(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047112
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】傘リサイクルシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220316BHJP
A45B 9/04 20060101ALI20220316BHJP
A45B 25/18 20060101ALI20220316BHJP
A45B 25/06 20060101ALI20220316BHJP
A45B 9/02 20060101ALI20220316BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
G06Q10/00 400
A45B9/04 Z ZAB
A45B25/18 A
A45B25/06 B
A45B25/06 A
A45B9/02 C
B09B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152851
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】503460921
【氏名又は名称】伊藤忠リーテイルリンク株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520352768
【氏名又は名称】中台 澄之
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】上塚 知一
(72)【発明者】
【氏名】脇本 任人
(72)【発明者】
【氏名】中台 澄之
【テーマコード(参考)】
3B104
4D004
5L049
【Fターム(参考)】
3B104AA01
3B104AA02
3B104AA03
3B104AA04
3B104AA05
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3B104FA01
3B104PA00
4D004AA50
4D004BA05
4D004BA07
4D004CA02
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4D004CA29
4D004DA02
4D004DA16
4D004DA17
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用済みのプラスチック傘をリサイクル及び再資源化することができ、環境に与える悪影響を大幅に低減することができる傘リサイクルシステムを提供する。
【解決手段】傘リサイクルシステム10は、販売店12に設置された所定の回収ボックス13を利用して使用済みのプラスチック傘11を回収する回収手段と、回収した複数の使用済みのプラスチック傘11をリサイクルセンター14に搬送する傘搬送手段と、使用済みのプラスチック傘11をリサイクルセンター14において各パーツに分解する傘分解手段と、各パーツをリサイクルセンター14において再利用可能なリサイクルパーツ18又は再利用不能なリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別する判別手段と、リサイクルパーツ18を利用して新たなプラスチック傘11を組み立てるリサイクル傘組立手段と、判別手段によって判別したリサイクル不可パーツ19を再資源化する再資源化手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの傘をリサイクルする傘リサイクルシステムにおいて、
前記傘リサイクルシステムが、回収した前記使用済みの傘を各パーツに分解する傘分解手段と、前記傘分解手段によって分解した各パーツを再利用可能なリサイクルパーツ又は再利用不能なリサイクル不可パーツのいずれかに判別する判別手段と、前記判別手段によって判別した前記リサイクルパーツを利用して新たなリサイクル傘を組み立てるリサイクル傘組立手段と、前記判別手段によって判別した前記リサイクル不可パーツを再資源化する再資源化手段とを有することを特徴とする傘リサイクルシステム。
【請求項2】
前記傘リサイクルシステムが、新品の傘を販売する販売箇所に設置された所定の回収ボックスを利用して前記使用済みの傘を回収する回収手段と、前記回収手段によって回収した複数の前記使用済みの傘を前記傘分解手段、前記判別手段、前記傘組立手段、前記再資源化手段のうちの少なくとも該傘分解手段及び該判別手段を実施するリサイクルセンターに搬送する傘搬送手段とを含む請求項1に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項3】
前記傘分解手段が、前記使用済みの傘を石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)に分解し、前記判別手段が、前記石突き、前記上ろくろ、前記下ろくろ、前記手元、前記カバーを前記再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、前記中棒と前記親骨と前記受骨とを前記リサイクルパーツ又は前記リサイクル不可パーツのいずれかに判別し、前記傘組立手段が、前記リサイクルパーツと判別した前記中棒と前記親骨と前記受骨とのうちの少なくとも1つを利用して前記新たな傘を組み立てる請求項1又は請求項2に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項4】
前記判別手段では、前記中棒と前記親骨と前記受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとがない場合に該中棒と該親骨と該受骨とを前記再利用可能なリサイクルパーツと判別し、前記中棒と前記親骨と前記受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとの少なくとも1つがある場合に前記再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、前記中棒と前記親骨と前記受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとがない場合に該中棒と該親骨と該受骨とを前記再利用可能なリサイクルパーツと判別し、前記中棒と前記親骨と前記受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとの少なくとも1つがある場合に前記再利用不能なリサイクル不可パーツと判別する請求項3に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項5】
前記判別手段では、前記中棒と前記親骨と前記受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを前記使用済み傘現品の目視及び触感によって検品する目視・触感検品と、前記使用済み傘をカメラによって撮影し、撮影された使用済み傘のデジタル画像データによって前記中棒と前記親骨と前記受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを検品する画像検品とのうちの少なくとも前記目視・触感検品が行われる請求項4に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項6】
前記目視・触感検品では、前記使用済み傘の開閉方法が手開き式であって該使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、前記中棒をリサイクルパーツと判別し、前記使用済み傘の開閉方法が手開き式であって該使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、前記中棒をリサイクル不可パーツと判別し、前記使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって該使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、前記中棒をリサイクルパーツと判別し、前記使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって該使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、前記中棒をリサイクル不可パーツと判別する請求項5に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項7】
前記新品の傘には、該新品の傘の製造年月日を示す製造年月日識別標識が取り付けられ、前記判別手段が、前記製造年月日識別標識が示す製造年月日から現在までの前記使用済みの傘の使用期間を参酌し、前記使用済みの傘の使用期間が所定のリサイクル許容期間を経過していた場合、前記中棒と前記親骨と前記受骨とを前記リサイクル不可パーツと判別する請求項3ないし請求項6いずれかに記載の傘リサイクルシステム。
【請求項8】
前記製造年月日識別標識が、前記新品の傘の製造年月日を記憶したICタグ又は該新品の傘の製造年月日を表すバーコードであり、前記傘リサイクルシステムが、前記ICタグから前記製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの前記使用済みの傘の使用期間を出力し、又は、前記バーコードから前記製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの前記使用済みの傘の使用期間を出力する使用期間出力手段と、前記使用期間出力手段によって出力された前記使用済みの傘の使用期間と予め記憶された前記リサイクル許容期間とを比較し、前記使用期間が前記リサイクル許容期間以内の場合、前記中棒と前記親骨と前記受骨とをリサイクルパーツと判定し、前記使用期間が前記リサイクル許容期間を超過している場合、前記中棒と前記親骨と前記受骨とをリサイクル不可パーツと判定する使用期間判定手段とを含む請求項7に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項9】
前記再資源化手段では、前記リサイクル不可パーツを廃プラスチックパーツ、廃鉄パーツ、廃非鉄金属パーツ、その他廃パーツに分別し、前記廃プラスチックパーツをフレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工し又は前記廃プラスチックパーツを再生燃料に加工し、前記廃鉄パーツを鉄スクラップ再生原料に加工するとともに、前記廃非鉄金属パーツを非鉄金属スクラップ再生原料に加工し、前記その他廃パーツを骨材再生原料に加工する請求項1ないし請求項8いずれかに記載の傘リサイクルシステム。
【請求項10】
前記傘リサイクルシステムが、前記フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料から所定のプラスチックリサイクル製品を製造するリサイクル製品製造手段を含む請求項9に記載の傘リサイクルシステム。
【請求項11】
前記新品の傘及び前記使用済みの傘が、石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)を有するプラスチック傘である請求項1ないし請求項10いずれかに記載の傘リサイクルシステム。
【請求項12】
前記上ろくろが、前記中棒の上部に取り付けられ、前記親骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて該親骨の基端部を回転可能に支持する第1係止溝と、前記上ろくろに螺着されて第1係止溝の上部開口を塞ぎ、前記親骨の基端部を第1係止溝に位置させる第1蓋部とを有し、前記下ろくろが、前記中棒に摺動可能に取り付けられ、前記受骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて該受骨の基端部を回転可能に支持する第2係止溝と、前記下ろくろに螺着されて第2係止溝の上部開口を塞ぎ、前記受骨の基端部を第2係止溝に位置させる第2蓋部とを有し、前記プラスチック傘が、分解組立可能である請求項11に記載の傘リサイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの傘をリサイクルする傘リサイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の中棒と、プラスチック製の上ろくろと、プラスチック製の下ろくろと、下ろくろに支持される受骨と、上ろくろに支持されるプラスチック製の親骨と、 親骨の断面が露出した先端を被覆する被覆部と、親骨の上に配置して雨等をよけるための布状部材と、布状部材を親骨の上に配置するために被覆部の先端にかぶせるための露先であって布状部材の先端に設けられて被服部に着脱可能なプラスチック製の露先とから形成されたプラスチック傘(ビニール傘)が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、前記特許文献1に開示のプラスチック傘(ビニール傘)を含む各種のプラスチック傘や洋傘、折り畳み傘が製造販売されている。所定期間使用済みのそれら傘は、修理やリサイクルされる場合もあるが、その大多数が地中への埋め立て処理によって廃棄処分されている。傘を地中に埋め立てる廃棄処分では、多量の傘がゴミとして地中に埋められ、地中での分解に長期間を要し、環境に悪影響を与えるのみならず、廃棄処分を担当する地方自治体の廃棄費用や人員の過大な負担にもなっていた。尚、近年プラスチック傘(ビニール傘)の消費が急増し、プラスチック傘の埋め立てによる廃棄処分の量が年々増加するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、使用済みの傘をリサイクル及び再資源化することができ、環境に与える悪影響を大幅に低減することができるとともに、廃棄処分に伴う地方自治体の廃棄費用や人員の負担を軽減することができる傘リサイクルシステムを提供することにある。本発明の他の目的は、消費が急増しているプラスチック傘(ビニール傘)をリサイクル及び再資源化することができ、プラスチック傘の埋め立てによる廃棄処分を大幅に減少させることができる傘リサイクルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、使用済みの傘をリサイクルする傘リサイクルシステムである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、傘リサイクルシステムが、回収した使用済みの傘を各パーツに分解する傘分解手段と、傘分解手段によって分解した各パーツを再利用可能なリサイクルパーツ又は再利用不能なリサイクル不可パーツのいずれかに判別する判別手段と、判別手段によって判別したリサイクルパーツを利用して新たなリサイクル傘を組み立てるリサイクル傘組立手段と、判別手段によって判別したリサイクル不可パーツを再資源化する再資源化手段とを有することにある。
