(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046770
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】対称的に動的に均等化された容積及び圧力の空気を管理するシステム
(51)【国際特許分類】
B60G 17/015 20060101AFI20220315BHJP
【FI】
B60G17/015 C
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002270
(22)【出願日】2022-01-11
(62)【分割の表示】P 2020519009の分割
【原出願日】2018-06-15
(31)【優先権主張番号】62/520,918
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/573,587
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/626,373
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519445451
【氏名又は名称】ベース エア マネジメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】カラウェイ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス デイビッド ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アランツ ジョージ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】平衡状態の空気圧、高さ、及びライドハイトに復帰させることができる空気管理システムを提供する。
【解決手段】第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路を有する車両用の空気管理システムであって、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路が、中立位置で交差流機構を介して空気圧で接続される。第1の空気圧回路は、車両の第1の側の高さを単独で調節するように構成された第1のレベリングバルブ16を含む。第2の空気圧回路は、車両の第2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブ17を含む。第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは、第1のレベリングバルブが車両の第1の側の高さを単独で調節しておらず、かつ第2のレベリングバルブが車両の第2の側の高さを単独で調節していないときに、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立するように構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の空気管理システムであって、
前記車両の第1の側の高さを単独で調節するように構成された第1のレベリングバルブ
を有する第1の空気圧回路と、
前記車両の第2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブ
を有する第2の空気圧回路と、
前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する交差流ラインと
を備え、
前記第1のレベリングバルブが前記車両の前記第1の側の高さを単独で調節しておらず
、かつ前記第2のレベリングバルブが前記車両の前記第2の側の高さを単独で調節してい
ないときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、前記第1
の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立するように構成されて
いる、前記空気管理システム。
【請求項2】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐体本体
と、前記筐体本体を貫通するシャフトに枢動可能に接続された制御アームとを含み、前記
制御アームが中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成されている、請求項
1に記載の空気管理システム。
【請求項3】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの両方の前記制御アーム
が中立位置に設定されたときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリング
バルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立す
るように構成されており、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブ
の一方の前記制御アームが前記1つ以上の応答位置に設定されたときに、前記第1のレベ
リングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2の空
気圧回路との間の空気圧の連通を阻止するように構成されている、請求項2に記載の空気
管理システム。
【請求項4】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、前記制御
アームの前記位置を検出するように構成された制御アームセンサを含む、請求項2に記載
の空気管理システム。
【請求項5】
各制御アームセンサと電気的に接続する制御ユニットをさらに備え、各制御アームセン
サが、前記制御アームの前記位置を制御アーム位置入力として前記制御ユニットに送るよ
うに構成されており、前記制御ユニットが、前記制御アーム位置入力に基づいて、前記車
両の前記第1の側及び前記第2の側で車軸に対する車高を判定するように構成されている
、請求項4に記載の空気管理システム。
【請求項6】
前記第1の空気圧回路が、前記車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセットと
、第1の供給タンクと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバルブに空
気圧で接続する第1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを前記第1の供
給タンクに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、
前記第2の空気圧回路が、前記車両の第2の側に配置された第2の空気バネのセットと
、第2の供給タンクと、前記第2の空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空
気圧で接続する第2の複数の空気ラインと、前記第2のレベリングバルブを前記第2の供
給タンクに空気圧で接続する第2の供給ラインとを備える、請求項1に記載の空気管理シ
ステム。
【請求項7】
前記第1の複数の空気ライン及び前記第2の複数の空気ラインが、実質的に同じ直径及
び長さであり、前記第1の供給ライン及び前記第2の供給ラインが、実質的に同じ直径及
び長さである、請求項6に記載の空気管理システム。
【請求項8】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐体本体
と、前記筐体本体の中で回転して、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間
の連通を変えるように構成された回転ディスクとを備える回転バルブである、請求項1に
記載の空気管理システム。
【請求項9】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、マニホル
ド筐体と、前記マニホルド筐体の内腔の中に配置されたバルブ要素と、電子式アクチュエ
ータとを含み、前記バルブ要素が、前記マニホルド筐体の前記内腔内で、少なくとも前記
第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立する中立位置と、
空気供給タンクからそれぞれの空気圧回路に空気を供給する供給位置と、それぞれの前記
空気圧回路から大気中に空気を排出する排気位置とを含む1つ以上の位置に移動するよう
に構成されており、前記電子式アクチュエータが、前記1つ以上の位置の間の前記プラン
ジャの移動を引き起こすように構成されている、請求項1に記載の空気管理システム。
【請求項10】
前記バルブ要素が、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選択され
る、請求項9に記載の空気管理システム。
【請求項11】
前記電子式アクチュエータが、ソレノイド、サーボモータ、及びステッピングモータか
らなる群から選択される、請求項9に記載の空気管理システム。
【請求項12】
各レベリングバルブの前記電子式アクチュエータと電気的に接続する制御モジュールを
さらに備え、前記制御モジュールが、前記中立位置、前記供給位置、及び前記排気位置の
間で前記バルブ要素の移動を引き起こすコマンドを各電子式アクチュエータに送るように
構成されている、請求項9に記載の空気管理システム。
【請求項13】
1つ以上のレベリングセンサをさらに備え、各レベリングセンサが、前記車両の位置に
沿って車軸に対する車高を検出し、検出した前記車高を車両レベリング入力として前記制
御モジュールに送るように構成されており、前記制御モジュールが、前記車両レベリング
入力に基づいて、前記車両の前記第1の側及び前記第2の側で前記車軸に対する車高を判
定するように構成されている、請求項12に記載の空気管理システム。
【請求項14】
前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1つ以上
の空気バネを備えており、
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、それぞれの
空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブである、請求項1に記載の空気管理
システム。
【請求項15】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、円筒形マ
ニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの内面と摺動係合するバルブ
部材と、前記バルブ部材に動作可能なように連結された電子式アクチュエータとを含み、
前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し、前
記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前記バ
ルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、それぞれのレベリングバル
ブが、選択的に、(i)空気をそれぞれの空気圧回路に供給すること、(ii)空気をそ
れぞれの空気圧回路から排出すること、または(iii)前記第1の空気圧回路と前記第
2の空気圧回路との間に交差流を確立することを行うように構成されるようにした、請求
項1に記載の空気管理システム。
【請求項16】
下部筐体に取り付けられてバルブ本体を形成する上部筐体であって、前記バルブ本体が
、前記上部筐体と前記下部筐体との間に延在するチャンバを画定する、前記上部筐体と、
前記チャンバと連通する複数のポートを備えた前記下部筐体であって、複数の前記ポー
トには、供給ポート、排気ポート、1つ以上のバネポート、及び交差流ポートが含まれる
、前記下部筐体と、
前記上部筐体の上面を貫通するシャフトに取り付けられた第1の端部を有する制御アー
ムであって、前記制御アームが、車両サスペンションの伸長または圧縮に応答して、前記
バルブ本体を中心に回転するように構成されている、前記制御アームと、
前記バルブ本体の前記チャンバの中に配置され、前記上部筐体を貫通する前記シャフト
によって前記制御アームに接続された回転ディスクであって、前記回転ディスクが、前記
バルブ本体の前記チャンバの内部で支持要素を中心に回転するように構成されている、前
記回転ディスクとを備えたレベリングバルブであって、
前記回転ディスクが、前記1つ以上のバネポートと前記供給ポートとの間も、前記1つ
以上のバネポートと前記排気ポートとの間も、連通を確立しないようにしながら、前記1
つ以上のバネポートと前記交差流ポートとの間の連通を確立するように構成されている、
前記レベリングバルブ。
【請求項17】
前記下部筐体がダンプポートを備え、前記交差流ポートが前記下部筐体の第1の側に配
置され、前記ダンプポートが前記第1の側とは反対側の前記下部筐体の第2の側に配置さ
れる、請求項16に記載のレベリングバルブ。
【請求項18】
前記制御アームにより、前記回転ディスクが複数の角度位置の間を回転するよう誘導し
て、前記供給ポート、前記排気ポート、前記1つ以上のバネポート、及び前記交差流ポー
トの間の連通を変更し、複数の前記角度位置には、(i)前記1つ以上のバネポートが前
記交差流ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記排気ポートも前記1つ以上
のバネポートと空気圧で連通しない中立位置と、(ii)前記1つ以上のバネポートが前
記供給ポートと空気圧で連通し、かつ前記排気ポートも前記交差流ポートも前記1つ以上
のバネポートと空気圧で連通しない供給位置と、(iii)前記1つ以上のバネポートが
前記排気ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記交差流ポートも前記1つ以
上のバネポートと空気圧で連通しない排気位置とが含まれる、請求項16に記載のレベリ
ングバルブ。
【請求項19】
前記下部筐体が、前記上部筐体の下面と結合する第1の表面を有し、前記第1の表面が
、前記供給ポートと直接連通する供給穴と、前記排気ポートと直接連通する排気穴と、前
記1つ以上のバネポートと直接連通するリザーバキャビティとを画定する、請求項18に
記載のレベリングバルブ。
【請求項20】
前記回転ディスクが、前記シャフトを受け入れるための中央開口部と、複数の長方形ス
ロットと、交差流スロットとを備え、複数の前記長方形スロットと前記交差流スロットと
が前記中央開口部の周りに間隔を置いて配置され、これらの間にかつ前記回転ディスクの
外縁に沿って不感帯が画定される、請求項19に記載のレベリングバルブ。
【請求項21】
各長方形スロットが、前記下部筐体の前記リザーバキャビティの上に少なくとも部分的
に重なるように構成され、前記回転ディスクが前記中立位置に設定されたときに、上の前
記交差流スロットが、前記下部筐体の前記交差流穴の上に重なるように構成されている、
請求項20に記載のレベリングバルブ。
【請求項22】
前記長方形スロットが、前記回転ディスクの面に沿って延在する中心軸から対称的に間
隔を置いて配置され、前記交差流スロットが前記中心軸の上に重なる、請求項20に記載
のレベリングバルブ。
【請求項23】
車両の安定性を制御する方法であって、
前記車両の第1の側の高さを単独で調節するように構成された第1のレベリングバル
ブを有する第1の空気圧回路と、
前記車両の第2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバル
ブを有する第2の空気圧回路と、
前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する交差流ライン
とを備える空気管理システムを提供すること、及び
前記第1のレベリングバルブが前記車両の前記第1の側の高さを単独で調節しておらず
、かつ前記第2のレベリングバルブが前記車両の前記第2の側の高さを単独で調節してい
ないときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブによって、前
記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立することを含む
、前記方法。
【請求項24】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐体と、
前記筐体を貫通するシャフトに枢動可能に接続された制御アームとを含み、前記制御アー
ムが中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成されている、請求項23に記
載の方法。
【請求項25】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの両方の前記制御アーム
が前記中立位置に設定されたときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリ
ングバルブによって、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連
通を確立すること、及び
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの一方の前記制御アーム
が前記1つ以上の応答位置に設定されたときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第
2のレベリングバルブによって、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間の
空気圧の連通を阻止することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の空気圧回路が、前記車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセットと
、第1の供給タンクと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバルブに空
気圧で接続する第1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを前記第1の供
給タンクに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、
前記第2の空気圧回路が、前記車両の第2の側に配置された第2の空気バネのセットと
、第2の供給タンクと、前記第2の空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空
気圧で接続する第2の複数の空気ラインと、前記第2のレベリングバルブを前記第2の供
給タンクに空気圧で接続する第2の供給ラインとを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の複数の空気ライン及び前記第2の複数の空気ラインが、実質的に同じ直径及
び長さであり、前記第1の供給ライン及び前記第2の供給ラインが、実質的に同じ直径及
び長さである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1つ以上
の空気バネを備えており、
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、それぞれ
の空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブである、請求項23に記載の方法
。
【請求項29】
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、円筒形マ
ニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの内面と摺動係合するバルブ
部材と、前記バルブ部材に動作可能なように連結された電子式アクチュエータとを含み、
前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し、前
記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前記バ
ルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、それぞれのレベリングバル
ブが、選択的に、(i)空気をそれぞれの空気圧回路に供給すること、(ii)空気をそ
れぞれの空気圧回路から排出すること、または(iii)前記第1の空気圧回路と前記第
2の空気圧回路との間に交差流を確立することを行うように構成されるようにした、請求
項23に記載の方法。
【請求項30】
1つ以上の空気供給タンクと、車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路と、前記
車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路とを備える前記車両の空気管理システムの
空気圧を調節する方法であって、
第1のレベリングバルブが、前記1つ以上の空気供給タンクから前記第1の空気圧回路
に空気を供給するか、または前記第1の空気圧回路から大気に空気を排出するように、前
記第1の空気圧回路の前記空気圧を前記第1のレベリングバルブによって単独で調節する
こと、
第2のレベリングバルブが、前記1つ以上の空気供給タンクから前記第2の空気圧回路
に空気を供給するか、または前記第2の空気圧回路から大気に空気を排出するように、前
記第2の空気圧回路の前記空気圧を前記第2のレベリングバルブによって単独で調節する
こと、及び
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの両方が、各レベリング
バルブが前記1つ以上の空気供給タンクから空気を供給することも、大気中に空気を排出
することもしないような中立モードに設定されるときのみ、前記第1の空気圧回路と前記
第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立することを含む、前記方法。
【請求項31】
各レベリングバルブが、前記空気供給タンクに接続される供給ポートと、大気中に空気
を排気するための排気ポートと、1つ以上の空気バネに接続される1つ以上のポートと、
前記第1のレベリングバルブまたは前記第2のレベリングバルブのうちの他の1つに接続
される交差流ポートとを有した筐体本体を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
各レベリングバルブが、前記筐体本体のチャンバに配置されたバルブ要素と、前記バル
ブ要素の移動を引き起こすように構成されたアクチュエータとを含み、前記バルブ要素が
、複数の位置の間を移動して、複数の前記ポートの間の連通を変更するように構成されて
いる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
複数の前記位置には、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の
連通を確立する中立位置と、前記1つ以上の空気供給タンクからそれぞれの空気圧回路に
空気を供給する供給位置と、それぞれの前記空気圧回路から大気中に空気を排出する排気
位置とが含まれる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記バルブ要素が、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選択され
る、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記アクチュエータが、前記筐体本体を貫通するシャフトに枢動可能に接続された制御
アームであり、前記バルブ要素が回転ディスクである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記制御アームが、中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成されており
、前記制御アームが前記中立位置に設定されるときに、各レベリングバルブが前記中立モ
ードに設定され、前記制御アームが前記1つ以上の応答位置に設定されるときに、各レベ
リングバルブが、それぞれの空気圧回路の前記空気圧を単独で調節している、請求項35
に記載の方法。
【請求項37】
前記アクチュエータが、ソレノイド、サーボモータ、及びステッピングモータからなる
群から選択された電子式アクチュエータである、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
各レベリングバルブの前記電子式アクチュエータと電気的に接続する制御モジュールを
さらに備え、前記制御モジュールが、複数の前記位置の間で前記バルブ要素の移動を引き
起こすコマンドを各電子式アクチュエータに送るように構成されている、請求項37に記
載の方法。
【請求項39】
1つ以上のレベリングセンサをさらに備え、各レベリングセンサが、前記車両の位置に
沿って車軸に対する車高を検出し、検出した前記車高を車両レベリング入力として前記制
御モジュールに送るように構成されており、前記制御モジュールが、前記車両レベリング
入力に基づいて、前記車両の前記第1の側及び前記第2の側で前記車軸に対する車高を判
定するように構成されている、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の空気圧回路が、前記車両の前記第1の側に配置された第1の空気バネのセッ
トと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバルブに空気圧で接続する第
1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを前記1つ以上の空気供給タンク
の少なくとも1つに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、
前記第2の空気圧回路が、前記車両の前記第2の側に配置された第2の空気バネのセッ
トと、前記第2の空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空気圧で接続する第
2の複数の空気ラインと、前記第2のレベリングバルブを前記1つ以上の空気供給タンク
の少なくとも1つに空気圧で接続する第2の供給ラインとを備える、請求項30に記載の
方法。
【請求項41】
前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1つ以上
の空気バネを備えており、
前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、それぞれ
の空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブである、請求項30に記載の方法
。
【請求項42】
車両用空気管理システムの空気バネに関連した制御ユニットであって、
前記空気バネの上板に取り付けられるように構成された筐体であって、前記筐体がバル
ブチャンバを備える、前記筐体と、
前記バルブチャンバの中に配置されたバルブであって、前記バルブが、(i)前記バル
ブが、関連する前記空気バネの高さを単独で調節しているアクティブモードと、(ii)
前記バルブが前記アクティブモードではないときに、前記バルブが、関連する前記空気バ
ネと前記空気管理システムの第2の空気バネに接続された交差流ラインとの間で空気圧の
連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で切り替わるように構成されて
いる、前記バルブと、
前記空気バネの少なくとも1つの状態を監視し、前記空気バネの少なくとも1つの前記
状態を示す測定値信号を生成するように構成された1つ以上のセンサと、
前記空気管理システムの前記第2の空気バネに関連した第2の制御ユニットとの間でデ
ータ信号を送受するように構成された通信インタフェースと、
前記バルブ、前記1つ以上のセンサ、及び前記通信インタフェースに動作可能なように
