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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047340
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20220316BHJP
   A43B 7/14 20220101ALI20220316BHJP
   A43B 13/20 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
A43B13/14 D
A43B7/14 Z
A43B13/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153202
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】594162652
【氏名又は名称】株式会社松本義肢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】林 満
(72)【発明者】
【氏名】梅下 智仁
(72)【発明者】
【氏名】宮川 拓也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA11
4F050AA28
4F050BA02
4F050BA52
4F050BA57
4F050JA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】前足部及びあるいは後足部裏に傷等の障害を持つ着用者に対し傷への負荷を軽減する履物を提供する。
【解決手段】インソール(11)、硬質のミッドソール(12)及びアウトソール(13)を積層してなる履物底(1)を有する履物において、前記履物底のミッドソール(12)は足指の付け根及び踝の位置のうちの少なくとも一方に設けられた切り込みで前後方向に区画されて、ミッドソール前部(12c)及びあるいはミッドソール後部(12d)を形成し、ミッドソール前部(12c)及びミッドソール後部(12d)の上部に、軟質の中間層(12c1、12d1)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、
前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、
前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部の上部に、軟質の中間層を有することを特徴とする履物。
【請求項2】
インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、
前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、
前記インソール下面には、凸溝が形成され、
前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部の上部には、前記凸溝と係合する凹溝が形成されていることを特徴とする履物。
【請求項3】
インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、
前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、
前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部は前記インソール下部にねじ止めされていることを特徴とする履物。
【請求項4】
インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、
前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、
前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部はキャビティを有し、該キャビティには給排気バルブ付き空気袋が装着されていることを特徴とする履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、足裏に傷等の障害を持つ人の履く履物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、糖尿病等により、前足部及びあるいは後足部裏に傷等の障害を持つ人は、通常の履物を履いて歩行すると、靴底によって圧迫され傷の治癒を妨げたり、より悪化させてしまう。
最近、履物底にバネを設けてクッション性を向上させた履物が多様に開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2012-509704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の履物は、履物に加えられる衝撃を吸収し着用者の関節を保護することはできても、前足部及びあるいは後足部裏にできる傷等への圧迫を軽減するには至らない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、前足部及びあるいは後足部裏に傷等の障害を持つ着用者に対し、傷への負荷を軽減する履物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するためになされた請求項1の履物は、インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部の上部に、軟質の中間層を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
