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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047417
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】テレビ位置可動装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20220316BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220316BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H04N5/64 581C
G09F9/00 312
H05K5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153321
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】393021417
【氏名又は名称】伊藤 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅彦
【テーマコード(参考)】
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB05
4E360AB22
4E360AB23
4E360AB54
4E360AC23
4E360EB02
4E360ED02
4E360GA03
4E360GB04
5G435AA06
5G435EE13
5G435EE19
5G435HH18
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】テレビの移動範囲を大きくしても、機構の複雑化を抑制可能なテレビ位置可動装置を提供する。
【解決手段】台1と、上記台1に支持されて上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レール2と、上記左右の案内レール2にそれぞれ案内されて該案内レール2の延在方向に移動可能な移動体と、備え、上記移動体は、テレビ3に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台と、
上記台に支持されて上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レールと、
上記左右の案内レールにそれぞれ案内されて該案内レールの延在方向に移動可能な移動体と、
を備え、
上記移動体は、テレビに設けられる、
ことを特徴とするテレビ位置可動装置。
【請求項2】
上記各案内レールは、延在方向に沿って複数の噛み合い歯が並んだラック部を有し、
上記移動体は、左右のラック部の噛み合い歯にそれぞれ個別に噛合可能な歯車を有して、
噛合する複数の噛み合い歯と歯車とでラックアンドピニオン機構を構成し、
左右の案内レールにそれぞれ形成した左右のラック部は、互いの噛み合い歯の突出方向が左右方向で対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載したテレビ位置可動装置。
【請求項3】
上記左右の案内レール間に、当該左右の案内レールと同方向に延在する第3の案内レールを有し、
上記第3の案内レールは、延在方向に沿って複数の噛み合い歯が並んだラック部を有し、
上記ラック部の噛み合い歯に噛合可能な歯車を有して、
噛合する複数の噛み合い歯と歯車とでラックアンドピニオン機構を構成し、
上記歯車は、テレビに設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載したテレビ位置可動装置。
【請求項4】
上記左右一対の案内レールは、断面コ字状となっていると共に、互いの凹部の底面を左右方向で対向して配置され、
上記移動体は、上記凹部内に沿って転動可能な車輪又はコロを有する、
ことを特徴とする請求項3に記載したテレビ位置可動装置。
【請求項5】
上記歯車を回転駆動する電動モータと、
上記電動モータを制御する制御部と、
を備え、
上記制御部は、昇降指示用のリモコンからの指令に応じて上記電動モータを駆動制御する、ことを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか1項に記載したテレビ位置可動装置。
【請求項6】
上記昇降指示用のリモコンは、テレビ用リモコンの一部として設けられ、
上記制御部は、テレビ用リモコンからのテレビの電源をオンとする信号によって、上記電動モータを駆動状態とし、テレビ用リモコンからのテレビの電源をオフとする信号によって、上記電動モータの駆動状態を終了する処理を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載したテレビ位置可動装置。