【0008】
本発明の一例としては、傘リサイクルシステムが、新品の傘を販売する販売箇所に設置された所定の回収ボックスを利用して使用済みの傘を回収する回収手段と、回収手段によって回収した複数の使用済みの傘を傘分解手段、判別手段、傘組立手段、再資源化手段のうちの少なくとも傘分解手段及び判別手段を実施するリサイクルセンターに搬送する傘搬送手段とを含む。
【0009】
本発明の他の一例としては、傘分解手段が、使用済みの傘を石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)に分解し、判別手段が、石突き、上ろくろ、下ろくろ、手元、カバーを再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツ又はリサイクル不可パーツのいずれかに判別し、傘組立手段が、リサイクルパーツと判別した中棒と親骨と受骨とのうちの少なくとも1つを利用して新たな傘を組み立てる。
【0010】
本発明の他の一例として、判別手段では、中棒と親骨と受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとがない場合に中棒と親骨と受骨とを再利用可能なリサイクルパーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとがない場合に中棒と親骨と受骨とを再利用可能なリサイクルパーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツと判別する。
【0011】
本発明の他の一例として、判別手段では、中棒と親骨と受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを使用済み傘現品の目視及び触感によって検品する目視・触感検品と、使用済み傘をカメラによって撮影し、撮影された使用済み傘のデジタル画像データによって中棒と親骨と受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを検品する画像検品とのうちの少なくとも目視・触感検品が行われる。
【0012】
本発明の他の一例として、目視・触感検品では、使用済み傘の開閉方法が手開き式であって使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、中棒をリサイクルパーツと判別し、使用済み傘の開閉方法が手開き式であって使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツと判別し、使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、中棒をリサイクルパーツと判別し、使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツと判別する。
【0013】
本発明の他の一例として、新品の傘には、新品の傘の製造年月日を示す製造年月日識別標識が取り付けられ、判別手段が、製造年月日識別標識が示す製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を参酌し、使用済みの傘の使用期間が所定のリサイクル許容期間を経過していた場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクル不可パーツと判別する。
【0014】
本発明の他の一例としては、製造年月日識別標識が、新品の傘の製造年月日を記憶したICタグ又は新品の傘の製造年月日を表すバーコードであり、傘リサイクルシステムが、ICタグから製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を出力し、又は、バーコードから製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を出力する使用期間出力手段と、使用期間出力手段によって出力された使用済みの傘の使用期間と予め記憶されたリサイクル許容期間とを比較し、使用期間がリサイクル許容期間以内の場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツと判定し、使用期間がリサイクル許容期間を超過している場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクル不可パーツと判定する使用期間判定手段とを含む。
【0015】
本発明の他の一例として、再資源化手段では、リサイクル不可パーツを廃プラスチックパーツ、廃鉄パーツ、廃非鉄金属パーツ、その他廃パーツに分別し、廃プラスチックパーツをフレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工し又は廃プラスチックパーツを再生燃料に加工し、廃鉄パーツを鉄スクラップ再生原料に加工するとともに、廃非鉄金属パーツを非鉄金属スクラップ再生原料に加工し、その他廃パーツを骨材再生原料に加工する傘リサイクルシステム。
【0016】
本発明の他の一例としては、傘リサイクルシステムが、フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料から所定のプラスチックリサイクル製品を製造するリサイクル製品製造手段を含む。
【0017】
本発明の他の一例としては、新品の傘及び前記使用済みの傘が、石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)を有するプラスチック傘である。
【0018】
本発明の他の一例としては、上ろくろが、中棒の上部に取り付けられ、親骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて親骨の基端部を回転可能に支持する第1係止溝と、上ろくろに螺着されて第1係止溝の上部開口を塞ぎ、親骨の基端部を第1係止溝に位置させる第1蓋部とを有し、下ろくろが、中棒に摺動可能に取り付けられ、受骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて受骨の基端部を回転可能に支持する第2係止溝と、下ろくろに螺着されて第2係止溝の上部開口を塞ぎ、受骨の基端部を第2係止溝に位置させる第2蓋部とを有し、前記プラスチック傘が、分解組立可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る傘リサイクルシステムによれば、回収した使用済みの傘を各パーツに分解する傘分解手段と、傘分解手段によって分解した各パーツを再利用可能なリサイクルパーツ又は再利用不能なリサイクル不可パーツのいずれかに判別する判別手段と、判別手段によって判別したリサイクルパーツを利用してリサイクル傘を組み立てるリサイクル傘組立手段と、判別手段によって判別したリサイクル不可パーツを再資源化する再資源化手段とを有するから、各種のプラスチック傘(ビニール傘)や洋傘、折り畳み傘等の所定期間使用済みの傘をリサイクル及び再資源化することができ、地中に埋め立てて傘を廃棄処分する場合と比較し、環境に与える悪影響を大幅に低減することができ、廃棄処分に伴う地方自治体の廃棄費用や人員の負担を軽減することができる。
【0020】
新品の傘を販売する販売箇所に設置された所定の回収ボックスを利用して使用済みの傘を回収する回収手段と、回収手段によって回収した複数の使用済みの傘を傘分解手段、判別手段、傘組立手段、再資源化手段のうちの少なくとも傘分解手段及び判別手段を実施するリサイクルセンターに搬送する傘搬送手段とを含む傘リサイクルシステムは、回収ボックスを利用して使用済みの傘を回収することで、多量の使用済み傘を回収することができ、使用済み傘の他所への不用意な廃棄を防ぐことができる。傘リサイクルシステムは、回収手段によって回収した複数の使用済みの傘をリサイクルセンターに搬送し、リサイクルセンターにおいて傘分解手段、判別手段、傘組立手段、再資源化手段のうちの少なくとも傘分解手段及び判別手段を実施するから、回収した多量の使用済みの傘をリサイクルセンターにおいて確実に分解及び判別することができる。
【0021】
傘分解手段が使用済みの傘を石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)に分解し、判別手段が石突き、上ろくろ、下ろくろ、手元、カバーを再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツ又はリサイクル不可パーツのいずれかに判別し、傘組立手段がリサイクルパーツと判別した中棒と親骨と受骨とのうちの少なくとも1つを利用して新たな傘を組み立てる傘リサイクルシステムは、石突き、上ろくろ、下ろくろ、手元、カバーを再利用不能なリサイクル不可パーツと判別してそれらを再資源化し、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツ又はリサイクル不可パーツのいずれかに判別してそれらをリサイクル又は再資源化することで、各種のプラスチック傘(ビニール傘)や洋傘、折り畳み傘等の所定期間使用済みの傘を確実にリサイクルすることができ、使用済みの傘を確実に再資源化することができる。
【0022】
中棒と親骨と受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとがない場合に中棒と親骨と受骨とを再利用可能なリサイクルパーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとがない場合に中棒と親骨と受骨とを再利用可能なリサイクルパーツと判別し、中棒と親骨と受骨とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツと判別する傘リサイクルシステムは、強化プラスチックから作られた中棒や親骨、受骨に傷つきや骨折れがない場合、リサイクルパーツとして適格であってそれらをリサイクルパーツとしてリサイクルすることができ、強化プラスチックから作られた中棒や親骨、受骨に傷つきや骨折れがある場合、リサイクルパーツとして不適格であってそれらをリサイクル不可パーツとして再資源化することができる。傘リサイクルシステムは、金属から作られた中棒や親骨、受骨に傷つきや骨折れ、錆び付きがない場合、リサイクルパーツとして適格であってそれらをリサイクルパーツとしてリサイクルすることができ、金属から作られた中棒や親骨、受骨に傷つきや骨折れ、錆び付きがある場合、リサイクルパーツとして不適格であってそれらをリサイクル不可パーツとして再資源化することができる。
【0023】
判別手段において、中棒と親骨と受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを使用済み傘現品の目視及び触感によって検品する目視・触感検品と、使用済み傘をカメラによって撮影し、撮影された使用済み傘のデジタル画像データによって中棒と親骨と受骨との傷つき、骨折れ、錆び付きを検品する画像検品とのうちの少なくとも目視・触感検品が行われる傘リサイクルシステムは、中棒や親骨、受骨の傷つき、骨折れ、錆び付きを使用済み傘現品の目視及び触感による目視・触感検品によって判別することで、現品の目視や触感によって中棒や親骨、受骨の傷つき、骨折れ、錆び付きを発見することができ、中棒や親骨、受骨をリサイクルパーツとしてリサイクルすることができるとともに、中棒や親骨、受骨をリサイクル不可パーツとして再資源化することができる。傘リサイクルシステムは、目視・触感検品において傷つき、骨折れ、錆び付きが見逃されたとしても、目視・触感検品の他に、使用済み傘のデジタル画像データによる画像検品を加えることで、傷つき、骨折れ、錆び付きの見逃しを是正することができ、中棒や親骨、受骨の傷つき、骨折れ、錆び付きを確実に発見することができる。
【0024】
