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特開2022-46828ホログラム用照明装置及びホログラム表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046828
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】ホログラム用照明装置及びホログラム表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03H 1/22 20060101AFI20220316BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20220316BHJP
   G09F 19/12 20060101ALI20220316BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220316BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20220316BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20220316BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220316BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220316BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220316BHJP
【FI】
G03H1/22
G03B35/18
G09F19/12 L
F21S2/00 438
F21Y101:00 300
F21Y103:00
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018225270
(22)【出願日】2018-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】514142304
【氏名又は名称】株式会社エガリム
(71)【出願人】
【識別番号】391007851
【氏名又は名称】岡本硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎
(72)【発明者】
【氏名】堀米 秀嘉
(72)【発明者】
【氏名】加瀬澤 寿宏
(72)【発明者】
【氏名】田淵 泰志
(72)【発明者】
【氏名】奈良 俊孝
【テーマコード(参考)】
2H059
2K008
3K244
【Fターム(参考)】
2H059AC04
2K008AA10
2K008AA16
2K008CC01
2K008CC03
2K008FF17
2K008HH01
2K008HH23
3K244AA04
3K244BA11
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244DA05
3K244DA22
3K244EA02
3K244EA15
3K244EB10
3K244ED24
3K244FA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来よりも有効面積を広くする導光板の側面から発散光を入射させるホログラム用照明装置及びホログラム表示装置。
【解決手段】光源12と、光源12からの光を伝搬する導光板14と、導光板14を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、光源からの光を平面視で発散光として導光板14の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、平面視において、導光板14は、全体として略多角形の形状を有し、発散光の中心軸が、導光板の略多角形の形状の辺と斜めになるように配置される立体像を記録した、像再生用ホログラム16に対して照明光を照射するホログラム用照明装置11。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光を伝搬する導光板と、
前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、
前記光源からの光を平面視で発散光として前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、
平面視において、前記導光板は、全体として略多角形の形状を有し、前記発散光の中心軸が、前記導光板の略多角形の形状の辺と斜めになるように配置されることを特徴とするホログラム用照明装置。
【請求項2】
平面視において、前記発散光の発散角をθとしたときに、前記導光板の辺の略多角形の形状の一つに対する前記発散光の中心軸の角度がθ/2±10%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム用照明装置。
【請求項3】
前記入射面は平面視で凹状に成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のホログラム用照明装置。
