(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046932
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】コネクタ用端子、コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20220316BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152581
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】高木 雄太
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA11
5E223AB03
5E223AB28
5E223AB41
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CB47
5E223CB84
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB36
5E223EA03
5E223EA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、端子とハウジングとの間の隙間を無くす、又は、減少させることにより、小型化された端子及びコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ用端子150は、第1の軸の方向である幅方向及び第2の軸の方向である奥行方向に少なくとも平面を有する実装部305と、前記実装部305に連続し、第3の軸の方向である高さ方向で逆U字形状である被保持部310であって、前記幅方向に長さを有する被保持部310と、前記被保持部310に移行部を介して連続し、前記幅方向及び前記奥行方向に少なくとも平面を有する基部320と、起立移行部326を介して前記基部320に連続し、前記高さ方向に伸びる弾性腕部325であって、前記幅方向に長さを有し、さらに、相手コネクタの端子105と接触する部分を有する弾性腕部325とを備え、前記端子150の前記幅方向の長さにおいて、前記起立部325-2の前記幅方向の長さがおおよそ最大である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ用端子であって、
第1の軸の方向である幅方向及び第2の軸の方向である奥行方向に少なくとも平面を有する実装部と、
前記実装部に連続し、第3の軸の方向である高さ方向で逆U字形状である被保持部であって、前記幅方向に長さを有する被保持部と、
前記被保持部に移行部を介して連続し、前記幅方向及び前記奥行方向に少なくとも平面を有する基部と、
起立移行部を介して前記基部に連続し、前記高さ方向に伸びる起立部を有する弾性腕部であって、前記幅方向に長さを有し、さらに、相手コネクタの端子と接触する部分を有する弾性腕部と、
を備え、
前記端子の前記幅方向の長さにおいて、前記起立部の前記幅方向の長さがおおよそ最大である、コネクタ用端子。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ用端子において、前記起立部の前記幅方向の長さは、前記端子の前記起立部以外の部分における前記幅方向の長さの一部と同じである、コネクタ用端子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタ用端子を用いたコネクタ。
【請求項4】
コネクタであって、
複数の端子と、
前記複数の端子を、第1の軸の方向である幅方向に保持するハウジングと、を備え、
前記複数の端子は、
前記幅方向及び第2の軸の方向である奥行方向に少なくとも平面を有する実装部と、
前記実装部に連続し、第3の軸の方向である高さ方向で逆U字形状である被保持部であって、前記幅方向に長さを有する被保持部と、
前記被保持部に移行部を介して連続し、前記幅方向及び前記奥行方向に少なくとも平面を有する基部と、
起立移行部を介して前記基部に連続し、前記高さ方向に伸びる起立部を有する弾性腕部であって、前記幅方向に長さを有し、さらに、相手コネクタの端子と接触する部分を有する弾性腕部と、
を備え、
前記ハウジングは、前記端子の少なくとも一部を収容する端子収容部を有し、
前記端子収容部は、前記高さ方向及び前記奥行方向の面に平行な第1の突部側壁と、前記第1の突部側壁に対面する第2の突部側壁と、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁と接続し、前記高さ方向及び前記幅方向の面に平行な突部端壁を有する弾性腕部収容部を有し、
前記コネクタが他のコネクタと嵌合される前において、前記弾性腕部の少なくとも一部は、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁の少なくとも一方と密着、対面、又は接している、コネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のコネクタにおいて、
前記コネクタが他のコネクタと嵌合された状態において、前記弾性腕部の少なくとも一部は、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁の少なくとも一方と密着していない、コネクタ。
【請求項6】
請求項4に記載のコネクタにおいて、
前記コネクタが他のコネクタと嵌合された後に前記他のコネクタが前記コネクタから抜き出された状態において、前記弾性腕部の少なくとも一部は、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁の少なくとも一方と対面又は接している、コネクタ。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1つに記載のコネクタにおいて、
