(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047331
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】基板作業機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
H05K13/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153190
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴幸
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC21
5E353EE83
5E353JJ28
5E353JJ33
5E353JJ60
5E353LL03
5E353QQ12
5E353QQ23
(57)【要約】
【課題】 基板作業機において、案内部材の変位を簡易な構成により把握することができる技術を提供する。
【解決手段】 基板作業機は、基板に対して所定の処理を実行する。基板作業機は、ハウジングと、ハウジング内に取り付けられ、水平方向に沿って伸びる案内部材と、案内部材に取り付けられ、案内部材により案内部材に沿って駆動される構造体と、案内部材から所定の間隔を空けてハウジング内に取り付けられ、案内部材と平行に伸びる基準部材と、案内部材と基準部材の間の距離を測定する測定部と、測定部により測定された距離を出力する出力部と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して所定の処理を実行する基板作業機であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に取り付けられ、水平方向に沿って伸びる案内部材と、
前記案内部材に取り付けられ、前記案内部材により前記案内部材に沿って駆動される構造体と、
前記案内部材から所定の間隔を空けて前記ハウジング内に取り付けられ、前記案内部材と平行に伸びる基準部材と、
前記案内部材と前記基準部材の間の距離を測定する測定部と、
前記測定部により測定された前記距離を出力する出力部と、
を備えている、基板作業機。
【請求項2】
前記測定部により測定された前記距離が前記所定の間隔に基づいて予め定められた範囲外である場合に、前記案内部材に異常が生じていることをユーザに報知する報知部をさらに備えている、請求項1に記載の基板作業機。
【請求項3】
前記測定部は、前記基板作業機が前記基板に対して前記所定の処理を実行する前に、前記距離を測定する、請求項1又は2に記載の基板作業機。
【請求項4】
前記測定部は、前記構造体に取り付けられたレーザ変位計であり、
前記案内部材には、前記レーザ変位計に対向すると共に前記基準部材と対向し、前記レーザ変位計からの光の光路を曲げる光学部材が取り付けられており、
前記レーザ変位計からの光は、前記光学部材を介して前記基準部材に照射される、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板作業機。
【請求項5】
前記基板作業機は、前記基板に電子部品を実装する部品実装機であり、
前記構造体は、前記電子部品を吸着可能なヘッドを保持する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の基板作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、基板作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を基板に実装する実装装置が開示されている。この実装装置では、電子部品を吸着する吸着部を有するヘッドと、ヘッドが取り付けられた可動台と、可動台を水平方向に沿って移動させるガイドレールとを備えている。特許文献1では、電子部品を実装する前に、当該可動台をガイドレールに沿って移動させ、ガイドレールに沿った複数の測定位置にヘッドを移動させる。そして、各測定位置において、ヘッドを昇降させることで、ヘッドの上側位置と下側位置とを求める。その後、実装動作を実行する際に、各測定位置において測定した上側位置と下側位置に基づいて、ガイドレールのうねりに起因するヘッドと基板との位置ずれを補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、複数の測定位置でヘッドを上側位置及び下側位置に配置して当該ヘッドの位置を測定し、測定した各位置を実装動作時のヘッドの基準位置(位置ずれが生じていないときの位置)と比較することにより位置ずれを検出する。