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特開2022-46565電池ホルダー、電池交換装置、電気自動車、電気自動車の取付方法
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  • 特開-電池ホルダー、電池交換装置、電気自動車、電気自動車の取付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046565
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】電池ホルダー、電池交換装置、電気自動車、電気自動車の取付方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20220315BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220315BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20220315BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220315BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20220315BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
B60L50/60
B60L53/80
H01M50/249
B60K1/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204066
(22)【出願日】2021-12-16
(62)【分割の表示】P 2020536589の分割
【原出願日】2018-12-29
(31)【優先権主張番号】201711486896.9
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201711482966.3
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519236387
【氏名又は名称】上海電巴新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI DIANBA NEW ENERGY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 1,No.4766,Jiangshan Road,Nicheng Town,Pudong New Area Shanghai 201308 China
(71)【出願人】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】12th Floor,Building C5,No.2555 Xiupu Road,Pudong New Area Shanghai 201315 China
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チャンピン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チュンホア
(72)【発明者】
【氏名】ラン、チーポー
(57)【要約】
【課題】電池ホルダー、電池交換装置、電気自動車、及び電気自動車の取付方法を開示する。
【解決手段】電池ホルダーは、電気自動車の車体に取付られてバッテリーパックを固定し、固定ブラケット、施錠機構及び複数の支持装置を備え、施錠機構は固定ブラケットに固設され、支持装置は固定ブラケットのバッテリーパックを向く一側に固設され、複数の支持装置はバッテリーパックを支持する複数の支持点を提供する。電池ホルダー及びそれを備えた電気自動車によれば、バッテリーパックの重量が同時に複数の支持装置及び施錠機構に分布でき、固定ブラケットの受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパックの作用力を小さくし、固定ブラケット上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリと電池ホルダーとの接続強度を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の車体に取付られてバッテリーパックを固定し、固定ブラケット及び施錠機構を備え、前記施錠機構が前記固定ブラケットに固設される電池ホルダーであって、
前記固定ブラケットのバッテリーパックを向く一側に固設され、前記バッテリーパックを支持する複数の支持点を提供する為に用いられる複数の支持装置をさらに備える、
ことを特徴とする電池ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願日が2017年12月29日の中国特許出願CN201711482966.3及びCN201711486896.9の優先権を主張する。本願は、上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、電気自動車の分野に関し、特に電池ホルダー、電池交換装置、電気自動車、電気自動車の取付方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電気自動車のバッテリーパック取付方式は一般には、固定式及び交換可能式に分けられ、固定式のバッテリーパックは一般には、自動車に固定され、充電時、直接自動車を充電対象とする。一方、交換可能式のバッテリーパックは、一般には、可動取付の方式を採用し、バッテリーパックをいつでも取り外して新たなバッテリーパックを交換することができる。
【0004】
新たなバッテリーパックの交換の工程において、バッテリーパックの施錠及び解錠に関する。一般には、バッテリーパックの左右両側に施錠軸が取付られ、施錠機構がバッテリーパックホルダーに固定されて電池交換装置を形成するように組み立てられ、電池交換装置全体がさらに電気自動車の車台に取付られ、施錠軸が施錠機構と係合して、バッテリーパックの施錠を実現する。
【0005】
しかしながら、上記構成形態では以下の欠陥がある。固定ブラケットにバッテリーパックの施錠軸と係合する施錠機構のみが設置され、バッテリーパックの重量が固定ブラケットの施錠機構に集中し、その結果、施錠機構の受ける力が集中し、耐用年数が短く、且つバッテリーパックと固定ブラケットとの接続強度が低い。
【0006】
新たなバッテリーパックの工程において、さらに電気接続装置に関し、施錠機構はバッテリーパックとバッテリーパックホルダーとの接続に影響を与えるだけでなく、バッテリーパックと電気接続装置との電気的接続の信頼性にも影響を与える。
【0007】
しかしながら、従来技術では、施錠機構と電気接続装置が個別に設置されているため、施錠機構がバッテリーパックを所定の位置に施錠してしまうが、バッテリーパックと電気接続装置との確実な電気的接続を実現できない、或いは、バッテリーパックと電気接続装置を確実に電気的に接続できるが、バッテリーパックを所定の位置に施錠できない場合が多い。つまり、従来技術の電池交換装置は施錠機構と電気接続装置との同期作用を実現することが困難であり、電池交換の効率及び電池交換の信頼性を損ないやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠陥を克服するために、電池交換装置及びその取付方法を提供することである。
【0009】
本発明は下記技術案によって上記技術的課題を解決する。
【0010】
電気自動車の車体に取付られてバッテリーパックを固定し、固定ブラケット及び施錠機構を備え、前記施錠機構が前記固定ブラケットに固設される電池ホルダーであって、前記電池ホルダーは、前記固定ブラケットのバッテリーパックを向く一側に固設され、前記バッテリーパックを支持する複数の支持点を提供する為に用いられる複数の支持装置をさらに備える。
【0011】
本技術案では、施錠機構と施錠軸を組み合わせてバッテリーパックの施錠を実現したうえで、バッテリーパックに複数の支持部が設置され、且つ固定ブラケットに前記支持部を支持する複数の支持装置が設置されることで、バッテリーパックの重量が同時に複数の支持装置及び施錠機構に分布でき、固定ブラケットの受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパックの作用力を小さくし、固定ブラケット上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリと電池ホルダーとの接続強度を向上させる。また、電池ホルダーは構造が簡単で、生産コストが低いとともに、過剰位置決めを回避し、それによって施錠機構を解錠できないリスクを軽減させる。
【0012】
好ましくは、前記施錠機構は施錠ベースを備え、前記施錠ベースに、開口及び前記開口から延伸するキャビティが設けられ、前記開口は前記バッテリーパックに取付られた施錠軸が前記キャビティに入るためのものであり、前記支持装置に支持溝が設けられ、前記支持溝の下面が前記キャビティの下面と同一平面上にある。
【0013】
本技術案では、支持溝の下面が施錠機構のキャビティの下面と同一平面上にあることで、バッテリーパックを固定ブラケット内にさらに安定的に固定することができ、それによってバッテリーパックの移動を安定させることができる。
【0014】
好ましくは、前記支持装置に支持溝が設けられ、前記支持装置は支持ベースを備え、前記支持ベースに、支持開口、及び前記支持開口から延伸する前記支持溝が設けられ、前記支持開口は前記バッテリーパックに取付られた支持部が前記支持溝に入るためのものである。
【0015】
本技術案では、施錠軸が施錠機構に入ると同時に、バッテリーパックの支持部が電池ホルダーの支持溝に入り、且つ施錠が所定の位置に到達すると同時に、支持部もちょうど支持ベースの支持溝内に圧設され、それによってさらにバッテリーパックを固定ブラケット内にさらに安定的に固定することができる。
【0016】
好ましくは、前記固定ブラケットは、前記支持開口の上方に位置する上部到達収容室を有し、前記上部到達収容室内に、前記バッテリーパックの支持部が前記支持開口を通過したか否かを検出するための上部到達センサが設けられ、
及び/又は、前記固定ブラケットは、前記支持溝の前端に位置する前部到達収容室を有し、前記前部到達収容室内に、前記バッテリーパックの支持部が前記支持溝の前端に入ったか否かを検出するための前部到達センサが設けられる。
【0017】
本技術案では、上部到達センサはバッテリーパックの支持部が支持開口を通過したか否かを検出し、それによってバッテリーパックが電気自動車の高さ方向において電池ホルダーに対して所定の位置に取付られているか否かを判断でき、前部到達センサはバッテリーパックの支持部が支持溝の前端に入ったか否かを検出し、それによってバッテリーパックが電気自動車の長さ方向において電池ホルダーに対して所定の位置に取付られている否かを判断でき、さらに、バッテリーパックが所定の位置に取付られている状態で電気自動車を走行させることを確保し、電気自動車の安全性を向上させることができる。
【0018】
好ましくは、前記支持装置は、少なくとも一部が前記支持溝内に位置し、前記バッテリーパックの支持部に当接する為に用いられる弾性部材をさらに備える。本技術案では、弾性部材は必ずしも支持部に接触する必要がないが、一旦接触すると、支持部と支持ベースとの剛体衝突を防止できる。
【0019】