【請求項4】
立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光を伝搬する導光板と、
前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、
前記光源からの光を平面視で発散光として前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、
前記導光板の側面の前記入射面は平面視で凹状に成形されていることを特徴とするホログラム用照明装置。
【請求項5】
前記入射面は、前記光学系の焦点を中心とした円の曲率の凹曲面を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のホログラム用照明装置。
【請求項6】
複数の前記光学系を備え、前記導光板は、各光学系に対応した複数の前記入射面を有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のホログラム用照明装置。
【請求項7】
前記光学系は、複数の方向からの光を複数の発散光として、前記入射面を介して前記導光板に入射させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のホログラム用照明装置。
【請求項8】
平面視において、前記導光板は略長方形又は略正方形であり、前記入射面は、前記略長方形又は略正方形の頂点の位置に形成された切り欠きの側面であり、前記発散光の発散角は略90°であり、前記発散光の中心軸が、前記略長方形又は略正方形の辺に対して約45°の角度となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のホログラム用照明装置。
【請求項9】
立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光を伝搬する導光板と、
前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、
前記光源からの光を前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、
前記光学系は、前記導光板の側面に接して設けられた光を拡散させる手段を含むことを特徴とするホログラム用照明装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のホログラム用照明装置に、前記照明光によって立体像を再生する像再生用ホログラムが取り付けられたことを特徴とするホログラム表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉縞が記録されたホログラムを再生するためのホログラム用照明装置、ホログラム表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空間に立体像を映し出すホログラムが多くの場面で利用されている。例えば、企業のロゴ、商品説明、販売促進用の広告、美術作品を、ホログラムによって立体的に表示することは、観察者の興味を引く点で効果的である。
【0003】
一般に、ホログラムは、感光材料に物体光と参照光とを照射することによって形成される。物体光と参照光とが干渉すると、感光材料のホログラム記録層内に光反応が生じ、干渉縞としてホログラムが定着する。そして、記録時の参照光に相当する光(再生照明光)をホログラムに照射すると、回折が生じて、記録時の物体光に相当する光(再生光)が生じる。これにより、観察者はホログラムに記録された立体像を観察することができる。記録時の参照光としては、一般に可干渉性を有するレーザー光が用いられるので、再生時に用いる再生照明光についても、記録時の参照光と同一の波長及び同一の入射角が求められるなど、厳密な照射条件を伴う。
【0004】
特許文献1には、所定の角度の再生照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子(Holographic Optical Elements:HOE)を利用したホログラム用照明装置1が開示されている。図6(A)及び(B)は、特許文献1の実施例として示されたホログラム用照明装置1の幅方向(Y方向)から観た側面図及び厚さ方向(Z方向)から観た上面図である。また、ホログラム用照明装置1に像再生用ホログラム記録媒体6を取り付けることにより、像再生用ホログラム記録媒体6に記録された像を表示するホログラム表示装置となる。図6(A)及び(B)のホログラム用照明装置1は、光源2と、光源2からの光3を伝搬する導光板4と、導光板4の下面に、導光板4内を伝搬する光3の少なくとも一部を受けて、再生照明光32を所定の角度で照射する照明用HOE5とを備えており、像再生用ホログラム記録媒体6が照明用HOE5の下面に隣接して配置されている。図6においては、光源2に3個のLEDを用い、導光板4にガラス板を用いており、LED2が配置されるガラス板4の端部にはガラス板の法線に対して22°の傾斜を形成し、LED2とガラス板4の端部との間には、リニアフレネルレンズ7が配置されている。