切断しにくい硬質のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、前記ミッドソール前部及びミッドソール後部の上部に、軟質の中間層を有するので、アウトソールをカッターナイフ等で上下方向に、ミッドソールの中間層をカッターナイフ等で略水平方向に切断するだけでミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を容易に切り離すことができる。
【0007】
ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方が切り離された履物を履いた人は、歩行しても靴底からの圧迫が少ないので足裏に傷等の障害があっても傷への負荷が少ない。
【0008】
課題を解決するためになされた請求項2の履物は、インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、前記インソール下面には、凸溝が形成され、前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部には、前記凸溝と係合する凹溝が形成されていることを特徴とする。
【0009】
ミッドソール前部及びミッドソール後部は、インソール下面と凹凸係合しているだけであるので、アウトソールをカッターナイフ等で上下方向に切断するだけでミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を容易に切り離すことができる。
【0010】
課題を解決するためになされた請求項3の履物は、インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部は前記インソール下部にねじ止めされていることを特徴とする。
【0011】
ミッドソール前部及びミッドソール後部は、インソール下部にねじ止めされているだけであるので、アウトソールをカッターナイフ等で上下方向に切断するだけでミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を容易に切り離すことができる。
【0012】
課題を解決するためになされた請求項4の履物は、インソール、硬質のミッドソール及びアウトソールを積層してなる履物底を有する履物において、前記履物底のミッドソールは、足指の付け根及び踝のうちの少なくとも一方の位置に設けられた分割面で前後方向に区画されて、ミッドソール前部及びミッドソール後部のうちの少なくとも一方を形成し、前記ミッドソール前部及び前記ミッドソール後部はキャビティを有し、該キャビティには給排気バルブ付き空気袋が装着されていることを特徴とする。
【0013】
ミッドソール前部及びミッドソール後部はキャビティを有し、該キャビティには給排気バルブ付き空気袋が装着されているので、バルブを開いてキャビティ内の空気圧を下げることで、靴底からの圧迫を少なくすることができ、足裏に傷等の障害があっても傷への負荷が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態1に係る履物の側方視図である。
図2図1の履物の後ろ足部を取り去った状態を示す側方視図である。
図3図1の履物の前足部を取り去った状態を示す側方視図である。
図4】本発明の実施形態2に係る履物の側方視図である。
図5】本発明の実施形態3に係る履物の側方視図である。
図6図5のA5-A5線断面図である。
図7】本発明の実施形態4に係る履物の側方視図である。
図8図7のA6-A6線断面図である。
図9】本発明の実施形態5に係る履物の側方視図である。
図10図9のA7-A7線断面図である。
図11】変形態様に係る履物の後部側方視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施する形態を詳細に説明する。
【0016】
(実施形態1)本発明の実施形態1に係る履物は、図1に示すように、足裏に接するインソール11、硬質のミッドソール12及び路面あるいは床等に当接するアウトソール13を積層してなる履物底1を有する。履物底1の上部には、甲保持部2と踵保持部3が取り付けられている。
【0017】
足裏に接するインソール11は、例えば、足裏形状のボール紙を塩化ビニルシートでサンドイッチしてなる。ミッドソール12は歩行時の沈み込みと路面等からの衝撃を抑制するため、硬質の材料で作られている。本実施形態のミッドソール12の材質は、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)である。アウトソール13の材質は、合成ゴムである。
【0018】
インソール11とミッドソール12およびミッドソール12とアウトソール13とは、それぞれ接着剤で固着されている。
【0019】