【請求項7】
上記左右一対の案内レールの上部は、天井に固定されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載したテレビ位置可動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビを視聴しやすいように、テレビの高さ位置や画面の向きを簡易に変更可能なテレビ位置可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベッドに居るテレビ使用者がテレビを視聴する場合を考えた場合、ベッドに寝た状態や上半身を起こした状態などの姿勢変化によって、視線の向きや視線の高さが異なる。このため、その視線の向きや高さの変更に応じて、最適な高さ且つ向きにテレビの画面の位置を変更したいという要望がある。
テレビの高さ方向も変更可能なテレビ位置可動装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1には、軸を上下に向けた脚材に対し昇降機構が連結し、その昇降機構の昇降部材にアーム筒が連結し、そのアーム筒に対し、スライド部材が横方向に引き出し可能に連結している。そして、そのスライド部材の先端部にテレビ支持台が取り付けられている。
この特許文献1では、人の手で昇降部材を操作することで、テレビの高さが調整され、また、人の手でスライド部材を引き出すことで、テレビの横方向の位置が調整される。
【0004】
また、特許文献2には、スタンドの支柱を、固定下部支柱と摺動外部支柱と摺動内部支柱と回動部とから形成し、且つ内側へ傾斜する湾曲形状をもって摺動機構を備えた、キャスター付き移動式テレビスタンドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭56-160062号公報
【特許文献2】特開2014-222792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の装置では、テレビを支持している支柱やスライド部材を人の手によって伸び縮みさせる必要がある、また、その伸び縮みによる昇降機構を電動化などで自動化したとしても、テレビ(重量物)を支持している支柱自体を伸び縮みさせる必要があるため、機構が大型化するおそれがある。
特許文献2に記載の機構では、上下方向のテレビの移動量が小さいという課題がある。
【0007】
本発明は、上記のような点に着目したもので、テレビの移動範囲を大きくしても、機構の複雑化を抑制可能なテレビ位置可動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するために、本発明の一態様は、台と、上記台に支持されて上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レールと、上記左右の案内レールにそれぞれ案内されて該案内レールの延在方向に移動可能な移動体と、備え、上記移動体は、テレビに設けられる、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レールに沿ってテレビの高さ位置や向きが変更可能となっている。このため、ベッドに居るテレビ使用者がテレビを視聴する際に、ベッドに寝た状態や上半身を起こした状態などの姿勢変化に応じて、テレビの位置を案内レールに沿って移動させるだけで、自動的に、最適な向きや高さにテレビを配置可能となる。
また、本発明の態様によれば、案内レールを固定してテレビ側を移動させることで、テレビの移動範囲を大きく設定しても、テレビの移動機構を簡易な構成とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に基づく実施形態に係るテレビ位置可動装置の使用例を示す図である。
図2】本発明に基づく実施形態に係る左右の案内レールと左右の歯車との関係を示す、テレビの後方からみた図である。
図3】案内レールに形成したラック部の構成を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は、一方の側壁部を外した側面図、(c)は(a)のX-X断面図、(d)は(a)のY-Y断面図である。
図4】移動用の躯体を設けた場合の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は後面図である。
図5】傾動機構を設けた場合の側面図である。
図6】案内レールの支持の別例を示す図である。
図7】案内機構の別の例を示す模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るテレビ位置可動装置の構成及び使用例を説明する模式図である。また、図2は、案内レールの後方側からみた部分拡大図である。
