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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046928
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】暗号通貨取引システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20220316BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
H04L9/00 675B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152576
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】517303030
【氏名又は名称】クールビックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュアン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】オウ シー-マイ
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子媒体を用いて暗号通貨の振替を許可する取引システムに関し、特に既知の暗号通貨フォーマットを用いて、今後新規通貨フォーマットの派生に適用できる取引システムを提供する。
【解決手段】取引システムは、電子媒体と、電子装置とを備える。電子媒体は、取引許可秘密鍵と取引確認プログラムとが記憶されているセキュリティチップと、マイクロプロセッサとを設ける。電子装置は、複数タイプの暗号通貨に適用する取引応用プログラムがインストールされており、取引応用プログラムには複数のスクリプトが記憶されており、ネットワーキングモジュールを介して暗号通貨の残高を受信した後、取引要求を生成する。取引要求は、独立的に実行できないローデータと標的スクリプトとを含む。電子媒体は、標的スクリプト及びローデータに応じて取引許可データを生成し、取引許可データをクラウド取引プラットフォームに伝送して暗号通貨の振替取引を完成させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引許可秘密鍵と取引確認プログラムとが記憶されているセキュリティチップと、表示画面と、操作インタフェースと、伝送モジュールと、マイクロプロセッサとを有する電子媒体と、
複数タイプの暗号通貨に適用する取引応用プログラムがインストールされており、前記電子媒体の前記伝送モジュールにマッチングしてリンクされ、前記取引応用プログラムに一対一でこれらの暗号通貨のタイプに適合する複数のスクリプトが記憶されている電子装置とを備え、
これらのスクリプトがこれらの暗号通貨のタイプに基づいて異なるデータフォーマットを有し、
前記取引応用プログラムがネットワーキングモジュールを介してクラウド帳簿の暗号通貨の残高を受信し、これらの暗号通貨の何れかのタイプに基づいて取引要求を生成し、
前記取引要求が前記取引確認プログラムによって独立的に実行されないローデータと、これらのスクリプトから選定されて前記暗号通貨の何れかのタイプに適合する標的スクリプトとを含み、
前記取引応用プログラムがさらに前記標的スクリプトと前記ローデータとを前記電子媒体に伝送し、
前記取引確認プログラムが、前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算することで、取引データ及び前記表示画面に表示される取引明細を生成し、前記操作インタフェースから生成した確認命令を受信し、前記取引データと前記取引許可秘密鍵を結合して取引許可データを生成し、前記取引許可データを前記伝送モジュールを介して前記取引応用プログラムに伝送し、
前記取引応用プログラムが前記取引許可データを前記クラウド帳簿を含むクラウド取引プラットフォームに伝送して前記暗号通貨の振替取引を完成させることを特徴とする、暗号通貨取引システム。
【請求項2】
前記取引応用プログラムにマッチング公開鍵とマッチング秘密鍵とがさらに記憶されており、マッチング署名が前記マッチング秘密鍵から生成され、また、前記マッチング署名が、前記電子装置が前記電子媒体にマッチングする時に前記セキュリティチップに伝送されて記憶され、これらのスクリプト及び前記標的スクリプトが、全て前記取引確認プログラムによって照合認証される許可コードを有していることを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項3】
