(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046547
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】土砂ホッパーの使用方法
(51)【国際特許分類】
B65D 88/26 20060101AFI20220315BHJP
B65G 65/30 20060101ALI20220315BHJP
B65D 88/70 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B65D88/26 C
B65G65/30 Z
B65D88/70
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203132
(22)【出願日】2021-12-15
(62)【分割の表示】P 2017246277の分割
【原出願日】2017-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】米山 政文
(72)【発明者】
【氏名】柏▲崎▼ 隆
(57)【要約】
【課題】労力をかけずに安全に粘性土の詰まりを解消することができる土砂ホッパー及びその使用方法を提供する。
【解決手段】ホッパー本体2の内壁は、開閉ゲート3へ傾斜する複数の傾斜面(ゲート直上傾斜面21,上部傾斜面23)を有しており、これらの傾斜面の各傾斜面に、圧縮空気を噴射する空気噴射孔25をそれぞれ穿設し、空気噴射孔25の各空気噴射孔に、操作用バルブ52を介してコンプレッサ50に接続された耐圧ホース51を装着し、操作用バルブ52により、空気噴射孔25ごとに圧縮空気の噴射又は停止が操作可能に構成するとともに、コンプレッサ50を、地上又はホッパー本体2内を目視可能な操作台からの操作で作動又は停止自在に構成し、目視により前記土砂が落下しない詰まった部分にコンプレッサ50の加圧能力を集中して前記噴射孔から圧縮空気を噴射して前記内壁に付着した前記土砂を前記内壁から浮き上がらせて排出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削作業を伴う工事において粘性土を含む掘削した土砂を一時的に貯留して置く土砂ホッパーの使用方法であって、
前記土砂を貯留するホッパー本体と、このホッパー本体の下部に揺動自在に取り付けられて開閉する土砂排出用の開閉ゲートと、を備え、
前記ホッパー本体の内壁は、前記開閉ゲートへ傾斜する複数の傾斜面を有しており、これらの傾斜面の各傾斜面には、圧縮空気を噴射する空気噴射孔がそれぞれ穿設され、
前記空気噴射孔の各空気噴射孔には、操作用バルブを介してコンプレッサに接続された耐圧ホースが装着され、
前記操作用バルブにより、空気噴射孔ごとに圧縮空気の噴射又は停止が操作可能に構成されているとともに、
前記コンプレッサは、地上又は前記ホッパー本体内を目視可能な操作台からの操作で作動又は停止自在に構成されており、
目視により前記土砂が落下しない詰まった部分に前記コンプレッサの加圧能力を集中して前記空気噴射孔から圧縮空気を噴射して前記内壁に付着した前記土砂を前記内壁から浮き上がらせて排出すること
を特徴とする土砂ホッパーの使用方法。
【請求項2】
前記内壁は、途中で傾斜角度が変わる多段状の傾斜面となっており、前記開閉ゲート直上に位置するゲート直上傾斜面と、このゲート直上傾斜面の上端と接続する上部傾斜面と、を有し、
前記ゲート直上傾斜面と前記上部傾斜面のいずれにも前記空気噴射孔が穿設されていること
を特徴とする請求項1に記載の土砂ホッパーの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチックケーソン工法などの掘削作業を伴う工事において、処分地に搬出するまでの間、掘削した土砂を一時的に貯留して置く土砂ホッパー及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニューマチックケーソン工法などの掘削作業では、粘性土が排出される場合が多々ある。そして、粘性土が多量に含まれた土砂を一定時間土砂ホッパーに貯留して置くと、ホッパーの隙間から自重により土砂から水分が排出されて土砂が圧密され、粘性土がホッパーの内壁に貼り付いて自然落下せず土砂の排出ができないという問題があった。ゲートが閉塞されると、詰まった土砂を除去するまでの間土砂の搬出作業が滞り、掘削作業自体に支障が生じて工事の生産性が低下してしまうという問題が発生する。
【0003】
特に、夜間は騒音等の問題でダンプトラックなどの搬送車で搬出することが困難であるため、搬出が再開される朝までに土砂ホッパー内の粘性土を含んだ土砂が圧密されてホッパーのゲートを閉塞するという問題が顕著となっていた。
