されたアブレーション電極92に関して、所与の可撓性ポリマー回路ストリップ24は、所与の電極92において平面であり、この平面が、所与の電極92を非対称に分割して、これにより(平面の)内部側よりも外部側に導電性材料が存在するようにする。これらの実施形態では、電極92(すなわち、可撓性ポリマー回路ストリップ24に取り付けられた場合)は、内部側の所与の電極92の表面積に比べて外部側の所与の電極92の表面積が大きいので、可撓性ポリマー回路ストリップ24の外部側に付勢されている。
【0084】
電極92を形成するのに好適な材料の例としては、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)が挙げられる。これらの材料はまた、非常に高い熱伝導率を有しており、これにより、組織上で発生した(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、可撓性ポリマー回路ストリップ24の内部側にある電極の部分)に伝導され、その後、心臓の血液プールに伝導される。
【0085】
電極92を外側表面100に付勢することにより、電極92は、電極92の外側部分からより多くのアブレーションエネルギーを送達する(すなわち、可撓性ポリマー回路ストリップ24の内部側の電極の部分から送達されるアブレーションエネルギーよりも有意に多い)。本明細書で上述された構成はまた、熱が組織から(すなわち、アブレーション処置中に)、可撓性ポリマー回路ストリップ24の内部側の電極の部分に伝達されることを可能にすることもでき、電極92は、血液プール及び/又は可撓性ポリマー回路ストリップ24の内部側の電極92の部分において、例えば、スプレーポート(図示せず)を介して、灌漑流体を狙うことによって冷却され得る。
【0086】
付勢されたアブレーション電極92は、例えば、非半径方向に対称な導電性材料のチューブを押し出すことによって、任意の好適な方法を使用して形成することができる。例えば、チューブは、0.04インチ(±0.003インチ)の高さ及び0.048インチ(±0.003インチ)の幅を有し、管腔は、0.017インチ(±0.001インチ)の高さ及び0.032インチ(±0.002インチ)の幅を有し、管腔の下の導電性材料の厚さは、0.003インチ(±0.001インチ)であり、管腔の上の導電性材料の厚さは、およそ0.02インチであってもよい。製造工程では、切断器具を使用して、複数の電極92をチューブから切断してもよい。いくつかの実施形態では、各電極は、およそ0.08インチの長さを有してもよい。製造業者は、電極をチューブから作製するために、電気放電加工(electrical discharging machining、EDM)ワイヤなどの切断器具を使用することができる。
【0087】
製造工程は、電極92上に鋭い縁部を形成することができる。カテーテル12が、IREアブレーションなどの高エネルギーアブレーション処置を実施するために使用される場合、高アブレーションエネルギーを電極92に印加することにより、鋭い縁部からのアーク発生が生じ得る。平滑化工程では、製造業者は、製造された電極92上の縁部を平滑化する。製造業者が使用することができる平滑化プロセスの例としては、タンブリング/ルブリング及びバレルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書で使用するとき、任意の数値又は数値の範囲について「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約)」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0089】
本発明の様々な特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これらも単一の実施形態に組み合わされて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0090】
上に記載される実施形態は、例として引用されており、本発明は、上記の明細書に具体的に図示及び記載されたものによって限定されない。むしろ本発明の範囲は、上記の明細書で説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、従来技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0091】
〔実施の態様〕
(1) 生体対象の身体部位に挿入されるように構成されたカテーテルを含む医療システムであって、前記カテーテルが、
遠位端を含む細長い撓み可能な要素と、
前記遠位端に接続された近位連結具と、
複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記近位連結具に接続され、前記近位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、拡張可能なアセンブリと、
前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続された複数の表面装着可能な電極であって、各表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、複数の表面装着可能な電極と、を含む医療システム。
(2) 各表面装着可能な電極が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記カテーテルに接続され、かつ前記表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つに電気信号を印加して前記身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、
前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記ストリップ電極のうちのものから電気信号を受信し、かつ受信された前記電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記アブレーション電力発生器が、前記表面装着可能な電極のうちのものの間に前記電気信号を印加するように構成されている、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記カテーテルが、遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続され、前記遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、
前記カテーテルが、遠位先端を有し、
前記カテーテルが、前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記遠位端の間で前記カテーテルの前記遠位先端に配設された遠位電極を含む、実施態様1に記載のシステム。
【0092】
(6) 前記カテーテルに接続され、かつ前記表面装着可能な電極のうちの少なくとも1つと前記遠位電極との間に電気信号を印加して、前記身体部位の組織をアブレーションするように構成されたアブレーション電力発生器と、
前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記ストリップ電極のうちのものから電気信号を受信し、かつ受信された前記電気信号に応答して電気解剖学的マップを生成するように構成されたマッピングモジュールと、を更に備える、実施態様5に記載のシステム。
(7) 各表面装着可能な電極が、近位端及び遠位端を含み、
各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記それぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端が、前記それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 各可撓性ポリマーストリップが、複数の層を含み、前記複数の層のうちの第1の層が回路トレースを含み、前記複数の層のうちの第2の層が、前記ストリップ電極及び前記それぞれの接触パッドを含む、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記カテーテルが、遠位部分を含み、前記撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、
