(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046789
(43)【公開日】2022-03-23
(54)【発明の名称】ローラセットおよびパイプ要素
(51)【国際特許分類】
B21H 7/14 20060101AFI20220315BHJP
B21D 39/04 20060101ALI20220315BHJP
B21D 17/04 20060101ALI20220315BHJP
F16L 9/02 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B21H7/14 Z
B21D39/04 Z
B21D17/04
F16L9/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004332
(22)【出願日】2022-01-14
(62)【分割の表示】P 2020144387の分割
【原出願日】2015-08-11
(31)【優先権主張番号】14/512,580
(32)【優先日】2014-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アール. ドール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パイプ要素の端部に特徴を形成するためのローラを提供すること。
【解決手段】パイプ要素をロール形成するためのローラセットは、パイプ要素の動揺を防止するように3つの点でパイプ要素に係合する外側ローラを有する。内側ローラおよび外側ローラは、協働することにより、機械的結合器のキーによって係合可能な突起を有するパイプ要素を形成し、突起は、パイプ要素の外面を越えて延在し、パイプ要素および結合器の組み合わせの圧力および屈曲性能を増加させる。一例示的実施形態では、第2の隆起特徴は、外側ローラ本体を囲繞するリングを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2014年10月13日に出願された米国非仮出願第14/512,580号に基づき、その優先権を主張し、これにより、この出願の全体が参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パイプ要素の端部に特徴を形成するためのローラに関し、また、ローラによって形成されるパイプ要素ならびにパイプ要素およびそれらを端間継合する結合器の組み合わせを検討する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
円周方向溝ならびに肩部およびビーズ等の他の特徴が、種々の方法によってパイプ要素に形成されてもよく、特定の関心のうちの1つがロールグルービングである。ロールグルービング方法は、内側ローラをパイプ要素の内面と、外側ローラを内側ローラと反対のパイプ要素の外面と係合させ、ローラのうちの少なくとも1つを回転させながら、ローラの間でパイプ要素の側壁を漸増的に圧縮することを伴う。1つのローラ(多くの場合、内側ローラ)の回転は、ローラセットとパイプ要素との間で相対回転を引き起こし、内側および外側ローラ上の特徴は、パイプ要素の内面および外面上の対応する特徴を形成する。1つの例示的ロールグルービング方法では、ローラは、固定場所にとどまり、パイプ要素は、ローラに対してその長手方向軸の周囲で回転する。別の例示的実施形態では、パイプ要素は、静止したままであり、ローラセットは、パイプ要素の円周を横断する。
【0004】
ロールグルービングの1つの不利点は、開放端の付近でパイプ要素の外面に円周方向溝を形成するときに発現する。円周方向溝は、外側ローラ上の隆起円周方向特徴が隆起特徴と反対に位置付けられる内側ローラ上の円周方向陥凹と協働するときに形成される。溝形成中に、パイプ要素の開放端は、パイプ要素の端部において拡大されてもよく、端部は、パイプの材料が溝を形成するように変形させられるときに、不要な結果として外向きに広がる、「ベル」形状を帯びる。パイプ端部の広がりは、例えば、パイプ要素が、機械的継手および結合器に適切に係合し、液密継合部を形成し得るように、最大公差を超えないことが最も重要である、端部におけるパイプ要素の臨界外径を変化させ得るため、望まれない。明確に、グルービングローラおよびパイプ端部の広がりを軽減または排除するロールグルービングの方法の必要性がある。
【0005】
さらに、機械的結合器によって継合されるパイプ要素は、多くの場合、液密シールを達成するために可撓性シールまたはガスケットを使用する。ガスケットは、結合器によってパイプ要素の外面に対して圧縮される密閉表面を有する。効果的な表面接触を提供して良好なシールを確実にするように、それらが密閉表面によって係合させられる、領域中のパイプ要素の表面仕上げを向上させることが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内面および外面を有するパイプ要素の領域を形成するためのローラセットに関する。一実施形態では、ローラセットは、内面と係合可能な内側ローラと、外面と係合可能な外側ローラとを備える。特定の実施形態では、外側ローラは、第1の軸の周囲で回転可能な外側ローラ本体を備える。パイプ要素と係合可能な第1の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する。パイプ要素と係合可能な第2の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する。第2の隆起特徴は、第1の隆起特徴に隣接して位置付けられる。パイプ要素と係合可能な第3の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する。第2の隆起特徴は、第1および第3の隆起特徴の間に位置付けられる。
【0007】
一例示的実施形態では、第2の隆起特徴は、外側ローラ本体を囲繞するリングを備える。リングは、外側ローラ本体に対して第1の軸の周囲で回転可能である。本実施例はさらに、リングと外側ローラ本体との間に位置付けられる複数の軸受を備える。
【0008】
一例として、第1の隆起特徴は、外側ローラ本体に沿って長さ方向に延在する、円錐表面を備える。円錐表面は、第2の隆起特徴に隣接して位置付けられる、小さい方の半径と、第2の隆起特徴の遠位に位置付けられる、大きい方の半径とを有する。
【0009】
別の実施例では、第3の隆起特徴は、円錐表面の大きい方の半径と実質的に等しい最大半径を有する、曲面を備え、半径は、第1の軸から測定される。
【0010】
さらなる一例として、第2の隆起特徴は、第1の隆起特徴に面し、第1の軸と実質的に垂直に配向される第1の表面によって画定される、突起を備える。第2の表面は、第1の軸と実質的に平行に配向され、第3の表面は、第3の隆起特徴に面し、第1の軸に対して角度付けて配向される。別の実施例では、第3の隆起特徴は、第1の軸に対して実質的に垂直に配向される。
【0011】
一例として、第1の隆起特徴は、第1の軸に対して実質的に平行に配向される平坦面を備える。別の実施例では、第1の隆起特徴はさらに、曲面を備え、平坦面は、曲面と第2の隆起特徴との間に位置付けられる。
【0012】
例示的実施形態では、第3の隆起特徴は、第1の隆起特徴を構成する曲面の最大半径と実質的に等しい最大半径を有する、曲面を備え、半径は、第1の軸から測定される。
【0013】
別の例示的実施形態では、内側ローラは、第2の軸の周囲で回転可能な内側ローラ本体を備える。フランジは、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第2の軸に対して横断方向に突出する。第1のくぼみは、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、フランジに隣接して位置付けられる。第2のくぼみは、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1のくぼみに隣接して位置付けられる。本実施例では、内側および外側ローラが、パイプ要素の領域を形成するように協働するとき、第1および第2の隆起特徴は、それぞれ、第1および第2のくぼみと整合する。
【0014】
例示的実施形態では、内側ローラはさらに、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第2のくぼみに隣接して位置付けられる、第3のくぼみを備える。内側および外側ローラが、パイプ要素の領域を形成するように協働するとき、第1、第2、および第3の隆起特徴は、それぞれ、第1、第2、および第3のくぼみと整合する。
【0015】
さらなる実施例では、突起が、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第2の軸から半径方向に突出する。突起は、第1および第2のくぼみの間に位置付けられ、第2のくぼみに近接する内側ローラの一部の半径より大きい半径を有する。一例として、外側ローラの第2の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する、第1の突起を備える。第1の突起は、ロール形成中にそれがパイプ要素の外面に接触する、第1の接触幅を有する。例示的ローラセットはさらに、内側ローラの周囲で円周方向に延在し、内側ローラと同軸上に配列される第2の軸から半径方向に突出する、第2の突起を備える。第2の突起は、ロール形成中にそれがパイプ要素の内面に接触する、第2の接触幅を有する。一例として、第2の接触幅は、第1の接触幅より狭い。
