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特開2022-47117取引仲介システム、取引仲介装置、取引仲介方法、および取引仲介プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047117
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】取引仲介システム、取引仲介装置、取引仲介方法、および取引仲介プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220316BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220316BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152857
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】520352780
【氏名又は名称】アクロスオーディオ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】濱島 力
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】スポンサー費用が安く、中小企業等でもスポンサーとなり易い取引仲介システム、取引仲介装置、取引仲介方法、および取引仲介プログラムを提供する。
【解決手段】コマーシャル放送時間枠を分割して依頼者に提供するとともに、取引後の分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を提供する放送局端末と、
コマーシャル放送を依頼する依頼者端末と、
ネットワークを介して前記放送局端末および前記依頼者端末と接続され、前記コマーシャル放送時間枠の取引を仲介する取引仲介装置と、
放送局の番組あるいは放送時間等の情報により検索および視聴等を可能とする情報発信用端末と、
を備え、
前記取引仲介装置は、前記コマーシャル放送時間枠を分割して依頼者に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供することを特徴とする取引仲介システム。
【請求項2】
前記取引仲介装置は、
前記放送局端末から提供された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するための情報登録手段と、
前記依頼者端末から依頼され、前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記分割したコマーシャル放送時間枠を確保するための依頼者登録手段と、
前記コマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して前記放送局に提供する取引仲介手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の取引仲介システム。
【請求項3】
放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するための情報登録手段と、
前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記コマーシャル放送時間枠を確保するための依頼者登録手段と、
前記情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供する取引仲介手段と、
を備えたことを特徴とする取引仲介装置。
【請求項4】
情報登録手段が、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するステップと、
依頼者登録手段が、前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記コマーシャル放送時間枠を確保するステップと、
取引仲介手段が、前記情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供するステップと、
を備えたことを特徴とする取引仲介方法。
【請求項5】
情報登録手段が、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するステップと、
依頼者登録手段が、前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記コマーシャル放送時間枠を確保するステップと、
取引仲介手段が、前記情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供するステップと、
