(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022046985
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】燃料供給システム
(51)【国際特許分類】
B67D 7/06 20100101AFI20220316BHJP
【FI】
B67D7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152662
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 繁
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AB15
3E083AB20
3E083AD01
(57)【要約】
【課題】顧客サービスの向上を図るとともに、給油所における安全性の向上をはかった燃料供給システムを提供する。
【解決手段】管理装置端末70Xが携帯されていないことが給油管理装置30により検出された場合は、当該管理装置端末70Xが携帯されていないことを給油管理装置30および当該管理装置端末70Xにおいて報知する。そして、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間の無線通信接続を維持したまま、給油許可要求があった給油機10による給油作業の実行を許可操作する管理装置端末70Xと、給油許可要求があった給油機10に給油許可要求に応答して給油許可を出力する給油管理装置30との間での交信を規制する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給装置と、
前記燃料供給装置と通信接続され、前記燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する管理装置と、
前記管理装置と無線通信接続され、前記管理装置の装置端末としての携帯可能な管理装置端末と、
を備えた燃料供給所の燃料供給システムであって、
前記管理装置端末が携帯されているか否かを検出する端末携帯検出部と、
前記端末携帯検出部によって前記管理装置端末が携帯されていないことが検出されたときにこれを報知する報知部と
を有する燃料供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料供給システムであって、
前記端末携帯検出部によって前記管理装置端末が携帯されていないことが検出されたときに、前記管理装置端末と前記管理装置との間の無線通信接続を維持したままで、前記燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する前記管理装置端末と前記管理装置との間での交信を規制する通信制御部と
を有する燃料供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料供給システムであって、
前記燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する前記管理装置端末と前記管理装置との間で規制される交信には、
前記燃料供給装置から前記管理装置端末に供給された燃料供給許可要求に応答して、前記管理装置端末から前記燃料供給装置に供給する燃料供給許可の供給指示が含まれる、
燃料供給システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料供給システムであって、
前記端末携帯検出部は、
前記管理装置端末に備えられた、前記管理装置端末に加わる振動を検出する振動センサを含み、
前記管理装置端末に加わる振動が前記振動センサによって検出されなくなった予備状態で、前記管理装置端末に対して予め定められた所定操作が行われなかったことを検出して、前記管理装置端末が携帯されていないことを検出する、
燃料供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、顧客自身が燃料供給装置を操作して燃料供給作業を行うセルフサービス方式の燃料供給所に適用して好適な燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
セルフサービス方式の燃料供給システムでは、車両等の供給対象に対する燃料供給を、顧客自身が供給液種、供給液量等を設定し、燃料供給装置に備えられた燃料供給ノズルを操作して行う。
【0003】
セルフサービス方式の燃料供給システムの一例としてのセルフ給油システムでは、顧客自らが、給油作業設定器を操作して、これから供給対象に供給する油種、油量等の給油作業情報の設定を行い、給油ノズル(燃料供給ノズル)を給油機(燃料供給装置)のノズル掛けから取り外して、給油ノズルの吐出パイプを供給対象の給油口に挿入させた状態で操作レバーを開弁操作し、供給対象に対する燃料供給を行う。
【0004】
その際、給油機のノズル掛けから給油ノズルが取り外されると、給油機から、その設定された給油作業情報や、給油ノズルへの送液許可要求を含む給油許可要求が、管理装置(セルフ・サービス・コンソール、SSC)に対して送られる。
【0005】
作業監督者としての給油所係員は、顧客による上述した準備作業が誤りなく適確に行われていることを確認すると、管理装置によって、給油許可要求があった給油機に設定油種の給油ノズルへの送液を許可し、供給対象に対する給油(実際の燃料供給)を顧客自らの操作レバーの操作で開始できるようにする。
【0006】
一例として、特許文献1、2に記載されたセルフ給油システムでは、管理装置には、給油所係員が携帯可能な専用の操作端末(リモートコントローラ、ヘッドマウントディスプレイ装置からなる管理装置端末)が備えられている。操作端末は、管理装置と無線通信接続され、給油所に設置されている複数の給油機それぞれの作動状態(稼動状態)が表示される表示部と、給油機それぞれのポンプ等の送液機器の作動を許可して実際の給油開始(燃料供給開始)を許可する操作部と、を有する構成になっている。
【0007】
このような、携帯可能な操作端末を有する管理装置を備えたセルフ給油システムでは、給油所係員は、操作端末を携帯していれば、給油機から給油許可要求が発せられても、管理装置が設置された事務所まで戻ったりせずにその場に居ながら操作端末を操作し、給油許可要求があった給油機に対して給油許可を発信し、顧客がノズル掛けから取り外した給油ノズルに対応する送液機器の作動を許可することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000-335696号公報
【特許文献2】特開2018-52570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
管理装置の操作端末は、通常、給油機から発せられた給油許可要求に対し、顧客による準備作業を現場で安全確認した後に給油許可を迅速に発信するために専ら使用される。ところが、従来のセルフ給油システムでは、操作端末が携帯可能であっても、例えば、給油所係員が操作端末を適当な場所に放置してしまった場合は、給油許可要求があったとしてもこれに気づくことができず、この結果、顧客の給油許可待ちの状態、換言すれば、給油許可要求の発信後の給油機での管理装置からの応答待ち状態が続いてしまうということがある。
【0010】
さらに、緊急事態が発生した場合は、その場で操作端末を操作して給油機の作動を停止させる等の的確な対応が迅速にできないため、顧客サービス上だけではなく、給油所における安全上も好ましくなかった。
【0011】
本開示は上記した課題を解決するものであって、燃料供給所の係員に、操作端末を常時携帯するように促して、顧客サービスの向上を図るとともに、燃料供給所における安全性の向上をはかった燃料供給システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示に係る燃料供給システムは、燃料供給装置と、前記燃料供給装置と通信接続され、前記燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する管理装置と、前記管理装置と無線通信接続され、前記管理装置の装置端末としての携帯可能な管理装置端末と、を備えた燃料供給所の燃料供給システムであって、前記管理装置端末が携帯されているか否かを検出する端末携帯検出部と、前記端末携帯検出部によって前記管理装置端末が携帯されていないことが検出されたときにこれを報知する報知部と、を有する。さらに、前記管理装置端末と前記管理装置との間の無線通信接続を維持したままで、前記燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する前記管理装置端末と前記管理装置との間での交信を規制する通信制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、管理装置端末が携帯されていないことが端末携帯検出部により検出された場合は、これを報知部から報知するので、燃料供給所の係員が管理装置端末を常時携帯することを励行できる。さらに、管理装置端末を携帯しないで放置すると、通信制御部が管理装置端末と管理装置との間の無線通信接続を維持したまま、燃料供給装置による燃料供給作業の実行を管理する管理装置と管理装置端末との間での交信が規制されるので、燃料供給所の係員は一層、管理装置端末を放置し難くなる。
【0014】
これにより、管理装置端末を放置しようとする燃料供給所の係員に対して管理装置端末を携帯するように促すことにより管理装置端末は燃料供給所の係員に確実に携帯されることになり、燃料供給の許可要求(給油許可要求)の発生を迅速に認識することができる。また、緊急事態が発生した場合も、その場で管理装置端末を操作して的確な対応を行い得るようになり、顧客サービスおよび燃料供給所における安全性が向上する。
【0015】
