(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047152
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】機器保持部材および機器保持部材セット
(51)【国際特許分類】
A61G 7/05 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
A61G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152900
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】村山 学
(72)【発明者】
【氏名】若林 尚之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和浩
(72)【発明者】
【氏名】濱田 信吾
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040GG11
(57)【要約】
【課題】機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することが可能で、かつ、機器の位置ずれを抑制することが可能な機器保持部材を提供する。
【解決手段】この機器保持部材100は、孔30が形成されたボトム部材11またはボトム部材11を支持するフレーム12に係合し、ボトム部材11に配置された機器20を保持する機器保持部材100であって、ボトム部材11の縁部またはフレーム12に係合可能な係合部材50が設けられた端部を含み、機器20を保持するベルト40と、係合部材50と機器20との間に設けられ、孔30に対してベルト40の一部を係止する係止部材60と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔が形成された基材または前記基材を支持するフレームに係合し、前記基材に配置された機器を保持する機器保持部材であって、
前記基材の縁部または前記フレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含み、前記機器を保持するベルトと、
前記係合部材と前記機器との間に設けられ、前記孔に対して前記ベルトの一部を係止する係止部材と、を備える、機器保持部材。
【請求項2】
前記係止部材は、前記孔において前記基材の一方面側から前記基材の他方面側に入れ込まれ、前記孔に対して前記ベルトの一部を係止するように構成されている、請求項1に記載の機器保持部材。
【請求項3】
前記係止部材は、前記孔において前記ベルトの一部とともに入れ込まれることにより、前記基材の前記他方面において前記ベルトの一部を係止するように構成されている、請求項2に記載の機器保持部材。
【請求項4】
前記係止部材は、長細形状を有する板状部材、または棒状部材を含み、
前記基材の前記他方面において前記係止部材の長手方向が前記孔の短手方向に向けて配置されることにより前記基材と係合し、前記ベルトとともに前記孔に対して抜け止め可能に構成されている、請求項3に記載の機器保持部材。
【請求項5】
前記係止部材は、長細形状を有する板状部材または棒状部材を有し、回動可能な回動部を含み、
前記孔の長手方向に前記係止部材の長手方向が沿った状態で前記孔に前記基材の一方面側から入れ込まれた前記回動部が、前記基材の他方面において、前記孔の短手方向に向かって回動された状態において、前記回動部の一部が前記基材と係合するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項6】
前記係止部材は、前記ベルトの一部を矜持する矜持部と、長細形状を有する板状部材、または棒状部材を有し、前記挟持部に対して回動可能な回動部とを含み、
前記孔の長手方向に前記係止部材の長手方向が沿った状態で前記孔に前記基材の一方面側から入れ込まれた前記回動部が、前記基材の他方面において、前記孔の短手方向に向かって回動された状態において、前記回動部の一部が前記基材と係合するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項7】
前記係止部材の前記板状部材または前記棒状部材は、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状であるように構成されている、請求項4~6のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項8】
前記係止部材の前記板状部材または前記棒状部材は、平面視において、一対の長辺と、前記一対の長辺のそれぞれにおいて切り欠かれた切欠部とを含み、
前記基材の前記他方面において、前記係止部材が前記基材と係合した状態において、前記ベルトの一部が前記切欠部内に配置されるように構成されている、請求項4~6のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項9】
前記係止部材は、一対の側壁と、前記一対の側壁を接続する底部とを含み、
前記一対の側壁が互いに近づく方向に弾性変形された状態で前記底部側から前記孔に入れ込まれた前記一対の側壁が、復元されることにより、前記ベルトとともに前記孔に対して抜け止め可能に構成されている、請求項3に記載の機器保持部材。
【請求項10】
前記係止部材は、一対の側壁と、前記一対の側壁を接続する底部とを含み、
前記一対の側壁は、前記底部に接続された一対の壁部と、前記一対の壁部から前記一対の壁部の外側へ突出する少なくとも一対の突出部とを含み、
前記一対の側壁が互いに近づく方向に弾性変形された状態で前記底部側から前記孔に入れ込まれた前記一対の側壁が、復元された状態において、前記一対の突出部が前記孔の端部と係合するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項11】
前記ベルトは、前記機器の一方側と他方側とに接続された一対のベルト部により構成され、
前記一対のベルト部は、それぞれ、前記係合部材と、前記機器と接続可能な接続部と、前記係合部材と前記接続部とを接続するベルト本体部とを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の機器保持部材。
【請求項12】
前記係合部材、前記接続部および前記ベルト本体部のうちの少なくとも1つにより、前記ベルトの長さが調整可能となるように構成されている、請求項11に記載の機器保持部材。
【請求項13】
孔が形成された基材または前記基材を支持するフレームに係合し、前記基材に配置された機器を保持する機器保持部材と、回動補助具とを備え、
前記機器保持部材は、
前記機器を保持するとともに、前記基材の縁部または前記フレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含むベルトと、前記係合部材と前記機器との間に設けられ、前記孔に対して前記ベルトの一部を係止する係止部材と、を含み、
前記係止部材は、長細形状を有する板状部材または棒状部材を有し、回動可能な回動部を含み、前記孔の長手方向に前記係止部材の長手方向が沿った状態で前記孔に前記基材の一方面側から入れ込まれた前記回動部が、前記基材の他方面において、前記孔の短手方向に向かって回動された状態において、前記回動部の一部が前記基材と係合するように構成されており、
前記回動部は、一方面において回動中心軸に対して一方と他方とに配置された複数の凹部を含み、
前記回動補助具は、前記回動部の前記複数の凹部に対応するように設けられた複数の凸部を含む、機器保持部材セット。
【請求項14】
前記回動部の前記複数の凹部に前記回動補助具の前記複数の凸部を挿入させた状態において、前記回動補助具を前記回動中心軸回りに回動させることにより、前記回動部を回動可能に構成されている、請求項13に記載の機器保持部材セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器保持部材および機器保持部材セットに関する。
【背景技術】
【0002】