をコンピュータに実行させる取引仲介プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組等のコマーシャル(以下、「CM」という。)放送時間枠の取引を仲介する取引仲介システム、取引仲介装置、取引仲介方法、および取引仲介プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送局は、CM放送による収入を多くの収入源とし、番組単位のCM依頼者(以下、「スポンサー」という。)との契約あるいはスポット的なCMのスポンサーとの契約により月毎または番組毎にスポンサー契約を行っている。
【0003】
通常の場合、番組スポンサーとなった場合はその番組の放送時間内にスポンサー料金に応じた契約、あるいは契約の際にその番組で放送されるCMの総計時間による契約を行っている。
【0004】
このようなCM契約としては、たとえば特許文献1に、CM放送時間枠情報閲覧手段により閲覧したCM放送時間枠情報の中から、譲り受けたいCM放送時間枠の譲り受けの申し込みを行う取引が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-133158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、CM放送時間枠は、放送局から提供されたCM放送時間枠をそのまま取引するため、番組のスポンサーとなるにはスポンサー費用が高く、中小企業等がスポンサーとなる事は非常にきびしい状況である。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、放送局から提供されたCM放送時間枠をそのまま取引するにもかかわらず、スポンサー費用が安く、中小企業等でもスポンサーとなり易い取引仲介システム、取引仲介装置、取引仲介方法、および取引仲介プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願の第1発明は、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を提供する放送局端末と、コマーシャル放送を依頼する依頼者端末と、ネットワークを介して放送局端末および依頼者端末と接続され、コマーシャル放送時間枠の取引を仲介する取引仲介装置とを備え、取引仲介装置は、コマーシャル放送時間枠を分割して依頼者に提供するとともに、取引後の分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供し、情報発信用端末により放送局の番組あるいは放送時間等の情報により検索および視聴等を可能とする取引仲介システムに関する。
【0009】
第1発明に係る取引仲介システムの好ましい実施態様の一つにおいて、取引仲介装置は、放送局端末から提供された放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するための情報登録手段と、依頼者端末から依頼され、情報登録手段に登録された放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に分割したコマーシャル放送時間枠を確保するための依頼者登録手段と、コマーシャル放送時間枠を分割して依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供する取引仲介手段とを備える。
【0010】
本願の第2発明は、取引仲介装置は、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するための情報登録手段と、情報登録手段に登録された放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元にコマーシャル放送時間枠を確保するための依頼者登録手段と、情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供する取引仲介手段とを備えることに関する。
【0011】
本願の第3発明は、情報登録手段が、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するステップと、依頼者登録手段が、前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記コマーシャル放送時間枠を確保するステップと、取引仲介手段が、前記情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供するステップとを備えることに関する。
【0012】
本願の第4発明は、情報登録手段が、放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を登録するステップと、依頼者登録手段が、前記情報登録手段に登録された前記放送番組情報およびコマーシャル放送時間枠を元に前記コマーシャル放送時間枠を確保するステップと、取引仲介手段が、前記情報登録手段に登録されたコマーシャル放送時間枠を分割して前記依頼者登録手段に提供するとともに、取引後の前記分割したコマーシャル放送時間枠をパッケージ化して放送局に提供するステップと、をコンピュータに実行させる取引仲介プログラムに関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る取引仲介システム等によれば、放送局から提供されたCM放送時間枠をそのまま取引するにもかかわらず、スポンサー費用を安く抑えることができ、これまでは、スポンサー費用が高額なために、テレビCMを使って宣言広告をしてなかった中小企業等でもスポンサーとなることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムの全体構成を示す図である。