好ましくは、前記弾性部材は順に接続される弾性パッド、弾性ハンドル及び弾性ヘッドを備え、前記弾性パッドは前記支持溝内に位置し、前記バッテリーパックの支持部に当接し、前記弾性ハンドルは前記支持ベースに穿設され、且つ前記支持ベースの壁部が前記弾性パッドと前記弾性ヘッドとの間に係設される。本技術案では、このようにして、弾性部材全体を支持ベースに安定的に取付ることができる。
【0020】
好ましくは、前記支持ベースに位置決め孔が設けられ、前記支持装置は、前記位置決め孔外に部分的に位置し、前記位置決め孔に締り嵌めされる位置決めピンをさらに備え、
及び/又は、前記支持ベースに取付孔が設けられ、前記取付孔がねじ孔であり、前記支持ベースが前記取付孔によって前記固定ブラケットに着脱可能に接続され、
及び/又は、前記支持開口はラッパ口状である。
【0021】
本技術案では、位置決めピンは位置決め孔外に部分的に位置し、位置決め孔に締り嵌めされることで、支持装置を固定ブラケットに取付る時、位置決めピンは位置決めに使用できる。取付孔はねじ孔であることで、ねじ付き締め具は取付孔を貫通して支持装置を固定ブラケットに取付ることができる。支持開口はラッパ口状であることで、支持部が支持溝に入りやすい。
【0022】
好ましくは、複数の前記支持装置は前記固定ブラケット内に前記固定ブラケットの長さ方向の両側に分布している。本技術案では、上記構成形態によって、バッテリーパックを電池ホルダーにさらに安定的に取付ることができる。好ましくは、それぞれ前記固定ブラケットの両側に位置する前記支持装置は数が同じであり、且つ前記固定ブラケットの両側に設けられる前記支持装置は一対一対応して対向して設けられる。好ましくは、前記固定ブラケット内に前記固定ブラケットの長さ方向の両側にそれぞれ前記施錠機構が設けられ、同一側に位置する前記支持装置と前記施錠機構が間隔をあけて設けられる。好ましくは、同一側に位置する前記支持装置及び前記施錠機構のうち、前記固定ブラケットの長さ方向において、前記支持装置は前記固定ブラケットの両端に分布し、前記施錠機構は前記固定ブラケットの中部に位置する。
【0023】
好ましくは、前記固定ブラケット内に前記固定ブラケットの長さ方向の両側にそれぞれ2つの前記施錠機構が設けられ、前記固定ブラケットの同一側に位置する2つの前記施錠機構は間隔をあけて設けられ、それぞれ一次施錠機構及び二次施錠機構である。本技術案では、二次施錠機構はバッテリーパックに対して二次施錠又は施錠保護機能を提供することができ、一次施錠機構が故障すると、バッテリーパックの脱落を防止し、安全性を向上させる。
【0024】
好ましくは、前記一次施錠機構は施錠リンク、少なくとも1つの一次施錠舌片、及び少なくとも1つの一次施錠ベースを備え、前記一次施錠ベースは前記固定ブラケットに固設され、一次開口、及び前記一次開口から延伸する一次キャビティが設けられ、前記一次開口は前記バッテリーパックに取付られた一次施錠軸が前記一次キャビティに入るためのものであり、施錠リンクは少なくとも1つの前記一次施錠舌片に回転可能に接続され、外力作用により前記一次施錠舌片が回転させるように前記一次施錠舌片を動かすことにより、前記一次施錠舌片を前記一次施錠ベースに対して回転可能にして一次解錠状態と一次施錠状態との間に変化させ、前記一次施錠舌片が前記一次施錠状態にある時、前記一次施錠舌片は前記一次施錠軸が前記一次開口から前記一次キャビティを離れることを阻止でき、
及び/又は、前記二次施錠機構は、
前記固定ブラケットに固設され、二次開口、及び前記二次開口から延伸する二次キャビティが設けられ、前記二次開口は前記バッテリーパックに取付られた二次施錠軸が前記二次キャビティに入るためのものである二次施錠ベースと、
前記二次施錠ベースに対して回転可能で解錠状態と施錠状態との間に変化する二次施錠舌片であって、固定して接続される二次施錠舌片本体及び二次施錠舌片拡張部を備え、前記二次施錠舌片拡張部が前記二次施錠ベースの外部に位置し、前記二次施錠舌片が前記施錠状態にある時、前記二次施錠舌片本体は前記二次施錠軸が前記二次開口から前記二次キャビティを離れることを阻止できる二次施錠舌片と、
前記二次施錠ベースに設けられ、前記二次施錠舌片に作用し、弾性変形可能であり、前記二次施錠舌片を施錠方向に回転させて前記解錠状態から前記施錠状態に復帰させるための二次復帰部材と、を備える。
【0025】
本技術案では、二次施錠機構では、二次復帰部材が設置されることで、二次施錠舌片を解錠状態から施錠状態に簡単に復帰でき、それによりバッテリーパックの取付、施錠がともに簡単になり、また、二次復帰部材の作用によって、二次施錠舌片は簡単に解錠状態に変わることがなく、施錠の信頼性が向上し、二次施錠ベースの外部に位置する二次施錠舌片拡張部が設置され、二次施錠舌片拡張部に作用することによって二次施錠舌片本体の回転を実現できるため、解錠が簡単になる。
【0026】
好ましくは、前記固定ブラケットはフレーム及び仮接続部品を備え、前記フレーム内に前記固定ブラケットの幅方向の一側にブラケット開口を有し、前記仮接続部品は前記フレーム内の、前記ブラケット開口の両端に位置する部位に着脱可能に接続され、且つ前記ブラケット開口をカバーし又は前記ブラケット開口内に位置し、
及び/又は、前記電池ホルダーは、前記固定ブラケットに設置され、電池交換設備の位置信号を検出し、且つ前記位置信号をコントローラに伝送するための急速交換センサをさらに備える。
【0027】
本技術案では、仮接続部品は前記フレーム内の、前記ブラケット開口の両端に位置する部位に着脱可能に接続されることで、バッテリーパックと電池ホルダーを電気自動車に取付た後、仮接続部品を取り外すことができ、それによって電気自動車の軽量化に有利である。
【0028】
急速交換センサは強制遮断高電圧センサであり、電池交換設備の位置信号を検出することができ、電池交換設備が所定の位置に到達すると、急速交換センサは検出した信号をコントローラに伝送し、バッテリーパックに対して遮断操作を行い、それによって遮断状態におけるバッテリーパックの交換を確保し、その安全性を向上させる。
【0029】
本発明は電池交換装置をさらに提供し、上記電池ホルダーを備え、固定ブラケットに、バッテリーパックを収容するバッテリーパック収容室が形成され、前記バッテリーパックの両側に施錠軸が設けられ、前記施錠機構が前記バッテリーパック収容室の両側に固設され、前記電池交換装置は、
前記バッテリーパック収容室内に設けられ、前記バッテリーパックの電池側コネクタを向く車体側電気コネクタをさらに備え、前記車体側電気コネクタ及び前記電池側コネクタはそれぞれ複数の対応する極柱を有し、
ここで、前記バッテリーパックの施錠軸が前記バッテリーパックの高さ方向に前記施錠機構内で所定の位置に上昇する時、前記施錠機構内での前記バッテリーパックの長さ方向に沿った前記施錠軸と施錠点との距離は、前記電池側電気コネクタと、前記車体側電気コネクタとの間の前記バッテリーパックの長さ方向に沿った隙間よりも大きく、
前記施錠軸が前記施錠機構の施錠点に到達する時、前記電池側電気コネクタの極柱が前記車体側電気コネクタの極柱に当接することを特徴とする。
【0030】
本技術案では、バッテリーパックの施錠軸が施錠機構内で所定の位置に施錠した後、電池側電気コネクタが確実に車体側電気コネクタと電気的に接続でき、それによって該電池交換装置を利用して電気自動車のバッテリーを交換する信頼性及び電池交換効率を向上させることができる。
【0031】
好ましくは、施錠機構内でのバッテリーパックの長さ方向に沿った施錠軸と施錠点との距離は第1距離であり、電池側電気コネクタの高電圧極柱と、車体側電気コネクタの高電圧極柱との間のバッテリーパックの長さ方向に沿った隙間は第2距離であり、
車体側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、車体側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、且つ車体側電気コネクタの低電圧極柱と車体側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差は第1距離と第2距離との差分以下であり、
又は、電池側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、電池側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、且つ電池側電気コネクタの低電圧極柱と電池側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差は第1距離と第2距離との差分以下である。
【0032】
本技術案では、上記高さ差と差分との関係によって、車体側電気コネクタと電池側電気コネクタを接続する時、高電圧を接続してから低電圧を接続し、低電圧が接触すると、バッテリーパック内のコンタクタ制御スイッチが高電圧を出力できる。また、車体側電気コネクタと電池側電気コネクタとの接続を遮断する時、低電圧を遮断してから高電圧を遮断するように制御し、高電圧の未遮断による極柱のアーク放電や焼結等の不良現象を防止する。
【0033】
好ましくは、車体側電気コネクタの低電圧極柱と車体側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差の範囲は0~2mmである。
【0034】
好ましくは、施錠機構内でのバッテリーパックの長さ方向に沿った施錠軸と施錠点との距離は第1距離であり、電池側電気コネクタの高電圧極柱と、車体側電気コネクタの高電圧極柱との間のバッテリーパックの長さ方向に沿った隙間は第2距離であり、
車体側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、車体側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、且つ電池側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、電池側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、
車体側電気コネクタの低電圧極柱と車体側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差と、電池側電気コネクタの低電圧極柱と電池側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差との和は、第1距離と第2距離との差分以下である。
【0035】
本技術案では、上記高さ差と差分との関係によって、車体側電気コネクタと電池側電気コネクタを接続する時、高電圧を接続してから低電圧を接続し、低電圧が接触すると、バッテリーパック内のコンタクタ制御スイッチが高電圧を出力できる。また、車体側電気コネクタと電池側電気コネクタとの接続を遮断する時、低電圧を遮断してから高電圧を遮断するように制御し、高電圧の未遮断による極柱のアーク放電や焼結等の不良現象を防止する。
【0036】
好ましくは、前記車体側電気コネクタは前記電池側電気コネクタとのフローティング電気接続に用いられ、
好適には、前記車体側電気コネクタの高電圧極柱は電気接触端子及び配線端子を有し、
高電圧極柱の電気接触端子の端面に凹溝が設けられ、凹溝が高電圧極柱の軸方向に内へと凹み、凹溝内に導電弾性部品が嵌着され、導電弾性部品が電気接触端子の接触面から突出し、好適には、導電弾性部品は導電スプリングである。
【0037】
好ましくは、施錠機構は施錠ベースを備え、施錠ベースに、開口及び開口から延伸するキャビティが設けられ、開口は施錠軸がキャビティに入るためのものであり、バッテリーパックホルダーは、開口の上方に位置する上部到達収容室を有し、上部到達収容室内に、施錠軸が開口を通過してバッテリーパックの高さ方向に施錠機構内で所定の位置に上昇したか否かを検出する上部到達センサが設けられ、