LED2から発した光3(図中、細い実線で示す)は、リニアフレネルレンズ7を介して厚さ方向について略平行光に変換され、紙面の斜め下向きに入射する。導光板4の側面から導光板4内に入射した光3は、導光板4の上面及び下面で反射しつつ導光板内を伝搬するが、導光板4の下面に入射した光3の少なくとも一部は、照明用HOE5と干渉することによって再生照明光を再生する。再生した再生照明光は像再生用ホログラム記録媒体6に照射され、像再生用ホログラム記録媒体6から再生光が生成され、像再生用ホログラム記録媒体6に記録された立体像が表示される。立体像の見かけ上の位置は、像再生用ホログラムの記録時における被写体の位置に対応し、見かけ上、ホログラム用照明装置1の前側に立体像が表示されたり、後側に立体像が表示されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-230410号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のホログラム用照明装置は、図6(A)に示すように、リニアフレネルレンズ7によって光源からの光に対し、導光板4の厚さ方向について略平行光に変換されるが、図6(B)に示すように、導光板4の平面方向については発散光のままであった。図6(C)に示すように、発散光を導光板の側面に対し、垂直に入射させると、発散光が徐々に拡がっていくため、入射部近傍では狭く、周辺に光が届かない領域が生じる。さらに、導光板の屈折率によって、通常は入射する発散光が屈折して入射するため、発散角が小さくなり、光が届かない領域が広くなってしまう。媒質Aから媒質Bに入射する光の屈折は、n1sinα=n2sinβ(n1:媒質Aの屈折率、α:入射角、n2:媒質Bの屈折率、β:屈折角)の関係であるから、例えば、空気中から屈折率が1.5の導光板に入射する場合は、図6(C)のように発散角が90°の発散光を導光板の側面に垂直に照射すると、導光板への入射角αは45°となり、導光板内への屈折角βは約28°となるので、点線3”で示すように発散角は約56°となり、鎖線3’で示す45°の発散光の軌跡に比べると光の届く領域が狭くなる。なお図6(C)の一点鎖線は、導光板の側面に対する法線である。
【0007】
図7(A)は、導光板の側面から垂直に発散光を入射させた場合の模式図であり、(B)は、そのインコヒーレント放射照度のシミュレーション結果である。図7(B)は、図7(A)の配置において、最大幅約9.2mmの光(半値全幅約7.2mm)を直径約12mmのロッドレンズ(屈折率1.517)に入射させ、発散角約78.2°の発散光を生成し、100mm×100mm×10mmの正方形状の導光板(屈折率1.517)に対し、平面視において発散光の中心軸が導光板の側面に対して垂直になるように入射させた場合のシミュレーションであり、導光板内に入射した光の発散角は約49.4°となった。このように、発散光の発散角が小さくなり、導光板の一部分だけにしか光が到達しておらず、光の有効利用面積が狭く、その結果、再生される照明光の面積も狭くなるいという問題があった。
【0008】
本発明は、前述した問題に鑑みてなされてものであって、導光板の側面から発散光を入射させるホログラム用照明装置及びホログラム表示装置において、従来よりも有効面積を広くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のホログラム用照明装置は、立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、光源と、前記光源からの光を伝搬する導光板と、前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、前記光源からの光を平面視で発散光として前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、平面視において、前記導光板は、全体として略多角形の形状を有し、前記発散光の中心軸が、前記導光板の略多角形の形状の辺と斜めになるように配置されることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記ホログラム用照明装置において、平面視において、前記発散光の発散角をθとしたときに、前記導光板の辺の略多角形の形状の一つに対する前記発散光の中心軸の角度がθ/2±10%の範囲内であることが好ましく、前記入射面は平面視で凹状に成形されていることがより好ましい。
【0011】
また、他の本発明のホログラム用照明装置は、立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、光源と、前記光源からの光を伝搬する導光板と、前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、前記光源からの光を平面視で発散光として前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、前記導光板の側面の前記入射面は平面視で凹状に成形されていることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記ホログラム用照明装置において、前記入射面は、前記光学系の焦点を中心とした円の曲率の凹曲面を含むことが好ましい。