連結された処理モジュールとを備え、
前記処理モジュールが、(i)前記1つ以上のセンサからの測定値信号と、前記通信イ
ンタフェースからのデータ信号とを受け取ること、及び(ii)受け取った前記1つ以上
のセンサからの前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とに基
づいて、前記アクティブモードと前記中立モードとの間を切り替える前記バルブを作動さ
せることを行うように構成されている、前記制御ユニット。
【請求項43】
前記筐体が、
空気源から空気流を受け取るように構成された流入ポートと、
大気に空気を放出するように構成された流出ポートと、
サスペンションシステムの前記第2の空気バネに接続された前記交差流ラインに接続す
るように構成された交差流ポートと、
前記空気バネのチャンバとの間で空気を供給または放出するように構成された配送ポー
トとを有し、
前記バルブチャンバが、複数の流路によって、前記流入ポート、前記流出ポート、及び
前記配送ポートに接続されている、請求項42に記載の制御ユニット。
【請求項44】
前記1つ以上のセンサが、前記空気バネの前記高さを監視し、前記空気バネの前記高さ
を示す信号を生成するように構成された高さセンサを備える、請求項42に記載の制御ユ
ニット。
【請求項45】
前記高さセンサが、超音波センサ、赤外線センサ、電磁波センサ、またはポテンショメ
ータである、請求項44に記載の制御ユニット。
【請求項46】
前記処理モジュールが、前記アクティブモードと前記中立モードとの間で前記バルブを
作動させることを判定する際に、前記処理モジュールの関連する空気バネのバネ高さと、
前記第2の空気バネの第2のバネ高さとの差を計算に入れるように構成されている、請求
項45に記載の制御ユニット。
【請求項47】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の下に取り付
けられ、前記空気バネの前記チャンバの中に配置されている、請求項42に記載の制御ユ
ニット。
【請求項48】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の上に取り付
けられ、前記空気バネの前記チャンバの外側に配置されている、請求項42に記載の制御
ユニット。
【請求項49】
前記バルブが、円筒形マニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの
内面と摺動係合するバルブ部材と、前記バルブ部材及び前記処理モジュールに動作可能な
ように連結された電子式アクチュエータとを備え、
前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し、前
記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前記バ
ルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、前記バルブが前記アクティ
ブモードと前記中立モードとの間を切り替わるようにした、請求項42に記載の制御ユニ
ット。
【請求項50】
車両用の空気管理システムであって、
車両の第1の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第1の空気圧回路と、
車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第2の空気圧回路と、
1つ以上の交差流ラインであって、各交差流ラインが、前記第1の空気圧回路に関連す
る空気バネから、前記第2の空気圧回路に関連する空気バネまで延在している、前記1つ
以上の交差流ラインとを備え、
各空気バネが制御ユニットを備え、各制御ユニットが、
関連する空気バネの上板に取り付けられるように構成された筐体であって、前記筐体
がバルブチャンバを備える、前記筐体と、
前記バルブチャンバの中に配置されたバルブであって、(i)前記バルブが、関連す
る前記空気バネの高さを単独で調節しているアクティブモードと、(ii)前記バルブが
前記アクティブモードではないときに、前記バルブが、関連する前記空気バネとそれぞれ
の交差流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの
間で前記バルブが切り替わるように構成されている、前記バルブと、
関連する前記空気バネの少なくとも1つの状態を監視し、関連する前記空気バネの少
なくとも1つの前記状態を示す測定値信号を生成するように構成された1つ以上のセンサ
と、
サスペンションシステムの他の空気バネに関連した他の制御ユニットとの間でデータ
信号を直接送受するように構成された通信インタフェースと、
前記バルブ、前記1つ以上のセンサ、及び前記通信インタフェースに動作可能なよう
に連結された処理モジュールとを備え、
前記処理モジュールが、(i)前記1つ以上のセンサからの測定値信号と、前記通信
インタフェースからのデータ信号とを受け取ること、及び(ii)受け取った前記1つ以
上のセンサからの前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とに
基づいて、前記アクティブモードと前記中立モードとの間を切り替える前記バルブを作動
させることを行うように構成されている、前記空気管理システム。
【請求項51】
前記空気管理システムの各制御ユニットの前記通信インタフェースと電気的に接続する
システムコントローラを備え、
前記システムコントローラが、(i)前記空気管理システムの各制御ユニットから前記
測定値信号を受け取ること、(ii)受け取った前記測定値信号に基づいて、前記空気管
理システムの各空気バネの前記チャンバに対して空気を排出または供給するために所望の
体積流量を判定すること、及び(iii)各制御ユニットが前記アクティブモードと前記
中立モードとの間で各制御ユニットの関連する前記バルブを作動させるように、前記空気
管理システムの各制御ユニットにコマンドを送ることを行うように構成されている、請求
項50に記載の空気管理システム。
【請求項52】
前記筐体が、
空気源から空気流を受け取るように構成された流入ポートと、
大気に空気を放出するように構成された流出ポートと、
前記空気管理システムの前記第2の空気バネに接続された前記交差流ラインに接続する
ように構成された交差流ポートと、
前記空気バネのチャンバとの間で空気を供給または放出するように構成された配送ポー
トとを有し、
前記バルブチャンバが、複数の流路によって、前記流入ポート、前記流出ポート、及び
前記配送ポートに接続されている、請求項50に記載の空気管理システム。
【請求項53】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の下に取り付
けられ、前記空気バネの前記チャンバの中に配置されている、請求項51に記載の空気管
理システム。
【請求項54】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の上に取り付
けられ、前記空気バネの前記チャンバの外側に配置されている、請求項51に記載の空気
管理システム。
【請求項55】
空気管理システムを備える車両の安定性を制御する方法であって、前記空気管理システ
ムが、車両の第1の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第1の空気圧回路と、車
両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第2の空気圧回路と、1つ以上の
交差流ラインであって、各交差流ラインが、前記第1の空気圧回路に関連する空気バネか
ら、前記第2の空気圧回路に関連する空気バネまで延在している、前記1つ以上の交差流
ラインとを備え、
高さセンサ及び空気圧センサによって、それぞれの空気バネの高さ及び空気圧を監視す
ること、
前記高さセンサ及び前記空気圧センサによって、それぞれの前記空気バネの前記高さ及
び前記空気圧を示す信号を生成すること、
処理モジュールによって、それぞれの前記空気バネの前記高さ及び前記空気圧を示す前
記信号を受け取ること、
前記処理モジュールによって、それぞれの前記空気バネの前記高さ及び前記空気圧を示
す受け取った前記信号に基づいて、それぞれの前記空気バネの高さ差速度及び圧力差速度
を計算すること、
前記処理モジュールによって、前記空気バネの前記高さ及び前記空気圧を個別に調節す
るか、それとも前記空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間に空気圧の連通を確立する
かを判定すること、
前記処理モジュールによって、(i)前記バルブが、関連する前記空気バネの高さを単
独で調節しているアクティブモード、及び(ii)前記バルブが前記アクティブモードで
はないときに、前記バルブが、関連する前記空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間で
空気圧の連通を確立している中立モードのモードのうちのいずれか一方に切り替えるバル
ブを作動させることを含み、
前記高さセンサ、前記処理モジュール、及び前記バルブが、前記空気バネのチャンバの
中に配置されている、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2017年6月16日に出願された仮
特許出願第62/520918号、2017年10月17日に出願された仮特許出願第6
2/573587号、及び2018年2月5日に出願された仮特許出願第62/6263
73号の出願日の利益を主張するものであり、これら仮特許出願の開示は、その全体が参
照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、空気バネによって支持される1つ以上の車軸を有する荷物搬送用原動機及び
トレーラ車両を含む、あらゆる種類の車両、トレーラ、及び牽引車のための空気管理シス
テムの改善に関する。
【背景技術】
【0003】
車両用のエアサスペンションシステムは、1つ以上の車両車軸を各車軸の両側に二つ一
組で支持する複数のエアサスペンションバッグを備えている。広く知られた車両では、空
気バネの対が、隣接車軸上に同様に配置された空気バネの間を延在する共通の大口径空気
ラインによって接続されている。この共通の空気ラインは、それぞれ、空気ラインによっ
て、車両のそれぞれの側を対象とする高さ制御バルブに接続されている。高さ制御バルブ
は、共通の空気ラインへの空気の供給を制御して、変わり得る路面条件にわたって車両を
走らせるときに、車両が水平に保たれることを保証するように、空気バネの膨張を調節す
るものである。別段の定義がない限り、「高さ制御バルブ」という用語は「レベリングバ
ルブ」という用語と同等なものとして用いられ、したがって用語「高さ制御バルブ」及び
「レベリングバルブ」は同義で用いられ得る。
【0004】
例えば、車両が首尾よくコーナーを曲がるとき、車両の重心はその幅方向に曲がる向き
から遠ざかる。荷重移動により、車両が曲がる向きとは逆の外側の空気バネが収縮し始め
、一方、車両が曲がる向きの側の空気バネが伸長し始める。その結果として、車両は左右
に水平でなくなる。それに応じて、車両の水平を保つために、車両の下降側にある一方の
レベリングバルブが、収縮した空気バネに空気を供給し、車両の上昇側にある他方のレベ
リングバルブが、伸長した空気バネから空気を排出する。試験により現在、レベリングバ
ルブは多くの場合に車両の動的荷重移動に対して過補償し、その際にレベリングバルブか
ら空気を供給された空気バネは、レベリングバルブによって排気された空気バネよりも大
きな空気圧を有する傾向があることが分かっている。結果的に、レベリングバルブが車両
を水平にしようとした後も、エアサスペンションシステムの両側で圧力差が持続する。車
両の両側の空気バネの間に圧力差が残っているにも関わらず、レベリングバルブは中立モ
ード(例えば、回転ディスクが不感帯の範囲内に設定されている)に戻るが、このモード
では、車両の両側の空気バネの間に空気圧の連通が存在しない。空気バネ間のこの圧力差
が原因で、車両の荷重移動に応答してレベリングバルブが空気バネの圧力を調節した後で
さえも、車両は非水平にとどまる。
【0005】
他の種類のエアサスペンションシステムでは、エアバッグの高さを制御するために、機
械式レベリングバルブを電子作動式バルブに置き換えている。電子作動式バルブの中には
、車両の荷重移動、または車両のロールに対応するように設計されたものもあるが、車両
の荷重移動に応答して空気バネの高さが調節された後に持続する空気バネ間の圧力差を、
電子作動式バルブでは解決することができない。
【0006】
したがって、本発明者らは、持続的な圧力不均衡の問題を解決して、その結果、車両を
平衡状態の空気圧、高さ、及びライドハイトに復帰させることができる空気管理システム
の必要性を認識している。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、空気管理システムが、第1の空気圧回路と、第2の空気圧回路と、第1の空
気圧回路を第2の空気圧回路に空気圧で接続する交差流機構とを含む、車両用の改良され
た空気サスペンションシステムを提供する。第1の空気圧回路は、車両の第1の側の高さ
を単独で調節するように構成された第1のレベリングバルブを含む。第2の空気圧回路は
、車両の第2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブを含
む。第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは、第1のレベリングバルブが
車両の第1の側の高さを単独で調節しておらず、かつ第2のレベリングバルブが車両の第
2の側の高さを単独で調節していないときに、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との
間に空気圧の連通を確立するように構成されている。本明細書に記載される空気管理シス
テムの様々な例によれば、全ての空気管理システムは、各空気管理システムを機械的また
は電子的な操作の下で利用できるように、変更を施すことができる(例えば、レベリング
バルブ用の作動装置を、機械的機構から電子部品に切り替えることができる)。
【0008】
第1の空気圧回路は、車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセットと、第1の
供給タンクと、第1の空気バネのセットを第1のレベリングバルブに空気圧で接続する第
1の複数の空気ラインと、第1のレベリングバルブを第1の供給タンクに空気圧で接続す
る第1の供給ラインとを含む。第2の空気圧回路は、車両の第2の側に配置された第2の
空気バネのセットと、第2の供給タンクと、第2の空気バネのセットを第2のレベリング
バルブに空気圧で接続する第2の複数の空気ラインと、第2のレベリングバルブを第2の
供給タンクに空気圧で接続する第2の供給ラインとを含む。交差流接続が、第1のレベリ
ングバルブから第2のレベリングバルブまで延在している。別の例では、第1の空気圧回
路及び第2の空気圧回路は、空気管理システムが、車両の両側の空気バネに空気流を提供
するために、1つの空気供給タンクのみを含むように、共通の空気供給タンクによって空
気が供給され得る。一例では、第1の複数の空気ライン及び第2の複数の空気ラインが、
実質的に同じ直径及び長さであってもよく、第1の供給ライン及び第2の供給ラインが、
実質的に同じ直径及び長さであってもよい。
【0009】
1つの構成では、各レベリングバルブは、筐体と、レベリングバルブに枢動可能に接続
された制御アームとを含んでもよく、制御アームが、空気バネの圧縮または伸長に応答し
て、中立位置と1つ以上の応答位置との間で枢動するように構成されるものである。第1
のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは、第1のレベリングバルブ及び第2の
レベリングバルブの両方の制御アームが中立位置に設定されたときに、第1の空気圧回路
と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立するように構成され得る。第1のレベリ
ングバルブ及び第2のレベリングバルブは、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリン
グバルブの一方の制御アームが1つ以上の応答位置に設定されたときに、第1の空気圧回
路と第2の空気圧回路との間の空気圧の連通を阻止するように構成され得る。第1のレベ
リングバルブ及び第2のレベリングバルブは、制御アームの位置を検出するように構成さ
れた制御アームセンサを含んでもよい。空気管理システムは、制御アームセンサと電気的
に接続する制御ユニットを含んでもよい。各制御アームセンサは、制御アームの位置を制
御アーム位置入力として制御ユニットに送るように構成され得る。制御ユニットは、制御
アーム位置入力に基づいて、車両の第1の側及び第2の側で車軸に対する車高を判定する
ように構成され得る。
【0010】
一例では、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは、それぞれ、筐体本
体と、筐体本体の中で回転して、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間の連通を変
えるように構成された回転ディスクとを備える回転バルブであってもよい。各筐体本体は
、空気源から空気を受け取るように構成された供給ポートと、空気を大気中に排気するよ
うに構成された排気ポートと、第1の空気圧回路または第2の空気圧回路の1つに空気を
受け入れまたは供給するように構成された1つ以上のバネポートと、第1のレベリングバ
ルブまたは第2のレベリングバルブの1つに空気を受け入れまたは供給するように構成さ
れた交差流ポートとを備え得る。1つの構成では、回転ディスクが、1つ以上のバネポー
トと供給ポートとの間も、1つ以上のバネポートと排気ポートとの間も、連通を確立しな
いようにしながら、1つ以上のバネポートと交差流ポートとの間の連通を確立するように
構成され得る。1つの構成では、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは
、それぞれ、筐体本体に枢動可能に接続され、第1の空気圧回路または第2の空気圧回路
の一方による高さ変化に応答して、バルブの周りを回転するように構成されている制御ア
ームを備えてもよい。1つの構成では、制御アームの回転により、回転ディスクが複数の
角度位置間を回転して、供給ポート、排気ポート、1つ以上のバネポート、及び交差流ポ
ート間の連通を変更することができる。
【0011】
一例では、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブは、それぞれ、マニホ
ルド筐体と、マニホルド筐体の内腔の中に配置されたバルブ要素と、電子式アクチュエー
タとを含んでもよい。バルブ要素は、マニホルド筐体の内腔内で、少なくとも第1の空気
圧回路と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立する中立位置と、空気供給タンク
からそれぞれの空気圧回路に空気を供給する供給位置と、それぞれの空気圧回路から大気
中に空気を排出する排気位置とを含む1つ以上の位置に移動するように構成され得る。電
子式アクチュエータは、1つ以上の位置の間のバルブ要素の移動を引き起こすように構成
されている。バルブ要素は、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選
択され得る。電子式アクチュエータは、例えば、ソレノイド、サーボモータ、及びステッ
ピングモータである。
【0012】
一例では、空気管理システムは、各レベリングバルブの電子式アクチュエータと電気的
に接続する制御モジュールを含み得る。制御モジュールは、中立位置、供給位置、及び排
気位置の間でバルブ要素の移動を引き起こすコマンドを各電子式アクチュエータに送るよ
うに構成され得る。空気管理システムは、1つ以上のレベリングセンサを含んでもよい。
各レベリングセンサは、車両の位置に沿って車軸に対する車高を検出し、検出した車高を
車両レベリング入力として制御モジュールに送るように構成され得る。制御モジュールは
、車両レベリング入力に基づいて、車両の第1の側及び第2の側で車軸に対する車高を判
定するように構成され得る。
【0013】
1つの構成では、各レベリングバルブは、円筒形マニホルドと、マニホルド内に配置さ
れ、マニホルドの内面と摺動係合するバルブ部材と、バルブ部材に動作可能なように連結
された電子式アクチュエータとを含んでもよい。マニホルドは、マニホルドの側面に沿っ
て配置された複数の開口部を有し得る。電子式アクチュエータは、マニホルドの長手方向
軸に沿って摺動するようにバルブ部材を作動させて、複数の開口部の露出を制御して、そ
れぞれのレベリングバルブが、選択的に、(i)空気をそれぞれの空気圧回路に供給する
こと、(ii)空気をそれぞれの空気圧回路から排出すること、または(iii)第1の
空気圧回路と第2の空気圧回路との間に交差流を確立することを行うように構成されるよ
うにしてもよい。
【0014】
本発明には、レベリングバルブが含まれる。本レベリングバルブは、下部筐体に取り付
けられてバルブ本体を形成する上部筐体を備えてもよく、このバルブ本体は、上部筐体と
下部筐体との間に延在するチャンバを画定する。下部筐体は、チャンバと連通する複数の
ポートを備えてもよく、複数のポートには、供給ポート、排気ポート、1つ以上のバネポ
ート、及び交差流ポートが含まれる。1つの構成では、下部筐体はさらにダンプポートを
備えてもよく、交差流ポートが下部筐体の第1の端部に配置され、ダンプポートが第1の
端部とは反対側の下部筐体の第2の端部に配置される。1つの構成では、供給ポートは、
下部筐体の第1の側に配置され得、排気ポートは、下部筐体の第1の側とは反対の第2の
側に配置され得る。1つの構成では、交差流ポートは、下部筐体の第1の端部に配置され
てもよく、第1の端部は、下部筐体の第1の側と第2の側との間に延在してもよい。1つ
の構成では、1つ以上のバネポートは、下部筐体の第1の側面または第2の側面の一方に
配置された第1のバネポートを備えてもよい。レベリングバルブは、上部筐体の上面を貫
通するシャフトに取り付けられた第1の端部を有する制御アームを含んでもよく、制御ア
ームは、車両サスペンションの伸長または圧縮に応答して、バルブ本体を中心に回転する
ように構成されている。レベリングバルブは、バルブ本体のチャンバの中に配置され、上
部筐体を貫通するシャフトによって制御アームに接続された回転ディスクを含んでもよく
、この回転ディスクは、バルブ本体のチャンバの内部で支持要素を中心に回転するように
構成されている。回転ディスクは、1つ以上のバネポートと供給ポートとの間も、1つ以
上のバネポートと排気ポートとの間も、空気圧の連通を確立しないようにしながら、1つ
以上のバネポートと交差流ポートとの間に空気圧の連通を確立するように構成され得る。
【0015】
本発明には、車両の安定性を制御する方法が含まれ得る。本方法は、第1の空気圧回路
及び第2の空気圧回路を備える空気管理システムを提供するステップを含み得る。第1の
空気圧回路は、車両の第1の側の高さを単独で調節するように構成された第1のレベリン
グバルブを含んでもよい。第2の空気圧回路は、車両の第2の側の高さを単独で調節する
ように構成された第2のレベリングバルブを含んでもよい。空気管理システムは、第1の
レベリングバルブを第2のレベリングバルブに接続する交差流ラインを含んでもよい。本
方法は、第1のレベリングバルブが車両の第1の側の高さを単独で調節しておらず、かつ
第2のレベリングバルブが車両の第2の側の高さを単独で調節していないときに、第1の
レベリングバルブ及び第2のレベリングバルブによって、第1の空気圧回路と第2の空気
圧回路との間に空気圧の連通を確立するステップを含み得る。
【0016】
本発明は、1つ以上の空気供給タンクと、車両の第1の側に配置された第1の空気圧回
路と、車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路とを備える車両の空気管理システム
の空気圧を調節する方法を含み得る。本方法は、第1のレベリングバルブが、1つ以上の
空気供給タンクから第1の空気圧回路に空気を供給するか、または第1の空気圧回路から
大気に空気を排出するように、第1の空気圧回路の空気圧を第1のレベリングバルブによ
って単独で調節するステップを含み得る。本方法は、第2のレベリングバルブが、1つ以
上の空気供給タンクから第2の空気圧回路に空気を供給するか、または第2の空気圧回路
から大気に空気を排出するように、第2の空気圧回路の空気圧を第2のレベリングバルブ
によって単独で調節するステップを含み得る。本方法は、第1のレベリングバルブ及び第
2のレベリングバルブの両方が、各レベリングバルブが1つ以上の空気供給タンクから空
気を供給することも、大気中に空気を排出することもしないような中立モードに設定され
るときのみ、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立するステ
ップを含み得る。
【0017】
本発明には、車両用空気管理システムの空気バネに関連した制御ユニットが含まれ得る
。本制御ユニットは、空気バネの上板に取り付けられるように構成された筐体を含んでも
よく、筐体はバルブチャンバを備える。本制御ユニットは、バルブチャンバ内に配置され
たバルブを備えてもよい。このバルブは、(i)バルブが、関連する空気バネの高さを単
独で調節しているアクティブモードと、(ii)バルブがアクティブモードではないとき
に、バルブが、関連する空気バネと空気管理システムの第2の空気バネに接続された交差
流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で切
り替わるように構成されてもよい。本制御ユニットは、空気バネの少なくとも1つの状態
を監視し、空気バネの少なくとも1つの状態を示す測定値信号を生成するように構成され
た1つ以上のセンサを備えてもよい。本制御ユニットは、空気管理システムの第2の空気
バネに関連した第2の制御ユニットとの間でデータ信号を送受するように構成された通信
インタフェースを備えてもよい。本制御ユニットは、バルブ、1つ以上のセンサ、及び通
信インタフェースに動作可能なように連結された処理モジュールを備えてもよく、処理モ
ジュールが、(i)1つ以上のセンサからの測定値信号と、通信インタフェースからのデ
ータ信号とを受け取ること、及び(ii)受け取った1つ以上のセンサからの測定値信号
と、通信インタフェースからのデータ信号とに基づいて、アクティブモードと中立モード
との間を切り替えるバルブを作動させることを行うように構成されている。
【0018】
本発明には、車両用の空気管理システムが含まれ得る。本空気管理システムは、車両の
第1の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第1の空気圧回路を備えてもよい。本
空気管理システムは、車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第2の空
気圧回路を備えてもよい。本空気管理システムは、1つ以上の交差流ラインを備えてもよ
く、各交差流ラインが、第1の空気圧回路に関連する空気バネから、第2の空気圧回路に
関連する空気バネまで延在している。各空気バネは、制御ユニットを備えてもよい。各制
御ユニットは、関連する空気バネの上板に取り付けられるように構成された筐体を含んで
もよく、筐体はバルブチャンバを備える。各制御ユニットは、バルブチャンバの中に配置
されたバルブを備えてもよく、(i)バルブが、関連する空気バネの高さを単独で調節し
ているアクティブモードと、(ii)バルブがアクティブモードではないときに、バルブ
が、関連する空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中
立モードとを含む複数のモードの間でバルブが切り替わるように構成されている。各制御