前記標的スクリプト、前記ローデータ及び前記マッチング署名の3者が前記取引応用プログラムによって前記電子媒体に伝送されるデータパケットに整合されることを特徴とする、請求項2に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項4】
前記取引確認プログラムは認証モジュールと、演算モジュールとを有しており、前記演算モジュールが前記認証モジュールによって演算を一時停止するロック状態に制限され、前記標的スクリプトの前記許可コード及び前記マッチング署名が前記認証モジュールによって検証されることで、前記演算モジュールが前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算できるロック解除状態に解除されることを特徴とする、請求項3に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項5】
前記取引応用プログラムは、データベースモジュールと、取引要求モジュールとを備え、前記データベースモジュールに前記スクリプトが記憶されており、前記データベースモジュールが、更新によって、追加する暗号通貨のタイプに適合する新たなデータフォーマットを有する追加スクリプトを記憶し、これらのスクリプトと前記追加スクリプトの一方を前記取引要求モジュールによって前記標的スクリプトとして選定することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項6】
前記標的スクリプトは表示命令と組成命令とを備え、前記演算モジュールが、前記表示命令によって前記ローデータの一部のデータを複数の表示データとして抽出し、これらの表示データによって前記取引明細を構成し、前記組成命令によって前記ローデータの全てを複数の組成データとして抽出し、これらの組成データを主体データと結合して前記取引データを構成することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子媒体を用いて暗号通貨の振替を許可する取引システムに関し、特に既知の暗号通貨フォーマットを用いて、今後新規通貨フォーマットの派生に適用できる取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン技術とは、第3者に依存せず、それ自体の分散形ノードによりネットワークデータの記憶、検証、伝達及び交流を行う分散形帳簿の技術手段であり、複数台の計算機器を用いて共同で参与し、共同で完全な分散形データベースを保守する。誰でも、何時でも同じ技術標準で自分の情報を加えて、ブロックチェーンを拡張して種々の要求によるデータ構築要求を継続的に満足させることができる。
【0003】
ブロックチェーン技術は、分散化、開放性・透明性、全ての計算機器はデータベースの記録に参与しなければならないこと、各計算機器間にデータ同期化を行う特性等のメリットを有するので、ブロックチェーンの分散化システム技術は多くの分野で広く用いられている。
【0004】
最も一般的なブロックチェーン技術は、ビットコイン、ETH、ライトコイン、リプル等のような暗号通貨(Crypto Currency)の取引に用いられる。ピアツーピア(P2P)の方式で、分散化されたブロックチェーンネットワークに運行し、全取引過程は匿名化される状況下で完成され、中央機関による発行及び保守に依存せず、当該ブロックチェーンネットワークを介して取引の信頼性を支持する。
【0005】
現在暗号通貨の取引プロトコルは全てネットワーク技術及び暗号学に基づき生成するものであり、プロトコルのアクセス及び書込みは、何れも秘密鍵、公開鍵及びアドレスの3者に関連する。なかでも、秘密鍵はランダムに生成する乱数であり、公開鍵は秘密鍵を楕円曲線暗号学で暗号処理し生成するものであり、アドレスは公開鍵から推定され、受信側が表記する必要のある公開鍵の桁数を低減するためのものである。
【0006】
秘密鍵を記録できる手段は全て財布となってもよく、かつ直接ネットワークに暴露するかにより、コールドウォレットとホットウォレットの2種類に分けられる。通常コールドウォレットは、例えば、紙、USBフラッシュドライブ、光ディスク、メモリカード、操作できる電子媒体(例えば電子カード)等を用いることができる。ホットウォレットは、例えば、コンピュータクライアントウォレット、携帯電話APPウォレット、ウェブウォレット等に使用される。
【0007】