【0013】
さらに、上記ホログラム用照明装置において、複数の前記光学系を備え、前記導光板は、各光学系に対応した複数の前記入射面を有していてもよいし、前記光学系は、複数の方向からの光を複数の発散光として、前記入射面を介して前記導光板に入射させてもよい。
【0014】
さらに、上記ホログラム用照明装置において、平面視において、前記導光板は略長方形又は略正方形であり、前記入射面は、前記略長方形又は略正方形の頂点の位置に形成された切り欠きの側面であり、前記発散光の発散角は略90°であり、前記発散光の中心軸が、前記略長方形又は略正方形の辺に対して約45°の角度となるように配置されていてもよい。
【0015】
また、他の本発明のホログラム用照明装置は、立体像を記録した像再生用ホログラムに対して照明光を照射するホログラム用照明装置であって、光源と、前記光源からの光を伝搬する導光板と、前記導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子と、前記光源からの光を前記導光板の側面の入射面に入射させる光学系と、を備え、前記光学系は、前記導光板の側面に接して設けられた光を拡散させる手段を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のホログラム表示装置は、上記いずれかのホログラム用照明装置に、前記照明光によって立体像を再生する像再生用ホログラムが取り付けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、全体として略多角形の形状を有する導光板に対して、発散光の中心軸が、前記導光板の略多角形の形状の辺と斜めになるように配置されているため、発散光の拡がりを略多角形状の導光板の形状に対応させることが可能となり、導光板内に入射する発散光の有効面積を広くすることが可能となる。また、入射面は平面視で凹状に成形されていることにより、発散光の屈折を小さくすることができ、より有効面積を広くすることが可能となる。特に、入射面が、光学系の焦点を中心とした円の曲率の凹曲面を含む場合には、発散光の各光線が入射面に対し垂直に入射するので、屈折が起こらず、発散角を維持したまま発散光を導光板内に入射させることができる。その他の効果については実施の形態の中で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のホログラム用照明装置の概略構成図
図2】(A)は本発明のホログラム用照明装置における入射構造の模式図であり、(B)はそのインコヒーレント放射照度のシミュレーション結果
図3】ホログラム用照明装置の変形例
図4】ホログラム用照明装置の変形例
図5】本発明のホログラム用照明装置の他の実施形態
図6】従来のホログラム用照明装置の概略構成図
図7】(A)は従来のホログラム用照明装置における入射構造の模式図であり、(B)はそのインコヒーレント放射照度のシミュレーション結果
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のホログラム用照明装置は、ホログラムに記録された立体像を表示するための再生参照光を照射する手段として、略平行光を所定の角度で照射するように構成された従来のフレネルレンズ、コリメータレンズなどの光学素子に代えて、導光板を介して伝搬する光の少なくとも一部を所定の角度で出射するように構成されたホログラフィック光学素子(Holographic Optical Elements:HOE)を採用したものである。
【0020】
以下、かかるホログラフィック光学素子を「照明用ホログラフィック光学素子(照明用HOE)」といい、照明用HOEに記録された再生照明光を生成するためのホログラムを「照明用ホログラム」という。また、表示対象である立体像を再生するためのホログラムを「像再生用ホログラム」といい、像再生用ホログラムが記録又は形成された媒体を「像再生用ホログラム記録媒体」という。
【0021】
本発明のホログラム用照明装置は、薄型の平板状であって、軽量であり、持ち運び可能に構成される(以下、図1又は図2参照)。ホログラム用照明装置1の寸法について、横(X方向)、縦(Y方向)及び高さ(Z方向)で表した場合、「平面視」とはZ方向からXY平面を見た状態であり、「断面視」とはXY平面に対し垂直な断面を横方向から見た状態である。さらに、XY平面における光の進む方向を「方位」と呼ぶ。また、ホログラム用照明装置の平面を基準にして、観察者の位置する側を「前側」といい、観察者とは反対側を「後側」という。
【0022】