【0004】
また、粘性土が内壁に貼り付いてゲートを閉塞した場合の従来の対処方法としては、人が土砂ホッパー内に入ってスコップ等で除去したり、長い棒などでゲートの下から突いたりするなどして清掃除去したり、ゲートの下から高圧ジェット水で土砂を撤去するしかなかった。このため、土砂の清掃除去に時間と労力がかかるだけでなく、転落や土砂が崩れ落ちてくるという危険があり安全上も問題となっていた。
【0005】
このような問題を解決するべく、特許文献1には、回転式の土砂ホッパーにおいて、回転軸からコンプレッサを用いて高圧で水を噴射して、土砂ホッパーの内壁に貼り付いた粘性土を洗い流して排出する回転式ホッパーが開示されている(特許文献1の明細書の段落[0008]~[0017]、図面の
図1等参照)。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の回転式ホッパーは、高圧で水を噴射するものであり、土砂が水浸しになって、土砂をダンプトラックなどの搬送車で搬出する際に、泥水が垂れ落ちて道路を汚してしまうという問題が発生する。
【0007】
また、特許文献2には、ボイラで発生する燃焼灰を蓄積するホッパーにおいて、ホッパーの内壁から内側へ突き出た首振り可能な噴射口から圧縮空気を噴射して燃焼灰を吹き飛ばしてホッパーの詰まりを解消する燃焼灰のホッパーが開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1~3、明細書の段落[0019]~[0025]、図面の
図1~3等参照)。
【0008】
しかし、特許文献2に記載のホッパーは、燃焼灰のホッパーであり、土砂ホッパーにそのまま適用することはできない。つまり、粘性土に上から圧縮空気を吹き付けただけでは、土砂の表面が削れるだけでホッパーの内壁に圧密された土砂の摩擦が切れずゲートの詰まりを解消することはできない。
【0009】
さらに、特許文献3には、粉粒体のホッパーにおいて、弾性板状体の裏面から圧縮空気を吹き付け、弾性板状体をバタつかせることにより、弾性板状体に付着した粉粒体を除去するホッパーが開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1,2、明細書の段落[0018]~[0022]、図面の
図1~3等参照)。
【0010】
しかし、特許文献3に記載のホッパーは、粉粒体のホッパーであり、土砂ホッパーにそのまま適用することはできない。また、特許文献3に記載のホッパーは、弾性板状体が必須であり、土砂ホッパーに適用した場合に、弾性板状体とホッパーの内壁との段差に粘性土が付着しやすく土砂の詰まりを解消できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8-276983号公報
【特許文献2】特開2010-101556号公報
【特許文献3】特開2017-176916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、労力をかけずに安全に土砂の詰まりを解消することができる土砂ホッパー及びその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る土砂ホッパーの使用方法は、掘削作業を伴う工事において粘性土を含む掘削した土砂を一時的に貯留して置く土砂ホッパーの使用方法であって、前記土砂を貯留するホッパー本体と、このホッパー本体の下部に揺動自在に取り付けられて開閉する土砂排出用の開閉ゲートと、を備え、前記ホッパー本体の内壁は、前記開閉ゲートへ傾斜する複数の傾斜面を有しており、これらの傾斜面の各傾斜面には、圧縮空気を噴射する空気噴射孔がそれぞれ穿設され、前記空気噴射孔の各空気噴射孔には、操作用バルブを介してコンプレッサに接続された耐圧ホースが装着され、前記操作用バルブにより、空気噴射孔ごとに圧縮空気の噴射又は停止が操作可能に構成されているとともに、前記コンプレッサは、地上又は前記ホッパー本体内を目視可能な操作台からの操作で作動又は停止自在に構成されており、目視により前記土砂が落下しない詰まった部分に前記コンプレッサの加圧能力を集中して前記空気噴射孔から圧縮空気を噴射して前記内壁に付着した前記土砂を前記内壁から浮き上がらせて排出することを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る土砂ホッパーの使用方法は、請求項1に係る土砂ホッパーの使用方法において、前記内壁は、途中で傾斜角度が変わる多段状の傾斜面となっており、前記開閉ゲート直上に位置するゲート直上傾斜面と、このゲート直上傾斜面の上端と接続する上部傾斜面と、を有し、前記ゲート直上傾斜面と前記上部傾斜面のいずれにも前記空気噴射孔が穿設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,2に係る発明によれば、空気噴射孔から圧縮空気を噴射するだけで、付着した粘性土などの落下しない土砂をホッパー本体の内壁の傾斜面から浮かせて開閉ゲートから排出することができる。