暗号通貨のデジタルアセットがハッカーによって侵害されることを回避するために、多くのユーザはコールドウォレットの電子媒体を用い、当該電子媒体はフィッシング詐欺されたり、騙されたりする状況を減少する照合メカニズムをさらに有するが、暗号通貨のタイプが更新されつつあり、種々の異なる通貨のタイプの構成方式が異なることから、電子媒体照合メカニズムの負荷が増えていることが多い。また、前記電子媒体は製造完了時に一定の数の照合手段を設定しており、余分の照合手段を追加又は更新できないことで、電子媒体の使用が限定されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の主な目的は、電子媒体と電子装置とを合わせた取引システムを提供することにより、電子装置にインストールされる取引応用プログラムが予め暗号通貨のタイプを判別しておき、電子媒体に解析モジュールを組み込まなくても、取引要求の表示、組成及び許可作業を直接実行できることにより、電子媒体が現在リリースされた種々の暗号通貨のタイプに適用し、電子媒体の負荷が軽減されることである。
【0009】
本発明の副次的な目的は、電子媒体が他のプログラムをさらに更新又はインストールしなくても、今後新たにリリースされる種々の暗号通貨の取引権限を付与し、取引システムの適用範囲を大幅に向上できることである。
【0010】
本発明の更なる別の目的は、電子媒体と電子装置との間に余分の照合メカニズムを有しており、許可されていないパケットデータが電子媒体によって実行され得ないことにより、取引システムの安全性を向上することである。
【0011】
前記目的を実現するために、本発明に係る暗号通貨取引システムは、取引許可秘密鍵と取引確認プログラムとが記憶されているセキュリティチップと、表示画面と、操作インタフェースと、伝送モジュールと、マイクロプロセッサとを有する電子媒体と、電子装置とを備える。
【0012】
前記電子装置に、複数タイプの暗号通貨に適用する取引応用プログラムがインストールされており、前記電子媒体の前記伝送モジュールにマッチングしてリンクされ、前記取引応用プログラムに一対一でこれらの暗号通貨のタイプに適合する複数のスクリプトが記憶されており、これらのスクリプトがこれらの暗号通貨のタイプに基づいて異なるデータフォーマットを有し、前記取引応用プログラムがネットワーキングモジュールを介してクラウド帳簿の暗号通貨の残高を受信し、これらの暗号通貨の何れかのタイプに基づいて取引要求を生成し、前記取引要求が、前記取引確認プログラムによって独立的に実行されないローデータと、これらのスクリプトから選定されて前記暗号通貨の何れかのタイプに適合する標的スクリプトとを含み、前記取引応用プログラムがさらに前記標的スクリプトと前記ローデータとを前記電子媒体に伝送する。
【0013】
なかでも、前記取引確認プログラムが、前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算することで、取引データ及び前記表示画面に表示される取引明細を生成する。前記取引確認プログラムが前記操作インタフェースから生成した確認命令を受信し、前記取引データと前記取引許可秘密鍵を結合して取引許可データを生成し、前記取引許可データを前記伝送モジュールを介して前記取引応用プログラムに伝送する。前記取引応用プログラムが前記取引許可データを前記クラウド帳簿を含むクラウド取引プラットフォームに伝送して前記暗号通貨の振替取引を完成させる。
【0014】
好ましい一実施例において、前記取引応用プログラムにマッチング公開鍵とマッチング秘密鍵とがさらに記憶されており、マッチング署名が前記マッチング秘密鍵から生成され、また、前記マッチング署名が、前記電子装置が前記電子媒体にマッチングする時に前記セキュリティチップに伝送されて記憶され、これらのスクリプト及び前記標的スクリプトが、全て前記取引確認プログラムによって照合認証される許可コードを有している。また、前記標的スクリプト、前記ローデータ及び前記マッチング署名の3者が前記取引応用プログラムによって前記電子媒体に伝送されるデータパケットに整合される。
【0015】
なお、前記取引確認プログラムは認証モジュールと、演算モジュールとを有しており、前記演算モジュールが前記認証モジュールによって演算を一時停止するロック状態に制限され、前記標的スクリプトの前記許可コード及び前記マッチング署名が前記認証モジュールによって検証されることで、前記演算モジュールが前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算できるロック解除状態に解除される。
【0016】
前記取引応用プログラムは、データベースモジュールと、取引要求モジュールとを備え、前記データベースモジュールに前記スクリプトが記憶されており、前記データベースモジュールが、更新によって、追加する暗号通貨のタイプに適合する新たなデータフォーマットを有する追加スクリプト記憶する。これらのスクリプトと前記追加スクリプトの一方を前記取引要求モジュールによって前記標的スクリプトとして選定する。
【0017】
前記標的スクリプトは表示命令と組成命令とを備え、前記演算モジュールが、前記表示命令によって前記ローデータの一部のデータを複数の表示データに分散キャプチャし、これらの表示データによって前記取引明細を構成し、前記演算モジュールが、前記組成命令によって前記ローデータの全てを複数の組成データに分散キャプチャし、これらの組成データを主体データに合わせて前記取引データを構成する。