図2】一般的はCM取引を説明するための図である。
図3】同じく、一般的はCM取引を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムの概要を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムの流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムのCMのタイムテーブルを示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムのCMのパッケージ化を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る取引仲介システムのCMのパッケージ化したCM素材を説明するための図である。
図9】管理サーバ6の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態の放送局は、ケーブルテレビ放送局、地上波放送局、BS放送局、ラジオ放送局(例えば、FM、AM)、ユーチューブ放送局等であってもかまわない。
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る取引仲介システムの全体構成を示す図である。この取引仲介システムは、取引仲介装置1、並びにこの取引仲介装置1にネットワーク(インターネット)2を介して接続される放送局端末3…、スポンサー端末(依頼者端末)4…、および一般視聴者端末5…を備えている。
【0017】
取引仲介装置1は、管理サーバ6、素材サーバ(音源サーバ)7、管理サーバ用端末8、素材サーバ用端末9、情報登録用端末10、スポンサー登録用端末(依頼者登録用端末)11、および情報発信用端末12を備えていて、これらは専用回線13で接続されている。なお、専用回線13(LAN(Local Area Network))ではなく、ネットワークで接続してもよい(例えば、クラウド)。なお、素材サーバ7は、例えばラジオ放送局を用いた場合を含むものであり、ケーブルテレビ放送局、地上波放送局、BS放送局、ユーチューブ放送局の場合は、映像・オーディオサーバが好ましい。また、素材サーバ7および管理サーバは、安全性を考慮したRAID構成等により安全性を確保する事が望ましい。
【0018】
放送局端末3…、スポンサー端末4…、および一般視聴者端末5…は、一般的な電子計算機器であって、図示しない通信部、表示部、操作部、制御部、および記憶部を備えている。
【0019】
管理サーバ用端末8、素材サーバ用端末9、情報登録用端末10、スポンサー登録用端末11、および情報発信用端末12もまた一般的なもので、図示しない通信部、表示部、操作部、制御部、記憶部を備えている。なお、情報登録用端末10、スポンサー登録用端末11、および情報発信用端末12は、仮想端末であってもよい。
【0020】
情報登録用端末10は、放送局の放送局端末3…から各種情報(放送日または曜日、番組名または時刻、CMコードとそのCMの持ち時間等)の情報がネットワーク2を経由して、後述する管理サーバの記憶手段に管理登録された、この放送局の放送局端末3…からの各種情報を画面に表示する。
【0021】
スポンサー登録用端末11は、各スポンサー(例えば、小規模事業者、商店街の店および広告代理店等)が後述する管理サーバの記憶手段に管理登録された、各スポンサーの各情報を表示する。これを元にスポンサー端末4から自社CM枠(スポンサーのCM枠)を担当者が把握することができるようになっている。
【0022】
管理サーバ6は、放送局からの各種情報などを記憶する記憶手段66と、スポンサー用のCM枠提供部62と、このスポンサーのCM枠をパッケージ化するCM枠パッケージ化部64とを少なくとも備えている。この記憶手段66と、CM枠提供部62と、CM枠パッケージ化部64とについては後述する。
【0023】
また、取引仲介装置1は、素材サーバ7を備えている。この素材サーバ7には、スポンサー端末(依頼者端末)4…からの、スポンサーが予め自社CM(音声、例えば○○商店の本日の特売品)などが登録される。
【0024】
これら管理サーバ6および素材サーバ7は、クラウド上で構築してもよい。管理サーバ用端末8は、管理サーバ6の記憶手段66の各種情報を閲覧等するものである。
【0025】
また、素材サーバ用端末9は、素材サーバ7のスポンサーの自社CM等を閲覧等をするものである(例えば、CMが適切なものかどうか)。
【0026】
さらに、情報発信用端末12は、放送局からの各種情報を元に、番組あるいは放送日時から一般視聴者がCMスポンサー情報を閲覧し、各スポンサーのHP(ホームページ)へのLINK情報および仲介装置に保存されている素材に関しては、閲覧(視聴)などを公開するようになっている。