また、本開示の上記した以外の、課題、構成および効果については、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示に係る燃料供給システムの一実施例としてのセルフ給油システムの全体構成図である。
【
図2】給油機の給油機制御装置が給油機各部を制御して行う給油機制御を表したフローチャートである。
【
図3】給油管理装置が実行する管理装置端末との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【
図4】給油管理装置が実行する管理装置端末との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【
図5】給油管理装置が実行する管理装置端末との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【
図6】各管理装置端末が実行する給油管理装置との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【
図7】各管理装置端末が実行する給油管理装置との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【
図8】本実施例のセルフ給油システムによる給油管理制御の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示に係る燃料供給システムの一の実施形態について、図面に基づいて説明する。説明では、本開示に係る燃料供給システムを、顧客自身が給油機の給油ノズルを操作して車両等の供給対象に対する給油作業を行うセルフサービス方式の給油所に適用した場合のセルフ給油システムを例に説明する。なお、本開示に係る燃料供給システムが適用されるセルフサービス方式の燃料供給所は、セルフサービス方式の給油所に限られるものではなく、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、圧縮水素ガス等といった燃料ガスのセルフサービス方式の燃料供給所等にも適用可能である。
【0018】
図1は、本開示に係る燃料供給システムの一実施例としてのセルフ給油システムの全体構成図である。
【0019】
図示の例では、セルフ給油システム1は、セルフサービス給油方式に適用可能な複数の給油機10(10-1~10-4)と、これら給油機10それぞれの給油作業管理を行う給油管理装置30とを有する。各給油機10と給油管理装置30は、給油所内のSS-LAN(Service Station - Local Area Network)6を介して通信接続され、各給油機10と給油管理装置30との間では、各種指示および各種情報データの交信が可能になっている。
【0020】
給油機10は、給油機筐体11内に、ポンプ等の送液機器、流量計等の流量計測機器、給油機各部の作動制御や給油量の演算を行う給油機制御装置を収容している。給油機筐体11からは、先端に給油ノズル13を有するホース12が延設され、ホース12に基端側は、給油機筐体11内の流量計の流出側と連通されている。
【0021】
給油ノズル13には、操作レバーの操作に応動して開閉弁し、車両等の供給対象内における燃料油液の液面がノズル先端の吐出パイプに達すると操作レバーの操作位置にかかわらず閉弁する自動閉弁機構が備えられている。給油ノズル13は、給油機筐体11に設けられたノズル掛け14に対して取り出し・収納自在になっており、給油作業が行われていない間はノズル掛け14に収納される。
【0022】
給油機10は、ポンプ等の送液機器の作動によって、図示せぬ地下タンク(貯液タンク)から燃料油液を汲み上げる。汲み上げられた燃料油液は、流量計を介して、ホース先端の給油ノズル13に向けて送液される。
【0023】
給油作業者である顧客は、給油ノズル13をノズル掛け14から取り出して、その吐出パイプを車両等の供給対象の給油口(燃料補給口)に挿入し、操作レバーを開弁操作して、供給対象に対する燃料供給を行う。
【0024】
その際における給油量(燃料油液の給液量)は、流量計に付設された流量発信器から出力される流量パルス信号を基に給油機制御装置によって演算され、給油機筐体11に設けられた表示器15に表示される。
【0025】
図示の例では、給油機10は、例えばハイオク、レギュラー、軽油といった供給液種の違いに対応させて、ホース12、給油ノズル13およびノズル掛け14が、給油機筐体11の前面に複数設けられた構成になっている。また、図示せぬ給油機筐体11の後面にも、ハイオク、レギュラー、軽油といった供給液種の違いに対応させて、ホース12、給油ノズル13およびノズル掛け14が同様に複数設けられた構成になっている。表示器15も同様に給油機筐体11の前・後面にそれぞれ設けられた構成になっている。これにより、図示の給油機10の場合は、給油機筐体11の前面側と後面側とで別々の供給対象に対する給油作業を、独立にかつ並行して行うことが可能な構成になっている。
【0026】
これに伴い、給油機筐体11内のポンプおよび流量計といった機器は、供給液種の違いや、給油機筐体11の前・後面側それぞれで所望液種についての給油作業を可能にすべく給油機筐体11に備えられた給油ノズル13の数(給油系統の数に該当)に応じて、給油機筐体11内に複数収容された構成になっている。
【0027】
すなわち、図示の例の給油機10‐n(ただし、nは1~4のうちの何れか1つの整数)の場合は、給油機筐体11の前面,後面にそれぞれ一つの給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)E(En1,En2)が構成され、各給油作業エリアEn1,En2には、ハイオク、レギュラー、軽油といった3つの給油系統が設けられた構成になっている。各給油作業エリアEn1,En2では、給油機制御装置が3つ給油系統それぞれのポンプ等の送液機器をはじめとする給油機各部を作動制御することによって、これらハイオク、レギュラー、軽油といった複数の油種の中から選択された所望の油種の燃料油液を、該当油種の給油ノズル13を操作して車両等の供給対象に対して給油できるようになっている。
【0028】
なお、1台の給油機10‐nの給油作業エリアEn1,En2間では、供給液種が同じ給油系統それぞれのポンプについては共用することも可能である。しかし、図示のセルフ給油システム1の説明では、後述する給油機制御装置による給油機制御についての理解を簡便にするため、供給液種が同じ複数の給油系統同士であっても各給油系統が個別にポンプを備えているものとして、以降では説明する。
【0029】
また、図示の例では、給油機10はセルフサービス方式の給油所に適用されるため、給油機10‐nには、給油作業エリアEn1,En2毎に対応させて、設定器16等の作業者としての顧客が操作するセルフサービス適応装置が、給油機筐体11の前面,後面それぞれに、給油機筐体11に一体的に設けられている。
【0030】
設定器16は、給油作業者である顧客が給油ノズル13をノズル掛け14から取り出して給油作業を開始するに当たって、供給対象に供給する燃料油液の液種(例えば、ハイオク,レギュラー,軽油といった油種)および液量(例えば、満タンあるいは所望のプリセット量やプリセット金額)を設定入力するセルフサービス適応装置である。設定器16で設定入力された情報は、給油機制御装置に供給される。
【0031】
給油機10の給油機制御装置では、設定器16により設定入力された液種、液量といった設定情報を基に、これから給油ノズル13を操作して開始される給油作業の給油作業情報が作成される。給油作業情報は、給油機10や給油作業で使用される給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eの識別情報が付加されて、SS-LAN6を介して、給油機10から給油管理装置30に送信される。
【0032】
なお、図示の例では、設定器16は、給油機10毎に給油機筐体11に一体的に設けた構成としたが、給油機筐体11とは別個の、複数の給油機10に対応させたセルフサービス適応ユニット機器として、SS-LAN6に接続して設けることも可能である。設定器16を複数の給油機10や複数の給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eで共用する場合は、顧客は、給油作業情報として、給油作業に用いる給油機10や給油作業エリアEの番号等の識別情報も設定入力することになる。
【0033】
給油管理装置30は、通常、給油所事務所3内に設置されている。給油管理装置30は、SS-LAN6に接続され、各給油機10とともに給油所内ネットワークを構成している。給油管理装置30は、いわゆるセルフサービス・ステーション・コントローラ(Self-service Station controller、SSC)に該当する。
【0034】
給油管理装置30は、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される、給油作業を開始するに当たって設定器16で設定された給油作業情報、給油開始(給油ノズルへの送液開始)の許可要求、および給油作業の終了時に作成される給油結果情報を受信し、給油所における顧客自身による給油機10を用いたセルフサービス方式の給油作業の実行管理を行う。給油開始の許可要求(燃料供給の許可要求)は、設定器16で設定された給油作業情報で特定される給油系統個別に、すなわち給油作業エリアE(燃料供給作業ポイント)毎の給油ノズル13個別に行われる。なお、以下では、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される、給油作業を開始するに当たって設定器16で設定された給油作業情報と給油開始の許可要求とを合わせたもののことを、給油許可要求(燃料供給の許可要求)と総称することもある。
【0035】