【0016】
本発明はさらに、本発明による例示的ローラセットを使用して、パイプ要素の領域を形成するための方法を包含する。一実施例では、本方法は、内側ローラ上にパイプ要素の内面を位置付けるステップと、パイプ要素の外面と接触するように外側ローラの第2の隆起特徴を移動させるステップとを含む。本実施例では、第1、第2、および第3の隆起特徴は、それぞれ、第1、第2、および第3のくぼみと整合する。実施例はまた、内側ローラを回転させ、それによって、パイプ要素および外側ローラを回転させるステップも含む。ローラおよびパイプ要素を回転させながら、例示的方法は、第2の隆起特徴と第2のくぼみとの間でパイプ要素を変形させるように、相互に向かって内側および外側ローラを押進するステップを要求する。本例示的方法では、相互に向かった内側および外側ローラの継続的移動時に、本方法は、パイプ要素を第1の隆起特徴および第3の隆起特徴と接触させるステップを要求する。
【0017】
特定の実施例では、本方法はさらに、内側ローラ上に位置付けられたフランジと接触してパイプ要素の端部を位置付けるステップを含む。例示的方法はまた、第1および第2の軸が相互に実質的に平行である状態で、パイプ要素の外面と接触するように外側ローラの第2の隆起特徴を移動させるステップも含む。また、一例として、本方法は、パイプ要素の外面と接触するように外側ローラの第2の隆起特徴を移動させる前に、内側ローラを回転させるステップを含む。
【0018】
方法の一実施例では、第1の隆起特徴は、第3の隆起特徴の前にパイプ要素に接触する。別の例示的方法では、第3の隆起特徴は、第1の隆起特徴の前にパイプ要素に接触する。さらに別の例示的方法では、第1および第3の隆起特徴は、実質的に同時にパイプ要素に接触する。
【0019】
例示的方法では、第1の隆起特徴は、その端部においてパイプ要素に接触する。別の例示的方法では、第1の隆起特徴は、その端部と離間関係にある領域にわたってパイプ要素に接触する。例示的方法はさらに、パイプ要素の長手方向軸を内側ローラの長手方向軸に対して角度付けて配向するステップを含む。例示的方法は、約1°~約3°の内側ローラの長手方向軸に対する配向角でパイプ要素の長手方向軸を配向するステップを含む。
【0020】
一実施例では、本方法は、
内面が第2の突起の第2の接触幅に接触する状態で、内側ローラ上にパイプ要素の内面を位置付けるステップと、
第1および第2の軸が相互に実質的に平行である状態で、パイプ要素の外面と接触するように第1の突起の第1の接触幅を移動させるステップと、
内側ローラを回転させ、それによって、パイプ要素および外側ローラを回転させるステップと、
ローラおよびパイプ要素を回転させながら、第1および第2の突起の間でパイプ要素を変形させるように、相互に向かって内側および外側ローラを押進するステップと、
を含む。
【0021】
方法の特定の実施例は、パイプ要素の内面を第2の接触幅と接触させるステップを含み、第2の接触幅は、第1の接触幅より狭い。
【0022】
本発明はまた、内面および外面を有するパイプ要素の領域を形成するためのローラセットも含む。本実施例では、ローラセットは、内面と係合可能な内側ローラと、外面と係合可能な外側ローラとを備える。一例として、外側ローラは、第1の軸の周囲で回転可能な外側ローラ本体を備える。パイプ要素と係合可能な第1の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する。パイプ要素と係合可能な第2の隆起特徴は、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出し、第2の隆起特徴は、第1の隆起特徴に隣接して位置付けられる。さらに、一例として、内側ローラは、第2の軸の周囲で回転可能な内側ローラ本体を備える。第1のくぼみは、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在する。第2のくぼみは、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1のくぼみに隣接して位置付けられる。突起は、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第2の軸から半径方向に突出し、突起は、第1および第2のくぼみの間に位置付けられ、第2のくぼみに近接する内側ローラの一部の半径より大きい半径を有する。本実施例では、内側および外側ローラがパイプ要素の領域を形成するように協働するとき、第1および第2の隆起特徴は、それぞれ、第1および第2のくぼみと整合する。
【0023】
実施例はさらに、パイプ要素と係合可能であり、外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第1の軸から半径方向に突出する、第3の隆起特徴を備える。第2の隆起特徴は、本実施例では、第1および第3の隆起特徴の間に位置付けられる。
【0024】
例示的ローラセットはさらに、内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、第2の軸に対して横断方向に突出する、フランジを備える。本実施例では、第1のくぼみは、第2のくぼみとフランジとの間に位置付けられる。
【0025】
本発明はさらに、パイプ要素を包含する。一例示的実施形態では、パイプ要素は、長手方向軸を囲繞する外面を備える。パイプ要素は、少なくとも1つの端部を有し、溝は、少なくとも1つの端部に近接して外面内に位置付けられる。溝は、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。一例として、溝は、少なくとも1つの端部に近接する第1の側面と、第1の側面と連接する床面と、床面と連接する第2の側面とを備える。本実施例では、第2の側面は、第1の側面と離間関係にあり、第1の側面は、パイプ要素の外面の残りを越えて半径方向外向きに突出する。ツーリングマークは、外面内に位置付けられ、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。特定の実施例では、ツーリングマークは、外面にくぼみを備える。別の実施例では、ツーリングマークは、外面にエンボス加工される印を備える。さらなる一例として、第1の側面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向され、床面は、長手方向軸と実質的に平行に配向される。例示的実施形態では、第2の側面は、長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される。別の実施形態では、第2の側面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向される。
【0026】
本発明はさらに、少なくとも1つのパイプ要素および結合器の組み合わせを含有する。そのような組み合わせの例示的実施形態では、結合器は、端同士を取り付けられ中心空間を囲繞する複数の区画を備える。少なくとも1つのパイプ要素は、中心空間内に受け取られる。区画のそれぞれは、中心空間に向かって突出する少なくとも1つのキーを有する。少なくとも1つのキーは、溝に係合する。例示的実施形態では、少なくとも1つのキーは、溝の第1の側面と係合させられる、第1のキー表面を備える。第2のキー表面は、第1のキー表面と連接し、溝の床面に面し、第3のキー表面は、第2のキー表面と連接し、第3のキー表面は、溝の第2の側面に面する。
【0027】
特定の例示的実施形態では、溝の第1の側面および少なくとも1つのキーの第1のキー表面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向される。さらなる一例として、溝の第2の側面および少なくとも1つのキーの第3のキー表面は、長手方向軸に角度付けて配向され、第2の側面は、第3のキー表面に係合する。別の例示的実施形態では、第3のキー表面は、第2の側面の配向角と等しい長手方向軸に対する配向角を有する。例示的実施形態では、溝の第2の側面および少なくとも1つのキーの第3のキー表面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向される。特定の実施例では、少なくとも1つのキーの第2のキー表面は、溝の床面に係合する。
【0028】
具体的な例示的実施形態では、結合器はさらに、区画のそれぞれの両端に位置付けられる接続部材を備える。接続部材は、区画を相互に向かって引き寄せ、区画のそれぞれの上の少なくとも1つのキーを溝と係合させるために、調節可能に緊締可能である。一例として、区画のそれぞれの上の接続部材は、一対の突起を備え、1つの突起は、区画の両端のそれぞれの上に位置付けられ、突起は、締結具を受け取る孔を有し、締結具は、調節可能に緊締可能である。特定の例示的実施形態では、結合器は、区画のうちの2つを備える。