前記ハウジングは、
前記弾性腕部収容部を形成する突部と、
前記被保持部を一部で保持する壁と、
をさらに備え、
前記突部と前記壁との間において、前記端子収容部及び前記弾性腕部収容部が配置され、
前記端子収容部は、前記基部及び前記起立移行部の少なくとも一方を保持する底部保持部を有する、コネクタ。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか一つに記載のコネクタにおいて、
前記端子の前記幅方向の長さにおいて、前記起立部の前記幅方向の長さがおおよそ最大である、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ用端子、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスイヤホン、スマートグラスなどのウエアラブル装置や、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの携帯装置などである小型の電子装置では、電子装置に用いられる部品の小型化が求められ続けられている。部品の一部であるコネクタにも、更なる小型化が求められている。
【0003】
特許文献1(特開2017-069133号公報)には、小型化されたコネクタが開示されている。特に、上部から見たコネクタのハウジングを示し、さらに、ハウジングにおける端子収容部を拡大した
図8において、Y方向に配置された複数の端子収容部290がX方向に2列で形成されたコネクタ10のハウジング20が示されている。ハウジング20には、端子収容部290が設けられており、端子収容部290は、Y方向及び-Y方向に直交する平面を有する2つの仕切り壁284と、X方向又は-X方向に直交する平面を有する中間壁(対向壁280)とから成る3つの壁に覆われている。また、上部から見たコネクタを示す
図2からは、端子収容部290それぞれにおいて、端子30と2つの仕切り壁284との間に隙間があることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、端子とハウジングとの間に隙間があることから、この隙間により、所定の方向(特許文献1の
図8におけるY方向)において、コネクタのサイズが大きくなっており、コネクタの小型化の余地が存在する。
【0006】
そこで、本発明は、端子とハウジングとの間の隙間を無くす、又は、減少させることにより、小型化された端子及びコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の実施例によるコネクタ用端子は、第1の軸の方向である幅方向及び第2の軸の方向である奥行方向に少なくとも平面を有する実装部と、前記実装部に連続し、第3の軸の方向である高さ方向で逆U字形状である被保持部であって、前記幅方向に長さを有する被保持部と、前記被保持部に移行部を介して連続し、前記幅方向及び前記奥行方向に少なくとも平面を有する基部と、起立移行部を介して前記基部に連続し、前記高さ方向に伸びる起立部を有する弾性腕部であって、前記幅方向に長さを有し、さらに、相手コネクタの端子と接触する部分を有する弾性腕部とを備え、前記端子の前記幅方向の長さにおいて、前記起立部の前記幅方向の長さがおおよそ最大である。
【0008】
本願発明の実施例によるコネクタ用端子において、前記起立部の前記幅方向の長さは、前記端子の前記起立部以外の部分における前記幅方向の長さの一部と同じである。
【0009】
本願発明の実施例によるコネクタ用端子を用いたコネクタが用いられる。
【0010】
本願発明の実施例によるコネクタは、複数の端子と、前記複数の端子を、第1の軸の方向である幅方向に保持するハウジングと、を備え、前記複数の端子は、前記幅方向及び第2の軸の方向である奥行方向に少なくとも平面を有する実装部と、前記実装部に連続し、第3の軸の方向である高さ方向で逆U字形状である被保持部であって、前記幅方向に長さを有する被保持部と、前記被保持部に移行部を介して連続し、前記幅方向及び前記奥行方向に少なくとも平面を有する基部と、起立移行部を介して前記基部に連続し、前記高さ方向に伸びる起立部を有する弾性腕部であって、前記幅方向に長さを有し、さらに、相手コネクタの端子と接触する部分を有する弾性腕部とを備え、前記ハウジングは、前記端子の少なくとも一部を収容する端子収容部を有し、前記端子収容部は、前記高さ方向及び前記奥行方向の面に平行な第1の突部側壁と、前記第1の突部側壁に対面する第2の突部側壁と、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁と接続し、前記高さ方向及び前記幅方向の面に平行な突部端壁を有する弾性腕部収容部を有し、前記コネクタが他のコネクタと嵌合される前において、前記弾性腕部の少なくとも一部は、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁の少なくとも一方と密着又は接している。
【0011】
本願発明の実施例によるコネクタにおいて、前記コネクタが他のコネクタと嵌合された後、前記弾性腕部の少なくとも一部は、嵌合している間、前記第1の突部側壁及び前記第2の突部側壁の少なくとも一方と密着していないようにすることができる。
【0012】
本願発明の実施例によるコネクタにおいて、前記ハウジングは、前記基部及び前記起立移行部を保持する底部保持部を有するようにすることができる。
【0013】
本願発明の実施例によるコネクタにおいて、前記ハウジングは、前記弾性腕部収容部を形成する突部と、前記被保持部を一部で保持する壁と、をさらに備え、前記突部と前記壁との間において、前記端子収容部及び前記弾性腕部収容部が配置されているようにすることができる。