目視・触感検品において、使用済み傘の開閉方法が手開き式であって使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、中棒をリサイクルパーツと判別し、使用済み傘の開閉方法が手開き式であって使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツと判別し、使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、中棒をリサイクルパーツと判別し、使用済み傘の開閉方法がジャンプ式であって使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツと判別する傘リサイクルシステムは、手開き式の使用済み傘の中棒に傷つきや骨折れ、錆び付きがなく、使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、又は、ジャンプ式(ワンタッチ式)の使用済み傘の中棒に傷つきや骨折れ、錆び付きがなく、使用済み傘が円滑に開閉可能な場合、中棒をリサイクルパーツと判別し、手開き式の使用済み傘の中棒に傷つきや骨折れ、錆び付きがなかったとしても、使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、又は、ジャンプ式の使用済み傘の中棒に傷つきや骨折れ、錆び付きがなかったとしても、使用済み傘が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツと判別することで、中棒をリサイクルパーツ又はリサイクル不可パーツに確実に分別することができ、中棒を開閉機能を備えたリサイクルパーツとしてリサイクルすることができるとともに、中棒をリサイクル不可パーツとして再資源化することができる。
【0025】
新品の傘の製造年月日を示す製造年月日識別標識が新品の傘に取り付けられ、判別手段が製造年月日識別標識が示す製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を参酌し、使用済みの傘の使用期間が所定のリサイクル許容期間を経過していた場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクル不可パーツと判別する傘リサイクルシステムは、使用済みの傘の使用期間が所定のリサイクル許容期間を経過していた場合、既に中棒や親骨、受骨がリサイクルに適さないものとみなしてそれらをリサイクル不可パーツと判別するから、中棒や親骨、受骨を再資源化することができる。傘リサイクルシステムは、使用済みの傘の使用期間がリサイクル許容期間内である場合、中棒や親骨、受骨をリサイクルして傘の機能を備えたリサイクル傘を組み立てることができ、中棒や親骨、受骨をリサイクルしたリサイクル傘における不良品の発生を防ぐことができる。
【0026】
製造年月日識別標識が新品の傘の製造年月日を記憶したICタグ又は新品の傘の製造年月日を表すバーコードであり、ICタグから製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を出力し、又は、バーコードから製造年月日を読み取りつつ読み取った製造年月日から現在までの使用済みの傘の使用期間を出力する使用期間出力手段と、使用期間出力手段によって出力された使用済みの傘の使用期間と予め記憶されたリサイクル許容期間とを比較し、使用期間がリサイクル許容期間以内の場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツと判定し、使用期間がリサイクル許容期間を超過している場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクル不可パーツと判定する使用期間判定手段とを含む傘リサイクルシステムは、使用済みの傘の使用期間と予め記憶されたリサイクル許容期間とを比較しつつ、使用期間がリサイクル許容期間以内の場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクルパーツと判定し、使用期間がリサイクル許容期間を超過している場合、中棒と親骨と受骨とをリサイクル不可パーツと判定するから、使用済みの傘の使用期間の認定の過誤を防ぐことができ、使用済みの傘の使用期間によって中棒や親骨、受骨をリサイクルパーツ又はリサイクル不可パーツのいずれかに確実に分別することができるとともに、中棒や親骨、受骨をリサイクルパーツとしてリサイクルすることができ、中棒や親骨、受骨をリサイクル不可パーツとして再資源化することができる。
【0027】
再資源化手段において、リサイクル不可パーツを廃プラスチックパーツ、廃鉄パーツ、廃非鉄金属パーツ、その他パーツに分別し、廃プラスチックパーツをフレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工し又は廃プラスチックパーツを再生燃料に加工し、廃鉄パーツを鉄スクラップ再生原料に加工するとともに、廃非鉄金属パーツを非鉄金属スクラップ再生原料に加工し、その他パーツを骨材再生原料に加工する傘リサイクルシステムは、フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料から繊維製品、シート製品、成形品等のリサイクル製品を製造することができ、廃プラスチックパーツから高炉還元剤、コークス炉化学原料、ガス燃料、油燃料等の再生燃料(リサイクル燃料)を製造することができ、廃プラスチックパーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たなプラスチック製のリサイクル製品や再生燃料に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステムは、廃鉄パーツをH型鋼や丸棒等の鉄スクラップ再生原料に再生(加工)することができ、廃鉄パーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たな鉄製のリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステムは、廃非鉄金属パーツをアルミ製品やステンレス製品、銅製品、鉛製品等の非鉄金属スクラップ再生原料に再生(加工)することができ、廃非鉄金属パーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たな廃非鉄金属製のリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステムは、その他パーツをコンクリートやアスファルトの骨材等の骨材再生原料に再生(加工)することができ、その他廃パーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たなリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステムは、リサイクル不可パーツを再生することで、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル、サーマルリサイクルを図ることができる。
【0028】
フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料から所定のプラスチックリサイクル製品を製造するリサイクル製品製造手段を含む傘リサイクルシステムは、フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工された廃プラスチックパーツから繊維製品、シート製品、成形品等の各種のプラスチックリサイクル製品を製造することができ、リサイクル不可パーツを再生することで、マテリアルリサイクルを図ることができる。
【0029】
新品の傘及び使用済みの傘が石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)を有するプラスチック傘である傘リサイクルシステムは、近年のプラスチック傘(ビニール傘)の消費の急増に伴うプラスチック傘の埋め立てによる廃棄処分の量を大幅に減少させることができ、環境に与える悪影響を大幅に低減することができるとともに、廃棄処分に伴う地方自治体の廃棄費用や人員の負担を軽減することができる。傘リサイクルシステムは、プラスチック傘(ビニール傘)をリサイクル及び再資源化することができ、各種のプラスチックリサイクル製品や再生燃料を製造することができるとともに、鉄製や非鉄金属製のリサイクル製品、骨材を製造することができる。
【0030】
上ろくろが中棒の上部に取り付けられ、親骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて親骨の基端部を回転可能に支持する第1係止溝と、上ろくろに螺着されて第1係止溝の上部開口を塞ぎ、親骨の基端部を第1係止溝に位置させる第1蓋部とを有し、下ろくろが中棒に摺動可能に取り付けられ、受骨の基端部に形成された係合軸が挿脱可能に挿入されて受骨の基端部を回転可能に支持する第2係止溝と、下ろくろに螺着されて第2係止溝の上部開口を塞ぎ、受骨の基端部を第2係止溝に位置させる第2蓋部とを有し、プラスチック傘が分解組立可能である傘リサイクルシステムは、プラスチック傘(ビニール傘)が分解組立可能であるから、使用済みのプラスチック傘を石突き、上ろくろ、下ろくろ、親骨、受骨、中棒、手元、カバー(傘生地)の各パーツに容易に分解することができ、プラスチック傘を容易にリサイクル及び再資源化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一例として示す傘リサイクルシステムの概略構成図。
【
図2】傘リサイクルシステムによって処理されるプラスチック傘(ビニール傘)の一例を示す斜視図。
【
図3】傘リサイクルシステムによって処理される手開き式のプラスチック傘(ビニール傘)の一例を示す側面図。
【
図4】傘リサイクルシステムによって処理されるジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘(ビニール傘)の一例を示す側面図。
【
図5】分解組立可能なプラスチック傘(ビニール傘)の一例として示す上ろくろの斜視図。
【
図6】分解組立可能なプラスチック傘(ビニール傘)の一例として示す下ろくろの斜視図。
【
図7】手元(ハンドル)に取り付けられたQRコード(バーコード)(登録商標)の一例を示す図。
【
図8】手元(ハンドル)に取り付けられたICタグの一例を示す図。
【
図10】リサイクルセンターに設置されたディスプレイに出力された傘リサイクルシステムの傘リサイクル画面の一例を示す図。
【
図11】ディスプレイに出力された傘撮影画面の一例を示す図。
【
図12】ディスプレイに出力された傘データ出力画面の一例を示す図。
【
図13】ディスプレイに出力された回収データ出力画面の一例を示す図。
【
図14】ディスプレイに出力されたリサイクルデータ出力画面の一例を示す図。
【
図15】ディスプレイに出力された再資源データ出力画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
一例として示す傘リサイクルシステム10の概略構成図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る傘リサイクルシステムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、傘リサイクルシステム10によって処理されるプラスチック傘11(ビニール傘)の一例を示す斜視図であり、
図3は、傘リサイクルシステム10によって処理される手開き式のプラスチック傘11A(ビニール傘)の一例を示す側面図である。
図4は、傘リサイクルシステム10によって処理されるジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘11B(ビニール傘)の一例を示す側面図であり、
図5は、分解組立可能なプラスチック傘11(ビニール傘)の一例として示す上ろくろ21の斜視図である。
図6は、分解組立可能なプラスチック傘11(ビニール傘)の一例として示す下ろくろ22の斜視図である。
図2では、上はじき37や下はじき38、ジャンプボタン39の図示を省略している。
図3,4は、プラスチック傘11A,11Bからカバー(傘生地)を取り外した状態で示す。
【0033】
傘リサイクルシステム10は、使用済みのラスチック傘11(傘)をリサイクル、再資源化する。
図1では、1本のプラスチック傘11(ビニール傘)を図示しているが、実際には多数のプラスチック傘11が傘リサイクルシステム10によって処理される。尚、プラスチック傘11を例示して傘リサイクルシステム10におけるリサイクル、再資源化を説明するが、傘リサイクルシステム10を利用することで、プラスチック傘11のみならず、洋傘や折り畳み傘等の他のあらゆる種類の傘をリサイクル及び再資源化することができる。
【0034】
傘リサイクルシステム10には、新品のプラスチック傘11(傘)やリサイクルしたプラスチック傘11(傘)を販売する販売店12、使用済みのプラスチック傘11(傘)を回収する回収ボックス13、回収ボックス13に回収された多数のプラスチック傘11(傘)を分解・分別するリサイクルセンター14、分別されたリサイクルパーツ18を利用して新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てる傘組立業者15、分別されたリサイクル不可パーツ19を再資源化する再資源業者16、新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を販売店12に卸す再販センター17が介在する。販売店12には、コンビニエンスストアやホームセンター、量販店、小売店、スーパー、ドラッグストア、100円ショップ、駅構内の売店等がある。リサイクルセンター14や再販センター17は、傘リサイクルシステム10を管理する管理事業者の施設である。リサイクルセンター14は、プラスチック傘11(傘)を分解・分別のみならず、傘組立業者15や再資源業者16を兼ねる場合がある。