【0018】
以上の説明から分かるように、本発明は、電子装置の取引応用プログラムが暗号通貨のタイプを選定して、取引関連データをローデータに演算して標的スクリプトに合わせて用いることができ、電子媒体が解析モジュールを組み込む必要がなく、直接標的スクリプトのみを用いてローデータを演算すれば、取引に要求される表示、組成及び許可作業を直接実行できることにより、電子媒体が現在リリースされた種々の暗号通貨のタイプに適用し、電子媒体の負荷が軽減されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る暗号通貨取引システムの概略図である。
図2】電子装置の内部概略構成図である。
図3】取引応用プログラムが他のスクリプトを追加記憶することを示す概略図である。
図4】電子媒体の内部概略構成図である。
図5】電子装置と電子媒体がマッチングしてリンクすることを示す概略図である。
図6】電子装置がクラウド帳簿から暗号通貨の残高を取得することを示す概略図である。
図7】取引確認プログラムが取引確認を実行することと、スクリプトとローデータとを演算することを示す概略図である。
図8】スクリプトが2種類の演算を行うことを示す概略図である。
図9】電子媒体が確認命令を受信し許可署名を完成することを示す概略図である。
図10】電子装置が許可を得て暗号通貨取引を行うことを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の構造、使用及びその特徴をより一層明確で具体的に認識及び理解するために、好ましい実施形態を挙げて、図面を参照しながら以下のように詳しく説明する。
【0021】
図1を参照する。本発明に係る暗号通貨取引システムはコールドウォレットとして用いられる電子媒体(例えば、スマートカード)と、インターネットにリンクできる電子装置(例えば、携帯電話、タブレットPC、ノートパソコン)とを備える。図2に示すように、前記電子装置は、インターネットにリンクできるネットワーキングモジュールと、複数種の暗号通貨(例えば、ビットコイン、ETH、ライトコイン等)の取引に適用する取引応用プログラムとを有する。また、前記ネットワーキングモジュールは前記電子媒体とマッチングしてリンクでき、前記取引応用プログラムはデータベースモジュールと取引要求モジュールとを備える。
【0022】
前記データベースモジュールに、一対一でこれらの暗号通貨のタイプに適合する複数のスクリプトが記憶されている。これらのスクリプトがこれらの暗号通貨のタイプに基づいて異なるデータフォーマットを有する。また、前記取引要求モジュールは多くのスクリプトの一方を前記暗号通貨に適合する標的スクリプトとして選定でき、前記取引要求モジュールは独立的に判別実行できないローデータ(raw data)を演算生成することができる。なかでも、これらのスクリプトを採用する場合、ユーザが前記取引応用プログラムに入力する暗号通貨のタイプに応じて前記標的スクリプトを確定し、前記ローデータは、ユーザが入力する取引関連データに応じて生成される。
【0023】
なお、図3に示すように、前記データベースモジュールは初期に3種類の異なる暗号通貨のタイプに対応するスクリプトのみを記憶すれば、その後、前記取引応用プログラムを更新することで、前記データベースモジュールは4つ目、5つ目、さらに6つ目のスクリプトを追加することができる。これによって、今後新たにタイプの暗号通貨がリリースされる場合、前記取引応用プログラムを更新によって、追加する暗号通貨のタイプに適合する新たなデータフォーマットを有する追加スクリプトを前記データベースモジュールに追加することができる。
【0024】
図4を参照する。前記電子媒体は、セキュリティチップと、表示画面と、操作インタフェースと、伝送モジュールと、マイクロプロセッサと、を備える。前記セキュリティチップは、取引許可秘密鍵と取引確認プログラムとを記憶するためのものであり、前記取引確認プログラムは認証モジュールと、演算モジュールとを有している。前記表示画面は、マッチング要求と取引確認等の関連データを表示するために用いられる。前記操作インタフェースは、ユーザが手動で操作しマッチングすることと、プログラムを確認することに使用される。前記伝送モジュールは、前記ネットワーキングモジュールにマッチングして前記電子装置にリンクするために用いられる。前記マイクロプロセッサは、前記セキュリティチップ、前記表示画面、前記操作インタフェース及び前記伝送モジュールの間に電気的に接続される。
【0025】