【0029】
本発明はさらに、パイプ要素を検討する。一例示的実施形態では、パイプ要素は、長手方向軸を囲繞する外面を備え、少なくとも1つの端部を有する。溝は、少なくとも1つの端部に近接して外面内に位置付けられる。溝は、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。一例として、溝は、少なくとも1つの端部に近接する、第1の側面であって、長手方向軸と実質的に垂直である、第1の側面と、第1の側面と連接し、長手方向軸と実質的に平行に配向される、床面と、床面と連接し、長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される、第2の側面とを備える。本実施例では、第1の側面は、パイプ要素の外面の残りを越えて半径方向外向きに突出し、ツーリングマークは、外面内に位置付けられ、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。例示的実施形態では、ツーリングマークは、外面にくぼみを備える。さらなる実施例では、ツーリングマークは、外面にエンボス加工される印を備える。
【0030】
本発明はさらに、一例として、少なくとも1つのパイプ要素および結合器の組み合わせを含む。具体的実施例では、結合器は、端同士を取り付けられ中心空間を囲繞する複数の区画を備える。少なくとも1つのパイプ要素は、中心空間内に受け取られる。区画のそれぞれは、中心空間に向かって突出する少なくとも1つのキーを有する。少なくとも1つのキーは、溝に係合する。一例として、少なくとも1つのキーは、長手方向軸と実質的に垂直に配向され、溝の第1の側面と係合させられる、第1のキー表面と、第1のキー表面と連接し、溝の床面に面する、第2のキー表面と、第2のキー表面と連接する第3のキー表面とを備える。第3のキー表面は、長手方向軸に対して角度付けて配向され、溝の第2の側面と係合させられる。
【0031】
例示的実施形態では、第3のキー表面は、第2の側面の配向角と等しい長手方向軸に対する配向角を有する。一例として、結合器はさらに、区画のそれぞれの両端に位置付けられる接続部材を備える。接続部材は、区画を相互に向かって引き寄せ、区画のそれぞれの上の少なくとも1つのキーを溝と係合させるために、調節可能に緊締可能である。具体的実施例では、区画のそれぞれの上の接続部材は、一対の突起を備え、1つの突起は、区画の両端のそれぞれの上に位置付けられ、突起は、締結具を受け取る孔を有し、締結具は、調節可能に緊締可能である。特定の実施例では、結合器は、区画のうちの2つを備える。
【0032】
本発明はさらに、パイプ要素を包含する。一例として、パイプ要素は、長手方向軸を囲繞する外面を備え、少なくとも1つの端部を有する。溝は、少なくとも1つの端部に近接して外面内に位置付けられる。溝は、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。溝と少なくとも1つの端部との間のパイプ要素の外面の少なくとも一部は、研磨された表面である。一例として、ツーリングマークは、外面内に位置付けられ、パイプ要素の周囲で円周方向に延在する。具体的実施例では、ツーリングマークは、外面にくぼみを備える。一例として、ツーリングマークは、外面にエンボス加工される印を備える。具体的実施例では、研磨された表面は、シールと係合可能な密閉表面を備える。さらなる一例として、研磨された表面は、長手方向軸と実質的に平行に配向される。特定の実施例では、研磨された表面は、少なくとも1つの端部から離れて離間関係で位置付けられる。例示的実施形態では、研磨された表面は、溝の床の直径公差と実質的に等しい直径公差を有する。一例として、研磨された表面は、パイプ要素の直径公差の約20%~約50%の直径公差を有する。
【0033】
本発明による別の例示的パイプ要素では、溝は、少なくとも1つの端部に近接する第1の側面と、第1の側面と連接する床面と、床面と連接する第2の側面とを備える。本実施例では、第2の側面は、第1の側面と離間関係にある。例示的実施形態では、第1の側面は、その全体においてパイプ要素の外面を越えて半径方向外向きに突出する。一例として、第1の側面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向される。一例として、床面は、長手方向軸と実質的に平行に配向される。さらに、一例として、第2の側面は、長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される。別の例示的実施形態では、第2の側面は、長手方向軸と実質的に垂直に配向される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
内面および外面を有するパイプ要素の領域を形成するためのローラセットであって、前記ローラセットは、
前記内面と係合可能な内側ローラと、
前記外面と係合可能な外側ローラであって、前記外側ローラは、
第1の軸の周囲で回転可能な外側ローラ本体と、
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第1の隆起特徴と、
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第2の隆起特徴であって、前記第2の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴に隣接して位置付けられている、第2の隆起特徴と、
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第3の隆起特徴であって、前記第2の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴と前記第3の隆起特徴との間に位置付けられている、第3の隆起特徴と
を備える、外側ローラと
を備える、ローラセット。
(項目2)
前記第2の隆起特徴は、前記外側ローラ本体を囲繞するリングを備え、前記リングは、前記外側ローラ本体に対して前記第1の軸の周囲で回転可能である、項目1に記載のローラセット。
(項目3)
前記リングと前記外側ローラ本体との間に位置付けられる複数の軸受をさらに備える、項目2に記載のローラセット。
(項目4)
前記第1の隆起特徴は、前記外側ローラ本体に沿って長さ方向に延在する円錐表面を備え、前記円錐表面は、前記第2の隆起特徴に隣接して位置付けられる、小さい方の半径と、前記第2の隆起特徴の遠位に位置付けられる、大きい方の半径とを有する、項目1に記載のローラセット。
(項目5)
前記第3の隆起特徴は、前記円錐表面の前記大きい方の半径と実質的に等しい最大半径を有する曲面を備え、前記半径は、前記第1の軸から測定される、項目4に記載のローラセット。
(項目6)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して角度付けて配向された第3の表面とによって画定されている、項目5に記載のローラセット。
(項目7)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して実質的に垂直に配向された第3の表面とによって画定されている、項目5に記載のローラセット。
(項目8)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して角度付けて配向された第3の表面とによって画定されている、項目4に記載のローラセット。
(項目9)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して実質的に垂直に配向された第3の表面とによって画定されている、項目4に記載のローラセット。
(項目10)
前記第1の隆起特徴は、前記第1の軸に対して実質的に平行に配向された平坦面を備える、項目1に記載のローラセット。
(項目11)
前記第1の隆起特徴はさらに、曲面を備え、前記平坦面は、前記曲面と前記第2の隆起特徴との間に位置付けられる、項目10に記載のローラセット。
(項目12)
前記第3の隆起特徴はさらに、曲面を備え、前記曲面は、前記第1の隆起特徴を構成する前記曲面の最大半径と実質的に等しい最大半径を有し、前記半径は、前記第1の軸から測定される、項目10に記載のローラセット。
(項目13)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して角度付けて配向された第3の表面とによって画定されている、項目10に記載のローラセット。
(項目14)
前記第2の隆起特徴は、突起を備え、前記突起は、前記第1の隆起特徴に面し、前記第1の軸と実質的に垂直に配向された第1の表面と、前記第1の軸と実質的に平行に配向された第2の表面と、前記第3の隆起特徴に面し、前記第1の軸に対して実質的に垂直に配向された第3の表面とによって画定されている、項目10に記載のローラセット。
(項目15)
前記内側ローラは、