及び/又は、バッテリーパックホルダーは、キャビティの前端に位置する前部到達収容室を有し、前部到達収容室内に、施錠軸がキャビティの前端に入ってバッテリーパックの長さ方向に施錠機構内で所定の位置に施錠したか否かを検出する前部到達センサが設けられる。
【0038】
本技術案では、上部到達センサは施錠軸が施錠機構内で所定の位置に上昇したか否かを検出でき、前部到達センサは施錠軸がキャビティの前端で所定の位置に施錠し、施錠点に到達したか否かを検出でき、上部到達センサ及び前部到達センサによって、バッテリーパックの施錠信頼性を向上させることができ、さらに車体側電気コネクタと電池側電気コネクタとの電気的接続の信頼性の向上に有利であり、さらに電気自動車の電池交換の信頼性の向上に有利である。
【0039】
好ましくは、バッテリーパックホルダー内にバッテリーパックホルダーの長さ方向の両側にそれぞれ2つの施錠機構が設けられ、バッテリーパックホルダーの同一側に位置する2つの施錠機構は間隔をあけて設置され、それぞれ一次施錠機構及び二次施錠機構であり、
車体側電気コネクタはバッテリーパックホルダー内にバッテリーパックホルダーの幅方向の一側壁に設けられ、
バッテリーパックホルダーの長さ方向はバッテリーパックの長さ方向に平行である。
本技術案では、一次施錠機構が故障すると、二次施錠機構は機能してバッテリーパックの施錠軸を施錠し、バッテリーパックの脱落を防止し、それによって、電気自動車の電池交換の信頼性のさらなる向上に有利である。
【0040】
好ましくは、電池交換装置は、バッテリーパックホルダーの一次施錠機構と対向する一側に固設され、施錠リンクの移動経路に設けられ、一次施錠ベースに対する施錠リンクの運動を制限する保護施錠機構をさらに備え、
好適には、保護施錠機構は施錠リンクに対して第1位置と第2位置との間に移動可能であり、保護施錠機構が第1位置にある時、保護施錠機構は施錠リンクに作用して、一次施錠ベースに対する施錠リンクの運動を制限し、保護施錠機構が第2位置にある時、保護施錠機構は施錠リンクと分離して、一次施錠ベースに対する施錠リンクの運動を許容する。
【0041】
本技術案では、一次施錠機構が施錠軸を施錠する時、保護施錠機構は一次施錠ベースに対する施錠リンクの運動を制限することができ、それによって一次施錠機構の施錠効果を向上させることができ、一次施錠機構は施錠軸を確実に施錠できる。さらに、電気自動車の電池交換の信頼性の向上にも有利である。
【0042】
好ましくは、保護施錠機構は、
一次施錠ベースの施錠軸と対向する一側面に着脱可能に接続され、内部に収納室を有し、側壁に収納室と連通する挿通孔を有する下部筐体と、
収納室内に位置し、施錠ピンに穿設され、延出状態と没入状態との間に切り替え可能な施錠ピンと、を備え、施錠ピンが延出状態にある時、施錠ピンは第1位置にあり、施錠ピンが没入状態にある時、施錠ピンは第2位置にあり、
好適には、保護施錠機構は、施錠ピンに作用し、外力作用で施錠ピンに対して運動して施錠ピンと係合又は分離することが可能である動力ピンをさらに備え、動力ピンが施錠ピンと分離すると、動力ピンは没入方向に沿った作用力を施錠ピンに加えて、施錠ピンを没入状態にし、動力ピンが施錠ピンと係合すると、施錠ピンは延出状態にある。
【0043】
好ましくは、バッテリーパックホルダーに、上部到達センサによって検出された上部到達信号、前部到達センサによって検出された前部到達信号を電池交換設備に伝送するためのワイヤーハーネスがさらに設けられる。
【0044】
好ましくは、電池交換装置は、
バッテリーパックホルダーのバッテリーパックを向く一側に固設され、バッテリーパックを支持する複数の支持点を提供する複数の支持機構をさらに備え、
好適には、支持機構は、
支持開口、及び支持開口から延伸する支持溝が設けられ、支持開口はバッテリーパックに取付られた支持部が支持溝に入るためのものである支持ベースを備え、
好適には、複数の支持機構はバッテリーパックホルダー内にバッテリーパックホルダーの長さ方向の両側に分布し、且つバッテリーパックホルダーの両側に設置される支持機構は一対一対応して対向して設けられ、
バッテリーパックホルダー内にバッテリーパックホルダーの長さ方向の両側にそれぞれ施錠機構が設けられ、同一側に位置する支持機構と施錠機構は間隔をあけて設置される。
【0045】
本技術案では、支持機構はバッテリーパックに対する支持作用を実現でき、バッテリーパックとバッテリーパックホルダーとの取付が簡単になり、施錠機構の施錠効果の向上に有利であり、それによって電気自動車の電池交換の信頼性の向上に有利である。
【0046】
好ましくは、電池交換装置は、
バッテリーパックホルダーに設けられ、電池交換設備を感知し、且つ車体側電気コネクタと電池側電気コネクタとの電気的接続を遮断するように制御する電池交換センサをさらに備える。
【0047】
本技術案では、電池交換設備がバッテリーパックをバッテリーパックホルダーから取り外すと、電池交換センサは車体側電気コネクタと電池側電気コネクタとの電気的接続を遮断することができ、それによって電気自動車を保護することができる。
【0048】
本発明は前記電池交換装置の取付方法をさらに提供し、
施錠軸がバッテリーパックの高さ方向に沿って施錠機構内で所定の位置に上昇するまで、バッテリーパックをバッテリーパックホルダーの底部からバッテリーパックの高さ方向に沿ってバッテリーパックホルダーに装着するステップS1と、
施錠軸がバッテリーパックの長さ方向に沿って施錠機構内で施錠点に到達するまで、バッテリーパックをその長さ方向に前へと運動させるステップS2と、を含む、ことを特徴とする。
【0049】
本発明は電気自動車をさらに提供し、バッテリーパック及び施錠軸を備えるバッテリーパックアセンブリを備え、前記施錠軸が前記バッテリーパックに取付られ、前記電気自動車は前記電池ホルダーをさらに備え、前記バッテリーパックアセンブリは前記電池ホルダーに取付られ、前記施錠軸は前記施錠機構内に位置し、
前記バッテリーパックアセンブリは複数の支持部をさらに備え、複数の前記支持部は前記バッテリーパックに取付られ、複数の前記支持装置に一対一対応して設置され、前記支持装置は対応する前記支持部を支持する。
【0050】
本技術案では、前記電池ホルダーを備えた電気自動車によれば、施錠機構と施錠軸を組み合わせてバッテリーパックの施錠を実現したうえで、バッテリーパックに、それぞれ固定ブラケットの複数の支持装置と係合する複数の支持部が設置されることで、バッテリーパックの重量が同時に複数の支持装置及び施錠機構に分布でき、固定ブラケットの受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパックの作用力を小さくし、固定ブラケット上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリと電池ホルダーとの接続強度を向上させ、それによって電気自動車の安全性を向上させる。
【0051】
好ましくは、前記施錠機構は、開口、及び前記開口から延伸するキャビティが設けられる施錠ベースを備え、前記開口は前記施錠軸が前記キャビティに入るためのものであり、前記施錠軸は前記キャビティ内に位置し、
前記支持装置は、支持開口、及び前記支持開口から延伸する前記支持溝が設けられる支持ベースを備え、前記支持開口は前記支持部が前記支持溝に入るためのものであり、
前記支持部は、前記支持ベースに圧設され、且つ前記支持溝内に位置する支持軸を備える。
【0052】
本技術案では、施錠軸が開口に入ると、支持軸が支持開口に入り、施錠軸が施錠機構のキャビティに入ると、バッテリーパックの支持軸が電池ホルダーの支持溝に入り、且つ所定の位置に施錠すると同時に、支持軸もちょうど支持ベースの支持溝内に圧設され、それによってさらにバッテリーパックを固定ブラケット内により安定的に固定することができる。
【0053】
好ましくは、前記支持部は、前記支持軸に回転可能にスリーブされる軸スリーブをさらに備える。本技術案では、軸スリーブが支持軸に回転可能にスリーブされることで、軸スリーブが転がり可能であり、それによって多回取付を確保し、摩耗を低減させ、支持部の耐用年数を延ばす。
【0054】
好ましくは、前記軸スリーブの材質は弾性材質であり、
及び/又は、前記支持部は、前記支持軸にスリーブされ、且つ前記軸スリーブの一端に圧設されるガスケットをさらに備え、
及び/又は、前記支持軸は軸本体及びフランジ部を備え、前記フランジ部は前記軸本体の一端に同軸に設置され、前記軸スリーブは前記軸本体にスリーブされ、前記フランジ部は前記バッテリーパックに着脱可能に接続される。
【0055】
好ましくは、前記支持軸に電磁誘導素子が設けられ、前記電磁誘導素子は好適には磁性鋼であり、
前記固定ブラケットは、前記支持開口の上方に位置する上部到達収容室を有し、前記上部到達収容室内に、前記電磁誘導素子に作用し、前記バッテリーパックの支持部が前記支持開口を通過したか否かを検出する上部到達センサが設けられ、
及び/又は、前記固定ブラケットは、前記支持溝の前端に位置する前部到達収容室を有し、前記前部到達収容室内に、前記電磁誘導素子に作用し、前記バッテリーパックの支持部が前記支持溝の前端に入ったか否かを検出する前部到達センサが設けられる。
【0056】
本技術案では、上部到達センサは支持部の電磁誘導素子に作用し、バッテリーパックの支持部が支持開口を通過したか否かを検出し、それによってバッテリーパックが電気自動車の高さ方向において電池ホルダーに対して所定の位置に取付られたか否かを判断することができる。
【0057】
前部到達センサは支持部の電磁誘導素子に作用し、バッテリーパックの支持部が支持溝の前端に入ったか否かを検出し、それによってバッテリーパックが電気自動車の長さ方向において電池ホルダーに対して所定の位置に取付られたか否かを判断することができ、さらにバッテリーパックが所定の位置に取付られている状態で電気自動車を走行させることを確保でき、電気自動車の安全性を向上させる。
【0058】
好ましくは、前記支持軸の前記バッテリーパックから離れた一端に凹部が設けられ、前記電磁誘導素子は前記凹部内に位置し、前記支持軸の前記バッテリーパックから離れた両端面と同一平面上にある。
【0059】
好ましくは、前記支持部は、
前記支持装置に圧設される支持軸と、
前記支持軸に回転可能にスリーブされる軸スリーブと、を備える。
【0060】
好ましくは、前記電気自動車は車台をさらに備え、前記電池ホルダーは前記車台に固定される。
【0061】
本分野の常識を逸脱しない限り、上記各好適な条件を任意に組み合わせて、本発明の各好適例を得ることができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明の積極的かつ進歩的な効果は以下の通りである。
【0063】
本発明の電池ホルダー及びそれを備えた電気自動車によれば、施錠機構と施錠軸を組み合わせてバッテリーパックの施錠を実現したうえで、バッテリーパックに複数の支持部が設置され、且つ固定ブラケットに前記支持部を支持する複数の支持装置が設置されることで、バッテリーパックの重量が同時に複数の支持装置及び施錠機構に分布でき、固定ブラケットの受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパックの作用力を小さくし、固定ブラケット上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリと電池ホルダーとの接続強度を向上させる。また、本発明の電池ホルダー及びそれを備えた電気自動車は構造が簡単で、生産コストが低いとともに、過剰位置決めを回避し、それによって施錠機構を解錠できないリスクを軽減させる。本発明の電池交換装置では、バッテリーパックの施錠軸が施錠機構内で所定の位置に施錠した後、電池側電気コネクタが確実に車体側電気コネクタと電気的に接続でき、それによって該電池交換装置を用いて電気自動車のバッテリーを交換する信頼性及び電池交換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の実施例1に係る電池ホルダーの斜視構造概略図である。