すなわち、特許文献1の技術では、ガイドレール(以下、案内部材という。)のうねり等に起因する位置ずれを検出するために多くの工数を要するとともに処理が複雑化する。本明細書では、基板作業機において、案内部材の変位をより簡易な構成により把握することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する基板作業機は、基板に対して所定の処理を実行する。前記基板作業機は、ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられ、水平方向に沿って伸びる案内部材と、前記案内部材に取り付けられ、前記案内部材により前記案内部材に沿って駆動される構造体と、前記案内部材から所定の間隔を空けて前記ハウジング内に取り付けられ、前記案内部材と平行に伸びる基準部材と、前記案内部材と前記基準部材の間の距離を測定する測定部と、前記測定部により測定された前記距離を出力する出力部と、を備えている。
【0006】
上記の基板実装機は、構造体が取り付けられた案内部材を備えている。当該構造体は、例えば、ユーザ(作業者)による段取り替えや、所定の処理を実行している際に、何等かの事象により他の部材と干渉してしまう場合がある。その結果、構造体を支持する案内部材が傾いたり、変形する場合がある。上記の基板実装機では、案内部材から所定の間隔を空けて、案内部材と平行に伸びる基準部材が設けられている。すなわち、正常な状態では、案内部材と基準部材の間の距離は、各部材の延在方向における任意の位置で略等しい。したがって、案内部材と基準部材の間の距離を測定することにより、ユーザは、当該距離に基づいて、案内部材に生じた傾きや変形等の変位を把握することができる。なお、基準部材には構造体が取り付けられていないため、仮に構造体が他の部材と干渉したとしても、基準部材が傾いたり、変形したりすることはない。このため、案内部材と基準部材の間の距離を測定することによって、案内部材に生じた変位を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例に係る部品実装機の構成を示す概略図。
【
図2】ガイドレールに取り付けられた移動ベース周辺の部材を示す拡大図。
【
図5】ガイドレールに異常が生じている状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0009】
本技術の一実施形態では、前記測定部により測定された前記距離が前記所定の間隔に基づいて予め定められた範囲外である場合に、前記案内部材に異常が生じていることをユーザに報知する報知部をさらに備えていてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、案内部材に異常が生じていることが自動的に報知される。このため、ユーザ自身が案内部材の変位を確認しなくても異常を知ることができるため、利便性が高まる。
【0011】
本技術の一実施形態では、前記測定部は、前記基板作業機が前記基板に対して前記所定の処理を実行する前に、前記距離を測定してもよい。
【0012】
上記の構成によれば、基板作業機が所定の処理を実行する前に、異常が生じているか否かを判断することができる。このため、案内部材に異常が生じた状態で当該所定の処理を実行してしまうことを防止することができる。
【0013】
本技術の一実施形態では、前記測定部は、前記構造体に取り付けられたレーザ変位計であってもよい。前記案内部材には、前記レーザ変位計に対向すると共に前記基準部材と対向し、前記レーザ変位計からの光の光路を曲げる光学部材が取り付けられてもよい。前記レーザ変位計からの光は、前記光学部材を介して前記基準部材に照射されてもよい。
【0014】
上記の構成では、構造体に取付けられたレーザ変位計によって、案内部材と基準部材の間の距離を測定することができる。
【0015】
本技術の一実施形態では、前記基板作業機は、前記基板に電子部品を実装する部品実装機であってもよい。前記構造体は、前記電子部品を吸着可能なヘッドを保持してもよい。
【0016】
部品実装機のヘッドは、基板に対して正確に電子部品を実装しなければならないため、精密な動作が要求される。このため、部品実装機において、案内部材の異常を検出することは、特に有用である。
【0017】
(実施例)