第2の軸の周囲で回転可能な内側ローラ本体と、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第2の軸に対して横断方向に突出するフランジと、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記フランジに隣接して位置付けられる第1のくぼみと、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1のくぼみに隣接して位置付けられる第2のくぼみと
を備え、前記内側ローラおよび前記外側ローラが前記パイプ要素の前記領域を形成するように協働するとき、第1の隆起特徴および前記第2の隆起特徴は、それぞれ、前記第1のくぼみおよび前記第2のくぼみと整合する、項目1に記載のローラセット。
(項目16)
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第2のくぼみに隣接して位置付けられる第3のくぼみをさらに備え、前記内側ローラおよび前記外側ローラが前記パイプ要素の前記領域を形成するように協働するとき、前記第1の隆起特徴、前記第2の隆起特徴、および前記第3の隆起特徴は、それぞれ、前記第1のくぼみ、前記第2のくぼみ、および前記第3のくぼみと整合する、項目15に記載のローラセット。
(項目17)
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第2の軸から半径方向に突出する突起をさらに備え、前記突起は、前記第1のくぼみと前記第2のくぼみとの間に位置付けられ、前記第2のくぼみに近接する前記内側ローラの一部の半径より大きい半径を有する、項目15に記載のローラセット。
(項目18)
前記外側ローラの前記第2の隆起特徴は、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し前記第1の軸から半径方向に突出する第1の突起を備え、前記第1の突起は、第1の接触幅を有し、前記第1の突起は、ロール形成中に前記第1の接触幅を介して前記パイプ要素の前記外面に接触し、前記ローラセットはさらに、前記内側ローラの周囲で円周方向に延在し前記内側ローラと同軸に配列された第2の軸から半径方向に突出する第2の突起を備え、前記第2の突起は、第2の接触幅を有し、前記第2の突起は、ロール形成中に前記第2の接触幅を介して前記パイプ要素の前記内面に接触する、項目1に記載のローラセット。
(項目19)
前記第2の接触幅は、前記第1の接触幅より狭い、項目18に記載のローラセット。
(項目20)
項目16に記載のローラセットを使用して、パイプ要素の領域を形成するための方法であって、前記方法は、
前記内側ローラ上に前記パイプ要素の前記内面を位置付けることと、
前記パイプ要素の前記外面と接触するように前記外側ローラの前記第2の隆起特徴を移動させることであって、前記第1の隆起特徴、前記第2の隆起特徴、および前記第3の隆起特徴は、それぞれ、前記第1のくぼみ、前記第2のくぼみ、および前記第3のくぼみと整合する、ことと、
前記内側ローラを回転させ、それによって、前記パイプ要素および前記外側ローラを回転させることと、
前記ローラおよび前記パイプ要素を回転させながら、前記第2の隆起特徴と前記第2のくぼみとの間で前記パイプ要素を変形させるように、前記内側ローラおよび前記外側ローラを相互に向かって押進することと、
前記内側ローラおよび外側ローラの相互に向かった継続的移動時に、前記パイプ要素を前記第1の隆起特徴および前記第3の隆起特徴と接触させることと
を含む、方法。
(項目21)
前記内側ローラ上に位置付けられたフランジと接触するように前記パイプ要素の端部を位置付けることをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記第1の軸および前記第2の軸が相互に実質的に平行である状態で、前記パイプ要素の前記外面と接触するように前記外側ローラの前記第2の隆起特徴を移動させることをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記パイプ要素の前記外面と接触するように前記外側ローラの前記第2の隆起特徴を移動させる前に、前記内側ローラを回転させることを含む、項目20に記載の方法。
(項目24)
前記第1の隆起特徴は、前記第3の隆起特徴の前に前記パイプ要素に接触する、項目20に記載の方法。
(項目25)
前記第3の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴の前に前記パイプ要素に接触する、項目20に記載の方法。
(項目26)
前記第1の隆起特徴および前記第3の隆起特徴は、実質的に同時に前記パイプ要素に接触する、項目20に記載の方法。
(項目27)
前記第1の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴の端部において前記パイプ要素に接触する、項目20に記載の方法。
(項目28)
前記第1の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴の端部と離間関係にある領域を介して前記パイプ要素に接触する、項目20に記載の方法。
(項目29)
前記パイプ要素の長手方向軸を前記内側ローラの長手方向軸に対して角度付けて配向することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目30)
約1°~約3°の前記内側ローラの前記長手方向軸に対する配向角で前記パイプ要素の前記長手方向軸を配向することを含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
項目18に記載のローラセットを使用して、パイプ要素の領域を形成するための方法であって、前記方法は、
前記内面が前記第2の突起の前記第2の接触幅に接触する状態で、前記内側ローラ上に前記パイプ要素の前記内面を位置付けることと、
前記第1の軸および前記第2の軸が相互に実質的に平行である状態で、前記パイプ要素の前記外面と接触するように前記第1の突起の前記第1の接触幅を移動させることと、
前記内側ローラを回転させ、それによって、前記パイプ要素および前記外側ローラを回転させることと、
前記ローラおよび前記パイプ要素を回転させながら、前記第1の突起と前記第2の突起との間で前記パイプ要素を変形させるように、前記内側ローラおよび前記外側ローラを相互に向かって押進することと
を含む、方法。
(項目32)
前記パイプ要素の前記内面を前記第2の接触幅と接触させることを含み、前記第2の接触幅は、前記第1の接触幅より狭い、項目31に記載の方法。
(項目33)
内面および外面を有するパイプ要素の領域を形成するためのローラセットであって、前記ローラセットは、
前記内面と係合可能な内側ローラと、前記外面と係合可能な外側ローラとを備え、前記外側ローラは、
第1の軸の周囲で回転可能な外側ローラ本体と、
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第1の隆起特徴と、
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第2の隆起特徴であって、前記第2の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴に隣接して位置付けられる、第2の隆起特徴と
を備え、
前記内側ローラは、
第2の軸の周囲で回転可能な内側ローラ本体と、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在する第1のくぼみと、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1のくぼみに隣接して位置付けられる第2のくぼみと、
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第2の軸から半径方向に突出する突起であって、前記突起は、前記第1のくぼみと前記第2のくぼみとの間に位置付けられ、前記第2のくぼみに近接する前記内側ローラの一部の半径より大きい半径を有する、突起と
を備え、前記内側ローラおよび前記外側ローラが前記パイプ要素の前記領域を形成するように協働するとき、前記第1の隆起特徴および前記第2の隆起特徴は、それぞれ、前記第1のくぼみおよび前記第2のくぼみと整合する、ローラセット。
(項目34)
前記パイプ要素と係合可能であり、前記外側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第1の軸から半径方向に突出する第3の隆起特徴をさらに備え、前記第2の隆起特徴は、前記第1の隆起特徴と前記第3の隆起特徴との間に位置付けられる、項目33に記載のローラセット。
(項目35)
前記内側ローラ本体の周囲で円周方向に延在し、前記第2の軸に対して横断方向に突出するフランジをさらに備え、前記第1のくぼみは、前記第2のくぼみと前記フランジとの間に位置付けられる、項目33に記載のローラセット。
(項目36)
パイプ要素であって、
長手方向軸を囲繞する外面と、
少なくとも1つの端部と、