【0014】
本願発明の実施例によるコネクタにおいて、前記端子の前記幅方向の長さにおいて、前記起立部の前記幅方向の長さがおおよそ最大であるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】プラグを上側及びレセプタクルを下側に配置したコネクタ組立体の斜視図を示す。
【
図2a】
図1における配置において、プラグに嵌合される側から見たレセプタクルの上面を示し、
【
図2b】
図1における配置において、レセプタクルの上面の反対側である裏面を示す。
【
図3a】
図1における配置において、-Y方向に向けて第1の側壁を見たレセプタクルを示す。
【
図3b】
図3aにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図3a中に示される矢印方向から見たレセプタクルを示す。
【
図5a】
図2aにおける配置において、上から見たレセプタクルにおける端子の部分を示す。
【
図5b】端子を示しており、
図5aにおいて示されている文字「B」で結ばれる線上の断面図であり、
図5a中に示される矢印方向から見た図を示す。
【
図6a】端子と、端子を囲むハウジングとを抜き出して示す。
【
図6b】端子及びハウジングであり、
図6aにおいて示されている文字「C」で結ばれる線上の断面図であり、
図6a中に示される矢印方向から見た図を示す。
【
図6c】
図6bにおける端子及びハウジングから、端子を取り除いた状態を示す。
【
図7a】コネクタの斜視図であり、端子と、端子を囲むハウジングとを抜き出して示す。
【
図7b】
図7cにおける端子及びハウジングから、端子を取り除いた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概要
図1は、プラグ105を上側及びレセプタクル150を下側に配置したコネクタ組立体の斜視図を示す。コネクタ組立体100は、プラグ105及びレセプタクル150を含む。プラグ105は、ハウジング110及び端子115を含む。レセプタクル150は、ハウジング155及び端子160を含む。プラグ105の端子115における表面(プラグ105の上面120における端子115の部分)及びレセプタクル150の端子160の表面(レセプタクル150の下面180における端子160の部分)は、実装部である。実装部と基板回路(図示せず)とが半田付けなどにより接続される。一般に、端子と基板回路とが半田付けなどにより接続された後に、レセプタクル150と相手コネクタであるプラグ105とは嵌合される。なお、
図1及び後述する図で示される、X、Y、Zは、対応する軸における方向を示しており、必要に応じ、X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、幅方向、奥行方向及び高さ方向とも称される。
【0017】
一般的に、レセプタクルのサイズは、幅方向は端子の数によって変動するが5mm程度、奥行方向で2mm以下、高さ方向で1mm以下である。より好ましくは、幅方向で約4mm、奥行方向で約1.2mm、高さ方向で約1~0.4mmである。また、幅方向に並ぶ複数の端子160それぞれの距離(ピッチ)は、0.2~0.4mm間隔、好ましくは、0.3mm程度である。
【0018】
レセプタクル150のハウジング155は、収容部165及び突部166を有する。プラグ105及びレセプタクル150が嵌合すると、収容部165は、プラグのハウジング110の少なくとも一部及びプラグの端子115の少なくとも一部を収容し、突部166がハウジング110に少なくとも一部が収容される。嵌合により、プラグ105の端子115がレセプタクル150の端子160と接続される。なお、プラグ105の端子115は、レセプタクル150の端子160に挿入されるように、凸形状とすることができる。
【0019】
突部166は、Z方向(高さ方向)に突出し、そのY方向(奥行方向)の中間部分でY方向に厚みを持ってX方向(幅方向)に伸びており、レセプタクル150の端子160のそれぞれをX及びY方向に仕切るために用いられる弾性腕部収容部330-1を有する。また、端子収容部330は、弾性腕部収容部330-1において、後述する弾性腕部325を収容し、弾性腕部収容部330-1以外の部分で、後述する基部320、及び弾性腕部325を少なくとも収容する。レセプタクル150のハウジング155は、端子収容部330において、底部分を有しておらず、貫通していてもよい。貫通部分を介して、一体成形の際に、端子収容部330において、端子160を固定する金具が設置され得る。また、レセプタクル150の突部166は、プラグ105と嵌合するために用いられてもよい。この場合、プラグ105のハウジング110は、レセプタクル150の突部166に対応するように形成される。
【0020】
収容部165は、ハウジングのX方向に伸びる第1の側壁167と、第1の側壁167と平行に伸びる第2の側壁168と、第1の側壁167及び第2の側壁168とX方向で連続する第1の端壁169と、第1の側壁167及び第2の側壁168と-X方向で連続し、第1の端壁169と平行に伸びる第2の端壁170とによって囲まれている。レセプタクル150において、収容部165は、第1の側壁167、第2の側壁168、第1の端壁169、及び第2の端壁170の内壁と、それら壁と平行して伸びる突部166と、底壁172(
図2a参照)によって、溝の形状を有する。プラグ105の形状は、溝の形状に対応するように、突出した形状とすることができる。プラグ105及びレセプタクル150の形状により、プラグ105及びレセプタクル150が嵌合することができる。
【0021】