【0035】
傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を回収する回収手段、回収手段によって回収した複数の使用済みのプラスチック傘11をリサイクルセンター14に搬送する傘搬送手段、回収した使用済みのプラスチック傘11を各パーツに分解する傘分解手段、傘分解手段によって分解した各パーツを再利用可能なリサイクルパーツ18又は再利用不能なリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別する判別手段、判別手段によって判別したリサイクルパーツ18を利用して新たなリサイクル傘11を組み立てるリサイクル傘組立手段、判別手段によって判別したリサイクル不可パーツ19を再資源化する再資源化手段、プラスチック再生原料から所定のプラスチックリサイクル製品を製造するリサイクル製品製造手段を実施する。
【0036】
傘リサイクルシステム10によってリサイクル及び再資源化される使用済みのプラスチック傘11(ビニール傘)の一例は、
図2に示すように、石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25(シャフト)、手元26(ハンドル)、カバー27(傘生地)から作られている。石突き20は、地面に接するパーツであり、中棒25の先端部28に螺着又は接着によって着脱可能に取り付けられている。石突き20は、カバー27(傘生地)の固定に使用される。プラスチック傘11の石突き20は、PP(ポリプロピレン)やABS樹脂等のプラスチックから作られている。尚、洋傘の石突きは、亜鉛合金から作られる。尚、中棒25の先端部28であって石突き20の直下に陣笠や菊座、天紙が取り付けられる場合がある。
【0037】
上ろくろ21は、親骨23を束ねるパーツであり、プラスチック傘11(11A,11B)の開閉時に使用される。ジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘11Bの上ろくろ21には、軸方向下方へ延びるストッパー29(止めびょう)が一体に成形されている。上ろくろ21は、石突き20の直下であって中棒25の先端部28に挿脱可能に取り付けられている。下ろくろ22は、受骨24を束ねるパーツであり、プラスチック傘11(11A,11B)の開閉時に使用される。下ろくろ22は、中棒25に挿脱可能に嵌め込まれ、中棒25の軸方向へ摺動可能である。ジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘11Bの下ろくろ22には、スライダー30及びコイルバネ31が設置されている。上ろくろ21や下ろくろ22は、ナイロン樹脂やポリカーボネート等のプラスチックから作られている。上ろくろ21には、ネイルガード付きろくろ、プッシュ型ろくろ、安全ろくろがある。
【0038】
親骨23は、プラスチック傘11(11A,11B)を開いた時にカバー27(傘生地)を支持する骨組みパーツであり、プラスチック傘11を開いた時に上ろくろ21を中心として径方向外方へ放射状に延びる。親骨23は、その基端部32が上ろくろ21に旋回可能に連結(設置)されている。親骨23は、グラスファイバー(FRP)(強化プラスチック)やカーボンファイバー(強化プラスチック)、鉄にメッキ加工を施したスチール、アルミ合金から作られている。親骨23の先端部33には、露先34が挿脱可能に挿入されている。露先34は、カバー27(傘生地)の外周縁に取り付けられ、親骨23とカバー27(傘生地)とを連結するパーツである。露先34は、PP(ポリプロピレン)や亜鉛合金から作られる。
【0039】
受骨24は、親骨23を支持する骨組みパーツであり、プラスチック傘11(11A,11B)を開いた時に下ろくろ22を中心として径方向外方へ放射状に延びる。受骨24は、その基端部35が下ろくろ22に旋回可能に連結(設置)され、その先端部36が親骨23の中央に取り付けられただぼ(金属だぼ又は樹脂だぼ)に旋回可能に連結(設置)されている。受骨24は、グラスファイバー(FRP)(強化プラスチック)やカーボンファイバー(強化プラスチック)、鉄にメッキ加工を施したスチール、アルミ合金から作られている。
【0040】
中棒25(シャフト)は、プラスチック傘11(11A,11B)の中心に位置する棒であり、石突き20や上ろくろ21、下ろくろ22、手元26(ハンドル)が設置される、中棒25は、グラスファイバー(FRP)(強化プラスチック)やカーボンファイバー(強化プラスチック)、鉄にメッキ加工を施したスチール、アルミ合金から作られている。手開き式のプラスチック傘11Aの中棒25には、
図3に示すように、上はじき37及び下はじき38が設置されている。上はじき37は、中棒25の上部(石突き20の側)に設置され、プラスチック傘11Aの開いた状態を保持する。上はじき37は、ばねの弾性力によって中棒25の径方向外方へ付勢されている。下はじき38は、中棒25の下部(手元26の側)に設置され、プラスチック傘11Aの閉じた状態を保持する。下はじき38は、ばねの弾性力によって中棒25の径方向外方へ付勢されている。手開き式のプラスチック傘11Aでは、ばねの弾性力に抗して下はじき38を径方向内方へ押圧し、下ろくろ22を手動で中棒25の軸方向上方へ次第に移動させることで、傘11Aが開く。
【0041】
ジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘11Bの中棒25には、
図4に示すように、下はじき38及びジャンプボタン39が設置されている。下はじき38は、ジャンプボタン39と一体に成形されて中棒25の下部(手元26の側)に設置され、プラスチック傘11Bの閉じた状態を保持する。ジャンプボタン39は、下はじき38の直下に位置し、ばねの弾性力によって下はじき38とともに中棒25の径方向外方へ付勢されている。ジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘11Bでは、閉じた状態からジャンプボタン39を押すと、コイルバネ31の付勢力によって下ろくろ23(スライダー30)が中棒25の軸方向上方へ次第に移動(摺動)し、傘11Bが開く。
【0042】
分解組立可能なプラスチック傘11(ビニール傘)の上ろくろ21は、
図5に示すように、中棒25の上部に取り付けられ、親骨23の基端部32に形成された係合軸40が挿脱可能に挿入されて親骨23の基端部32を回転可能に支持する第1係止溝41と、上ろくろ21に螺着されて第1係止溝41の上部開口42を塞ぎ、親骨23の基端部32を第1係止溝41に位置させる第1蓋部43とを有する。分解組立可能なプラスチック傘11(ビニール傘)の下ろくろ22は、
図6に示すように、中棒25に摺動可能に取り付けられ、受骨24の基端部35に形成された係合軸44が挿脱可能に挿入されて受骨24の基端部35を回転可能に支持する第2係止溝45と、下ろくろ22に螺着されて第2係止溝45の下部開口46を塞ぎ、受骨24の基端部35を第2係止溝45に位置させる第2蓋部47とを有する。
【0043】
手元26(ハンドル)は、中棒25の下端部48に着脱可能に取り付けられている。手元26は、PP(ポリプロピレン)やグラスファイバー(FRP)(強化プラスチック)、カーボンファイバー(強化プラスチック)から作られている。プラスチック傘11(11A,11B)のカバー27(傘生地)は、ポリオレフィン・エラストマー(POE)やポリオキシエチレン、非晶質ポリオレフィン(APO)、エチレン・ビニール・アセテート(EVA)から作られている。カバー27(傘生地)がポリエステルやナイロン、ポリエステルと綿との混紡素材(T/C)、ポリエチレンから作られる場合がある。カバー27(傘生地)には、カバー27の畳まれた状態を保持する帯状のバンド(図示せず)が取り付けられている。バンドは、カバー27と同様の素材から作られている。
【0044】
図7は、手元26(ハンドル)に取り付けられたQRコード49(バーコード)の一例を示す図であり、
図8は、手元26(ハンドル)に取り付けられたICタグ50の一例を示す図である。
図9は、回収ボックス13の一例を示す図である。プラスチック傘11(11A,11B)の手元26(ハンドル)には、
図7に示すように、QRコード49(バーコード)(製造年月日識別標識)が固定されている(取り付けられている)。QRコード49は、新品のプラスチック傘11(傘)の製造年月日、新品のプラスチック傘11の識別情報(識別子)、新品のプラスチック傘11の販売店12、新品のプラスチック傘11の製造工場、新品のプラスチック傘11の耐用年月を表す。QRコード49は、バーコードリーダ(図示せず)によって読み取られ、新品のプラスチック傘11の製造年月日や識別情報(識別子)、販売店12、製造工場、耐用年月がディスプレイ52やタッチパネル等の出力装置に出力(表示)される。尚、QRコード49の他に、JANコード、CODE39、CODE128、NW-7コード、ITFコードを利用することもできる。
【0045】
プラスチック傘11(11A,11B)の手元26(ハンドル)には、
図8に示すように、ICタグ50(製造年月日識別標識)が固定されている(取り付けられている)。ICタグ50には、新品のプラスチック傘11(傘)の製造年月日、新品のプラスチック傘11の識別子、新品のプラスチック傘11の販売店12、新品のプラスチック傘11の製造工場、新品のプラスチック傘11の耐用年月が記憶(格納)されている。ICタグ50は、ICタグリーダ(図示せず)によって読み取られ、新品のプラスチック傘11の製造年月日や識別子、販売店12、製造工場、耐用年月がディスプレイ52やタッチパネル等の出力装置に出力(表示)される。尚、新品のプラスチック傘11の手元26や中棒25、カバー27(傘生地)には、新品のプラスチック傘11の製造年月日を表示したシール(製造年月日識別標識)が貼付されていてもよく、新品のプラスチック傘11の製造年月日が印刷又は刻印されていてもよい。
【0046】
傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を回収ボックス13を利用して回収する(回収手段)。回収ボックス13は、
図7に示すように、底壁、前後壁、両側壁を備え、それら壁に囲繞された所定面積の上部開口及び所定容積の回収スペース51を有する。回収スペース51には、多数の使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)が収容される。回収ボックス13は、コンビニエンスストアやホームセンター、量販店、小売店、スーパー、ドラッグストア、100円ショップ、駅構内の売店の店内や店外近傍に設置される。傘リサイクルシステム10は、回収ボックス13を利用して使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を回収することで、多量の使用済みプラスチック傘11を回収することができ、使用済みプラスチック傘11の他所への不用意な廃棄を防ぐことができる。
【0047】
図10は、リサイクルセンター14に設置されたディスプレイ52に出力された傘リサイクルシステム10の傘リサイクル画面の一例を示す図であり、
図11は、ディスプレイ52に出力された傘撮影画面の一例を示す図である。
図12は、ディスプレイ52に出力された傘データ出力画面の一例を示す図であり、
図13は、ディスプレイ52に出力された回収データ出力画面の一例を示す図である。
【0048】
傘リサイクルシステム10では、新品のプラスチック傘11(11A,11B)を利用者が販売店12において購入する。利用者は、購入したプラスチック傘11を雨天時に差して外出する。プラスチック傘11(11A,11B)は、その使用の頻度によって経年劣化し、新品のプラスチック傘11の購入する度に使用済みのプラスチック傘11を廃棄する。各販売店12には、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の回収ボックス13への回収(廃棄)を促す各種のポスターが掲示されているとともにweb広告がアップロードされている。
【0049】
それらポスターやweb広告を見た利用者は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を回収ボックス13へ廃棄(収容)する。尚、利用者が使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を販売店12の従業員に渡し、販売店12自体が使用済みのプラスチック傘11を回収してもよい。回収ボックス13や販売店12に回収(廃棄)された使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)は、販売店12から搬送車両53(宅配業者や運送業者)によってリサイクルセンター14に搬送される(傘搬送手段)。
【0050】
リサイクルセンター14には、管理サーバ54に接続されたキーボードやマウス、バーコードリーダ、ICタグリーダ、デジタルカメラ等の入力装置、管理サーバ54に接続されたディスプレイ52やプリンタ等の出力装置が設置されている。管理サーバ54は、新品のプラスチック傘11(傘)の製造年月日情報や識別情報、販売店情報、製造工場情報、耐用年月情報、組立業者情報、再資源業者情報を管理する。管理サーバ54が業者サーバ55,56を兼務する場合は、それら情報の他に、親骨23や受骨24、中棒25(シャフト)のリサイクル情報、リサイクル不可パーツ19の再資源化情報を管理する。管理サーバ54は、傘リサイクルシステム10を管理する管理事業者が契約するデータセンターに設置されているが、管理サーバ54が傘リサイクルシステム10を管理する管理事業者の事業所に設置される場合もある。