前記少なくとも1つの端部に近接して前記外面内に位置付けられる溝であって、前記溝は、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在し、前記溝は、
前記少なくとも1つの端部に近接する第1の側面と、
前記第1の側面と連接する床面と、
前記床面と連接する第2の側面であって、前記第1の側面と離間関係にある第2の側面と
を備え、前記第1の側面は、前記パイプ要素の前記外面の残りを越えて半径方向外向きに突出する、溝と、
前記外面内に位置付けられ、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在するツーリングマークと
を備える、パイプ要素。
(項目37)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるくぼみを備える、項目36に記載のパイプ要素。
(項目38)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるエンボス加工された印を備える、項目36に記載のパイプ要素。
(項目39)
前記第1の側面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目36に記載のパイプ要素。
(項目40)
前記床面は、前記長手方向軸と実質的に平行に配向される、項目39に記載のパイプ要素。
(項目41)
前記第2の側面は、前記長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される、項目40に記載のパイプ要素。
(項目42)
前記第2の側面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目40に記載のパイプ要素。
(項目43)
項目36に記載の少なくとも1つのパイプ要素および結合器の組み合わせにおいて、前記結合器は、
端同士を取り付けられ中心空間を囲繞する複数の区画であって、前記少なくとも1つのパイプ要素は、前記中心空間内に受け取られる、複数の区画
を備え、
前記区画のそれぞれは、前記中心空間に向かって突出する少なくとも1つのキーを有し、前記少なくとも1つのキーは、前記溝に係合し、前記少なくとも1つのキーは、
前記溝の前記第1の側面と係合させられる第1のキー表面と、
前記第1のキー表面と連接し、前記溝の前記床面に面する第2のキー表面と、
前記第2のキー表面と連接する第3のキー表面であって、前記溝の前記第2の側面に面する第3のキー表面と
を備える、組み合わせ。
(項目44)
前記溝の前記第1の側面および前記少なくとも1つのキーの前記第1のキー表面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目43に記載の組み合わせ。
(項目45)
前記溝の前記第2の側面および前記少なくとも1つのキーの前記第3のキー表面は、前記長手方向軸に対して角度付けて配向され、前記第2の側面は、前記第3のキー表面に係合する、項目44に記載の組み合わせ。
(項目46)
前記第3のキー表面は、前記第2の側面の配向角と等しい前記長手方向軸に対する配向角を有する、項目45に記載の組み合わせ。
(項目47)
前記溝の前記第2の側面および前記少なくとも1つのキーの前記第3のキー表面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目46に記載の組み合わせ。
(項目48)
前記少なくとも1つのキーの前記第2のキー表面は、前記溝の前記床面に係合する、項目47に記載の組み合わせ。
(項目49)
前記結合器はさらに、前記区画のそれぞれの両端に位置付けられる接続部材を備え、前記接続部材は、前記区画を相互に向かって引き寄せ、前記区画のそれぞれの上の前記少なくとも1つのキーを前記溝と係合させるために、調節可能に緊締可能である、項目43に記載の組み合わせ。
(項目50)
前記区画のそれぞれの上の前記接続部材は、一対の突起を備え、1つの前記突起は、前記区画の前記両端のそれぞれの上に位置付けられ、前記突起は、締結具を受け取る孔を有し、前記締結具は、調節可能に緊締可能である、項目49に記載の組み合わせ。
(項目51)
前記結合器は、前記区画のうちの2つを備える、項目43に記載の組み合わせ。
(項目52)
パイプ要素であって、
長手方向軸を囲繞する外面と、
少なくとも1つの端部と、
前記少なくとも1つの端部に近接して前記外面内に位置付けられる溝であって、前記溝は、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在し、前記溝は、
前記少なくとも1つの端部に近接する第1の側面であって、前記長手方向軸と実質的に垂直である第1の側面と、
前記第1の側面と連接し、前記長手方向軸と実質的に平行に配向される床面と、
前記床面と連接し、前記長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される第2の側面と
を備え、前記第1の側面は、前記パイプ要素の前記外面の残りを越えて半径方向外向きに突出する、溝と、
前記外面内に位置付けられ、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在するツーリングマークと
を備える、パイプ要素。
(項目53)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるくぼみを備える、項目52に記載のパイプ要素。
(項目54)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるエンボス加工された印を備える、項目52に記載のパイプ要素。
(項目55)
項目52に記載の少なくとも1つのパイプ要素および結合器の組み合わせにおいて、前記結合器は、
端同士を取り付けられ中心空間を囲繞する複数の区画であって、前記少なくとも1つのパイプ要素は、前記中心空間内に受け取られる、複数の区画
を備え、
前記区画のそれぞれは、前記中心空間に向かって突出する少なくとも1つのキーを有し、前記少なくとも1つのキーは、前記溝に係合し、前記少なくとも1つのキーは、
前記長手方向軸と実質的に垂直に配向され、前記溝の前記第1の側面と係合させられる第1のキー表面と、
前記第1のキー表面と連接し、前記溝の前記床面に面する第2のキー表面と、
前記第2のキー表面と連接する第3のキー表面であって、前記第3のキー表面は、前記長手方向軸に対して角度付けて配向され、前記溝の前記第2の側面と係合させられる、第3のキー表面と
を備える、組み合わせ。
(項目56)
前記第3のキー表面は、前記第2の側面の配向角と等しい前記長手方向軸に対する配向角を有する、項目55に記載の組み合わせ。
(項目57)
前記結合器はさらに、前記区画のそれぞれの両端に位置付けられる接続部材を備え、前記接続部材は、前記区画を相互に向かって引き寄せ、前記区画のそれぞれの上の前記少なくとも1つのキーを前記溝と係合させるために、調節可能に緊締可能である、項目55に記載の組み合わせ。
(項目58)
前記区画のそれぞれの上の前記接続部材は、一対の突起を備え、1つの前記突起は、前記区画の前記両端のそれぞれの上に位置付けられ、前記突起は、締結具を受け取る孔を有し、前記締結具は、調節可能に緊締可能である、項目57に記載の組み合わせ。
(項目59)
前記結合器は、前記区画のうちの2つを備える、項目55に記載の組み合わせ。
(項目60)
パイプ要素であって、
長手方向軸を囲繞する外面と、
少なくとも1つの端部と、
前記少なくとも1つの端部に近接して前記外面内に位置付けられる溝であって、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在する溝と、
研磨された表面である、前記溝と前記少なくとも1つの端部との間の前記パイプ要素の前記外面の少なくとも一部と
を備える、パイプ要素。
(項目61)
前記外面内に位置付けられ、前記パイプ要素の周囲で円周方向に延在するツーリングマークをさらに備える、項目60に記載のパイプ要素。
(項目62)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるくぼみを備える、項目61に記載のパイプ要素。
(項目63)
前記ツーリングマークは、前記外面におけるエンボス加工された印を備える、項目61に記載のパイプ要素。
(項目64)
前記研磨された表面は、シールと係合可能な密閉表面を備える、項目60に記載のパイプ要素。
(項目65)
前記研磨された表面は、前記長手方向軸と実質的に平行に配向される、項目60に記載のパイプ要素。
(項目66)
前記研磨された表面は、前記少なくとも1つの端部から離れた離間関係で位置付けられる、項目65に記載のパイプ要素。
(項目67)
前記研磨された表面は、前記溝の床の直径公差と実質的に等しい直径公差を有する、項目60に記載のパイプ要素。
(項目68)
前記研磨された表面は、前記パイプ要素の直径公差の約20%~約50%の直径公差を有する、項目60に記載のパイプ要素。
(項目69)
前記溝は、
前記少なくとも1つの端部に近接する第1の側面と、
前記第1の側面と連接する床面と、
前記床面と連接する第2の側面であって、前記第1の側面と離間関係にある第2の側面と