【0027】
次に、本発明の理解のために、先ず、現状のCMの送出について説明する。
図2に一般的な放送局のタイムテーブル(番組表)を示す。現状では、各番組にそれぞれスポンサー契約を行い、番組内でCMを放送している。
【0028】
このタイムテーブルにおいて、例えば番組WB(月曜日~金曜日)の番組のスポンサーとなった場合には、図3に示すような構成でCMが放送される。番組のスポンサーは複数のスポンサーでも構わない。
【0029】
番組内のCMは、契約されたスポンサー(図3の場合、各A,B,C)のCMを番組内の契約時間で放送している。
スポンサーA:CM-A1~nの合計時間×5(月曜日~金曜日)
スポンサーB:CM-B1~nの合計時間×5(月曜日~金曜日)
スポンサーC:CM-C1~nの合計時間×5(月曜日~金曜日)
(CM時間は、最小5秒~90秒程度である。)
【0030】
各CMは、それぞれ素材サーバ7に素材(音源、映像を含む)が保存され、素材番号で管理され、また素材番号を指定してCMを送出している。
【0031】
次に、本発明の概要を説明する。
本発明では、中小企業、商店街等がスポンサーとして容易にCMを出せるように、すなわち、時間を共有し多くの企業がスポンサーとして自社広告を出せるタイムシェアスポンサー(Time Share Sponsors)という仕組みを構築するものである。
【0032】
この一例を図4に示す。この例では、スポンサーCが番組スポンサーになることとする。なお、スポンサーは、その番組のCMの時間を購入する形になります。
【0033】
図4において、1週間の番組スポンサー契約が20秒CM×5回の合計100秒のCMで契約したとする。そのCM時間を複数の企業にてスポンサー料金に従い、CMの時間割り当てを実施する。図4の場合、14社でそれぞれのCMを提供することにより各企業のスポンサー料はm秒(契約時間)/100秒となり、もっとも安い(図4中で5秒CMを提供する)スポンサー料金は通常の1/20の費用で広告を行うことが可能になる。
【0034】
ただし、前述したように、通常に考えれば番組スポンサーは複数のスポンサーで良いので、単純に14社の企業とスポンサー契約を行えば良いことになる。
【0035】
しかし、単純に14社との契約を行った場合にCMにかける単純な費用(時間と労力)を考えると煩雑な上に複数の企業との契約やCMNo.が急激に増加してしまい管理も大変になる。放送局でのCMの費用は、放送した実績をもとに最終的な契約に基づく請求を行うので、短いCMを複数本しかも複数の企業に対して管理することは大変な作業となる。
【0036】
そこで、放送局に対しては、複数企業のCMをパッケージ化して1つの素材として提供する。図4に示すように、CMコードは、従来の管理と変わらず、CMNo.は5本として扱える。パッケージ化を行ったタイムシェアスポンサーズの代表者がCMスポンサーに対しての実績やスポンサー費用の徴収を行う。
【0037】
また、複数の放送局に同様のCMを持ち込む場合、放送時間や番組内容等を考慮してパッケージ化するスポンサーCMを変更し提供する事で効率的なCM素材の提供が可能となる。たとえば、昼前に商店街のCMを出す場合、女性および高齢者向けのCMを集めたり、各企業のCMの分類コード作成・管理をした効果的なCMを出したり、類似の企業のCMを避けてパッケージ化する等が可能となる。
【0038】
すなわち、本発明では、(1)放送局は通常よりも多くのCMスポンサーを確保できる。)(2)放送局は、スポンサーが増加しても、タイムシェアスポンサーズの代表者が管理したパッケージCMを扱うため、従来のCM管理と同じ管理での対応が可能となる。(3)これまで、費用的にスポンサーとなれなかった企業が少額の費用で番組スポンサーとなれる。
【0039】
次に、図5を参照しながら、本発明に係る仲介取引システムの流れを説明する。
【0040】
まず、ステップ1において、スポンサー希望の企業は予め企業情報、職種やその他情報を事前にスポンサー端末4からスポンサー登録端末11に登録する。また、合わせて自社CMを5秒単位で90秒程度の素材の登録も行う。
【0041】
ステップ2において、管理サーバ用端末8の制御部は、スポンサー毎に企業情報を管理サーバ6に、CM音源を素材サーバ7にそれぞれ登録する。管理サーバ6では、素材サーバ7のCMをスポンサー識別コードと合わせて素材毎のユニークなCMコードにより管理が行われる。
【0042】
ステップ3において、放送局は、CMスポンサーとなって欲しい以下の情報を放送局端末3から情報登録用端末10に登録する。
a.番組名と放送時間
b.スポンサーCM時間(秒数)
c.継続情報(月曜日~金曜日、土曜日、あるいは指定日のみ等)
【0043】
ステップ4において、管理サーバ用端末8の制御部は、放送局からの情報を元に、図6に示すように、放送局毎にタイムテーブルのような形式でCM素材の持ち時間および空きCMがわかるように所定のアプリケーションで表示を作成し、スポンサー登録用端末11に登録する。なお、スポンサー枠に余裕がある場合と、スポンサー枠の残りが少ない場合、スポンサー枠が全て埋まった場合等が色分けで一目でわかるようになっている。