臥床者の離床を検出したり、臥床者の心拍、脈拍、呼吸などの生体情報を検出したりするために、検出機器が用いられている。このような検出機器は、臥床者が使用するベッドのボトム部材と、ボトム部材上に設けられたマットレスとの間に配置されることが多い。また、臥床者が使用するベッドとして、背上げや足上げなどの機能(いわゆるギャッジアップ機能)が設けられたベッドがある。このようなベッドにおいては、ギャッジアップ機能による背上げまたは足上げに起因して、ボトム部材とマットレスとの位置関係が変化する。これにより、ボトム部材とマットレスとに挟まれた検出機器は、臥床者に対して位置ずれを生じる場合がある。
【0003】
臥床者と検出機器との位置関係を一定に保つために、通気または軽量化などを目的としてボトム部材に形成された貫通部(貫通孔)を用いて、電波センサを固定するための部材が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、2つのフックと、その2つのフックをそれぞれスライド自在に保持する保持部材と、保持部材に取り付けられ、ボトム部材の貫通部(貫通孔)に上から挿入される電波センサと、を備えるセンサユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のセンサユニットでは、電波センサはボトム部材の貫通部(貫通孔)の内部に配置されるため、貫通部(貫通孔)がない位置には電波センサを配置することができず、かつ、貫通部(貫通孔)のサイズより大きいサイズの電波センサは配置することができない。そのため、電波センサ(機器)の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器をボトム部材等の所望の基材上に配置することができるとともに、機器の位置ずれを抑制することができることが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することが可能で、かつ、機器の位置ずれを抑制することが可能な機器保持部材および機器保持部材セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による機器保持部材は、孔が形成された基材または基材を支持するフレームに係合し、基材に配置された機器を保持する機器保持部材であって、基材の縁部またはフレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含み、機器を保持するベルトと、係合部材と機器との間に設けられ、孔に対してベルトの一部を係止する係止部材と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による機器保持部材では、上記のように、基材に形成された孔に対して、機器を保持するベルトの一部を係止する係止部材を備える。このように構成することにより、機器を保持するベルトの一部が基材に形成された孔に係止されるため、係止されたベルトにより機器を基材上に固定することができる。そのため、機器の配置位置がたとえば基材に形成された孔の中に限定されることがないため、機器を孔の中以外の基材上に配置することができる。また、基材に形成された孔の中に機器を配置しないため、孔のサイズよりも大きなサイズの機器を基材上に配置することができる。これらの結果、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することができる。また、ベルトは、基材の縁部またはフレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含む。これにより、係合部材を基材の縁部またはフレームに係合させることができるため、ベルトに保持された機器を基材上の所望の位置に配置させることができる。また、係合部材により基材の縁部またはフレームにベルトを係合するだけでなく、係止部材によっても基材の孔にベルトを係止する。これにより、係合部材だけでベルトを係合する場合よりもベルトをしっかりと係止することができる。そのため、基材に対して生じる外力に起因する機器の位置ずれを抑制することができる。これらの結果、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することができるとともに、機器の位置ずれを抑制することができる。
【0009】
この発明の第1の局面による機器保持部材において、好ましくは、係止部材は、孔において基材の一方面側から基材の他方面側に入れ込まれ、孔に対してベルトの一部を係止するように構成されている。このように構成すれば、基材の孔の一方面縁部とベルトの他方面とが接触する部分においてベルトが屈曲した状態で孔の縁部に接触(当接)するので、その接触部分において大きな摩擦力が生じる。その摩擦力によって、ベルトをずれることなく孔に適切に固定することができる。そのため、基材に対して生じる外力に起因する機器の位置ずれを適切に抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、係止部材は、孔においてベルトの一部とともに入れ込まれることにより、基材の他方面においてベルトの一部を係止するように構成されている。このように構成すれば、係止部材が孔に対してベルトの抜け止めとなることにより、孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0011】
上記係止部材が基材の他方面においてベルトの一部を係止する構成において、好ましくは、係止部材は、長細形状を有する板状部材、または棒状部材を有し、基材の他方面において係止部材の長手方向が孔の短手方向に向けて配置されることにより基材と係合し、ベルトとともに孔に対して抜け止め可能に構成されている。このように構成すれば、係止部材が基材の他方面に引っかかることにより、係止部材を孔に適切に固定することができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0012】
この発明の第1の局面による機器保持部材において、好ましくは、係止部材は、長細形状を有する板状部材または棒状部材を有し、回動可能な回動部を含み、孔の長手方向に係止部材の長手方向が沿った状態で孔に基材の一方面側から入れ込まれた回動部が、基材の他方面において、孔の短手方向に向かって回動された状態において、回動部の一部が基材と係合するように構成されている。このように構成すれば、孔に入れ込まれた回動部を回動させることにより、係止部材を基材の他方面に容易に当接させることができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0013】
この発明の第1の局面による機器保持部材において、好ましくは、係止部材は、ベルトの一部を矜持する矜持部と、長細形状を有する板状部材、または棒状部材を有し、挟持部に対して回動可能な回動部とを含み、孔の長手方向に係止部材の長手方向が沿った状態で孔に基材の一方面側から入れ込まれた回動部が、基材の他方面において、孔の短手方向に向かって回動された状態において、回動部の一部が基材と係合するように構成されている。このように構成すれば、孔に入れ込まれた回動部を回動させることにより、係止部材を基材の他方面に容易に当接させることができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0014】
上記係止部材が基材の他方面において孔の短手方向に向けて配置されることにより基材と係合する構成、または、上記回動部が基材の他方面において孔の短手方向に向かって回動された状態において基材と係合する構成において、好ましくは、係止部材の板状部材または棒状部材は、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状であるように構成されている。このように構成すれば、係止部材の板状部材または棒状部材における長手方向の両端部と、基材の他方面とを容易に係合させることができる。
【0015】
上記係止部材が基材の他方面において孔の短手方向に向けて配置されることにより基材と係合する構成、または、上記回動部が基材の他方面において孔の短手方向に向かって回動された状態において基材と係合する構成において、好ましくは、係止部材の板状部材または棒状部材は、平面視において、一対の長辺と、一対の長辺のそれぞれにおいて切り欠かれた切欠部とを含み、基材の他方面において、係止部材が基材と係合した状態において、ベルトの一部が切欠部内に配置されるように構成されている。このように構成すれば、係止部材の板状部材または棒状部材における長手方向の両端部と、基材の他方面とを適切に係合させることができるとともに、切欠部内において、切欠部と基材とによりベルトの一部を係止させることができる。