このため、労力をかけずに簡単に土砂が落下せずに詰まるのを解消することができる。また、土砂が自然落下せずに土砂の排出ができなくなった場合でも、人が土砂ホッパー内に入ってスコップ等で土塊を崩したり、長い棒などで開閉ゲートの下から突いたりするなどして土砂の詰まりを清掃除去したり、ゲートの下から高圧ジェット水で土砂を撤去する必要がない。このため、土砂ホッパーから土砂を排出できないことを安全に解消することができる。
また、請求項1,2に係る発明によれば、空気噴射孔ごとの圧縮空気の噴射が可能となり、コンプレッサの加圧能力を土砂が落下しない詰まった部分に集中して噴射することができる。このため、粘性土が付着して土砂が落下しない部分を、迅速に詰まりを解消して落下させることができる。
その上、請求項1,2に係る発明によれば、地上や操作台からON/OFF操作をするだけで、コンプレッサを作動又は停止して空気噴射孔から圧縮空気を噴出又は停止することが可能となる。このため、土砂が落下せず土砂ポッパーが詰まったと認識するや否や直ちに圧縮空気を噴出することができ、土砂の搬出作業が滞ることがなく、土砂の搬出作業及び掘削作業の作業効率が向上する。
【0016】
特に、請求項2に係る発明によれば、ゲート直上傾斜面と上部傾斜面のいずれにも空気噴射孔が穿設されているので、いずれの傾斜面に粘性土が付着して土砂が自然落下しない場合であっても、空気噴射孔から圧縮空気を噴射するだけで簡単に土砂の不落下(詰まり)を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る土砂ホッパーの正面図である。
【
図4】同上の土砂ホッパーの空気噴射孔と耐圧ホースとの接合部分を拡大して示す部分拡大図である。
【
図5】同上の土砂ホッパーの操作用バルブを示す部分拡大図である。
【
図6】同上の操作用バルブの集合管を示す図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る土砂ホッパー及びその使用方法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
先ず、
図1~
図3を用いて、本発明の実施形態に係る土砂ホッパー1について説明する。
図1は、土砂ホッパー1の正面図であり、
図2は、その右側面図、
図3は、平面図である。
【0020】
図1~
図3に示すように、本発明の実施形態に係る土砂ホッパー1は、土砂を貯留するホッパー本体2と、このホッパー本体2の下部に揺動自在に取り付けられて開閉する土砂排出用の開閉ゲート3と、これらを支える支持フレーム4など、から構成されている。
【0021】
この土砂ホッパー1は、ニューマチックケーソン工法などの掘削作業を伴う工事において、土砂の最終処分地に搬出するまでの間、掘削した土砂を一時的に貯留して置く土砂ホッパーである。勿論、本発明に係る土砂ホッパーは、掘削作業に用いられるものに限られず、少なくとも一時的に土砂を貯留して置くホッパーには、適用できることは云うまでもない。
【0022】
(ホッパー本体)
ホッパー本体2は、
図1~
図3に示すように、上端が開放され、下端に開閉ゲート3に連通する下端開口20が2つ並設された平面視矩形状の逆四角垂の概形からなる鋼製のホッパーである。本実施形態では、ホッパー本体2は、3600mm×3600mmの平面視正方形状となっており、50m
3程度の土砂を収容可能な大容量の大型ホッパーである。
【0023】
このホッパー本体2の内壁は、途中で傾斜角度が変わる上下2段の傾斜面となっている。このホッパー本体2の内壁下段は、開閉ゲート3の直上に位置するとともに、下端開口20の縁を形成するゲート直上傾斜面21,21と、これらのゲート直上傾斜面21,21間に位置するとともに、下端開口20の縁を形成するゲート直上鉛直面22,22と、を有している。
【0024】
また、ホッパー本体2の内壁上段は、ゲート直上傾斜面21及びゲート直上鉛直面22の上端と接続する4つの上部傾斜面23と、これらの4つの上部傾斜面23に続く角形筒状の高さ800mm程度の鉛直な内壁を有する嵩上部24と、を有している。
【0025】
そして、
図1~
図3に黒丸で示すように、ホッパー本体2には、圧縮空気を噴射する複数の空気噴射孔25が穿設されている。ゲート直上傾斜面21及びゲート直上鉛直面22には、1200mm間隔で2つずつ形成され、上部傾斜面23には、下部に1400mm間隔で2つずつ形成されている。つまり、本実施形態に係るホッパー本体2には、