【0044】
ステップ5において、スポンサーは図6に示す表示を見てスポンサーとしてCMを出したい所の枠を、図7に示すように、クリックして登録可能かとCM出稿の出稿料の確認を行う。図7は、スポンサーBが20秒CMを選択した場合を示す。
【0045】
ステップ6において、スポンサーBがスポンサー枠の内容とCM出稿料に納得し画定処理を行った場合は、スポンサーBがそのスポンサー枠を確保する。他のスポンサーにはスポンサー名等は明示されずに売約済の表示となる。
【0046】
なお、CM料は、番組や放送時間帯等によって単位時間(例えば5秒単位でランクA~Zまでの料金を設定し、視聴率の高い番組や時報CM等はランクA:10,000円/5秒、ほどほどの視聴率の番組では、5,000円/5秒など)によって料金を設定しておく。スポンサー枠の値段の高い枠については、図6においてスポンサー枠を色付け(例えば赤色)し、スポンサーからおおよその値段がわかるようにする。
【0047】
ステップ7において、図8に示すように、スポンサー枠にスポンサーGが出稿を確定してCM枠が埋まった場合には、放送局Aの素材コードの素材として、素材サーバ7から各スポンサーのCMをパッケージ化したCM素材(放送局AのCMNo.:AS08762B)を生成する。
【0048】
なお、CM素材のパッケージ化についは、即座に実行するとスポンサーからの取り消し等もあるので、放送局へ提出する期限日を予め決めておき、そのタイミング(例えば放送日の1週間前等)で生成する。
【0049】
ステップ8において、パッケージ化されたCM素材は、放送局に対して放送局のCMコードのファイル名で音声素材としてネットワークによる素材伝送(放送局端末3)あるいは媒体等で納入する。
【0050】
なお、CMのスポンサー枠が埋まらない場合を想定して、放送が近づくにつれて、CMの単位時間を下げていくようにし、その情報はスポンサーへリアルタイムで通知を行う。
【0051】
また、スポンサー登録の期限日になってもスポンサーが着かない場合は、空き時間等に、放送局から予め登録しておいた番組のCMやコールサイン等(放送局で言う穴埋め処理)を行いパッケージ化できるようにする。
【0052】
また、本システムは、どうしてもCM素材が短くなる可能性があり、視聴者が見逃しあるいは聞き逃したりする可能性が高いため、CM効果が薄れる可能性がある。そのため、視聴者が見逃しや聞き逃しした場合(たとえば「今のCMは何?」等)に情報発信用端末12から発信される放送局や時間帯、番組名等でスポンサー情報を公開できるようになっている。この情報発信用端末12で公開された情報を視聴者は一般視聴者端末5で視ることができ、情報を確認することができる。
【0053】
以上説明したように本取引仲介システムによれば、放送局から提供されたCM放送時間枠をそのまま取引するにもかかわらず、スポンサー費用が安く、中小企業等でもスポンサーとなり易いという優れた効果を奏することができる。
【0054】
すなわち、(1)放送局は通常よりも多くのCMスポンサーを確保できる。(2)放送局は、スポンサーが増加しても、タイムシェアスポンサーズの代表者が管理したパッケージCMを扱うため、従来のCM管理と同じ管理での対応が可能となる。(3)これまで、費用的にスポンサーとなれなかった企業が少額の費用で番組スポンサーとなれる。
【0055】
以下に管理サーバ6の具体的な構成を説明する。但し、上記説明の箇所とできるだけ重ならないように説明する。
【0056】
管理サーバ6は、図9に示すように、放送局の番組内のCM枠時間帯情報(EPG:番組表でもよい)を受け付ける放送局CM枠受付部61(情報登録手段に相当)と、スポンサーに販売するための例えば5秒単位のCM枠(以下、スポンサー用分割CM枠という)を提供する分割CM枠提供部62(依頼者登録手段を含む)とを備えている。
【0057】
また、後述するパッケージ化判定部63とCM枠パッケージ化部64とCM素材提供部65と放送局用CM枠提供部67等を備えている。パッケージ化判定部63とCM枠パッケージ化部64は取引仲介手段に相当する。
【0058】
これらの各部は、コンピュータ(CPU、メモリ等)のプログラムをブロックでしめしたものである。
【0059】
上記のように構成された管理サーバ6を有する取引仲介装置1(CM枠取引仲買システムともいう)と、放送局と、スポンサーと、一般視聴者とのやりとりを説明する。
【0060】
CM枠取引仲買システムの運営会社は、スポンサーと、放送局と契約を行い、各々が会員となっているのが好ましい。CM枠取引仲買システムの管理サーバ6の放送局CM枠受付部61は、定期的(1日、一週間、1月)に、番組情報をネットワーク2を介して、放送局の放送局端末3、・・に要求(送信)する。
【0061】
放送局の放送局端末3、・・の担当者は作成している番組情報をCM枠取引仲買システム(取引仲介装置1)に送信する。
【0062】
この番組情報は、番組名、番組名、スポンサーCM時間(秒数:例えば最小5秒~90秒程度)、継続情報(月曜日~金曜日、土曜日、あるいは指定日のみ等)、最低の放送局側が設定したCM時間枠(例えば、20秒、30秒、1分、・・:番組内CM基準時間枠ともう)、配信地域、・・、CM単価、・・等である。