ユニットは、関連する空気バネの少なくとも1つの状態を監視し、関連する空気バネの少
なくとも1つの状態を示す測定値信号を生成するように構成された1つ以上のセンサを備
えてもよい。各制御ユニットは、空気管理システムの他の空気バネに関連した他の制御ユ
ニットとの間でデータ信号を直接送受するように構成された通信インタフェースを備えて
もよい。各制御ユニットは、バルブ、1つ以上のセンサ、及び通信インタフェースに動作
可能なように連結された処理モジュールを備えてもよく、処理モジュールが、(i)1つ
以上のセンサからの測定値信号と、通信インタフェースからのデータ信号とを受け取るこ
と、及び(ii)受け取った1つ以上のセンサからの測定値信号と、通信インタフェース
からのデータ信号とに基づいて、アクティブモードと中立モードとの間を切り替えるバル
ブを作動させることを行うように構成されている。
【0019】
本発明には、空気管理システムを備える車両の安定性を制御する方法が含まれ得、空気
管理システムは、車両の第1の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第1の空気圧
回路と、車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第2の空気圧回路と、
1つ以上の交差流ラインであって、各交差流ラインが、第1の空気圧回路に関連する空気
バネから、第2の空気圧回路に関連する空気バネまで延在している、1つ以上の交差流ラ
インとを備え得る。本方法は、高さセンサ及び空気圧センサによって、それぞれの空気バ
ネの高さ及び空気圧を監視するステップを含んでもよい。本方法は、高さセンサ及び空気
圧センサによって、それぞれの空気バネの高さ及び空気圧を示す信号を生成するステップ
を含んでもよい。本方法は、処理モジュールによって、それぞれの空気バネの高さ及び空
気圧を示す信号を受け取るステップを含んでもよい。本方法は、処理モジュールによって
、それぞれの空気バネの高さを示す受け取った信号に基づいて、それぞれの空気バネの高
さ差速度及び圧力差速度を計算するステップを含んでもよい。本方法は、処理モジュール
によって、空気バネの高さを個別に調節するか、それとも空気バネとそれぞれの交差流ラ
インとの間に空気圧の連通を確立するかを判定するステップを含んでもよい。本方法は、
処理モジュールによって、(i)バルブが、関連する空気バネの高さを単独で調節してい
るアクティブモード、及び(ii)バルブがアクティブモードではないときに、バルブが
、関連する空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中立
モードのモードのうちのいずれか一方に切り替えるバルブを作動させるステップを含んで
もよい。1つの構成では、高さセンサ、処理モジュール、及びバルブが、空気バネのチャ
ンバの中に配置されている。
【0020】
本明細書で説明する空気管理システムの様々な例によれば、全ての空気管理システムは
、少なくとも2つの独立した空気圧回路を含み、各独立した空気圧回路は、動的な荷重移
動に応答して、車両の片側の高さを独立して単独で調節するように構成されている。車両
の片側の高さを独立して調節する状態では、それぞれの空気圧回路は、車両の反対側に配
置された他の空気圧回路と空気圧で連通しておらず、したがって、車両の片側の空気バネ
は、車両の反対側に配置された空気バネと空気圧で連通していない。本明細書に記載され
ている空気管理システムの様々な例によれば、全ての空気管理システムは、2つの独立し
た回路の間に選択的に交差流を確立することができ、したがって、全てのレベリングバル
ブが中立位置または中立モードに設定されている場合に、車両の片側に配置された空気バ
ネは、車両の反対側に配置された空気バネと空気圧で連通する。本文脈においては、レベ
リングバルブが、空気供給タンクから空気バネに空気を供給することも、空気バネから空
気を大気に排気することもしないときに、レベリングバルブは中立位置または中立モード
に設定される(例えば、回転ディスクが不感帯の範囲内に設定される)。
【0021】
本開示の主題の他の特徴及び特性、ならびに操作の方法、構造の関連要素の機能及びパ
ーツの組合せ、ならびに製造の経済性は、添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の
特許請求の範囲を考慮するとより明らかになるであろう。これらは全て本明細書の一部を
形成しており、同様の参照番号は様々な図の対応する部分を示している。
【0022】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成するものであり、本開示の
主題の様々な実施形態を示している。図面では、同様の参照番号は、同一または機能的に
類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】本発明の一構成による空気管理システムの概略図である。
【
図1B】本発明の一構成による、車両の中央部に配置されたレベリングバルブを備える空気管理システムの概略図である。
【
図1C】本発明の一構成による、レベリングバルブを備え、各レベリングバルブが複数のエアバッグポートを有する空気管理システムの概略図である。
【
図2】本発明の一構成によるレベリングバルブの上面図である。
【
図3】本発明の一構成によるレベリングバルブの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるレベリングバルブの分解立体図である。
【
図5】本発明の実施形態による下部筐体の斜視図である。
【
図7】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図8】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図9】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図12】
図12Aは、本発明による線Z-Zに沿った下部筐体の上部断面図である。
図12Bは、本発明による線Y-Yに沿った下部筐体の側面断面図である。
図12Cは、本発明による線X-Xに沿った下部筐体の側面断面図である。
【
図13】本発明による回転ディスクの上面図である。
【
図14】
図14Aは、本発明に用いる第1のポペットの斜視図である。
図14Bは、本発明に用いる第1のポペットの線B-Bに沿った断面図である。
【
図15】
図15Aは、本発明による第2のポペットの斜視図である。
図15Bは、本発明による第2のポペットの線C-Cに沿った断面図である。
【
図16】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図17】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図18】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図19】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図20】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図21A】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図21B】本発明による空気管理システムの概略図である。
【
図22】本発明による制御ユニットの概略図である。
【
図23】本発明によるシステムコントローラの概略図である。
【
図24】本発明による制御ユニットの概略図である。
【
図25】本発明によるシステムコントローラの概略図である。
【
図27】本発明による下部筐体の上面斜視図である。
【
図28】本発明による下部筐体の底面斜視図である。
【
図31】本発明による下部筐体を上から見た平面図である。
【
図32】本発明による下部筐体を下から見た平面図である。
【
図33】本発明による回転ディスクの斜視図である。
【
図34】本発明による回転ディスクを上から見た平面図である。
【
図35】本発明による回転ディスクの側面図である。
【
図36】
図34の線36に沿った本発明による回転ディスクの側面断面図である。
【
図40】本発明によるシャフトを下から見た端面図である。
【
図41】本発明によるシャフトを上から見た端面図である。
【
図43】本発明によるレベリングバルブの様々な動作段階での様々なバルブポートの空気圧を示すグラフである。
【
図44】本発明による第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路を備える空気管理システムの空気圧を調節する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の主題の態様は、多様な形態で具体化することができるが、以下の説明及び添付
の図面は、これらの形態のいくつかを単に主題の具体例として開示することが意図された
ものに過ぎない。したがって、本開示の主題が、そのようにして記載され図示された形態
または実施形態に限定されることは意図されていない。
【0025】
本開示は、車両の第1の側の高さを単独で調節するように構成された第1のレベリング
バルブを有する第1の空気圧回路と、車両の第2の側の高さを単独で調節するように構成
された第2のレベリングバルブを有する第2の空気圧回路と、第1のレベリングバルブを
第2のレベリングバルブに接続する交差流機構とを備えた車両用の空気管理システムを含
む。第1のレベリングバルブが車両の第1の側の高さを単独で調節しておらず、かつ第2
のレベリングバルブが車両の第2の側の高さを単独で調節していないとき、例えば、車両
の両側のライドハイト制御アームが中立位置にあるとき、または電子作動式バルブが中立
モードに設定されているときに、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブが
、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立する。第1のレベリ
ングバルブ及び第2のレベリングバルブは、車両が実質的に時速0マイルを超える速度で
走行している場合を含む全ての運転条件の下で、中立位置または中立モードに設定される
ように構成されている。
【0026】
本明細書で使用するとき、「中立位置」及び「中立モード」という用語は、レベリング
バルブが空気供給タンクから空気バネに空気を供給したり、空気バネから空気を大気に排
出したりしておらず、レベリングバルブの各々が互いに空気圧で連通している状態と定義
される。
【0027】
本明細書で使用するとき、「アクティブモード」という用語は、バルブが、ある空気圧
回路の1つ以上の空気バネの高さまたは空気圧を単独で調節している一方で、バルブが、
別の空気圧回路のいずれの構成要素とも空気圧で連通していない状態と定義される。
【0028】
本明細書で使用するとき、「交差流機構」または「交差流システム」は、第1の空気圧
回路と第2の空気圧回路との間の空気圧の連通を確立するために必要なあらゆる構成要素
を含み、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路は、車両の両側、すなわち左側及び右側
に設けられている。交差流機構または交差流システムは、各レベリングバルブ上の交差流
ポートに接続された第1のレベリングバルブと第2のレベリングバルブとを接続する交差
流空気ラインを含んでもよく、この交差流空気ラインは、供給タンクまたは供給タンクに
接続された供給ラインに直接接続されていない。交差流機構または交差流システムは、第
1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブの各々に接続された交差流コントロー
ラデバイスを含む場合もある。交差流機構または交差流システムは、電気センサ、例えば
、空気圧センサ、空気流センサ、ライドハイトセンサ、安定性制御センサを含む場合もあ
る。
【0029】
本明細書で使用するとき、「応答位置」とは、車両の両側の1つ以上のレベリングバル
ブが、空気圧回路内の空気バネの空気圧を単独で調節している状態と定義される。
【0030】
本明細書で使用するとき、「不感帯」とは、回転ディスクのディスク表面が下部筐体の
リザーバキャビティの上に完全に重なり、レベリングバルブが、空気供給タンクから空気
バネに空気を供給することも、空気バネから空気を大気に排出することもしないようにす
る回転範囲をいう。
【0031】
一例では、各レベリングバルブは、筐体と、筐体の内腔の中に配置されたバルブ要素と
、中立位置から1つ以上の応答位置に枢動して、バルブ要素の回転または移動を引き起こ
すように、筐体に枢動可能に接続された制御アームとを含む。別の例では、各レベリング
バルブは、筐体と、制御アームの代わりに筐体に電気的に接続されるライドハイトセンサ
とを含む。別の例では、各レベリングバルブは、筐体と、筐体の内腔の中に配置されたバ
ルブ要素と、バルブ要素の移動または回転を引き起こすように、筐体に枢動可能に接続さ
れた制御アームと、制御アームの移動を検出するために筐体内に配置されたセンサとを含
む。別の例では、各レベリングバルブは、筐体と、バルブ要素と、バルブ要素の回転また
は移動を引き起こすモータ(例えば、ステッピングモータ)とを含んでもよい。バルブ要
素は、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選択され得る。
【0032】
一例では、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブの両方の制御アームが
中立位置に設定されたときに、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブが、
第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立し、第1のレベリング
バルブ及び第2のレベリングバルブの一方の制御アームが1つ以上の応答位置に設定され
たときに、第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブが、第1の空気圧回路と
第2の空気圧回路との間の空気圧の連通を阻止するように構成されている。
【0033】
一例では、第1の空気圧回路は、車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセット
と、第1の供給タンクと、第1の空気バネのセットを第1のレベリングバルブに空気圧で
接続する第1の複数の空気ラインと、第1のレベリングバルブを第1の供給タンクに空気
圧で接続する第1の供給ラインとを含み、第2の空気圧回路は、車両の第2の側に配置さ
れた第2の空気バネのセットと、第2の供給タンクと、第2の空気バネのセットを第2の
レベリングバルブに空気圧で接続する第2の複数の空気ラインと、第2のレベリングバル
ブを第2の供給タンクに空気圧で接続する第2の供給ラインとを含む。別の例では、第1
の空気圧回路及び第2の空気圧回路は、共通の空気供給タンクによって空気が供給され、
空気管理システムが、車両の両側の空気バネに空気流を提供するために、1つの空気供給
タンクのみを含むようにすることができる。
【0034】
一例では、車両の両側に装備された空気圧回路の内部の均衡を維持するために、空気ラ
インが、等容積の空気を供給するように設けられている。空気ラインは、実質的に同じ(
例えば、±10%以内、または±5%以内、または±2%以内、または±1%以内)かま
たは等しい直径及び/または長さである。供給ラインは、実質的に同じ(例えば、±10
%以内、または±5%以内、または±2%以内、または±1%以内)かまたは等しい直径
及び/または長さである。
【0035】
図1A~
図1Cは、本明細書に開示される車両用の空気管理システムの構成(参照番号
100で示される)を示す。本空気管理アセンブリ100は、車両1の第1の側に配置さ
れた第1の空気圧回路と、車両1の第2の側に配置された第2の空気圧回路と、第1の空
気圧回路及び第2の空気圧回路を空気圧で接続する交差流ライン38とを含む。車両1は
、前方及び後方に駆動及び/または非駆動の車輪の付いた車軸2及び3を有し、これらは
、車軸2及び3の両側に図示されるように配置されたエアバッグ(区別なく空気バネとも
称される)のペア4及び5、6及び7、8及び9、ならびに10及び11によって、シャ
ーシ1に既知の方法で支持され得る。本発明は、図面に示す特定の個数の車軸(複数可)
、エアバッグ(空気バネ)、空気ライン/空気ホース、空気供給タンク(複数可)を有す
ることに限定されない。これらの要素が、当業者に直ちに明らかであるように、使用され
る車両の種類に応じて変化するためである。別の例では、第1の空気圧回路及び第2の空
気圧回路は、空気管理システム100が、車両1の両側の空気バネ4~11に空気流を提
供するために、1つの空気供給タンクのみを含むように、共通の空気供給タンクによって
空気が供給され得る。
【0036】
図1A~
図1Cでは、空気バネ4、5、8、及び9は、車両1の第1の側に配置され、
別個の空気ライン12、13、及び18~21によって互いに接続されて、第1の空気バ
ネのセットを形成する。空気バネ4、5、8、及び9と、別個の空気ライン12、13、
及び18~21とは、第1のレベリングバルブ16に接続されたバルブホース28によっ
て空気が供給される。供給ホース30は、第1のレベリングバルブ16から、空気を第1
のレベリングバルブ16に供給するための第1の供給タンク32まで直接延在している。
この供給ホース30には、圧力保護バルブ34も設けられている。よって、空気バネ4、
5、8、及び9と、別個の空気ライン12、13、及び18~21と、バルブホース28
と、第1のレベリングバルブ16と、供給ホース30と、圧力保護バルブ34(一部の車
両または空気管理システムでは不要)と、第1の供給タンク32とは、車両1の第1の側
の高さを単独で調節するのに適した第1の空気圧回路を形成する。
【0037】
いくつかの実施形態(図示せず)では、空気管理アセンブリ100は、第1の空気圧回
路及び第2の空気圧回路の両方に同時に空気を送り届ける単一の空気供給タンクと、この
空気供給タンクに単一のホースによって接続され、2つの供給ホースを介して第1の空気
圧回路及び第2の空気圧回路に接続される単一の圧力保護バルブとを備えてもよい。この
単一の圧力保護バルブは、空気管理システム100内で漏れまたは故障が起きた場合には
、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路の両方に十分な空気圧を供給するように構成さ
れている。この単一の圧力保護バルブは、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路の両方
に同時に十分な空気を提供するために、二重の圧力保護バルブ34に対してより大きな空
気量を有するように構成されている。
【0038】
空気バネ6、7、10、及び11は、車両1の第2の側に配置され、別個の空気ライン
14、15、及び22~25によって互いに接続されて、第2の空気バネのセットを形成
する。空気バネ6、7、10、及び11と、別個の空気ライン14、15、及び22~2
5とは、第2のレベリングバルブ17に接続されたバルブホース29によって空気が供給
される。供給ホース31は、第2のレベリングバルブ17から、空気を第2のレベリング
バルブ17に供給するための第2の供給タンク33まで直接延在している。この供給ホー
ス31には、圧力保護バルブ35も設けられている。よって、空気バネ6、7、10、1
1と、別個の空気ライン14、15、及び22~25と、バルブホース29と、第2のレ
ベリングバルブ17と、供給ホース31と、圧力保護バルブ35と、第2の供給タンク3
3とは、車両1の第2の側の高さを単独で調節するのに適した第2の空気圧回路を形成す
る。第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路の両方は、第1のレベリングバルブ16が単
独で、車両1の第1の側に空気を送り届け、または車両1の第1の側から空気を排気し、
かつ第2のレベリングバルブ17が単独で、車両1の第2の側に空気を送り届け、または
車両1の第2の側から空気を排気するように単独で動作可能である。
【0039】
各空気バネに対して実質的に同じ体積及び圧力の均衡の取れた供給空気を保証するため
に、車両1の第1の側の別個の空気ライン12、13、及び18~21と、車両1の第2
の側の別個の空気ライン14、15、及び22~25とは、実質的に同じサイズ(内径)
及び長さである。図示された構成では、別個の空気ライン18~21及び22~25は、
それぞれ、約12mm(1/2インチ)の内径を有する。各セットまたは群の空気ライン
(例えば18~25、28及び29、30及び31など)のサイズ及び長さが同じであれ
ば、同様の結果で他のサイズを使用することができる。同じような理由で、バルブホース
28及び29は実質的に同じサイズまたは内径及び長さであり、供給ホース30及び31
は実質的に同じサイズまたは内径及び長さである。別個の空気ライン18~21及び21
~25を備え、これらのラインを別々の供給レベリングバルブ16及び17に接続するこ
とにより、等容積の空気が空気バネの各々に急速に供給されるようにし、その結果、空気
バネの内圧が、バルブ16及び17に伝えられる路面条件の変化に適切に応答することが
保証される。したがって、第1の空気バネのセットの内圧の変化率は、第2の空気バネの
セットの内圧の変化率と実質的に対称を成す。
【0040】
第1の制御バルブ16及び第2の制御バルブ17は、それぞれ、空気バネ9及び11の
下部に取り付けられた剛性バー36に連結された制御アーム16a、17aを含む。制御
アーム16a、17aは、それぞれ、空気バネの圧縮及び伸長に応答して、上方及び下方
に移動するように構成され、これにより第1の制御バルブ16及び第2の制御バルブ17
を作動させて、空気バネに空気を供給するか、または空気バネから空気を排気する。第1
のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ17は両方とも、制御アーム16a
、17aが中立位置にあるときは、供給タンクから空気バネに空気を供給することも、空
気バネから大気に空気を排出することもしない。第1のレベリングバルブと第2のレベリ
ングバルブとを接続するように、交差流ライン38が第1のレベリングバルブ16から第
2のレベリングバルブ17まで延在している。
図1Aに示すように、交差流ライン38は
、供給ライン30、31または空気供給タンク32、33に直接接続されていない。制御
アーム16a、17aが両方とも中立位置にあるとき、第1の空気圧回路と第2の空気圧
回路との間に交差流ライン38を介して、車両1の第1の側の空気バネ4、5、8、及び
9と車両の第2の側の空気バネ6、7、10、11との間の空気圧を等しくする空気圧の
連通が存在するように、第1のレベリングバルブ16と第2のレベリングバルブ17とは
互いに空気圧で連通している。結果として、制御アーム16a、17aが両方とも中立位
置にあるとき、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路は、共通の回路として互いに連結
される。第1の空気バネのセットと第2の空気バネのセットとの間で等しい空気圧を維持
することによって、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ17は、両
方の制御アーム16a、17aが中立位置にあるときに、車両の両側の間の圧力を平衡さ
せる。図示の実施形態では、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に、車両の左側
と右側との間を空気が流れるような空気圧の連通を確立するためには、単一の交差流ライ
ン38のみが必要である。
【0041】
第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ17は、制御アーム16a、
17aが両方とも中立位置にあるときのみ、交差流ライン38を介した相互の空気圧連通
を可能にする。言い換えれば、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ
17は、制御アーム16a、17aのいずれか一方が中立位置にないときに、第1の空気
圧回路と第2の空気圧回路との間の空気圧の連通を阻止する。制御アーム16a、17a
のいずれか一方が中立位置から上方及び下方に移動しているときに、第1の空気圧回路と
第2の空気圧回路との間に連通を確立しないことによって、第1のレベリングバルブ16
と第2のレベリングバルブ17とは単独で、空気バネから空気を排気し、または空気バネ
に空気を供給することができる。したがって、車両1が、車両の重心を移動させる急なコ
ーナーを首尾よく曲がるときに、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバル
ブ17の一方は、車両1の荷重移動が原因で収縮した空気バネのセットに空気を供給する
が、第1のレベリングバルブ16と第2のレベリングバルブ17との間には全く交差流が
なく、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ17のもう一方は、車両
の荷重移動が原因で伸長した空気バネのもう一方のセットから空気を排気する。この状態
では、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベリングバルブ17は、一方の空気バネ
のセットに過剰に空気を供給するか、または他方の空気バネのセットから過剰に空気を排
出することによって、車両の動的荷重移動を過剰に補償し、第1の空気バネのセットと第
2の空気バネのセットとの間にわずかな圧力差をもたらし得る。第1の空気バネのセット
と第2の空気バネのセットとの間のこのわずかな圧力差により、車両1がコーナーから離
れる際に、どちらの制御アーム16a、17aも中立位置から離れて枢動するようには作
動しない可能性があり、これにより、車両1は、本開示に記載された機構がなければ、非
水平状態を維持されることになる。本開示によれば、両方の制御アーム16a、17aが
交差流38を介して中立位置にあるときに、第1のレベリングバルブ16及び第2のレベ
リングバルブ17が互いに連通するので、高圧力側の空気バネのセットから低圧力側の空
気バネのセットに、空気が交差流ライン38を経由して移り、それによって平衡状態に達
するときに、第1の空気バネのセットと第2の空気バネのセットとの間のわずかな圧力差
が解消される。
【0042】
図2は、本発明の1つの構成によるレベリングバルブ50を概略的に示す。本レベリン
グバルブ50は、筐体60及び制御アーム70を含む。筐体60は、供給タンクに接続さ
れる供給ポート61と、大気に接続される排気ポート62と、車両の両側の一方に搭載さ
れた空気バネに接続される空気バネポート63と、車両の別の側の第2のレベリングバル
ブに接続される交差流ポート64とを含む。
図2は、1つの空気バネポートを有した筐体
60を示すが、筐体60は、車両のそれぞれの側に配置された空気バネの複数のセットと
連通する2つ以上の空気バネポートを含んでもよい。さらに、ポートの、互いに対する相
対配置と制御アームに対する相対配置とは変更してもよく、これらの相対配置が、
図2に
示す配置に限定されることを意図していない。
【0043】
図2に示すように、制御アーム70は、筐体60に接続され、車両の片側に配置された
空気バネの圧縮及び伸長に応答して、複数の位置の間を、筐体60を中心に枢動する。空
気バネが圧縮されると、制御アーム70は、水平位置から第1の位置まで上向きに枢動し
、これにより、筐体の供給ポート61と空気バネポート63との間に連通が確立される。
その結果、空気が供給タンクからそれぞれ空気バネに供給され、それによって空気バネの
空気圧を増加させる。それぞれの空気バネが伸長すると、制御アーム70は、水平位置か
ら第2の位置まで下向きに枢動し、これにより、筐体60の排気ポート62と空気バネポ
ート63との間に連通が確立される。それに伴って、空気が空気バネから排出されて大気