給油管理装置30は、各給油機10の作動状態について、例えば、各給油機10からSS-LAN6を介して送信される給油作業情報、給油開始の許可要求、給油結果情報の受信に基づき、給油機10の給油作業受付状態、給油許可待ち状態、給油作業終了状態(待機状態)を判別する。また、給油管理装置30は、各給油機10にSS-LAN6を介して送信する起動/停止指示、給油許可、緊急停止に基づき、給油機10の起動/停止状態、給油中状態(送液作動状態)、給油禁止状態(緊急停止状態)を判別する。そして、給油管理装置30は、その記憶部に、これら判別した給油機10それぞれの作動状態を、給油機10毎またはその給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)E毎に逐次、更新記憶する。
【0036】
その際、給油管理装置30の表示部には、給油機10それぞれの現在のまたは最新の作動状態が表示される。給油所係員は、給油管理装置30の操作部を操作して、給油許可要求を受信した給油許可待ち状態にある給油機10に対して給油開始の許可を行ったり、対象の給油機10を選択して給油禁止状態(緊急停止状態)にしたりできる。この場合、給油開始の許可とは、顧客が操作レバーを開弁操作すれば給油ノズル13から燃料吐出できるように、対応する給油機10の給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eについて、設定油種に係るポンプ等の送液機器の作動を許可することを指す。また、給油禁止とは、給油機10の作動状態が、給油ノズル13がノズル掛け14から取り外されている給油作業中状態であるか、給油ノズル13がノズル掛け14に収納されている、給油作業が行われていない待機状態であるかにかかわらず、所定の復帰操作が行われるまで、対応する給油機10-nの給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)En(En1,En2)について、ポンプ等の送液機器の作動を禁止することを指す。これら給油開始の許可や給油の禁止は、給油管理装置30からSS-LAN6を介して、対象の給油機10宛に送信される。
【0037】
その上で、本実施例では、給油管理装置30には、携帯可能な管理装置端末(SSC端末)70が、それぞれ給油管理装置30と無線通信接続されて複数備えられている(図示の例では、3台)。この場合、各管理装置端末70は、給油管理装置30の上述した操作部および表示部と同様に、画面操作部71によって、給油許可要求を受信して許可待ち状態にある給油機10に対して給油開始の許可を行ったり、対象の給油機10を選択して給油禁止状態(緊急停止状態)にすることができ、給油機10それぞれの現在のまたは最新の作動状態を表示することもできる。
【0038】
管理装置端末70は、給油管理装置30専用の無線端末機器に限られるものではなく、給油管理装置30との通信接続が可能な携帯通信装置であるならば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたタブレット型コンピュータ、等といった携帯可能な汎用の移動体通信端末機器を、管理装置端末70として機能させることも可能である。
【0039】
そのため、給油管理装置30には、管理装置端末70と通信可能な無線通信部35が備えられている。無線通信部35は、給油所内のSS-LAN(Service Station - Local Area Network)6のWi-Fiルータとして構成され、管理装置端末70は、無線通信部35を介して、給油管理装置30と直接通信接続され、SS-LANの給油管理装置30以外のSS-LAN接続機器(図示省略。例えば、POS端末機、伝票発行装置、釣銭機、給油作業監視装置等といったセルフサービス適応装置)とも、無線通信部35および給油管理装置30を介して、通信接続可能になっている。
【0040】
次に、本実施例のセルフ給油システム1で、顧客自身が給油機10-n(この場合、nは1~4のうちの何れか1つ)の給油ノズル13を自ら操作して、当該給油機10-nの対応する給油作業エリアE(この場合、給油作業エリアEn1,En2のうちの何れ1つの給油作業エリアE)で給油作業を行う場合に、給油機10-nの給油機制御装置が給油機各部を制御して行う給油機制御について、
図2に基づいて説明する。
【0041】
図2は、給油機の給油機制御装置が給油機各部を制御して行う給油機制御を表したフローチャートである。
【0042】
セルフ給油作業を行うに当たって、作業者である顧客は、給油作業を行う給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eに対応した給油機10-nの、給油機筐体11の前面(すなわち、給油作業エリアEn1側)若しくは後面(すなわち、給油作業エリアEn2側)のうちの給油作業を行うエリア側の所望の設定器16を操作して、供給対象に供給する燃料油液の液種(例えば、ハイオク、レギュラー、軽油といった油種)および液量(例えば、満タン或いは所望のプリセット量やプリセット金額)を設定入力する(SD010)。
【0043】
給油機制御装置は、設定器16により設定入力された液種、液量といった情報を基に、これから当該設定器16に対応する給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)Eで給油ノズル13を操作して開始する給油作業の給油作業情報を作成する。給油機制御装置は、作成した給油作業情報を、SS-LAN6を介して、給油機10-nから給油管理装置30に送信する。
【0044】
そして、給油機制御装置は、顧客により当該設定器16に対応する給油作業エリアEの給油ノズル13がノズル掛け14から取り出されたことを、ノズル掛け14に設けられたノズルスイッチの出力に基づいて検出すると(SD020)、SS-LAN6を介して、この給油作業エリアEでの給油機10-nによる、設定液種および液量に係る給油作業の給油許可要求を給油管理装置30に送信する(SD030)。
【0045】
その後、給油機制御装置は、給油許可要求に対する当該給油機10-nの給油許可を給油管理装置30から受信すると(SD040)、当該給油作業エリアEの設定液種に対応する給油系統のポンプ等の送液機器を作動して(SD050)、給油ノズル13への燃料油液の供給を開始する。
【0046】
したがって、給油機10-nでは、給油機制御装置のこれら一連の処理によって、供給対象の給油口に給油ノズル13の筒先が挿入された状態で、供給対象の給油口に筒先が挿入された給油ノズル13が顧客により開弁操作されることで、供給対象に対する実際の給油が開始される。
【0047】
このようにして供給対象に対する実際の給油が開始されると、給油機制御装置は、当該給油作業エリアEの設定液種に対応する給油系統の流量計に付設された流量発信器から出力される流量パルス信号を基に、給油量を演算して表示器15に表示するとともに(SD060)、逐次、SS-LAN6を介して、現在の給油量を給油管理装置30に送信する。また、給油機制御装置は、この給油量計測・表示処理の実行と並行して、管理装置端末70からの給油許可を受信した後には、供給対象に対する給油を終了するか否かの確認も行っている(SD070)。
【0048】
この場合、給油終了の確認としては、例えば、ノズル戻し、制限量/制限時間到達、設定給油量の給油完了、緊急停止信号の入力、緊急停止ボタンの操作、等がある。
【0049】
具体的に、「ノズル戻し」は、顧客によってノズル掛け14から一旦取り出された給油ノズル13が、顧客によって再びノズル掛け14に収納されることに該当する。「制限量/制限時間到達」は、供給対象に対する給油量が予め設定されている制限量に達したり、ノズル掛け14から給油ノズル13が取り出されたままの経過時間が予め設定されている制限時間に至ることに該当する。「設定給油量の給油完了」は、供給対象に対する給油量が、顧客が給油に際して予め設定器16で設定したプリセット値の給油量や給油金額に達することに該当する。「緊急停止信号の入力」は、給油管理装置30からの緊急停止信号を受信すること該当する。「緊急停止ボタンの操作」は、給油機10-nに設けられた緊急停止ボタンが操作されることに該当する。
【0050】
給油機制御装置は、このようにして給油終了を検出すると(SD070、YES)、当該給油作業エリアEの設定液種に対応する給油系統のポンプ等の送液機器を作動停止する(SD080)。そして、ノズル掛け14に設けられたノズルスイッチの出力を監視し、顧客によって取り出された状態の給油ノズル13がノズル掛け14に再び収納され、顧客による供給対象に対する給油作業が終了したか否かについて検出する(SD090)。
【0051】
給油機制御装置は、このようにして給油作業エリアE(この場合は、給油作業エリアEn1またはEn2のうちの所望の一方)での給油機10-nによる給油作業終了を検出すると(SD090、YES)、給油量に基づいて今回の給油作業に係る実際の給油量、給油金額等の給油結果情報を生成する。そして、その給油結果情報を、SS-LAN6を介して、給油管理装置30や、給油管理装置30と同様にSS-LAN6と通信接続されているPOS端末機等のセルフサービス適応装置に対して送信する(SD100)。
【0052】
そして、本実施例のセルフ給油システム1では、上述した給油機制御が行われる各給油機10(10-1~10-4)の各給油作業エリア(燃料供給作業ポイント)E(En1,En2)での給油作業を、給油管理装置30は、給油所係員それぞれが携帯する管理装置端末70を利用して、管理制御できるようになっている。より具体的には、給油管理装置30は、給油作業情報、給油開始の許可要求、給油結果情報のそれぞれ受信に基づいて、給油開始の許可要求があったときには、許可要求があった給油エリアEの給油機10の給油ノズル13への送液を管理装置端末70で給油作業情報に基づいて許可操作できるように制御し、緊急事態が生じたときには、給油機10の作動を管理装置端末70で緊急停止操作できるように制御し、顧客による給油作業の終了があったときには、これを管理装置端末70で確認できるように制御することで、給油作業エリアE毎の給油機10の作動制御を行い、複数の給油機10が備えられている給油所全般の給油管理制御を行う構成になっている。
【0053】