図2】本発明の実施例1に係る電池ホルダーの部分概略図である。
図3】本発明の実施例1に係る電池ホルダーの別の部分概略図であり、ここで、一部が図2と重なる。
図4】本発明の実施例1に係る電池ホルダーの二次施錠機構の構造概略図である。
図5】本発明の実施例1に係る電池ホルダーの支持装置の構造概略図である。
図6】本発明の実施例1に係る電気自動車のバッテリーパックアセンブリと電池ホルダーを係合した斜視構造概略図である。
図7】本発明の実施例1に係る電気自動車のバッテリーパックアセンブリの斜視構造概略図である。
図8】本発明の実施例1に係る電気自動車のバッテリーパックアセンブリの支持部の斜視構造概略図である。
図9】本発明の実施例1に係る電気自動車のバッテリーパックアセンブリの支持部の内部構造概略図である。
図10】本発明の実施例2に係る電池交換装置の部分構造概略図である。
図11】本発明の実施例2に係る電池交換装置の別の部分構造概略図である。
図12】本発明の実施例2に係る電池交換装置における一次施錠機構の構造概略図である。
図13】本発明の実施例2に係る電池交換装置における二次施錠機構の構造概略図である。
図14】本発明の実施例2に係る電池交換装置における保護施錠機構の断面概略図であり、ここで、施錠ピンが延出状態にある。
図15】本発明の実施例2に係る電池交換装置における保護施錠機構の分解構造概略図である。
図16】本発明の実施例2に係る電池交換装置における保護施錠機構の別の断面概略図であり、ここで、施錠ピンが没入状態にある。
図17】本発明の実施例2に係る保護施錠機構における施錠ピンの構造概略図である。
図18】本発明の実施例2に係る保護施錠機構における動力ピンの構造概略図である。
図19】本発明の実施例2に係る電池交換装置における支持機構の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、実施例を参照しながら本発明をさらに説明するが、本発明を実施例の範囲に限定するものではない。
【0066】
実施例1
図1~5は本発明の一実施例によれば電池ホルダーの構造概略図を示す。図1~5に示すように、電池ホルダー10はバッテリーパック31を固定するように電気自動車の車体に取付られるために用いられ、すなわち、急速交換バッテリーパック又は充電バッテリーパックを取付ることができる。電池ホルダー10は、固定ブラケット11、施錠機構及び複数の支持装置14を備える。施錠機構は、固定ブラケット11に固設される。複数の支持装置14は、固定ブラケット11のバッテリーパック31を向く一側に固設され、バッテリーパック31を支持する複数の支持点を提供する為に用いられる。
【0067】
本実施例では、施錠機構と施錠軸を組み合わせてバッテリーパック31の施錠を実現したうえで、バッテリーパック31に複数の支持部34が設置され、且つ固定ブラケット11に前記支持部34を支持する複数の支持装置14が設置されることで、バッテリーパック31の重量が同時に複数の支持装置14及び施錠機構に分布でき、固定ブラケット11の受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパック31の作用力を小さくし、固定ブラケット11上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリ30と電池ホルダー10との接続強度を向上させる。また、電池ホルダー10は構造が簡単で、生産コストが低いとともに、過剰位置決めを回避し、それによって施錠機構を解錠できないリスクを軽減させる。
【0068】
図1に示すように、固定ブラケット11はフレーム構造である。施錠機構及び複数の支持装置14はフレーム構造のフレーム内に固定される。勿論、ほかの実施例では、固定ブラケット11は、環状側壁を有する円盤状構造、底面に開口を有する直方体構造又は板状構造であってもよいが、ここでは本発明の保護範囲を限定しない。
【0069】
ここで、固定ブラケット11はフレーム110及び仮接続部品112を備える。フレーム110内に固定ブラケットの幅方向W上の一側にブラケット開口111を有し、仮接続部品112は、フレーム110内の、ブラケット開口111の両端に位置する部位に着脱可能に接続され、且つブラケット開口111をカバーし又はブラケット開口111内に位置する。バッテリーパック31及び電池ホルダー10を電気自動車に取付た後、仮接続部品112を取り外すことができ、それによって電気自動車の軽量化に有利である。
【0070】
また、施錠機構は通常、施錠ベースを備え、施錠ベースには、開口及び開口から延伸するキャビティが設けられ、開口は、バッテリーパック31に取付られた施錠軸がキャビティに入るためのものである。支持装置14に支持溝142が設けられ、支持溝142の下面がキャビティの下面と同一平面上にある。このようにして、バッテリーパック31を固定ブラケット11内により安定的に固定することができ、それによってバッテリーパック31の移動を安定させることができる。
【0071】
一好適実施形態では、図1に示すように、固定ブラケット11内に固定ブラケットの長さ方向Lの両側にそれぞれ施錠機構が設けられ、同一側に位置する支持装置14と施錠機構が間隔をあけて設置される。ここで、固定ブラケット11の長さ方向は電気自動車の長さ方向と略同じである。
【0072】
さらに好ましくは、同一側に位置する支持装置14及び施錠機構のうち、固定ブラケットの長さ方向Lにおいて、支持装置14は固定ブラケット11の両端に分布し、施錠機構は固定ブラケット11の中部に位置する。
【0073】
図1~3に示すように、固定ブラケット11内に固定ブラケットの長さ方向Lの両側にそれぞれ2つの施錠機構が設けられる。固定ブラケット11の同一側に位置する2つの施錠機構は間隔をあけて設置され、それぞれ一次施錠機構12及び二次施錠機構13である。ここで、二次施錠機構13は一次施錠機構12とともに使用され、一次施錠機構12は公開番号がCN106427514Aの中国特許出願に開示されている「施錠装置」を参照できる。二次施錠機構13はバッテリーパック31に対する二次施錠又は施錠保護機能を提供することができ、一次施錠機構12が故障する時、バッテリーパック31の脱落を防止し、安全性を向上させる。
【0074】
また、一次施錠機構12は施錠リンク120、少なくとも1つの一次施錠舌片121及び少なくとも1つの一次施錠ベース122を備える。一次施錠ベース122は固定ブラケット11に固設される。本実施例では、固定ブラケット11のフレーム内の両側にそれぞれ3つの一次施錠ベース122及び3つの一次施錠舌片121が設けられる。図2及び図3は両側のうちの一側の部分概略図である。
【0075】
図2~3に示すように、一次施錠ベース122には、一次開口123、及び一次開口123から延伸する一次キャビティ124が設けられ、一次開口123はバッテリーパック31に取付られた一次施錠軸32が一次キャビティ124に入るためのものである。施錠リンク120は、少なくとも1つの一次施錠舌片121に回転可能に接続され、外力作用により一次施錠舌片121が回転させるように一次施錠舌片121を動かし、一次施錠舌片121を一次施錠ベース122に対して回転可能にして一次解錠状態と一次施錠状態との間に変化させる為に用いられる。一次施錠舌片121が一次施錠状態にある時、一次施錠舌片121は一次施錠軸32が一次開口123から一次キャビティ124を離れることを阻止できる。「一次施錠状態」とは、一次施錠機構12の施錠の状態というものであり、「一次解錠状態」とは、一次施錠機構12の解錠の状態というものである。
【0076】
図4に示すように、二次施錠機構13は、二次施錠ベース131、二次施錠舌片130及び二次復帰部材134を備える。二次施錠ベース131は固定ブラケット11に固設される。二次施錠ベース131には、二次開口132及び二次開口132から延伸する二次キャビティ133が設けられ、二次開口132はバッテリーパック31に取付られる二次施錠軸33(構造は一次施錠軸32と同じであり又は類似する)が二次キャビティ133に入るためのものである。
【0077】
二次施錠舌片130は、解錠状態と施錠状態との間に変化するように二次施錠ベース131に対して回転可能であり。二次施錠舌片130は、固定して接続される二次施錠舌片本体1300及び二次施錠舌片拡張部1301を備え、二次施錠舌片拡張部1301は二次施錠ベース131の外部に位置する。二次施錠舌片130が施錠状態にある時、二次施錠舌片本体1300は二次施錠軸33が二次開口132から二次キャビティ133を離れることを阻止できる。
【0078】
二次復帰部材134は、二次施錠ベース131に設けられ、二次施錠舌片130に作用する。二次復帰部材134は、弾性変形可能であり、二次施錠舌片130を施錠方向に回転させて解錠状態から施錠状態に復帰させる為に用いられる。
【0079】
二次施錠機構13では、二次復帰部材134が設置されることで、二次施錠舌片130を解錠状態から施錠状態に簡単に復帰でき、それによりバッテリーパック31の取付、施錠がともに簡単になり、また、二次復帰部材134の作用によって、二次施錠舌片130は簡単に解錠状態に変わることがなく、施錠の信頼性が向上し、二次施錠ベース131の外部に位置する二次施錠舌片130拡張部が設置され、二次施錠舌片130拡張部に作用することによって二次施錠舌片130本体の回転を実現し、解錠が簡単になる。
【0080】
本実施例では、図1~5に示すように、支持溝142の下面は一次キャビティ124の下面、二次キャビティ133の下面と同一平面上にある。支持溝142の下面、一次キャビティ124の下面及び二次キャビティ133の下面とは、いずれも使用時、地面に近い面であり、バッテリーパック31の支持部34、一次施錠軸32及び二次施錠軸33に対する支持作用を担い、同一平面上にあることでバッテリーパック31の移動を安定させることができる。
【0081】
一好適実施形態では、複数の支持装置14は固定ブラケット11内に固定ブラケットの長さ方向Lの両側に分布している。このようにして、バッテリーパック31を電池ホルダー10にさらに安定的に取付ることができる。それぞれ固定ブラケット11の両側に位置する支持装置14は数が同じであり、且つ固定ブラケット11の両側に設置される支持装置14は一対一対応して対向して設けられる。
【0082】
本実施例では、支持装置14は一次施錠ベース122、二次施錠ベース131の構造と類似し、施錠作用がなく、バッテリーパック31の支持プラットホームのみとして機能する。ほかの実施例では、ほかの同様に支持プラットホームを有する支持機構はともに適用できる。支持装置14の数は実際のバッテリーパック31の重量に応じて調整可能であり、好適には、支持装置14ごとに受ける平均重量は25KG以下である。
【0083】
図5に示すように、支持装置14は支持ベース140を備え、支持ベース140には支持開口141及び支持開口141から延伸する支持溝142が設けられ、支持開口141はバッテリーパック31に取付られた支持部34が支持溝142に入るためのものである。
【0084】