に放出され、それによって空気バネの空気圧を低下させる。制御アーム70が中立位置か
ら離れていずれかの方向に枢動するとき、空気バネポート63は交差流ポート64と連通
しない。中立位置では、制御アーム70は、地面に平行に制御アーム70が延在するよう
な水平位置に実質的に向けられている。制御アーム70が中立位置に設定されると、空気
バネポート63は、供給ポート61にも排気ポート62にも連通しない。その代わりに、
空気バネポート63は、(
図1A~
図1Cに示すように)レベリングバルブ50が車両の
反対側に配置された別のレベリングバルブと連通できるように、制御アーム70が中立位
置に設定されるときには交差流ポート64と連通する。
【0044】
1つの例示的な構成によれば、レベリングバルブは、筐体の中心の内腔(図示せず)に
受け入れられるディスクなどの回転部材(図示せず)を含んでもよく、この中央の内腔は
筐体の各ポートに空気圧で接続される。この回転部材は、制御アームの枢動移動が回転部
材の回転を誘導するように、制御アームに回転可能に接続されている。回転部材は、筐体
のポートの間の連通を変更するように、複数の位置の間を回転し得る。各レベリングバル
ブは、応答位置で作動させたときに、空気バネに空気を送り届けるかもしくは排気するた
めに、または中立位置で作動させたときに、排気ポート及び供給ポートへの空気流を遮断
し、中立位置の交差流ポートで空気圧の連通を開始するために、サイズの異なる溝または
貫通穴を有する少なくとも1つの回転部材(図示せず)を備えた対称的に動的な均等化さ
れた容積及び圧力を分配するバルブである。したがって、車両の片側のレベリングバルブ
が中立位置にあるが、車両の反対側のレベリングバルブが中立位置にない場合は、2つの
レベリングバルブの間に空気圧の連通はない。ただし、両方のレベリングバルブが中立位
置に動かされると、車両の両側の空気圧回路の間に空気圧の連通が確立される。
【0045】
どちらのレベリングバルブも車両のそれぞれの側の高さを単独で調節していないときに
、交差流を確立することで、車両の両側の空気バネの間の不均衡な圧力差が減らされる。
これらの圧力差に寄与する1つの要因は重力であることが分かっている。例えば、車両が
うまくコーナーを曲がっていて、動的な横方向の荷重移動を受けると、レベリングバルブ
の1つが、圧縮された空気バネに空気を供給することによって応答し、その一方でレベリ
ングバルブのもう1つが、伸長した空気バネから空気を排出させる。しかしながら、横方
向の荷重移動に応答して空気を供給するレベリングバルブは、圧縮した空気バネに対して
作用する重力に打ち勝つように、はるかに大きな力で空気を供給する傾向がある。結果と
して、レベリングバルブは、多くの場合、車両の反対側にある他の空気バネのセットから
排出された空気の量よりも多くの空気を、そのレベリングバルブの空気バネのセットに供
給する。制御アームは、車両の両側の空気バネの間に圧力差が残存しているが、水平な中
立位置に戻り、その位置では各レベリングバルブの供給ポート及び排気ポートは(例えば
、不感帯の位置の範囲内に)閉じられ、そのために、空気バネのセットの1つに供給され
た過補償空気の原因とならない。
【0046】
本発明の空気管理システムは、両方のレベリングバルブが中立モードにあるときに、少
なくとも2つの独立した空気回路を連結して1つの共通空気回路を形成することによって
、車両の両側の空気バネの間の圧力差を減らすという予想外の利点をもたらす。本文脈で
は、レベリングバルブが、空気供給タンクから空気を供給することも、大気中に空気を排
気することもしないときに、レベリングバルブは「中立モード」にある。よって、本発明
の空気管理システムは、レベリングバルブの少なくとも1つが中立モードにないときに、
第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間の連通を阻止することによって、車両の両側
を別々に調節することができる。本発明の空気管理システムは、両方のレベリングバルブ
が中立モードにあるときにのみ、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間の交差流の
連通を確立することによって、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回路を1つの共通回路
に連結することもできる。車両の両側の空気バネの間に交差流を確立すると、より大きな
圧力を有する過剰に補償された空気バネが、交差流ラインを介して車両の反対側の空気バ
ネに空気を放出できるようになり、それによって車両の両側の空気バネの間の平衡を促進
する。最終的に、全てのレベリングバルブが中立モードに設定されたときに、選択的に交
差流を提供する機能によって、空気管理システムは、良好なトラクションで、非常に安定
した、安全で快適な乗り心地を維持することが可能になる。
【0047】
図3及び
図4は、本発明の1つの構成による機械作動式バルブの別の図を示す。
図3及
び
図4に示すレベリングバルブ300は、バルブ本体310を含む。このバルブ本体31
0は上部筐体320を備え、この上部筐体320は下部筐体330に取り付けられている
。上部筐体320を通って延在するシャフトに、制御アーム340が取り付けられている
。上部筐体320は、留め具(図示せず)によって下部筐体330に取り付けられる。こ
の留め具は、上部筐体320及び下部筐体330の角を貫通する取り付け穴の中に受け入
れられる。
【0048】
図4及び
図5を参照すると、下部筐体330は、空気タンク(図示せず)に接続する供
給ポート334aと、空気バネ(図示せず)から空気を排気するための排気ポート334
bと、第1の空気バネのセット(図示せず)に接続する第1のポート334cと、第2の
空気バネのセット(図示せず)に接続する第2のポート334dと、別のレベリングバル
ブ(図示せず)に接続する交差流ポート334eとを含む少なくとも5つのポート334
a~334eを備える。第1のポート334c及び第2のポート334dは、下部筐体3
30の一方の側の第1のバネポート334cが、下部筐体330の他方の側の第2のバネ
ポート334dと一致するように配置されている。さらに、ポート334a~334dは
、下部筐体330の一方の側の供給ポート334aが、下部筐体330の反対側の排気ポ
ート334bと一致するように配置されている。
【0049】
下部筐体330は、下部筐体330の各ポート334a~334eへの別個の空気流路
(図示せず)を含んでおり、供給ポート334aから供給される空気、または排気ポート
334bに排気される空気が、交差流ポート334eを通って流れる空気とは無関係に単
独で存在するようにしている。
図5を参照すると、下部筐体330は、複数の円形キャビ
ティ338a~338cを画定する第1の表面336を含む。供給ポート334aは、下
部筐体330中に形成された1つの空気流路によって供給キャビティ338aに連結され
、排気ポート334bは、下部筐体330中に形成された第2の空気流路によって排気キ
ャビティ338bに連結されている。交差流ポート334eは、下部筐体330中に形成
された第3の空気流路によって交差流キャビティ338cに連結されている。第1のバネ
ポート334c及び第2のバネポート334dは、下部筐体330中に形成されたリザー
バキャビティ(図示せず)によって連結されてもよい。
【0050】
図4及び
図6A~
図6Cは、本発明の1つの構成による回転ディスク350を示す。図
4を参照すると、回転ディスク350は、下部筐体と上部筐体との間に画定された中心内
腔の中に受け入れられる。回転ディスク350は、棒(図示せず)を回転可能に受け入れ
るように構成された中央開口部352を含む。この棒は、下部筐体330から延在し、上
部筐体320を通って制御アームに接続する。回転ディスク350は、下部筐体330の
中心内腔の内部で棒(図示せず)の周りを回転するように構成されており、それによって
中央開口部352を枢着部として画定している。回転ディスク350は、中央開口部35
2の周りに間隔を置いて配置された2つの長方形のスロット354を含み、ディスク表面
353がこれらの間にかつ回転ディスク350の外縁に沿って画定される。ディスク表面
353は、回転ディスク350の固体表面のみを含み、スロットによって画定されるいか
なる空隙も含まない回転ディスク350の領域に対応する。よって、回転ディスク350
のディスク表面353がそれぞれのキャビティに完全に重なると、空気流がそのそれぞれ
のキャビティを通って入ることを制限される。さらに、回転ディスク350は交差流スロ
ット355を含む。この交差流スロット355は、長方形のスロット354のいずれより
も小さい。
【0051】
回転ディスク350の角度位置は、制御アーム340がバルブ300のバルブ本体31
0の周りを枢動すると変化する。
図6Aに示すように、制御アーム340が水平位置に設
定されるときに、回転ディスク350は中立位置に設定され、その位置では回転ディスク
350のディスク表面353が、下部筐体330の供給キャビティ338a及び排気キャ
ビティ338bの両方の上に重なる。したがって、中立位置では、回転ディスク350は
、不感帯の回転範囲の範囲内に設定される。その結果として、回転ディスク350が中立
位置に設定されるとき、空気バネは供給ポート334aにも排気ポート334bにも接続
されない。しかしながら、交差流スロット355は交差流キャビティの上に重なり、その
結果、第1のバネ及び第2のバネが交差流ポート334eと連通する。
図6Bに示すよう
に、制御アーム340の時計回りの回転の結果、回転ディスク350は、スロット354
、355の配置によって供給キャビティ338aをリザーバキャビティ(図示せず)に接
続させる角度位置まで回転して、空気バネが供給タンクから空気を受け取れるようにし、
それによって空気バネの空気圧を増加させる。
図6Cに示すように、制御アーム340の
反時計回りの回転の結果、回転ディスク350は、スロット354、355の配置によっ
て排気キャビティ338bをリザーバキャビティ(図示せず)に接続させる角度位置まで
回転して、空気バネから大気中に空気が排出されるようにする。他の構成では、ある回転
ディスク350の時計回りの移動のための1つの条件が、本発明による別の回転ディスク
350の反時計回りの回転に対応することがある。例えば、回転アームが時計回りに回転
すると、回転ディスク350は、スロット354、355の配置によって排気キャビティ
338bをバネのリザーバキャビティ(図示せず)に接続させる角度位置まで回転して、
空気バネが大気中に空気を排気するようにし、それによって空気バネの空気圧を低下させ
ることができる。さらに、回転アームが反時計回りに回転すると、回転ディスクは、スロ
ット354、355の配置によって供給キャビティ338aをバネのリザーバキャビティ
(図示せず)に接続させる角度位置まで回転して、空気が供給タンクから空気バネに供給
されるようにすることができる。
【0052】
図10、
図11、及び
図12A~
図12Cは、本発明の1つの構成による下部筐体43
0を示す。下部筐体430は、
図3及び
図4に示す上部筐体320に取り付けて、レベリ
ングバルブのバルブ本体を形成するように構成される。
図3~
図5に示す構成と同様に、
下部筐体430は、空気タンク(図示せず)に接続する供給ポート434aと、空気バネ
(図示せず)から空気を排気するための排気ポート434bと、第1の空気バネのセット
(図示せず)に接続する第1のポート434cと、第2の空気バネのセット(図示せず)
に接続する第2のポート434dと、別のレベリングバルブ(図示せず)に接続する交差
流ポート434eとを含む少なくとも5つのポート434a~434eを備える。下部筐
体430は、任意選択で、ダンプバルブ(図示せず)に接続する第6のポート434f(
図12A及び12Bに示す)をさらに含むことができ、このダンプバルブは、空気管理シ
ステムの各空気バネから全ての空気を同時に排出するように構成される。
【0053】
図12A~
図12Cに示すように、下部筐体430は、供給ポート434aに接続され
た供給流路432aと、排気ポート434bに接続された排気流路432bと、第1のポ
ート434cに接続された第1の流路432cと、第2のポート434dに接続された第
2の流路432dと、交差流ポート434eに接続された交差流流路432eと、ダンプ
ポート434fに接続されたダンプ流路432fとを含む、各ポート434a~434f
への別個の空気流路を含む。下部筐体430は、複数の円形の止まり穴438a~438
cとリザーバキャビティ439とを画定する第1の表面436を含む。止まり穴438a
~438cとしては、供給流路432aによって供給ポート434aに連結された供給穴
438aと、排気流路432bによって排気ポート434bに連結された排気穴438b
と、交差流流路432eによって交差流ポート434eに連結された交差流穴438cと
がある。さらに、下部筐体430は、上部筐体320を貫通して制御アームを受け止める
棒(図示せず)を受け入れるように構成された中心孔438dを含む。第1の流路432
c、第2の流路432d、及びダンプ流路432fは、合わせて相互接続され、リザーバ
キャビティ439から延在する。
図10に示す一例では、下部筐体430は、第1の表面
436から突出した隆起表面437を含んでもよく、そこで穴438a~438c及びキ
ャビティ439が、この隆起表面437に沿って画定されている。下部筐体430の隆起
表面437は、上部筐体320の下面と係合して、その中にチャンバを画定するように構
成される。
【0054】
図13は、本発明の構成による回転ディスク450を示す。
図4及び
図6A~
図6Cに
示す構成と同様に、回転ディスク450は、中央開口部452と、2つの長方形のスロッ
ト454と、交差流スロット455とを含み、ディスク表面453がこれらの間にかつ回
転ディスク450の外縁に沿って延在する。中央開口部452は、2つの長方形スロット
454と交差流スロット455との間に配置される。2つの長方形スロット454は、回
転ディスク450の中心軸A-Aから対称的に間隔を置いて配置されており、交差流スロ
ット455は、回転ディスク450の中心軸A-Aの上に重なり、中央開口部452が、
長方形スロット454と交差流スロット455との間に配置される。交差流スロット45
5の断面積は、各長方形スロット454の断面積に比べてかなり小さい。例えば、交差流
スロット455の断面積は、長方形スロット454の断面積のせいぜい3分の1、4分の
1、5分の1、10分の1、20分の1、30分の1、40分の1以下の大きさしかない
。いくつかの非限定的な実施形態(例えば、
図33~
図36)では、交差流スロット45
5の幅または直径が、回転ディスク450の第1の面で第1の横断寸法を有し、回転ディ
スク450の第2の面で第2の横断寸法を有し、第1の横断寸法が第2の横断寸法よりも
大きいように、交差流スロット455の幅または直径を、その深さにわたって変化させて
もよい。
【0055】
回転ディスク450は、下部筐体430の隆起表面437上に受け止められ、中央開口
部452は、下部筐体430の第1の表面436から回転バルブの上部筐体(図示せず)
まで延在するシャフト(図示せず)を受け入れる。
図4及び
図6A~
図6Cに示す構成と
同様に、回転ディスク450は、中立位置、第1の角度位置、及び第2の角度位置を含む
複数の位置の間を、シャフトを中心に回転するように構成される。中立位置では、回転デ
ィスク450のディスク表面453は、空気バネが供給ポート434aにも排気ポート4
34bにも接続されないように、下部筐体430の供給穴438a及び排気穴438bの
両方の上に重なる。したがって、回転ディスク450は、中立位置に設定されたときに、
不感帯の回転範囲の範囲内に設定される。中立位置では、交差流スロット455が交差流
穴438cの上に重なり、その結果、第1のバネ及び第2のバネが交差流ポート434e
と連通する。
【0056】
回転ディスク450が中立位置から離れて時計回り方向に第1の角度位置まで回転され
ると、長方形スロット454が供給穴438aをリザーバキャビティ439に接続して、
空気バネが供給タンクから空気を受け取れるようにし、それによって空気バネの空気圧を
増加させる。回転ディスク450が第1の角度位置に設定されると、交差流スロット45
5は交差流穴438から離れるように回転され、不感帯453が交差流穴438cの上に
重なるようになる。回転ディスク450が中立位置から離れて反時計回り方向に第2の角
度位置まで回転されると、長方形スロット454が排気穴438bをリザーバキャビティ
439に接続して、空気バネから空気が排出されるようにする。回転ディスク450が第
2の角度位置に設定されると、交差流スロット455は交差流穴438cから離れるよう
に回転され、不感帯453が交差流穴438cの上に重なるようになる。
【0057】
交差流スロット455の寸法形状により、回転ディスク450は、不感帯453が交差
流穴438cの上に完全に重なるために、中立位置から時計回りまたは反時計回りのいず
れかの方向に、約1°~2°だけわずかに回転される必要がある。したがって、この回転
ディスクは、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間の交差流を可能にすることから
、交差流が生じることなく車両の片側への空気流を単独で制御することへと急速に移行す
ることができる。長方形スロット454は、回転ディスクが中立位置から時計回りまたは
反時計回りのいずれかの方向に約1°~2°だけ回転している間に、下部筐体430の供
給穴438a及び排気穴438bのどちらとも連通していない。回転ディスクの回転速度
が所定の閾値速度を超えるとき、回転ディスク450は、移行中に空気が交差流穴438
c及び交差流ポート434eを通って流れることなく、第1の角度位置から第2の角度位
置まで回転し得る。したがって、車両が、引き続いて起こる動的な荷重移動を受けると、
回転ディスクは、移行中に第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間で交差流を生じさ
せることなく、空気バネへの空気の供給と空気バネからの空気の排出との間を切り替える
ことができる。
【0058】
図14A及び
図14Bは、本発明で使用される1つの構成による第1のポペット460
を示す。第1のポペット460は、第1の端部464から第2の端部466まで延在する
円筒形本体462を含む。第1のポペット460は、第1の端部464に沿って画定され
る第1の開口部463aから、第2の端部466に沿って画定される第2の開口部463
bまで本体462を貫通する流路463を含む。第1の開口部463aの大きさは、第2
の開口部463bの大きさと等しい。第1のポペット460は、下部筐体430の供給穴
438a及び排気穴438bの両方に配置され、そこで第1の端部464が、下部筐体4
30の第1の表面436から突出し、回転ディスク450と係合して、供給穴438a及
び排気穴438bと長方形スロット454との間に気密封止をもたらす。いくつかの他の
構成(図示せず)では、流路463の直径または幅がその全長にわたって変化するように
、第1の開口部463aの大きさが、第2の開口部463bの大きさと異なっていてもよ
い。一例では、第1の開口部463aが第1の直径を有し得、第2の開口部463bが第
2の直径を有し得、第2の直径が第1の直径よりも小さい。
【0059】
図15A及び
図15Bは、本発明の1つの構成による第2のポペット470を示す。第
1のポペット460と同様に、第2のポペット470は、第1の端部474から第2の端
部476まで延在する円筒形本体472を含む。第1のポペット470は、第1の端部4
74に沿って画定される第1の開口部473aから、第2の端部476に沿って画定され
る第2の開口部473bまで本体472を貫通する流路473を含む。第1のポペット4
60と異なり、第2のポペット470の第1の開口部473aの大きさは、第2の開口部
473bの大きさよりも小さい。第2のポペット470の第1の開口部473aの大きさ
及び形状は、回転ディスク450の交差流スロット455の大きさ及び形状に対応する。
第2のポペット470は、下部筐体の交差流穴438cに配置され、そこで第1の端部4
74が、下部筐体430の第1の表面436から突出し、回転ディスク450と係合して
、回転ディスク450の交差流スロット455と交差流穴438cとの間に気密封止をも
たらす。
【0060】
非限定的な一実施形態では、下部筐体430は、第1の表面436に沿って配置された
第4の止まり穴(図示せず)を備えてもよい。これにより、第4の止まり穴が交差流穴4
38cと整列し、リザーバキャビティ439が、第4の止まり穴と交差流穴438cとの
間に配置される。いくつかの実施形態では、第4の止まり穴は、中心孔438dに関して
供給穴438a及び排気穴438bから90度離れ、かつ中心孔438dに関して交差流
穴438cから180度離れている。第4の止まり穴は、供給流路432a、排気流路4
32b、第1の流路432c、第2の流路432d、交差流流路432e、及びダンプ流
路432fのいずれとも空気圧で連通していない。いくつかの実施形態では、第4の止ま
り穴内に第3のポペット(図示せず)を配置してもよい。いくつかの実施形態では、第3
のポペットは、交差流穴438c内に受け入れられた第1のポペット460と同じ構成を
備え、第3のポペットが、下部筐体430の第1の表面436の上に突出するように構成
された第1の端部を有するようにしてもよい。第3のポペットは、回転ディスク450が
下部筐体430の第1の表面436上に受け止められたときに、回転ディスク450に係
合するように構成され、回転ディスク450の底面が4つのポペットに係合するようにす
る。つまり、一対の第1のポペット460が供給穴438a内及び排気穴438b内に受
け入れられ、第2のポペット470が交差流穴内に受け入れられ、第3のポペットが第4
の止まり穴内に受け入れられる。中心孔438dに関して90度ずつずれた4つのポペッ
トを係合させることにより、回転ディスク450は水平位置に維持される。
【0061】
図43は、本発明による例示的な実施形態におけるレベリングバルブの下部筐体の様々
なポートでの制御アームの角度と空気圧との間の関係を示す。
図43に示すように、x軸
は機械的動作の時間を秒単位で反映し(すなわち、実線で表される)、y軸は、制御アー
ムの度単位での角度と、制御アームの変化に応答した様々なバルブポートの圧力毎平方イ
ンチゲージ圧(PSIG)単位での空気圧との両方を示す(点線または破線によって表さ
れる)。
図43を参照すると、車両が動的に道路状況の変化に遭遇するとき、つまり、制
御アームが、最初にx軸で示されている中立位置から離れて枢動するとき、作用ポート(
すなわち、空気バネに接続されたバネポート)の空気圧は指数関数的に増加し、一方、供
給ポートの空気圧はわずかに減る。したがって、レベリングバルブは、制御アームが中立
位置から離れて供給位置へと枢動するとき、空気バネに空気圧を供給する際に、急速に応
答するように構成されている。次に、
図43のx軸上で約14秒に示されるように、制御
アームが最初に中立位置に向かって枢動して戻るとき、バネポートレベルの空気圧は一定
のレベルに維持される。
図43のx軸上で約28秒に示されるように、レベリングアーム
が中立位置に戻ると、交差流ポートの空気圧は約90PSIGに急上昇し、バネポートの
空気圧はわずかに低下する。結果的に、接続されている空気バネの圧力がわずかに低下し
、車両の両側に配置された空気バネが等しくなる。次に、車両が運転を続け、異なる路面
状況の変化に遭遇するとき、つまり、
図43のx軸上で約29秒から始まり、制御アーム
が中立位置から反対の方向に離れて枢動するとき、排気ポートの空気圧は増加し、バネポ
ートの空気圧は、制御アームが中立位置に設定されたときの空気圧の減少と比較して、よ
り速い速度で指数関数的に減少する。そのため、接続されている空気バネの空気圧は、制
御アームが排気位置に切り替わることに応答して、大幅に低下する。したがって、
図43
は、本発明によるレベリングバルブが3つの独特の段階に従って動作することを示してい
る。すなわち、(i)供給モード、(ii)排気モード、及び(iii)交差流モードで
ある。さらに、
図43は、レベリングバルブが一度に3つのモードのうちの1つだけで動
作し得るように、別々の段階の間にブリードオーバがないことを示している。
【0062】
様々な実施形態によれば、
図44は、1つ以上の空気供給タンク32、33と、車両の
第1の側に配置された第1の空気圧回路と、車両の第2の側に配置された第2の空気圧回
路とを備える空気管理システム100の空気圧を調節する方法900を示す。
図44に示
すように、本方法900は、第1の空気圧回路の空気圧を第1のレベリングバルブ16に
よって単独で調節するステップ910を含む。様々な実施形態では、第1の空気圧回路の
空気圧を単独で調節することは、1つ以上の空気供給タンク32、33から第1の空気圧
回路に空気を供給するか、または第1の空気圧回路から大気に空気を排出することを含む
。
図44に示すように、方法900は、第2の空気圧回路の空気圧を第2のレベリングバ
ルブ17によって単独で調節するステップ920を含む。様々な実施形態では、第2の空
気圧回路の空気圧を単独で調節することは、1つ以上の空気供給タンク32、33から第
2の空気圧回路に空気を供給するか、または第2の空気圧回路から大気に空気を排出する
ことを含む。
図44に示すように、方法900は、第1のレベリングバルブ16及び第2
のレベリングバルブ17の両方が中立モードに設定されるときのみ、第1の空気圧回路と
第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立するステップ930を含む。様々な実施形
態では、中立モードにあるレベリングバルブは、1つ以上の空気供給タンクから空気を供
給することも、大気中に空気を排出することもしない。
【0063】
本空気管理システムは、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間の連通を制御する
機械作動式または電子作動式のレベリングバルブを含み得る。1つの例示的な構成では、
この空気管理システムは、各空気バネに配置されたレベリングバルブを含んでもよく、各
レベリングバルブは、マニホルドと、マニホルドのチャンバ内に配置されたプランジャと
を含む。プランジャは、マニホルドのチャンバ内で、第1の空気圧回路と第2の空気圧回
路との間の交差流を確立するための第1の位置と、車両のそれぞれの側の高さを単独で調
節するための第2の位置とを少なくとも含む、1つ以上の位置の間を移動するように構成
されている。空気流を作動させる制御アームを有するのではなく、マニホルドは、空気流
がそれぞれの空気バネから供給されるかまたは排出されるように、1つ以上の位置の間で
プランジャを移動させる電子式アクチュエータを含んでもよい。1つの例示的な構成では
、空気管理システムは、空気管理システムの各空気バネに接続された個々のポートを含む
中央マニホルドを有してもよい。
【0064】
1つの例示的な構成では、レベリングバルブは、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路
との間の交差流が、第1の空気バネのセットと第2の空気バネのセットとの間の空気圧を
選択的に均等化できるようにしながら、車両の各側への空気を別々に調節できるようにす
る1つ以上の電磁バルブで構成され得る。さらに、空気管理システムは、電子作動式レベ
リングバルブの動作を制御するために、レベリングバルブと電気的に接続(例えば、無線
通信または有線通信)するコントローラを含んでもよい。さらに、空気管理システムは、
空気ラインに設けられて、圧力変化及び圧力不均衡を検知し、そのようなデータをレベリ
ングバルブまたは1つ以上のレベリングバルブ自体と電気的に接続(例えば、無線通信ま
たは有線通信)しているコントローラに伝達する空気圧センサを備えてもよい。さらに、
空気管理システムは、高さ制御のためのライドハイトセンサ、ポートの1つ以上における
流量センサ、及び電子システムとの通信、例えば、車両1のエレクトロニックスタビリテ