図1(A)は、本発明のホログラム用照明装置11の一実施態様の平面図であり、図1(B)は、本発明の導光板14の平面図である。ホログラム用照明装置11は、光源12と、光源からの光を伝搬する導光板14と、導光板14の前側又は後側に隣接して配置された導光板を伝搬する光の少なくとも一部を受けて照明光を再生する照明用ホログラフィック光学素子15(点線で示す)と、光源から出射した光13を平面視で発散光18として導光板14の側面の入射面17に入射させる光学系16と、を備えている。そして、本発明においては、平面視において、導光板14は、全体として略多角形の形状を有し、発散光18の中心軸Cが、導光板14の略多角形の形状の辺Sと斜めになるように配置されることが好ましい。また、本発明においては、導光板14の側面の入射面17は平面視で凹状に成形されていることが好ましい。図1においては、図1(B)に示すように、導光板14は、平面視において、略正方形状を有し、略正方形状の辺S1と辺S2とで構成される頂点V2の位置に凹状の入射面17が形成され、略正方形状の辺S1と辺S2と発散光の中心軸Cが45°になるように、つまり、中心軸Cが略正方形状の導光板の対角線に沿うように、光源12、光学系16及び導光板14が配置されている。
【0023】
光源12は、照明用HOE15の記録時に用いた参照光と同一の波長を含む光を出射可能な光源であり、LED、キセノンランプ、半導体レーザー、有機EL素子、液晶バックライト用の超小型蛍光管などを採用することができる。光源12から出射した光13が、レーザー等の指向性が高く幅が細い光の場合は、光学系16の前に、図示していないが、少なくとも平面視において、光の幅を広げたり、平行光に成形したり、ビーム形状を整えたりして所定の幅に成形する光学系(例えば、ビームエキスパンダー、コリメーター、アパーチャー等)を設けることが好ましい。また、図示していないが、断面視においても光源12からの光(光学系16を通過した光を含む)を成形する光学系、例えば断面視で平行光とするリニアフレネルレンズや、断面視で光の向きを斜め下方向又は斜め上方向に偏向するプリズムなどを備えていてもよい。
【0024】
導光板14は、光源12からの光を伝搬する手段であり、ガラス、樹脂等の透光性材料の平板を採用することができる。導光板14は、平面視において、全体として略多角形の形状を有することが好ましい。略多角形の形状としては、正方形、長方形、平行四辺形、菱形、台形、等の四角形だけではなく、三角形、五角形、六角形などでもよい。多角形の辺又は頂点の一部に切り欠きが形成されていてもよく、切り欠き部分を入射面17として利用してもよい。図1(B)に点線で示すように、右下の頂点V2は凹状の入射面17を形成するために四分円状に欠けているが、導光板14は略正方形状を有している。導光板4の前側表面及び後側表面は平らであることが好ましい。これにより、周囲の外光が導光板4の前側表面及び後側表面で乱反射することがないので、観察者が立体像を観察する際の妨げになるおそれが少なくなる。また、導光板4内部を伝搬する光についても、前側表面及び後側表面で乱反射することがないので、伝搬効率を向上させることができる。導光板14内に入射した光18のうち、臨界角θc以上で導光板14の前側表面又は後側表面に入射する光は、全反射により内側に反射され、導光板内を伝搬することができる。
【0025】
光学系16は、光源12から出射した光13を平面視で発散光18として導光板14の側面の入射面17に入射させる。発散光生成用の光学系16としては、平行光を焦点でいったん収束させた後に発散させるロッドレンズ、シリンドリカル凸レンズ、シリンドリカル凹面鏡等でもよいし、平行光を発散させるシリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸面鏡等でもよい。発散光18は、点光源からの発散する光線束のように波面が拡がる光であり、光学系16の焦点の位置に配置した点光源から発散する光とみなすことができる。点光源からの発散光の広がり角が発散光の発散角であり、発散角は、光学系16に入射する光の最大幅を基準として屈折率から算出可能である。ロッドレンズは、光学系16として、円柱という簡易な構造であるために製造が容易である上に、入射面側と出射面側の両側で光を屈折させることができ、短い距離で発散角の大きい発散光を成形することができ好ましい。また、発散光生成用の光学系16は、断面視においても光を成形するようにしてもよい。図1では、光学系16として、頂点V2の位置に焦点が位置するように、ロッドレンズを配置し、約90度の発散角の発散光を生成した。
【0026】
入射面17は、光学系16で形成された発散光18が入射される導光板14の側面である。入射面17は、発散光が導光板14内に入射する際の屈折を小さくするために、平面視で凹状を有していることが好ましい。また、入射面17自体が光学素子として、平面視又は断面視で導光板に入射する発散光をさらに成形してもよい。入射面17によって平面視で光を成形するには、入射面17の凹状の曲率を大きくすれば、導光板内に入射した発散光の発散角を大きくすることができ、曲率を小さくすれば、導光板内に入射した発散光の発散角を小さくすることができる。入射面17によって断面視で光を成形するには、入射面17をZ軸に対して傾斜させたり、断面視で入射面17を凹状にして導光板内に入射した平面視発散光を断面視でも発散光としてもよい。平面視凹状の入射面17として、光学系16の焦点の位置を中心とした円の曲率の凹曲面とすると、発散光が入射面に対してほぼ垂直に入射するため、屈折がほぼ起こらず、発散角を維持したまま発散光を導光板内に入射させることができる。図1においては、入射面17は、頂点V2の位置において、頂点V2を中心とする円の四分円状に切り欠いて形成されており、頂点V2を中心とする円の曲率を有する凹曲面を有している。図1では、光源12からの光は、光学系16の焦点である頂点V2で発散角90°の発散光に成形され、発散光の中心軸Cが、略正方形の導光板14の各辺と45°の角度となるように方位が設定され、発散光の各光線が入射面に対し垂直に入射し、発散角90°を維持したまま、発散光の側縁の光線(最も外側の光線)が略正方形のX方向及びY方向と平行になるように拡がり、有効照射面積を増やすことができる。