施錠軸が施錠機構に入る(本実施例では、一次施錠軸32が一次施錠機構12に入り、二次施錠軸33が二次施錠機構13に入る)と同時に、バッテリーパック31の支持部34が電池ホルダー10の支持溝142に入り、且つ所定の位置に施錠すると同時に、支持部34もちょうど支持ベース140の支持溝142内に圧設され、それによってさらにバッテリーパック31を固定ブラケット11内により安定的に固定することができる。
【0085】
また、支持装置14は弾性部材143をさらに備え、弾性部材143は、少なくとも一部が支持溝142内に位置し、バッテリーパック31の支持部34に当接するために用いられる。弾性部材143は必ずしも支持部34に接触する必要がないが、一旦接触すると、支持部34と支持ベース140との剛体衝突を防止できる。
【0086】
具体的には、弾性部材143は順に接続される弾性パッド1430、弾性ハンドル(図示せず)及び弾性ヘッド1431を備える。弾性パッド1430は支持溝142内に位置し、バッテリーパック31の支持部34に当接するために用いられる。弾性ハンドルは支持ベース140に穿設され、且つ支持ベース140の壁部が弾性パッド1430と弾性ヘッド1431との間に係設される。このようにして、弾性部材143全体を支持ベース140に安定的に取付ることができる。弾性部材143は好適にはゴムで製造される。
【0087】
さらに、支持ベース140に位置決め孔144が設けられる。支持装置14は位置決めピン145をさらに備える。位置決めピン145は位置決め孔144外に部分的に位置し、位置決め孔144に締り嵌めされる。支持装置14を固定ブラケット11に取付る時、位置決めピン145は位置決めに使用できる。
【0088】
支持ベース140に取付孔146が設けられ、取付孔146がねじ孔であり、支持ベース140が取付孔146によって固定ブラケット11に着脱可能に接続される。支持開口141はラッパ口状であり、それによって支持部34が支持溝142に入りやすい。
【0089】
図1~3及び5に示すように、固定ブラケット11は、支持開口141の上方に位置する上部到達収容室(図示せず)を有する。上部到達収容室内に、バッテリーパック31の支持部34が支持開口141を通過したか否かを検出する上部到達センサ(図示せず)が設けられ、それによってバッテリーパック31が電気自動車の高さ方向において電池ホルダー10に対して所定の位置に取付られているか否かを判断できる。
【0090】
固定ブラケット11は、支持溝142の前端に位置する前部到達収容室(図示せず)を有する。前端とは、電気自動車の長さ方向において自動車の先頭部分に近い位置というものである。前部到達収容室内に、バッテリーパック31の支持部34が支持溝142の前端に入ったか否かを検出する前部到達センサ(図示せず)が設けられる。それによって、バッテリーパック31が電気自動車の長さ方向において電池ホルダー10に対して所定の位置に取付られているか否かを判断でき、さらに、バッテリーパック31が所定の位置に取付られている状態で電気自動車を走行させることを確保し、電気自動車の安全性を向上させる。
【0091】
電池ホルダー10は、固定ブラケット11に設置される急速交換センサ(図示せず)をさらに備える。急速交換センサは、電池交換設備の位置信号を検出し、位置信号をコントローラに伝送する。急速交換センサは強制遮断高電圧センサであり、電池交換設備の位置信号を検出することができ、電池交換設備が所定の位置に到達する時、急速交換センサは検出した信号をコントローラに伝送し、バッテリーパック31に対して遮断操作を行い、それによって遮断状態におけるバッテリーパック31の交換を確保し、その安全性を向上させる。
【0092】
本発明は電気自動車をさらに提供し、図6に示すように、電気自動車はバッテリーパックアセンブリ30及び上記電池ホルダー10を備え、バッテリーパックアセンブリ30は電池ホルダー10に取付られる。本実施例では、電気自動車は車台(図示せず)をさらに備え、電池ホルダー10が車台に固定される。
【0093】
図7に示すように、バッテリーパックアセンブリ30はバッテリーパック31及び施錠軸(本実施例では、施錠軸は一次施錠軸32及び二次施錠軸33を有する)を備え、施錠軸がバッテリーパック31に取付られる。施錠軸は施錠機構内に位置する(本実施例では、一次施錠軸32は一次施錠機構12内に位置し、二次施錠軸33は二次施錠機構13内に位置する)。
【0094】
バッテリーパックアセンブリ30は複数の支持部34をさらに備え、複数の支持部34は、バッテリーパック31に取付られ、複数の支持装置14に一対一対応して設置され、支持装置14は対応する支持部34を支持する為に用いられる。
【0095】
上記電池ホルダー10を備えた電気自動車によれば、施錠機構と施錠軸を組み合わせてバッテリーパック31の施錠を実現したうえで、バッテリーパック31にそれぞれ固定ブラケット11の複数の支持装置14と係合する複数の支持部34が設置されることで、バッテリーパック31の重量が同時に複数の支持装置14及び施錠機構に分布でき、固定ブラケット11の受ける力がさらに均一であり、施錠機構に対するバッテリーパック31の作用力を小さくし、固定ブラケット11上の施錠機構の受ける力が集中することを回避し、施錠機構の耐用年数を延ばし、さらに安全性を向上させるだけでなく、バッテリーパックアセンブリ30と電池ホルダー10との接続強度を向上させ、それによって電気自動車の安全性を向上させる。
【0096】
図5及び8~9に示すように、支持部34は支持軸340を備え、支持軸340は支持ベース140に圧設され、支持溝142内に位置する。施錠軸が開口に入る(本実施例では、一次施錠軸32が一次開口123に入り、二次施錠軸33が二次開口132に入る)時、支持軸340が支持開口141に入り、施錠軸が施錠機構のキャビティ(本実施例では、一次施錠軸32が一次施錠機構12の一次キャビティ124に入り、二次施錠軸33が二次施錠機構13の二次キャビティ133に入る)時、バッテリーパック31の支持軸340が電池ホルダー10の支持溝142に入り、所定の位置に施錠すると同時に、支持軸340もちょうど支持ベース140の支持溝142内に圧設され、それによってさらにバッテリーパック31を固定ブラケット11内により安定的に固定することができる。
【0097】
また、支持部34は、支持軸340に回転可能にスリーブされる軸スリーブ341をさらに備える。軸スリーブ341が支持軸340に回転可能にスリーブされることで、軸スリーブ341が転がり可能であり、それによって多回取付を確保し、摩耗を低減させ、支持部34の耐用年数を延ばす。軸スリーブ341の材質は好適には弾性材質である。
【0098】
一好適実施形態では、支持部34は、支持軸340にスリーブされ、軸スリーブ341の一端に圧設されるガスケット342をさらに備える。支持軸340は軸本体3400及びフランジ部3401を備え、フランジ部3401は軸本体3400の一端に同軸に設置され、軸スリーブ341は軸本体3400にスリーブされ、フランジ部3401はバッテリーパック31に着脱可能に接続される。
【0099】
さらに好適には、支持軸340に電磁誘導素子343が設けられる。電磁誘導素子343は好適には磁性鋼である。支持軸340のバッテリーパック31から離れた一端に凹部344が設けられ、電磁誘導素子343が凹部344内に位置する。且つ、電磁誘導素子343は支持軸340のバッテリーパック31から離れた両端面と同一平面上にある。
【0100】
上部到達センサは電磁誘導素子343に作用し、バッテリーパック31の支持部34が支持開口141を通過したか否かを検出する為に用いられる。それによって、バッテリーパック31が電気自動車の高さ方向において電池ホルダー10に対して所定の位置に取付られているか否かを判断できる。
【0101】
前部到達センサは電磁誘導素子343に作用し、バッテリーパック31の支持部34が支持溝142の前端に入ったか否かを検出する為に用いられる。それによって、バッテリーパック31が電気自動車の長さ方向において電池ホルダー10に対して所定の位置に取付られるか否かを判断し、さらにバッテリーパック31が所定の位置に取付られている状態で電気自動車を走行させることを確保し、電気自動車の安全性を向上させる。
【0102】
続いて、主に図4~5及び図7を参照して二次施錠機構13及び支持装置14の動作プロセスを簡単に説明し、主に解錠プロセス及び施錠プロセスを含み、ここで、初期状態は全て施錠状態である。
【0103】
施錠プロセスについては、二次施錠軸33が外力作用で上へ移動し、二次開口132を通過して二次キャビティ133に入り、二次施錠軸33が二次施錠舌片130に作用して二次施錠舌片130を反時計回りに回転させると同時に、支持部34が外力作用で上へ移動し、支持開口141を通過して支持溝142に入り、二次施錠舌片130が二次復帰部材134に作用し、二次復帰部材134の付勢力を変化させ、二次施錠舌片130が所定角度回転した後、二次キャビティ133内に二次施錠軸33が通過する通路が形成され、二次施錠軸33が後から前へと運動可能であり、それと同時に、支持部34が支持溝142内で後から前へと運動可能であり、二次施錠軸33が二次施錠舌片130に接触しなくなると、二次施錠舌片130が復帰部材の作用で時計回りに回転して施錠状態に復帰し、二次施錠軸33が所定の位置に施錠すると同時に、支持部34も所定の位置に取付られる。
【0104】
解錠プロセスについては、二次施錠舌片130に作用力を加えて、二次施錠舌片130を反時計回りに回転させ、二次施錠舌片130が二次復帰部材134に作用して二次復帰部材134の付勢力を変化させ、二次施錠舌片130が所定角度回転した後、二次キャビティ133内に二次施錠軸33が通過する通路が形成され、二次施錠軸33が前から後へと運動可能であり、さらに二次開口132を通過して下へと運動し、二次施錠機構13から離間し、それと同時に、支持部34が支持溝142内で前から後へと運動可能であり、さらに支持開口141を通過して下へと運動し、支持装置14から離間する。
【0105】
実施例2
本実施例は電気自動車に対して電池交換を行うための電池交換装置を開示する。図10及び図11に示すように、電池交換装置は、バッテリーパックホルダー60(該バッテリーパックホルダーは実施例1の電池ホルダーに対応する)、及び車体側電気コネクタ50を備える。ここで、バッテリーパックホルダーの固定ブラケットには、バッテリーパック(図示せず)を収容するバッテリーパック収容室602が形成され、バッテリーパックの両側に施錠軸が設けられ、施錠機構がバッテリーパック収容室602の両側に固設される。車体側電気コネクタ50は、バッテリーパック収容室602内にバッテリーパックの電池側電気コネクタを向く一側に設けられる。ここで、バッテリーパックの施錠軸がバッテリーパックの高さ方向に沿って施錠機構内で所定の位置に上昇する時、施錠機構内でのバッテリーパックの長さ方向に沿った施錠軸と施錠点との距離は、電池側電気コネクタと、車体側電気コネクタ50との間のバッテリーパックの長さ方向に沿った隙間よりも大きい。施錠軸が施錠機構の施錠点に到達する時、電池側電気コネクタが車体側電気コネクタ50に締り嵌めされる。
【0106】
本実施形態では、バッテリーパックの施錠軸が施錠機構内で所定の位置に施錠した後、電池側電気コネクタが確実に車体側電気コネクタ50と電気的に接続でき、それによって該当電池交換装置を利用して電気自動車に対する電池交換の信頼性及び効率を向上させることができる。
【0107】
説明を容易にするために、施錠機構内でのバッテリーパックの長さ方向に沿った施錠軸と施錠点との距離を第1距離、電池側電気コネクタの高電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との間のバッテリーパックの長さ方向に沿った隙間を第2距離、と呼ぶ。本実施形態では、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱の高さは、車体側電気コネクタ50の高電圧極柱の高さよりも低く、且つ車体側電気コネクタ50の低電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との高さ差は第1距離と第2距離との差分以下である。