ィプログラム(ESP)、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)、車両安定
制御(VSC)、自動トラクションコントロール(ATC)、及び/または車両のロール
安定性制御システムを含むが、これらに限定されない、任意の電子安定性制御(ESC)
との通信に基づく入力を含んでもよい。空気管理システムの作動を、車両のESP、DS
C、ATC、またはVSCにも連結されているコントローラに連結すると、ブレーキ及び
ステアリングの制御を空気管理システムの動作と同期させることによって、車両の全体的
な安全性が向上する。
【0065】
様々な構成において、空気管理システムのコントローラは、レベリングバルブ、センサ
、及びその他の車両電子システム(例えば、ESC、ESP、DSC、VSC、ATCな
ど)と電気的に接続する。様々な実施形態では、コントローラは、センサから送られる空
気バネの高さや圧力の測定値などの測定値信号を受け取り得る。コントローラは、測定値
信号及びデータ信号に基づいて、空気管理システムの各空気バネの現在の状態と車両の動
的動作状態とを計算するように構成されている。1つの構成では、コントローラは、受け
取った測定値信号及びデータ信号に基づいて、空気管理システムの空気バネ間の圧力差ま
たは高さ差を計算するように構成される。コントローラは、空気バネ間の圧力差または高
さ差が所定の閾値より大きいと、アクティブモードでバルブを作動させ、圧力差または高
さ差が所定の閾値より小さいと、中立モードでバルブを作動させるように構成されている
。したがって、車両のそれぞれの側の間にかなりの高低差がある場合、コントローラは、
車両をより速い速度で水平状態に導くために、それぞれの空気圧回路の空気バネの高さを
単独で調節するコマンドをレベリングバルブに送るように構成される。様々な実施形態に
おいて、コントローラは、任意の車両速度のアクティブモードで動作させるように、レベ
リングバルブにコマンドを送ることができる。車両のそれぞれの側の間に、ロール状態を
誘発しないわずかな高さ差があるだけの場合、コントローラは、中立モードに設定される
ようにレベリングバルブにコマンドを送り、空気バネ間に交差流を確立することによって
、空気バネ間の圧力差を減らすように構成される。様々な実施形態において、コントロー
ラは、時速0マイルまたは時速0キロメートルを実質的に超える速度を含む、任意の車両
速度の中立モードで動作させるために、コマンドをレベリングバルブに送る。
【0066】
図7~
図9は、一連の空気ラインを備える空気管理システムを示し、それぞれの空気バ
ネと制御バルブとの間に延在する全ての空気ラインの長さは、等しい長さ及び内径を有す
る。
図7は、第1の空気圧回路と、第2の空気圧回路と、少なくとも2つのレベリングバ
ルブ300aとを備える空気管理システム200aを示す。各空気圧回路は、1つ以上の
空気バネ205aと、空気供給タンク210aと、レベリングバルブ300aと供給タン
ク210aとの間に延在する供給ライン220aと、1つ以上の空気バネ205aをレベ
リングバルブ300aに接続する一揃いのバネライン230aとを含む。さらに、空気管
理システム200aは、各供給ライン220aに接続された圧力保護バルブ240a(全
ての空気管理システムに必要ではない)を含む。空気管理システム200aのいくつかの
構成では、バネライン230aは等しい長さ及び直径を有し得、供給ライン220aは等
しい長さ及び直径を有し得る。各レベリングバルブ300aは、制御アーム305によっ
て機械的に作動され、第1の空気圧回路または第2の空気圧回路の一方への空気流を単独
で調節するように構成される。レベリングバルブ300aは、全てのレベリングバルブが
中立モードに設定されたときに、交差流ライン250aによって互いに連結されて、第1
の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に流体連通を確立する。したがって、レベリング
バルブ300aは、空気が空気タンクから空気バネに供給されることも、空気が空気バネ
から大気に排出されることもないときに、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に
交差流をもたらすように構成されている。
【0067】
図8は、第1の空気圧回路と、第2の空気圧回路と、少なくとも2つのレベリングバル
ブ300bとを備える空気管理システム200bを示す。各空気圧回路は、1つ以上の空
気バネ205bと、空気供給タンク210bと、レベリングバルブ300bと供給タンク
210bとの間に延在する供給ライン220bと、1つ以上の空気バネ205bをレベリ
ングバルブ300bに接続する一揃いのバネライン230bとを含む。空気管理システム
200bのいくつかの構成では、バネライン230bは等しい長さ及び直径を有し得、供
給ライン220bは等しい長さ及び直径を有し得る。さらに、空気管理システム200b
は、各供給ライン220bに接続された圧力保護バルブ240bを含む。
図8に示すよう
に、レベリングバルブ300bは、交差流ライン250bによって互いに接続された電子
作動式レベリングバルブである。電子作動式レベリングバルブは、空気が空気タンクから
空気バネに供給されることも、空気が空気バネから大気に排出されることもないとき、す
なわち、中立モードにおいて、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に交差流をも
たらすように構成されている。
【0068】
図9は、第1の空気圧回路と、第2の空気圧回路と、少なくとも2つのレベリングバル
ブ300cとを備える空気管理システム200cを示す。空気管理システム200cは、
1つ以上の空気バネ205cと、各レベリングバルブ300cにそれぞれの供給ライン2
20cによって接続された供給空気タンク210cとを備え、圧力保護バルブ240cが
供給ライン220cに組み込まれている。各レベリングバルブ300cは、一揃いのバネ
ライン230cによって、1つ以上の空気バネ205cと接続されている。空気管理シス
テム200cのいくつかの構成では、バネライン230cは等しい長さ及び直径を有し得
、供給ライン220cは等しい長さ及び直径を有し得る。レベリングバルブ300cは、
交差流ライン250cによって互いに接続されている。
図9に示すように、レベリングバ
ルブ300cは、電子作動式レベリングバルブであり、制御ユニット260と電気的に接
続している。この電気的接続は、有線接続または無線接続によって確立され得る。電子作
動式レベリングバルブは、空気が空気タンクから空気バネに供給されることも、空気が空
気バネから大気に排出されることもないとき、すなわち、中立モードにおいて、第1の空
気圧回路と第2の空気圧回路との間に交差流をもたらすように構成されている。
【0069】
図16~
図18は、空気流の制御を電子制御ユニットと同期させる空気管理システムを
示す。
図16は、第1の空気圧回路510aと、第2の空気圧回路520aと、少なくと
も2つのレベリングバルブ600aとを備える空気管理システム500aを示す。各空気
圧回路510a、520aは、1つ以上の空気バネ530aを含む。各レベリングバルブ
600aは、第1の空気圧回路または第2の空気圧回路の一方への空気流を単独で調節す
るように構成される。レベリングバルブ600aは、全てのレベリングバルブ600aが
中立モードに設定されたときに、交差流ライン550aによって互いに連結されて、第1
の空気圧回路510aと第2の空気圧回路520aとの間に流体連通を確立する。各レベ
リングバルブ600aは、制御アーム610によって機械的に作動され、制御アームの位
置を検出するためにレベリングバルブ600aの筐体内に配置された制御アームセンサ(
図示せず)を含む。一例では、制御アームセンサはポテンショメータであってもよい。制
御アームセンサは、制御ユニット650aと電気的に接続し、これは車両のESP、DS
C、またはVSCに統合され得る。この電気的接続は、有線接続または無線接続によって
確立され得る。制御アームセンサは、制御アームの位置を検出し、制御アームの位置を制
御アーム位置入力として制御ユニット650aに送るように構成される。制御ユニット6
50aは、制御アーム位置入力に基づいて、車両の各側の車高を判定するように構成され
る。
【0070】
図17は、空気供給タンク505bと、供給タンク505bに接続された第1の空気圧
回路510bと、供給タンク505bに接続された第2の空気圧回路520bと、少なく
とも2つのレベリングバルブ600bとを備える空気管理システム500bを示し、各レ
ベリングバルブは、第1の空気圧回路510bまたは第2の空気圧回路520bの一方へ
の空気流を単独で制御するように構成される。空気管理システム500bの他の構成では
、空気管理システムは、2つ以上の空気供給タンク505bを有してもよい。各空気圧回
路510b、520bは、1つ以上の空気バネ530bを含む。各レベリングバルブ60
0bは、中立位置、供給位置、及び排気位置を含む複数の位置の間を移動するように構成
されたバルブ要素(図示せず)を含む。一例では、バルブ要素はポペット、プランジャな
どであってもよい。バルブ要素が中立位置に設定されたとき、ポートは、空気タンクから
空気バネに空気を供給することも、空気バネから大気に空気を排出することもしない。各
レベリングバルブ600bは、電子式アクチュエータ620によって電子的に作動される
。一例では、電子式アクチュエータ620は、ソレノイド、モータなどであってもよい。
図17に示すように、レベリングバルブ600bは、全てのバルブ要素が中立位置に設定
されたときに、交差流ライン550bによって互いに接続されて、第1の空気圧回路51
0bと第2の空気圧回路520bとの間に流体連通を確立する。さらに、空気管理システ
ムは、車両の各側に配置されて、車両の高さ位置、それぞれの空気バネの空気圧、または
車両安定性に関するその他の情報を検出する少なくとも1つのレベリングセンサ630を
含む複数のレベリングセンサ630を含む。レベルセンサ630は、制御ユニット650
bと電気的に接続している。この電気的接続は、有線接続または無線接続によって確立さ
れ得る。各レベリングセンサ630は、測定値を車両レベリング入力として制御ユニット
650bに送るように構成される。制御ユニット650bは、車両レベリング入力に基づ
いて、車両の各側の車高を判定するように構成される。さらに、制御ユニット650bは
、各レベリングバルブ600bの電子式アクチュエータ620を制御して、バルブ要素の
所望の位置への移動を引き起こし、それによって、第1の空気圧回路及び第2の空気圧回
路への空気流を制御するように構成される。
【0071】
1つの構成では、制御ユニット650bは、第1の空気圧回路510b及び第2の空気
圧回路520bの空気バネ間の圧力差または高さ差が、所定の閾値内にある場合、レベリ
ングバルブ600bを作動させて、交差流を確立するように構成される。制御ユニット6
50は、第1の空気圧回路510b及び第2の空気圧回路520bの空気バネ間の圧力差
または高さ差が、所定の閾値よりも大きい場合、バルブ600bをアクティブモードで作
動させて、その関連する空気圧回路の空気圧を単独で調節するように構成される。制御ユ
ニット650bは、センサ630から受け取った測定値信号に基づいて、空気バネ530
bの圧力差または高さ差を判定してもよい。
【0072】
図18は、空気供給タンク505cと、第1の空気圧回路510cと、第2の空気圧回
路520cと、特定の実施形態では、車両の中心に、または車両の中心の近くに配置され
るマニホルド600cとを備える空気管理システムを示す。空気管理システム500cの
他の構成では、空気管理システムは、2つ以上の空気供給タンク505cを有してもよい
。マニホルド600cは、1つ以上の供給ライン506cによって供給タンク505cに
接続されている。各空気圧回路510c、520cは、1つ以上の空気バネ530cを含
む。マニホルド600cは、バネライン535cによって各空気バネ530cに接続され
る少なくとも1つのポート640を含む複数のポート640を含む。マニホルド600c
は、各ポート640に配置されて、ポートを通る空気の流れを制御するバルブ要素(図示
せず)を含む。一例では、バルブ要素はポペット、プランジャなどであってもよい。バル
ブ要素は、中立位置、供給位置、及び排気位置を含む複数の位置の間を移動するように構
成されている。バルブ要素が中立位置に設定されたとき、ポートは、空気タンクから空気
バネに空気を供給することも、空気バネから大気に空気を排出することもしない。さらに
、マニホルド600cは、全てのバルブ要素が中立位置に設定されたときに、第1の空気
圧回路510cと第2の空気圧回路520cとの間に流体連通を確立するための交差流流
路(図示せず)を含む。さらに、マニホルド600cは、各ポートに配置されて、バルブ
要素の移動を引き起こす電子式アクチュエータ(図示せず)を含む。一例では、電子式ア
クチュエータは、ソレノイド、モータなどであってもよい。さらに、空気管理システム5
00cは、車両の各側に配置されて、車両の高さ位置、それぞれの空気バネの空気圧、ま
たは車両安定性に関するその他の情報を検出する少なくとも1つのレベリングセンサ63
0を含む複数のレベリングセンサ630を含む。レベルセンサ630は、制御ユニット6
50cと電気的に接続している。この電気的接続は、有線接続または無線接続によって確
立され得る。各レベリングセンサ630は、測定値を車両レベリング入力として制御ユニ
ット650cに送るように構成される。制御ユニット650cは、車両レベリング入力に
基づいて、車両の各側の車高を判定するように構成される。さらに、制御ユニット650
cは、各ポート640の電子式アクチュエータを制御して、バルブ要素の所望の位置への
移動を引き起こし、それによって、第1の空気圧回路510c及び第2の空気圧回路52
0cへの空気流を制御するように構成される。
【0073】
1つの構成では、制御ユニット650cは、第1の空気圧回路510c及び第2の空気
圧回路520cの空気バネ間の圧力差または高さ差が、所定の閾値内にある場合、マニホ
ルド600cを作動させて、交差流を確立するように構成される。制御ユニット650c
は、第1の空気圧回路510c及び第2の空気圧回路520cの空気バネ間の圧力差また
は高さ差が、所定の閾値よりも大きい場合、マニホルド600cをアクティブモードで作
動させて、その関連する空気圧回路の空気圧を単独で調節するように構成される。制御ユ
ニット650cは、センサ630から受け取った測定値信号に基づいて、空気バネ530
bの圧力差または高さ差を判定してもよい。
【0074】
図19及び
図20は、空気流の制御を各空気バネに連結された制御ユニットと同期させ
る空気管理システムを示す。
図19は、空気源702aと、供給空気タンク704aと、
車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路710aと、車両の第2の側に配置された
第2の空気圧回路720aとを備える空気管理システム700aを示す。各空気圧回路7
10a、720aは、1つ以上の空気バネ730aを含む。各空気バネ730aは、空気
バネ730aのチャンバの内部に配置された制御ユニット740aを備える。制御ユニッ
ト740aは、空気バネ730aの上板732aに取り付けられた筐体780aを備える
。制御ユニット740aは、空気バネ730の内部に配置されることにより、外部環境に
曝されず、それによって破片または悪天候により引き起こされる損傷から保護される。制
御ユニット740aは、空気バネ730bの高さを、制御ユニット740aによって監視
される1つ以上の動作条件に基づいて決定された所望の高さに調節するように構成されて
いる。制御ユニット740aは、その関連する空気バネ730aの所望の高さを決定する
際に、空気管理システム700aの他の空気バネ730aの状態を計算に入れてもよいが
、制御ユニット740aは、空気管理システム700aの他の制御ユニット740aとは
独立して、その関連する空気バネ730aの高さを調節する。
図19に示すように、交差
流ライン760aは、第1の空気圧回路710a中の空気バネ730aの制御ユニット7
40aを、第2の空気圧回路720a中の空気バネ730aの制御ユニット740aに接
続する。各制御ユニット740aは、空気が空気源702aから空気バネ730aに供給
されることも、空気が空気バネ730aから大気に排出されることもないとき、すなわち
、中立モードにおいて、第1の空気圧回路710a及び第2の空気圧回路720aの2つ
の空気バネ730aの間に交差流をもたらすように構成されている。
【0075】
図19及び
図22を参照すると、制御ユニット740aは、筐体780aの第1の表面
に沿って配置された流入ポート741aと、筐体780aの第1の表面に沿って配置され
た流出ポート742aと、筐体780aの第1の表面に沿って配置された交差流ポート7
43aと、筐体780aの第2の表面に沿って配置された配送ポート744aとを備える
。制御ユニット740aは、バルブチャンバ745aと、配送ポート744a、流入ポー
ト741a、流出ポート742a、及び交差流ポート743aをバルブチャンバ745a
に接続する複数の流路751a~754aとを備える。流入ポート741aは、上板73
2a上に配置された継手736aに接続し、それによって、空気供給タンク704aと制
御ユニット740aとの間に空気圧の連通を確立するように構成されている。流出ポート
742aは、上板732a上に配置された排気ポート738aに接続し、それによって、
大気と制御ユニット740aとの間に空気圧の連通を確立するように構成されている。交
差流ポート743aは、交差流ライン760aに接続し、それによって、第1の空気バネ
730aの制御ユニット740aと第2の空気バネ730aの制御ユニット740aとの
間の空気圧の連通を確立するように構成されている。配送ポート744aは、空気バネ7
30aのチャンバに空気が供給され、または空気バネ730aのチャンバから空気が放出
されるように、バルブチャンバ745aと空気バネ730aのチャンバとの間の空気圧の
連通を確立する構成となっている。
【0076】
図22に示すように、制御ユニット740aは、空気バネ730aのチャンバへの空気
の供給と、空気バネ730aのチャンバからの空気の排気とを選択的に制御するために、
バルブチャンバ745a内に配置されたバルブ746aを備える。バルブ746aは、空
気が空気バネ730aのチャンバから外へ放出される第1のモードと、空気が空気バネ7
30aのチャンバ内に供給される第2のモードと、空気バネ730aのチャンバが交差流
ライン760aに空気圧で接続される中立モードとを含む複数のモードの間を切り替える
ように構成されている。第1のモードでは、バルブ746aは、流入ポート741aと配
送ポート744aとの間に空気圧の連通を確立する。第2のモードでは、バルブ746a
は、流出ポート742aと配送ポート744aとの間に空気圧の連通を確立する。バルブ
746aが第1のモードまたは第2のモードに設定されるときに、バルブ746aは、空
気管理システム700aの他の空気バネ730aと空気圧で連通しないように、その関連
する空気バネ730aの高さを単独で調節している(すなわち、アクティブモード)。中
立モードでは、バルブ746aは、交差流ポート743aと配送ポート744aとの間に
空気圧の連通を確立し、その関連する空気バネ730aと車両の反対側に配置された第2
の空気バネ730aとの間に交差流をもたらす。
【0077】
バルブ746aは、複数の流速で空気バネ730aのチャンバを出入りする空気の流れ
を選択的に制御するために、二方弁、三方弁、または可変位置バルブなど、いずれかの好
適な形態または配置をとり得る。一例(図示せず)では、バルブ746aは、バルブチャ
ンバ内に配置された回転部材と、この回転部材に動作可能に連結された電子式アクチュエ
ータとを備える。1つの構成では、電子式アクチュエータはステッピングモータである。
上記の回転部材は、流入ポートと配送ポートとの間に空気圧の連通を確立する第1の位置
、流出ポートと配送ポートとの間に空気圧の連通を確立する第2の位置、及び配送ポート
と交差流ポートとの間に空気圧の連通を確立する第3の位置を含む複数の位置の間を回転
するように構成される。電子式アクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)は、電源
からエネルギーを受け取り、複数の位置の間で回転部材の移動を作動するように構成され
る。いくつかの構成では、回転部材は、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置で、複
数の流路の上に選択的に重なるように構成される複数の穴を有したディスクであり、ステ
ッピングモータは、ディスクに回転可能に結合されるシャフトを含む。いくつかの構成で
は、ステッピングモータは、回転部材の複数の位置への移動を作動させ、その結果、チャ
ンバからの空気の供給または排出の体積流量が、回転部材のそれぞれの位置で変化し得る
ように構成される。したがって、ステッピングモータは、回転部材の第1の位置への移動
を作動させることができ、この位置では、第1の速度で、空気バネ730aのチャンバか
ら空気の供給または排出が行われ、ステッピングモータは、回転部材の第2の位置への移
動を作動させることができ、この位置では、第1の速度よりも大きいかまたは小さい第2
の速度で、空気バネ730aのチャンバから空気の供給または排出が行われる。
【0078】
別の例(図示せず)では、バルブ746aは、バルブチャンバ745aに受け入れられ
たプランジャと、このプランジャに動作可能に接続されたソレノイドとを備えてもよい。
上記のプランジャは、流入ポートと配送ポートとの間に空気圧の連通を確立する第1の位
置、流出ポートと配送ポートとの間に空気圧の連通を確立する第2の位置、及び配送ポー
トと交差流ポートとの間に空気圧の連通を確立する第3の位置を含む複数の位置の間を、
バルブチャンバ745aの内部で摺動するように構成される。ソレノイドは、電源からエ
ネルギーを受け取り、複数の位置の間でプランジャの移動を作動するように構成される。
いくつかの構成では、ソレノイドは、プランジャの複数の位置への移動を作動させ、その
結果、チャンバからの空気の供給または排出の体積流量が、プランジャのそれぞれの位置
で変化し得るように構成される。
【0079】
図26A及び
図26Bに示す別の例では、バルブ746aは、円筒形状のマニホルド7
80と、マニホルド780内に入れ子式に受け入れられたスロットル要素790とを含み
得、スロットル要素790がマニホルド780の内面と摺動係合するようにする。1つの
構成では、マニホルド780は、マニホルド780の表面に沿って配置された複数の開口
部781~783を含む。複数の開口部781~783には、マニホルド780の第1の
端部の近くに配置された第1の開口部781と、マニホルド780の第2の端部の近くに
配置された第2の開口部782と、第1の開口部781と第2の開口部782との間に配
置された第3の開口部783とが含まれる。第1の開口部781は、制御ユニット740
aの流入ポート741aと配送ポート744aとの間に空気圧の連通を提供するように構
成される。第2の開口部782は、空気バネのチャンバと制御ユニット740aの流出ポ
ート742aとの間に空気圧の連通を提供するように構成される。第3の開口部783は
、交差流ポート743aと空気バネのチャンバとの間に空気圧の連通を提供するように構
成される。
【0080】
1つの構成では、スロットル要素790は、電気信号を受け取り、電気信号を受け取る
ことに応答して、マニホルド780の長手方向軸に沿って摺動するように構成される。ス
ロットル要素790は、マニホルド780の長手方向軸に沿って摺動することによって、
第1の開口部、第2の開口部、及び第3の開口部781~783の露出を制御するように
構成され、その結果、バルブ746aが、関連する空気バネ730aに対して選択的に、
空気を供給し、空気を除去し、または交差流を確立するように構成される。さらに、スロ
ットル要素790の変位により、制御ユニット740aを通る空気流の速度が制御される
。さらに、空気バネ730aの空気圧が変化しないままであるように、空気バネ730a
を空気管理システム700の他の全ての構成要素から隔離する位置に、スロットル要素7
90を設定してもよい。
【0081】
別の構成(図示せず)では、スロットル要素は、電気信号を受け取ることに応答して、
マニホルドの長手方向軸を中心に回転するように構成されている。マニホルドは、マニホ
ルドの長手方向軸を中心に回転することによって、第1の開口部、第2の開口部、及び第
3の開口部の露出を制御するように構成され、その結果、バルブ746aが、空気バネの
チャンバから空気を選択的に供給しまたは除去するように構成される。バルブ746aと
しては、マニホルドの長手方向軸に沿ったスロットル要素の移動を引き起こすように構成
される電子式アクチュエータが含まれ得る。
【0082】
別の構成(図示せず)では、マニホルドは、マニホルドの表面に沿って配置された複数
の開口部を含む。この複数の開口部には、マニホルドの第1の端部の近くに配置された第
1の開口部と、マニホルドの第2の端部の近くに配置された第2の開口部と、第1の開口
部と第2の開口部との間に配置され、第1の開口部及び第2の開口部に対してマニホルド
の反対側に配置された第3の開口部と、第1の開口部と第2の開口部との間に配置された
第4の開口部とが含まれる。第1の開口部は、流入ポート741aと直接に空気圧で連通
している。第2の開口部は、流出ポート742aと直接に空気圧で連通している。第3の
開口部は、配送ポート744aと直接に空気圧で連通している。第4の開口部は、交差流
ポート743aと直接に空気圧で連通している。1つの構成では、スロットル要素は、電
気信号を受け取り、電気信号を受け取ることに応答して、マニホルドの長手方向軸に沿っ
て摺動するように構成される。スロットル要素は、マニホルドの長手方向軸に沿って摺動
することによって、第1の開口部、第2の開口部、第3の開口部、及び第4の開口部の露
出を制御するように構成され、その結果、バルブ746aが、関連する空気バネ730a
に対して選択的に、空気を供給し、空気を除去し、または交差流を確立するように構成さ
れる。さらに、スロットル要素の変位により、制御ユニット740aを通る空気流の速度
が制御される。さらに、空気バネの空気圧が変化しないままであるように、空気バネを空
気管理システム700の他の全ての構成要素から隔離する位置に、スロットル要素を設定
してもよい。
【0083】
別の構成(図示せず)では、スロットル要素は、電気信号を受け取ることに応答して、
マニホルドの長手方向軸を中心に回転するように構成されている。マニホルドは、マニホ
ルドの長手方向軸を中心に回転することによって、第1の開口部、第2の開口部、及び第
3の開口部の露出を制御するように構成され、その結果、バルブ746aが、空気バネの
チャンバから空気を選択的に供給しまたは除去するように構成される。バルブ746aと
しては、マニホルドの長手方向軸に沿ったスロットル要素の移動を引き起こすように構成
される電子式アクチュエータが含まれ得る。
【0084】
制御ユニット740aは、1つ以上のセンサ748a、通信インタフェース749a、
及び1つ以上のセンサ748a及び通信インタフェース749aに動作可能なように連結
された処理モジュール750aを備える。いくつかの構成では、制御ユニット740aは
、制御ユニット740aの筐体780aと一体化されるか、または制御ユニット740a
の筐体780aに外付けの、再充電可能な電池及び/またはスーパーキャパシタなどの、
1つ以上のセンサ、通信インタフェース、及び処理モジュールに動作電力を供給するため
の電源(図示せず)を備え得る。この電源は、再充電電流を受け取るために、車両の電源
に動作可能なように連結されてもよい。他の構成(図示せず)では、制御ユニット740
aの筐体は、バルブチャンバ、バルブ、及び処理モジュールが上板の上に取り付けられ、
空気バネのチャンバの外側に配置されるように、上板の上に延在させてもよい。
【0085】
1つ以上のセンサ748aは、車両または空気管理システムの構成要素のいずれかの状