を備える、項目60に記載のパイプ要素。
(項目70)
前記第1の側面は、その全体において前記パイプ要素の前記外面を越えて半径方向外向きに突出する、項目69に記載のパイプ要素。
(項目71)
前記第1の側面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目70に記載のパイプ要素。
(項目72)
前記床面は、前記長手方向軸と実質的に平行に配向される、項目69に記載のパイプ要素。
(項目73)
前記第2の側面は、前記長手方向軸に対して実質的に角度付けて配向される、項目69に記載のパイプ要素。
(項目74)
前記第2の側面は、前記長手方向軸と実質的に垂直に配向される、項目69に記載のパイプ要素。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明による、例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図1B】
図1B-1Dおよび1Fは、本発明による、例示的ローラの縦断面図を示す。
【
図1C】
図1B-1Dおよび1Fは、本発明による、例示的ローラの縦断面図を示す。
【
図1D】
図1B-1Dおよび1Fは、本発明による、例示的ローラの縦断面図を示す。
【
図1F】
図1B-1Dおよび1Fは、本発明による、例示的ローラの縦断面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による、別の例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図2A】
図2A-2Cは、本発明による、例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図2B】
図2A-2Cは、本発明による、例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図2C】
図2A-2Cは、本発明による、例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明による、例示的ローラセットの分解等角図を示す。
【
図4】
図4-7は、パイプ要素をロール形成する、使用中の例示的ローラセットを図示する、立面図である。
【
図5】
図4-7は、パイプ要素をロール形成する、使用中の例示的ローラセットを図示する、立面図である。
【
図5A】
図5Aおよび6Aは、拡大縮尺で
図4-7の例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図6】
図4-7は、パイプ要素をロール形成する、使用中の例示的ローラセットを図示する、立面図である。
【
図6A】
図5Aおよび6Aは、拡大縮尺で
図4-7の例示的ローラセットの縦断面図を示す。
【
図7】
図4-7は、パイプ要素をロール形成する、使用中の例示的ローラセットを図示する、立面図である。
【
図8】
図8および
図9は、本発明による、ロール形成された例示的パイプ要素の部分縦断面図を示す。
【
図9】
図8および
図9は、本発明による、ロール形成された例示的パイプ要素の部分縦断面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明による、パイプ要素および結合器の例示的組み合わせの等角図である。
【
図12】
図12および
図13は、本発明による、パイプ要素および結合器の例示的組み合わせの縦断面図である。
【
図13】
図12および
図13は、本発明による、パイプ要素および結合器の例示的組み合わせの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(詳細な説明)
図1は、パイプ要素(図示せず)をロール形成するためのローラセット10を示す。ローラセット10は、パイプ要素の内面と係合可能な内側ローラ12と、パイプ要素の外面と係合可能な外側ローラ14とを備える。以下で説明されるように、パイプ要素の側壁は、種々の形状をパイプ要素の表面および側壁に付与するように協働する、内側および外側ローラ12ならびに14の間で圧縮される。
【0036】
図1の例示的実施形態では、外側ローラ14は、第1の軸18の周囲で回転可能である、ローラ本体16を備える。軸18は、長手方向軸であり、ローラ本体16は、それの周囲で円周方向に延在し、軸18から半径方向に突出する、複数の隆起特徴20、22、および24を有する。第1の隆起特徴20は、その端部の付近でパイプ要素の外面に係合することができるように、ローラ本体16の上に位置し、ローラ本体に沿って長さ方向に延在し、軸18から半径方向に突出する、円錐表面26を備える。円錐表面26は、第2の隆起特徴22に隣接して位置付けられる、小さい方の半径28と、第2の隆起特徴の遠位に位置付けられる、大きい方の半径30とを有する。第1の隆起特徴20は、以下で詳細に説明されるように、ローラ12および14の間で稼働されているパイプ要素の端部の広がりを軽減、制御、または防止するために使用される。
【0037】
図2は、第1の隆起特徴20が、曲面36と、軸18に対して実質的に平行に配向される実質的に平坦な表面38とを備える、ローラ本体16の別の例示的実施形態を示す。曲面36は、軸18から半径方向に突出し、以下で説明されるように、その端部の付近でパイプ要素の外面を研磨するために使用される。
【0038】
再度、
図1を参照すると、第2の隆起特徴22は、突起40として示されている。
図1Aに示されるように、突起40は、ローラ本体16の周囲で円周方向に延在し、第1の隆起特徴20に面し、軸18と実質的に垂直に配向される第1の表面42、第1の表面42と連接し、本実施例では、軸18と実質的に平行に配向される第2の表面44、および第2の表面44と連接し、第3の隆起特徴24に面する、第3の表面によって画定される。本実施例では、第3の表面46は、軸18に対して角度付けて配向される。
【0039】
図2は、第2の隆起特徴22が突起48として示されている、例示的ローラ本体16を示す。突起48は、ローラ本体16の周囲で円周方向に延在し、第1の隆起特徴20に面し、軸18と実質的に垂直に配向される第1の表面50、第1の表面50と連接し、本実施例では、軸18と実質的に平行に配向される第2の表面52、および第2の表面52と連接し、第3の隆起特徴24に面する、第3の表面によって画定される。本実施例では、第3の表面54は、軸18と実質的に垂直に配向される。
図1および2に示される例示的ローラ実施形態では、第2の隆起特徴22は、いずれか一方の形態で、以下で説明されるように、パイプ要素に円周方向溝を形成するために使用される。
【0040】
図1Aおよび2に示されるように、第3の隆起特徴24は、軸18から半径方向に突出し、第1の隆起特徴20(
図2)の曲面36の最大半径59または円錐表面26(
図1A)の大きい方の半径30と実質的に等しくあり得る、最大半径を有する、曲面56を備える。第3の隆起特徴24の曲面56は、パイプ要素が動揺し、それによって、第1および第2の隆起特徴20ならびに22が以下で説明されるようにパイプ要素に係合するときに、追跡安定性を失うことを防止するために使用される。
【0041】
図2および3に示されるように、ある時は、リング60の上に第2の隆起特徴22を位置付けることが有利である。リング60は、外側ローラ本体16を囲繞し、それとは無関係に軸18の周囲で回転可能である。軸受62は、リング60とローラ本体16との間の摩擦を低減させるように、リング60と外側ローラ本体16との間に位置付けられてもよい。リングがローラ本体とは無関係に回転することを可能にすることによって、外側ローラ14とパイプ要素との間の摩擦が低減させられる。ローラ本体とパイプ要素との間の摩擦は、異なる半径を有する隆起特徴がパイプ要素に接触するときに生じる。隆起特徴の表面の線速度は、回転軸(本実施例では軸18)からのその半径に比例する。したがって、外側ローラ14およびパイプ要素の所与の角速度に関して、第1および第3の隆起特徴20ならびに24は、そのより大きい半径により、第2の隆起特徴22より遅い線形表面速度を有するであろう。第2の隆起特徴22が第1および第3の隆起特徴20ならびに24と無関係に回転することを許可されない場合には、摩擦ならびに随伴する熱および振動をもたらすであろう、パイプ要素と第1および第3の隆起特徴との間の(または逆も同様に)滑脱が生じるであろう。これは、望ましくなく、したがって、軸受62とともにリング60を使用することの利点である。
【0042】
図1は、突起40である第2の隆起特徴22、および円錐表面26を備える第1の隆起特徴20を伴う外側ローラ14を図示し、
図2は、リング60上の突起48の形態におけるその第2の隆起特徴22と、研磨用表面38を備える、その第1の隆起特徴20とを有する、外側ローラ14を図示するが、これらの種々の特徴の全ての組み合わせが実行可能であることが理解される。例えば、
図1Bは、その第2の隆起特徴22としての突起48と、その第1の隆起特徴としての円錐表面26とを有する、外側ローラ14を図示し、