図3に示すように、全部で16個の空気噴射孔25が穿設されている。
【0026】
(開閉ゲート)
開閉ゲート3は、
図1、
図2に示すように、2つの下端開口20毎に2セット設けられている。そして、各開閉ゲート3は、左右一対のバケット状のゲート本体30,30と、これらのゲート本体30,30をホッパー本体2に揺動自在に軸着する揺動軸31と、ゲート本体30,30を開閉するゲート開閉用油圧ユニット32など、から構成されている。
【0027】
ゲート本体30は、一対の扇形状の側面プレート30aと、これらの側面プレート30a同士を繋ぐ曲面状の曲面プレート30bなど、からなる鋼製の部材である。このゲート本体30は、側面プレート30aの扇形状の先端付近がゲート直上鉛直面22の外側となるホッパー本体2の外壁下部に揺動軸31で止め付けられて、揺動自在となっている。
【0028】
ゲート開閉用油圧ユニット32は、油圧で作動する油圧シリンダ32aを有し、この油圧シリンダ32aからロッド32bを進退動(伸縮)させて、ロッド32bの先端に装着されたゲート本体30を引張り又は押圧することで揺動させて開閉する仕組みとなっている。
【0029】
(支持フレーム)
支持フレーム4は、鋼材からなるフレームであり、ホッパー本体2及び土砂ホッパー1全体を支える機能を有している。この支持フレーム4は、円形鋼管からなる4本の柱材40と、これらの中央付近で連結する4本の鋼材からなる中間ビーム41と、柱材40の下端に架け渡された2本のH形鋼(H400×400×13)からなる架台42など、から構成されている。
【0030】
この支持フレーム4は、ホッパー本体2の嵩上部24の外面と接合されており、ホッパー本体2の下端開口20を所定の高さに設置できるように設定されている。
【0031】
柱材40は、平面視で4000mm間隔でホッパー本体2の四隅に設けられており、中間ビーム41は、下端開口20より下方に位置するように、その下端が地上から3800mmの高さに設置されている。このため、10tトラックなどの大型のダンプトラックが、柱材40の間及び中間ビーム41の下を通過して下端開口20の直下までそのまま進入してくることが可能となっている。
【0032】
また、この支持フレーム4には、ホッパー本体2の内部、開閉ゲート3、及びゲート開閉用油圧ユニット32をそれぞれ点検するための複数の昇降用梯子43が設置されている。
【0033】
(圧縮機構)
次に、
図4~
図6を用いて、前述の空気噴射孔25へ圧縮空気を送る圧縮機構5について説明する。
図4は、土砂ホッパー1の空気噴射孔25と耐圧ホース51との接合部分を拡大して示す部分拡大図であり、
図5は、土砂ホッパー1の操作用バルブ52を示す部分拡大図である。また、
図6は、操作用バルブ52の集合管53を示す図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が左側面図である。
【0034】
圧縮機構5は、コンプレッサ50と、このコンプレッサ50に接続された圧縮空気を送る送気管(エアーホース)である内径25mm程度の複数本の耐圧ホース51など、から構成されている。
【0035】
このコンプレッサ50は、0.4MPa以上の加圧能力を有するコンプレッサであり、0.7MPa以上の加圧能力を有する高圧コンプレッサであることがより好ましい。より高圧であれば、噴射した圧縮空気の圧力でホッパー本体2の内壁から付着した粘性土などの土砂を浮き上がらせることが容易となるからである。
【0036】
この耐圧ホース51は、
図4に示すように、前述の計16個の空気噴射孔25へ接続クランプ51a等でそれぞれ強固に接続されている。
【0037】
勿論、耐圧ホース51の空気噴射孔25への接続は、接続クランプ51aで接続されているものに限られず、耐圧ホース51が空気噴射孔25へ直接螺着されているものや、金具を用いてボルト止めされているものであっても構わない。要するに、圧縮空気の圧力に耐え得る状態で耐圧ホース51が空気噴射孔25へ強固に接続されていればよい。
【0038】
また、耐圧ホース51は、地上に設置された
図5に示す操作用バルブ52を介してコンプレッサ50に接続されている。この操作用バルブ52は、
図5に示すように、集合管53と、その集合管53に装着された4つのボールバルブ54など、から構成されている。
【0039】
集合管53は、
図6に示すように、一端が閉塞された内径100mmの4インチのガス管からなる集合管本体53aから主に構成されている。また、集合管本体53aには、端部から内部に連通する1インチの鉄ソケットからなる流入口53bと、周面から内部に連通する1インチの鉄ソケットからなる流出口53cなどが形成されている。
【0040】