態を検知するための何らかの好適な構成またはデバイスであり得る。一例では、1つ以上
のセンサ748aとしては、空気バネ730aの上板732aと底板734aとの間の軸
方向距離を継続的に監視するように構成される高さセンサが含まれる。高さセンサは、上
板732aと底板734aとの間の軸方向距離など、空気バネ730aに関連する高さま
たは距離を示す信号を生成するように構成される。1つの構成では、高さセンサは超音波
センサであってもよく、センサが超音波を送出し、底板734aから反射された波を検出
し、検出した波に基づいて上板と底板との間の軸方向の離隔距離を判定する。別の構成で
は、高さセンサは赤外線センサであってもよく、センサが送信機によって赤外光を送信し
、反射した赤外光を受信機によって受信し、反射して受信機に帰る赤外線放射の量に基づ
いて、上板と底板との間の軸方向の離隔距離を判定する。高さセンサは、ポテンショメー
タ、線形位置トランスデューサ、レーザセンサ、または電磁波センサなど、空気バネ73
0aの高さを監視するための何らかの好適な種類または構成のものであってもよい。別の
例では、1つ以上の上記のセンサとしては、空気バネ730aの内部空気圧を継続的に監
視し、空気バネ730aの内部空気圧を示す信号を生成するように構成された圧力センサ
が含まれ得る。1つの構成では、圧力センサは圧力トランスデューサである。
【0086】
通信インタフェース749aは、処理モジュール750aへ、処理モジュール750a
から、及び処理モジュール750aと空気管理システム700a及び/またはその他の車
両動作システムの他の空気バネ730aの制御ユニット740aとの間で、アナログ信号
またはデジタル信号を中継するためのいずれかの好適なデバイスまたは構成要素であり得
る。
図19に示す説明した構成では、空気バネ730aは、制御ユニット740aを、空
気管理システム700aの他の空気バネ730aの制御ユニット740aと、CAN、R
SC、ESC、ABS、PTC、AEB、衝突回避システムなどの他の車両動作システム
とに接続する複数のリード線735aを含む。通信インタフェース749aは、接続した
リード線735aから受け取られるいずれかの信号を受け取り、それらの信号を処理モジ
ュール750aに中継するように構成される。通信インタフェース749aは、処理モジ
ュール750aによって生成されるいずれかの信号を受け取り、接続したリード線を介し
て、空気管理システム700の他の空気バネ730aの制御ユニット740a、及び他の
車両動作システムに、それらの信号を送るように構成される。そのため、各空気バネ73
0aの制御ユニット740aは、空気管理システム700の他の空気バネ730aの制御
ユニット740aと電気的に接続することができ、したがって、制御ユニットは、他のシ
ステム構成要素を介して信号を中継することなく、データまたはコマンドを、他の空気バ
ネ730aの制御ユニット740aに直接送り、他の空気バネ730aの制御ユニット7
40aから直接受け取ることができる。
【0087】
制御ユニット740aの処理モジュール750aは、1つ以上のセンサ748a及び通
信インタフェース749aから入力信号を受け取り、受け取った入力信号に基づいて、空
気バネ730aの高さを所望の高さに調節するためのコマンドを出力する何らかの好適な
デバイスまたは構成要素であってもよい。処理モジュール750aは、1つ以上のプロセ
ッサ、中央処理装置、特定用途向け集積回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセ
ッサ、マイクロコントローラ、またはマイクロコンピュータを備え得る。さらに、処理モ
ジュール750aは、制御ユニット740aの動作のための制御方策及び数学的定式化を
具体化する必要な全てのソフトウェアを格納するために、読出し専用メモリなどのメモリ
を備えてもよい。処理モジュール750aは、処理モジュール750aが制御ユニット7
40aの動作を制御できるようにするクロック信号を生成するための発振器回路及びクロ
ック回路を備えてもよい。処理モジュール750aは、バルブに動作可能なように連結さ
れた駆動回路などの駆動モジュールを備えてもよく、処理モジュールがバルブを選択的に
作動できるようにする。処理モジュール750aは、パルス幅変調またはヒットアンドホ
ールド作動などによる何らかの好適な方法でバルブを作動させるように、駆動モジュール
に信号を送ることができる。例えば、処理モジュール750aは、駆動モジュールからバ
ルブの電子式アクチュエータに送られる電子信号を変調することによって、バルブの回転
を変更することができる。処理モジュール750aは、1つ以上のセンサによって生成さ
れた信号を受け取るためのセンサインタフェースを備えてもよい。処理モジュール750
aは、センサインタフェースに連結されたアナログデジタル変換器を備えてもよく、1つ
以上のセンサから受け取ったアナログ信号をデジタル信号に変換できるようにする。次に
、デジタル信号は、処理モジュール750aによって処理されて、バネの高さや内部空気
圧といった空気バネ730aの1つ以上の状態が判定される。したがって、処理モジュー
ル750aは、空気バネ730aの所望の空気圧を計算するのに必要な全ての入力を受け
取り、空気バネ730aの空気圧を変更するのに必要な空気流量を判定し、空気の供給ま
たは排気に関するコマンドを制御ユニット740aのバルブ746aへ伝えるように構成
される。
【0088】
制御ユニット740aは、閉ループ制御システムとして動作して、車両の監視された動
作状態に基づき、その関連する空気バネ730aの高さを所望の高さに調節する。動作中
に、処理モジュール750aは、空気バネ730aの高さ及び内部空気圧を判定するため
に、高さセンサや圧力センサなどの1つ以上のセンサ748aから入力を受け取る。処理
モジュール750aは、空気管理システム700aの他の空気バネ730aの制御ユニッ
ト740aに、空気バネ730aのバネの高さ及び内部空気圧を示す信号を送るように通
信インタフェース749aに命令する。代わりに、通信インタフェース749aは、他の
空気バネ730aの制御ユニット740aからデータ信号を受け取り、それらのデータ信
号を処理モジュール750aへの入力として中継してもよい。次に、処理モジュール75
0aは、1つ以上のセンサ748aからの入力と空気管理システム700の他の空気バネ
730aから受け取ったデータ信号とに基づいて、その関連する空気バネ730aの所望
の空気圧を判定する。処理モジュール750aは、その関連する空気バネ730aの所望
の空気圧を判定する際に、空気管理システム700aの全ての空気バネ730aの間の空
気圧の差を計算に入れることができ、処理モジュール750aが車両のピッチレート及び
ロールレートを判定できるようにする。処理モジュール750aは、車両のロールレート
及びピッチレートに基づいて、その関連する空気バネ730aの内部空気圧を調節するの
に必要な流量を判定する。1つの構成では、計算された流量は、空気バネ730aの高さ
が負荷または変位(すなわち、高さ差速度)に応答して、どれだけ速く変化しているかに
基づいている。処理モジュール750aは、空気管理システム700aの空気バネ730
aの高さ差速度及び内圧、ならびに空気バネ730aの高さの差に基づいて、空気バネ7
30aを調節して、車両に最適な安定性と快適さを提供するのに必要な所望の空気圧及び
流量を判定するように構成される。処理モジュール750aは、所望の空気圧及び流量を
判定した後に、その関連する空気バネ730aから排気される空気、またはその空気バネ
730aに供給される空気の流量を制御するように構成される。各制御ユニット740a
は、他の空気バネ730aのバネの高さに少なくとも部分的に基づいて、その関連する空
気バネ730aの所望の空気圧を判定することができ、一方各制御ユニット740aは、
空気管理システムの他の制御ユニット740aとは単独で作用する。よって、空気管理シ
ステムの各空気バネ730aの空気圧は異なる速度で調節され得、これが最終的に、より
速い速度で、車両を安定した姿勢に向かわせる。
【0089】
1つの構成では、各制御ユニット740aは、空気が供給タンク704aから空気バネ
730aに供給されることも、空気が空気バネ730aから大気に排出されることもない
ときに、第1の空気圧回路710aと第2の空気圧回路720aとの間に交差流をもたら
すように構成されている。動作中は、処理モジュール750aが、その関連する空気バネ
730aの高さまたは空気圧を単独で調節する必要がないと判定するたびに、処理モジュ
ール750aは、バルブ746aを作動させてその中立状態に切り替え、配送ポート74
4aと交差流ポート743aとの間に空気圧の連通を確立する。処理モジュール750a
は、その関連するセンサ748aからのセンサ入力信号と他の空気バネ730aの制御ユ
ニット740aからのデータ信号とに基づいて、バルブ746aをその中立モードに作動
させることを判定してもよい。1つの構成では、処理モジュール750aは、アクティブ
モードと中立モードとの間でバルブを作動させることを判定する際に、その関連する空気
バネ730aのバネ高さと、第2の空気バネ730aの第2のバネ高さとの差を計算に入
れるように構成される。1つの構成では、処理モジュール750aは、アクティブモード
と中立モードとの間でバルブ746aを作動させることを判定する際に、その関連する空
気バネ730aの空気圧と、第2の空気バネ730aの第2の空気圧との差を計算に入れ
るように構成される。各制御ユニット740aが、その関連バルブ746aをその中立モ
ードに作動させると、次いで交差流ライン760aを介して、第1の空気圧回路710a
の空気バネ730aと第2の空気圧回路720aの空気バネ730aとの間に、空気圧の
連通が確立される。それに伴って、車両の両側に配置された空気バネ730aの間の圧力
差が解消され、車両の乗り心地が安定化される。様々な実施形態では、制御ユニット74
0は、時速ゼロマイルまたは時速ゼロキロメートルを実質的に超える速度を含む、あらゆ
る速度で車両が走行しているときに、第1の空気圧回路と第2の空気圧回路との間に交差
流を提供し、その結果、車両の両側に配置された空気バネ730aの間の圧力差が、車両
の運転中にいつでも解消されるように構成される。
【0090】
1つの構成では、処理モジュール750aは、1つ以上のセンサ748aからの空気バ
ネ730aの高さや圧力などの測定値の測定値信号と、通信インタフェース749aから
のデータ信号とを受け取るように構成される。データ信号には、空気管理システム700
の他の空気バネ730aの制御ユニット740aからの測定値信号が含まれ得る。処理モ
ジュール750aは、測定値信号及びデータ信号に基づいて、その関連する空気バネ73
0aの現在の状態と、空気管理システム700の他の空気バネ730aの現在の状態と、
車両の動的動作状態とを計算するように構成されている。処理モジュール750aは、空
気バネ730aの計算された現在の状態と車両の動的動作状態とに基づいて、アクティブ
モードと中立モードとの間でバルブ746aを作動させることを判定するように構成され
る。1つの構成では、処理モジュール750aは、受け取った測定値信号及びデータ信号
に基づいて、空気管理システム400の空気バネ730a間の圧力差または高さ差を計算
するように構成される。処理モジュール750aは、空気バネ730a間の圧力差または
高さ差が所定の閾値より大きいと、アクティブモードでバルブ746aを作動させ、圧力
差または高さ差が所定の閾値より小さいと、中立モードでバルブを作動させるように構成
されている。したがって、車両のそれぞれの側の間にかなりの高低差がある場合、制御ユ
ニット740aは、車両をより速い速度で水平状態に導くために、その空気バネの高さを
単独で調節するように構成される。制御ユニット740aは、あらゆる車両速度において
、バルブ746aをアクティブモードで作動させることができる。他方では、車両のそれ
ぞれの側の間に、ロール状態を誘発しないわずかな高さ差があるだけの場合、制御ユニッ
ト740aは、空気バネ間に交差流を確立することによって、空気バネ間の圧力差を減ら
すように構成される。制御ユニット740aは、あらゆる車両速度において、バルブを中
立モードで作動させることができる。
【0091】
空気バネの現在の状態には、空気バネの現在の高さ、空気バネの現在の内圧、空気バネ
の高さ差速度、及び/または空気バネの内圧差速度が含まれ得る。車両の動的動作状態に
は、車両ピッチレート及び車両ロールレートが含まれ得る。車両ピッチは、車両の前後の
相対的な変位であり、車両の重心を通過する左右軸の周りの回転によって表され得る。そ
れに対応して、車両ピッチレートとは、車両の左右軸の周りの車両の角運動速度をいい、
この軸は車両の一方の側から反対側に延在する。車両ロールは、車両の2つの側面の間の
相対的な変位であり、車両の重心を通過する前後軸の周りの回転によって表され得る。そ
れに対応して、車両ロールレートとは、車両の前後軸、すなわち車両の後方から前方に延
在する軸に対する車両本体の角運動速度をいう。
【0092】
図20は、供給空気タンク704bと、車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路
710bと、車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路720bとを備える空気管理
システム700bを示す。各空気圧回路710b、720bは、1つ以上の空気バネ73
0bを含む。各空気バネ730bは、空気バネ730bのチャンバの内部に配置された制
御ユニット740bを備える。さらに、空気管理システム700bは、空気バネ730b
に動作可能なように連結されたシステムコントローラ770を備える。システムコントロ
ーラ770により、空気管理システム700bが、空気管理システム700bの各空気バ
ネ730bに選択的に空気を供給し、またはこの各空気バネ730bから空気を排出でき
るようにする。
図20に示すように、交差流ライン760bは、第1の空気圧回路710
b中の空気バネ730bの制御ユニット740bを、第2の空気圧回路720b中の空気
バネ730bの制御ユニット740bに接続する。システムコントローラ770は、空気
が供給タンク704bから空気バネ730bに供給されることも、空気が空気バネ730
bから大気に排出されることもないとき、すなわち、中立モードにおいて、第1の空気圧
回路710b及び第2の空気圧回路720bの2つの空気バネ730bの間に交差流をも
たらすように、各制御ユニット740bに命令する構成となっている。
【0093】
図23に示すように、システムコントローラ770は、1つ以上のプロセッサ、中央処
理装置、特定用途向け集積回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイク
ロコントローラ、またはマイクロコンピュータで構成され得る処理モジュール772を備
える。システムコントローラ770は、システムコントローラの動作のための制御方策及
び数学的定式化を具体化する必要な全てのソフトウェアを格納するために、読出し専用メ
モリやランダムアクセスメモリといったメモリ774を備える。システムコントローラ7
70は、処理モジュール772へ、処理モジュール772から、及び処理モジュール77
2と空気管理システム700b及び/またはその他の車両動作システムの他の空気バネ7
30bの制御ユニットとの間で、信号を中継するための通信インタフェース776を備え
る。システムコントローラ770は、システムコントローラの様々な構成要素を処理モジ
ュール772に結合するバス778を備えている。したがって、システムコントローラ7
70は、空気管理システム700bの空気バネ730bごとに所望の空気圧を計算するの
に必要な全ての入力を受け取り、空気管理システム700bの各空気バネ730bの空気
圧を変更するのに必要な空気流量を判定し、空気の供給または排気に関するコマンドを空
気管理システム700bの各空気バネ730bの制御ユニット740bへ伝えるように構
成される。
【0094】
図22に示す制御ユニット740aと同様に、
図24に示す制御ユニット740bは、
筐体780bの第1の表面に沿って配置された流入ポート741bと、筐体780bの第
1の表面に沿って配置された流出ポート742bと、筐体780bの第1の表面に沿って
配置された交差流ポート743bと、筐体780bの第2の表面に沿って配置された配送
ポート744bと、バルブチャンバ745bに配置されたバルブ746bと、1つ以上の
センサ748bと、通信インタフェース749bと、1つ以上のセンサ748b及び通信
インタフェース749bに動作可能なように連結された処理モジュール750bとを備え
る。制御ユニット740bは、通信インタフェース749bがシステムコントローラ77
0と無線で通信するように構成されたアンテナ(図示せず)を備えている点で、
図22に
示す制御ユニット740aとは異なる。
【0095】
システムコントローラ770及び制御ユニット740bは、閉ループ制御システムとし
て動作するように互いに連結されて、車両の監視された動作条件に基づき、各空気バネ7
30bの高さを所望の高さに調節する。動作中に、各制御ユニット740bは、その関連
する空気バネ730bのバネの高さ及び内部空気圧を示す信号をシステムコントローラ7
70に送る。それと引き換えに、システムコントローラ770は、各空気バネ730bか
ら空気を排出し、各空気バネ730bに空気を供給するために、制御ユニット740bか
ら受け取った信号に基づいて、所望の空気圧及び所望の体積流量を判定する。システムコ
ントローラ770は、各空気バネ730bの所望の空気圧を判定する際に、空気管理シス
テム700bの全ての空気バネ730bの間の空気圧の差、及びバネ高さの差を計算に入
れることができる。各空気バネ730bの所望の空気圧及び流量を判定した後に、システ
ムコントローラ770は、空気管理システム700bの各空気バネ730bの制御ユニッ
トにコマンドを送る。このコマンドは、各制御ユニット740bのバルブ746bを、ア
クティブモードと中立モードとの間で作動させることを含む。
【0096】
1つの構成では、システムコントローラ770は、空気が供給タンク704bから空気
バネ730bに供給されることも、空気が空気バネ730bから大気に排出されることも
ないときに、第1の空気圧回路710bと第2の空気圧回路720bとの間に交差流をも
たらすように構成されている。動作中は、システムコントローラ770が、空気バネ73
0bの高さを単独で調節する必要がないと判定するたびに、システムコントローラ770
は、指令信号を制御ユニット740bに送って、そのそれぞれのバルブ746bを中立モ
ードに作動させる。システムコントローラ770は、制御ユニット740bから受け取っ
た高さ測定値信号に基づいて、各制御ユニット740bにその中立モードに切り替わるよ
うに命令することを判定してもよい。各制御ユニット740bが、その関連バルブ746
bをその中立モードに作動させると、次いで交差流ライン760bを介して、第1の空気
圧回路710bの空気バネ730bと第2の空気圧回路720bの空気バネ730bとの
間に、空気圧の連通が確立される。それに伴って、車両の両側に配置された空気バネ73
0bの間の圧力差が解消され、車両の乗り心地が安定化される。
【0097】
図21Aは、供給空気タンク804と、車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路
810と、車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路820とを備える空気管理シス
テム800を示す。各空気圧回路810、820は、1つ以上の空気バネ830を含む。
さらに、空気管理システム800は、システムコントローラ840と、システムコントロ
ーラ840に動作可能なように連結された複数のバルブ850とを備える。
図21Aを参
照すると、バルブ850の1つは第1の空気圧回路810に配置され、バルブ850のも
う1つは第2の空気圧回路820に配置されている。システムコントローラ840により
、空気管理システム800が、複数のバルブ850を作動させることによって、空気管理
システム800の各空気バネ830に選択的に空気を供給し、またはこの各空気バネ83
0から空気を排出できるようにする。
【0098】
図21Aに示すように、交差流ライン860が、第1の空気圧回路810の1つのバル
ブ850を第2の空気圧回路820のバルブ850に接続し、それによって、第1の空気
圧回路及び第2の空気圧回路810、820の空気バネ830の間に空気圧の接続を確立
する。各バルブ850は、空気が空気バネ830から外へ放出される第1のモードと、空
気がバネ830内に供給される第2のモードと、空気バネ830が交差流ライン860に
空気圧で接続される中立モードとを含む複数の状態の間を切り替えるように構成されてい
る。システムコントローラ840は、空気が供給タンク804から空気バネ830に供給
されることも、空気が空気バネ830から大気に排出されることもないとき、各バルブ8
50に中立モードに切り替えるように命令して、第1の空気圧回路810及び第2の空気
圧回路820の2つの空気バネ830の間に交差流をもたらすように構成されている。
【0099】
図21Aを参照すると、高さセンサ870は、各空気バネ830の上板832に配置さ
れ、その関連する空気バネ830の高さを継続的に監視するように構成される。高さセン
サ870は、前述の例のような、空気バネの軸に関する高さを監視するための何らかの好
適なデバイスであり得る。各高さセンサ870は、システムコントローラ840に配線さ
れ、各高さセンサ870が、その関連する空気バネ830の高さを示す信号をシステムコ
ントローラ840に送ることができるようにする。他の構成では、空気管理システム80
0は、各空気バネ830の上板832に配置される空気圧センサを含んでもよい。この空
気圧センサは、その関連する空気バネ830の空気圧を監視し、その関連する空気バネの
空気圧を示す信号を生成するように構成される。
【0100】
図23に示すシステムコントローラと同様に、
図25に示すシステムコントローラ84
0は、空気管理システム800の空気バネ830ごとに所望の空気圧及び流量を判定する
ための処理モジュール842と、処理モジュール842と空気バネ830の高さセンサと
に対する信号の中継のための通信インタフェース846と、システムコントローラ840
の動作のための制御方策及び数学的定式化を具体化する必要な全てのソフトウェアを格納
するためのメモリ844と、通信インタフェース846及びメモリ84を処理モジュール
842に接続するバス848とを含む。さらに、システムコントローラ840は、処理モ
ジュール842を各バルブ850に動作可能なように連結する駆動回路などの駆動モジュ
ール845を備え、システムコントローラ840がバルブ850を選択的に作動させるこ
とができるようにする。システムコントローラ840の処理モジュール842は、パルス
幅変調またはヒットアンドホールド作動などによる何らかの好適な方法でバルブ850を
作動させるように、駆動モジュール845に信号を送ることができる。したがって、シス
テムコントローラ840は、空気管理システム800の空気バネごとに所望の空気圧を計
算するのに必要な全ての入力を受け取り、空気管理システム800の各空気バネ830の
空気圧を変更するのに必要な空気流量を判定し、バルブ850の少なくとも1つを作動さ
せて、空気管理システム800のバネ830の少なくとも1つの空気圧及び高さを調節す
るように構成される。
【0101】
1つの構成では、システムコントローラ840は、空気が供給タンク804から空気バ
ネ830に供給されることも、空気が空気バネ830から大気に排出されることもないと
きに、第1の空気圧回路810と第2の空気圧回路820との間に交差流をもたらすよう
に構成されている。動作中は、システムコントローラ840が、空気バネ830に対する
空気の排出または追加が必要ではないと判定するたびに、システムコントローラ840は
、各バルブ850をその中立モードに作動させる。システムコントローラ840は、空気
バネ830間の圧力差が所定の許容範囲内にある場合に、バルブ850を中立モードに作
動させることを判定してもよい。システムコントローラ840は、空気バネ830の圧力
センサから受け取った信号に基づいて、空気バネ830間の圧力差を計算してもよい。シ
ステムコントローラ840は、高さセンサ870から受け取った高さ測定値信号に基づい
て、バルブ850をその中立モードに作動させることを判定してもよい。システムコント
ローラ840は、バルブをアクティブモード(すなわち、第1のモードまたは第2のモー
ド)または中立モードに作動させるかどうかを判定する際に、空気バネ830間の高低差
を計算に入れてもよい。各バルブ850が、その中立モードに作動されると、次いで交差
流ライン860を介して、第1の空気圧回路810の空気バネ830と第2の空気圧回路
820の空気バネ830との間に、空気圧の連通が確立される。それに伴って、車両の両
側に配置された空気バネ830の間の圧力差が解消され、車両の乗り心地が安定化される
。
【0102】
図21Bは、本発明の一構成による空気管理システム800’を示す。空気管理システ
ム800’は、システムコントローラ840’が、空気管理システム800’の各空気バ
ネ830に空気圧で接続される単一のバルブ850’を備えることを除いて、
図21Aの
空気管理システム800と同様のものである。そのため、システムコントローラ840’
は、ただ1つのバルブ850’を使用することによって、空気バネ830から空気を選択
的に供給しまたは排出することができる。1つの構成では、システムコントローラ840
’は、センサから受け取った測定値信号に基づいて、空気バネ830の空気圧の間の差を
計算するように構成される。システムコントローラ840’が、空気バネ830の空気圧
の間の差が所定の許容範囲内にあると判定する場合、システムコントローラ840’は、
バルブ850’を作動させて、各空気バネ830の空気圧を同じ空気圧に設定する。
【0103】
図19~
図21Bに示す空気管理システムの各構成では、制御ユニットまたはシステム
コントローラは、空気が空気管理システムの各空気バネから同時に放出されるようなダン
プサイクルを実行するように構成されてもよい。
図19~
図21Bに示す各空気管理シス
テムでは、空気管理システムは、制御ユニットまたはシステムコントローラに動作可能な
ように連結され、全ての空気バネから空気が放出されるようにダンプサイクルを実行する
ためのコマンドを、システムコントローラまたは制御ユニットに送るように構成されたユ
ーザインタフェースユニットを含んでもよい。ユーザインタフェースユニットは、車両の
ダッシュボードに配置されるか、スマートフォンまたはハンドヘルドコンピュータなどの
ディスプレイデバイスにダウンロードされるアプリケーションとして構成され得る。
【0104】
本明細書で説明する空気管理システムの全ての構成は、スポーツ用車両、乗用車、レー
ス車両、ピックアップトラック、ダンプトラック、貨物搬送器、ボートや、牛、馬、重機
、トラクタ、農業用具(例えば、粒剤散布器、肥料噴霧器及びその他の種類の噴霧器、給
餌用散布器)のためのトレーラを含むあらゆる種類のトレーラ、液体運搬車両、バッフル
付き及びバッフルの無い液体タンカ、機械装置、牽引用装置、鉄道車両、軌陸車、路面電
車、ならびにエアバッグなどを備えた他のあらゆる種類のシャーシを含むがこれに限定さ
れない、任意の種類の車両、トレーラ、または牽引車に組み込むことができる。
【0105】
本明細書に記載される空気管理システムは、タイヤがローテーションされていない場合
でも、摩耗を低減し、均一な摩耗をもたらすという両方の点から、タイヤの寿命を大幅に
延長することが分かっている。例示的な一実施形態では、本明細書に記載の空気管理シス
テムを装備していないトラックに搭載された場合、平均寿命が100,000kmである
トラックタイヤは、本明細書に記載の空気管理システムを装備した同一のトラックに搭載
された場合、摩耗が大幅に減少することが観察されている。特定の実施形態では、平均ト
ラックタイヤ寿命は、少なくとも20%、場合によっては最大で30%、40%、50%