【0016】
上記係止部材が基材の他方面においてベルトの一部を係止する構成において、好ましくは、係止部材は、一対の側壁と、一対の側壁を接続する底部とを含み、一対の側壁が互いに近づく方向に弾性変形された状態で底部側から孔に入れ込まれた一対の側壁が、復元されることにより、ベルトとともに孔に対して抜け止め可能に構成されている。このように構成すれば、孔に対して係止部材を基材の一方面側から容易に入れ込むことができるとともに、復元された係止部材と基材とを容易に係合させることができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0017】
この発明の第1の局面による機器保持部材において、好ましくは、係止部材は、一対の側壁と、一対の側壁を接続する底部とを含み、一対の側壁は、底部に接続された一対の壁部と、一対の壁部から一対の壁部の外側へ突出する少なくとも一対の突出部とを含み、一対の側壁が互いに近づく方向に弾性変形された状態で底部側から孔に入れ込まれた一対の側壁が、復元された状態において、一対の突出部が孔の端部と係合するように構成されている。このように構成すれば、孔に対して係止部材を基材の一方面側から容易に入れ込むことができるとともに、復元された係止部材における一対の突出部と基材とを容易に係合させることができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0018】
この発明の第1の局面による機器保持部材において、好ましくは、ベルトは、機器の一方側と他方側とに接続された一対のベルト部により構成され、一対のベルト部は、それぞれ、係合部材と、機器と接続可能な接続部と、係合部材と接続部とを接続するベルト本体部とを含む。このように構成すれば、一対のベルト部の接続部により、孔のない箇所においても、機器の一方側と他方側とから適切に機器を保持することができる。
【0019】
この場合、好ましくは、係合部材、接続部およびベルト本体部のうちの少なくとも1つにより、ベルトの長さが調整可能となるように構成されている。このように構成すれば、係合部材、接続部およびベルト本体部のうちのいずれかによりベルトの長さを調整することができるため、係合部材と機器との間においてベルト本体部に張力を付与することができる。これにより、係止部材と基材とを適切に当接させることができる。そのため、係止部材とともに孔に入れ込まれたベルトをより適切に固定することができる。
【0020】
この発明の第2の局面による機器保持部材セットは、孔が形成された基材または基材を支持するフレームに係合し、基材に配置された機器を保持する機器保持部材と、回動補助具とを備え、機器保持部材は、機器を保持するとともに、基材の縁部またはフレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含むベルトと、係合部材と機器との間に設けられ、孔に対してベルトの一部を係止する係止部材と、を含み、係止部材は、長細形状を有する板状部材または棒状部材を有し、回動可能な回動部を含み、孔の長手方向に係止部材の長手方向が沿った状態で孔に基材の一方面側から入れ込まれた回動部が、基材の他方面において、孔の短手方向に向かって回動された状態において、回動部の一部が基材と係合するように構成されており、回動部は、一方面において回動中心軸に対して一方と他方とに配置された複数の凹部を含み、回動補助具は、回動部の複数の凹部に対応するように設けられた複数の凸部を含む。
【0021】
この発明の第2の局面による機器保持部材セットでは、上記のように、基材の縁部またはフレームに係合可能な係合部材が設けられた端部を含むとともに、基材に形成された孔に対して、機器を保持するベルトの一部を係止する係止部材を備える。このように構成することにより、上記第1の局面と同様、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することができるとともに、基材に対して生じる外力起因する機器の位置ずれを抑制することができる。また、回動部は、一方面において回動中心軸に対して一方と他方とに配置された複数の凹部を含み、回動補助具は、回動部の複数の凹部に対応するように設けられた複数の凸部を含む。このように構成することにより、回動補助具により回動部を回動させることができる。
【0022】
この発明の第2の局面による機器保持部材セットにおいて、好ましくは、回動部の複数の凹部に回動補助具の複数の凸部を挿入させた状態において、回動補助具を回動中心軸回りに回動させることにより、回動部を回動可能に構成されている。このように構成すれば、回動補助具により回動部を容易に回動させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することが可能で、かつ、機器の位置ずれを抑制することが可能な機器保持部材および機器保持部材セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態による機器保持部材が取り付けられたベッドの平面模式図である。
【
図2】第1実施形態によるボトム部材に形成された孔の例1を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態によるボトム部材に形成された孔の例2を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態による機器保持部材のベルト部の模式図である。
【
図5】第1実施形態による機器保持部材をボトム部材に取り付けた例を示す模式図である。
【
図6】第1実施形態による係合部材をボトム部材に取り付けた例を示す模式図である。
【
図7】第1実施形態による係合部材をフレームに取り付けた例を示す模式図である。
【
図8】第1実施形態による係止部材の平面模式図である。
【
図9】第1実施形態による係止部材の正面模式図である。
【
図10】第1実施形態による係止部材の斜視図である。
【
図11】第1実施形態による回動補助具の斜視図である。
【
図12】第1実施形態による係止部材による係止方法を示す第1の図である。
【
図13】
図10における1000-1000線に沿った断面図である。
【
図14】第1実施形態による係止部材による係止方法を示す第2の図である。
【
図15】第1実施形態による係止部材による係止方法を示す第3の図である。
【
図16】第2実施形態によるボトム部材に形成された孔の例を示す模式図である。
【
図17】第2実施形態による係止部材における回動部の平面模式図である。
【
図18】第2実施形態による係止部材による係止方法を示す第1の図である。
【
図19】第2実施形態による係止部材による係止方法を示す第2の図である。
【
図20】第2実施形態による係止部材による係止方法を示す第3の図である。
【
図21】第3実施形態による係止部材の斜視図である。
【
図22】第3実施形態による係止部材による係止方法を示す第1の図である。
【
図23】第3実施形態による係止部材による係止方法を示す第2の図である。
【
図24】第3実施形態による係止部材による係止方法を示す第3の図である。
【
図25】変形例による基材における機器の配置を示す第1の図である。
【
図26】変形例による基材における機器の配置を示す第2の図である。
【
図27】変形例による機器保持部材による機器の保持方法を示す断面図である。
【
図28】孔と機器との距離と、機器の位置ずれ量との関係を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
(機器保持部材が取り付けられるベッドの構成)
図1~
図5を参照して、第1実施形態による機器保持部材100、および、機器保持部材100が取り付けられ、ボトム部材11とフレーム12とを含むベッド10の構成について説明する。なお、本明細書では、ベッド10上のマットレスに臥床した臥床者の左右方向(ベッド10の短手方向)を左右方向(X方向)として説明する。また、ベッド10上のマットレスに臥床した臥床者の頭足方向(ベッド10の長手方向)を前後方向(Y方向)として説明する。また、ベッドの鉛直方向を上下方向(Z方向)として説明する。なお、ボトム部材11は、特許請求の範囲の「基材」の一例である。
