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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047428
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11575 20170101AFI20220316BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220316BHJP
   H01L 27/11548 20170101ALI20220316BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220316BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220316BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20220316BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L29/78 371
H01L27/11548
H01L21/90 Z
H01L21/88 Z
H01L21/88 S
H01L29/58 G
H01L29/44 P
H01L29/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153342
(22)【出願日】2020-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】那波 恭介
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB16
4M104BB18
4M104CC05
4M104DD09
4M104DD10
4M104DD17
4M104DD33
4M104EE06
4M104EE08
4M104EE16
4M104FF11
4M104GG16
4M104HH20
5F033JJ19
5F033JJ20
5F033KK19
5F033KK20
5F033MM21
5F033NN30
5F033QQ08
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ16
5F033QQ48
5F033RR04
5F033VV16
5F033XX19
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP23
5F083EP76
5F083GA01
5F083GA10
5F083GA27
5F083HA02
5F083KA01
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083NA01
5F083PR05
5F083PR07
5F083ZA01
5F101BA02
5F101BA45
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD30
5F101BH15
5F101BH21
(57)【要約】
【課題】構造や材料の相違により生じ得る変形を低減できる半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態による半導体記憶装置は、複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層される積層体と、前記積層体をその積層方向に貫通するとともに、当該積層方向と交差する第1の方向に前記積層体を横切る複数の第1の板状部であって、隙間を空けて第1の方向に沿って並ぶ当該複数の第1の板状部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層される積層体と、
前記積層体をその積層方向に貫通するとともに、当該積層方向と交差する第1の方向に前記積層体を横切る複数の第1の板状部であって、隙間を空けて第1の方向に沿って並ぶ当該複数の第1の板状部と
を備える、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の導電層の各々は、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記隙間を介して前記複数の第1の板状部の両側で繋がる、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記複数の第1の板状部の少なくとも一つの両側に、前記第1の方向に延伸し、前記複数の導電層及び前記複数の絶縁層のいずれかの各々がステップ面となる階段構造を更に備え、
当該階段構造の前記ステップ面が、前記少なくとも一つの第1の板状部の両側で、1段ずつ異なる、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記積層体をその積層方向に貫通する第1の柱状体であって、当該第1の柱状体と前記導電層との接触部にメモリセルを有する当該第1の柱状体を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
複数の第1の絶縁層と複数の第2の絶縁層とが交互に一層ずつ積層される第1の積層体と、
複数の導電層と複数の第3の絶縁層とが交互に一層ずつ積層され、前記第1の積層体の周りに配置される第2の積層体と、
前記第2の積層体をその積層方向に貫通するとともに、当該積層方向と交差する第1の方向に前記第2の積層体を横切る板状部と、
前記板状部における前記第1の積層体に対向して設けられ、前記板状部の幅よりも厚い幅を有する拡幅部と
を備える、半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1の積層体の下方に設けられる配線部と、
前記第1の積層体をその積層方向に貫通し、前記配線部に接続する導電体部と