本実施形態のテレビ位置可動装置は、図1及び図2に示すように、台1と、左右一対の案内レール2と、左右の歯車10,11と、電動モータ12と、制御部13とを備える。
【0012】
<台1>
台1は、案内レール2及び案内レール2に歯車10,11を介して支持されたテレビ3を支持する支持部(支柱)である。
図1では、ボックス状の台を例示している。台1の形状は、ボックス状である必要はなく、例えば、横方向に延びるプレート形状など、他の形状であっても良い。また、図1では、台1を床21に設置する場合が例示しているが、台1を棚の上に設置したり、ベッド20自体に固定したりしても良い。ベッド20自体に固定する場合には、その固定部が台1を構成する。
【0013】
<案内レール2>
左右の一対の案内レール2は、それぞれ下端部が台1に固定されて当該台1に支持されている。案内レール2は、側面視である図1に示すように、台1から上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びている。前方へ弓なりとは、テレビ3の画面側が凹となる円弧状に延びることを指す。
左右一対の案内レール2は、後方から見た図である図2に示すように、左右方向に予め設定した設定間隔を開け平行に配置されている。
【0014】
各案内レール2は、図3に示すように、断面コ字状とすることで、所定の剛性を備えつつ軽量化を図っている。案内レール2は、図3に示すように、左右の側壁部2Aと底部2Bとを有することで、凹部を有する断面コ字状なっている。
案内レール2の底部2Bの底面に対し、ラック部が形成されている。ラック部は、案内レール2の延在方向(上下方向)に沿って並ぶ、複数の噛み合い歯2Cからなる。
【0015】
そして、左右の案内レール2は、図2に示すように、左右の案内レール2における凹部の底部2Bの面が左右方向で対向するように配置される。すなわち、左右のラック部は、互いの噛み合い歯2Cの突出方向(図3(b)では右方向)が左右方向で対向するように配置されている。
本実施形態では、左右の案内レール2間の間隔を一定に保持することで、ラック部の噛み合い歯2Cに各歯車10,11が確実に噛合した状態に保持可能とする。このため、左右の案内レール2間の間隔が変わらないように、左右の案内レール2間に1又は2以上の横桟5が掛け渡されている。
【0016】
<歯車10,11>
歯車10,11は移動体を構成する。
本実施形態では、4個の歯車10,11を有し、図2に示すように、案内レール2毎に2つの歯車10,11が噛合している。すなわち、案内レール2毎に、上側の第1歯車10と下側の第2歯車11がラック部の噛み合い歯2Cに噛合している。
2つの第1歯車10は左右で対向する位置に配置されて、図2に示すように、テレビ3の背部に設けられている。同様に、2つの第2歯車11も左右で対向する位置に配置されて、図2に示すように、テレビ3の背部に設けられている。
【0017】
本実施形態では、歯車10,11を4個有し、各歯車10,11が、図2に示すように、テレビ3の背部の4つの角部近傍にそれぞれ配置されている。各歯車10,11は、テレビ3に対し回転可能に支持されている。各歯車10,11は回転軸をテレビ3の厚さ方向に配置されて、各歯車10,11の歯部の一部がテレビ3の背部から側方(案内レール2側)に張り出した状態になっている。
【0018】
以上の構成によって、噛合する、ラック部の複数の噛み合い歯2Cと歯車10,11とでラックアンドピニオン機構を構成する。また、上述のように、左右の歯車10,11がそれぞれ対応するラック部の噛み合い歯2Cに噛合可能となるように、左右の案内レール2間の距離を設定することで、各歯車10,11を、ラック部の噛み合い歯2Cに確実に噛合した状態に保持させることが出来る。
【0019】
これによって、各歯車10,11は、上記左右の案内レール2に案内されて案内レール2に沿って移動可能となることで、移動体を構成する歯車10,11が設けられたテレビ3は、左右の案内レール2に沿って移動可能となっている。
また、案内レール2毎に、移動方向に沿って2つの歯車10,11(第1歯車10と第2歯車11)を並べて設けることで、安定して、テレビ3を左右の案内レール2に沿って移動可能とすることができる。
【0020】
<電動モータ12>
本実施形態は、電動モータ12を備える。電動モータ12の回転は、公知のトルク分配手段14を介して、左右の第1歯車10の回転軸に同期を取って伝達可能となっている。これよって、左右の第1歯車10を、同期を取って回転駆動できる。
公知のトルク分配手段14は、例えば、チェーンやベルト伝動を用いても良いし、デフ機構等の公知の伝道機構を採用する。
【0021】