レセプタクル150は、X方向および-X方向の端部に補強金具171を有していてもよい。補強金具171により、レセプタクル150の強度を向上することができる。
【0022】
図2aは、
図1における配置において、プラグ105に嵌合される側から見たレセプタクル150の上面を示し、
図2bは、
図1における配置において、レセプタクル150の上面の反対側である裏面を示す。レセプタクル150は、160-nで示されるように、160-1から160-14の14個の端子を有する。
【0023】
図3aは、
図1における配置において、-Y方向に向けて第1の側壁167を見たレセプタクル150を示す。第1の側壁167に端子160-1から160-7が配置されているのが分かる。
図3bは、
図3aにおいて示されている文字「A」で結ばれる線上の断面図であり、
図3a中に示される矢印方向から見たレセプタクル150を示す。
【0024】
図3bにおいて、端子160-3及び160-10の断面が示されている。端子160-3及び160-10以外の端子も端子160-3及び160-10と同様の構造又は似た構造とすることができる。
図1で示されたY軸上に2列で配置された端子160それぞれ及び端子収容部330それぞれは、
図1、
図2及び
図3から理解されるように、ハウジング155のY軸の中心線上に鏡対象で形成されてもよい。
図3を参照すると、端子160は、実装部305、被保持部310、基部移行部315、基部320、起立移行部326、及び弾性腕部325を有する。
図2aを参照すると、端子収容部330は、弾性腕部収容部330-1において、弾性腕部325を収容し、弾性腕部収容部330-1以外の部分において、基部320(表面)及び弾性腕部325を少なくとも収容する。
図2bを参照すると、端子収容部330それぞれにおいて、基部320(裏面)が配置される。端子160それぞれは、一連の導電性材料で作成される。典型的には、端子160は、1枚の金属板とすることができる。例えば、端子160は、金属板から切り抜き加工及びプレス加工により作成される。
【0025】
実装部305は、半田付けなどにより基板回路などに接続される。端子160-3及び端子160-10の実装部305の実装部305は、それぞれ、基板回路に実装される側から-Y方向及びY方向に伸び、すなわち、実装部305の開放端から被保持部310に接続される部分へ、レセプタクル150の内側方向に伸びる。そして、実装部305は、被保持部310に連続する。
【0026】
被保持部310は、Z方向に凸となるように湾曲した逆U字形状であり、実装部305と連続する部分において、Z方向に伸びる外側被保持部310-1を有する。被保持部310は、実装部305から外側被保持部310-1を経由して連続し、U字形状の底部分に該当する湾曲被保持部310-2を有する。端子160-3及び端子160-10の湾曲被保持部310-2は、それぞれ、-Y方向及びY方向に伸びる。そして、湾曲被保持部310-2は、内側被保持部310-3に連続する。内側被保持部310-3は、-Z方向に伸びており、基部移行部315に連続する。湾曲被保持部310-2の湾曲により、外側被保持部310-1及び内側被保持部310-3は、大よそZ方向(XY平面上)で対面する。基部移行部315により、Z軸上に伸びる内側被保持部310-3がY軸上に伸びるように、端子の延伸方向が変更される。基部移行部315は、XY平面上に配置される基部320に連続する。基部320は、起立移行部326を介して弾性腕部325に連続し、弾性腕部325は、Z方向に伸びる。
【0027】
被保持部310は、第1の側壁167又は第2の側壁168によって、ハウジング155に埋設された状態で保持される。第1の側壁167又は第2の側壁168は、それぞれ、外側壁167-1、168-1及び内側壁167-2、168-2を有する。外側被保持部310-1は、外側壁及び内側壁にXZ平面上で密着することによりハウジング155に保持され、内側被保持部310-3も、内側壁にXZ平面上で密着することによりハウジング155に保持され、湾曲被保持部310-2、及び基部移行部315の一部又は全部は、その湾曲した形状により、内側壁に3次元的に密着することによりハウジング155に保持される。したがって、端子160は、被保持部310、及び基部移行部315の一部又は全部が外側壁及び/又は内側壁に密着することにより、ハウジング155に保持される。
【0028】
被保持部310の内側被保持部310-3は、
図3bに示されるように、段差部310-4において、ハウジング155の外側方向(端子160-3及び端子160-10であれば、それぞれ、Y又は-Y方向)に曲げてから、Z軸上に伸びるように形成されてもよい。被保持部310の形状により、湾曲被保持部310-2の接するハウジング155の内側壁167-2、168-2のY軸上の長さが、外側被保持部310-1が内側壁と接する面と内側被保持部310-3が内側壁と接する面との間のY軸上の長さより長くなることから、端子160がハウジング155から抜け落ちることをより防止することができる。他の実施例において、内側被保持部310-3は、Y軸上で曲げることなく、Z軸上に直線的に伸びるように形成されてもよい。他の実施例において、被保持部310の内側被保持部310-3は、ハウジング155の内側方向(端子160-3及び端子160-10であれば、それぞれ、Y又は-Y方向)に曲げてから、Z軸上に伸びるように形成されてもよい。
【0029】