を更に備える、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第2の積層体をその積層方向に貫通する第2の柱状体であって、当該第2の柱状体と前記導電層との接触部にメモリセルを有する当該第2の柱状体を更に備える、請求項5又は6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層された積層体を形成し、
前記積層体をその積層方向に貫通するとともに、当該積層方向と交差する第1の方向に前記積層体を横切る複数の第1の板状部を、隙間をおいて第1の方向に沿って並ぶように形成することを含む、半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば3次元構造を有する半導体記憶装置には、複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層された積層体と、積層体を貫通し、積層体の積層方向に沿って複数のメモリセルが設けられたメモリピラーとを有するものがある。このような半導体記憶装置では、複数の導電層がメモリセルのワード線として機能する。そして、積層体の端部が、各導電層をステップ面とする階段形状に形成され、そのステップ面としての導電層に対しコンタクトが接続する。このような階段形状は、ワード線の抵抗を下げ、半導体記憶装置の動作を高速化するため、積層体の端部ではなく、メモリピラーが形成されるメモリセル領域の中央部に設けられる傾向にある。
【0003】
一方で、各メモリセルを制御する周辺回路は、メモリセル領域の下方に設けられる傾向にある。これは、記憶容量の低減を回避しつつ、チップ面積を小さくするためである。この場合、周辺回路とメモリセル領域の上方の配線とを接続する貫通コンタクトは、メモリセル領域内に設けられた絶縁部を貫通するように設けられる。
【0004】
このため、メモリセル領域には、導電層と絶縁層による積層体と、導電層の無い絶縁部とが混在することとなる。このような絶縁部と積層体とが混在する場合、材料の相違に由来する応力によって、それぞれが変形してしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-161059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一つの実施形態は、構造や材料の相違により生じ得る変形を低減できる半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態による半導体記憶装置は、複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層される積層体と、前記積層体をその積層方向に貫通するとともに、当該積層方向と交差する第1の方向に前記積層体を横切る複数の第1の板状部であって、隙間を空けて第1の方向に沿って並ぶ当該複数の第1の板状部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態による半導体記憶装置の一例を示す上面図である。
図2図2(A)は、実施形態による半導体記憶装置のメモリ部の長手方向に延びる貫通コンタクト領域を模式的に示す上面図であり、図2(B)は、メモリ部の短手方向に延びる貫通コンタクト領域を模式的に示す上面図である。
図3図3は、実施形態による半導体記憶装置の階段領域を模式的に示す上面図である。
図4図4(A)は、図3中のL1-L1線に沿った断面図であり、図4(B)は、図3中のL2-L2線に沿った断面図である。
図5図5は、図3中のL3-L3線に沿った断面図である。
図6図6は、図3中のL4-L4線に沿った断面図である。
図7図7(A)から図7(D)までは、窒化シリコン層を導電層に置き換える工程を説明するための上面図である。
図8図8(A)は、本実施形態の変形例1による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域を模式的に示す上面図であり、図8(B)は、図8(A)中のL5-L5線に沿った断面図であり、図8(C)は、図8(A)中のL6-L6線に沿った断面図である。
図9図9(A)から図9(C)までは、本実施形態の変形例1による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域の形成方法を説明する図である。
図10図10(A)から図10(C)までは、図9(C)に引き続いて、本実施形態の変形例1による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域の形成方法を説明する図である。
図11図11は、図10(C)に引き続いて、本実施形態の変形例1による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域の形成方法を説明する図である。
図12図12は、本実施形態の変形例2による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一または対応する部材または部品については、同一または対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間、または、種々の層の厚さの間の相対比を示すことを目的とせず、したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定されるべきものである。
【0010】
図1は、実施形態による半導体記憶装置の一例を示す上面図である。図示のとおり、半導体記憶装置1は、メモリ部11と、その周囲を取り囲む周辺領域12とを有している。また、後に説明するように、少なくともメモリ部11の下方には、例えばロウデータ回路やセンス・アンプなどの各メモリセルを制御する周辺回路が設けられている。
【0011】