【0063】
すなわち、スポンサーCM時間(秒数:例えば最小5秒~90秒程度)は、放送局側が設定したCM時間枠の数分の1程度であり、これをスポンサー用の分割CM時間枠と称してしる。
【0064】
また、番組情報の配信には、記憶手段66に記憶されている放送局アドレス情報を用いるのがよい。
【0065】
そして、管理サーバ6の放送局CM枠受付部61は、放送局からの番組情報を受信し、これを記憶手段66に記憶する。
【0066】
次に、分割CM枠提供部62が記憶手段66の放送局からの番組情報に基づいてスポンサーに販売するCM枠(以下、スポンサー用CM枠販売情報という)を生成し、これを記憶手段66に記憶して、ネットワーク2を介して、各々のスポンサー(スポンサー端末4…)に送信する。このときスポンサーアドレス、年月日時刻等を付加している。
【0067】
スポンサー用CM枠販売情報は、スポンサー用CM枠購入要求テーブルと、スポンサー用CM枠単時間購入テーブルとよりなる。
【0068】
スポンサー用CM枠購入要求テーブルは、例えば、図6図7の上段のテーブルのようなものである。
【0069】
また、スポンサー用CM枠単時間購入テーブルは、例えば、図7に示す左のテーブル(残り枠30秒)のようなものである。この図は、既に、10秒間がスポンサーによって購入され、40秒間の枠が10秒分を売約済みとして設定していることを示す。
【0070】
一方、スポンサー側は、スポンサー端末4を操作して、スポンサー用CM枠購入要求テーブルを閲覧(表示)する。
【0071】
スポンサーは図6又は図7に示す表示を見てスポンサーとしてCMを出したい所のバーをクリックして登録可能かとCM出稿の出稿料の確認を行う。
【0072】
つまり、スポンサー用CM枠購入要求テーブルのバーには、番組や放送時間帯等によって単位時間(例えば5秒単位でランクA~Zまでの料金を設定し、視聴率の高い番組や時報CM等はランクA:10,000円/5秒、ほどほどの視聴率の番組では、5,000円/5秒など)によって料金等の情報がリンク付けされている。但し、スポンサー枠の値段の高い枠については、図6においてスポンサー枠を色付け(例えば赤色)し、スポンサーからおおよその値段がわかるようにしている。
【0073】
また、スポンサー用CM枠単時間購入テーブルを表示させ、このスポンサー用CM枠単時間購入テーブル(図7の左)において、希望の時間枠(単位時間枠:5秒単位)を選択する。図7の右(残り10秒)は、スポンサーBが10秒から30秒の単位時間枠(購入時間は20秒)を選択した例である。
【0074】
そして、スポンサー端末4は、希望の時間枠(単位時間枠)が選択されると、スポンサー名、年月日時刻、スポンサー用CM枠購入要求テーブルのバーにリンク付けされている料金、ランク等を組み合わせた情報(スポンサーCM枠購入情報ともいう)をネットワーク2を介してCM枠取引仲買システム(取引仲介装置1)に送信する。
【0075】
CM枠取引仲買システム(取引仲介装置1)の管理サーバ6は、スポンサーCM枠購入情報を受信して記憶手段66に記憶する。
【0076】
そして、パッケージ化判定部63は記憶手段66のスポンサーCM枠購入情報に含まれている情報に複数のスポンサー名が存在するかどうかを判定する。複数の場合は、CM枠パッケージ化部64がこれらの複数企業の単位時間枠であるスポンサー用分割CM枠を例えば図4に示すように、パッケージ化する。
【0077】
そして、これらの情報を放送局用の送信情報として生成し、これをネットワーク2を介して放送局に送信する。なお、放送局によって、この送信情報が受け付けられた場合は、CM素材提供部65スポンサー(4)からのCMの素材(映像、音声:購入時間分)を受付ける(スポンサー名、年月日、時刻、受付番号等を付加)。そして、これをCM素材用記憶手段68に記憶し、このCM素材情報をネットワーク2を介して放送局に送信する。
【0078】
また、複数ではないと判定された場合は、分割CM枠提供部62がさらにスポンサーCM枠購入情報をネットワーク2を介してスポンサー4に送信する。
【0079】
一方、放送局は番組配信中にCM配信時間に到達したかどうかを判定し、到達した場合は直ちにスポンサー4のCM素材情報を一般視聴者端末5.・・に送信する。すなわち、複数のスポンサーのCMが単位時間又は購入枠で一般視聴者に配信される。
【0080】
従って、中小企業、商店街等がスポンサーとして容易にCMを出せるようになるので多くの企業がスポンサーとして自社広告を出せるタイムシェアスポンサー(Time Share Sponsors)という仕組みになる。
【符号の説明】
【0081】
1 取引仲介装置
6 管理サーバ
8 管理サーバ用端末
61 放送局CM枠受付部
62 分割CM枠提供部
63 パッケージ化判定部
64 CM枠パッケージ化部
65 CM素材提供部
67 放送局用CM枠提供部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9