その際、本実施例のセルフ給油システム1では、給油管理装置30は、給油作業エリアE毎の給油機10に対する作動制御を含む給油所全般の給油管理制御と並行して、
図3~
図5に示すような管理装置端末70との間の通信状態確認制御を行い、また、各管理装置端末70も、自身の給油管理装置30の管理装置端末70としての管理装置機能制御と並行して、
図6に示すような給油管理装置30との間の通信状態確認制御を行う。
【0054】
そのために、本実施例のセルフ給油システム1では、給油管理装置30は、管理装置端末70が携帯されているか否かを管理装置端末側の端末携帯検出部と協働して検出する給油管理装置側の端末携帯検出部と、管理装置端末70との通信状態を制御可能な、管理装置端末70との無線通信制御部とを備え、管理装置端末70は、管理装置端末70が携帯されているか否かを給油管理装置側の端末携帯検出部と協働して検出する管理装置端末側の端末携帯検出部と、給油管理装置30との間の通信状態を制御可能な、給油管理装置30との無線通信制御部とを備えている。
【0055】
加えて、本実施例のセルフ給油システム1では、給油管理装置30の無線通信制御部は、管理装置端末70との間の通信状態が逐次更新記憶される通信状態記憶部、管理装置端末70との間の交信状態が逐次更新記憶される交信状態記憶部、等の状態記憶部を有し、管理装置端末側の端末携帯検出部は、管理装置端末70に加わる外部振動を検出する振動センサを有する。
【0056】
ここで、まず、給油管理装置30において、給油管理装置側の端末携帯検出部および無線通信制御部によって実行される管理装置端末70との間の通信状態確認制御について、
図3~
図5に基づいて説明する。
【0057】
図3~
図5は、給油管理装置が実行する管理装置端末との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【0058】
給油管理装置30は、各管理装置端末70との間の通信状態確認制御を開始するに当たって、無線通信部35を介して給油管理装置30に接続されている管理装置端末70の接続数Xの初期値(X=1)を設定する(ステップSM100)。これにより、給油管理装置30は、
図3~
図5に示す、管理装置端末との間の通信状態確認制御を開始する際には、まず接続番号がX=1の管理装置端末70Xについて、ステップSM200~SM830で示した通信状態確認制御処理を行うことになる。
【0059】
通信状態確認制御処理では、給油管理装置30は、まず、管理装置端末70Xとの間が無線通信接続状態になっているか、無線通信接続が切断された無線通信切断状態になっているかの確認を行う(SM200)。この場合、無線通信接続状態は、管理装置端末70Xが電源投入されている状態で無線通信部35による無線通信圏内に位置し、給油管理装置30が管理装置端末70Xと無線通信接続または無線通信接続可能になっている状態に該当する。これに対し、無線通信切断状態は、管理装置端末70Xが電源投入されている状態で無線通信部35による無線通信圏外に位置する無線通信圏外状態や、無線通信圏の内外に関係なく管理装置端末70Xの電源が投入されていない端末電源切断状態に該当する。
【0060】
そして、給油管理装置30は、管理装置端末70Xとの間が無線通信接続状態になっている場合は(SM200、YES)、ステップSM300~SM830で示す接続時状態確認制御処理を行い、管理装置端末70Xとの間が無線通信切断状態になっている場合は、ステップSM210~SM240で示す切断時状態確認制御処理を行う。
【0061】
まず、切断時状態確認制御処理では、給油管理装置30は、管理装置端末70Xとの間が無線通信接続状態になっているか、または無線通信切断状態になっているかを記憶する通信状態記憶部の記憶情報WiFi(X)が、例えばWiFi(X)=1で無線通信接続状態が記憶されているか、WiFi(X)=0で無線通信切断状態が記憶されているかのいずれであるかについて確認を行う(SM210)。
【0062】
そして、このステップSM210の確認で、通信状態記憶部における管理装置端末70Xについての記憶情報WiFi(X)がWiFi(X)=1で、未だ無線通信接続状態が記憶されている場合は、給油管理装置30は、無線通信切断状態を示す記憶情報WiFi(X)=0に更新記憶し、表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示を無線通信切断状態にする(SM220)。また、給油管理装置30は、自身の無線通信制御部に設けられている、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時をストップし(SM230)、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時もストップする(SM240)。
【0063】
これに対し、ステップSM210での確認で、通信状態記憶部における管理装置端末70Xについての記憶情報WiFi(X)がWiFi(X)=0で、既に無線通信切断状態が反映記憶されている場合は、給油管理装置30は、ステップSM220~SM240の処理は既に実行済であるので行わずに、ステップSM210~SM240で示した切断時状態確認制御処理を終了する。
【0064】
これにより、給油管理装置30では、管理装置端末70Xとの間の無線通信切断状態が検出された際には、通信状態記憶部には、管理装置端末70Xとの間の無線通信状態が、無線通信切断状態(WiFi(X)=0)であることが記憶され、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)および「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)それぞれの時間計時が、無線通信切断状態(WiFi(X)=0)の間はストップすることになる。また、給油管理装置30の表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示は、無線通信切断状態を示した表示になる。
【0065】
なお、図示の例では、「携帯中通知」の受信待ちタイマーT1(X)を1分タイマーとし、「所持報告通知」の受信待ちタイマーT2(X)を30秒タイマーとしたが、「携帯中通知」の受信待ちタイマー時間t1(X)および「所持報告通知」の受信待ちタイマー時間t2(X)は、実施例の1分および30秒に限られる必要はなく、それぞれが任意の時間に設定変更可能であってもよい。また、複数の管理装置端末70X(70-1~70-n)同士の間でも互いに時間t1(X),t2(X)それぞれを異ならせるようにしてもよい。
【0066】
そして、給油管理装置30は、管理装置端末70XについてのステップSM210~SM240で示した切断時状態確認制御処理を終えると、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900で、ステップSM200~SM830で示した通信状態確認制御処理を行う対象の管理装置端末70Xを次の管理装置端末70Xに更新変更する。また、給油管理装置30は、ステップSM910で、接続番号Xが最後のX=nの管理装置端末70Xについて、ステップSM200~SM830で示した通信状態確認制御処理を終えたと判断したならば、ステップSM100~SM830で示した今回の通信状態確認制御を終了する。その上で、ステップSM100~SM830で示した通信状態確認制御は、給油管理装置30の稼動中、給油所全般の給油管理制御と並行して、適宜タイミングで繰り返し実行される。
【0067】
一方、ステップSM200の確認で管理装置端末70Xとの間が無線通信接続状態になっている場合の、ステップSM300~SM830で示す接続時状態確認制御処理では、給油管理装置30は、まずステップSM300で、管理装置端末70Xとの間が無線通信接続状態になっているか、または無線通信切断状態になっているかを記憶する通信状態記憶部の記憶情報WiFi(X)が、例えばWiFi(X)=1で無線通信接続状態が記憶されているか、WiFi(X)=0で無線通信切断状態が記憶されているか、について確認を行う。
【0068】
そして、このステップSM300の確認で、通信状態記憶部における管理装置端末70Xについての記憶情報WiFi(X)がWiFi(X)=0で、未だ無線通信切断状態が記憶されている場合は、給油管理装置30は、無線通信接続状態を示す記憶情報WiFi(X)=1に更新記憶し、表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示を無線通信接続状態を示した表示にする(SM310)。また、給油管理装置30は、自身の無線通信制御部に設けられている、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時をリセット・スタートする(SM320)。加えて、給油管理装置30の表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示は、無線通信接続状態を示した表示になる。
【0069】
これに対し、ステップSM300の確認で、通信状態記憶部における管理装置端末70Xについての記憶情報WiFi(X)がWiFi(X)=1で、既に無線通信接続状態が記憶されている場合は、給油管理装置30は、ステップSM310,SM320の処理を行わず、ステップSM400の処理に進む。
【0070】
ステップSM300~SM830で示す接続時状態確認制御処理では、ステップSM300~SM320で示した処理を行って通信状態記憶部の記憶情報WiFi(X)の適合をはかると、給油管理装置30は、管理装置端末70Xとの間が交信可能状態になっているか、または交信できる内容が交信可能状態に対して規制されている交信規制状態になっているかを記憶する交信状態記憶部の記憶情報C-WiFi(X)が、例えばC-WiFi(X)=1で交信可能状態が記憶されているか、C-WiFi(X)=0で交信規制状態が記憶されているか、について確認を行う(SM400)。
【0071】