、またはそれ以上に延長される。したがって、本開示の発明のさらなる驚くべき利点とし
て、予想外でありかつ重要な経済的、時間的(タイヤのローテーション、変更、再生、及
び交換にかかる時間の無駄の削減)、及び環境的節約が実現される。
【0106】
本明細書で説明する空気管理システムは、高速で走行する車両、特にトラックトレーラ
に対するウインドシアの危険な影響を大幅に減らすことが分かっている。ウインドシアは
、高速道路でトレーラを運搬するトラックを不安定にし、そのようなトレーラを横転させ
て、壊滅的な被害と人命の損失、貨物及び複数車両の破壊をもたらしてきた。例示的な一
実施形態では、本明細書に記載の空気管理システムを備えたトレーラ及びレクリエーショ
ン用車両は、高速道路でのウインドシアの勢いに対して著しく安定し、かつ抵抗力を有す
ることができる。したがって、本開示の発明のさらなる驚くべき利点として、予期せぬ有
意な安全性及び快適性の利点が実現される。
【0107】
本明細書で説明する空気管理システムは、運転者、乗客、及び家畜、馬などを含む生き
た貨物に対するロードノイズ、振動、及び不快感を大幅に低減することが分かっている。
例示的な一実施形態では、ロードノイズ、振動、及び不快感が大幅に低減され、以前は不
快感のために1日当たりわずか数百マイルしか大型車両を運転することができなかった運
転者が、痛み、苦しみ、不快感、及び疲労の低減によって大幅に長距離を運転することが
できるようになり、これは非常に顕著に改善された乗り心地及び安定性から達成されるこ
とが観察された。したがって、本開示の発明のさらなる驚くべき利点として、予期せぬ有
意な快適性の利点が実現される。
【0108】
本明細書に記載の空気管理システムは、制動時に車両のノーズダイブを大幅に減少させ
るか、さらには無くすことさえもできることが分かっている。このようなノーズダイブは
、危険な状態を作り出し、運転者及び乗客にとって非常に不快であり、多くの車両構成要
素に大きなストレスを与える。このようなノーズダイブを減らし、多くの場合は排除する
ことによって、本開示の発明のさらなる驚くべき利点として、予期せぬ重大な安全性及び
快適性の利点が実現される。
【0109】
本明細書に記載の空気管理システムは、トラクションを大幅に増加させ、滑りやすい状
態であっても取り扱いを改善させることが分かっている。例示的な一実施形態では、凹凸
のある地形及び/または滑りやすい地形を走行するために(本明細書に記載されている空
気管理システムが装備されていない場合)四輪駆動モードの使用を必要とするトラックは
、トラクションを失って動けなくなることなく、二輪駆動モードで同じ地形を走行できる
ことが観察された。したがって、本開示の発明のさらなる驚くべき利点として、予期せぬ
有意な安全性及び有用性の利点が実現される。
【0110】
本明細書に記載される空気管理システムは、ブレーキ性能を向上させることができる。
電子安定システム、例えば、エレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)、ダイ
ナミックスタビリティコントロール(DSC)、車両安定制御(VSC)、自動トラクシ
ョンコントロール(ATC)を含むがこれに限定されないいずれかの電子安定性制御(E
SC)を装備した車両では、本明細書に記載される空気管理システムは、車両が水平で安
定した位置に維持され、それによってそのような電子システムの作動を回避するので、ブ
レーキをかけるそのような電子システムの発生率を低下させ、ブレーキ性能及びブレーキ
寿命を向上させ得ることが分かっている。
【0111】
本文脈においては、「単独で調節する」という語句は、レベリングバルブがある空気圧
回路内の空気バネの空気圧を調節している状態であって、レベリングバルブが別の空気圧
回路のいずれの構成要素とも空気圧で連通していない状態をいう。
【0112】
本明細書で使用するとき、「実質的に」及び「実質的な」という用語は、かなりの程度
または範囲を指す。例えば、事象、状況、特性、または性質と組み合わせて使用する場合
、これらの用語は、事象、状況、特性、または性質が正確に発生する事例と、本明細書に
記載される例の典型的な許容差レベルまたは変動性の説明など、事象、状況、特性、また
は性質が極めて近似的に発生する事例とを指す場合がある。
【0113】
本明細書で使用するとき、数値に関連して使用される場合の「約」という用語は、記載
された値の5%以内の任意の値を含むものと解釈されるべきである。さらに、値の範囲に
ついての、「約」及び「およそ」の用語の記載は、記載された範囲の上限及び下限の両方
を含むものと解釈されるべきである。
【0114】
本明細書で使用される場合、「取り付けられた」、「接続された」、または「固定され
た」という用語は、互いに接触するかまたは接触せずに固定される2つの要素を含むもの
と解釈され得る。
【0115】
本開示は、コイルバネまたは板バネのサスペンションシステムを含むがこれらに限定さ
れない、空気バネなしで製造される車両を改造するための方法、キット、及びシステムを
含む。空気タンク、コンプレッサ、車両の左右両側のそれぞれに設けられる対称的に動的
に均等化された体積と圧力とを分配する空気圧バルブ、この対称的に動的に均等化された
体積と圧力とを分配する各空気圧バルブに接続される少なくとも1つの空気バネ、及び本
明細書に記載し図示するように、空気管理システムの構成要素を接続する複数の空気ホー
スを備えたキットを提供することにより、このような車両に後付け部品として、対称的に
動的に均等化された体積と圧力とを分配する空気管理システムを設置することができる。
本開示のいくつかの構成では、複数の空気ホースは、等しい長さ及び直径を有し得る。
【0116】
添付の特許請求の範囲では、「含む(including)」という用語は、それぞれ
の用語「含む(comprising)」の平易な英語の同等語として使用される。用語
「含む(including)」及び「含む(comprising)」は、本明細書で
は、記載された要素だけでなく、任意の追加の要素をさらに含む、非制限であることを意
図している。さらに、添付の請求項では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」など
は単に符号として使用され、それらの対象に数値要件を課すことを意図していない。さら
に、添付の請求項の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、米
国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図したものではない。ただし、
請求項の限定が明示的に「手段」という語句を使用し、その後にさらなる構造のない機能
の提示が続く場合は、この限りでない。
【0117】
本発明の様々な実施形態は、以下の条項のうちの1つ以上を含む。
1.車両用の空気管理システムであって、前記車両の第1の側の高さを単独で調節する
ように構成された第1のレベリングバルブを有する第1の空気圧回路と、前記車両の第2
の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブを有する第2の空
気圧回路と、前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する交差
流ラインとを備え、前記第1のレベリングバルブが前記車両の前記第1の側の高さを単独
で調節しておらず、かつ前記第2のレベリングバルブが前記車両の前記第2の側の高さを
単独で調節していないときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバ
ルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立する
ように構成されている、前記空気管理システム。
【0118】
2.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐体
本体と、前記筐体本体を貫通するシャフトに枢動可能に接続された制御アームとを含み、
前記制御アームが中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成されている、条
項1に記載の空気管理システム。
【0119】
3.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの両方の前記制御ア
ームが中立位置に設定されたときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリ
ングバルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確
立するように構成されており、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバ
ルブの一方の前記制御アームが1つ以上の前記応答位置に設定されたときに、前記第1の
レベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2
の空気圧回路との間の空気圧の連通を阻止するように構成されている、条項1または条項
2に記載の空気管理システム。
【0120】
4.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、前記
制御アームの前記位置を検出するように構成された制御アームセンサを含む、条項1~3
のいずれかに記載の空気管理システム。
【0121】
5.前記各制御アームセンサと電気的に接続する制御ユニットをさらに備え、前記各制
御アームセンサが、前記制御アームの前記位置を制御アーム位置入力として前記制御ユニ
ットに送るように構成されており、前記制御ユニットが、前記制御アーム位置入力に基づ
いて、前記車両の前記第1の側及び前記第2の側で車軸に対する車高を判定するように構
成されている、条項1~4のいずれかに記載の空気管理システム。
【0122】
6.前記第1の空気圧回路が、前記車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセッ
トと、第1の供給タンクと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバルブ
に空気圧で接続する第1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを前記第1
の供給タンクに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、前記第2の空気圧回路が、
前記車両の第2の側に配置された第2の空気バネのセットと、第2の供給タンクと、前記
第2の空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空気圧で接続する第2の複数の
空気ラインと、前記第2のレベリングバルブを前記第2の供給タンクに空気圧で接続する
第2の供給ラインとを備える、条項1~5のいずれかに記載の空気管理システム。
【0123】
7.前記第1の複数の空気ライン及び前記第2の複数の空気ラインが、実質的に同じ直
径及び長さであり、前記第1の供給ライン及び前記第2の供給ラインが、実質的に同じ直
径及び長さである、条項1~6のいずれかに記載の空気管理システム。
【0124】
8.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐体
本体と、前記筐体本体の中で回転して、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路と
の間の連通を変えるように構成された回転ディスクとを備える回転バルブである、条項1
~7のいずれかに記載の空気管理システム。
【0125】
9.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、マニ
ホルド筐体と、前記マニホルド筐体の内腔の中に配置されたバルブ要素と、電子式アクチ
ュエータとを含み、前記バルブ要素が、前記マニホルド筐体の前記内腔内で、少なくとも
前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立する中立位置
と、空気供給タンクからそれぞれの空気圧回路に空気を供給する供給位置と、それぞれの
前記空気圧回路から大気中に空気を排出する排気位置とを含む1つ以上の位置に移動する
ように構成されており、前記電子式アクチュエータが、1つ以上の前記位置の間の前記バ
ルブ要素の移動を引き起こすように構成されている、条項1~8のいずれかに記載の空気
管理システム。
【0126】
10.前記バルブ要素が、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選
択される、条項1~9のいずれかに記載の空気管理システム。
【0127】
11.前記電子式アクチュエータが、ソレノイド、サーボモータ、及びステッピングモ
ータからなる群から選択される、条項1~10のいずれかに記載の空気管理システム。
【0128】
12.前記各レベリングバルブの前記電子式アクチュエータと電気的に接続する制御モ
ジュールをさらに備え、前記制御モジュールが、前記中立位置、前記供給位置、及び前記
排気位置の間で前記バルブ要素の移動を引き起こすコマンドを前記各電子式アクチュエー
タに送るように構成されている、条項1~11のいずれかに記載の空気管理システム。
【0129】
13.1つ以上のレベリングセンサをさらに備え、前記各レベリングセンサが、前記車
両の位置に沿って車軸に対する車高を検出し、検出した前記車高を車両レベリング入力と
して前記制御モジュールに送るように構成されており、前記制御モジュールが、前記車両
レベリング入力に基づいて、前記車両の前記第1の側及び前記第2の側で前記車軸に対す
る車高を判定するように構成されている、条項1~12のいずれかに記載の空気管理シス
テム。
【0130】
14.前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1
つ以上の空気バネを備えており、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリング
バルブが、それぞれ、それぞれの空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブで
ある、条項1~13のいずれかに記載の空気管理システム。
【0131】
15.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、円
筒形マニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの内面と摺動係合する
バルブ部材と、前記バルブ部材に動作可能なように連結された電子式アクチュエータとを
含み、前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し
、前記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前
記バルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、それぞれの前記レベリ
ングバルブが、選択的に、(i)空気をそれぞれの空気圧回路に供給すること、(ii)
空気をそれぞれの空気圧回路から排出すること、または(iii)前記第1の空気圧回路
と前記第2の空気圧回路との間に交差流を確立することを行うように構成されるようにし
た、条項1~14のいずれかに記載の空気管理システム。
【0132】
16.下部筐体に取り付けられてバルブ本体を形成する上部筐体であって、前記バルブ
本体が、前記上部筐体と前記下部筐体との間に延在するチャンバを画定する、前記上部筐
体と、前記チャンバと連通する複数のポートを備えた前記下部筐体であって、複数の前記
ポートには、供給ポート、排気ポート、1つ以上のバネポート、及び交差流ポートが含ま
れる、前記下部筐体と、前記上部筐体の上面を貫通するシャフトに取り付けられた第1の
端部を有する制御アームであって、前記制御アームが、車両サスペンションの伸長または
圧縮に応答して、前記バルブ本体を中心に回転するように構成されている、前記制御アー
ムと、前記バルブ本体の前記チャンバの中に配置され、前記シャフトによって前記制御ア
ームに接続された回転ディスクであって、前記回転ディスクが、前記バルブ本体の前記チ
ャンバの内部で支持要素を中心に回転するように構成されている、前記回転ディスクとを
備えたレベリングバルブであって、前記回転ディスクが、1つ以上の前記バネポートと前
記供給ポートとの間も、1つ以上の前記バネポートと前記排気ポートとの間も、連通を確
立しないようにしながら、1つ以上の前記バネポートと前記交差流ポートとの間の連通を
確立するように構成されている、前記レベリングバルブ。
【0133】
17.前記下部筐体がダンプポートを備え、前記交差流ポートが前記下部筐体の第1の
側に配置され、前記ダンプポートが前記第1の側とは反対側の前記下部筐体の第2の側に
配置される、条項16に記載のレベリングバルブ。
【0134】
18.前記制御アームにより、前記回転ディスクが複数の角度位置の間を回転するよう
誘導して、前記供給ポート、前記排気ポート、1つ以上の前記バネポート、及び前記交差
流ポートの間の連通を変更し、複数の前記角度位置には、(i)1つ以上の前記バネポー
トが前記交差流ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記排気ポートも1つ以
上の前記バネポートと空気圧で連通しない中立位置と、(ii)1つ以上の前記バネポー
トが前記供給ポートと空気圧で連通し、かつ前記排気ポートも前記交差流ポートも1つ以
上の前記バネポートと空気圧で連通しない供給位置と、(iii)1つ以上の前記バネポ
ートが前記排気ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記交差流ポートも1つ
以上の前記バネポートと空気圧で連通しない排気位置とが含まれる、条項16~17のい
ずれかに記載のレベリングバルブ。
【0135】
19.前記下部筐体が、前記上部筐体の下面と結合する第1の表面を有し、前記第1の
表面が、前記供給ポートと直接連通する供給穴と、前記排気ポートと直接連通する排気穴
と、1つ以上の前記バネポートと直接連通するリザーバキャビティとを画定する、条項1
6~18のいずれかに記載のレベリングバルブ。
【0136】
20.前記回転ディスクが、前記シャフトを受け入れるための中央開口部と、複数の長
方形スロットと、交差流スロットとを備え、複数の前記長方形スロットと前記交差流スロ
ットとが前記中央開口部の周りに間隔を置いて配置され、これらの間にかつ前記回転ディ
スクの外縁に沿って不感帯が画定される、条項16~19のいずれかに記載のレベリング
バルブ。
【0137】
21.前記各長方形スロットが、前記下部筐体の前記リザーバキャビティの上に少なく
とも部分的に重なるように構成され、前記回転ディスクが前記中立位置に設定されたとき
に、前記交差流スロットが、前記下部筐体の前記交差流穴の上に重なるように構成されて
いる、条項16~20のいずれかに記載のレベリングバルブ。
【0138】
22.前記長方形スロットが、前記回転ディスクの面に沿って延在する中心軸から対称
的に間隔を置いて配置され、前記交差流スロットが前記中心軸の上に重なる、条項16~
20のいずれかに記載のレベリングバルブ。
【0139】
23.車両の安定性を制御する方法であって、前記車両の第1の側の高さを単独で調節
するように構成された第1のレベリングバルブを有する第1の空気圧回路と、前記車両の
第2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブを有する第2
の空気圧回路と、前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する
交差流ラインとを備える空気管理システムを提供すること、及び前記第1のレベリングバ
ルブが前記車両の前記第1の側の高さを単独で調節しておらず、かつ前記第2のレベリン
グバルブが前記車両の前記第2の側の高さを単独で調節していないときに、前記第1のレ
ベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブによって、前記第1の空気圧回路と前記
第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立することを含む、前記方法。
【0140】
24.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、筐
体と、前記筐体を貫通するシャフトに枢動可能に接続された制御アームとを含み、前記制
御アームが中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成されている、条項23
に記載の方法。
【0141】
25.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブの両方の前記制御
アームが前記中立位置に設定されたときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2の
レベリングバルブによって、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気
圧の連通を確立すること、及び前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバ
ルブの一方の前記制御アームが1つ以上の前記応答位置に設定されたときに、前記第1の
レベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブによって、前記第1の空気圧回路と前
記第2の空気圧回路との間の空気圧の連通を阻止することをさらに含む、条項24に記載
の方法。
【0142】
26.前記第1の空気圧回路が、前記車両の第1の側に配置された第1の空気バネのセ
ットと、第1の供給タンクと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバル
ブに空気圧で接続する第1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを前記第
1の供給タンクに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、前記第2の空気圧回路が
、前記車両の第2の側に配置された第2の空気バネのセットと、第2の供給タンクと、前
記第2の空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空気圧で接続する第2の複数
の空気ラインと、前記第2のレベリングバルブを前記第2の供給タンクに空気圧で接続す
る第2の供給ラインとを備える、条項23~25のいずれかに記載の方法。
【0143】
27.前記第1の複数の空気ライン及び前記第2の複数の空気ラインが、実質的に同じ
直径及び長さであり、前記第1の供給ライン及び前記第2の供給ラインが、実質的に同じ
直径及び長さである、条項23~26のいずれかに記載の方法。
【0144】
28.前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1
つ以上の空気バネを備えており、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリング
バルブが、それぞれ、それぞれの空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブで
ある、条項23~27のいずれかに記載の方法。
【0145】
29.前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリングバルブが、それぞれ、円
筒形マニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの内面と摺動係合する
バルブ部材と、前記バルブ部材に動作可能なように連結された電子式アクチュエータとを
含み、前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し
、前記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前
記バルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、それぞれの前記レベリ
ングバルブが、選択的に、(i)空気をそれぞれの空気圧回路に供給すること、(ii)
空気をそれぞれの空気圧回路から排出すること、または(iii)前記第1の空気圧回路
と前記第2の空気圧回路との間に交差流を確立することを行うように構成されるようにし
た、条項23~28のいずれかに記載の方法。
【0146】
30.1つ以上の空気供給タンクと、車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路と
、前記車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路とを備える前記車両の空気管理シス
テムの空気圧を調節する方法であって、第1のレベリングバルブが、1つ以上の前記空気
供給タンクから前記第1の空気圧回路に空気を供給するか、または前記第1の空気圧回路
から大気に空気を排出するように、前記第1の空気圧回路の前記空気圧を前記第1のレベ
リングバルブによって単独で調節すること、第2のレベリングバルブが、1つ以上の前記
空気供給タンクから前記第2の空気圧回路に空気を供給するか、または前記第2の空気圧
回路から大気に空気を排出するように、前記第2の空気圧回路の前記空気圧を前記第2の
レベリングバルブによって単独で調節すること、及び前記第1のレベリングバルブ及び前
記第2のレベリングバルブの両方が、各レベリングバルブが1つ以上の前記空気供給タン
クから空気を供給することも、大気中に空気を排出することもしないような中立モードに
設定されるときのみ、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連
通を確立することを含む、前記方法。
【0147】
31.前記各レベリングバルブが、前記空気供給タンクに接続される供給ポートと、大
気中に空気を排気するための排気ポートと、1つ以上の空気バネに接続される1つ以上の
ポートと、前記第1のレベリングバルブまたは前記第2のレベリングバルブのうちの他の
1つに接続される交差流ポートとを有した筐体本体を含む、条項30に記載の方法。
【0148】
32.前記各レベリングバルブが、前記筐体本体のチャンバに配置されたバルブ要素と
、前記バルブ要素の移動を引き起こすように構成されたアクチュエータとを含み、前記バ
ルブ要素が、複数の位置の間を移動して、複数の前記ポートの間の連通を変更するように
構成されている、条項31に記載の方法。
【0149】
33.複数の前記位置には、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空
気圧の連通を確立する中立位置と、1つ以上の前記空気供給タンクからそれぞれの空気圧
回路に空気を供給する供給位置と、それぞれの前記空気圧回路から大気中に空気を排出す
る排気位置とが含まれる、条項32に記載の方法。
【0150】
34.前記バルブ要素が、プランジャ、回転ディスク、及びポペットからなる群から選
択される、条項32または条項33に記載の方法。
【0151】
35.前記アクチュエータが、前記筐体本体を貫通するシャフトに枢動可能に接続され
た制御アームであり、前記バルブ要素が回転ディスクである、条項32~34のいずれか
に記載の方法。
【0152】
36.前記制御アームが、中立位置から1つ以上の応答位置に枢動するように構成され
ており、前記制御アームが前記中立位置に設定されるときに、前記各レベリングバルブが
前記中立モードに設定され、前記制御アームが1つ以上の前記応答位置に設定されるとき
に、前記各レベリングバルブが、それぞれの空気圧回路の前記空気圧を単独で調節してい
る、条項32~35のいずれかに記載の方法。
【0153】