図5を参照する。前記電子装置が前記ネットワーキング装置を介して前記電子媒体の伝送モジュールにリンクしてマッチングを要求する場合、前記電子媒体は前記セキュリティチップの内部に何らかの電子装置のマッチングを記憶するマッチング公開鍵があるかを検出する。何れのマッチング公開鍵もない場合、前記電子媒体は前記電子装置に対して1組のマッチング公開鍵を提供することを要求する。なかでも、前記取引確認モジュールが前記電子装置に取り付けられた直後に、マッチング公開鍵とマッチング秘密鍵が記憶されているので、前記マッチング公開鍵は直接前記電子媒体のセキュリティチップに伝送されて記憶される。しかし、前記セキュリティチップにマッチング公開鍵が記憶されている場合、前記電子媒体は、前記電子装置に対してマッチング秘密鍵から演算出された1組のマッチング署名を生成することを直接要求することで、前記電子装置と前記電子媒体との間のデータ伝送の安全性を向上する。
【0026】
なお、データ伝送の安全性を向上するために、前記電子装置の取引応用プログラム、前記電子媒体の取引確認プログラム及び各暗号通貨の特性に合致する各スクリプトは、同じ会社から開発されなければならず、互いにプログラムデータの源を確認できるようにする。従って、これらのスクリプトは許可コード(図3に示すように)を含まなければならず、前記取引応用プログラム及び前記取引確認プログラムは前記許可コードを記憶することもできる。
【0027】
図6を参照する。暗号通貨取引をしようとする場合、ユーザは、まず、前記取引応用プログラムを介して自分自身が有する暗号通貨の状態を確認し、前記ネットワーキング装置がクラウド取引プラットフォームのクラウド帳簿にクエリー要求を送信する。前記クラウド帳簿は前記クエリー要求に応じて、対応する暗号通貨の残高を前記取引応用プログラムに伝送して、ユーザが分かるように前記取引応用プログラムに前記暗号通貨の残高を表示させる。
【0028】
図1を再び参照する。ユーザが前記暗号通貨の残高を得た後、取引をしようとする暗号通貨のタイプを自ら選択し、取引対象及び取引額を入力することで、前記取引応用プログラムは、前記標的スクリプトとしてこれらのスクリプトから一つの対応する暗号通貨のタイプを選定することが可能である。また、前記取引要求モジュールは取引対象、取引額及び暗号通貨のタイプ等のデータに応じて、前記ローデータを演算し、さらに前記標的スクリプト、前記ローデータ及び前記マッチング署名の3者をデータパケットに整合する。前記データパケットが前記ネットワーキングモジュールによって前記電子媒体に伝送される。
【0029】
図7を参照する。前記取引確認プログラムの認証モジュールは前記演算モジュールを、演算を一時停止するロック状態に制限する。そのため、前記電子媒体が前記データパケットを受信する場合、前記標的スクリプトの前記許可コード及び前記マッチング署名が前記認証モジュールによって取得され、前記認証モジュールが2つの照合メカニズムの検証を行う。その後、前記演算モジュールが前記認証モジュールによって、演算できるロック解除状態に解除される。
【0030】
図8を参照する。ロック解除状態で、前記演算モジュールは前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算することで、前記表示画面に表示される取引明細及び取引データを生成する。好ましい一実施例において、前記標的スクリプトは前記許可コードを有する以外に、表示命令と組成命令をさらに含んでいる。前記演算モジュールが、前記表示命令によって前記ローデータの一部のデータを複数の表示データとして抽出し(図8に示すように、前記ローデータを分散、その中のデータ1とデータ3とデータ6をキャプチャする)、これらの表示データによって前記取引明細を構成し、前記組成命令によって前記ローデータの全てを複数の組成データとして抽出し(図8に示すように、前記ローデータを分散、キャプチャする)、これらの組成データを主体データ結合して前記取引データを構成する。なお、前記主体データは、前記取引応用プログラムが前記取引データの前記組成データをアクセスして、取引の明細を認識することができるようにデータである。
【0031】
図9を参照する。その後、ユーザは、前記表示画面を介して前記取引明細の内容が分かり、前記取引明細が初期に前記電子装置に入力した明細に合致するかを確認する。確認完成後に、前記取引確認プログラムはまた、前記操作インタフェースから生成した確認命令を受信し、前記演算モジュールは再び前記取引データと前記取引許可秘密鍵とを合わせて取引許可データを生成する。
【0032】
図10を参照する。最後に、前記取引許可データが前記伝送モジュールを介して前記取引応用プログラムに伝送される。また、前記取引応用プログラムが前記ネットワーキング装置を介して前記取引許可データを前記クラウド取引プラットフォームに伝送する。前記クラウド取引プラットフォームは前記取引許可データ中の取引対象、取引額及び暗号通貨のタイプに応じて前記暗号通貨の振替取引を完成し、取引完成後に前記暗号通貨の残高を前記電子装置に伝送して表示する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引許可秘密鍵と取引確認プログラムとが記憶されているセキュリティチップと、表示画面と、操作インタフェースと、伝送モジュールと、マイクロプロセッサとを有する電子媒体と、