そして、給油管理装置30は、ステップSM400の確認に基づいて、交信状態記憶部における管理装置端末70Xについての記憶情報C-WiFi(X)がC-WiFi(X)=1で、管理装置端末70Xとの間が交信可能状態になっている場合は(SM400、YES)、ステップSM500~SM830で示す交信可能時状態確認制御処理を行い、管理装置端末70Xについての記憶情報C-WiFi(X)がC-WiFi(X)=0で、管理装置端末70Xとの間が交信規制状態になっている場合は(SM400、NO)、ステップSM410,SM420で示す交信規制時状態確認制御処理を行う。
【0072】
まず、ステップSM500~SM830で示す交信可能時状態確認制御処理では、給油管理装置30は、
※ 管理装置端末70Xからの「携帯中通知」を受信しているか否かの確認(SM500)、
※ 管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分を超えているかの確認(SM600)、
※ 管理装置端末70Xからの[所持報告通知」を受信しているか否かの確認(SM700)、
※ 管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時値が30秒を超えているかの確認(SM800)、
を行って、
※ 管理装置端末70Xからの「携帯中通知」を受信していることを確認すると(SM500、YES)、ステップSM510,SM520で示す携帯中通知受信時処理を、
※ 管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分を超えていることを確認すると(SM600、YES)、ステップSM610~SM640で示す「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理を、
※ 管理装置端末70Xからの「所持報告通知」を受信していることを確認すると(SM700、YES)、ステップSM710~SM750で示す所持報告通知受信時処理を、
※ 管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時値が30秒を超えていることを確認すると(SM800、YES)、ステップSM810~SM830で示す「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)のカウントアップ達成処理、
を行うようになっている。
【0073】
ここでは、管理装置端末70Xからの「携帯中通知」を受信していることを確認した場合の(SM500、YES)、ステップSM510,SM520で示す携帯中通知受信時処理について、まず説明する。
【0074】
携帯中通知受信時処理では、給油管理装置30は、管理装置端末70Xからの「携帯中通知」を受信していることを確認すると(SM500、YES)、無線通信制御部の状態記憶部における所持確認記憶部に管理装置端末70Xについて「所持確認の問合せ中」が記憶されていて「所持確認の問合せ中」であるか否かについて確認する(SM510)。
【0075】
給油管理装置30は、ステップSM510で、管理装置端末70Xについて「所持確認の問合せ中」であることを確認すると(SM510、YES)、管理装置端末70XについてステップSM600,SM700,SM800に示した確認のうちのいずれかを行う。これに対し、給油管理装置30は、ステップSM510で、管理装置端末70Xについて「所持確認の問合せ中」ではないことを確認すると(SM510、NO)、ステップSM520で、自身の無線通信制御部に設けられている、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時をリセット・スタートして時間計時を開始する。
【0076】
そして、給油管理装置30は、接続番号がXの管理装置端末70XについてのステップSM510,SM520で示す携帯中通知受信時処理を終えると、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0077】
したがって、給油管理装置30では、無線通信接続状態(WiFi(X)=1)になっている管理装置端末70Xについて(SM200、YES)、管理装置端末70Xとの間が交信可能状態(C-WiFi(X) =1)になっていることが確認されると(SM200、YES)、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時は、ステップSM510,SM520で示す携帯中通知受信時処理によって、管理装置端末70Xについて「所持確認の問合せ中」でなければ(SM510、NO)、交信可能状態(C-WiFi(X) =1)の管理装置端末70Xからの「携帯中通知」を受信する毎に(SM510、YES)、リセット・スタートされることになる(SM520)。
【0078】
ここで、SM510の確認で「所持確認の問合せ中」でないこと(SM510、NO)は、管理装置端末70Xについて、「携帯中通知」を前回受信してから1分よりも短いインターバルで新たな「携帯中通知」を受信できている場合に該当する。また、ステップSM520で「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)がリセット・スタートされることは、管理装置端末70Xについて、前回「携帯中通知」を受信したときから1分経過しないうちの新たな「携帯中通知」の受信によって(SM510、YES)、タイマーT1(X)によるそれまでの1分未満の時間計時値がリセットされ、タイマーT1(X)による新たな1分の計時が同様にして今回の新たな「携帯中通知」の受信から開始されることに該当する。
【0079】
続いて、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分を超えていることを確認した場合の(SM600、YES)、ステップSM610~SM640で示す受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理について、説明する。
【0080】
給油管理装置30は、ステップSM600で、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分以上になっていることを確認すると(SM600、YES)、ステップSM610~SM640で示す「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理を行う。これに対し、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分未満であることを確認すると(SM600、YES)、ステップSM610~SM640で示す「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理は行わずに、管理装置端末70Xについて、ステップSM700,SM800で示した確認を行う。
【0081】
管理装置端末70Xについての、ステップSM610~SM640で示した受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理では、給油管理装置30は、所持確認記憶部に「所持確認の問合せ中」が記憶されていて「所持確認の問合せ中」であるか否かについて、まず確認する(SM610)。
【0082】
給油管理装置30は、管理装置端末70Xについて、ステップSM610で「所持確認の問合せ中」であることを確認すると(SM610、YES)、管理装置端末70Xについて、ステップSM620~SM640に示す「所持確認」受信の準備処理は行わずに、ステップSM700,SM800で示した確認を行う。
【0083】
これに対し、給油管理装置30は、ステップSM610で「所持確認の問合せ中」ではないことを確認すると(SM610、NO)、ステップSM300~SM320の処理で無線通信接続状態(WiFi(X)=1)になっており、ステップSM400で交信可能状態(C-WiFi(X) =1)になっていることを確認してある管理装置端末70Xに対して、ステップSM620~SM640に示す管理装置端末70Xについての「所持確認」の受信準備処理を行う。
【0084】
この「所持確認」の受信準備処理では、給油管理装置30は、自身の無線通信制御部に設けられている、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時をストップする(SM620)。これにより、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の計時値は、ステップSM600で確認した1分以上の確認値がタイマーT1(X)のリセット時まで保持されることになる。
【0085】
それから、給油管理装置30は、管理装置端末70Xに「所持確認の問合せ」を無線送信して管理装置端末70Xが給油所係員によって所持されているか否かについての確認を指示し、所持確認記憶部に、管理装置端末70Xについて「所持確認の問合せ中」であることを記憶する(SM630)。
【0086】
そして、給油管理装置30は、管理装置端末70Xについて、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマー時間T2(X)をリセット・スタートし、ステップSM630で「所持確認の問合せ」を管理装置端末70Xに指示してからステップSM700で管理装置端末70Xから「所持報告通知」を受信するまでの間の、「所持報告通知」の受信待ち時間(この場合は、30秒)の計測を開始する(SM640)。
【0087】
給油管理装置30は、接続番号がXの管理装置端末70について、ステップSM610~SM640で示す受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理を終えると、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0088】