37.前記アクチュエータが、ソレノイド、サーボモータ、及びステッピングモータか
らなる群から選択された電子式アクチュエータである、条項32~36のいずれかに記載
の方法。
【0154】
38.前記各レベリングバルブの前記電子式アクチュエータと電気的に接続する制御モ
ジュールをさらに備え、前記制御モジュールが、複数の前記位置の間で前記バルブ要素の
移動を引き起こすコマンドを前記各電子式アクチュエータに送るように構成されている、
条項37に記載の方法。
【0155】
39.1つ以上のレベリングセンサをさらに備え、前記各レベリングセンサが、前記車
両の位置に沿って車軸に対する車高を検出し、検出した前記車高を車両レベリング入力と
して前記制御モジュールに送るように構成されており、前記制御モジュールが、前記車両
レベリング入力に基づいて、前記車両の前記第1の側及び前記第2の側で前記車軸に対す
る車高を判定するように構成されている、条項38に記載の方法。
【0156】
40.前記第1の空気圧回路が、前記車両の前記第1の側に配置された第1の空気バネ
のセットと、前記第1の空気バネのセットを前記第1のレベリングバルブに空気圧で接続
する第1の複数の空気ラインと、前記第1のレベリングバルブを1つ以上の前記空気供給
タンクの少なくとも1つに空気圧で接続する第1の供給ラインとを備え、前記第2の空気
圧回路が、前記車両の前記第2の側に配置された第2の空気バネのセットと、前記第2の
空気バネのセットを前記第2のレベリングバルブに空気圧で接続する第2の複数の空気ラ
インと、前記第2のレベリングバルブを1つ以上の前記空気供給タンクの少なくとも1つ
に空気圧で接続する第2の供給ラインとを備える、条項30~39のいずれかに記載の方
法。
【0157】
41.前記第1の空気圧回路が1つ以上の空気バネを備え、前記第2の空気圧回路が1
つ以上の空気バネを備えており、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリング
バルブが、それぞれ、それぞれの空気バネのチャンバ内に配置された電子作動式バルブで
ある、条項30~40のいずれかに記載の方法。
【0158】
42.車両用空気管理システムの空気バネに関連した制御ユニットであって、前記空気
バネの上板に取り付けられるように構成された筐体であって、前記筐体がバルブチャンバ
を備える、前記筐体と、前記バルブチャンバに配置されたバルブであって、前記バルブが
、(i)前記バルブが、関連する前記空気バネの高さを単独で調節しているアクティブモ
ードと、(ii)前記バルブが前記アクティブモードではないときに、前記バルブが、関
連する前記空気バネと前記空気管理システムの第2の空気バネに接続された交差流ライン
との間で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で切り替わる
ように構成されている、前記バルブと、前記空気バネの少なくとも1つの状態を監視し、
前記空気バネの少なくとも1つの前記状態を示す測定値信号を生成するように構成された
1つ以上のセンサと、前記空気管理システムの前記第2の空気バネに関連した第2の制御
ユニットとの間でデータ信号を送受するように構成された通信インタフェースと、前記バ
ルブ、1つ以上の前記センサ、及び前記通信インタフェースに動作可能なように連結され
た処理モジュールとを備え、前記処理モジュールが、(i)1つ以上の前記センサからの
前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とを受け取ること、及
び(ii)受け取った1つ以上の前記センサからの前記測定値信号と、前記通信インタフ
ェースからの前記データ信号とに基づいて、前記アクティブモードと前記中立モードとの
間を切り替える前記バルブを作動させることを行うように構成されている、前記制御ユニ
ット。
【0159】
43.前記筐体が、空気源から空気流を受け取るように構成された流入ポートと、大気
に空気を放出するように構成された流出ポートと、サスペンションシステムの前記第2の
空気バネに接続された前記交差流ラインに接続するように構成された交差流ポートと、前
記空気バネのチャンバとの間で空気を供給または放出するように構成された配送ポートと
を有し、前記バルブチャンバが、複数の流路によって、前記流入ポート、前記流出ポート
、及び前記配送ポートに接続されている、条項42に記載の制御ユニット。
【0160】
44.1つ以上の前記センサが、前記空気バネの前記高さを監視し、前記空気バネの前
記高さを示す信号を生成するように構成された高さセンサを備える、条項42または条項
43に記載の制御ユニット。
【0161】
45.前記高さセンサが、超音波センサ、赤外線センサ、電磁波センサ、またはポテン
ショメータである、条項44に記載の制御ユニット。
【0162】
46.前記処理モジュールが、前記アクティブモードと前記中立モードとの間で前記バ
ルブを作動させることを判定する際に、前記処理モジュールの関連する空気バネのバネ高
さと、前記第2の空気バネの第2のバネ高さとの差を計算に入れるように構成されている
、条項42~45のいずれかに記載の制御ユニット。
【0163】
47.前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の下に
取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの中に配置されている、条項42~46のい
ずれかに記載の制御ユニット。
【0164】
48.前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の上に
取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの外側に配置されている、条項42~47の
いずれかに記載の制御ユニット。
【0165】
49.前記バルブが、円筒形マニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホ
ルドの内面と摺動係合するバルブ部材と、前記バルブ部材及び前記処理モジュールに動作
可能なように連結された電子式アクチュエータとを備え、前記マニホルドが、前記マニホ
ルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し、前記電子式アクチュエータが、前記
マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前記バルブ部材を作動させて、複数の前
記開口部の露出を制御して、前記バルブが前記アクティブモードと前記中立モードとの間
を切り替わるようにした、条項42~48のいずれかに記載の制御ユニット。
【0166】
50.車両用の空気管理システムであって、車両の第1の側に配置された1つ以上の空
気バネを有する第1の空気圧回路と、車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを
有する第2の空気圧回路と、1つ以上の交差流ラインであって、前記各交差流ラインが、
前記第1の空気圧回路に関連する空気バネから、前記第2の空気圧回路に関連する空気バ
ネまで延在している、1つ以上の前記交差流ラインとを備え、前記各空気バネが制御ユニ
ットを備え、前記各制御ユニットが、関連する空気バネの上板に取り付けられるように構
成された筐体であって、前記筐体がバルブチャンバを備える、前記筐体と、前記バルブチ
ャンバに配置されたバルブであって、(i)前記バルブが、関連する前記空気バネの高さ
を単独で調節しているアクティブモードと、(ii)前記バルブが前記アクティブモード
ではないときに、前記バルブが、関連する前記空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間
で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で前記バルブが切り
替わるように構成されている、前記バルブと、関連する前記空気バネの少なくとも1つの
状態を監視し、関連する前記空気バネの少なくとも1つの前記状態を示す測定値信号を生
成するように構成された1つ以上のセンサと、サスペンションシステムの他の空気バネに
関連した他の制御ユニットとの間でデータ信号を直接送受するように構成された通信イン
タフェースと、前記バルブ、1つ以上の前記センサ、及び前記通信インタフェースに動作
可能なように連結された処理モジュールとを備え、前記処理モジュールが、(i)1つ以
上の前記センサからの前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号
とを受け取ること、及び(ii)受け取った1つ以上の前記センサからの前記測定値信号
と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とに基づいて、前記アクティブモード
と前記中立モードとの間を切り替える前記バルブを作動させることを行うように構成され
ている、前記空気管理システム。
【0167】
51.前記空気管理システムの前記各制御ユニットの前記通信インタフェースと電気的
に接続するシステムコントローラを備え、前記システムコントローラが、(i)前記空気
管理システムの前記各制御ユニットから前記測定値信号を受け取ること、(ii)受け取
った前記測定値信号に基づいて、前記空気管理システムの前記各空気バネの前記チャンバ
に対して空気を排出または供給するために所望の体積流量を判定すること、及び(iii
)前記各制御ユニットが前記アクティブモードと前記中立モードとの間で前記各制御ユニ
ットの関連する前記バルブを作動させるように、前記空気管理システムの前記各制御ユニ
ットにコマンドを送ることを行うように構成されている、条項50に記載の空気管理シス
テム。
【0168】
52.前記筐体が、空気源から空気流を受け取るように構成された流入ポートと、大気
に空気を放出するように構成された流出ポートと、前記空気管理システムの前記第2の空
気バネに接続された前記交差流ラインに接続するように構成された交差流ポートと、前記
空気バネのチャンバとの間で空気を供給または放出するように構成された配送ポートとを
有し、前記バルブチャンバが、複数の流路によって、前記流入ポート、前記流出ポート、
及び前記配送ポートに接続されている、条項50または条項51に記載の空気管理システ
ム。
【0169】
53.前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の下に
取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの中に配置されている、条項50~52のい
ずれかに記載の空気管理システム。
【0170】
54.前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の上に
取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの外側に配置されている、条項50~53の
いずれかに記載の空気管理システム。
【0171】
55.空気管理システムを備える車両の安定性を制御する方法であって、前記空気管理
システムが、車両の第1の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第1の空気圧回路
と、車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを有する第2の空気圧回路と、1つ
以上の交差流ラインであって、前記各交差流ラインが、前記第1の空気圧回路に関連する
空気バネから、前記第2の空気圧回路に関連する空気バネまで延在している、1つ以上の
前記交差流ラインとを備え、高さセンサ及び空気圧センサによって、それぞれの空気バネ
の高さ及び空気圧を監視すること、前記高さセンサ及び前記空気圧センサによって、それ
ぞれの前記空気バネの前記高さ及び前記空気圧を示す信号を生成すること、処理モジュー
ルによって、それぞれの前記空気バネの前記高さ及び前記空気圧を示す前記信号を受け取
ること、前記処理モジュールによって、それぞれの前記空気バネの前記高さ及び前記空気
圧を示す受け取った前記信号に基づいて、それぞれの前記空気バネの高さ差速度及び圧力
差速度を計算すること、前記処理モジュールによって、前記空気バネの前記高さ及び前記
空気圧を個別に調節するか、それとも前記空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間に空
気圧の連通を確立するかを判定すること、前記処理モジュールによって、(i)前記バル
ブが、関連する前記空気バネの高さを単独で調節しているアクティブモード、及び(ii
)前記バルブが前記アクティブモードではないときに、前記バルブが、関連する前記空気
バネとそれぞれの交差流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中立モードのモード
のうちのいずれか一方に切り替えるバルブを作動させることを含み、前記高さセンサ、前
記処理モジュール、及び前記バルブが、前記空気バネのチャンバの中に配置されている、
前記方法。
【0172】
56.制動時の車両のノーズダイブを減らす方法、ウインドシアまたは急速に変化する
路面条件による車両、トレーラ、または牽引車の横転を回避する方法、車両のタイヤのタ
イヤ寿命を延ばす方法、車両のブレーキ摩耗を低減する方法、及び/または車両のトラク
ションを増加する方法であって、条項1~55のいずれかによる空気管理システムを装備
した車両を提供すること、変化する路面条件下で前記車両を運転すること、前記車両が、
制動時に車両のノーズダイブが減少すること、前記車両、またはトレーラ、または牽引車
の横転を回避すること、前記車両のタイヤのタイヤ寿命が延長すること、前記車両のブレ
ーキ摩耗が低減すること、前記車両の牽引力が増加することのうちの少なくとも1つを経
験するように、条項1~55のいずれかに従って、前記車両内の複数の空気圧回路内の空
気を管理することを含む、前記方法。
57.対称的に動的に均等化された容積及び圧力を分配する2つ以上の空気圧バルブと
、対称的に動的に均等化された容積及び圧力を分配する前記各空気圧バルブに接続される
ように構成された少なくとも1つの空気バネと、条項1~56のいずれかに記載され図示
されている空気管理構成要素を接続するように構成された複数の空気ホースと、任意選択
で、空気タンク、コンプレッサ、圧力保護バルブ、及び/またはダンプバルブとを備える
、キット。
【0173】
58.車両用の空気管理システムであって、前記車両の第1の側の高さを単独で調節す
るように構成された第1のレベリングバルブを有する第1の空気圧回路と、前記車両の第
2の側の高さを単独で調節するように構成された第2のレベリングバルブを有する第2の
空気圧回路と、前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する交
差流ラインとを備え、前記第1のレベリングバルブが前記車両の前記第1の側の高さを単
独で調節しておらず、かつ前記第2のレベリングバルブが前記車両の前記第2の側の高さ
を単独で調節していないときに、前記第1のレベリングバルブ及び前記第2のレベリング
バルブが、前記第1の空気圧回路と前記第2の空気圧回路との間に空気圧の連通を確立す
るように構成され、前記空気管理システムが、条項30に記載の方法を実行するように構
成されている、前記空気管理システム。
【0174】
59.条項2~14のいずれか1項の主題をさらに含む、条項58に記載の空気管理シ
ステム。
【0175】
60.車両用の空気管理システムであって、車両の第1の側に配置された1つ以上の空
気バネを有する第1の空気圧回路と、車両の第2の側に配置された1つ以上の空気バネを
有する第2の空気圧回路と、1つ以上の交差流ラインであって、前記各交差流ラインが、
前記第1の空気圧回路に関連する空気バネから、前記第2の空気圧回路に関連する空気バ
ネまで延在している、1つ以上の前記交差流ラインとを備え、前記各空気バネが制御ユニ
ットを備え、前記各制御ユニットが、関連する空気バネの上板に取り付けられるように構
成された筐体であって、前記筐体がバルブチャンバを備える、前記筐体と、前記バルブチ
ャンバに配置されたバルブであって、(i)前記バルブが、関連する前記空気バネの高さ
を単独で調節しているアクティブモードと、(ii)前記バルブが前記アクティブモード
ではないときに、前記バルブが、関連する前記空気バネとそれぞれの交差流ラインとの間
で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で前記バルブが切り
替わるように構成されている、前記バルブと、関連する前記空気バネの少なくとも1つの
状態を監視し、関連する前記空気バネの少なくとも1つの前記状態を示す測定値信号を生
成するように構成された1つ以上のセンサと、サスペンションシステムの他の空気バネに
関連した他の制御ユニットとの間でデータ信号を直接送受するように構成された通信イン
タフェースと、前記バルブ、1つ以上の前記センサ、及び前記通信インタフェースに動作
可能なように連結された処理モジュールとを備え、前記処理モジュールが、(i)1つ以
上の前記センサからの前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号
とを受け取ること、及び(ii)受け取った1つ以上の前記センサからの前記測定値信号
と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とに基づいて、前記アクティブモード
と前記中立モードとの間を切り替える前記バルブを作動させることを行うように構成され
、前記空気管理システムが、条項55に記載の方法を実行するように構成されている、前
記空気管理システム。
【0176】
61.条項52~54のいずれか1項の主題をさらに含む、条項60に記載の空気管理
システム。
【0177】
本開示は、図示及び説明のように、レベリングバルブ、その下部筐体、その上部筐体、
1つ以上の回転ディスク、シャフト、及び本開示の他のいずれかの実施形態の装飾的設計
を含む。
【0178】
本開示の主題は、特徴の様々な組合せ及びサブコンビネーションを含む特定の例示的な
実施形態を参照してかなり詳細に説明及び示されているが、当業者は、本開示の範囲内に
包含される他の実施形態やその変形形態及び修正形態を容易に理解するであろう。さらに
、そのような実施形態、組合せ、及びサブコンビネーションの説明は、請求される主題が
、請求項に明示的に記載されたもの以外の特徴または特徴の組合せを必要とすることを伝
えることを意図していない。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の趣旨
及び範囲内に包含される全ての修正及び変形を含むものとする。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部筐体に取り付けられてバルブ本体を形成する上部筐体であって、前記バルブ本体が、前記上部筐体と前記下部筐体との間に延在するチャンバを画定する、前記上部筐体と、 前記チャンバと連通する複数のポートを備えた前記下部筐体であって、複数の前記ポートには、供給ポート、排気ポート、1つ以上のバネポート、及び交差流ポートが含まれる、前記下部筐体と、
前記上部筐体の上面を貫通するシャフトに取り付けられた第1の端部を有する制御アームであって、前記制御アームが、車両サスペンションの伸長または圧縮に応答して、前記バルブ本体を中心に回転するように構成されている、前記制御アームと、
前記バルブ本体の前記チャンバの中に配置され、前記上部筐体を貫通する前記シャフトによって前記制御アームに接続された回転ディスクであって、前記回転ディスクが、前記バルブ本体の前記チャンバの内部で前記軸を中心に回転するように構成されている、前記回転ディスクとを備えたレベリングバルブであって、
前記回転ディスクが、前記1つ以上のバネポートと前記供給ポートとの間も、前記1つ以上のバネポートと前記排気ポートとの間も、連通を確立しないようにしながら、交差流モードにおける前記1つ以上のバネポートと前記交差流ポートとの間の連通を確立するように構成されている、前記レベリングバルブ。
【請求項2】
前記下部筐体がダンプポートを備え、前記交差流ポートが前記下部筐体の第1の側に配置され、前記ダンプポートが前記第1の側とは反対側の前記下部筐体の第2の側に配置される、請求項1に記載のレベリングバルブ。
【請求項3】
前記制御アームにより、前記回転ディスクが複数の角度位置の間を回転するよう誘導して、前記供給ポート、前記排気ポート、前記1つ以上のバネポート、及び前記交差流ポートの間の連通を変更し、複数の前記角度位置には、(i)前記1つ以上のバネポートが前記交差流ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記排気ポートも前記1つ以上のバネポートと空気圧で連通しない中立位置と、(ii)前記1つ以上のバネポートが前記供給ポートと空気圧で連通し、かつ前記排気ポートも前記交差流ポートも前記1つ以上のバネポートと空気圧で連通しない供給位置と、(iii)前記1つ以上のバネポートが前記排気ポートと空気圧で連通し、かつ前記供給ポートも前記交差流ポートも前記1つ以上のバネポートと空気圧で連通しない排気位置とが含まれる、請求項1に記載のレベリングバルブ。
【請求項4】
前記下部筐体が、前記上部筐体の下面と結合する第1の表面を有し、前記第1の表面が、前記供給ポートと直接連通する供給穴と、前記排気ポートと直接連通する排気穴と、前記1つ以上のバネポートと直接連通するリザーバキャビティとを画定する、請求項3に記載のレベリングバルブ。
【請求項5】
前記回転ディスクが、前記シャフトを受け入れるための中央開口部と、複数の長方形スロットと、交差流スロットとを備え、複数の前記長方形スロットと前記交差流スロットとが前記中央開口部の周りに間隔を置いて配置され、これらの間にかつ前記回転ディスクの外縁に沿って不感帯が画定される、請求項4に記載のレベリングバルブ。
【請求項6】
前記回転ディスクが前記中立位置に設定されたときに、前記交差流スロットが、前記下部筐体の前記交差流穴の上に重なるように構成されている、請求項5に記載のレベリングバルブ。
【請求項7】
前記長方形スロットが、前記回転ディスクの面に沿って延在する中心軸から対称的に間隔を置いて配置され、前記交差流スロットが前記中心軸の上に重なる、請求項5に記載のレベリングバルブ。
【請求項8】
車両シャーシと、
前記車両シャーシに接続された少なくとも1つの軸と、
エアコンプレッサと、
前記エアコンプレッサに空気圧で接続された空気タンクと、
それぞれ請求項1乃至7のいずれかに記載の前記レべリングバルブである第1のレベリングバルブ及び第2のレベリングバルブと、
前記空気タンクを前記第1および第2のレベリングバルブに空気圧で接続する少なくとも1つの供給ホースと、
前記第1のレベリングバルブを前記第2のレベリングバルブに接続する交差流ラインと、
前記第1のレベリングバルブの前記バネポートに接続された少なくとも1つの空気バネと、
前記第2のレベリングバルブの前記バネポートに接続された少なくとも1つの空気バネとを備える車両サスペンションシステム。
【請求項9】
車両の交差流システムであって、
前記車両の第1の側に配置された第1の空気圧回路と、
前記車両の前記第1の側の反対側である前記車両の第2の側に配置された第2の空気圧回路と、
前記第1の空気圧回路を前記第2の空気圧回路に接続する交差流ラインであって、供給タンクに直接接続されず、および前記供給タンクに流体連通する供給ラインに直接接続されていない交差流ラインと、
前記交差流ラインと通信する電子システムとを備え、
前記交差流システムの作動は、前記車両のブレーキ動作および/またはステアリング制御のための前記電子システムと連結される交差流システム。
【請求項10】
1以上の空気圧センサー、または1以上の空気流センサーををさらに備え、
前記1以上の空気圧センサーまたは前記1以上の空気流センサーは、前記交差流ライン内の空気圧または空気流に関する情報を前記電子システムに出力するように構成されている請求項9に記載の交差流システム。
【請求項11】
前記交差流ライン、或いは、前記第1および第2の空気圧回路の各々に接続された交差流コントローラデバイスを含む請求項9に記載の交差流システム。
【請求項12】
車両用空気管理システムの空気バネに関連した制御ユニットであって、
前記空気バネの上板に取り付けられるように構成された筐体であって、前記筐体がバルブチャンバを備える、前記筐体と、
前記バルブチャンバの中に配置されたバルブであって、前記バルブが、(i)前記バルブが、関連する前記空気バネの高さを単独で調節しているアクティブモードと、(ii)前記バルブが前記アクティブモードではないときに、前記バルブが、関連する前記空気バネと前記空気管理システムの第2の空気バネに接続された交差流ラインとの間で空気圧の連通を確立している中立モードとを含む複数のモードの間で切り替わるように構成されている、前記バルブと、
前記空気バネの少なくとも1つの状態を監視し、前記空気バネの少なくとも1つの前記状態を示す測定値信号を生成するように構成された1つ以上のセンサと、
前記空気管理システムの前記第2の空気バネに関連した第2の制御ユニットとの間でデータ信号を送受するように構成された通信インタフェースと、
前記バルブ、前記1つ以上のセンサ、及び前記通信インタフェースに動作可能なように連結された処理モジュールとを備え、
前記処理モジュールが、(i)前記1つ以上のセンサからの測定値信号と、前記通信インタフェースからのデータ信号とを受け取ること、及び(ii)受け取った前記1つ以上のセンサからの前記測定値信号と、前記通信インタフェースからの前記データ信号とに基づいて、前記アクティブモードと前記中立モードとの間を切り替える前記バルブを作動させることを行うように構成されている、前記制御ユニット。
【請求項13】
前記筐体が、
空気源から空気流を受け取るように構成された流入ポートと、
大気に空気を放出するように構成された流出ポートと、
サスペンションシステムの前記第2の空気バネに接続された前記交差流ラインに接続するように構成された交差流ポートと、
前記空気バネのチャンバとの間で空気を供給または放出するように構成された配送ポートとを有し、
前記バルブチャンバが、複数の流路によって、前記流入ポート、前記流出ポート、及び前記配送ポートに接続されている、請求項12に記載の制御ユニット。
【請求項14】
前記1つ以上のセンサが、前記空気バネの前記高さを監視し、前記空気バネの前記高さを示す信号を生成するように構成された高さセンサを備える、請求項12に記載の制御ユニット。
【請求項15】
前記高さセンサが、超音波センサ、赤外線センサ、電磁波センサ、またはポテンショメータである、請求項14に記載の制御ユニット。
【請求項16】
前記処理モジュールが、前記アクティブモードと前記中立モードとの間で前記バルブを作動させることを判定する際に、前記処理モジュールの関連する空気バネのバネ高さと、前記第2の空気バネの第2のバネ高さとの差を計算に入れるように構成されている、請求項15に記載の制御ユニット。
【請求項17】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の下に取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの中に配置されている、請求項12に記載の制御ユニット。
【請求項18】
前記バルブチャンバ、前記バルブ、及び前記処理モジュールが、前記上板の上に取り付けられ、前記空気バネの前記チャンバの外側に配置されている、請求項12に記載の制御ユニット。
【請求項19】
前記バルブが、円筒形マニホルドと、前記マニホルド内に配置され、前記マニホルドの内面と摺動係合するバルブ部材と、前記バルブ部材及び前記処理モジュールに動作可能なように連結された電子式アクチュエータとを備え、
前記マニホルドが、前記マニホルドの側面に沿って配置された複数の開口部を有し、前記電子式アクチュエータが、前記マニホルドの長手方向軸に沿って摺動するように前記バルブ部材を作動させて、複数の前記開口部の露出を制御して、前記バルブが前記アクティブモードと前記中立モードとの間を切り替わるようにした、請求項12に記載の制御ユニット。