なお、集合管本体53aの両端部付近の周面下部には、幅100mm、奥行50mmの鋼板からなる底面プレート53dが2つ溶接されており、操作用バルブ52が地上に載置した際に安定支持されるようになっている。このため、コンプレッサ50の圧力変動で集合管53が脈動して耐圧ホース51の接続部分が外れるおそれが低減される。
【0041】
また、耐圧ホース51は、集合管53を介して複数本に分岐されているとともに、集合管53と耐圧ホース51との間には、ボールバルブ54が装着されている。このため、ボールバルブ54を開閉することにより分岐した耐圧ホース51へのルート選択が自在となっている。よって、コンプレッサ50で加圧し圧縮空気を、ホッパー本体2の内壁に土砂が付着した部分にのみ使用することができるようになる。つまり、コンプレッサ50の加圧能力を土砂が落下しない詰まった部分に集中して用いることができる。
【0042】
この操作用バルブ52は、手動で地上からボールバルブ54を操作するものであるが、ホッパー本体2の内部が視認可能な高所に設置された仮設の操作台から有線又は無線を介して遠隔操作でバルブの開閉を行うようにしてもよい。そうすることで、土砂が自然落下しない部分を視認しながら直ちに操作が可能になるからである。
【0043】
以上説明した本発明の実施形態に係る土砂ホッパー1によれば、空気噴射孔25から圧縮空気を噴射するだけで、付着した粘性土などの落下しない土砂をホッパー本体2の内壁のゲート直上傾斜面21や上部傾斜面23から浮かせて開閉ゲート3から排出することができる。このため、労力をかけず簡単に土砂が落下せずに詰まるのを解消することができる。また、土砂が自然落下せずに土砂の排出ができなくなった場合でも、人が土砂ホッパー内に入ってスコップ等で土塊を崩したり、長い棒などで開閉ゲートの下から突いたりするなどして土砂の詰まりを清掃除去したり、ゲートの下から高圧ジェット水で土砂を撤去する必要がない。このため、土砂ホッパーから土砂を排出できないことを安全に解消することができる。
【0044】
また、土砂ホッパー1によれば、ゲート直上傾斜面21及び上部傾斜面23のいずれにも空気噴射孔25が穿設されている。このため、いずれの傾斜面に粘性土が付着して土砂が自然落下しない場合であっても、空気噴射孔25から圧縮空気を噴射するだけで簡単に土砂の不落下(詰まり)を解消することができる。
【0045】
さらに、土砂ホッパー1によれば、コンプレッサ50と空気噴射孔25との間を、ボールバルブ54を備えた操作用バルブ52を介して複数の耐圧ホース51で接続している。このため、選択した任意の空気噴射孔25へ圧縮空気の噴射が可能となり、コンプレッサ50の加圧能力を土砂が落下しない詰まった部分に集中して噴射することができる。このため、粘性土が付着して土砂が落下しない部分を、迅速に解消することができる。
【0046】
それに加え、土砂ホッパー1によれば、地上や操作台からON/OFF操作をするだけで、コンプレッサ50を作動又は停止して選択した任意の空気噴射孔25から圧縮空気を噴出又は停止することが可能となる。このため、土砂が落下せず土砂ポッパーが詰まったと認識するや否や直ちにその部分に圧縮空気を噴出することができ、土砂の搬出作業が滞ることがなく、土砂の搬出作業及び掘削作業の作業効率が向上する。
【0047】
以上、本発明の実施形態に係る土砂ホッパー及びその使用方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0048】
特に、本発明の実施形態に係る土砂ホッパーとして下端開口が2つ並設されたものを例示して説明したが、開口が1つのものや3つ以上のものであっても構わない。また、土砂ホッパーの概形が、逆四角垂状のものを例示して説明したが、土砂ホッパーの概形が、逆円錐状や逆多角垂状のものであっても構わない。要するに、ホッパーは、土砂を収容可能で下端に1つ以上の開口を有し、その開口から自然落下で土砂を排出可能であれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1:土砂ホッパー
2:ホッパー本体
20:下端開口
21:ゲート直上傾斜面(傾斜面)
22:ゲート直上鉛直面
23:上部傾斜面(傾斜面)
24:嵩上部
25:空気噴射孔
3:閉閉ゲート
30:ゲート本体
30a:側面プレート
30b:曲面プレート
31:揺動軸
32:ゲート開閉油圧ユニット
32a:油圧シリンダ
32b:ロッド
4:支持フレーム
40:柱材
41:中間ビーム
42:架台
43:昇降用梯子
5:圧縮機構
50:コンプレッサ
51:耐圧ホース
51a:接続クランプ
52:操作用バルブ
53:集合管
53a:集合管本体
53b:流入口
53c:流出口
53d:底面プレート
54:ボールバルブ