【0108】
本実施形態では、上記高さ差と差分との関係によって、車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタを接続する時、高電圧を接続してから低電圧を接続し、低電圧接触をした限り、バッテリーパックにおる接触器制御スイッチが高電圧を出力できる。また、車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタとの接続を遮断する時、低電圧を遮断してから高電圧を遮断するように制御し、高電圧の未遮断による極柱のアーク放電や焼結等の不良現象を防止する。好適には、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との高さ差の範囲は0~2mmである。且つ、本実施形態では、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との高さ差は1mmである。
【0109】
なお、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との高さ差は、車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタを実現できるうえで、0から第1距離と第2距離との差分までの任意の数値であってもよい。
【0110】
ほかの代替可能な実施形態では、電池側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、電池側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、且つ電池側電気コネクタの低電圧極柱と電池側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差は第1距離と第2距離との差分以下であるようにしてもよい。
【0111】
別の代替可能な実施形態では、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱の高さは、車体側電気コネクタ50の高電圧極柱の高さよりも低く、且つ電池側電気コネクタの低電圧極柱の高さは、電池側電気コネクタの高電圧極柱の高さよりも低く、車体側電気コネクタ50の低電圧極柱と車体側電気コネクタ50の高電圧極柱との高さ差と、電池側電気コネクタの低電圧極柱と電池側電気コネクタの高電圧極柱との高さ差との和は、第1距離と第2距離との差分以下であるようにしてもよい。
【0112】
本実施形態では、電池側電気コネクタは車体側電気コネクタにフローティングするように電気的に接続され、図10中の車体側電気コネクタ50の高電圧極柱は電気接触端子502及び配線端子501を有する。高電圧極柱の電気接触端子502の端面に凹溝(図示せず)が設けられ、凹溝が高電圧極柱の軸方向に内へ凹み、凹溝内に導電弾性部品(図示せず)が嵌着され、導電弾性部品が電気接触端子502の接触面から突出している。好適には、導電弾性部品は導電スプリングである。また、車体側電気コネクタ50はフレキシブル電気接続部品(図示せず)及び高電圧プラグを備え、フレキシブル電気接続部品の一端が高電圧極柱の配線端子501にフローティングするように電気的に接続される。高電圧プラグは、フレキシブル電気接続部品の他端にフローティングするように電気的に接続される。
【0113】
本実施形態では、施錠機構は施錠ベースを備え、施錠ベースには、開口、及び開口から延伸するキャビティが設けられ、開口は、施錠軸がキャビティに入るためのものである。バッテリーパックホルダー60は、開口の上方に位置する上部到達収容室を有し、上部到達収容室内には、施錠軸が開口を通過した且つバッテリーパックの高さ方向に沿って施錠機構内で所定の位置に上昇したか否かを検出する上部到達センサが設けられる。バッテリーパックホルダー60は、キャビティの前端に位置する前部到達収容室をさらに有し、前部到達収容室内には、施錠軸がキャビティの前端に入ってバッテリーパックの長さ方向に沿って施錠機構内で所定の位置に施錠したか否かを検出する前部到達センサが設けられる。
【0114】
本実施形態では、上部到達センサは施錠軸が施錠機構内で所定の位置に上昇したか否かを検出でき、前部到達センサは施錠軸がキャビティの前端で所定の位置に施錠し、施錠点に到達したか否かを検出でき、上部到達センサ及び前部到達センサによって、バッテリーパックの施錠信頼性を向上させることができ、さらに車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタとの電気的接続の信頼性の向上に有利であり、さらに電気自動車の電池交換の信頼性の向上に有利である。
【0115】
図10に示すように、バッテリーパックホルダー60には、上部到達センサによって検出された上部到達信号、前部到達センサによって検出された前部到達信号を電池交換設備に伝送する為に用いられるワイヤーハーネス70がさらに設けられる。
【0116】
図10及び図11を参照して理解したところ、バッテリーパックホルダー60内にバッテリーパックホルダー60の長さ方向の両側にそれぞれ2つの施錠機構が設けられ、バッテリーパックホルダー60の同一側に位置する2つの施錠機構は間隔をあけて設置され、且つ2つの施錠機構はそれぞれ一次施錠機構20及び二次施錠機構30である。車体側電気コネクタ50はバッテリーパックホルダー60内にバッテリーパックホルダー60の幅方向の一側壁に設けられる。バッテリーパックホルダー60の長さ方向はバッテリーパックの長さ方向に平行である。ここで、一次施錠機構20が故障すると、二次施錠機構30は機能し、バッテリーパックの施錠軸を施錠し、バッテリーパックの脱落を防止し、それによって、電気自動車の電池交換の信頼性のさらなる向上に有利である。
【0117】
図10~12を参照して理解したところ、一次施錠機構20は施錠リンク201、少なくとも1つの一次施錠舌片202、及び少なくとも1つの一次施錠ベース203を備え、一次施錠ベース203はバッテリーパックホルダー60に固設され、一次施錠ベース203に、一次開口及び一次開口から延伸する一次キャビティ204が設けられ、一次開口はバッテリーパックの一次施錠軸が一次キャビティ204に入るためのものであり、施錠リンク201は少なくとも1つの一次施錠舌片202に回転可能に接続され、外力作用により一次施錠舌片202が回転させるように一次施錠舌片202を動かし、一次施錠舌片202を一次施錠ベース203に対して回転可能にして一次解錠状態と一次施錠状態との間に変化させ、一次施錠舌片202が一次施錠状態にある時、一次施錠舌片202は一次施錠軸が一次開口から一次キャビティ204を離れることを阻止できる。施錠リンク201の一次施錠ベース203を向く一側に解錠塊205がさらに設けられ、解錠塊205は施錠リンク201から外へ形成された弧状突起であり、解錠塊205のトップ部は施錠リンク201へ凹んだ内弧溝である。本実施形態では、一次施錠舌片202及び一次施錠ベース203の数はそれぞれ3つである。
【0118】
図10及び図13を参照して理解したところ、二次施錠機構30は二次施錠ベース301、二次施錠舌片302及び二次復帰部材303を備える。ここで、二次施錠ベース301はバッテリーパックホルダー60に固設され、二次施錠ベース301に、二次開口3011及び二次開口3011から延伸する二次キャビティ3012が設けられ、二次開口3011はバッテリーパックの二次施錠軸が二次キャビティ3012に入るためのものである。二次施錠舌片302は二次解錠状態と二次施錠状態との間に変化するように二次施錠ベース301に対して回転可能であり、二次施錠舌片302は固定して接続される二次施錠舌片本体3021及び二次施錠舌片拡張部3022を備え、二次施錠舌片拡張部は二次施錠ベース301の外部に位置し、二次施錠舌片302が二次施錠状態にある時、二次施錠舌片本体3021は二次施錠軸が二次開口3011から二次キャビティ3012を離れることを阻止できる。二次復帰部材303は、二次施錠ベース301に設けられ、二次施錠舌片302に作用し、弾性変形可能であり、二次解錠状態から二次施錠状態に復帰させるように二次施錠舌片302を施錠方向に回転させる為に用いられる。
【0119】
図10図11及び図14~16を参照して理解したところ、電池交換装置は保護施錠機構10をさらに備える。保護施錠機構10はバッテリーパックホルダー60の一次施錠機構と対向する一側に固設され、施錠リンク201の移動経路に設けられ、一次施錠ベース203に対する施錠リンク201の運動を制限する。保護施錠機構10は施錠リンク201に対して第1位置と第2位置との間を移動可能である。ここで、保護施錠機構10が第1位置にある時、保護施錠機構10は施錠リンク201に作用して、一次施錠ベース203に対する施錠リンク201の運動を制限し、保護施錠機構10が第2位置にある時、保護施錠機構10は施錠リンク201と分離して、一次施錠ベース203に対する施錠リンク201の運動を許容する。
【0120】
一次施錠機構20が施錠軸を施錠する時、保護施錠機構10は一次施錠ベース203に対する施錠リンク201の運動を制限することができ、それによって、一次施錠機構20の施錠効果を向上させることができることで、一次施錠機構20が施錠軸を確実に施錠することができる。さらに、電気自動車の電池交換の信頼性の向上にも有利である。
【0121】
図11図14~18を参照して理解したところ、保護施錠機構10は第1下部筐体101及び施錠ピン102を備える。第1下部筐体101は一次施錠ベース203の施錠軸と対向する一側面に着脱可能に接続され、第1下部筐体101の内部には第1収納室1011を有し、下部筐体の側壁には、第1収納室1011と連通する挿通孔1012を有する。施錠ピン102は第1収納室1011内に位置し、挿通孔1012に穿設され、延出状態と没入状態との間で切り替え可能である。ここで、施錠ピン102は延出状態にある時、施錠ピン102は第1位置にあり、施錠ピン102は没入状態にある時、施錠ピン102は第2位置にある。施錠ピン102の延出及び没入を制御することで、施錠ピン102の第1位置と第2位置との切り替えを実現でき、構造が簡単で、実現しやすい。また、図2に示すように、バッテリーパックホルダー60に貫通孔601が設けられ、施錠ピン102が貫通孔601によって第1位置と第2位置との間で切り替えられる。
【0122】
保護施錠機構10は動力ピン103、第1電磁誘導素子104及び第1弾性素子105をさらに備える。動力ピン103は、施錠ピン102に作用し、施錠ピン102と係合又は分離するように施錠ピン102に対して運動可能である。第1電磁誘導素子104は、動力ピン103に設けられ、外部電磁設備の作用により、動力ピン103が施錠ピン102の没入方向に沿った作用力を施錠ピン102に加えるように動力ピン103を動かす為に用いられる。第1弾性素子105は施錠ピン102のキャビティから離れた一端に接続され、施錠ピン102と第1収納室1011の内壁面との間に当接され、第1弾性素子105は施錠ピン102の延出方向に沿った作用力を施錠ピン102に加える為に用いられる。ここで、第1電磁誘導素子104が外部電磁設備と吸着する時、動力ピン103は施錠ピン102と分離し、没入方向に沿った作用力を施錠ピン102に加え、施錠ピン102を没入状態にさせ、第1電磁誘導素子104が外部電磁設備と分離する時、第1弾性素子105は延出方向に沿った作用力を施錠ピン102に加え、動力ピン103が施錠ピン102と係合して施錠ピン102を延出状態にさせる。