ミッドソール12は、足指の付け根の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されてミッドソール前部12cを形成し、踝の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されてミッドソール後部12dを形成している。
【0020】
ミッドソール前部12cの上部には軟質の中間層12c1が、ミッドソール後部12dの上部には軟質の中間層12d1がそれぞれ介挿されている。中間層12c1及び中間層12d1は、カッターナイフ等で容易にカットできる材質のプレートで、本実施形態の中間層12c1、中間層12d1は、酢酸ビニル含有量を増加、また発泡倍率を高くした軟質のEVA樹脂である。
【0021】
中間層12d1を上下に二分するようにカッターナイフのブレードを矢印A1方向に切り込みまで押し込み、切り込みの下方位置でカッターナイフのブレードを矢印A2方向に押し込むことで、ミッドソール後部12dを切り離すことができる。
【0022】
ミッドソール後部12dを切り離した状態の履物は図2に示すようになる。ミッドソール後部12dの無い履物を履いた人は、後ろ足裏に傷等があっても地面や床からの足裏への反力が弱いので、傷への負荷を少なくして歩行することができる。
【0023】
中間層12c1を上下に二分するようにカッターナイフのブレードを矢印A3方向に切り込みまで押し込み、切り込みの下方位置でカッターナイフのブレードを矢印A4方向に押し込むことで、ミッドソール前部12cを切り離すことができる。
【0024】
ミッドソール前部12cを切り離した状態の履物は図3に示すようになる。ミッドソール前部12cの無い履物を履いた人は、前足に傷等があっても地面や床からの足裏への反力が弱いので、傷への負荷を少なくして歩行することができる。
【0025】
本実施形態では、ミッドソール後部12dを切り離した履物を図2に、ミッドソール前部12cを切り離した履物を図3にそれぞれ示したが、前足裏と後ろ足裏両方に障害を持つ人のために、ミッドソール後部12d及びミッドソール前部12c両方を切り離すこともできる。
【0026】
本実施形態の履物は、切断しにくい硬質のミッドソール12が足指の付け根及び踝の位置に設けられた切り込みで前後方向に区画されて、ミッドソール前部12c及びミッドソール後部12dを形成し、ミッドソール前部12c及びミッドソール後部12dの上部に、軟質の中間層12c1、12d1が介挿されているので、ミッドソール前部12c及びミッドソール後部12dをカッターナイフ等で容易に切り離すことができる。
【0027】
(実施形態2)本発明の実施形態2に係る履物は、図4に示すように、実施形態1の履物の足指の付け根の位置で上下(厚み)方向に延在する切り込みとミッドソール前部12cの上部に介挿される軟質の中間層12c1を取り除いたものである。
【0028】
本実施形態の履物は、図4に示すように足裏に接するインソール11、硬質のミッドソール12及び路面あるいは床等に当接するアウトソール13を積層してなる履物底1を有する。履物底1の上部には、甲保持部2と踵保持部3が取り付けられている。
【0029】
ミッドソール12は、踝の位置で上下(厚み)方向に延在する切り込みを備えている。切り込みで区画される12dがミッドソール後部を形成している。ミッドソール後部12dの上部には軟質の中間層12d1が介挿されている。
【0030】
足裏に接するインソール11は、足裏形状のボール紙を塩化ビニルシートでサンドイッチしてなる。ミッドソール12は歩行時の沈み込みと路面等からの衝撃を抑制するため、硬質の材料で作られている。本実施形態のミッドソール12の材質も、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)である。アウトソール13の材質は、合成ゴムである。
【0031】
本実施形態の中間層12d1も、酢酸ビニル含有量を増加した軟質のEVA樹脂である。
【0032】
中間層12d1を上下に二分するようにカッターナイフ等のブレードを矢印A1方向に、切り込みまで押し込み、切り込みの下方位置でカッターナイフ等のブレードを矢印A2方向に押し込みアウトソール13を切断することで、ミッドソール後部12dを切り離すことができる。
【0033】
歩行時はミッドソール前部とミッドソール後部にほぼ同じ体重がかかるが、左右の足を揃えての立ち止まり姿勢では、ミッドソール後部により大きな体重がかかるため、本実施形態の履物は、有効である。また、本実施形態の履物は、ミッドソール後部12dのみを切り離すことができるようにしたので、ミッドソール前部12cも切り離せるようにした実施形態1の履物より製造コストを下げることができる。
【0034】
(実施形態3)本発明の実施形態3に係る履物は、図5に示すように、足裏に接するインソール11、硬質のミッドソール12及び路面あるいは床等に当接するアウトソール13を積層してなる履物底1を有する。履物底1の上部には、甲保持部2と踵保持部3が取り付けられている。
【0035】
足裏に接するインソール11は、酢酸ビニル含有量を増加し発泡倍率を高くした軟質のEVA樹脂である。ミッドソール12の材質は、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)である。アウトソール13の材質は、硬質の合成ゴムである。
【0036】
ミッドソール12は、足指の付け根の位置に設けられた分割面12eで前後方向に区画されてミッドソール前部12cを形成し、踝の位置に設けられた分割面12fで前後方向に区画されてミッドソール後部12dを形成している。