左右の第1歯車10毎に個別の電動モータ12を備えていてもよい。
本実施形態は、左右の第1歯車10が駆動歯車を構成し、左右の第2歯車11が従動歯車を構成する例である。左右の第2歯車11を駆動歯車としても良いし、4個の歯車10,11全部を駆動歯車としてよい。
電動モータ12等を駆動する電力は、例えばテレビ3用の電力を用いる。電動モータ12等を駆動する電力用のバッテリを別途、テレビ3の背部に設けても良い。
【0022】
<制御部13>
制御部13は、電動モータ12の駆動制御を行う。
制御部13は、制御本体部13Bと通信部13Aとを備える。
通信部13Aは、赤外線その他の無線通信手段を介して移動用リモコン4(昇降支持用のリモコン)からの制御指令を入力する。
本実施形態では、移動用リモコン4に設けられているスイッチとして、稼働オンオフスイッチ4aと、上昇指示スイッチ4bと、下降指示スイッチ4cとの3つのスイッチを有する(図2参照)。
【0023】
稼働オンオフスイッチ4aは、稼働開始と稼働終了の制御信号を、通信部13Aを介して制御本体部13Bに伝達するスイッチである。稼働オンオフスイッチ4aは、同一の信号であるが、一度押すとオン信号として発信され、次に押すとオフ信号として発信される。
上昇指示スイッチ4bは、上方への移動を指示する制御信号(上昇指示信号)を、通信部13Aを介して制御本体部13Bに伝達するスイッチである。
下降指示スイッチ4cは、下方への移動を指示する制御信号(下降指示信号)を、通信部13Aを介して制御本体部13Bに伝達するスイッチである。
【0024】
制御部13での制御方法の例を、次に説明する。
制御本体部13Bは、オン信号を入力すると制御を開始し、電動モータ12を駆動状態として、電動モータ12に現在の位置で停止可能な駆動トルクを発生させる処理を行う(上昇指示スイッチ4b及び下降指示スイッチ4cから信号が発信されていないとき)。これによって、リモコン4を操作しないとき、オン状態(稼働状態)であれば、テレビ3は、現在の高さ位置に保持された状態となる。特に、噛み合いで位置が保持されるため、滑って下方に移動することもない。
【0025】
このオン状態で、制御本体部13Bは、上昇指示信号を入力中と判定した場合には、電動モータ12に対し、テレビ3が上方に移動する方向の回転駆動信号を供給し続ける。これによって、上昇指示スイッチ4bを押し続けられている間、電動モータ12は、テレビを移動可能な大きさのトルクで且つ予め設定して回転速度で回転することで、テレビ3が、所定速度で、案内レール2に沿って上方に移動する。
なお、案内レール2の上端部にストッパを設けておき、それ以上上方に移動して歯車10,11が案内レール2から外れないようにしておく。
【0026】
また、このオン状態で、制御本体部13Bは、下降指示信号を入力中と判定した場合には、電動モータ12に対し、テレビ3が下方に移動する方向の回転駆動信号を供給し続ける。これによって、下降指示スイッチ4cを押し続けられている間、電動モータ12は、テレビを移動可能な大きさのトルクで且つ予め設定して回転速度で回転することで、テレビ3が、所定速度で、案内レール2に沿って下方に移動する。
【0027】
このオン状態で、稼働オンオフスイッチ4aが再度押されてその制御信号が制御本体部13Bに供給されると、制御本体部13Bは、オフ指令の入力と判定して、電動モータ12のトルクを、所定時間だけ、現在の位置でテレビの移動を停止可能な駆動トルクよりも小さいトルクとする。更に、所定時間経過すると電動モータ12への電力供給を停止する。これによって、テレビが下方にゆっくりと移動して初期値3Bに戻る。
なお、以上のモータ12制御の具体的な方法については、公知の制御方法を採用すれば実現可能である。
【0028】
<変形例>
(1)移動用リモコン4は、テレビ用リモコンの一部として構成しても良い。
この場合、テレビ用リモコンの電源オンスイッチが稼働オンオフスイッチ4aを兼ねるように構成しても良い。この場合、電源オンスイッチの信号をテレビ3本体に供給すると共に、制御本体部13Bに供給するようにしても良い。又は、電源のオンオフ信号を、テレビ3本体から制御本体部13Bに供給するように構成してもよい。
【0029】
(2)図2の模式図では、歯車10,11などがテレビ3の背部外面に有るように図示しているが、歯車10,11などをテレビ3の背部内に設けて良い。
【0030】
(3)上記説明では、歯車10,11などを直接、テレビ3の背部に設ける場合を例示しているが、これに限定されない。
例えば、図4に示すように、歯車10,11、電動モータ12、制御部13を設けた移動用の躯体15を別途有し、その躯体15を、テレビ3の背部に固定する構成でも良い。
本実施形態では、歯車10,11が一対の案内レール2間に配置される。このため、テレビ3の背部に直接、歯車10,11を設けた場合、一対の案内レール2間にテレビ3の背部を配置する必要がある。