【0123】
本実施形態では、第1電磁誘導素子104が外部電磁設備と吸着する時、動力ピン103は施錠ピン102から離れる方向へ運動し、没入方向に沿った作用力を施錠ピン102に加えて、施錠ピン102を没入させ、施錠ピン102が第1弾性素子105を押出し、動力ピン103が施錠ピン102と完全に分離する時、第1弾性素子105は回復力を施錠ピン102に提供して、施錠ピン102を動力ピン103と係合するための位置に復帰させる。第1電磁誘導素子104が外部電磁設備と分離する時、動力ピン103は施錠ピン102に近接する方向へ運動して、施錠ピン102と係合し、施錠ピン102を延出状態にさせる。また、本実施形態では、磁気吸着の方式によって動力ピン103と施錠ピン102の係合及び分離を制御し、さらに施錠ピン102の延出及び没入を制御し、制御方法が簡単で、制御効率が高い。
【0124】
施錠ピン102は実行部1021及び接続部1022を有する。接続部1022は実行部1021の一次キャビティ204から離れた一端に接続され、動力ピン103を収納するための第2収納室1023を有する。ここで、第1弾性素子105は、接続部1022の実行部1021から離れた一端に接続され、接続部1022と第1収納室1011の内壁面との間に当接され、延出方向に沿った作用力を接続部1022に加える。動力ピン103が施錠ピン102と係合する時、動力ピン103の施錠ピン102に近接する一端が第2収納室1023に係合され、内嵌接続に属し、占有空間が少ない。
【0125】
本実施形態では、接続部1022の長さ方向と動力ピン103との高さ方向は第1夾角をなし、第2収納室1023は動力ピン103の高さ方向に沿って延伸することで、動力ピン103は施錠ピン102に対して動力ピン103の高さ方向に沿って運動する。
【0126】
動力ピン103はその高さ方向に沿ってヘッド端及びテール端を有し、動力ピン103のヘッド端が第2収納室1023に嵌着され、第1電磁誘導素子104が動力ピン103のテール端に設けられる。第2収納室1023の内壁面に第1傾斜部1024を有し、動力ピン103のヘッド端には、第1傾斜部1024と一致する第2傾斜部1032を有する。ここで、動力ピン103が施錠ピン102と係合する時、第1傾斜部1024は第2傾斜部1032に密着し、動力ピン103が施錠ピン102と分離する時、第2傾斜部1032は第1傾斜部1024に対して下へと運動し、没入方向に沿った作用力を施錠ピン102に加えて、施錠ピン102を没入状態にさせる。
【0127】
本実施形態では、第1傾斜部1024と第2傾斜部1032の協働を巧妙に利用し、動力ピン103が施錠ピン102から離れる方向へ運動する時、第1傾斜部1024は第2傾斜部1032に対してスライドし、第1傾斜部1024が第2傾斜部1032に加える摩擦力を没入方向に沿った分力に分解でき、該分力の作用で、施錠ピン102が没入する。
【0128】
第2収納室1023の内壁面には凹部1025をさらに有し、動力ピン103のヘッド端は凹部1025に一致する突出部を有する。第2収納室1023の内壁面には2つの第1傾斜部1024を有し、2つの第1傾斜部1024が凹部1025の両側に対向して設けられる。本実施形態では、凹部1025は動力ピン103に対する制限作用を発揮でき、動力ピン103と施錠ピン102の確実な係合に有利であり、それによって施錠ピン102の安定的な延出に有利であり、それによって施錠軸の確実な施錠に有利である。
【0129】
第1電磁誘導素子104は動力ピン103のテール端に嵌着される。このようにして、第1電磁誘導素子104は動力ピン103の外部の空間を別途占有することがなく、空間利用率の向上に有利である。また、第1電磁誘導素子104の保護にも有利である。
【0130】
また、動力ピン103のテール端に第2弾性素子106がスリーブされ、第2弾性素子106は接続部1022に近接する方向に沿った作用力を動力ピン103に加え、ここで、第2弾性素子106が動力ピン103に加える作用力は動力ピン103の重力よりも大きい。本実施形態では、動力ピン103が施錠ピン102と係合する時、第2弾性素子106が動力ピン103に加える作用力によって、動力ピン103が重力の作用で脱落することを回避し、それによって動力ピン103と施錠ピン102との係合の信頼性をさらに向上させる。動力ピン103が施錠ピン102に近接する方向へ運動する必要がある時、第2弾性素子106が動力ピン103に加える作用力は動力ピン103の重力に抵抗して、動力ピン103を施錠ピン102に近接する方向へ確実に運動させることができる。
【0131】
保護施錠機構10は第2下部筐体107をさらに備え、第2下部筐体107は第1下部筐体101の底部に接続され、第3収納室1071を有し、第3収納室1071が第1収納室1011と連通し、動力ピン103が第3収納室1071内に位置する。第2下部筐体107の中心軸線と第1下部筐体101の中心軸線は第2夾角をなし、第2夾角は第1夾角に等しい。
【0132】
また、動力ピン103の外壁面には、第2弾性素子106の両端に対応する位置にそれぞれストッパ部1031が設けられ、第2弾性素子106が2つのストッパ部1031の間に係設される。つまり、本実施形態では、第2弾性素子106全体は動力ピン103の外壁面にスリーブされ、且つ第2弾性素子106はスプリングである。ここで、ストッパ部1031の主な作用は動力ピン103の高さ方向における第2弾性素子106の運動を制限するように第2弾性素子106を位置決めするものである。
【0133】
また、保護施錠機構10は、第1下部筐体101に圧設して着脱可能に接続される上部筐体108をさらに備える。上部筐体108は施錠ピン102、動力ピン103等に対して固定及び保護作用を発揮できる。上部筐体108は第4収納室1081を有し、第4収納室1081内に第1センサ1082が設けられ、実行部1021に第2電磁誘導素子1026が設けられる。ここで、第1センサ1082は第2電磁誘導素子1026に作用して、実行部1021の延出状態を検出する。第4収納室1081内に第2センサ1083が設けられ、第2センサ1083は第2電磁誘導素子1026に作用して、実行部1021の没入状態を検出する。ここで、第2センサ1083は第1センサ1082よりも動力ピン103に近接している。第1センサ1082、第2センサ1083及び第2電磁誘導素子1026によって、施錠ピン102が何時延出状態、没入状態にあることを確実に検出でき、一次施錠機構20によるバッテリーパックの解錠及び施錠に有利である。また、本実施形態では、第1電磁誘導素子104及び第2電磁誘導素子1026はともに磁性鋼である。
【0134】
また、本実施形態では、保護施錠機構10は動力ピン103を電磁吸着することで施錠ピン102の延出及び没入を実現し、且つ施錠ピン102の延出及び没入は同一直線方向上にある。ほかの代替可能な実施形態では、ほかの駆動方式(非電磁駆動方式)によって施錠ピン102の延出及び没入を実現してもよく、施錠ピン102の移動経路を曲線にしてもよく、施錠ピン102以外の構造、例えばクランク機構、ロッカー機構によって、保護施錠機構を第1位置と第2位置との間で切り替えることができる。
【0135】
図10及び図19を参照して理解したところ、電池交換装置は複数の支持機構40をさらに備える。複数の支持機構40は、バッテリーパックホルダー60のバッテリーパックを向く一側に固設され、バッテリーパックを支持する複数の支持点を提供する為に用いられる。具体的には、支持機構40は支持ベース401を備え、支持ベース401には、支持開口402及び支持開口402から延伸する支持溝403が設けられ、支持開口402はバッテリーパックに取付られた支持部が支持溝403に入るためのものである。複数の支持機構40は、バッテリーパックホルダー60におるバッテリーパックホルダー60の長さ方向の両側に分布し、バッテリーパックホルダー60の両側に設置される支持機構40は一対一対応して対向して設けられる。バッテリーパックホルダー60内にバッテリーパックホルダー60の長さ方向の両側にそれぞれ施錠機構が設けられ、同一側に位置する支持機構40と施錠機構が間隔をあけて設置される。支持機構40はバッテリーパックに対して支持する役割を果たせ、バッテリーパックとバッテリーパックホルダー60との取付が簡単になり、施錠機構の施錠効果の向上に有利であり、それによって電気自動車の電池交換の信頼性の向上に有利である。
【0136】
また、本実施形態では、図10中のバッテリーパックホルダー60に、電池交換設備を感知し、車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタとの電気的接続を遮断するように制御するための電池交換センサ(図示せず)がさらに設けられる。電池交換設備がバッテリーパックをバッテリーパックホルダー60から取り外す時、電池交換センサは車体側電気コネクタ50と電池側電気コネクタとの電気的接続を遮断することができ、それによって電気自動車を保護することができる。
【0137】
本実施例は電池交換装置の取付方法をさらに開示し、取付方法は、
施錠軸がバッテリーパックの高さ方向に沿って施錠機構内で所定の位置に上昇するまでに、バッテリーパックをバッテリーパックホルダーの底部からバッテリーパックの高さ方向に沿ってバッテリーパックホルダーに装着するステップ1と、
施錠軸がバッテリーパックの長さ方向に沿って施錠機構内で施錠点に到達するまでに、バッテリーパックをその長さ方向に前へと運動させるステップ2と、を含む。
【0138】
本実施例に係る電池交換装置については、バッテリーパックの施錠軸が施錠機構内で所定の位置に施錠した後、電池側電気コネクタが確実に車体側電気コネクタと電気的に接続でき、それによって該電池交換装置を利用して電気自動車の電池交換の信頼性及び電池交換効率を向上させることができる。
【0139】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、当業者であれば、これらは単に例示的な説明であり、本発明の原理及び趣旨を逸脱せずに、これらの実施形態に対して種々の変更や変形を行うことができると理解できるだろう。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲により定められている。
【符号の説明】
【0140】
実施例1
電池ホルダー:10;固定ブラケット:11;フレーム:110;ブラケット開口:111;仮接続部品:112;一次施錠機構:12;施錠リンク:120;一次施錠舌片:121;一次施錠ベース:122;一次開口:123;一次キャビティ:124;二次施錠機構:13;二次施錠舌片:130;二次施錠舌片本体:1300;二次施錠舌片拡張部:1301;二次施錠ベース:131;二次開口:132;二次キャビティ:133;二次復帰部材:134;支持装置:14;支持ベース:140;支持開口:141;支持溝:142;弾性部材:143;弾性パッド:1430;
弾性ヘッド:1431;位置決め孔:144;位置決めピン:145;取付孔:146;バッテリーパックアセンブリ:30;バッテリーパック:31;一次施錠軸:32;二次施錠軸:33;支持部:34;支持軸:340;軸本体:3400;フランジ部:3401;軸スリーブ:341;ガスケット:342;電磁誘導素子:343;凹部:344;固定ブラケットの幅方向:W;固定ブラケットの長さ方向:L
実施例2