【0037】
インソール11の下面には凸溝11aが、ミッドソール後部12dには凹溝12d2が形成されており、インソール11とミッドソール後部12dとは、凸溝11aと凹溝12d2が係合することで連結されている(図6参照。)。
【0038】
分割面12fの下方位置でカッターナイフのブレードを矢印A2方向に押し込み、アウトソール13を切断し、矢印A6方向にミッドソール12dを矢印A6方向に移動させることでミッドソール後部12dを取り去ることができる。
【0039】
(実施形態4)本発明の実施形態4に係る履物は、図7に示すように、足裏に接するインソール11、硬質のミッドソール12及び路面あるいは床等に当接するアウトソール13を積層してなる履物底1を有する。履物底1の上部には、甲保持部2と踵保持部3が取り付けられている。
【0040】
足裏に接するインソール11の材質は、軟質の合成ゴムである。ミッドソール12の材質は、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)である。アウトソール13の材質は、硬質の合成ゴムである。
【0041】
ミッドソール12は、足指の付け根の位置に設けられた分割面12eで前後方向に区画されてミッドソール前部12cを形成し、踝の位置に設けられた分割面12fで前後方向に区画されてミッドソール後部12dを形成している。
【0042】
ミッドソール後部12dには、アウトソール13から伸びる穴16が形成されており、インソール11とミッドソール後部12dは、雄ねじ14と雌ねじ15で連結されている。
【0043】
分割面12fの下方位置でカッターナイフのブレードを矢印A2方向に押し込み、アウトソール13を切断し、雄ねじ14を回して雌ねじ15との螺合を解くことで、ミッドソール後部12dを取り去ることができる。
【0044】
(実施形態5)本発明の実施形態4に係る履物は、図9に示すように、足裏に接するインソール11、硬質のミッドソール12及び路面あるいは床等に当接するアウトソール13を積層してなる履物底1を有する。履物底1の上部には、甲保持部2と踵保持部3が取り付けられている。
【0045】
足裏に接するインソール11の材質は、軟質の合成ゴムである。ミッドソール12の材質は、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)である。アウトソール13の材質は、硬質の合成ゴムである。
【0046】
ミッドソール12は、足指の付け根の位置に設けられた分割面12eで前後方向に区画されてミッドソール前部12cを形成し、踝の位置に設けられた分割面12fで前後方向に区画されてミッドソール後部12dを形成している。
【0047】
ミッドソール前部12cとミッドソール後部12dとは、キャビティ12c3、12d3を有している。キャビティ12c3、12d3には、給排気バルブ12c11、12d11を備えたゴム製の空気袋12c10(不図示)、12d10が装着されている。
【0048】
空気袋12c10、12d10の空気圧は、健常者が使用する場合、インソール11が下方に撓まない程度の圧、例えば、1.2気圧程度である。
【0049】
例えば、後ろ足裏に傷等のある人が使用する場合、給排気バルブ12d11を開けることで、地面や床からの足裏への反力が弱いので、傷への負荷を少なく歩行することができる。
【0050】
(変形態様)本発明の変形態様に係る履物は、図11に示すように、ミッドソール後部12dの凹溝とミッドソール中間部12aの凸溝が係合してミッドソール12を構成している。また、インソール11の下面とミッドソール後部12dの上面との界面のイ~ロの範囲は接着剤等で接合されていない。
【0051】
インソール11の下面とミッドソール後部12dの上面との界面のイ~ロの範囲が接着剤等で接合されていないので、ミッドソール後部12dがミッドソール中間部12aと係合している部位の下方位置でカッターナイフのブレードを矢印A2方向に押し込みアウトソール13を切断し、ミッドソール後部12dを手前に引き出すことで、ミッドソール後部12dを取り去ることができる。
【0052】
上述した実施形態の履物はサンダルであるが、革靴やスニーカ等の靴でも、長靴でもよい。また、上述した実施形態は、本発明の技術思想の一実施形態に過ぎず、当業者にとっては、本発明の技術思想内において他の変形された実施が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
履物産業での履物の製作に当たって幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1・・・・・・・・・・・履物底
11・・・・・・・・・インソール
11a・・・・・・凸溝
12・・・・・・・・・ミッドソール
12c・・・・・・ミッドソール前部
12c1・・・中間層
12c3・・・キャビティ
12c11・・給排気バルブ
12d・・・・・・ミッドソール後部
12d1・・・中間層
12d2・・・凹溝
12d3・・・キャビティ
12d10・・空気袋
12d11・・給排気バルブ
12e・・・・・・分割面
13・・・・・・・・・アウトソール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11