図1Cは、その第2の隆起特徴22としての突起40と、その第1の隆起特徴20としての研磨用表面38とを有する、外側ローラ14を図示し、
図1Dは、その第2の隆起特徴22としての突起48と、その第1の隆起特徴20としての研磨用表面38とを有する、外側ローラ14を図示し、
図2Aは、リング60上のその第2の隆起特徴22としての突起40と、その第1の隆起特徴20としての円錐表面26とを有する、外側ローラ14を図示し、
図2Bは、リング60上のその第2の隆起特徴22としての突起48と、その第1の隆起特徴20としての円錐表面26とを有する、外側ローラ14を図示し、
図2Cは、リング60上のその第2の隆起特徴22としての突起40と、その第1の隆起特徴20としての研磨用表面38とを有する、外側ローラ14を図示する。
【0043】
図1、1E、および2は、内側ローラ12を示す。本実施例では、内側ローラ12は、長手方向軸66の周囲で回転可能な内側ローラ本体64を備える。フランジ68は、ローラ本体64の周囲で円周方向に延在し、軸66に対して横断方向に突出する。本体64内の第1のくぼみ70は、その周囲で円周方向に延在し、フランジ68に隣接して(本実施例では、それと連接して)位置付けられる。第2の円周方向に延在するくぼみ72は、第1のくぼみ70に隣接してローラ本体64の中に位置付けられ、第3の円周方向に延在するくぼみ74は、第2のくぼみに隣接してローラ本体64の中に位置付けられる。
図1および2に示されるように、第1、第2、および第3の隆起特徴20、22、ならびに24は、それぞれ、第1、第2、および第3のくぼみ70、72、ならびに74と整合する。ともに、隆起特徴20、22、および24は、以下で説明されるように、パイプ要素をロール形成するように、くぼみ70、72、および74と協働する。
【0044】
図1、1E、および2に示される、くぼみ70、72、ならびに74は、部分的に、第1、第2、および第3のランド76、78、ならびに80によって画定される。第1のランド76は、第1および第2のくぼみ70ならびに72の間に位置付けられ、第2のランド78は、第2および第3のくぼみ72ならびに74の間に位置付けられ、第3のランド80は、第3のくぼみ74に隣接してローラ本体64上に位置付けられる。第1、第2、および第3のランド76、78、ならびに80は、有利なこととして、ロール形成中にパイプ要素に係合する、実質的に平坦な比較的広い表面82を有する。ランド表面82は、内側ローラが以下で説明されるように駆動型ロールであるときに、それと内側ローラ12との間の有意な滑脱を伴わずに、パイプ要素の回転を促進するために、内側ローラ12とパイプ要素との間に滑り止めを提供するように刻み付きであり得る。
図2に示される例示的内側ローラ12では、第1のランド76は、第2および第3のランド78ならびに80に類似するランド表面82を有する。しかしながら、
図1および1Eの例示的内側ローラ12では、第1のランド76は、内側ローラ本体64の周囲で円周方向に延在し、軸66から半径方向に突出する、突起84を備える。突起84は、フランジ68を除いて、内側ローラ12の残りの部分の最大直径より大きい最大直径86を有する。突起84は、円周方向溝を有するパイプ要素をロール形成するように、第2の隆起特徴22と協働し、溝の側面は、以下で説明されるように、パイプ要素の表面を越えて突出する。
図1Aおよび1Eの比較は、突起40上のそれぞれの接触幅40aおよび突起84上の接触幅84aを示す。接触幅40aおよび84aは、ロール形成中に突起40および84がパイプ要素に接触する、直線距離である。これら2つの接触幅40aおよび84aの相対サイズは、以下で説明されるように、パイプの表面を越えた溝側面の係合の高さを制御することが判定されている。
【0045】
内側ローラ12の別の実施形態が、
図1Fに示されている。本実施形態では、内側ローラ12は、フランジ68を有する本体64と、ランド76によって相互から分離される第1および第2のくぼみ70ならびに72とを備える。
【0046】
ローラセット10の動作が、
図4-7に図示されている。
図4に示されるように、内側ローラ12は、駆動型ローラ(例えば、示されていない電気モータによって回転させられる)であり、外側ローラ14は、アイドラである。外側ローラ14は、外側ローラが内側ローラ12に向かって、かつそこから離れて移動させられることを可能にする、調節可能ヨーク90の上に位置付けられる。ヨーク90は、有利なこととして、油圧アクチュエータ(図示せず)によって移動可能であるが、他のタイプのアクチュエータも実行可能である。外側ローラ14が内側ローラ12から離されると、パイプ要素94の内面92は、内側ローラ12の上に位置付けられる。パイプ要素94の長手方向軸96が、最初に内側ローラ12の回転軸66に対して角度付けて配向されることが有利である。パイプ要素94の長手方向軸96と内側ローラ12との間の配向角98が維持される場合に、ローラが回転するにつれて、ローラ12および14の間で挟持されるパイプ要素94が、フランジ68に向かって引き寄せられるであろうことが分かっているため、約1°~約3°の相対配向角98が、ローラセットと確実に接触しているパイプ要素94を保つために効果的である。溝の形成は、機械的係合によって、ロール形成中にローラセット10と係合しているパイプ要素94を保定する。しかしながら、溝が形成し始める前に、軸66に対するパイプ要素94の軸96の角度98が逆転することを許可される場合には、パイプ要素は、強制的に拘束されなければローラセットとの係合から外れるであろう。
【0047】
図5に示されるように、外側ローラ14の軸18および内側ローラ12の軸66が相互に実質的に平行であると、外側ローラ14は、パイプ要素94の外面100と接触するように移動させられる。
図5Aに詳細に示されるように、以下のようなローラセット10とパイプ要素94との間の3つの初期接触点、すなわち、第2の隆起特徴22と外面100との間の点102、パイプ要素内面92と内側ローラ12の突起84との間の点104、およびパイプ要素内面92と内側ローラ12の第3のランド80との間の点106がある。
図6に示されるように、外側ローラ14は、ロールセット10およびパイプ要素94がパイプ要素をロール形成するように回転するにつれて、ヨーク90を介して内側ローラ12に向かって移動させられる。回転は、軸66の周囲で内側ローラ12を駆動することによって達成され、これは、本実施例では、それぞれ、パイプ要素94および外側ローラ14を軸96および18の周囲で回転させる。
図6Aに示されるように、パイプ要素94が第2の隆起特徴22との接触により変形すると、第1の隆起特徴20は、例えば、端部が広がることを防止するように(図示)、または
図2の外側ローラ14が使用された場合に生じるように表面の一部を研磨するように、その端部もしくはその付近でパイプ要素94に係合し始める。第1の隆起特徴20とパイプ要素94の端部との間の強制的接触は、パイプ要素を内側ローラ12上の突起84の周囲で動揺させ、(内面92と第3のランド80との間の)接触点106から持ち上げさせ得る。本動揺作用は、パイプ要素の長手方向軸96と内側ローラ12の軸66との間の配向角98を逆転し(
図6参照)、パイプ要素をローラセット10との接触から外れさせ得る。比較的短いパイプ要素(5~6フィートまたはそれ未満)は、本現象に特に陥りやすい。しかしながら、第3の隆起特徴24とパイプ要素94の外面100との間の接触は、パイプ要素が動揺する本傾向に対抗し、パイプ要素94がフランジ68に向かって進み、ローラセットと接触したままであるように、配向角98が逆転することを防止する。第3の隆起特徴24とパイプ要素94の外面100との間の接触は、第1に、溝が約50%~70%形成されるときに生じ得る。
図7は、第1、第2、および第3の隆起特徴20、22、ならびに24が、第1、第2、および第3のくぼみ70、72、ならびに74と整合させられ、隆起特徴およびくぼみが、パイプ要素94をロール形成するように相互と協働する、円周方向溝108の形成を示す。第3の隆起特徴24はまた、パイプ要素94の外面100にツーリングマーク109も形成する。ツーリングマーク109は、パイプ要素の周囲で円周方向に延在し、型番および/または製品の供給源を識別する、比較的浅いくぼみならびに/もしくはエンボス加工された印を備えてもよい。ツーリングマークはまた、結合器に対するパイプ要素の適切な設置のための形跡または誘導を提供してもよい。
【0048】
種々の隆起特徴20、22、24とパイプ要素94の外面100との間の接触のタイミングは、主に、第1および第3の隆起特徴20ならびに24の相対直径を含む、外側ローラ14の幾何学形状によって制御される。特定のサイズのパイプ要素94のための外側ローラの幾何学形状は、例えば、第1の隆起特徴20が第3の隆起特徴24の前にパイプ要素に接触する、または第3の隆起特徴が第1の隆起特徴の前にパイプ要素に接触する、もしくは第1および第3の隆起特徴が両方とも実質的に同時にパイプ要素に接触することを確実にするように配列されてもよい。
図1および2の比較で示されるように、外側ローラ14の幾何学形状はまた、第1の隆起特徴20が、実質的にその端部において(
図1)、または端部と離間関係にあるパイプ要素の領域にわたって(