【0051】
組立業者15の事業所や再資源業者16の事業所には、業者サーバ55,56に接続されたキーボードやマウス等の入力装置、業者サーバ55,56に接続されたディスプレイやプリンタ等の出力装置が設置されている。組立業者15の業者サーバ55は、リサイクルされた親骨23や受骨24、中棒25(シャフト)のリサイクル情報を管理する。再資源業者16の業者サーバ56は、再資源化されたリサイクル不可パーツ19の再資源化情報を管理する。組立業者15の業者サーバ55や再資源業者16の業者サーバ56は、組立業者15や再資源業者16が契約するデータセンターに設置されているが、組立業者15の業者サーバ55や再資源業者16の業者サーバ56が組立業者15や再資源業者16の事業所に設置される場合もある。
【0052】
管理サーバ54や業者サーバ55,56は、中央処理部(CPU又はMPU、仮想CPU又は仮想MPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ、仮想メインメモリ及び仮想キャッシュメモリ)とを備えた物理的なコンピュータ又はクラウドコンピューティングであり、大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域を内蔵している。クラウドとしては、Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)を利用することができる。
【0053】
管理サーバ54及び業者サーバ55,56の大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域には、それらサーバ54~56を特定するサーバ特定情報が格納されている。サーバ特定情報としては、管理サーバ54及び業者サーバ55,56のIPアドレスやMACアドレス、URL、メールアドレス、Cookie情報、固体識別番号等を利用することができる他、管理サーバ54や業者サーバ55,56がそれらを識別するユニークな識別子を独自に生成し、生成した識別子をサーバ特定情報とすることができる。
【0054】
管理サーバ54の大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域には、新品のプラスチック傘11の識別情報、新品のプラスチック傘11の販売店12に卸した卸総本数、識別情報毎の新品のプラスチック傘11の耐用年数(リサイクル許容期間)、販売店情報、製造工場情報、組立業者情報、再資源業者情報が記憶(格納)されている。販売店情報や製造工場情報、組立業者情報、再資源業者情報には、販売店12を特定する販売店特定情報(販売店特定識別子)、製造工場を特定する製造工場特定情報(製造工場特定識別子)、組立業者15を特定する組立業者特定情報(組立業者特定識別子)、再資源業者16を特定する再資源業者特定情報(再資源業者特定識別子)、販売店12や製造工場、組立業者15、再資源業者16のURL、販売店12や製造工場、組立業者15、再資源業者16の各種情報(パスワードやID番号、氏名又は名称(法人名や個人名)、住所又は居所、電話番号、FAX番号、メールアドレス等)が記憶(格納)されている。組立業者15の業者サーバ55や再資源業者16の業者サーバ56の大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域には、管理サーバ54から送信されたプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)、リサイクルセンター14を特定するリサイクルセンター特定情報(リサイクルセンター特定識別子)、リサイクルセンター14のURL、メールアドレスが記憶(格納)されている。
【0055】
管理サーバ54や業者サーバ55,56には、ホスト名とそのホスト名に割り当てるIPアドレスとの対応付けを設定するDNSサーバ、他のコンピュータや他のサーバからの要求を受け付けて各種情報を読み書きする機能を提供するデータベース・ファイルサーバ、ホームページを公開するために必要なWebサーバ、電子メールの送受信用のメールサーバ、作成された文章や画像等のデータをすべて保存してそれらのデータを検索可能にするドキュメントサーバ等の各種サーバが接続され、それらサーバがサーバ群を形成している。
【0056】
尚、管理サーバ54や業者サーバ55,56は、それら自体がDNSサーバ機能、データベースサーバ機能、Webサーバ機能、メールサーバ機能、ドキュメントサーバ機能を有し、各サーバ機能別にソフトウェア的に区分されている場合がある。管理サーバ54や業者サーバ55,56は、インターネットに接続された各種複数のDNSサーバ等を経由しつつ、インターネットを利用してアクセス制限がない他のあらゆるサーバにアクセスすることができる。管理サーバ54や業者サーバ55,56は、世界のいずれかに施設されたデータセンターの他のサーバとインターネットを介してネットワークを形成している。
【0057】
リサイクルセンター14には、各回収ボックス13や各販売店12から回収された多数の使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)が搬送される。使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の情報収集手順の一例は、以下のとおりである。リサイクルセンター14の担当者(職員又は外注者)は、リサイクルセンター14に設置されたディスプレイ52に出力(表示)された待ち受け画面(図示せず)の傘リサイクルシステム10を示すアイコンをクリック(タップ)する。傘リサイクルシステム10のアイコンをクリック(タップ)すると、管理サーバ54は、
図10に示す傘リサイクルシステム10の傘リサイクル画面をディスプレイ52に出力(表示)する。傘リサイクル画面には、識別情報読取ボタン10a、回収データ出力ボタン10b、リサイクルデータ出力ボタン10c、再資源データ出力ボタン10d、キャンセルボタン10eが出力(表示)される。キャンセルボタン10eをクリックすると、傘リサイクルシステム10が終了する(以下のキャンセルボタンも同様)。
【0058】
リサイクルセンター14の担当者は、識別情報読取ボタン10aをクリックした後、回収した使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の手元26(ハンドル)に固定されたQRコード49(製造年月日識別標識)をバーコードリーダによって読み取り、又は、手元26(ハンドル)に固定されたICタグ50(製造年月日識別標識)に記憶された情報をICタグリーダによって読み取る。バーコードリーダによって読み取られた情報(新品のプラスチック傘11(傘)の製造年月日、新品のプラスチック傘11の識別情報(識別子)、新品のプラスチック傘11の販売店12、新品のプラスチック傘11の製造工場、新品のプラスチック傘11の耐用年月)(回収日時を含む)は、バーコードリーダやICタグリーダから管理サーバ54に送信される。
【0059】
管理サーバ54は、予め記憶した新品のプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)とバーコードリーダによって読み取られた識別情報(識別子)とを比較し、バーコードリーダによって読み取られた識別情報が予め記憶した新品のプラスチック傘11の識別情報に該当する場合、バーコードリーダによって読み取られた情報(新品のプラスチック傘11の製造年月日、新品のプラスチック傘11の識別情報(識別子)、新品のプラスチック傘11の販売店12、新品のプラスチック傘11の製造工場、新品のプラスチック傘11の耐用年月)(回収番号(1~n番)及び回収年月日を含む)を予め記憶した新品のプラスチック傘11の識別情報に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(使用済み傘情報記憶手段)。
【0060】
担当者は、手元26(ハンドル)にQRコード49が取り付けられていない(表示されていない)場合、QRコード49が取り付けられていないプラスチック傘11の回収番号(1~n番)及び回収年月日を管理サーバ54に入力する。管理サーバ54は、入力された回収番号(1~n番)及び回収年月日を独自に生成したプラスチック傘11の識別情報(識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0061】
管理サーバ54は、予め記憶した新品のプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)とICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)とを比較し、ICタグリーダによって読み取られた識別情報が予め記憶した新品の傘の識別情報に該当する場合、ICタグリーダによって読み取られた情報(新品のプラスチック傘11の製造年月日、新品のプラスチック傘11の識別情報(識別子)、新品のプラスチック傘11の販売店12、新品のプラスチック傘11の製造工場、新品のプラスチック傘11の耐用年月)(回収日時を含む)を予め記憶した新品のプラスチック傘11の識別情報に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(使用済み傘情報記憶手段)。
【0062】
担当者は、手元26(ハンドル)にICタグ50が取り付けられていない場合、ICタグ50が取り付けられていないプラスチック傘11の回収番号(1~n番)及び回収年月日を管理サーバ54に入力する。管理サーバ54は、入力された回収番号(1~n番)及び回収年月日を独自に生成したプラスチック傘11の識別情報(識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0063】
管理サーバ54は、バーコードリーダやICタグリーダによって読み取られた情報を記憶した後、
図11に示す傘撮影画面をディスプレイ52に出力(表示)する。傘撮影画面には、傘撮影ボタン11a、戻るボタン11b、キャンセルボタン11cが出力(表示)される。リサイクルセンター14の担当者は、傘撮影ボタン11aをクリックした後、回収した使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)をデジタルカメラによって撮影する。撮影された傘デジタル画像は、デジタルカメラから管理サーバ54に送信される。管理サーバ54は、傘デジタル画像を予め記憶した新品のプラスチック傘11の識別情報又は独自に生成したプラスチック傘11の識別情報(識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(傘デジタル画像記憶手段)。
【0064】
管理サーバ54は、バーコードリーダやICタグリーダが読み取った新品のプラスチック傘11(11A,11B)の製造年月日から現在(回収日)までの使用済みのプラスチック傘11の使用期間(経過年月数)を算出し(使用期間算出手段)、算出した使用期間(経過年月数)をディスプレイ52に出力(表示)する(使用期間出力手段)。管理サーバ54は、使用期間算出手段によって算出した使用期間(経過年月数)とバーコードリーダやICタグリーダが読み取った耐用年数(リサイクル許容期間)又は大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶したプラスチック傘11の耐用年数(リサイクル許容期間)とを比較する(使用年数比較手段)。
【0065】
管理サーバ54は、使用年数比較手段によって使用期間(経過年月数)と耐用年数(リサイクル許容期間)とを比較した結果、使用期間が耐用年数内である場合、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクル可能なリサイクルパーツ18と判定し(使用期間判定手段)。リサイクル可メッセージをディスプレイ52に出力(表示)する(リサイクル可出力手段)。管理サーバ54は、使用期間が耐用年数を経過している場合、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクル不可能なリサイクル不可パーツ19と判定し(使用期間判定手段)、リサイクル不可メッセージをディスプレイ52に出力(表示)する(リサイクル不可出力手段)。
【0066】
管理サーバ54は、回収した使用済みのすべてのプラスチック傘11(11A,11B)の総回収本数(QRコード49又はICタグ50が取り付けられた使用済みのプラスチック傘11の本数+QRコード49又はICタグ50が取り付けられていない使用済みのプラスチック傘11の本数)を集計するとともに、識別情報(識別子)を備えた使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の回収本数(QRコード49又はICタグ50が取り付けられた使用済みのプラスチック傘11の本数)を集計する(回収本数集計手段)。管理サーバ54は、集計した総回収本数及び回収本数を集計日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(回収本数記憶手段)。
【0067】