【0026】
図1に示すように、機器保持部材100が取り付けられるベッド10は、マットレス(不図示)が載置されるボトム部材11と、ボトム部材11を支持するフレーム12と、ボトム部材11の下側に、ボトム部材11の傾きを調節することによりギャッジアップ機能を実行するための調節機器(不図示)とを備える。図示していないが、ボトム部材11は、臥床者の背部分、腰部分および足部分などのそれぞれの部分に対応するように分割されて構成されている。なお、調節機器は、ボトム部材11の下側に配置されていなくても良い。
【0027】
ボトム部材11は、ボトム部材11の上側に設けられるマットレスの通気性を高めるために、あるいは軽量化を図るために、複数の孔30が形成されている。
図2および
図3に示すように、ボトム部材11に形成された孔30の配置は、種々のバリエーションを含む。また、ボトム部材11に形成された孔30の形状も、種々のバリエーションを含む。第1実施形態において、ボトム部材11に形成された複数の孔30は、平面視において、長辺(長軸)と短辺(短軸)とを有する矩形状または長円形状を有する。複数の孔30は、ベッド10の左右方向に沿って形成されている。複数の孔30は、孔30の長辺がベッド10の左右方向に沿うように配置されている。
【0028】
(機器保持部材の構成)
図1および
図4に示すように、第1実施形態による機器保持部材100は、ベルト40と、係止部材60とを備える。ベルト40は、機器20(
図1参照)の左右方向における一方側と他方側とに接続された一対のベルト部41(
図4参照)により構成されている。ベルト部41は、ボトム部材11に係合可能な係合部材50と、機器20と接続可能な接続部42と、係合部材50と接続部42とを接続するベルト本体部43とを含む。なお、
図4は、一対のベルト部41のうちの一方を示しているが、他方のベルト部41も同じ構成である。
【0029】
図5に示すように、機器保持部材100は、ボトム部材11上において、一対のベルト部41を含むベルト40がボトム部材11の左右方向に沿うように配置されるとともに、係止部材60が機器の左右方向のそれぞれにおいて孔30にベルト40を係止している。なお、ベルト40が伸びる方向は、ボトム部材11の左右方向(X方向)ではなく、たとえばボトム部材11の前後方向(Y方向)であってもよい。
【0030】
機器20(
図1参照)は、たとえばベッド10を使用する臥床者の生体情報を取得するためのセンサを含む。センサとしては、たとえば臥床者の離床を検知するセンサや、臥床者の心拍、脈拍または呼吸などの体動を検知するためのセンサが挙げられる。なお、機器20は、臥床者の生体情報を取得するためのセンサに限定されず、たとえば臥床者の介護や治療を補助するための機器であっても良い。機器20の左右方向の側面のそれぞれには、ベルト本体部43が挿通されて折り返されることによりベルト部41と接続可能となるように形成された挿通孔(不図示)が設けられている。
【0031】
図4に示すように、係合部材50は、たとえばフックである。
図6に示すように、係合部材50としてのフックは、ボトム部材11の左右方向の周縁部に引っ掛けることによりボトム部材11に係合可能となるように構成されている。なお、たとえば、ボトム部材11とフレーム12の一部とが一体的に背上げや足上げなどを行う場合には、
図7に示すように、係合部材50は、このフレーム12の一部の左右方向の周縁部に係合されていても良い。
【0032】
接続部42は、帯状部材により形成されたベルト本体部43が、機器20に設けられた挿通孔において折り返されることにより、機器20を保持するように構成されている。
【0033】
ベルト本体部43は、係合部材50と接続部42とを接続する。ベルト本体部43は、帯形状を有する。ベルト本体部43は、伸縮性を有さない材料により形成される。ベルト本体部43には、ベルト本体部43の長さを調節可能な調節具44が設けられている。調節具44としては、たとえばリュックカンが用いられる。
【0034】
図5に示すように、係止部材60は、ボトム部材11に形成された孔30に対してベルト本体部43(
図4参照)の一部を係止するように構成されている。
図8~
図10に示すように、係止部材60は、挟持部61と、回動部62と、挟持部61と回動部62とを接続する軸部63とを含む。係止部材60は、ベルト本体部43(
図9参照)における係合部材50と機器20との間に、着脱可能に設けられる。係止部材60は、ボトム部材11に形成された孔30に対してベルト本体部43の一部を係止するように構成されている。係止部材60による、孔30に対するベルト本体部43の係止方法は、後述する。
【0035】
挟持部61は、ベルト本体部43(
図9参照)の一部を挟持する。挟持部61は、ベルト本体部43と着脱可能に構成される。挟持部61は、たとえばクリップである。挟持部61としてのクリップは、一方端どうしが接続された一対の細長い板状部材により構成される。挟持部61は、板状部材の他方端どうしの間から一方端に向かってベルト本体部43が入れ込まれることにより、ベルト本体部43を挿通させた状態でベルト本体部43の一部を挟持する。
【0036】
回動部62は、板状部材、または棒状部材により構成される。回動部62としての板状部材は、平面視において、長手部と短手部とを有する多角形状、または、長径と短径とを有する楕円形状、を有する細長形状により構成される。回動部62における長手部または長径は、係止部材60が係止される孔30の長辺よりも小さく、かつ、孔30の短辺よりも大きい。第1実施形態において、回動部62は、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状の板状部材である。回動部62は、軸部63の軸線を中心軸として挟持部61に対して回動可能に構成されている。以下、回動部62の長手方向(長軸)をLDで示し、回動部62の短手方向(短軸)をSDで示す。
【0037】
回動部62の上面には、軸部63に対して一方と他方とに配置された複数の凹部64が形成されている。第1実施形態において、凹部64は2つ形成されている。
【0038】
軸部63は、挟持部61と回動部62とを接続するとともに、軸部63の軸線を中心軸として回動部62を挟持部61に対して回動可能に構成されている。軸部63は、たとえばリベットである。
【0039】
(回動補助具の構成)
係止部材60がベルト本体部43に装着された状態で、回動部62は、
図11に示す回動補助具210を利用して回動させることができる。回動補助具210は、手の指で把持可能な直方体形状を有する把持部211と、把持部211の一面において、回動部62の複数の凹部64の配置および深さに対応するように設けられた複数の凸部212とを含む。回動補助具210は、回動部62の複数の凹部64に複数の凸部212を挿入させた状態において、軸部63の軸線を中心軸として回動させることにより、回動部62を回動可能に構成されている。回動補助具210は、機器保持部材100とともに、機器保持部材セットを構成する。
【0040】
(係止部材によるベルト本体部の係止方法)
図12~
図14を参照して、第1実施形態による係止部材60によるベルト本体部43の係止方法について説明する。
【0041】
図12は、ボトム部材11の上面側から見た、係止部材60がボトム部材11に形成された孔30に入れ込まれた状態を示す模式図である。
図12に示すように、ベルト本体部43は、ベルト本体部43の長手方向が孔30の長手方向(X方向)に沿って、かつ、ベルト本体部43が孔30の上側を通るように、載置される。挟持部61は、ベルト本体部43を挟持している。回動部62は、孔30の長手方向(X方向)に回動部62の長手方向LDが沿った状態で、かつ、孔30の中に納まるように、配置される。係止部材60は、孔30においてボトム部材11の上面側からボトム部材11の下面側に向かって、ベルト本体部43の一部とともに入れ込まれる。
図13に示すように、孔30において、回動部62の上面は、ボトム部材11の下面よりも下側に位置するように入れ込まれる。
【0042】
図14は、ボトム部材11の上面側から見た、
図12の回動部62が回動された状態を示す模式図である。
図15は、ボトム部材11の下面側から見た、
図12の回動部62が回動された状態を示す模式図である。
図14および