基部320のY軸上の長さは、プラグ105の端子115のY軸上の長さに対応させることができる。コネクタの形態によるが、基部320のY軸上の長さは、プラグ105の端子115のY軸上の長さと同じ、僅かに短い、又は、僅かに長くすることができる。基部320のY軸上の長さとプラグ105の端子115のY軸上の長さとの関係により、端子収容部330において、基部320が形成するXY平面を底面として、Z方向に空間が確保されることから、レセプタクル150の端子160は、プラグ105の端子115を収容することができる。基部320は、プラグ105の端子115と接触しても良いし、接触しなくてもよい。プラグ105とレセプタクル150が嵌合することにより、湾曲被保持部310-2、基部320、及び、後述する弾性腕部325の接触部325-1の少なくとも一つが、プラグ105の端子115の一部と接触し、プラグ105とレセプタクル150とが電気的に接続される。
【0030】
弾性腕部325は、端子が伸びる方向をY軸からZ軸の方向に移行させる起立移行部326(基部320から、Z方向に起立する起立部325-2に移行する部分)を介して、基部320に連続する。起立移行部326は、突部166の一部である底部保持部321と接触する(
図7bにも底部保持部321を示す)。ハウジング155の底部保持部321は、底部において基部320をXY平面上で保持し、さらに、起立移行部326において、弾性腕部325をXZ平面上で保持する(
図7bも参照)。端子160が、弾性腕部325付近で、Z軸の方向で保持されるのに加えて、Y軸の方向に保持されることから、コネクタ同士が嵌合されたとき、弾性腕部325が基部320近くで、Z軸に加え、Y軸の方向に変位することを制御し、Y軸の方向に働く弾性腕部325の弾性力(プラグと嵌合した状態での接触力)が、より適切に制御できる。他の実施例において、底部保持部321は、基部320のみを保持してもよい。この場合、底部保持部321は、底部において基部320をXY平面上(Z軸の方向)で保持する。他の実施例において、底部保持部321は、起立移行部326のみを保持してもよい。
【0031】
また、突部166は、後述する接触部325-1がプラグの端子115と接触する側と反対側において、空間を備えた端子収容部330の一部である弾性腕部収容部330-1を有する。この空間により、弾性腕部325がY軸の方向に変位することができる。
図2aにおいても、弾性腕部収容部330-1が突部166のY軸上の中心線に向けて空間を有することから、弾性腕部325がY軸の方向に変位可能であることが理解される。弾性腕部325は、突部166の形状により、基部320付近において固定され、端子160の開放端(プラグの端子115が挿入される部分)付近において変位することができる。したがって、端子160に、プラグの端子115が挿入され、Y軸の方向に力が加わると、弾性腕部325は、ハウジング155の内側方向(突部166のY軸上の中心線への方向)に広がり、プラグの端子115に対して、弾性力を発生させる。弾性力により、弾性腕部325及び被保持部310の少なくとも一方がプラグ105の端子115を挟み込み、レセプタクルの端子160及びプラグの端子115に電気的接続を提供する。
【0032】
弾性腕部325は、
図3bに示されるように、ハウジング155の外側方向(端子160-3及び端子160-10であれば、それぞれ、Y又は-Y方向)に突出するように形成された接触部325-1を有していてもよい。接触部325-1の形状により、接触部325-1から内側被保持部310-3までのY軸上の長さがプラグの端子115のY軸上の長さより短くなることから、レセプタクルの端子160及びプラグの端子115が、より強固に密接する。他の実施例において、弾性腕部325は、Y軸の方向に突出してなくてもよい。
【0033】
プラグ105及びレセプタクル150が嵌合されていない状態において、接触部325-1の突出部分のZ軸上の高さにおける、接触部325-1及び湾曲被保持部310-2が形成する開放端(プラグの端子115が挿入される部分)のY軸上の長さは、プラグ105の端子115のY軸上の長さと同じ、又は短くすることができる。湾曲被保持部310-2が形成する開放端のY軸上の長さとプラグ105の端子115のY軸上の長さとの関係により、プラグ105及びレセプタクル150の端子同士の接触をより確実に行うことができる。
【0034】
基部320の少なくとも一部は、
図2bに示されるように、ハウジング155に覆われていない。本発明によるレセプタクルは、端子を形成する導電性部材と本体(ハウジング)を形成する絶縁性部材(例えば、樹脂)とを用いて一体成形(インサート成形)により作成される。一体成形において、端子などを金型に配置した後に、高温で液状となった樹脂を金型に流し込むことによって、レセプタクルが成形される。したがって、金型と端子とが接する部分が、レセプタクルの本体を形成する樹脂に覆われないこととなる。本実施例において、基板回路との実装部305及び/又はレセプタクルの底面で端子160が露出している部分(基部320の一部又は全部)は、金型と接する部分である。
【0035】
上記の説明から理解されるように、弾性腕部325は、プラグの端子115を収容することにより、曲げられることとなる。また、コネクタ組立体の嵌合は、繰り返し行われる。したがって、小型の電子装置に用いられる端子160は、強度が要求される。端子160は、その構造から理解されるとおり、幅方向(
図1、3におけるX軸の方向)の長さが長くなるほど、その強度は向上する。したがって、弾性腕部325において、最も力が掛かる部分の幅方向を最も長くすることにより、端子160の強度が向上させることができる。また、端子160全体の幅方向の長さを、弾性腕部325の幅方向の長さより短く、僅かに長く、又は同じにすることによって、端子160を幅方向で小型化することができる。さらに、このような端子160をコネクタに幅方向に複数配置した場合、端子160は、コネクタ自体の小型化にも寄与する。
[実施例1]
コネクタに用いられる端子
【0036】