したがって、ステップSM610~SM640で示す受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理では、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値が1分以上になっていることについてのステップSM600での最初の確認で、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時がリセット・スタートして、管理装置端末70Xから「所持報告通知」を受信するまでの受信待ち時間の計測が開始される(SM640)。そのため、受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値がリセットされ、所持確認記憶部における、管理装置端末70Xについての「所持確認の問合せ中」であることの記憶がクリアされない限りは、ステップSM620~SM640で示した管理装置端末70Xについての「所持確認」の受信準備処理は繰り返し行われない。これにより、管理装置端末70Xに係る受信待ち30秒タイマーT2(X)は、管理装置端末70Xに係る受信待ち1分タイマーT1(X)が1分を計測すると、引き続いてその後の30秒を計測することになる。
【0089】
続いて、管理装置端末70Xからの「所持報告通知」を受信していることを給油管理装置30が確認した場合の(SM700、YES)、ステップSM710~SM750で示す所持報告通知受信時処理について、説明する。
【0090】
給油管理装置30は、ステップSM700で、管理装置端末70Xからの「所持報告通知」を受信していることを確認すると(SM700、YES)、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM640で計時をリセット・スタートしてある、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマー時間T2(X)の時間計時をストップし(SM710)、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM630で所持確認記憶部に記憶してある、管理装置端末70Xについての「所持確認の問合せ中」であることの記憶をクリアする(SM720)。
【0091】
それから、給油管理装置30は、管理装置端末70Xが充電中状態であるか、非充電中状態であるかについて確認し(SM730)、非充電中状態であることを確認した場合は(SM730、NO)、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM620で時間計時を計時ストップしてある、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時をリセット・スタートする(SM740)。これに対し、給油管理装置30は、充電中状態であることを確認した場合は(SM730、YES)、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM620で時間計時を計時ストップしてある、管理装置端末70Xに係る「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の時間計時値のリセットだけを行う。これにより、管理装置端末70Xが充電中である場合は、「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)がその充電中の間に何回も1分計測を繰り返すことで、その都度、ステップSM620~SM640で示した「所持確認」受信の準備処理を繰り返し実行して、充電中状態の管理装置端末70Xに対して、給油所係員によって所持されているか否かについての確認の指示を繰り返して送信しないようになっている(SM750)。
【0092】
そして、給油管理装置30は、接続番号がXの管理装置端末70についての、ステップSM710~SM750で示す所持報告通知受信時処理を終えると、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0093】
続いて、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時値が1分を超えていることを確認した場合の(SM800、YES)、ステップSM810~SM830で示す「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)のカウントアップ達成処理について、説明する。
【0094】
給油管理装置30は、ステップSM800で、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時値が1分を超えていることを確認すると(SM800、YES)、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM640で計時をリセット・スタートしてある、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ちタイマー時間T2(X)の時間計時をストップする(SM810)。
【0095】
それから、給油管理装置30は、交信状態記憶部に記憶されている、管理装置端末70Xとの間での交信状態の記憶情報C-WiFi(X)を、ステップSM400で確認してある交信可能状態のC-WiFi(X)=1から交信規制状態を示すC-WiFi(X)=0に更新記憶し、表示部に表示された管理装置端末70Xそれぞれの状態表示のうち、当該管理装置端末70Xの交信状態の表示を交信可能状態の表示から交信規制状態の表示に表示変更し、当該管理装置端末70Xに対して「交信規制状態」の通知を送信する(SM820)。なお、この場合、給油管理装置30と管理装置端末70Xとの間は、ステップSM200で無線通信接続状態が確認されているので、給油管理装置30の表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示は、無線通信接続状態を示した表示で変わりない。
【0096】
そして、給油管理装置30は、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理のステップSM630で所持確認記憶部に記憶してある、管理装置端末70Xについての「所持確認の問合せ中」であることの記憶をクリアする(SM830)。
【0097】
給油管理装置30は、接続番号がXの管理装置端末70についての、ステップSM810~SM830で示す、受信待ち1分タイマーT1(X)のカウントアップ達成処理を終えると、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0098】
これに対し、ステップSM800での確認で、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)の時間計時値が未だ1分を超えていないことを確認した場合の(SM800、NO)、ステップSM810~SM830で示す「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマーT2(X)のカウントアップ達成処理を行わずに、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0099】
次に、このようなステップSM500~SM830で示す交信可能時状態確認制御処理に対して、管理装置端末70Xについての記憶情報C-WiFi(X)がWiFi(X)=0で、管理装置端末70Xとの間が交信規制状態になっている場合の(SM400、NO)、ステップSM410,SM420で示す交信規制時状態確認制御処理について、説明する。
【0100】
交信規制時状態確認制御処理では、給油管理装置30は、管理装置端末70Xから「交信復旧要求」を受信しているか否かの確認をまず行う(SM410)。そして、管理装置端末70Xからの「交信復旧要求」を受信していることを確認すると(SM410、YES)、ステップSM420で示す交信復旧処理を行う。
【0101】
ステップSM420で示す交信復旧処理では、給油管理装置30は、交信状態記憶部に記憶されている、管理装置端末70Xとの間での交信状態の記憶情報C-WiFi(X)を、ステップSM400で確認してある交信規制状態のC-WiFi(X)=0から交信可能状態を示すC-WiFi(X)=1に更新記憶し、表示部に表示された管理装置端末70Xのそれぞれ状態表示のうち、当該管理装置端末70Xの交信状態の表示を交信規制状態の表示から交信可能状態の表示に表示変更し、当該管理装置端末70Xに対して「交信可能状態」の通知、すなわち交信規制状態の解除通知を送信する。なお、この場合も、給油管理装置30と管理装置端末70Xとの間は、ステップSM200で無線通信接続状態が確認されているので、給油管理装置30の表示部における管理装置端末70Xの通信状態表示は、無線通信接続状態を示した表示で変わりない。
【0102】
一方、給油管理装置30は、管理装置端末70Xからの「交信復旧要求」を受信していないことを確認すると(SM410、YES)、ステップSM420で示す交信復旧処理を行わずに、交信規制時状態確認制御処理を終了する。
【0103】
給油管理装置30は、接続番号がXの管理装置端末70Xについての、このようにしてステップSM410,SM420で示す交信規制時状態確認制御処理を終えると、ステップSM500~SM830で示す交信可能時状態確認制御処理と同様に、今回の管理装置端末70Xについての通信状態確認制御処理(ステップSM200~SM830)が終了したものとして、ステップSM900,SM910で示した処理に移行する。
【0104】
本実施例のセルフ給油システム1では、このような
図3~
図5に示す給油管理装置が実行する各管理装置端末70Xとの間の通信状態確認制御に対応して、各管理装置端末70X(70-1~70-3)は、
図6,
図7に示すような給油管理装置30との間の通信状態確認制御を備えている。次に、管理装置端末70Xそれぞれが行う給油管理装置30との間の通信状態確認制御について説明する。