以下、図面を参照して、実施例の部品実装機10について説明する。部品実装機10は、基板作業機の一例であり、基板2に電子部品4を実装する装置である。部品実装機10は、表面実装機やチップマウンタとも称される。部品実装機10は、はんだ印刷機、他の部品実装機及び基板検査機といった他の基板作業機とともに併設され、一連の実装ラインを構成する。
【0018】
図1に示すように、部品実装機10は、ハウジング11と、複数の部品フィーダ12と、フィーダ保持部14と、ヘッド16と、ヘッド16を移動させる移動装置18と、基板コンベア26と、操作パネル28と、制御装置30とを備えている。
【0019】
各部品フィーダ12は、複数の電子部品4を収容している。部品フィーダ12は、フィーダ保持部14に着脱可能に取り付けられ、ヘッド16へ電子部品4を供給する。部品フィーダ12の具体的な構成は特に限定されない。各部品フィーダ12は、例えば、巻テープ状に複数の電子部品4を収容するテープ式フィーダ、トレイ上に複数の電子部品4を収容するトレイ式フィーダ、又は、容器内に複数の電子部品4をランダムに収容するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0020】
フィーダ保持部14は、複数のスロットを備えており、複数のスロットのそれぞれには、部品フィーダ12を着脱可能に設置することができる。フィーダ保持部14は、部品実装機10に固定されたものであってもよいし、部品実装機10に対して着脱可能なものであってもよい。
【0021】
基板コンベア26は、基板2の搬入、位置決め、及び搬出を行う装置である。一例ではあるが、本実施例の基板コンベア26は、一対のベルトコンベアと、当該ベルトコンベアに取り付けられるとともに、基板2を下方から支持する支持装置(不図示)とを有する。操作パネル28は、ユーザ(作業者)に部品実装機10の各種の情報を提供する表示装置であるとともに、ユーザからの指示や情報を受け付ける入力装置である。制御装置30は、CPU及びメモリを備えるコンピュータにより構成されている。制御装置30は、メモリに記憶されたプログラムに従って、部品実装機10の各部の動作を制御する。
【0022】
ヘッド16は、電子部品4を吸着するノズル6を備えている。ノズル6は、ヘッド16に対して着脱可能である。ノズル6は、上下方向(図面Z方向)に移動可能にヘッド16に取り付けられている。ノズル6は、ヘッド16に収容されたアクチュエータ(不図示)によって上下方向に昇降するとともに、電子部品4を吸着可能に構成されている。
【0023】
移動装置18は、ハウジング11内に設けられており、部品フィーダ12と基板2との間でヘッド16を移動させる。本実施例の移動装置18は、移動ベース46をY方向に移動させるロボットである。
図1及び
図2に示すように、移動装置18には、一対のガイドレール42が設けられている。各ガイドレール42は、移動装置18に沿ってY方向に平行に配置されている。
【0024】
図3に示すように、移動ベース46は、スライドユニット48を介してガイドレール42に取り付けられている。スライドユニット48は、不図示のモータにより駆動され、ガイドレール42に沿ってY方向に移動可能に構成されている。ガイドレール42に沿って移動ベース46がY方向に移動することにより、移動ベース46に取り付けられたヘッド16も共にY方向に移動する。なお、移動装置18は、不図示の駆動機構によって、X方向にも移動可能に構成されている。したがって、ヘッド16は、移動装置18によるX方向の移動と、移動装置18に取り付けられた移動ベース46のY方向の移動により、XY平面に沿って任意の方向に移動可能となる。これにより、ヘッド16は、
図1に示す部品フィーダ12の上方及び基板2の上方の間を移動することができる。
【0025】
ヘッド16により電子部品4を基板2に実装するには、まず、移動装置18及び不図示の駆動機構により、ヘッド16を部品フィーダ12に収容された電子部品4を吸着する吸着位置に移動させる。次に、ノズル6の吸着面が電子部品4に当接するまで、ノズル6を下方に移動させる。次いで、ノズル6に電子部品4を吸着させ、ノズル6を上方に移動させる。次いで、移動装置18及び不図示の駆動機構により、ヘッド16を基板2に対して電子部品4を実装する実装位置に移動させ、位置決めする。次いで、ノズル6を基板2に向かって下降させることで、基板2に電子部品4を実装する。
【0026】
図2及び