管理サーバ54は、回収本数集計手段によって集計した総回収本数に対する回収本数の第1割合(第1回収率(%))を算出(回収本数/総回収本数×100)し(第1回収率算出手段)、算出した第1割合(第1回収率(%))を算出年月日(日時)に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第1回収率記憶手段)。管理サーバ54は、新品のプラスチック傘11(11A,11B)の販売店12に卸した卸総本数(QRコード49又はICタグ50が取り付けられた新品のプラスチック傘11の本数)に対する回収本数(QRコード49又はICタグ50が取り付けられた使用済みのプラスチック傘11の本数)の第2割合(第2回収率(%))を算出(回収本数/卸総本数×100)し(第2回収率算出手段)、算出した第2割合(第2回収率(%))を算出年月日(日時)に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第2回収率記憶手段)。
【0068】
ディスプレイ52には、
図12に示す傘データ出力画面が出力(表示)される。
図12の傘データ出力画面には、新品のプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報を出力(表示)した識別情報出力エリア12a、新品のプラスチック傘11の製造年月日を出力(表示)した製造年月日出力エリア12b、新品のプラスチック傘11の販売店12を出力(表示)した販売店出力エリア12c、新品のプラスチック傘11の製造工場を出力(表示)した製造工場出力エリア12d、プラスチック傘11の使用期間を出力(表示)した使用期間出力エリア12e、新品のプラスチック傘11の耐用年月を出力(表示)した耐用年月出力エリア12f、回収日時を出力(表示)した回収日時出力エリア12g、リサイクル可メッセージ又はリサイクル不可メッセージを出力(表示)したリサイクル可不可メッセージ出力エリア12h、傘デジタル画像を出力(表示)した画像出力エリア12i、確認ボタン12j、キャンセルボタン12kが出力(表示)される。
【0069】
リサイクルセンター14の管理事業者や担当者は、ディスプレイ52に出力(表示)されたリサイクル可不可メッセージを見ることで、回収した使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)が耐用年数内か耐用年数を経過しているか否かを知ることができ、使用済みのプラスチック傘11のリサイクル可又はリサイクル不可を知ることができる。傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の使用期間(経過年月数)と予め記憶された耐用年数(リサイクル許容期間)とを比較しつつ、使用期間が耐用年数以内の場合、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクルパーツ18と判定し、使用期間が耐用年数を超過している場合、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクル不可パーツ19と判定するから、使用済みのプラスチック傘11の使用期間の認定の過誤を防ぐことができ、使用済みのプラスチック傘11の使用期間によって中棒25や親骨23、受骨24をリサイクルパーツ18又はリサイクル不可パーツ19のいずれかに確実に分別することができる。
【0070】
リサイクルセンター14の管理事業者や担当者は、各出力エリア12a~12iに出力(表示)された各データを確認した後、確認ボタン12jをクリックする。確認ボタン12jをクリックすると、管理サーバ54は、バーコードリーダやICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)と独自に生成したプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)とを組立業者15の業者サーバ55及び再資源業者16の業者サーバ56に送信しつつ、
図10の傘リサイクル画面をディスプレイ53に出力(表示)する。既述の手順を繰り返し、回収したプラスチック傘11のデータを収集する。尚、プラスチック傘11の撮影が不要な場合、戻るボタン11bをクリックする。戻るボタン11bをクリックすると、
図10の傘リサイクル画面がディスプレイ52に出力(表示)される。
【0071】
使用済みのすべてのプラスチック傘11(11A,11B)の総回収本数、識別情報(識別子)を備えた使用済みのプラスチック傘11の回収本数、第1回収率や第2回収率を出力(表示)するには、
図10の傘リサイクル画面の回収データ出力ボタン10bをクリックする。回収データ出力ボタン10bをクリックすると、管理サーバ54は、集計した総回収本数及び回収本数をディスプレイ52に出力(表示)し(回収本数出力手段)、算出した第1割合(第1回収率(%))をディスプレイ52に出力(表示)するとともに(第1回収率出力手段)、算出した第2割合(第2回収率(%))をディスプレイ52に出力(表示)する(第2回収率出力手段)。ディスプレイ52には、
図13に示す回収データ出力画面が出力(表示)される。
【0072】
図13の回収データ出力画面には、現在における総回収本数を出力(表示)した総回収本数出力エリア13a、現在における回収本数を出力(表示)した回収本数出力エリア13b、第1回収率を出力(表示)した第1回収率出力エリア13c、第2回収率を出力(表示)した第2回収率出力エリア13d、傘リサイクルボタン13e、キャンセルボタン13fが出力(表示)される。傘リサイクルボタン13eをクリックすると、
図10の傘リサイクル画面がディスプレイ52に出力(表示)される(以下の傘リサイクルボタンも同様)。
【0073】
リサイクルセンター14の管理事業者や担当者は、ディスプレイ52に出力(表示)された第1割合(第1回収率(%))を見ることで、総回収本数に対する回収本数の回収割合を知ることができ、QRコード49及びICタグ50を取り付けたプラスチック傘11(11A,11B)の市場での大まかな売れ行きを知ることができる。リサイクルセンター14の管理事業者や担当者は、ディスプレイ52に出力(表示)された第2割合(第2回収率(%))を見ることで、卸総本数に対する回収本数の回収割合を知ることができ、QRコード49及びICタグ50を取り付けたプラスチック傘11(11A,11B)のリサイクルの割合を知ることができる。
【0074】
次に、リサイクルセンター14の担当者は、回収した使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を各パーツに分解する(傘分解手段)。傘分解手段では、プラスチック傘11を石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25、手元26、カバー27(傘生地)の各パーツ(陣笠や菊座、天紙、バンドを含む)に分解する。尚、分解組立可能なプラスチック傘11は、上ろくろ21の第1係止溝41から第1蓋部43を取り外した後、第1係止溝41から親骨23の基端部32を取り外すことで、上ろくろ32(中棒25)から親骨23が取り外され、下ろくろ22の第2係止溝45から第2蓋部47を取り外した後、第2係止溝45から受骨24の基端部35を取り外すことで、下ろくろ22(中棒25)から受骨24が取り外される。分解組立可能であるプラスチック傘11は、使用済みのプラスチック傘11を石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25、手元26、カバー27(傘生地)の各パーツに容易に分解することができる。
【0075】
傘分解手段によってプラスチック傘11(11A,11B)を石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25、手元26、カバー27(傘生地)の各パーツに分解した後、それらパーツを再利用可能なリサイクルパーツ18又は再利用不能なリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別する(判別手段)。判別手段では、石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、手元26、カバー27を再利用不能なリサイクル不可パーツ19と判別し、中棒26と親骨23と受骨24とをリサイクルパーツ18又はリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別する。
【0076】
リサイクルセンター14の担当者は、判別手段において、中棒25と親骨23と受骨24との傷つき、骨折れ、錆び付きを使用済みプラスチック傘11(11A,11B)現品の目視及び触感によって検品する目視・触感検品と、デジタルカメラによって撮影された使用済みプラスチック傘11のデジタル画像データによって中棒25と親骨23と受骨24との傷つき、骨折れ、錆び付きを検品する画像検品とを行う。尚、目視・触感検品のみが行われる場合がある。リサイクルセンター14の担当者は、判別手段において、リサイクル可不可メッセージ出力エリアに出力(表示)されたリサイクル可不可メッセージを確認しつつ、新品のプラスチック傘11(11A,11B)の製造年月日から現在(回収日)までの使用済みのプラスチック傘11の使用期間を参酌し、使用済みのプラスチック傘11の使用期間が所定のリサイクル許容期間を経過していた場合、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクル不可パーツ19と判別する。
【0077】
尚、新品のプラスチック傘11(11A,11B)の製造年月日を示すシールが貼付され、又は、新品のプラスチック傘11の製造年月日が印刷又は刻印されている場合、リサイクルセンター14の担当者は、シールや印刷、刻印された製造年月日から現在(回収日)までの使用済みのプラスチック傘11の使用期間(経過年月数)を計算し、使用期間と耐用年数(リサイクル許容期間)とを比較しつつ、リサイクル可又はリサイクル不可を判断する。
【0078】
リサイクルセンター14の担当者は、判別手段において目視・触感検品と画像検品とを行った結果、使用期間が耐用年数内である中棒25と親骨23と受骨24とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとがない場合に中棒25と親骨23と受骨24とを再利用可能なリサイクルパーツ18と判別し、使用期間が耐用年数内である中棒25と親骨23と受骨24とが強化プラスチックから作られている場合であって傷つきと骨折れとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツ19と判別する。更に、使用期間が耐用年数内である中棒25と親骨23と受骨24とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとがない場合に中棒25と親骨23と受骨24とを再利用可能なリサイクルパーツ18と判別し、使用期間が耐用年数内である中棒25と親骨23と受骨24とが金属から作られている場合であって傷つきと骨折れと錆び付きとの少なくとも1つがある場合に再利用不能なリサイクル不可パーツ19と判別する。
【0079】
傘リサイクルシステム10は、強化プラスチックから作られた中棒25や親骨、23受骨24に傷つきや骨折れがない場合、リサイクルとして適格であってそれらをリサイクルパーツ18として使用することができ、強化プラスチックから作られた中棒25や親骨23、受骨24に傷つきや骨折れがある場合、リサイクルとして不適格であってそれらをリサイクル不可パーツ19として再資源化することができる。傘リサイクルシステム10は、金属から作られた中棒25や親骨23、受骨24に傷つきや骨折れ、錆び付きがない場合、リサイクルとして適格であってそれらをリサイクルパーツ18として使用することができ、金属から作られた中棒25や親骨23、受骨24に傷つきや骨折れ、錆び付きがある場合、リサイクルとして不適格であってそれらをリサイクル不可パーツ19として再資源化することができる。
【0080】
リサイクルセンター14の担当者は、目視・触感検品において、使用済みプラスチック傘11の開閉方法が手開き式であって使用済みプラスチック傘11が円滑に開閉可能な場合、中棒25をリサイクルパーツ18と判別し、使用済みプラスチック傘11の開閉方法が手開き式であって使用済みプラスチック傘11が円滑に開閉不能な場合、中棒25をリサイクル不可パーツ19と判別する。更に、使用済みプラスチック傘11の開閉方法がジャンプ式であって使用済みプラスチック傘11が円滑に開閉可能な場合、中棒25をリサイクルパーツ18と判別し、使用済みプラスチック傘11の開閉方法がジャンプ式であって使用済みプラスチック傘11が円滑に開閉不能な場合、中棒をリサイクル不可パーツ19と判別する。
【0081】
傘リサイクルシステム10は、手開き式の使用済みプラスチック傘11Aの中棒25に傷つきや骨折れ、錆び付きがなく、使用済みプラスチック傘11Aが円滑に開閉可能な場合、又は、ジャンプ式(ワンタッチ式)の使用済みプラスチック傘11Bの中棒に傷つきや骨折れ、錆び付きがなく、使用済みプラスチック傘11Bが円滑に開閉可能な場合、中棒26をリサイクルパーツ18と判別し、手開き式の使用済みプラスチック傘11Aの中棒25に傷つきや骨折れ、錆び付きがなかったとしても、使用済みプラスチック傘11Aが円滑に開閉不能な場合、又は、ジャンプ式の使用済みプラスチック傘11Bの中棒25に傷つきや骨折れ、錆び付きがなかったとしても、使用済みプラスチック傘11Bが円滑に開閉不能な場合、中棒25をリサイクル不可パーツ19と判別することで、中棒25をリサイクルパーツ18又はリサイクル不可パーツ19に確実に分別することができ、中棒25を開閉機能を備えたリサイクルパーツ18としてリサイクルすることができるとともに、中棒25をリサイクル不可パーツ19として再資源化することができる。