10保護施錠機構;101第1下部筐体;1011第1収納室;1012挿通孔;102施錠ピン;1021実行部;1022接続部;1023第2収納室;1024第1傾斜部;1025凹部;1026第2電磁誘導素子;103動力ピン;1031ストッパ部;1032第2傾斜部;104第1電磁誘導素子;105第1弾性素子;106第2弾性素子;107第2下部筐体;1071第3収納室;108上部筐体;1081第4収納室;1082第1センサ;1083第2センサ;20一次施錠機構;201施錠リンク;202一次施錠舌片;203一次施錠ベース;204一次キャビティ;205解錠塊;30二次施錠機構;301二次施錠ベース;3011二次開口;3012二次キャビティ;302二次施錠舌片;3021二次施錠舌片本体;3022二次施錠舌片拡張部;303二次復帰部材;40支持機構;401支持ベース;402支持開口;403支持溝;50車体側電気コネクタ;501配線端子;502電気接触端子;60バッテリーパックホルダー;601貫通孔;602バッテリーパック収容室;70ワイヤーハーネス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを固定するために電気自動車の本体に装着される電池ホルダーであって、前記電池ホルダーは、固定ブラケットと施錠機構とを備え、前記施錠機構は、前記固定ブラケットに固定され、
前記電池ホルダーは、
複数の支持装置であって、前記支持装置は、前記バッテリパックに対向する前記固定ブラケットの片側に固定され、前記複数の支持装置は、前記バッテリパックを支持する複数の支持点を提供する、前記複数の支持装置、
を更に含み、
前記複数の支持装置は、前記固定ブラケットの長さ方向における前記固定ブラケットの両側に分散配置され、
前記固定ブラケットの長さ方向において、前記固定ブラケットの両側には、施錠機構が共に配置され、前記施錠機構は、一次施錠機構と二次施錠機構とであり、
前記二次施錠機構は、
二次施錠ベースであって、前記二次施錠ベースは、前記固定ブラケットに固定され、前記二次施錠ベースは、二次開口と前記二次開口から延伸する二次キャビティとが設けられ、前記二次開口はバッテリパックに取り付けられた二次施錠軸が二次キャビティに入るためのものである、前記二次施錠ベースと、
二次施錠舌片であって、前記二次施錠舌片は、解除状態と施錠状態との間で変化するように前記二次施錠ベースに対して回転可能であり、前記二次施錠舌片は、固定して接続された二次施錠舌片本体と二次施錠舌片拡張部とを含み、前記二次施錠舌片拡張部は、前記二次施錠ベースの外部に位置し、前記二次施錠舌片が前記施錠状態にあるとき、前記二次施錠舌片本体は、前記二次施錠軸が前記二次キャビティから離れることを阻止できる、前記二次施錠舌片と、
二次復帰部であって、前記二次復帰部は、前記二次施錠ベースに配置され、前記二次復帰部は、前記二次施錠舌片に作用し、前記二次復帰部は弾性変形可能であり、前記二次復帰部は、前記二次施錠舌片を施錠方向に回転させて前記解除状態から前記施錠状態に復帰させる、前記二次復帰部と、
を含む、
ことを特徴とする、電池ホルダー。
【請求項2】
前記施錠機構は、施錠ベースを含み、
前記施錠ベースには、開口と、前記開口から延びるキャビティとが設けられ、
前記開口は、前記バッテリパックに取り付けられた施錠軸が前記キャビティに入るためのものであり、
前記支持装置には、支持溝が設けられ、前記支持溝の下面が前記キャビティの下面と同一平面内にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池ホルダー。
【請求項3】
前記支持装置には、支持溝が設けられ、
前記支持装置は、支持ベースを備え、
前記支持ベースには、支持開口と、前記支持開口から延伸する前記支持溝とが設けられ、前記支持開口は、前記バッテリパックに取り付けられた支持部が前記支持溝に入るためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池ホルダー。
【請求項4】
前記固定ブラケットは、上位置収容室を有し、
前記上位置収容室は、前記支持開口の上に位置し、
前記上位置収容室には、上位置センサが設けられ、前記上位置センサは、前記バッテリパックの支持部が前記支持開口を通過したか否かを検出するために用いられ、
及び/又は、固定ブラケットは、前方位置収容室を有し、前方位置収容室は、前記支持溝の前端に位置し、前記前方位置収容室には前方位置センサが設けられ、前記前方位置センサは、前記バッテリパックの支持部が前記支持溝の前端に進入したか否かを検出するために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の電池ホルダー。
【請求項5】
前記支持装置は、弾性部材を更に有し、
前記弾性部材は、少なくとも部分的に前記支持溝内に位置し、前記弾性部材は、前記バッテリパックの前記支持部に当接するために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の電池ホルダー。
【請求項6】
前記弾性部材は、順に接続された弾性パッドと、弾性ハンドルと、弾性ヘッドとを備え、
前記弾性パッドは、前記支持溝内に位置し、前記弾性パッドは、前記バッテリパックの前記支持部に当接するために用いられ、
前記弾性ハンドルは、前記支持ベースを通り、前記支持ベースの壁部が前記弾性パッドと前記弾性ヘッドとの間にクランプされる、
ことを特徴とする請求項5に記載の電池ホルダー。
【請求項7】
前記支持ベースには、位置決め孔が設けられ、
前記支持装置は、位置決めピンをさらに含み、前記位置決めピンは、前記位置決め孔の外側に部分的に位置し、前記位置決めピンは、前記位置決め孔に締り嵌めされており、
及び/又は、前記支持ベースには、取付孔が設けられ、前記取付孔はねじ孔であり、前記支持ベースは、前記取付孔を介して前記固定ブラケットに着脱可能に接続され、
及び/又は、支持開口は、ラッパ口状である、
ことを特徴とする請求項3に記載の電池ホルダー。
【請求項8】
前記固定ブラケットの両側に位置する前記支持装置の数は、同じであり、
前記固定ブラケットの両側に配置される前記支持装置は、一対一対応して対向して設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池ホルダー。
【請求項9】
同一側に位置する前記支持装置及び前記施錠機構のうち、前記固定ブラケットの長さ方向において、前記支持装置は、前記固定ブラケットの両端に分布し、
前記施錠機構は、前記固定ブラケットの中部に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池ホルダー。
【請求項10】
前記一次施錠機構は、施錠リンクと、少なくとも1つの一次施錠舌片と、少なくとも1つの一次施錠ベースと、を備え、
前記一次施錠ベースは、前記固定ブラケットに固定され、前記一次施錠ベースには、一次開口と、前記一次開口から延伸する一次キャビティとが設けられ、前記一次開口は、前記バッテリパックに取り付けられた一次施錠軸が前記一次キャビティに入るためのものであり、
前記施錠リンクは、前記少なくとも1つの一次施錠舌片と回転可能に接続され、外力作用により前記一次施錠舌片が回転するように前記一次施錠舌片を動かすことにより、前記一次施錠舌片を前記一次施錠ベースに対して回転可能にして一次解錠状態と一次施錠状態との間で変化させ、前記一次施錠舌片が前記一次施錠状態にある時、前記一次施錠舌片は前記一次施錠軸が前記一次開口から前記一次キャビティを離れることを阻止できる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池ホルダー。
【請求項11】
前記固定ブラケットは、フレームと仮接続部品とを備え、
前記フレーム内に前記固定ブラケットの幅方向の一側にブラケット開口を有し、前記仮接続部品は、前記フレームの前記ブラケット開口の両端部の部分に着脱可能に接続され、前記ブラケット開口を覆うか、又は前記ブラケット開口に位置し、
前記電池ホルダーは、急速交換センサを更に含み、
前記急速交換センサは、前記固定ブラケットの上に配置され、前記急速交換センサは、電池交換設備の位置信号を検出し、前記位置信号をコントローラに伝送するために使用される、
ことを特徴とする請求項1~請求項10の何れか1項に記載の電池ホルダー。
【請求項12】
バッテリパック組立体を含み、前記バッテリパック組立体は前記バッテリパックと施錠軸とを含み、前記施錠軸は前記バッテリパックに設けられた、電気自動車であって、
前記電気自動車は、請求項1に記載の電池ホルダーを更に含み、
前記バッテリパック組立体は、前記電池ホルダーに装着され、
前記施錠軸は、前記施錠機構に位置しており、
前記バッテリパック組立体は、複数の支持部を更に含み、
前記複数の支持部は、前記バッテリパックに設けられ、前記複数の支持装置と一対一で対応するよう設置され、
前記支持装置は、対応して前記支持部を支持するために用いられる、
ことを特徴とする、電気自動車。
【請求項13】
前記施錠機構は、施錠ベースを含み、
前記施錠ベースには、開口と、前記開口から延在するキャビティとが設けられ、
前記開口は、前記施錠軸が前記キャビティに入るためのものであり、前記施錠軸は、前記キャビティに設けられ、
前記支持装置は、支持ベースを備え、前記支持ベースは、支持開口と前記支持開口から延在する支持溝とを備え、前記支持開口は、前記支持部が前記支持溝に入るためのものであり、
前記支持部は、支持軸を備え、前記支持軸は、前記支持ベースに圧設され、前記支持溝内に位置する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電気自動車。
【請求項14】
前記支持部は、軸スリーブを更に含み、前記軸スリーブは、前記支持軸に回転可能にスリーブされている、ことを特徴とする請求項13に記載の電気自動車。
【請求項15】
前記軸スリーブの材質は、弾性材料であり、
及び/又は、前記支持部は、ガスケットを更に含み、前記ガスケットは、前記支持軸にスリーブ留めされ、前記軸スリーブの一端に押圧され、
及び/又は、前記支持軸は、軸本体及びフランジ部を備え、前記フランジ部は前記軸本体の一端に同軸的に配置され、前記軸スリーブは前記軸本体にスリーブ状であり、前記フランジ部は前記バッテリパックに着脱可能に接続されている
ことを特徴とする請求項14に記載の電気自動車。
【請求項16】
前記支持軸には、電磁誘導素子が設けられており、
前記固定ブラケットは、上位置収容室を有し、前記上位置収容室は、前記支持開口の上側に位置し、前記上位置収容室に配置された上位置センサは、前記電磁誘導素子に作用して前記バッテリパックの前記支持部が前記支持開口を通過したか否かを検出し、
及び/又は、前記固定ブラケットは、前方位置収容室を有し、前方位置収容室は、前記支持溝の前端に位置し、前方位置収容室に配置された前方位置センサは、電磁誘導素子に作用して前記バッテリパックの支持部が前記支持溝の前端に進入したか否かを検出する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気自動車。
【請求項17】
前記バッテリパックから離れた前記支持軸の一端には、凹部が設けられ、
前記電磁誘導素子は、前記凹部内に位置し、前記支持軸の前記バッテリパックから離れた両端面と同一平面上に設けられている、
ことを特徴とする請求項16に記載の電気自動車。
【請求項18】
前記電磁誘導素子は磁性鋼である、ことを特徴とする請求項16に記載の電気自動車。
【請求項19】
前記支持部は、前記支持装置内で押圧される支持軸と、前記支持軸に回転可能にスリーブされる軸スリーブと、を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の電気自動車。
【請求項20】
前記電気自動車は、台車を更に備え、前記電池ホルダーは前記台車に固定されている、ことを特徴とする請求項12~請求項19の何れか一項に記載の電池ホルダー。