これに対し、図4のように躯体15を設けた場合、テレビ3の背部を一対の案内レール2間よりも前方に配置可能となることから、一対の案内レール2間よりも横幅が大きなテレビ3にも適用することが可能となる。
【0031】
(4)また、図5に示すように、躯体15に対し、傾動機構16を設けテレビ3の背部を前後方向に傾動可能に構成しても良い。このとき、手動で傾動角が変更可能に構成しても良いし、傾動軸に傾動用のモータ12を接続して、リモコン4によって遠隔で傾動角が変更可能としても良い。
本実施形態では、図1に示すように、台1から上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びている。このため、図1のように寝てテレビ3を視聴する場合、テレビ3を案内レール2に沿って上方へ移動することで(図1の符号3A参照)、上方でかつ画面の向きが自動的に斜め下方となって、画面が見やすくなる。一方、上半身を起こして座った状態でテレビ3を見る場合には、テレビ3を案内レール2に沿って下方へ移動することで(図1の符号3B参照)、下方で且つ画面の向きが自動的に前方となって、画面が見やすくなる。
また、人30によって視聴の向きを若干変更したい場合もある。この場合には、上記のような傾動機構16を有していれば、それに対応可能となる。
【0032】
(5)上記説明では、テレビを案内する案内移動機構として、ラックアンドピニオン機構を例示した。案内移動機構として、ボールネジその他の案内移動機構を採用しても良い。ただし、ボールネジを採用した場合、ねじ部分に長さによる撓みが生じるため、本実施形態のような長さの案内レール2を考えた場合、適用が困難になるおそれがある。ボールネジを採用した場合、実質2mが限界と思われる。
また、他の配置構成からなるラックアンドピニオン機構を採用しても良いが、歯車10,11をラック部に噛合した状態に保持するための保持機構を別途、必要となる可能性がある。
【0033】
(6)また、案内レール2に撓みを防止するために、図1のように、天井23や壁22と案内レール2とを繋ぐ保持ワイヤ6.7を設けることが好ましい。
また、テレビの重量によっては、図6に示すように、左右の案内レール2の上部を天井23の梁などに直接固定するようにしてもよい。このとき、天井の剛性が弱い場合などにおいては、テレビを支えることができるだけの剛性を有する左右の案内レール2を用いればよい。
【0034】
(7)また、上記実施形態では、左右の案内レール2に案内される移動体を歯車として、ラックアンドピニオン機構を構成し、その歯車10を電動モータ12で駆動することで、テレビ3を移動可能とする場合を例示したが、これに限定されない。
例えば、図7に示すように、断面コ字状からなる左右の案内レール2にラック部を設けず、その案内レール2の溝部に案内される移動体として車輪40を備え、その車輪40を回転自在に、テレビ3に設ける。これによって、テレビ3は、左右の案内レール2に沿って移動可能となる。車輪40の代わりに円筒ころであってもよい。
【0035】
更に、図7に示すように、左右の案内レール2間に、左右の案内レール2と同方向に延在する第3の案内レール41を配置する。
そして、この第3の案内レール41に対し、延在方向に沿って複数の噛み合い歯41Aが並んだラック部を設ける。そのラック部の噛み合い歯41Aに噛合可能な歯車42を別途設けて、複数の噛み合い歯41Aと歯車42とでラックアンドピニオン機構を構成する。上記歯車42は、テレビ3に回転自在に取り付ける。
歯車42は、上記のように、電動モータ12及び制御部13によって駆動するようにすればよい。
この場合、テレビ3を案内する支持構造がより強固となり、より安定してテレビ3を移動可能となる。
【0036】
ここで、図7に示す例では、車輪40、歯車42、電動モータ、及び制御部を設けた移動用の躯体(台座、基底部)を有し、その躯体を、テレビ3の背部に固定することで、歯車42等をテレビ3に設ける構成としている。
そして、躯体の厚さを調整することで、左右の案内レール2よりも前方にテレビ3を配置することが可能となる。すなわち、左右の案内レール2の間隔よりも幅広のテレビ3でもあっても適用可能となる。また、機械部を躯体部内に納めることによって、左右の案内レール2間の幅を自由に設定できるようになる。
また、本実施形態では、左右の案内レール2の幅が広くなることに対する安定性を保持するために、左右の案内レール2に対しはしご状に横桟5を設けている。これによって、より確実に、左右の案内レール2間の距離を一定に保持できるようになる。
【0037】