図15は、
図12に示す、孔30の長手方向(X方向)に係止部材60の長手方向LDが沿った状態で孔に入れ込まれた回動部62が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(Y方向)に向かって90度回動された状態を示している。すなわち、孔30の長手方向(X方向)に係止部材60の長手方向LDが沿った状態で孔30に入れ込まれた係止部材60が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(Y方向)に向けて90度傾いて配置され、係止部材60の短手方向SDが、孔30の長手方向(X方向)に沿う状態となる。なお、回動部62の回動は、回動補助具210を用いて行われる。
【0043】
回動部62が回動された後にベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態とすることにより、
図14および
図15に示すように、回動部62の長手方向LDの両端部近傍P(
図15においてハッチングされた部分)における上面が、ボトム部材11の下面に当接した状態となる。これにより、回動部62の長手方向LDの両端部近傍Pが、ボトム部材11の下面に引っかかることにより、回動部62とボトム部材11とが係合し、その結果、係止部材60は、ベルト本体部43とともに孔に対して抜け止めとなる。また、回動部62の長手方向LDの両端部近傍Pにおける上面が、ボトム部材11の下面に当接した状態において、回動部62の長手方向LDに沿った両端部と、ベルト本体部43とが当接するとともに、孔30の短辺側のボトム部材11と、ベルト本体部43とが当接する。これにより、回動部62の長手方向LDに沿った両端部と、この両端部に当接するベルト本体部43との間に摩擦力が生じるとともに、孔30の短辺側のボトム部材11と、ボトム部材11に当接するベルト本体部43との間にも摩擦力が生じる。そのため、孔30に対してベルト本体部43がずれ難くなり、その結果、孔30に対してベルト本体部43が係止される。
【0044】
なお、係止部材60が孔30内をボトム部材11の上面側からボトム部材11の下面側に通過できれば良いため、孔30の長手方向および短手方向は、ボトム部材11においてどの方向に沿っていても良い。また、回動部62の幅は、孔30の幅よりも大きくても良い。
【0045】
係止部材60による孔30に対するベルト本体部43の係止を解除し、係止部材60を孔30から取り外す方法について説明する。係止部材60により孔30に対してベルト本体部43の一部が係止されている状態において、ベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43が緩んだ状態にする。次に、回動補助具210を用いて、孔30の短手方向(Y方向)に係止部材60の長手方向LDが沿った状態に回動された回動部62を、孔30の長手方向(X方向)に向かって90度回動させる。これにより、回動部62は、平面視において、孔30の長手方向(X方向)に回動部62の長手方向LDが沿った状態に戻るため、孔30においてベルト本体部43の一部とともに入れ込まれた係止部材60を孔30から取り外すことができる。
【0046】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、上記のように、ボトム部材11に形成された孔30に対して、機器20を保持するベルト40の一部を係止する係止部材60を備える。これにより、機器20を保持するベルト40の一部がボトム部材11に形成された孔30に係止されるため、係止されたベルト40により機器20をボトム部材11上に固定することができる。そのため、機器20の配置位置がたとえばボトム部材11に形成された孔30の中に限定されることがないため、機器20を孔30の中以外のボトム部材11上に配置することができる。また、ボトム部材11に形成された孔30の中に機器20を配置しないため、孔30のサイズよりも大きなサイズの機器20をボトム部材11上に配置することができる。これらの結果、機器20の配置位置および機器20のサイズについての制約を抑制して、機器20をボトム部材11上に配置することができる。また、ベルト40は、ボトム部材11の縁部またはフレーム12に係合可能な係合部材50が設けられた端部を含む。これにより、係合部材50をボトム部材11の縁部またはフレーム12に係合させることができるため、ベルト40に保持された機器20をボトム部材11上の所望の位置に配置させることができる。また、係合部材50によりボトム部材11の端部またはフレーム12にベルト40を係合するだけでなく、係止部材60によってもボトム部材11の孔30にベルト40を係止する。これにより、係合部材50だけでベルト40を係合する場合よりもベルト40をしっかりと係止することができる。そのため、ギャッジアップ機能による背上げまたは足上げ(基材に対して生じる外力)に起因する機器の臥床者に対する位置ずれを抑制することができる。これらの結果、機器20の配置位置および機器20のサイズについての制約を抑制して、機器20をボトム部材11上に配置することができるとともに、機器20の位置ずれを抑制することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60は、孔30においてボトム部材11の上面側からボトム部材11の下面側に入れ込まれ、孔30に対してベルト40の一部を係止するように構成されている。これにより、ボトム部材11の孔30の上部縁部とベルト40の下面とが接触する部分においてベルト40が屈曲した状態で孔30の縁部に接触(当接)するので、その接触部分において大きな摩擦力が生じる。その摩擦力によって、ベルト40をずれることなく孔30に適切に固定することができる。そのため、ギャッジアップ機能による背上げまたは足上げに起因する機器20の臥床者に対する位置ずれを適切に抑制することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60は、孔30においてベルト40の一部とともに入れ込まれることにより、ボトム部材11の下面においてベルト40の一部を係止するように構成されている。これにより、係止部材60が孔30に対してベルト40の抜け止めとなることにより、孔30に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60は、長細形状を有する板状部材を含み、ボトム部材11の下面において係止部材60の長手方向LDが孔30の短手方向(Y方向)に向けて配置されることによりボトム部材11と係合し、ベルト40とともに孔30に対して抜け止め可能に構成されている。これにより、係止部材60がボトム部材11の下面に引っかかることにより、係止部材60を孔30に適切に固定することができる。そのため、係止部材60とともに孔に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60は、長細形状を有する板状部材を有し、回動可能な回動部62を含み、孔30の長手方向(X方向)に係止部材60の長手方向LDが沿った状態で孔30にボトム部材11の上面側から入れ込まれた回動部62が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(Y方向)に向かって回動された状態において、回動部62の一部がボトム部材11と係合するように構成されている。これにより、孔30に入れ込まれた回動部62を回動させることにより、係止部材60をボトム部材11の下面に容易に当接させることができる。そのため、係止部材60とともに孔に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60は、ベルト40の一部を挟持する挟持部61と、長細形状を有する板状部材を有し、挟持部61に対して回動可能な回動部62とを含み、孔30の長手方向(X方向)に係止部材60の長手方向LDが沿った状態で孔30にボトム部材11の上面側から入れ込まれた回動部62が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(Y方向)に向かって回動された状態において、回動部62の一部がボトム部材11と係合するように構成されている。これにより、孔30に入れ込まれた回動部62を回動させることにより、係止部材60をボトム部材11の下面に容易に当接させることができる。