図3に示すように、移動ベース46にはまた、一対の基準ブロック44がさらに設けられている。各基準ブロック44は、移動装置18に沿ってY方向に延びている。各基準ブロック44は、移動装置18のガイドレール42が取り付けられている側の面に設けられている。一方の基準ブロック44は、一対のガイドレール42のうちの上側のガイドレール42よりも上側に取り付けられており、他方の基準ブロック44は、一対のガイドレール42のうちの下側のガイドレール42よりも下側に取り付けられている。各基準ブロック44は、対応するガイドレール42と平行に配置されている。したがって、2本のガイドレール42及び2本の基準ブロック44は、移動装置18の同一の面に互いに平行となるように配置されている。このため、移動装置18がX方向に移動したとしても、ガイドレール42と基準ブロック44とは平行を維持することができる。したがって、後述するガイドレール42と基準ブロック44の間の距離の計測は、移動装置18をX方向に移動させながら行うことも可能となる。
【0027】
図3に示すように、スライドユニット48には、プリズム52が設けられている。プリズム52は、ガイドレール42よりも上方に取り付けられている。プリズム52は、レーザ変位計50からの光の光路L1を、上方に変更するように配置される。すなわち、プリズム52は、レーザ変位計50と対向する対向面(
図3において垂直となる面)と、基準ブロック44の下面と対向する対向面(
図3において水平となる面)と、これら2つの対向面を接続する傾斜面を有している。プリズム52の傾斜面によって、レーザ変位計50からの光の光路L1が、水平方向(すなわち、X方向)から基準ブロック44の下面に向かう方向(すなわち、Z方向)に変更される。
【0028】
レーザ変位計50は、移動ベース46の移動装置18とは反対側に取り付けられている。レーザ変位計50は、測定対象物に光を照射するとともに、測定対象物から反射される光を受光して、レーザ変位計50から当該測定対象物までの距離を測定する。レーザ変位計50は、移動ベース46に形成されている貫通孔(不図示)を介してプリズム52に向かって光を照射する。上述したように、当該光の光路L1は、プリズム52によって変更され、基準ブロック44の下面に照射される。そして、当該光は、基準ブロック44の下面で反射され、プリズム52を介してレーザ変位計50に戻り、レーザ変位計50で受光される。これにより、レーザ変位計50から基準ブロック44の下面までの距離(光路長)が測定される。測定された光路長は、制御装置30に入力される。制御装置30は、レーザ変位計50により測定された光路長と、ガイドレール42と基準ブロック44の間の距離との関係をメモリに記憶している。このため、制御装置30は、当該関係に基づいて、測定された光路長からガイドレール42と基準ブロック44の間の距離を算出することができる。算出された距離は、操作パネル28に表示される。なお、制御装置30は、ガイドレール42が正常である状態(すなわち、ガイドレール42と基準ブロック44とが平行である状態)におけるガイドレール42と基準ブロック44の間の距離d1をメモリに記憶している。上述した説明では、
図3を参照して
図2に示す上側のレーザ変位計50周辺の構成について説明したが、
図2に示す下側のレーザ変位計50周辺の構成については、
図3の上下が反転していることを除いて同様である。
【0029】
部品実装機10では、1又は複数のジョブを含む生産計画に基づいて、基板2に対して電子部品4が実装される。本実施例の部品実装機10では、ジョブを実行する前に(すなわち、生産計画に基づく実装処理を開始する前に)、レーザ変位計50によってガイドレール42と基準ブロック44の間の距離を測定する。
図4は、ガイドレール42が正常である状態を示している。上述したように、基準ブロック44は、対応するガイドレール42に対して平行に配置されている。このため、
図4に示す状態では、Y方向の任意の位置においてガイドレール42と基準ブロック44の間が略等しい距離(すなわち、メモリに記憶されている距離d1)となる。
【0030】
しかしながら、例えば、ユーザによる段取り替えや、電子部品4を基板2に実装する処理を実行している間に、移動ベース46が他の部材と干渉してしまう場合がある。また、経時的にガイドレール42の移動装置18の取付面への取り付け状態が変化する場合がある。その結果、