前記カテーテルが、前記プッシャの前記遠位部分に接続された遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記プッシャの前記遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、
前記ストリップは、前記プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、前記拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0093】
(11) 前記表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、前記表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが前記表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続されている、実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記可撓性ポリマー回路ストリップの各々が、それぞれの外側表面を有し、前記表面装着可能な電極の各々が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの外側表面に向かって付勢された導電性材料を含む、実施態様1に記載のシステム。
(13) カテーテルを製造する方法であって、
細長い撓み可能な要素と、前記細長い撓み可能な要素の遠位端に接続された近位連結具と、複数の可撓性ポリマー回路ストリップを含む拡張可能なアセンブリと、を含むカテーテルを提供することであって、各可撓性ポリマー回路ストリップが、その上に配設された、複数のストリップ電極及びそれぞれの接触パッドを含み、前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記近位連結具に接続され、前記近位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの近位端を有する、提供することと、
複数の表面装着可能な電極を、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに電気的に接続し、各表面装着可能な電極が、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものの前記それぞれの接触パッドに、少なくとも1つの導電性リテーナを使用して電気的に接続されるようにすることと、を含む、方法。
(14) 各表面装着可能な電極が、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの周囲に延びている、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記カテーテルが、遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続され、前記遠位連結具の周囲に円周方向に配設されたそれぞれの遠位端を有し、
前記カテーテルが、遠位先端を有し、
前記カテーテルが、前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記遠位端の間で前記カテーテルの前記遠位先端に配設された遠位電極を含む、実施態様13に記載の方法。
【0094】
(16) 前記電気的に接続することが、各表面装着可能な電極の近位端及び遠位端を、それぞれの前記可撓性ポリマー回路ストリップの前記それぞれの接触パッドに、2つのそれぞれの導電性リテーナを使用して電気的に接続することを含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 各表面装着可能な電極の前記近位端及び前記遠位端を、前記それぞれの可撓性ポリマー回路ストリップに、接着剤を使用して接続することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 複数の層から各可撓性ポリマー回路ストリップを形成することを更に含み、前記複数の層のうちの第1の層が、回路トレースを含み、前記複数の層のうちの第2の層が、前記ストリップ電極及び前記それぞれの接触パッドを含む、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記カテーテルが、遠位部分を含み、前記撓み可能な要素を通って前進及び後退するように構成されているプッシャを含み、
前記カテーテルが、前記プッシャの前記遠位部分に接続された遠位連結具を含み、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記プッシャの前記遠位部分の周囲に円周方向に配設されており、
前記可撓性ポリマー回路ストリップが、前記遠位連結具に接続されたそれぞれの遠位端を有し、
前記ストリップは、前記プッシャが後退したときに半径方向外側に弓状に曲がり、前記拡張可能なアセンブリを折り畳み形態から拡張形態に拡張するように構成されている、実施態様13に記載の方法。
(20) 前記表面装着可能な電極を、前記可撓性ポリマー回路ストリップのうちのそれぞれのものに、前記表面装着可能な電極のうちの1つおきのものが前記表面装着可能な電極のうちの他のものよりも近位に配設された千鳥状の配列で接続することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
【0095】
(21) 電気生理学的可撓性回路装置であって、
第1の基材端から第2の基材端まで延びる弾性基材と、
第1のストリップ端から第2のストリップ端まで延びる可撓性回路ストリップであって、前記弾性基材に連結され、前記可撓性回路ストリップ上に配設された導電性接触パッドを有する、可撓性回路ストリップと、
前記可撓性回路ストリップ上に配設された複数の記録電極であって、各記録電極が、生体組織からの電気信号を記録するように構成されている、複数の記録電極と、
前記弾性基材と前記可撓性回路ストリップとの間に配設された少なくとも1つの繊維と、
中空状の部分を有するアブレーション電極であって、前記中空状の部分が、前記アブレーション電極を通って延び、前記可撓性回路ストリップ、前記少なくとも1つの繊維、及び前記弾性基材が前記中空状の部分を通って延びることを可能にし、前記アブレーション電極が、前記アブレーション電極を前記導電性接触パッドに電気的に接続する、少なくとも1つの導電性リテーナを有する、アブレーション電極と、を備える、電気生理学的可撓性回路装置。
(22) 前記アブレーション電極を、前記可撓性回路ストリップ、前記弾性基材、及び前記導電性接触パッドのうちの任意の1つ又は2つ以上に付着させる接着剤を更に含む、実施態様21に記載の装置。
(23) 前記記録電極の各々が、第1の露出表面積を含み、各アブレーション電極が、前記第1の露出表面積の少なくとも3倍の第2の露出表面積を含む、実施態様21に記載の装置。
(24) 前記第1のストリップ端が、ヒンジと、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分と、を含み、前記第1の部分が、第2の幅まで先細になる第1の幅を有し、前記第2の部分が、前記第2の幅から、前記第1のストリップ端の前記第3の部分における最終幅まで先細になっている、実施態様21に記載の装置。
(25) 前記少なくとも1つの繊維が、糸を含む、実施態様21に記載の装置。
【0096】
(26) 各記録電極が、平面電極を含む、実施態様21に記載の装置。
(27) 前記アブレーション電極が、半円筒形断面を有する細長い部材を含む、実施態様21に記載の装置。
【外国語明細書】