図4aからgは、様々な角度から見た端子160を示す。端子160において、弾性腕部325は、起立部325-2から接触部325-1にかけて、幅方向の長さが短くなる肩部405を有する(
図4d)。弾性腕部325の肩部405により、接触部325-1の幅方向のサイズを小型化することができる。接触部325-1の小型化により、弾性力によって発生する力が接触部325-1の小さい面積部分に集中し、接触部325-1とプラグの端子115とが適切に接触することができる。肩部405は、
図4に示されるとおり、幅方向の距離を徐々に狭めるように、先細形態(又はテーパー状)で形成されてもよい。他の実施例において、肩部405は、基部320の底面と垂直な平面となるように形成されてもよい。実装部305及び被保持部310の連続部分(410)、さらに、湾曲被保持部310-2が外側被保持部310-1及び内側被保持部310-3に連続する接続部分(415、425)も、肩部405と同様の形状で、肩部として形成されてもよい。他の実施例において、肩部405、415、425は、無くてもよい。すなわち、端子160全体の幅方向の長さは全て同じにすることができる。
【0037】
図3b及び
図4から理解されるように、弾性腕部325の起立部325-2には、力がかかることから、端子の幅方向の長さが最も大きくなっている。また、端子160の他の部分(実装部305、被保持部310、基部移行部315、基部320、起立移行部326)の一部又は全部における幅方向の長さは、起立部325-2の幅方向の長さと同じであることが分かる。起立部325-2の幅方向の長さ最大であることにより、端子160の強度を向上させつつ、端子160の幅方向全体の長さを削減することができる。他の実施例において、端子160の起立部325-2の幅方向の長さは、端子160の他の部分における幅方向の長さより僅かに短くしてもよい。他の実施例において、端子160の起立部325-2の幅方向の長さは、端子160の幅方向の長さにおいて最大(言い換えると、端子160において、起立部325-2の幅方向の長さは、起立部325-2以外の部分の幅方向の長さと同じ、又は長い)としてもよい。したがって、端子160の幅方向の長さにおいて、起立部325-2の幅方向の長さは、おおよそ最大とすることができる。ここで、おおよそ最大とは、製造誤差を無視したとしても、起立部325-2の幅方向の長さが、起立部325-2以外の部分の幅方向の長さより大きい、又は同じであることを意味する。
【0038】
[実施例2]
端子を実装したコネクタ
図5aは、
図2aにおける配置において、上から見たレセプタクル150における端子160-13の部分を示す。
図5bは、端子160-13を示しており、
図5aにおいて示されている文字「B」で結ばれる線上の断面図であり、
図5a中に示される矢印方向から見た図を示す。
【0039】
図5a、
図5b及び
図3bに示されているとおり、ハウジング155の突部166は、弾性腕部収容部330-1を有する。弾性腕部収容部330-1により、弾性腕部325は、主にY軸上で動くことができる。弾性腕部収容部330-1は、ハウジング部材により形成され、ハウジング155の一部である第1の突部側壁505、突部端壁510及び第2の突部側壁515によって塞がれ、Z方向のXY平面及びY軸における実装部305側方向のXZ平面は塞がれていない。第1の突部側壁505、突部端壁510及び第2の突部側壁515は、それぞれ、隣合う端子との短絡を防止する。具体的には、端子160-13に関し、第1の突部側壁505、突部端壁510及び第2の突部側壁515は、それぞれ、端子160-12、160-6及び160-14との短絡を防止する。
【0040】
図5bから理解されるように、端子160-13の起立部325-2の幅方向(X軸の方向)の長さは、第1の突部側壁505の内側(端子160-13側)の平面から第2の突部側壁515の内側(端子160-13側)の平面への幅方向の長さと同じ、又は、僅かに短くすることができる。起立部325-2の幅方向の長さと、第1の突部側壁505と第2の突部側壁515と形成する幅方向の長さとの関係により、端子160と両側壁との間の空間を削減し、ハウジング155の幅方向の長さを削減することができる。また、起立部325-2の幅方向の長さは、基部320の幅方向の長さとおおよそ同じとすることができる。ここで、おおよそ同じとは、製造上の公差などを考慮した場合、同じであることを意味する。他の実施例において、起立部325-2の幅方向の長さは、基部320の幅方向の長さより僅かに短い、又は、僅かに長くてもよい。
【0041】
他の実施例において、弾性腕部325における起立部325-2以外の部分の一部又は全部の幅方向の長さは、起立部325-2の幅方向の長さと同じであってもよい。起立部325-2における、第1の突部側壁505側部分、及び第2の突部側壁515側部分は、それぞれ、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515に接していてもよい。例えば、一体成形により、金型に樹脂が流し込まれた場合、起立部325-2は、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515の少なくとも一方と密着又は接していてもよい。
【0042】
図6aは、端子160-13と、端子160を囲むハウジング155とを抜き出して示す。
図6bは、端子160-13及びハウジング155であり、
図6aにおいて示されている文字「C」で結ばれる線上の断面図であり、
図6a中に示される矢印方向から見た図を示す。
図6cは、
図6bにおける端子160-13及びハウジング155から、端子160-13を取り除いた状態を示す。
図6bにおいて、起立部325-2の第2の突部側壁515側部分が第2の突部側壁515と接している。