図5に示すように、移動装置18の取付面に対して移動ベース46を支持するガイドレール42が傾いたり、変形する場合がある。一方、基準ブロック44は移動ベース46と接触しておらず、移動ベース46が他の部材と干渉しても、移動装置18の取付面に対して基準ブロック44は変位しない。また、基準ブロック44に移動ベース46から力が作用するわけではないため、移動装置18の取付面に対して基準ブロック44の取り付け状態が経時的に変化することはほとんど無い。本実施例では、制御装置30は、算出された実際のガイドレール42と基準ブロック44の間の距離d2(
図5参照)を、メモリに記憶されている距離d1と比較する。制御装置30は、距離d1と算出された距離d2との差の絶対値が、所定値以上である場合には、ガイドレール42に異常が生じていると判断する。そして、制御装置30は、ガイドレール42に異常が生じていることを示す情報を操作パネル28に表示する。これにより、ユーザは、ガイドレール42に異常が生じていることを把握することができる。なお、上記の所定値は特に限定されず、例えば、3mmである。
【0031】
以上に説明した通り、本実施例では、基準ブロック44に対するガイドレール42の相対的な位置を測定するという簡易な構成により、ガイドレール42の変位を把握することができる。このため、ガイドレール42の平行度が低下した状態で移動ベース46をガイドレール42に沿って移動させてしまうことを未然に防止でき、スライドユニット48を駆動するモータへ過負荷が加わることを事前に防止することができる。また、仮にガイドレール42に異常が生じた場合であっても、ユーザは異常の真因を特定することが容易となる。
【0032】
また、上述した実施例では、基板2に対して電子部品4を実装する処理を開始する前に(すなわち、部品実装機10の稼働開始直後に)、ガイドレール42と基準ブロック44の間の距離が算出される。このため、ガイドレール42に異常が生じた状態で基板2に対して電子部品4を実装してしまうことを防止することができる。
【0033】
ガイドレール42、移動ベース46、基準ブロック44、レーザ変位計50、及びプリズム52は、それぞれ「案内部材」、「構造体」、「基準部材」、「測定部」、及び「光学部材」の一例である。操作パネル28は、「出力部」、「報知部」の一例である。生産計画に基づく実装処理が、「所定の処理」の一例である。
【0034】
上述した実施例では、ガイドレール42に異常が生じていることを示す情報を操作パネル28に表示することにより、当該異常をユーザに報知したが、これに限られない。例えば、異常が生じていることを示す音声メッセージや、異常が生じていることを示す表示灯を点灯させることにより、当該異常をユーザに報知してもよい。
【0035】
また、制御装置30は、ガイドレール42に異常が生じていることを示す情報を表示しなくてもよい。すなわち、制御装置30は、ガイドレール42と基準ブロック44の間の実際に算出された距離のみを操作パネル28に表示してもよい。このような構成であっても、ユーザは、正常である場合のガイドレール42と基準ブロック44の間の距離を記録しておくことにより、表示された距離に基づいて、ガイドレール42に異常が生じているか否かを判断することができる。
【0036】
また、上述した実施例では、ガイドレール42と基準ブロック44の間の距離を、生産計画に基づく実装処理の開始前に測定したが、当該距離の測定を実行するタイミングは特に限られない。例えば、所定の期間をおいて定期的に実行してもよいし、実装処理中に随時実行してもよい。また、ユーザによる操作パネル28への入力操作によって、任意のタイミングで実行してもよい。
【0037】
また、上述した実施例では、レーザ変位計50からの光の光路L1の方向を、プリズム52を用いて変更したが、例えば、ミラーを用いて光路の方向を変更してもよい。また、ガイドレール42と基準ブロック44の間の距離を測定する態様については、レーザ光を利用した態様に限定されない。例えば、電波や超音波により両者の間の距離を測定してもよい。
【0038】
また、上述した実施例では、基板作業機が部品実装機である例について説明した。しかしながら、本実施例に開示する技術は、例えば、はんだ印刷機や基板検査機などの他の基板作業機に適用してもよい。
【0039】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0040】
2:基板
4:電子部品
6:ノズル
10:部品実装機
11:ハウジング
12:部品フィーダ
14:フィーダ保持部
16:ヘッド
18:移動装置
26:基板コンベア
28:操作パネル
30:制御装置
42:ガイドレール
44:基準ブロック
46:移動ベース
48:スライドユニット
50:レーザ変位計
52:プリズム