【0027】
照明用HOE15は、感光材料に偏向機能を有する照明用ホログラムが形成された一種の光学素子であり、導光板14の前側又は後側表面に接して配置される。照明用HOE15は、導光板14の内部を伝搬する光のうち、導光板14の前側又は後側表面から照明用HOE15へと所定の範囲の入射角で入射光が入射すると、照明用ホログラムから所定の出射角の平行光である照明光が再生される。照明用HOE15の照明用ホログラムは、物体光と参照光との干渉によって形成された干渉縞を記録したものであり、透過型でも反射型でもよく、参照光と同じ方位から、同じ入射角で、同じ波長の光が照射されると、物体光と同じ方位に、同じ角度で、同じ波長の光を再生し、射出する。このため、物体光としては、照射光と同じ方位に、同じ角度で進むように、照明用HOE15に照射し、参照光としては、導光板14から照明用HOE15に入射する発散光を照射する。照明用HOE15の再生可能な入射角の範囲は、適宜設定することができる。例えば、入射角は、導光板14の内部における角度で、0°~90°の範囲に設定してもよい。また、入射角、入射方位を広くする(角度選択性を弱める)には、照明用HOE15の記録媒体の厚みを薄くすることで実現される。照明用HOE15のホログラム記録媒体の厚みは1~500μm程度が用いられるが、角度選択性を弱める場合には、2~20μmの厚みとすることが好ましい。
【0028】
照明用HOE15からの照明光は、照明用HOE15の記録時に用いられた物体光に対応し、照明光の出射角は、物体光の角度に対応する。照明光の出射角は、像再生用ホログラム記録媒体(のホログラム)と干渉するように設定する必要がある。すなわち、像再生用ホログラム記録媒体が、当該記録媒体に対して所定の方向から45°の入射角で照射された参照光によって作製されたものである場合、再生照明光の出射角は、照明用HOE15と像再生用ホログラム記録媒体とが平行に配置されている限り、45°に設定することとなる。また、ホログラム用照明装置11において、記録方法の異なる複数の像再生用ホログラム記録媒体や複数の波長に対応したホログラム記録媒体を使用する場合もあるので、再生照明光の出射角は、一定の連続した範囲(例えば、40°~50°)を含むように設定されてもよいし、不連続で複数の角度を持った出射角を含むように設定されてもよい。照明用HOE15には、同一領域内に複数種類の照明用ホログラムを多重記録し、異なる方位、入射角又は波長の光によって、再生照明光を再生させるように構成することができる。この場合は、光源からの光を有効利用することができる。また、照明用HOE15には、同一領域内に複数種類の照明用ホログラムを多重記録し、異なる方位、入射角又は波長の光に対応して、異なる方位、出射角又は波長の再生照明光を再生可能に構成することもできる。この場合は、像再生用ホログラム記録媒体にも異なる像を多重記録しておくことで、異なる像を再生することが可能となる。
【0029】
図1には図示していないが、照明用HOE15から再生した照明光が照射されるように、導光板14の前側又は後側に像再生用ホログラムが記録された像再生用ホログラム記録媒体が配置される。例えば、透過型の照明用HOE15を導光板14の前側に配置した場合は、導光板14及び照明用HOE15の前側に透過型の像再生用ホログラムが配置され、導光板を伝搬した光によって照明用HOE15から前側に再生した照明光によって像再生用ホログラムから立体像を前側に再生させる。また、透過型の照明用HOE15を導光板14の後側に配置した場合は、導光板14及び照明用HOE15の後側に反射型の像再生用ホログラムが配置され、導光板を伝搬した光によって照明用HOE15から後側に再生した照明光によって像再生用ホログラムから立体像を前側に再生させる。立体像を表示する光は、照明用HOE15及び導光板14を通過して前側において立体像が観察できる。また、反射型の照明用HOE15を導光板14の前側に配置した場合は、導光板14の後側に反射型の像再生用ホログラムが配置され、導光板を伝搬した光によって照明用HOE15から後側に再生した照明光が導光板を介して像再生用ホログラムに照射され、像再生用ホログラムから立体像を前側に再生させる。立体像を表示する光は、導光板14及び照明用HOE15を通過して前側において立体像が観察できる。また、反射型の照明用HOE15を導光板14の後側に配置した場合は、導光板14の前側に透過型の像再生用ホログラムが配置され、導光板を伝搬した光によって照明用HOE15から前側に再生した照明光が導光板を介して像再生用ホログラムに照射され、像再生用ホログラムから立体像を前側に再生させる。ここで、照明光の進む方向と、像再生用ホログラムから再生する立体像を表示する光の進む方向とは角度をつけることが好ましい。
【0030】