そのため、係止部材60とともに孔に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、係止部材60の板状部材は、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状であるように構成されている。これにより、係止部材60の板状部材または棒状部材における長手方向の両端部と、ボトム部材11の下面とを容易に係合させることができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、ベルト40は、機器20の一方側と他方側とに接続された一対のベルト部41により構成され、一対のベルト部41は、それぞれ、係合部材50と、機器20と接続可能な接続部42と、係合部材50と接続部42とを接続するベルト本体部43とを含む。これにより、一対のベルト部41の接続部42により、孔30のない箇所においても、機器20の一方側と他方側とから適切に機器20を保持することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、孔30が形成されたボトム部材11とボトム部材11を支持するフレーム12とを含むベッド10に取り付けられ、ボトム部材11上に配置された機器20を保持する機器保持部材100と、回動補助具210とを備え、回動部62は、上面において回動中心軸に対して一方と他方とに配置された複数の凹部64を含み、回動補助具210は、回動部62の複数の凹部64に対応するように設けられた複数の凸部212を含む。これにより、回動補助具210により回動部62を回動させることができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、回動部62の複数の凹部64に回動補助具210の複数の凸部212を挿入させた状態において、回動補助具210を回動中心軸回りに回動させることにより、回動部62を回動可能に構成されている。これにより、回動補助具210により回動部62を容易に回動させることができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、
図16~
図20を参照して、第2実施形態による機器保持部材100の構成について説明する。上述した第1実施形態では、ボトム部材11に形成された複数の孔30は、孔30の長辺がベッド10の左右方向に沿うように配置され、回動部62は、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状であるように構成されている。第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、ボトム部材11に形成された複数の孔30は、孔30の短辺がベッド10の左右方向に沿うように配置され、回動部72は、平面視において、一対の長辺76と、一対の長辺76のそれぞれにおいて切り欠かれた切欠部75とを含み、ボトム部材11の下面において、係止部材70がボトム部材11と係合した状態において、ベルト40の一部が切欠部75内に配置されるように構成されている。
【0057】
(ボトム部材に形成された複数の孔の構成)
図16に示すように、ボトム部材11に形成された複数の孔30は、平面視において、長軸と短軸とを有する長円形状を有する。複数の孔30は、孔30の短軸がベッド10の左右方向(Y方向)に沿うように配置されている。
【0058】
(回動部の構成)
図17に示すように、回動部72は、平面視において、一対の長辺76と、一対の長辺のそれぞれにおいて切り欠かれた一対の切欠部75とを含む。切欠部75は、それぞれ、長辺76における切欠部75が形成された位置から近い方の短辺79の方向に向かって切り欠かれている。一対の切欠部75は、軸部73(
図18参照)に対して一方と他方とにそれぞれ配置されている。切欠部75における軸部73側の端部は、平面視において直線部77を含む。切欠部75における直線部77と、一対の長辺76のそれぞれとは、湾曲する湾曲部78により接続されている。なお、挟持部71(
図18参照)および接続部の構成は、第1実施形態による係止部材の挟持部および接続部の構成と同じであるため、説明は省略する。
【0059】
(係止部材によるベルト本体部の係止方法)
図18~
図20を参照して、第2実施形態による係止部材70によるベルト本体部43の係止方法について説明する。
【0060】
図18は、ボトム部材11の上面側から見た、係止部材70がボトム部材11に形成された孔30に入れ込まれた状態を示す模式図である。
図18に示すように、ベルト本体部43は、ベルト本体部43の長手方向が孔30の短手方向(X方向)に沿って、かつ、ベルト本体部43が孔30の上側を通るように、載置される。挟持部71は、ベルト本体部43を挟持している。回動部72は、孔30の長手方向(Y方向)に回動部72の長手方向LDが沿った状態で、かつ、孔30の中に納まるように、配置される。平面視において、切欠部75の中にベルト本体部43の短手方向の端部の一部が重なるように配置される。係止部材70は、孔30においてボトム部材11の上面側からボトム部材11の下面側に向かって、ベルト本体部43の一部とともに入れ込まれる。孔30において、回動部72の上面は、ボトム部材11の下面よりも下側に位置するように入れ込まれる。
【0061】
図19は、ボトム部材11の上面側から見た、
図18の回動部72が回動された状態を示す模式図である。
図20は、ボトム部材11の下面側から見た、
図18の回動部72が回動された状態を示す模式図である。
図19および
図20は、
図18に示す、孔30の長手方向(Y方向)に係止部材70の長手方向LDが沿った状態で孔30に入れ込まれた回動部72が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(X方向)に向かって45度回動された状態を示している。すなわち、孔30の長手方向(Y方向)に係止部材70の長手方向LDが沿った状態で孔30に入れ込まれた係止部材70が、ボトム部材11の下面において、孔30の短手方向(X方向)に向けて45度傾いて配置されている。切欠部75内には、ベルト本体部43の短手方向の端部の一部が配置されている。なお、回動部72の回動は、回動補助具210を用いて行われる。
【0062】
回動部72が回動された後にベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態とすることにより、
図19および
図20に示すように、回動部72の長手方向LDの両端部の切欠部75近傍Q(
図18においてハッチングされた部分)における上面が、ボトム部材11の下面に当接した状態となる。これにより、回動部72の長手方向LDの両端部近傍Qが、ボトム部材11の下面に引っかかることにより、回動部72とボトム部材11とが係合し、その結果、係止部材70は、ベルト本体部43とともに孔30に対して抜け止めとなる。また、回動部72の切欠部75近傍Qにおける上面が、ボトム部材11の下面に当接した状態において、切欠部75の直線部77と、ベルト本体部43とが当接するとともに、孔30の長辺側のボトム部材11と、ベルト本体部43とが当接する。これにより、回動部72の切欠部75の直線部77近傍と、この直線部77近傍に当接するベルト本体部43との間に摩擦力が生じるとともに、孔30の長辺側のボトム部材11と、ボトム部材11に当接するベルト本体部43との間にも摩擦力が生じる。そのため、孔30に対してベルト本体部43がずれ難くなり、その結果、孔30に対してベルト本体部43が係止される。
【0063】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、係止部材70の板状部材または棒状部材は、平面視において、一対の長辺76と、一対の長辺76のそれぞれにおいて切り欠かれた切欠部75とを含み、ボトム部材11の下面において、係止部材70がボトム部材11と係合した状態において、ベルト40の一部が切欠部75内に配置されるように構成されている。これにより、係止部材70の板状部材または棒状部材における長手方向の両端部と、ボトム部材11の下面とを適切に係合させることができるとともに、切欠部75内において、切欠部75とボトム部材11とによりベルト40の一部を係止させることができる。