【0105】
図6,
図7は、各管理装置端末が実行する給油管理装置との間の通信状態確認制御の一実施例のフローチャートである。
【0106】
各管理装置端末70Xは、給油管理装置30との間の通信状態確認制御を行うに当たり、
※ 管理装置端末70Xに備えられている振動センサが、管理装置端末70に加わる外部振動を検出しているか否かの確認(ST100)、
※ 管理装置端末70Xに備えられている充電センサが、管理装置端末70が充電状態であるか否かの確認(ST200)、
※ 管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「所持確認の問合せ」の無線通知(
図4、SM630)を受信しているか否かの確認(ST300)、
※ 管理装置端末70Xの画面操作部71での「交信復旧要求」指示操作により、「交信復旧要求」が操作入力されているか否かの確認(ST400)、
※ 管理装置端末70Xが、「交信規制状態」の通知(
図4、SM820)を受信しているか否かの確認(ST500)、
※ 管理装置端末70Xが、「交信可能状態」の通知(
図4、SM420)を受信しているか否かの確認(ST600)、
※ 給油管理装置30との間の無線通信接続状態の確認(ST700)、
を行って、
※ 振動センサが管理装置端末70Xに加わる外部振動を検出していると(ST100、YES)、管理装置端末70Xは、ステップST110で示す「携帯中通知」の送信処理を、
※ 充電センサが管理装置端末70Xが充電状態であることを検出していると(ST200、YES)、管理装置端末70Xは、ステップST210で示す「充電中検知通知」の送信処理を、
※ 管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「所持確認の問合せ」の無線通知を受信していることを確認すると(ST300、YES)、管理装置端末70は、ステップST310~ST350で示す「所持確認の問合せ」に対しての問合せ応答処理を、
※ 管理装置端末70Xが、画面操作部71での「交信復旧要求」の操作入力を確認すると(ST400、YES)、ステップST410で示す「交信復旧要求」の送信処理を、
※ 管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「交信規制状態」の通知を受信していることを確認すると(ST500、YES)、管理装置端末70は、ステップST510で示す交信規制時処理を、
※ 管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「交信可能状態」の通知を受信していることを確認すると(ST600、YES)、管理装置端末70は、ステップST610で示す交信規制時解除処理を、
※ 管理装置端末70Xが、給油管理装置30との間の無線通信切断状態を確認すると(ST700、YES)、ステップST710で示す無線通信切断時処理を、また。無線通信切断状態を確認すると(ST700、NO)、ステップST720で示す無線通信接続時処理を、
を行うようになっている。
【0107】
管理装置端末70Xは、ステップST110で示す「携帯中通知」の送信処理では、管理装置端末70Xに備えられた振動センサが検出する振動は、給油所係員が管理装置端末70Xを携帯して作業を行っているときに管理装置端末70Xが受ける外部振動であると通常は見做せる。そこで、管理装置端末70Xは、振動センサが管理装置端末70に加わる外部振動を検出していることを確認すると(ST100、YES)、管理装置端末70Xが給油所係員によって携帯されているものとして、給油管理装置30に「携帯中通知」を無線送信する。この「携帯中通知」の送信は、例えば、管理装置端末70Xが給油所係員の携帯による振動を振動センサが検出する都度、送信するようにしてもよいし、また、「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)の計時時間である1分よりも短い時間間隔で、その間に振動センサが管理装置端末70に加わる外部振動を検出している場合に送信するようにしてもよい。また、振動センサとしては、例えば、加速度センサー、ジャイロセンサー等や、これらセンサーの組み合わせが利用される。
【0108】
管理装置端末70Xは、ステップST210で示す「充電中検知通知」の送信処理では、管理装置端末70Xに備えられた充電センサが管理装置端末70X自身が充電中状態であることを検出していると(ST200、YES)、管理装置端末70Xが充電器に接続されて静置されているとして、給油管理装置30に「充電中検知通知」を送信する。この「充電中検知通知」の管理装置端末70Xへの送信も、例えば、充電センサが管理装置端末70Xに対する充電開始を検出したきに管理装置端末70Xが給油管理装置30に送信するようにしてもよく、また、充電センサが管理装置端末70Xの充電中を検出している間、給油管理装置30に送信するようにしてもよい。
【0109】
管理装置端末70Xは、ステップST310~ST350で示す「所持確認の問合せ」に対しての問合せ応答処理では、管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「所持確認の問合せ」の無線通知を受信していることを確認すると(ST300、YES)、管理装置端末70は、まず、給油所係員に、自身が管理装置端末70Xを携帯していることを管理装置端末70を操作して回答させるため、「所持確認の問合せ」の受信を給油所係員に知らせ、回答を操作入力させるための所持確認応答画面を、画面操作部71にOCD表示する(ST310)。
【0110】
管理装置端末70Xは、所持確認応答画面で回答を操作入力することができる期限を計時するため、管理装置端末70Xに備えられている回答操作待ち30秒タイマーT3(X)の計時をリセット・スタートし、その計時に基づいた残り操作可能時間を所持確認応答画面中に表示する(ST320)。
【0111】
管理装置端末70Xは、回答操作待ち30秒タイマーT3(X)が予め設定された期限時間としての30秒を計時する前に(ST340)、給油所係員が管理装置端末70Xを携帯しているとの回答操作入力があるか否かを確認し(ST330)、回答操作入力があった場合は(ST330、YES)、給油管理装置30に「所持報告通知」を応答送信して(ST350)、「所持確認の問合せ」に対しての問合せ応答処理を終了する。これに対して、予め設定された期限時間としての30秒を経過しても回答操作入力がない場合は(ST340、YES)、給油管理装置30に「所持報告通知」を応答送信することなく、「所持確認の問合せ」に対しての問合せ応答処理を終了する。
【0112】
管理装置端末70Xは、ステップST410で示す「交信復旧要求」の送信処理では、画面操作部71での「交信復旧要求」の操作入力を確認すると(ST400、YES)、
「交信復旧要求」を給油管理装置30に送信する(ST410)。
【0113】
管理装置端末70Xは、ステップST510で示す交信規制時処理では、管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「交信規制状態」の通知(
図4、SM820)の無線送信を受信していることを確認すると(ST500、YES)、管理装置端末70Xは、給油管理装置30との間で自身を交信規制状態に設定する。管理装置端末70Xは、交信規制状態が設定されると、例えば、給油許可要求を送信してきている許可待ち状態にある給油機10に対しての給油開始の許可をその画面操作部71の操作で行えないようにしたり、または画面操作部71で給油開始の許可の操作はできても給油管理装置30に給油機10に対する給油開始の許可の出力指示を送信できないようにする等、給油管理装置30との間の無線通信接続状態は維持したまま、管理装置端末70Xにおける給油管理装置30の操作端末としての機能の一部を制限して、給油管理装置30と管理装置端末70Xとの間での交信を規制する。なお、本実施例の場合、管理装置端末70Xは、この交信規制状態が設定されていても、例えば、給油管理装置30から送信されてくる給油機10それぞれの給油作業情報等を受信して各給油機10の作動状態を画面操作部に表示したり、給油管理装置30に対し、画面操作部の操作、選択した給油機10または全給油機10を指定して給油禁止状態(緊急停止状態)の指示を送信できるようになっており、給油車両の混雑状態の把握や緊急事態に対する対応は差支えないようになっている。
【0114】
そして、ステップST510で示す交信規制時処理では、管理装置端末70Xは、給油管理装置30との間の交信規制状態を設定すると、その画面操作部71における給油管理装置30との間の交信状態に係る表示を、交信可能状態に対応する表示から交信規制状態に対応する表示に表示変更する。そして、これら交信規制状態の設定や表示変更は、管理装置端末70Xのスピーカから音声報知したり、管理装置端末70Xに備えられているバイブレータを所定振動パターンで作動させて報知したりすることも可能である。その際、バイブレータの振動はその振動発生時期および振動パターンは管理装置端末70Xにおいては既知で、管理装置端末70Xの携帯による振動とは区別可能なので、管理装置端末70Xバイブレータの振動に基づいて給油管理装置30に「携帯中通知」を送信することはない。また、管理装置端末70Xでは、交信可能状態に設定されたときは、給油管理装置30との間の無線通信接続状態は維持されているので、その画面操作部71における給油管理装置30との間の通信状態に係る表示は、無線通信接続状態の表示で変わりはない。
【0115】
また、管理装置端末70Xは、ステップST610で示す交信規制時解除処理では、管理装置端末70Xが、給油管理装置30からの「交信可能状態」の通知(