図2(A)は、図1のホログラム用照明装置における入射構造の模式図であり、(B)は、そのインコヒーレント放射照度のシミュレーション結果である。図2では、100mm×100mm×10mmの正方形状の導光板(屈折率1.517)に、導光板の頂点の位置を中心とした曲率半径20mmの凹曲面の入射面を形成し、直径約12mmのロッドレンズ(屈折率1.517)からの発散光の中心軸が対角線上に位置するように光軸を配置し、焦点が入射面の曲率半径20mmの中心に位置するようにロッドレンズを配置した。図2(B)は、図2(A)の配置において、最大幅約9.2mmのビーム幅の光(半値全幅約7.2mm)をロッドレンズに入射させ、発散角約78.2°の発散光を生成し、導光板の入射面に対し、発散光の中心軸が導光板の対角線に沿うように入射させた場合のシミュレーションである。シミュレーション結果から、導光板内に入射した発散光は、図7(B)の結果と比べて広い範囲に照射されていることが確認できた。
【0031】
このように、本発明では、光源12から出射した光13を光学系16によって発散光18として導光板14の側面の入射面17に入射させる際に、発散光の中心軸Cが、略多角形状の導光板の辺と斜めになるように配置されているため、発散光の拡がりを導光板の形状に対応させることが可能となる。発散光の発散角及び中心軸Cの方位は、導光板の形状及び入射面の位置に応じて適宜設定されるが、発散光の側縁の光線が略多角形状の導光板の辺の一つに沿うように設定することが好ましく、発散光の発散角をθとしたときに、導光板の辺の一つに対する発散光の中心軸の角度がθ/2±10%の範囲内であることが好ましい。つまり、発散角が60°の場合は、導光板の一辺に対する発散光の中心軸の角度が27°~33°(30°±10%)とすることが好ましい。また、多角形状の導光板の頂点を含む切り欠きによって入射面を形成した場合、発散光の発散角θは、切り欠きで除かれた頂点の角度±10%の範囲内であることが好ましい。また、多角形状の導光板の頂点を含む切り欠きによって入射面を形成した場合、発散光の中心軸が、切り欠きに含まれる頂点を2等分するように配置することが好ましい。
【0032】
図3及び図4は、本発明の変形例である。図3(A)は、略正方形状の導光板24の辺S3の中間に平面視凹状の入射面27が形成されており、光源22から出射した光が光学系26によって発散光28として導光板に入射するように構成されている。本実施の形態では、発散光28の中心軸Cは、辺S3に対して垂直に配置されているが、凹状の入射面27によって発散光が導光板に入射する際の屈折が小さくなり、光の有効面積を広くすることができる。特に凹状の入射面27が、光学系26であるロッドレンズの焦点を中心とする円の曲率の場合には、発散光の各光線が凹面に対してほぼ垂直に入射するため、発散光をほぼ屈折させずに発散角を維持したまま導光板に入射させることができる。
【0033】
図3(B)は、略五角形状の導光板34の頂点V4を含む切り欠きによって平面視凹状の入射面37が形成されており、光源32から出射した光が光学系36によって発散光38として導光板に入射するように構成されている。本実施の形態では、発散光38の中心軸Cは、頂点V4を構成する辺S3及びS4に対して斜めになるように配置され、さらに、頂点V4を2等分するように配置されており、平面視において、入射面37から徐々に拡がる導光板34の形状と発散光38の拡がりとが整合しており、導光板における発散光の有効面積を広くすることができる。さらに、凹状の入射面37によって発散光が導光板に入射する際の屈折が小さくなり、光の有効面積を広くすることができる。特に凹状の入射面37が、光学系36であるロッドレンズの焦点を中心とする円の曲率の場合には、発散光の各光線が凹面に対してほぼ垂直に入射するため、発散光をほぼ屈折させずに発散角を維持したまま導光板に入射させることができる。
【0034】
図3(C)は、略六角形状の導光板44の頂点V5を含む切り欠きによって平面視凹状の入射面47が形成されており、光源42から出射した光が光学系46によって発散光48として導光板に入射するように構成されている。本実施の形態では、光学系46の開口数(NA)を大きくして発散角が120°の発散光を成形し、頂点V5で収束するように配置した。発散光38の中心軸Cは、頂点V5を構成する辺S4及びS5に対して斜めになるように配置され、さらに、頂点V5を2等分するように配置されている。発散光38の発散角が頂点V5の角度とほぼ同じ大きさとすることにより、導光板における発散光の有効面積を広くすることができる。さらに、凹状の入射面47によって発散光が導光板に入射する際の屈折が小さくなり、光の有効面積を広くすることができる。特に凹状の入射面47が、光学系46の焦点を中心とする円の曲率の場合には、発散光の各光線が凹面に対してほぼ垂直に入射するため、発散光をほぼ屈折させずに発散角を維持したまま導光板に入射させることができる。このように、発散角を頂点と同じ角度とし、頂点を二等分する方位に発散光の中心軸を配置し、焦点を中心とする円の曲率の凹曲面を有する入射面とすることにより、発散光が多角形の導光板の辺に沿って広がり、光の有効面積を広くすることができる。なお、図3(C)において、導光板に入射した発散光の一部が導光板の辺S3及び辺S6から外部に出射している。