【0065】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0066】
[第3実施形態]
次に、
図21~
図24を参照して、第3実施形態による機器保持部材100の構成について説明する。第3実施形態では、係止部材60は、挟持部61と、回動部62と、軸部63とを含む第1実施形態とは異なり、係止部材80は、一対の側壁81と、一対の側壁81を接続する底部82とを含むように構成されている。
【0067】
(係止部材の構成)
図21に示すように、第3実施形態による係止部材80は、一対の側壁81と、一対の側壁81を接続する底部82とを含む。係止部材80は、一対の側壁81が互いに近づく方向に弾性変形することが可能な材料により形成される。係止部材80の材料は、第1実施形態および第2実施形態における係止部材60、70の材料と同じであっても良いし、異なる材料であっても良い。
【0068】
一対の側壁81は、底部82に接続された一対の壁部83と、一対の壁部83から一対の壁部の外側へ突出する少なくとも一対の突出部84とを含む。一対の壁部83は、底部82に接続される一方端から、他方端に向かって、第1部分85と、第2部分86と、第3部分87とを含むように構成されている。第1部分85は、他方端側に向かうほど一対の壁部83の互いの距離が大きくなるように構成されている。第2部分86は、第1部分85と第3部分87とを接続し、一対の壁部83における内側へ突出するように構成されている。第3部分87は、底部82側と反対側に向かって伸びるように構成されている。少なくとも一対の突出部84は、第3部分87に形成されている。第1部分85の外側への突出量は、第1部分85に最も近い一対の突出部84における外側への突出量よりも小さくなるように構成されている。第3実施形態において、突出部84は一対形成されている。底部82は、一対の側壁81を接続するように構成されている。
【0069】
(係止部材によるベルト本体部の係止方法)
図22~
図24を参照して、第3実施形態による係止部材80によるベルト本体部43の係止方法について説明する。
【0070】
まず、機器20を保持したベルト40が、ボトム部材11上において、ベルト本体部43の長手方向がベッド10の左右方向に沿って、かつ、ベルト本体部43の一部がボトム部材11に形成された孔30に入れ込まれた状態で、載置される。このようにベルト40が載置された状態において、係止部材80は、
図22に示すように、一対の側壁81の第3部分87を一対の側壁81が互いに近づく方向に指により押圧されることにより、内側に弾性変形される。これにより、一対の側壁81の第2部分86における外側面の間の距離Aが弾性変形前よりも小さくなる。
【0071】
図23に示すように、弾性変形された係止部材80は、一対の側壁81が互いに近づく方向と、孔30に入れ込まれたベルト本体部43の短手方向とが合わせられ、底部82側から孔30に入れ込まれる。孔30に入れ込まれた係止部材80は、指による押圧が解除されることにより、復元される。その結果、
図23および
図24に示すように、一対の側壁81が復元された状態において、一対の突出部84と第2部分86との間にボトム部材11が挟まれる状態となる。一対の側壁81が復元された後にベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態とすることにより、ベルト本体部43の一部が底部82の下面に当接した状態となる。
【0072】
一対の突出部84と第2部分86との間にボトム部材11が挟まれることにより、一対の突出部84とボトム部材11とが係合し、その結果、係止部材80は、ベルト本体部43とともに孔30に対して抜け止めとなる。また、一対の突出部84と第2部分86との間にボトム部材11が挟まれた状態において、孔30の左右方向におけるボトム部材11と、ベルト本体部43とが当接する。これにより、孔30の左右方向のボトム部材11と、ボトム部材11に当接するベルト本体部43との間に摩擦力が生じる。そのため、孔30に対してベルト本体部43がずれ難くなり、その結果、孔30に対してベルト本体部43が係止される。
【0073】
係止部材80による孔に対するベルト本体部43の係止を解除し、係止部材80を孔30から引き抜く方法について説明する。係止部材80により孔30に対してベルト本体部43の一部が係止されている状態において、一対の側壁81の第3部分87を一対の側壁81が互いに近づく方向に指により押圧するとともに、一対の側壁81を傾けるようにして、一対の側壁81の一方の第1部分85を孔30から引き抜く。一対の側壁81の第1部分85の外側への突出量は、一対の突出部84の外側への突出量よりも小さくなるように構成されているため、一対の側壁81の一方の第1部分85を孔30から引き抜くことができる。一対の側壁81の一方の第1部分85を孔30から引き抜くことにより、他方の第1部分85も孔30から引き抜くことができる。これにより、孔30においてベルト本体部43の一部とともに入れ込まれた係止部材80を孔30から引き抜くことができる。
【0074】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記のように、係止部材60は、一対の側壁81と、一対の側壁81を接続する底部82とを含み、一対の側壁81が互いに近づく方向に弾性変形された状態で底部82側から孔30に入れ込まれた一対の側壁81が、復元されることにより、ベルト40とともに孔30に対して抜け止め可能に構成されている。これにより、孔30に対して係止部材80をボトム部材11の上面側から容易に入れ込むことができるとともに、復元された係止部材80とボトム部材11とを容易に係合させることができる。そのため、係止部材80とともに孔30に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0076】
また、第3実施形態では、上記のように、係止部材80は、一対の側壁81と、一対の側壁81を接続する底部82とを含み、一対の側壁81は、底部82に接続された一対の壁部83と、一対の壁部83から一対の壁部83の外側へ突出する少なくとも一対の突出部84とを含み、一対の側壁81が互いに近づく方向に弾性変形された状態で底部82側から孔30に入れ込まれた一対の側壁81が、復元された状態において、一対の突出部84が孔30の端部と係合するように構成されている。これにより、孔30に対して係止部材80をボトム部材11の上面側から容易に入れ込むことができるとともに、復元された係止部材80における一対の突出部84とボトム部材11とを容易に係合させることができる。そのため、係止部材80とともに孔30に入れ込まれたベルト40をより適切に固定することができる。
【0077】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0078】
たとえば、上記第1~第3実施形態では、基材がベッド10に含まれるボトム部材11である例を示したが、本発明はこれに限られない。基材は、たとえば、救急車の内部に設けられ、医療用機器が載置されるとともに、軽量化のために孔が形成された部材により構成されていても良い。この場合であっても、機器の配置位置および機器のサイズについての制約を抑制して、機器を基材上に配置することができるとともに、走行時において基材に対して生じる振動等の外力に起因する機器20の位置ずれを抑制することができる。なお、基材とは、たとえば、貫通孔が形成される少なくとも1つの平面を有する部材である。
【0079】
また、上記第1~第3実施形態では、機器20は、基材の一例であるボトム部材11の上面に配置され、係止部材60は、孔30においてボトム部材11の上面側からボトム部材11の下面側に向かって、ベルト本体部43の一部とともに入れ込まれる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、機器20は、
図25に示すように、基材11aの下面に配置され、係止部材60は、孔30において基材11aの下面側から基材11aの上面側に向かって、ベルト本体部43の一部とともに入れ込まれるように構成されていても良い。また、機器20は、