図6cにおいて、一体成形により、金型に樹脂が流し込まれると、起立部325-2と第2の突部側壁515との間にあった隙間に、樹脂が流れ込んでいるのが分かる(605の部分、
図7bも参照)。流れ込んだ樹脂により、起立部325-2の第2の突部側壁515側部分が第2の突部側壁515と接するようになる。本実施例において、起立部325-2の幅方向(X軸の方向)の長さは、第1の突部側壁505の内側(端子側)の平面から第2の突部側壁515の内側(端子側)の平面への幅方向の長さより僅かに短いことから、隙間に樹脂が流れ込んでいる。他の実施例において、第1の突部側壁505側部分においても、又は、第1の突部側壁505側部分のみにおいて、隙間に樹脂が流れ込んでもよい。他の実施例において、起立部325-2の幅方向(X軸の方向)の長さが、第1の突部側壁505の内側(端子側)の平面から第2の突部側壁515の内側(端子側)の平面への幅方向の長さと同じ場合、第1の突部側壁505の内側(端子側)の平面、及び第2の突部側壁515の内側(端子側)の平面は、面一で形成される。
【0043】
起立部325-2が第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と密着している場合、一度でもプラグ105及びレセプタクル150が嵌合されると、起立部325-2が第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515から剥がれてもよい。すなわち、プラグ105がレセプタクル150から抜き出されると、起立部325-2は、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と密着しなくなり、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と接している、又は、接することなく、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と対面することができる。例えば、プラグ105がレセプタクル150から抜き出された状態、すなわち、プラグ105とレセプタクル150とが嵌合していない状態では、起立部325-2の少なくとも一部は、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と密着しなくなり、すなわち、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と接している、又は、対面する。さらに、プラグ105がレセプタクル150から抜き出された後、プラグ105がレセプタクル150と再度嵌合され、それらが嵌合している間、すなわち、プラグ105がレセプタクル150と嵌合している状態では、起立部325-2は、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と密着しなくなる。
【0044】
図7aは、コネクタの斜視図であり、端子160-6、160-13と、端子160を囲むハウジング155とを抜き出して示す。
図7bは、
図7cにおける端子160及びハウジング155から、端子160を取り除いた状態を示す。
図7a及び
図7bも、
図6a、6b、及び6cと同様に、起立部325-2がハウジング155と、密着、接している、又は、対面していることを示す。
図7aから理解されるように、端子160-6の接触部325-1は、プラグの端子115を収容すると、-Y方向に変位し、さらに、レセプタクル150からプラグ105を外すと、Y方向に変位する。したがって、端子160がプラグの端子115を収容すると、接触部325-1がY軸上で変位し、これにより、起立部325-2もY軸上で変位する。起立部325-2の変位により、端子160-6における起立部325-2の一部は、第1の突部側壁505及び/又は第2の突部側壁515と密着しなるくなる(605の部分)。他の実施例において、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515の一方のみが、側壁から端子160側に流れ込んだ樹脂605を有していてもよい。
【0045】
図7bにおいて、ハウジング155の底部保持部321が示されている。
図7aも参照すると分かるように、底部保持部321は、基部320及び/又は起立移行部326を保持する。基部320が保持されると、レセプタクル150がプラグ105を収容するとき、底部保持部321は、端子160がZ軸の方向に変位することを制御する。起立移行部326が保持されると、レセプタクル150がプラグ105を収容するとき、底部保持部321により、起立移行部326が、接触部325-1がY軸の方向に変位するが、起立部325-2の一部(起立移行部326に近い部分)がZ軸及びY軸の方向に変位することが制御される。
【0046】
起立移行部326がハウジング155の底部保持部321と密着又は対面する部分、及び、起立移行部326及び起立部325-2がハウジング155の第1の突部側壁505又は第2の突部側壁515と密着又は対面する部分について、
図4aから4fを参照して、さらに説明する。
【0047】
起立移行部326は、基部320と起立部325-2との間に位置する。起立移行部326が底部保持部321と密着又は対面する部分は、斜線で表される起立移行部底面450で示される。起立移行部326及び起立部325-2が第1の突部側壁505又は第2の突部側壁515と密着又は対面する部分は、それぞれ、起立移行部側面460及び起立部側面465で示される。
【0048】