図2)、パイプ要素に接触するように、調整されてもよい。
図1に示される外側ローラ14の隆起特徴20の幾何学形状は、パイプ要素94の広がりを防止または軽減するために有用であり、また、パイプ要素の端部まで円錐先細をロール形成するために使用されることもできる。
図2に示される外側ローラ14の隆起特徴20の幾何学形状は、以下で説明されるようなガスケットを用いた液密シールを促進する、平滑表面を提供するように、パイプ要素94の外面100の一部を研磨するために有用である。本発明によるローラセットを使用して、(ASME Y14.36Mに従って測定されるような)約250μin~約0.1μinの粗度(Ra)を伴う表面仕上げが達成されるであろうことと、表面粗度の本範囲が、パイプ要素とガスケットとの間に液密シールが得られる界面を提供するであろうこととが予期される。
【0049】
図8および9は、本発明によるローラセット10を使用してロール形成される、例示的パイプ要素を示す。
図8に示されるように、パイプ要素94は、端部110を有し、外面100と内面92との間に側壁112を備える。円周方向溝108は、外面100内に位置付けられ、端部110に近接する第1の側面114と、第1の側面114と連接する床面116と、床面116と連接し、第1の側面114と離間関係である第2の側面118とを備える。本例示的パイプ要素では、床面116は、軸96と実質的に平行に配向され、第2の側面118は、それに対して角度付けて配向される。第1の側面114は、その全体においてパイプ要素94の外面100を越えて半径方向外向きに突出する。第1の側面114の本構成は、ロール形成中に内側ローラ12上の突起84と外側ローラ14上の第2の隆起特徴22との間の相互作用によって達成される。第1の側面114の構成は、内側ローラ12上の突起84とパイプ要素94の内面92との間の接触幅84a(
図1E参照)および外側ローラ14上の突起40とパイプ要素の外面100との間の接触幅40a(
図1A参照)の相対サイズによる影響を有意に受けることが判定されている。具体的には、内側ローラ12上の突起84の接触幅84aを、外側ローラ14上の突起40の接触幅40aより狭くすることは、所望に応じて、その全体においてパイプ要素94の外面100を越えて半径方向外向きに突出するように、側面114を形成することが分かっている。突出側面114は、
図8に示されるように、突出側面114を有するパイプ要素を継合するために機械的結合器が使用されるときに、圧力能力ならびに屈曲剛性および強度に対するパイプ要素の性能を有意に向上させる。試験は、破損までの最大圧力の3倍の向上を示しており、有意な向上が屈曲能力にも予期される。効果は、例えば、最大約0.079インチ(2mm)までの薄い側壁112を有する、パイプ要素について明白である。性能の類似向上はまた、1/2~3/4インチと同じくらいの大きさの側壁厚さを有する、パイプ要素にも予期される。
図8は、
図1に示される外側ローラ14を使用して形成された円錐形先細端110を有する、パイプ要素94を示す。パイプ端110を先細にすることの利点としては、広がりが排除され、パイプ要素の外径が、公称製造公差よりはるかに小さい公差まで制御可能である。先細端は、組立中に導入部としての機能を果たし、結合区画を分離するように分離力を及ぼすことによって、挿入を助長する。
【0050】
図9は、端部110を有し、外面100と内面92との間の側壁112を備える、パイプ要素94を示す。円周方向溝108は、外面100内に位置付けられ、端部110に近接する第1の側面114と、第1の側面114と連接する床面116と、床面116と連接し、第1の側面114と離間関係である第2の側面118とを備える。本例示的パイプ要素では、第1および第2の側面114ならびに118は、軸96と実質的に垂直に配向され、床面116は、実質的にそれと平行に配向される。
図9はまた、溝108とパイプ要素の端部110との間に位置付けられた研磨された表面120を有する、パイプ要素94も示す。本例示的パイプ要素では、研磨された表面120は、軸96と実質的に平行に配向され、パイプ要素94の端部110から離れて離間関係で位置付けられる。パイプ要素上に研磨された表面領域を含むことの利点は、密閉表面、すなわち、シールを受け入れる平滑表面を提供することである。これは、パイプ要素が以下で説明されるように機械的結合器によって継合されるときに、液密継合部が作成されることを確実にする。研磨された表面120の直径121を制御することが有利である。一実施例では、直径121についての公差は、溝床面116の直径119についての公差と実質的に等しくあり得る。別の実施例では、研磨された表面120の直径121についての公差は、パイプ要素直径123についての公差の約20%~約50%であってもよく、実際の公差は、パイプ要素のサイズの関数として変動する。
【0051】
図10および11は、機械的結合器122を介して端間継合されたパイプ要素94を組み合わせて図示する。結合器122は、複数の区画124、本実施例では、端同士を取り付けられ、中心空間126を囲繞する、2つの区画を備える。本実施例では突起130を備える、接続部材128は、各区画124の両端上に位置付けられる。接続部材は、区画の間で接続を達成し、区画を相互に向かって引き寄せるように調節可能に緊締可能である。本実施例では、調節可能な緊締は、各突起130内の整合した孔136内に受け取られるボルト132およびナット134によって達成される。
【0052】
図12に示されるように、各区画124はさらに、少なくとも1つのキー138を備える。キー138は、中心空間126に向かって突出し、各キーは、パイプ要素94内の溝108に係合する。
図12は、端間関係で継合された結合器122およびパイプ要素94の例示的組み合わせを示し、キー138はそれぞれ、溝108の第1の側面114と係合させられる第1のキー表面140と、第1のキー表面と連接し、溝108の床面116に面する第2のキー表面142と、第2のキー表面と連接し、溝108の第2の側面118と係合させられる第3のキー表面144とを備える。
図12の例示的組み合わせでは、キー表面140、142、および144は、それらが係合する、対応する表面114、116、および118と同一の配向を有する。したがって、第1のキー表面140および第1の側面114は、パイプ要素94の長手方向軸96に対して実質的に垂直に配向され、第2のキー表面142および床面116は、軸96と実質的に平行であり、第3のキー表面144および第2の側面118は、軸96に対して角度付けて配向される。
図12はまた、
図1に示されるローラセット10によって形成されるように、第1の側面114が、その全体においてパイプ要素94の外面100を越えて半径方向外向きに突出する、例示的組み合わせの実施形態も示す。これは、溝108の半径方向に突出する第1の側面114により、圧力および曲げモーメント負荷のための高性能継合部である。
図12はまた、広がりが排除され、端部におけるパイプ要素直径が、パイプ要素の製造中に提供されるよりも高い公差まで制御可能である、パイプ要素94の円錐形先細端部110も示す。
【0053】
図13に示される例示的組み合わせでは、各区画124は、再度、少なくとも1つのキー146を備える。キー146は、中心空間126に向かって突出し、各キーは、パイプ要素94内の溝108に係合する。
図13は、キー146がそれぞれ、溝108の第1の側面114と係合させられる第1のキー表面148と、第1のキー表面と連接し、溝108の床面116に面する、第2のキー表面150と、第2のキー表面と連接し、溝108の第2の側面118に面する、第3のキー表面152とを備える、端間関係で継合された結合器122およびパイプ要素94の例示的組み合わせを示す。
図13の例示的組み合わせでは、キー表面148、150、および152は、それらが係合または面する、対応する表面114、116、および118と同一の配向を有する。したがって、第1のキー表面148および第1の側面114は、パイプ要素94の長手方向軸96に対して実質的に垂直に配向され、第2のキー表面150および床面116は、軸96と実質的に平行であり、第3のキー表面152および第2の側面118もまた、軸96に対して実質的に垂直に配向される。
図13はまた、溝108とパイプ要素94の端部110との間に位置付けられた研磨された表面120も示す。本例示的パイプ要素では、研磨された表面120は、軸96と実質的に平行に配向され、パイプ要素94の端部110から離れて離間関係で位置付けられる。パイプ要素上に研磨された表面領域を含むことの利点は、区画124とパイプ要素94との間に捕捉されるガスケット154の密閉表面(
図11も参照)を受け入れるように平滑表面を提供することである。これは、ガスケット154を圧縮し、キー138をパイプ要素94内の溝108と係合させるように、区画124がボルト132によって相互に向かって引き寄せられるときに、液密継合部が作成されることを確実にする(
図10参照)。本発明による結合器およびパイプ要素の例示的組み合わせは、
図12および13に示される特徴の任意の組み合わせを有し得ることが理解される。
【外国語明細書】