図26に示すように、基材11aにおける鉛直方向に沿った面に配置され、係止部材60は、この鉛直方向に沿った面に形成された孔30において基材11aの一方面側から基材11aの他方面側に向かって、ベルト本体部43の一部とともに入れ込まれるように構成されていても良い。
【0080】
また、上記第1~第3実施形態では、ベルト40は、機器20の一方側と他方側とに接続された一対のベルト部41により構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ベルト40は、両端部に設けられた係合部材50と、係合部材50を接続するベルト本体部43とを含む1本のベルト部41により構成され、ベルト本体部43に機器20を接続する接続部を含む構成としても良い。
【0081】
また、
図27に示すように、ベルト40は、両端部に設けられた係合部材50と、係合部材50を接続するベルト本体部43とを含む1本のベルト部41により構成される場合において、ベルト本体部43に機器20を接続する接続部を含まず、ベルト部41の下面により機器20の上面を押さえ込むように構成されていても良い。このとき、基材の一例であるボトム部材11の法線方向Sと、ベルト本体部43とのなす角度θ1が、鋭角であって、かつ、より角度が小さくなるように孔30の位置に対して機器20を配置する。これにより、ベルト40により機器20をボトム部材11側に押圧する力が増加するため、機器20とボトム部材11とが接触する部分における摩擦力が増加する。そのため、機器20の位置ずれをより抑制することができる。また、角度θ1がより小さくなるように孔30の位置に対して機器20を配置するために、たとえば、ボトム部材11に形成された複数の孔30のうち、機器20により近い方の孔30に対して、係止部材60によりベルト本体部43を係止するように構成されていても良い。また、ベルト40は、両端部に設けられた係合部材50と、係合部材50を接続するベルト本体部43とを含む1本のベルト部41により構成される場合において、ベルト本体部43に機器20を接続する接続部を含まず、機器20の下面側に設けられ、機器20の左右方向に形成された挿通孔にベルト部41を挿通させるように構成されていても良い。
【0082】
また、上記第1~第3実施形態では、ベルト本体部43に設けられた調節具44によりベルト40の長さを調節可能とする例を示したが、本発明はこれに限られない。係合部材50および接続部42のいずれかにより、ベルト40の長さが調整可能となるように構成されていても良い。たとえば、係合部材50として、フックの一部分の長さをスライド式に調節可能なアジャスターが取り付けられたフックを用いても良い。あるいは、接続部42は、機器20と係合可能あり、かつ、長さをスライド式に調節可能なアジャスターが取り付けられた係合部材により構成されていても良い。
【0083】
また、上記第1~第3実施形態では、接続部42は、帯状部材により形成されたベルト本体部43が、機器20に設けられた挿通孔において折り返されることにより、機器20を保持するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。接続部42は、機器20に設けられた係合部に係合可能な部材により構成されていても良い。
【0084】
また、上記第1~第3実施形態では、ボトム部材11に形成された複数の孔30のうち、係止部材60が入れ込まれる孔の位置は、特に限定されていない例を示したが、本発明はこれに限られない。ベルト部41の調節具44を用いて、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態となるように調節したとしても、係合部材50と機器20との間にベルト本体部43のわずかな緩み(遊び量)が生じ得る。背上げまたは足上げの際に、この緩みに起因して、機器20がベッド10の頭足方向にずれ得る。このとき、
図28に示すように、背上げまたは足上げ前後の機器20の位置と、係止部材60によりベルト本体部43を係止した孔30とを結ぶ直線とがなす角度θ2が同じである場合、機器20との距離D1である孔H1におけるずれ量h1の方が、機器20との距離D2が距離D1より大きい孔H2におけるずれ量h2よりも小さくなる。これにより、ベッド10の左右方向に沿うようにボトム部材11に形成された複数の孔30のうち、機器20により近い方の孔30に対して、係止部材60によりベルト本体部43を係止する方が、ギャッジアップ機能による背上げまたは足上げなどの外力に起因する機器の位置ずれを抑制することができる。そのため、ボトム部材11に形成された複数の孔30のうち、機器20により近い方の孔30に対して、係止部材60によりベルト本体部43を係止するように構成されていても良い。
【0085】
また、第1実施形態において、回動部62が孔30の短手方向に向かって90度回動される例を示し、第2実施形態において、回動部72が孔30の短手方向に向かって45度回動される例を示したが、本発明はこれに限られない。回動部62、72が孔30の短手方向に向かって回動される角度は、回動部62、72の一部がボトム部材11と係合することができれば、特に限定されない。
【0086】
また、第1実施形態および第2実施形態において、挟持部61、71の材料は特に限定されていない例を示したが、本発明はこれに限られない。回動部62、72が回動された後にベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態とすることを容易にするため、挟持部61、71は、ベルト本体部43と接触する面において、ベルト本体部43との間に生じる摩擦力が相対的に小さくなる材料が用いてもよい。また、ベルト本体部43との間に生じる摩擦力が小さくなるような加工が施されているように構成されていても良い。また、第3実施形態においても、孔30に入れ込まれた一対の側壁81が復元された後にベルト部41の調節具44を調節して、係合部材50と機器20との間においてベルト本体部43に張力が付与される状態とすることを容易にするため、底部82のベルト本体部43と接触する面において、ベルト本体部43との間に生じる摩擦力が小さくなるような加工が施されていても良い。
【0087】
また、第3実施形態において、一対の突出部84が一つである例を示したが、本発明はこれに限られない。一対の側壁81を指で把持した際に指を滑り難くするために、一対の突出部84が複数設けられていたり、一対の側壁81の第3部分87の摩擦力を大きくするような加工が施されていたりしても良い。
【0088】
また、上記第1~第3実施形態では、ベルト本体部43が孔30に入れ込まれ、係止部材60、70、80も孔30に入れ込まれる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、係止部材は孔30に係止されるクリップにより構成されていても良い。
【0089】
また、第1実施形態において、回動補助具210の把持部211は直方体形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。把持部211の形状は、手の指で把持可能であり、かつ、回動しやすい形状であれば、特に限定されない。
【0090】
また、第1実施形態において、回動補助具210を用いて回動部62を回動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回動部62は、上面に指で摘まむことが可能な突出部を含み、この突出部を軸部63の軸線を中心軸として回動させることにより、回動部62を回動可能に構成されていても良い。
【0091】
また、上記第1~第3実施形態では、ベルト部41はベルト本体部43を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ベルト本体部43は、ポリエステルやナイロン素材を材料とするベルトやロープにより構成されていても良いし、ニトリルゴムや天然ゴムなどを材料とするベルトやバンドにより構成されていても良い。
【符号の説明】
【0092】
100 機器保持部材
10 ベッド
11 ボトム部材
12 フレーム
20 機器
30 孔
40 ベルト
41 ベルト部
42 接続部
43 ベルト本体部
50 係合部材
60、70、80 係止部材
61、71 挟持部
62、72 回動部
64、74 凹部
75 切欠部
76 長辺
81 側壁
82 底部
83 壁部
84 突出部
210 回動補助具
212 凸部