【0082】
図14は、ディスプレイ52に出力されたリサイクルデータ出力画面の一例を示す図であり、
図15は、ディスプレイ52に出力された再資源データ出力画面の一例を示す図である。リサイクルセンター14の担当者は、プラスチック傘11(11A,11B)を石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25、手元26、カバー27(傘生地)の各パーツに分解し、更に、親骨23や受骨24、中棒25を再利用可能なリサイクルパーツ18又は再利用不能なリサイクル不可パーツ19のいずれかに分別した後、リサイクルパーツ18として分別した親骨23を一纏めに梱包し、リサイクルパーツ18として分別した受骨24を一纏めに梱包するとともに、リサイクルパーツ18として分別した中棒25を一纏めに梱包し、それらリサイクルパーツ18の搬送準備をする。梱包されたそれらリサイクルパーツ18は搬送車両53(宅配業者や運送業者)によって傘組立業者15に搬送される。傘組立業者15に搬送されるリサイクルパーツ18の梱包物には、バーコードリーダやICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)及び管理サーバ52によって独自に生成されたプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)を記憶(格納)したICタグが取り付けられる。
【0083】
リサイクルセンター14の担当者は、サイクル不可パーツ19として分別した上ろくろ21を一纏めに梱包し、リサイクル不可パーツ19として分別した下ろくろ22を一纏めに梱包し、リサイクル不可パーツ19として分別した手元26を一纏めに梱包するとともに、リサイクル不可パーツ19として分別したカバー27(傘生地)を一纏めに梱包する。リサイクル不可パーツ19として分別した親骨23を一纏めに梱包し、リサイクル不可パーツ19として分別した受骨24を一纏めに梱包するとともに、リサイクル不可パーツ19として分別した中棒25を一纏めに梱包し、それらリサイクル不可パーツ19の搬送準備をする。梱包されたそれらリサイクル不可パーツ19は搬送車両53(宅配業者や運送業者)によって再資源業者16に搬送される。再資源業者16に搬送されるリサイクル不可パーツ19の梱包物には、バーコードリーダやICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)及び管理サーバ52によって独自に生成されたプラスチック傘11(11A,11B)の識別情報(識別子)、各リサイクル不可パーツ19の総重量を記憶(格納)したICタグが取り付けられる。
【0084】
傘組立業者15は、リサイクルセンター14から搬送されたリサイクルパーツ18の梱包物に取り付けられたICタグの識別情報(識別子)をICタグリーダによって読み取る。ICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)は、傘組立業者15の業者サーバ55に送信される。業者サーバ55は、ICタグリーダから送信された識別情報(識別子)によって分解された使用済みプラスチック傘11(11A,11B)の本数を集計し、識別情報(識別子)と集計した本数とを大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0085】
傘組立業者15は、リサイクルセンター14から搬送されたリサイクルパーツ18を利用して新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てる(リサイクル傘組立手段)。傘組立手段では、リサイクルパーツ18として搬送された中棒25と親骨23と受骨24とのうちの少なくとも1つを利用して新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てる。
【0086】
例えば、リサイクルパーツ18である中棒25(シャフト)を利用して新たなプラスチック傘11を組み立てる場合、リサイクル品である中棒25(シャフト)に新品の石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、手元26(ハンドル)、カバー27(傘生地)の各パーツを加え、新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てる。又、リサイクルパーツ18である中棒25(シャフト)及び親骨23を利用して新たなプラスチック傘11を組み立てる場合、リサイクル品である中棒25(シャフト)及び親骨23に新品の石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、受骨24、手元26(ハンドル)、カバー27(傘生地)の各パーツを加え、新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てる。組み立てられた新たなプラスチック傘11は、傘組立業者15から再販センター17に搬送され、再販センター17から各販売店12に卸され、各販売店12において販売される。
【0087】
傘リサイクルシステム10は、所定期間使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)ビニール傘)(その他の洋傘や折り畳み傘等を含む)の親骨23、受骨24、中棒25のうちの少なくとも1つを使用して新たなプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てるから、使用済みのプラスチック傘11の親骨23や受骨24、中棒25をリサイクルすることができ、使用済みのプラスチック傘11の親23骨や受骨24、中棒25を再利用することができる。
【0088】
傘組立業者15は、リサイクルパーツ18を利用してプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てた後、組み立てたプラスチック傘11の組立本数(リサイクルパーツ18として搬送された各パーツから再利用できないものを除いた本数)を業者サーバ55に入力する。業者サーバ55は、入力されたラスチック傘11の組立本数を集計し、集計した組立本数を集計日に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)するとともに、集計した組立本数を管理サーバ54に送信する。
【0089】
管理サーバ54は、傘組立業者15の業者サーバ55から組立本数を受信し、受信した組立本数を受信日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(組立本数記憶手段)。管理サーバ54は、使用済みのすべてのプラスチック傘11の総回収本数に対する組立本数の割合(第1リサイクル率(%))を算出し(第1リサイクル率算出手段)、第1リサイクル率算出手段によって算出した第1リサイクル率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第1リサイクル記憶出手段)。
【0090】
更に、管理サーバ54は、識別情報(識別子)を備えた使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の回収本数に対する組立本数の割合(第2リサイクル率(%))を算出し(第2リサイクル率算出手段)、第2リサイクル率算出手段によって算出した第2リサイクル率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第2リサイクル記憶出手段)。
【0091】
リサイクルセンター14の管理事業者や担当者がリサイクルデータを確認するには、
図10の傘リサイクル画面のリサイクルデータ出力ボタン10cをクリックする。リサイクルデータ出力ボタン10cをクリックすると、管理サーバ54は、
図14に示すリサイクルデータ出力画面をディスプレイ52に出力(表示)し、第1リサイクル率算出手段によって算出した第1リサイクル率(%)を出力するとともに(第1リサイクル出力出手段)、第2リサイクル率算出手段によって算出した第2リサイクル率(%)を出力する(第2リサイクル出力出手段)。
【0092】
図14のリサイクルデータ出力画面には、現在における使用済みのすべてのプラスチック傘11(11A,11B)の総回収本数を表示した総回収本数表示エリア14a、現在における識別情報(識別子)を備えた使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)の回収本数を表示した回収本数表示エリア14b、現在における組立本数を表示した組立本数表示エリア14c、現在における第1リサイクル率(総回収本数に対する組立本数の割合)を表示した第1リサイクル率表示エリア14d、現在における第2リサイクル率(回収本数に対する組立本数の割合)を表示した第2リサイクル率表示エリア14e、傘リサイクルボタン14f、キャンセルボタン14gが出力(表示)される。
【0093】
傘リサイクルシステム10は、リサイクルセンター14の管理事業者や担当者が第1リサイクル率(総回収本数に対する組立本数の割合)を見ることで、回収されたすべての使用済みプラスチック傘11(11A,11B)に対し、リサイクルパーツ18を使用して新たに組み立てられプラスチック傘11(リサイクル傘)の割合(第1リサイクル率)を知ることができ、回収されたプラスチック傘11(11A,11B)のうちの識別情報(識別子)を備えたプラスチック傘11に対し、リサイクルパーツ18を使用して新たに組み立てられプラスチック傘11(リサイクル傘)の割合(第2リサイクル率)を知ることができる。傘リサイクルシステム10は、第1リサイクル率や第2リサイクル率からリサイクルの現状を知ることができ、リサイクル促進の方策を立案することができる。
【0094】
再資源業者16は、リサイクルセンター14から搬送された各リサイクル不可パーツ19の各梱包物に取り付けられたICタグの識別情報(識別子)をICタグリーダによって読み取る。ICタグリーダによって読み取られた識別情報(識別子)は、再資源業者16の業者サーバ56に送信される。業者サーバ56は、ICタグリーダから送信された識別情報(識別子)によって分解された使用済みプラスチック傘11(11A,11B)の本数を集計し、識別情報(識別子)と集計した本数とを大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0095】
再資源業者16は、リサイクルセンター14から搬送された各リサイクル不可パーツ19を再資源化する(再資源化手段)。再資源業者16は、再資源化手段において、リサイクル不可パーツ19を廃プラスチックパーツ、廃鉄パーツ、廃非鉄金属パーツ、その他廃パーツに分別する。再資源業者16は、分別した廃プラスチックパーツをフレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工し(再資源化手段)、又は廃プラスチックパーツを再生燃料に加工する(再資源化手段)。再資源業者16は、フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工された廃プラスチックパーツから繊維製品、シート製品、成形品等の各種のプラスチックリサイクル製品を製造する(リサイクル製品製造手段)。再生燃料としては、廃プラスチックパーツを高炉還元剤(助燃剤)として使用し、又は、廃プラスチックパーツをコークス炉のコークス炉化学原料(助燃剤)として使用する。或いは、廃プラスチックパーツをガス化して化学工業のガス燃料として使用し、廃プラスチックパーツを油化して油燃料として使用する。
【0096】
プラスチック再生原料から作られる繊維製品には、衣服やフロアマット、スクールバッグ等があり、プラスチック再生原料から作られるシート製品には、トレイやブリツターパック、粘着ラベル素材等がある。プラスチック再生原料から作られる成形品には、各種ボトルやパウチ、空容器リサイクルボックス等がある。傘リサイクルシステム10は、フレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料から繊維製品、シート製品、成形品等のリサイクル製品を製造することができ、廃プラスチックパーツから高炉還元剤、コークス炉化学原料、ガス燃料、油燃料等の再生燃料(リサイクル燃料)を製造することができ、廃プラスチックパーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たなプラスチック製のリサイクル製品や再生燃料に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘から分別されたプラスチック再生原料(リサイクル不可パーツ)を利用することで、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル、サーマルリサイクルを図ることができる。
【0097】
再資源業者16は、分別した廃プラスチックパーツをフレーク状又はペレット状のプラスチック再生原料に加工した後、プラスチック再生原料の重量を業者サーバ56に入力する。業者サーバ56は、入力されたプラスチック再生原料の重量を集計し、集計した重量を集計日に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)するとともに、集計したプラスチック再生原料の重量を管理サーバ54に送信する。