複数タイプの暗号通貨に適用する取引応用プログラムがインストールされており、前記電子媒体の前記伝送モジュールにマッチングしてリンクされ、前記取引応用プログラムに一対一でこれらの暗号通貨のタイプに適合する複数のスクリプトが記憶されている電子装置とを備え、
これらのスクリプトがこれらの暗号通貨のタイプに基づいて異なるデータフォーマットを有し、
前記取引応用プログラムがネットワーキングモジュールを介してクラウド帳簿の暗号通貨の残高を受信し、これらの暗号通貨の何れかのタイプに基づいて取引要求を生成し、
前記取引要求がデータ応じて生成されるローデータと、これらのスクリプトから選定され標的スクリプトとを含み、
前記標的スクリプトが前記取引データの前記暗号通貨のタイプに適合し、
前記取引応用プログラムがさらに前記標的スクリプトと前記ローデータとを前記電子媒体に伝送し、
前記取引確認プログラムが前記標的スクリプトを実行し前記ローデータをキャプチャすることで、前記取引確認プログラムが前記取引データ及び前記表示画面に表示される取引明細を生成し、前記取引確認プログラムが前記操作インタフェースから生成した確認命令を受信し、前記電子媒体が前記取引データと前記取引許可秘密鍵を結合して取引許可データを生成し、前記取引許可データを前記伝送モジュールを介して前記取引応用プログラムに伝送し、
前記電子装置の前記取引応用プログラムが前記取引許可データを前記クラウド帳簿を含むクラウド取引プラットフォームに伝送し、前記クラウド取引プラットフォームに前記暗号通貨の振替取引を完成させることを特徴とする、暗号通貨取引システム。
【請求項2】
前記取引応用プログラムにマッチング公開鍵とマッチング秘密鍵とがさらに記憶されており、マッチング署名が前記マッチング秘密鍵から生成され、また、前記マッチング署名が、前記電子装置が前記電子媒体にマッチングする時に前記セキュリティチップに伝送されて記憶され、これらのスクリプト及び前記標的スクリプトが、全て前記取引確認プログラムによって照合認証される許可コードを有していることを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項3】
前記取引確認プログラムは認証モジュールと、演算モジュールとを有しており、前記演算モジュールが前記認証モジュールによって演算を一時停止するロック状態に制限され、前記標的スクリプトの前記許可コード及び前記マッチング署名が前記認証モジュールによって検証されることで、前記演算モジュールが前記標的スクリプトに応じて前記ローデータを演算できるロック解除状態に解除されることを特徴とする、請求項に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項4】
前記取引応用プログラムは、データベースモジュールと、取引要求モジュールとを備え、前記データベースモジュールに前記スクリプトが記憶されており、前記データベースモジュールが、更新によって、追加する暗号通貨のタイプに適合する新たなデータフォーマットを有する追加スクリプトを記憶し、これらのスクリプトと前記追加スクリプトの一方を前記取引要求モジュールによって前記標的スクリプトとして選定することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【請求項5】
前記標的スクリプトは表示命令と組成命令とを備え、前記演算モジュールが、前記表示命令によって前記ローデータの一部のデータを複数の表示データとして抽出し、これらの表示データによって前記取引明細を構成し、前記組成命令によって前記ローデータの全てを複数の組成データとして抽出し、これらの組成データを主体データと結合して前記取引データを構成することを特徴とする、請求項1に記載の暗号通貨取引システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
前記データベースモジュールに、一対一でこれらの暗号通貨のタイプに適合する複数のスクリプトが記憶されている。これらのスクリプトがこれらの暗号通貨のタイプに基づいて異なるデータフォーマットを有する。また、前記取引要求モジュールは多くのスクリプトの一方を前記暗号通貨に適合する標的スクリプトとして選定でき、前記取引要求モジュールは独立的に判別実行できないローデータ(raw data)を演算生成することができる。なかでも、これらのスクリプトを採用する場合、ユーザが前記取引応用プログラムに入力する暗号通貨のタイプに応じて前記標的スクリプトを確定し、前記ローデータは、ユーザが入力する取引データに応じて生成される。