図4fから理解されるとおり、起立移行部326と基部320との境界は、起立部325-2の内壁(プラグが収容する側の壁)がもたらすYZ平面を基部320の底面まで-Z方向に延長させることにより、端子160の内部における起立移行部326と基部320との間に得られるYZ平面が境界となり、そして、起立移行部326と起立部325-2との境界は、基部320の内壁(プラグが収容する側の壁)がもたらすXY平面を起立部325-2の外壁(プラグが収容する側の壁の反対の壁)までY軸方向(例えば、端子が160-3及び160-10である場合それぞれ、-Y方向及びY方向に対応)に延長させることにより、端子160の内部における起立移行部326と起立部325-2との間に得られるXY平面が境界となる。
【0049】
起立移行部326がハウジング155の底部保持部321と密着する部分である起立移行部底面450は、ハウジング155の底面と平行であるXY平面と、第1の突部側壁505及び第2の突部側壁515と平行であるXZ平面と、XY平面及びXZ平面を連続させる局面とを含む。したがって、起立移行部底面450は、底部保持部321と密着することから、起立移行部326を、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一方で、底部保持部321に保持する。
【0050】
起立移行部側面460及び起立部側面465は、ハウジング155の第1の突部側壁505又は第2の突部側壁515と密着又は対面する部分である。一実施例において、第1の突部側壁505又は第2の突部側壁515と、起立移行部側面460及び起立部側面465の少なくとも一方との間に隙間がある場合、隙間にハウジング155の材料である樹脂が流れ込んでもよい(例えば、
図7bにおいて、流れ込んだ樹脂605が示されている)。
【0051】
他の実施例において、底部保持部321は、基部320及び起立移行部326の一方のみを保持してもよい。他の実施例において、底部保持部321は、起立移行部326と密着又は対面するだけでなく、起立部325-2の外壁面の一部を保持するようにしてもよい。起立部325-2は、Y軸方向で、より強固に底部保持部321に保持される。
【0052】
[変形例]
上記の実施例によるコネクタ組立体は、
図1に示されているように、プラグ105及びレセプタクル150の底面の端子115及び160を長手方向に1組として配置した端子アレイ2列を有する。しかしながら、これは例示であり、端子アレイは、1列又は3列以上でもよい。
【0053】
1列に配置された端子アレイにおける一部の端子を第1のグループの端子とする、又は、所定の列の数に配置された端子アレイ全てを第1のグループの端子とする場合、第1のグループの端子は、プラグ105及びレセプタクル150底面において、所定の方向に向けるように配置され、第1のグループの端子以外の他のグループの端子は、前記所定の方向以外の方向に向けて配置されてもよい。
【0054】
[その他]
特許請求の範囲に記載の「第1の軸」、「第2の軸」及び「第3の軸」は、明細書に記載の「X」軸、「Y」軸及び「Z」軸に該当する。また、特許請求の範囲に記載の「第1の軸の方向」、「第2の軸の方向」、「第3の軸の方向」は、例えば、明細書に記載の「幅方向」、「奥行方向」及び「高さ方向」に該当する。
【0055】
上記実施例において、プラグ105及びレセプタクル150は、絶縁性部材と端子を形成する導電性部材とを用いて一体成形により形成されているが、圧入などの他の方法により形成されてもよい。
【0056】
上記実施例において、プラグ105及びレセプタクル150は、少なくとも絶縁性部材と端子を形成する導電性部材とを用いて一体成形により形成されているが、当業者であれば理解できるように、プラグ105及びレセプタクル150は、他の部材を含めて一体成形されても良い。
【0057】
上記実施例において、プラグ105及びレセプタクル150の底面を、略長方形として示したが、これは例示であり、略正方形や略三角形などの他の形状でもよい。コネクタ組立体は、当該コネクタ組立体が用いられる電子装置に適した形状で形成される。
【0058】
上記実施例において、レセプタクル150が端子160を備えていたが、当業者であれば理解されるように、プラグ105が端子160を備えているように、コネクタ組立体が構成されていてもよい。
【0059】
以上に説明してきた各実施例に関し、各実施例の一部又は全部を組み合わせて一つの実施例として実現されてもよい。
【0060】
以上に説明してきた各実施例の要素の構造および配列は、例示にすぎない。各実施例について、当業者であれば、多くの変形を行うことが可能である。例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け配列、材料の使用、色、向きなどの変更がその一例である。
【0061】
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
100 :コネクタ組立体
105 :プラグ
110 :ハウジング
115 :端子
150 :レセプタクル
155 :ハウジング
160 :端子
165 :収容部
166 :突部
167 :第1の側壁
167-1 :外側壁
167-2 :内側壁
168 :第2の側壁
169 :第1の端壁
170 :第2の端壁
171 :補強金具
172 :底壁
305 :実装部
310 :被保持部
310-1 :外側被保持部
310-2 :湾曲被保持部
310-3 :内側被保持部
310-4 :段差部
315 :基部移行部
320 :基部
321 :底部保持部
325 :弾性腕部
325-1 :接触部
325-2 :起立部
326 :起立移行部
330 :端子収容部
330-1 :弾性腕部収容部
405 :肩部
415 :肩部
425 :肩部
450 :起立移行部底面
460 :起立移行部側面
465 :起立部側面
505 :第1の突部側壁
510 :突部端壁
515 :第2の突部側壁