なお、図7の例では、第3の案内レール41を断面コ字状とし、左右の側壁部の一方に噛み合い歯41Aを設けた例を例示しているが、底部に噛み合い歯41Aを設けて、ラックアンドピニオン機構を構成してもよい。また、第3の案内レール41は、ラック部が形成できれば、断面コ字状でなくてもよく、その構造も図7の形状に限定されない。また、歯車41の軸も、車輪40と同じ向きに向いていなくてもよい。
(8)本実施形態では、電動でテレビ3を移動可能としているが、手動でテレビ位置を変更する構成であってもよい。
【0038】
(その他)
(1)本実施形態は、台1と、上記台1に支持されて上方に延在し、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レール2と、上記左右の案内レール2にそれぞれ案内されて該案内レール2の延在方向に移動可能な移動体と、を備え、上記移動体は、テレビ3に設けられている。
この構成によれば、少なくとも途中で前方へ弓なりに延びる左右一対の案内レール2に沿って、テレビ3を移動可能となっている。このため、ベッド20に居るテレビ使用者30がテレビ3を視聴する際に、ベッド20に寝た状態や上半身を起こした状態などの姿勢変化によって、最適な高さ且つ向きにテレビ3を配置可能となる。
また、この構成によれば、テレビ3側を移動させることで、テレビ3の移動範囲を大きくしても、テレビ3の移動機構を簡易とすることが出来る。
【0039】
(2)本実施形態では、上記各案内レール2は、延在方向に沿って複数の噛み合い歯2Cが並んだラック部を有し、上記移動体は、左右のラック部の噛み合い歯にそれぞれ個別に噛合可能な歯車10,11を有して、噛合する複数の噛み合い歯2Cと歯車10,11とでラックアンドピニオン機構を構成し、左右の案内レール2にそれぞれ形成した左右のラック部は、互いの噛み合い歯2Cの突出方向が左右方向で対向するように配置されている。
この構成によれば、より確実にテレビ3の移動範囲を大きく設定することが可能となる。
また、ラック部に各歯車10,11が噛合した状態に保持するための個別の機構が不要となり、構成が簡易となる。
【0040】
(3)本実施形態は、上記左右の案内レール間に、当該左右の案内レールと同方向に延在する第3の案内レールを有し、上記第3の案内レールは、延在方向に沿って複数の噛み合い歯が並んだラック部を有し、上記ラック部の噛み合い歯に噛合可能な歯車を有して、噛合する複数の噛み合い歯と歯車とでラックアンドピニオン機構を構成し、上記歯車は、テレビに設けられている。
この構成によれば、案内レール2を長くしたり、テレビ3の重量が重くなったりしても、より安定してテレビ3を案内可能となる。
【0041】
(4)本実施形態では、上記移動体は、上記歯車10,11を回転可能に支持する移動用の躯体15を有し、上記躯体15がテレビ3の背部に取り付けられる。
この構成によれば、左右の案内レール2間の幅より横幅が大きなテレビ3にも適用可能となる。
【0042】
(5)本実施形態では、上記歯車10,11を回転駆動する電動モータ12と、上記電動モータ12を制御する制御部13と、を備え、上記制御部13は、昇降指示用のリモコン4からの指令に応じて上記電動モータ12を駆動制御する。
この構成によれば、遠隔で、テレビ3の位置を変更可能となる。
【0043】
(6)本実施形態では、上記昇降指示用のリモコン4は、テレビ用リモコンの一部として設けられ、上記制御部13は、テレビ用リモコンからのテレビ3の電源をオンとする信号によって、上記電動モータ12を駆動状態とし、テレビ用リモコンからのテレビ3の電源をオフとする信号によって、上記電動モータ12の駆動状態を終了する処理を行う。
この構成によれば、テレビ本体の操作に、テレビ3の位置の保持や移動を連動することが出来る。
ここで、電動モータ12の駆動状態を終了する処理とは、例えばテレビ3の電源をオフになった時に、電動モータ12トルクを小さい状態としてテレビ3の自重によってテレビ3を最下位置(元の低い位置)にゆっくりと復帰させる処理をしたのち、モータ12への電源供給を中止する処理である。
【0044】
(7)本実施形態では、上記案内レールの上部は、天井に固定される。
この構成によれば、案内レール2を長くしたり、テレビ3の重量が重くなったりしても、より安定してテレビ3を案内可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 台
2 案内レール
2A 側壁部
2B 底部
2C 噛み合い歯
3 テレビ
4 移動用リモコン
4a 稼働オンオフスイッチ
4b 上昇指示スイッチ
4c 下降指示スイッチ
5 横桟
6 保持ワイヤ
10 第1歯車
11 第2歯車
12 電動モータ
13 制御部
13A 通信部
13B 制御本体部
15 躯体
16 傾動機構
20 ベッド
30 使用者
40 車輪
41 第3の案内レール
41A 噛み合い歯
42 歯車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7