図5、SM420)の無線送信を受信していることを確認すると(ST610、YES)、管理装置端末70Xは、ステップST510の交信規制時処理で自身が設定した交信規制状態を解除し、給油管理装置30との間で自身を交信可能状態に設定する。これにより、管理装置端末70Xは、例えば、給油許可要求を送信してきている許可待ち状態にある給油機10に対しての給油開始の許可をその画面操作部71の操作で行えない、または画面操作部71で給油開始の許可の操作はできても給油管理装置30に給油機10に対する給油開始の許可の出力指示を送信できない等といった、給油管理装置30の操作端末としての機能のうちの交信規制状態で一部制限されていた機能が実行可能になる。
【0116】
そして、ステップST610で示す交信規制時解除処理では、管理装置端末70Xは、給油管理装置30との間の交信規制状態を解除して交信可能状態に設定すると、その画面操作部71における給油管理装置30との間の交信状態に係る表示を、交信規制状態に対応する表示から交信可能状態に対応する表示に表示変更する。そして、これら交信可能状態の設定や表示変更は、管理装置端末70Xのスピーカから音声報知したり、管理装置端末70Xに備えられているバイブレータを所定振動パターンで作動させて報知したりしてもよい。
【0117】
また、ステップST710で示す無線通信接続時処理では、管理装置端末70Xが、給油管理装置30との間の自身の無線通信状態が、給油管理装置30との間で各種指示や各種情報データの送受信が行える無線通信可能な状態であることを確認すると(ステップST700、YES)、その画面操作部71における給油管理装置30との間の無線通信状態に係る表示として、無線通信可能な状態に対応する表示、すなわち無線通信接続状態(WiFi(X)=1)に対応する表示を表示する。
【0118】
これに対し、ステップST720で示す無線通信切断時処理では、管理装置端末70Xが、給油管理装置30との間の自身の無線通信状態が、例えば、給油管理装置30の無線通信部35による無線通信圏外に自身が位置する無線通信圏外状態や自身の駆動電力不足(充電不足)によって、給油管理装置30との間で各種指示や各種情報データの送受信が行えない無線通信が不可能な状態であることを確認すると(ステップST700、NO)、その画面操作部71における給油管理装置30との間の無線通信状態に係る表示として、無線通信が不可能な状態に対応する表示、すなわち無線通信切断状態(WiFi(X)=0)に対応する表示を表示する。
【0119】
そして、管理装置端末70Xの画面操作部71における、これら無線通信可能な状態、無線通信が不可能な状態それぞれに対応する表示は、無線通信可能な状態と無線通信が不可能な状態との間での状態変化の検出に基づいた管理装置端末70Xのスピーカから音声報知や管理装置端末70Xに備えられているバイブレータによる振動報知で代替したり、これら音声報知や振動報知と組み合わせることも可能である。
【0120】
このように構成された本実施例のセルフ給油システム1では、給油管理装置30が管理装置端末70X(70-1~70-3)それぞれとの間で
図3~
図5に示した通信状態確認制御を実行し、各管理装置端末70X(70-1~70-3)が給油管理装置30との間で
図6に示した通信状態確認制御を実行することで、次に述べるようなセルフ給油システム1の構成が達成される。
【0121】
各管理装置端末70X(70-1~70-3)は、電源投入されている状態で無線通信部35による無線通信圏内電源投入状態で給油所係員により携帯されていれば、管理装置端末70Xの振動センサが管理装置端末70に加わる外部振動を検出していることを確認して(ST100、YES)、管理装置端末70Xが給油所係員によって携帯されているとして、給油管理装置30に「携帯中通知」を逐次送信するので、給油管理装置30では、管理装置端末70Xそれぞれの「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)は1分を計時する前に、管理装置端末70Xからの「携帯中通知」の受信によって計時がリセット・スタートされるため、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間は、無線通信接続状態で、かつ交信可能状態に維持される。
【0122】
これに対して、管理装置端末70Xが給油所係員によって携帯されていない場合は、管理装置端末70Xの振動センサが管理装置端末70に加わる外部振動を検出していることを確認できなくなり、給油管理装置30に「携帯中通知」を逐次送信しなくなるので、管理装置端末70Xの「携帯中通知」の受信待ち1分タイマーT1(X)が1分を計時することになり、さらに給油管理装置30から管理装置端末70Xへの「所持確認の問合せ」に対して、管理装置端末70の画面操作部で給油所係員による回答操作が、回答操作待ち30秒タイマーT3(X)が「所持確認の問合せ」を受信してから30秒を計時する前に行われないと、給油管理装置30は、管理装置端末70Xからの「所持報告通知」を、管理装置端末70Xに係る「所持報告通知」の受信待ち30秒タイマー時間T2(X)が「所持確認の問合せ」を送信してから30秒を計時する前に受信できなくなり、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間は、無線通信接続状態であるものの、交信規制状態に変化する。
【0123】
このような本実施例のセルフ給油システム1によれば、管理装置端末70Xが携帯されていないことが給油管理装置30により検出された場合は、通信制御部が管理装置端末70Xと給油管理装置30との間の無線通信接続を維持したまま、給油許可要求があった給油機10による給油作業の実行を許可操作する管理装置端末70Xと、給油許可要求があった給油機10に給油許可要求に応答して給油許可を出力する給油管理装置30との間での交信を規制するので、給油所係員が管理装置端末を常時携帯することを励行できる。
【0124】
また、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間は、無線通信接続状態であるものの、交信規制状態に変化してしまった場合でも、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間の無線通信接続状態は維持されているので、管理装置端末70X側からその場で交管理装置端末70Xと給油管理装置30との間の信規制状態を解除することができ、操作性も向上する。
【0125】
また、緊急停止操作については、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間での交信が規制されている状態でも、管理装置端末70Xと給油管理装置30との間の無線通信接続を維持されているので、管理装置端末70Xから給油管理装置30に送信し、給油管理装置30も受信することができる。
【0126】
図7は、本実施例のセルフ給油システムによる給油管理制御の一実施例を示した図である。
【0127】
図示の給油管理制御では、ステップSm010で、給油管理装置30は、全ての管理装置端末70Xが給油管理装置30との間で、無線通信切断状態(WiFi(X)=0)もしくは交信規制状態(C-WiFi(X)=0)になっているか否かを確認する。
【0128】
ステップSm020で、給油管理装置30は、給油作業中の給油機10の有無を確認する。そして、給油作業中の給油機10が無い場合には(ステップSm030、NO)、ステップSm040で、全ての管理装置端末70Xが非携帯状態若しくは無線通信切断状態である旨、警報する。この警報は、給油管理装置30、及び無線通信接続状態であるものの非携帯状態の管理装置端末70Xにおいてそれぞれ報知される。
【0129】
これに対し、給油作業中の給油機10がある場合には(ステップSm030、YES)、給油管理装置30は、ステップSm050で、全ての管理装置端末70Xが非携帯状態若しくは無線通信切断状態である旨、および給油作業中の全給油機10についての安全確認実行案内を報知する。この警報及び報知も、給油管理装置30、及び無線通信接続状態であるものの非携帯状態の管理装置端末70Xにおいてそれぞれ報知される。
【0130】
それから、給油管理装置30は、ステップSm060で、給油作業中の給油機10に所定時間後の給油停止の予告指示を出力し、ステップSm070で、所定時間の計時を開始する。
【0131】
そして、給油管理装置30は、所定時間の計時を終了する前に(ステップSm090)、全ての管理装置端末70Xのうちの少なくともいずれかの管理装置端末70Xの携帯状態が確認されなければ(ステップSm080)、若しくは給油管理装置30の操作部から安全確認実行案内に対する状況把握回答が給油所係員によって操作入力されなければ(ステップSm090)、所定時間の計時を終了すると(ステップSm100)、ステップSm110で、給油作業中の給油機10に燃料供給の停止指示を出力するようになっている。
【0132】
本実施例のセルフ給油システム1による給油管理制御によれば、全ての管理装置端末70Xが非携帯状態であり、また給油管理装置30の表示部を確認しかつ操作部を操作できる位置に給油所係員がいない場合には、給油作業中の給油機10に燃料供給が自動的に停止されるので、安全である。
【0133】
本開示の給油システムは以上説明したように構成されるが、給油所係員が管理装置端末70を携帯していないことを検出したときには、給油管理装置30と携帯式の管理装置端末70との間で、無線通信状態は無線通信接続状態にしたまま、両者間の交信は交信規制状態にしておくことができる給油システムであるならば、上述した実施例で説明した具体的構成に限られるものではない。
【符号の説明】
【0134】
1 セルフ給油システム、
3 給油所事務所、
6 SS-LAN、
7 画像データ専用信号線、
8 ビーコン、
10(10‐n)給油機、
11 給油機筐体、前面,後面
12 ホース、
13 給油ノズル、
14 ノズル掛け、
15 表示器、
16 設定器、
30 給油管理装置(SSC)、
35 無線通信部、
70 管理装置端末(SSC端末)、
71 画面操作部、
P 給油許可可能エリア、
E 給油作業エリア(燃料供給作業ポイント、給油作業ポイント)。