【0035】
図4(A)は、略長方形の導光板54の頂点V2を含む切り欠きによって平面視凹状の第1の入射面57Aが形成されており、辺S2の中間に平面視凹状の第2の入射面57Bが形成されており、第1の入射面57Aに対して第1の光源52A及び第1の光学系56Aが配置され、第2の入射面57Bに対して第2の光源52B及び第2の光学系56Bが配置されている。第1の入射面57Aは、頂点V2を含む四分円状の切り欠きによって形成され、第2の入射面57Bは、半円状の切り欠きによって形成されている。第1及び第2の光源52A、52Bは、光軸の向きは同じ向きであり、辺S2に対して45°となるように斜めに光軸が配置され、第1及び第2の光学系56A、56Bによって発散角が90°の発散光に成形される。第1の光学系56Aの焦点が第1の入射面57Aを構成する曲面の中心に位置するように配置され、第2の光学系56Bの焦点が第2の入射面57Bを構成する曲面の中心に位置するように配置されることが好ましい。このように配置することにより、発散光の各光線が凹面に対してほぼ垂直に入射するため、発散光をほぼ屈折させずに発散角を維持したまま導光板に入射させることができる。本実施の形態では、2つの光源によってより広い領域に参照光を照射することができ、より広い照明光を再生させることができる。なお、本実施の形態において、第2の入射面57Bについては、発散光が入射する部分以外は、特に曲面とする必要はなく、最低限、第2の入射面57Bが四分円状の切り欠きによって形成されていれば足りる。
【0036】
図4(B)は、略長方形の導光板64の辺S2の中間に平面視凹状の入射面67が形成されており、一つの入射面67に対して第1の光源62A及び第1の光学系66Aと、第2の光源62B及び第2の光学系66Bが配置されている。入射面67は、半円状の切り欠きによって形成されている。第1及び第2の光源62A、62Bは、光軸の向きが線対称であり、辺S2に対して45°となるように斜めに光軸が配置され、第1及び第2の光学系66A、66Bによって発散角が90°の発散光に成形される。第1の光学系66Aの焦点も、第2の光学系66Bの焦点も、入射面67を構成する曲面の中心に位置するように配置されることが好ましい。このように配置することにより、発散光の各光線が凹面に対してほぼ垂直に入射するため、発散光をほぼ屈折させずに発散角を維持したまま導光板に入射させることができる。本実施の形態では、2つの光源によってより広い領域に参照光を照射することができ、より広い照明光を再生させることができる。なお、本実施の形態においては、第1の光学系66A及び第2の光学系66Bを設けたが、光学系を共有させて、一つの光学系に対し、異なる方向から2つの光束を入射させて2つの発散光を生成してもよい。
【0037】
図4(A)及び(B)において、照明用HOEは、第1の光源からの発散光が照射される領域と、第2の光源からの発散光が照射される領域のそれぞれに別々に設けてもよいし、2つの領域にわたって一つの照明用HOEを設けてもよい。また、図4(A)及び(B)においては、2つの光源を使用したが、一つの光源からの光をビームスプリッター等によって分離して2つの光束を成形し、それぞれを光源として、発散光を生成してもよい。さらに、発散光の数を増やすことにより、より大面積にも対応することが可能である。例えば、図4では下辺S2側からのみ光を照射しているが、上辺S4にも光源、光学系及び入射面を配置することで、縦方向においてもより大面積化することが可能である。
【0038】
図5は、本発明の他の実施形態であり、導光板74の側面に接して光源72からの光を拡散させる手段を含む光学系76を設けたものである。ホログラム用照明装置71は、光源72と、光源からの光73を伝搬する導光板74と、導光板74の前側又は後側に隣接して配置された照明用HOE75(点線で示す)と、光源72からの光73を導光板74の側面の入射面に入射させる光学系76と、を備えている。そして、本実施の形態においては、光学系76は、導光板の側面に接して設けられた光を拡散させる手段を含んでいる。光を拡散させる手段としては、特に光を透過させる際に光を散乱若しくは分散して拡散光とするディフューザを使用することができ、例えば、内部に散乱物質が配合されたテープ、散乱層、散乱フィルムなどでもよい。このような拡散光78は、波面の揃った規則的な発散光とは異なり、光線が散乱した状態であったが、導光板内を伝搬させて照明用HOE75に入射させることによって、回折効率は発散光に劣るものの照明用HOE75から照明光を再生させることが可能であり、かかる照明光によって像再生用ホログラムから立体像を再生することができた。本実施の形態においては、例えば、収束性が高いレーザーポインタの光を導光板の側面に接着された拡散用テープに直接照射しても、導光板内に拡散光78を入射させることができ、光学系76を極めて小さくすることができる。
【符号の説明】
【0039】
11 ホログラム用照明装置
12 光源
14 導光板
15 照明用HOE
16 像再生用ホログラム記録媒体
17 入射面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7