【0098】
管理サーバ54は、再資源業者16の業者サーバ56からプラスチック再生原料の重量を受信し、受信したプラスチック再生原料の重量を受信日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(重量第1記憶手段)。管理サーバ54は、リサイクル不可パーツ19の総重量に対するプラスチック再生原料の重量の割合(第1再生率(%))を算出し(第1再生率算出手段)、第1再生率算出手段によって算出した第1再生率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第1再生率記憶出手段)。
【0099】
再資源業者16は、分別した廃鉄パーツを鉄スクラップ再生原料に加工する(再資源化手段)。例えば、廃鉄パーツが溶解・圧延されてH型鋼や丸棒等の鉄スクラップ再生原料に再生(加工)される。傘リサイクルシステム10は、廃鉄パーツをH型鋼や丸棒等の鉄スクラップ再生原料に再生(加工)することができ、廃鉄パーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たな鉄製のリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)から分別された鉄スクラップ再生原料(リサイクル不可パーツ19)を利用することで、マテリアルリサイクルを図ることができる。
【0100】
再資源業者16は、分別した廃鉄パーツを鉄スクラップ再生原料に加工した後、鉄スクラップ再生原料の重量を業者サーバ56に入力する。業者サーバ56は、入力された鉄スクラップ再生原料の重量を集計し、集計した重量を集計日に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)するとともに、集計した鉄スクラップ再生原料の重量を管理サーバ54に送信する。
【0101】
管理サーバ54は、再資源業者16の業者サーバ56から鉄スクラップ再生原料の重量を受信し、受信した鉄スクラップ再生原料の重量を受信日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(重量第2記憶手段)。管理サーバ54は、リサイクル不可パーツ19の総重量に対する鉄スクラップ再生原料の重量の割合(第2再生率(%))を算出し(第2再生率算出手段)、第2再生率算出手段によって算出した第2再生率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第2再生率記憶出手段)。
【0102】
再資源業者16は、分別した廃非鉄金属パーツ(廃アルミパーツ、廃ステンレスパーツ)を非鉄金属スクラップ再生原料(アルミスクラップ再生原料、ステンレスクラップ再生原料)に加工する(再資源化手段)。例えば、廃アルミパーツが溶解・圧延されてアルミニウム二次合金地金のアルミスクラップ再生原料に再生(加工)され、廃ステンレスパーツが溶解・圧延されてステンレス二次合金地金のステンレスクラップ再生原料に再生(加工)される。傘リサイクルシステム10は、廃非鉄金属パーツ(廃アルミパーツ、廃ステンレスパーツ)を非鉄金属スクラップ再生原料(アルミスクラップ再生原料、ステンレスクラップ再生原料)に再生(加工)することができ、廃非鉄金属パーツに分別されたリサイクル不可パーツを新たな非鉄金属製のリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)から分別された非鉄金属スクラップ再生原料(リサイクル不可パーツ)を利用することで、マテリアルリサイクルを図ることができる。
【0103】
再資源業者16は、分別した廃非鉄金属パーツを非鉄金属スクラップ再生原料に加工した後、非鉄金属スクラップ再生原料の重量を業者サーバ56に入力する。業者サーバ56は、入力された非鉄金属スクラップ再生原料の重量を集計し、集計した重量を集計日に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)するとともに、集計した非鉄金属スクラップ再生原料の重量を管理サーバ54に送信する。
【0104】
管理サーバ54は、再資源業者16の業者サーバ56から非鉄金属スクラップ再生原料の重量を受信し、受信した非鉄金属スクラップ再生原料の重量を受信日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(重量第3記憶手段)。管理サーバ54は、リサイクル不可パーツ19の総重量に対する非鉄金属スクラップ再生原料の重量の割合(第3再生率(%))を算出し(第3再生率算出手段)、第3再生率算出手段によって算出した第3再生率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第3再生率記憶出手段)。
【0105】
再資源業者16は、分別したその他廃パーツ(例えば、陣笠や菊座、天紙、バンド等)を骨材再生原料に加工する(再資源化手段)。例えば、その他廃パーツがスラグ化されてコンクリートやアスファルトの骨材等の骨材再生原料に再生(加工)される。傘リサイクルシステム10は、その他廃パーツをコンクリートやアスファルトの骨材等の骨材再生原料に再生(加工)することができ、その他廃パーツに分別されたリサイクル不可パーツ19を新たなリサイクル製品に生まれ変わらせることができる。傘リサイクルシステム10は、使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)から分別された骨材再生原料(リサイクル不可パーツ)を利用することで、マテリアルリサイクルを図ることができる。
【0106】
再資源業者16は、分別したその他廃パーツを骨材再生原料に加工した後、骨材再生原料の重量を業者サーバ56に入力する。業者サーバ56は、入力された骨材再生原料の重量を集計し、集計した集計日に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)するとともに、集計した骨材再生原料の重量を管理サーバ54に送信する。
【0107】
管理サーバ54は、再資源業者16の業者サーバ56から骨材再生原料の重量を受信し、受信した骨材再生原料の重量を受信日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(重量第4記憶手段)。管理サーバ54は、リサイクル不可パーツ19の総重量に対する骨材再生原料の重量の割合(第4再生率(%))を算出し(第4再生率算出手段)、第4再生率算出手段によって算出した第4再生率を算出日時に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する(第4再生率記憶出手段)。
【0108】
リサイクルセンター14の管理事業者や担当者がリサイクルデータを確認するには、
図10の傘リサイクル画面の再資源データ出力ボタン10dをクリックする。再資源データ出力ボタン10dをクリックすると、管理サーバ54は、
図15に示す再資源データ出力画面をディスプレイ52に出力(表示)し、第1再生率算出手段によって算出した第1リサイクル率(%)を出力し(第1再生率出力手段)、第2再生率算出手段によって算出した第2リサイクル率(%)を出力するとともに(第2再生率出力手段)、第3再生率算出手段によって算出した第3リサイクル率(%)を出力し(第3再生率出力手段)、第4再生率算出手段によって算出した第4リサイクル率(%)を出力する(第4再生率出力手段)。
【0109】
図15の再資源データ出力画面には、現在における使用済みのすべてのプラスチック傘11(11A,11B)の総回収本数を表示した総回収本数表示エリア15a、現在における識別情報(識別子)を備えた使用済みのプラスチック傘11の回収本数を表示した回収本数表示エリア15b、現在における組立本数を表示した組立本数表示エリア15c、現在におけるリサイクル不可パーツ18の総重量を表示した総重量表示エリア15d、現在におけるプラスチック再生原料の重量を表示したプラスチック再生原料重量表示エリア15e、現在における第1再生率(%)(リサイクル不可パーツ19の総重量に対するプラスチック再生原料の重量の割合)を表示した第1再生率表示エリア15f、現在における鉄スクラップ再生原料の重量を表示した鉄スクラップ再生原料重量表示エリア15g、現在における第2再生率(%)(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する鉄スクラップ再生原料の重量の割合)を表示した第2再生率表示エリア15h、現在における非鉄金属スクラップ再生原料の重量を表示した非鉄金属スクラップ再生原料重量表示エリア15i、現在における第3再生率(%)(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する非鉄金属スクラップ再生原料の重量の割合)を表示した第3再生率表示エリア15j、現在における骨材再生原料の重量を表示した骨材再生原料重量表示エリア15k、現在における第4再生率(%)(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する骨材再生原料の重量の割合)を表示した第4再生率表示エリア15l、傘リサイクルボタン15m、キャンセルボタン15nが出力(表示)される。
【0110】
傘リサイクルシステム10は、リサイクルセンター14の管理事業者や担当者が第1再生率(リサイクル不可パーツ19の総重量に対するプラスチック再生原料の重量の割合)を見ることで、リサイクル不可パーツ19から再生されたプラスチック再生原料の割合を知ることができ、第2再生率(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する鉄スクラップ再生原料の重量の割合)を見ることで、リサイクル不可パーツ19から再生された鉄スクラップ再生原料の割合を知ることができる。
【0111】
傘リサイクルシステム10は、リサイクルセンター14の管理事業者や担当者が第3再生率(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する非鉄金属スクラップ再生原料の重量の割合)を見ることで、リサイクル不可パーツ19から再生された非鉄金属スクラップ再生原料の割合を知ることができ、第4再生率(リサイクル不可パーツ19の総重量に対する骨材再生原料の重量の割合)を見ることで、リサイクル不可パーツ19から再生された骨材再生原料の割合を知ることができる。傘リサイクルシステム10は、第1再生率や第2再生率、第3再生率、第4再生率から再資源化の現状を知ることができ、再資源化促進の方策を立案することができる。
【0112】
傘リサイクルシステム10は、回収した使用済みのプラスチック傘11(傘)を各パーツ(石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、親骨23、受骨24、中棒25、手元26、カバー27)に分解する傘分解手段と、傘分解手段によって分解した各パーツを再利用可能なリサイクルパーツ18又は再利用不能なリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別する判別手段と、判別手段によって判別したリサイクルパーツ18を利用してプラスチック傘11(リサイクル傘)を組み立てるリサイクル傘組立手段と、判別手段によって判別したリサイクル不可パーツ19を再資源化する再資源化手段とを有するから、各種のプラスチック傘11(洋傘、折り畳み傘等を含む)の所定期間使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)をリサイクル及び再資源化することができ、地中に埋め立ててプラスチック傘11を廃棄処分する場合と比較し、環境に与える悪影響を大幅に低減することができ、廃棄処分に伴う地方自治体の廃棄費用や人員の負担を軽減することができる。
【0113】
傘リサイクルシステム10は、石突き20、上ろくろ21、下ろくろ22、手元26、カバー27を再利用不能なリサイクル不可パーツ19と判別してそれらを再資源化し、中棒25と親骨23と受骨24とをリサイクルパーツ18又はリサイクル不可パーツ19のいずれかに判別してそれらをリサイクル又は再資源化することで、各種のプラスチック傘11(洋傘、折り畳み傘等を含む)の所定期間使用済みのプラスチック傘11(11A,11B)を確実にリサイクルすることができ、使用済みのプラスチック傘11を確実に再資源化することができる。
【符号の説明】
【0114】
10 傘リサイクルシステム
11 プラスチック傘(傘)
11A 手開き式のプラスチック傘
11B ジャンプ式(ワンタッチ式)のプラスチック傘
12 販売店
13 回収ボックス
14 リサイクルセンター
15 組立業者
16 再資源業者
17 再販センター
18 リサイクルパーツ
19 リサイクル不可パーツ
20 石突き
21 上ろくろ
22 下ろくろ
23 親骨
24 受骨
25 中棒(シャフト)
26 手元(ハンドル)
27 カバー(傘生地)
28 先端部
29 ストッパー
30 スライダー
31 コイルバネ
32 基端部
33 先端部
34 露先
35 基端部
36 先端部
37 上はじき
38 下はじき
39 ジャンプボタン
40 係合軸
41 第1係合溝
42 上部開口
43 第1蓋部
44 係合軸
45 第2係合溝
46 下部開口
47 第2蓋部
48 下端部
49 QRコード(バーコード)
50 ICタグ
51 回収スペース
52 ディスプレイ
53 搬送車両
54 管理サーバ
55 業者サーバ
56 業者サーバ