メモリ部11は、貫通コンタクト領域AC4X,AC4Y、セル領域CA、及び階段領域FSAを有している。貫通コンタクト領域AC4Xは、半導体記憶装置1の長手方向(X軸方向)に沿って延伸し、貫通コンタクト領域AC4Yは短手方向(Y軸方向)に延伸している。また、階段領域FSAは、メモリ部11のX軸方向のほぼ中央に位置し、Y軸方向に沿って延伸している。
【0012】
セル領域CAは、貫通コンタクト領域AC4X,AC4Yと階段領域FSAとで囲まれている。セル領域CAには複数のメモリセルが3次元的に配置されている。詳細には、セル領域CAは、複数の導電層と複数の絶縁層とが交互に一層ずつ積層された積層体(以下の説明では積層体SKと言及されている)と、積層体の積層方向(図1のZ軸方向)に沿って積層体を貫通する複数のメモリピラー(後述)と有している。メモリピラーには、積層方向に沿って複数のメモリセルが形成されている。また、積層体の導電層はメモリセルのワード線として機能する。
【0013】
次に、図2(A)及び図2(B)を参照しながら、貫通コンタクト領域AC4X,AC4Yについて説明する。図2(A)は、メモリ部11の貫通コンタクト領域AC4Xを模式的に示す上面図であり、例えば図1中の領域R1に対応している。図2(B)は、メモリ部11の貫通コンタクト領域AC4Yを模式的に示す上面図であり、例えば図1中の領域R2に対応している。
【0014】
図2(A)を参照すると、貫通コンタクト領域AC4Xは、第1のスリットST1によりセル領域CAから区画されている。また、貫通コンタクト領域AC4Xは、異なる絶縁層が交互に一層ずつ図中のZ軸方向に積層された積層体ON(後述)と、この積層体ONをZ軸方向に貫通する貫通コンタクトC4とを有している。貫通コンタクトC4は、例えばタングステンやモリブデンなどの金属により形成されている。貫通コンタクトC4は、セル領域CAの下方に設けられる周辺回路と、例えばセル領域CAのメモリセルとを電気的に接続するために設けられる。
【0015】
なお、第1のスリットST1は、メモリ部11の全体に亘り、Y軸方向に所定の間隔を空けてX軸方向に沿って延伸しており、セル領域CAのメモリセルをメモリブロックに分割している。また、第1のスリットST1は、半導体記憶装置1の製造過程において、積層体ONをエッチングすることにより形成され、後に、酸化シリコンなどの絶縁材料で埋め込まれる。以下の説明では、内部が空洞の場合も、内部に絶縁材料を有する場合も、便宜上、第1のスリットST1と称する。なお、第1のスリットST1には導電材料が埋め込まれてもよい。これにより、第1のスリットST1は配線として利用され得る。この場合には、第1のスリットST1の内面に絶縁材料によるライナー層が形成された後に、さらにその内側に導電材料が埋め込まれる。
【0016】
次に、図2(B)を参照すると、貫通コンタクト領域AC4Yは、2つのセル領域CAにより区画され、第1のスリットST1を横切るようにY軸方向に沿って延伸している。貫通コンタクト領域AC4Yもまた積層体ONと、この積層体ONを貫通する貫通コンタクトC4とを有している。なお、貫通コンタクト領域AC4X,AC4Yの貫通コンタクトC4の配置は図示の例に限定されることなく、適宜決定されてよい。
【0017】
続けて、図3を参照しながら、階段領域FSAについて説明する。図3は、階段領域FSAを模式的に示す上面図であり、例えば図1に示す領域R3に対応している。階段領域FSAは、貫通コンタクト領域AC4Yと同様に、2つのセル領域CAにより区画され、Y軸方向に延伸している。ただし、階段領域FSAは、貫通コンタクト領域AC4X,AC4Yと異なり、貫通コンタクトC4に加えて、コンタクトCCを有している。さらに、階段領域FSAは階段部FSと絶縁部OXとを有し、上記のコンタクトCCは階段部FSに配置され、貫通コンタクトC4は絶縁部OXに配置されている。階段部FSと絶縁部OXは、2つの隣接する第1のスリットST1に挟まれた領域(ブロックとも言う)において、X軸方向に並んで配置されている。また、階段部FSと絶縁部OXは、Y軸方向においては、交互に配置されている。
【0018】
階段部FSは、セル領域CAから延伸する積層体SKの導電層がテラス面(ステップ面)となる階段形状を有している。階段部FSの各段のステップ面にはコンタクトCCが接続される。上述のとおり、導電層は、セル領域CAのメモリセルのワード線として機能するため、コンタクトCCはワード線の引き出し線として機能する。
【0019】
また、階段領域FSAには、第1のスリットST1のY軸方向のほぼ中央に、隙間Gを空けてX軸方向に沿って配列される複数の第2のスリットST2が設けられている。第2のスリットST2の各々は、第1のスリットST1よりも短い。第2のスリットST2は、例えば酸化シリコンなどの絶縁材料で埋め込まれている。
【0020】
以下、図4(A)から図6までを参照しながら、第2のスリットST2とその周囲の構造について説明する。図4(A)は、図3中のL1-L1線に沿った断面図であり、図4(B)は、図3中のL2-L2線に沿った断面図であり、図5は、図3中のL3-L3線に沿った断面図であり、図6図3中のL4-L4線に沿った断面図である。
【0021】
図4(A)を参照すると、例えばシリコンなどの半導体や導電体で形成されるベース層SBの上に、積層体SKが形成されている。積層体SKは、互いに交互に一層ずつ積層された複数の絶縁層OLと複数の絶縁層WLとを有している。絶縁層OLは絶縁材料で形成され、本実施形態においては、例えば酸化シリコンで形成されている。以下の説明において、絶縁層OLを酸化シリコン層OLという。また、導電層WLは例えばタングステンまたはモリブデンなどの金属で形成されて良い。図4(A)では、階段部FSは、導電層WL2,WL4,WL6,・・・,WL16(個別の導電層が言及されない場合には、絶縁層WLと総称する)をステップ面として有している。階段部FSの上方は、例えば酸化シリコンなどの絶縁材料で形成される層間絶縁膜SOが形成されている。そして、導電層WL2,WL4,WL6,・・・,WL16に、層間絶縁膜SOを貫通するコンタクトCCが接続している。コンタクトCCは上端でプラグ(後述)と接続し、プラグは上層配線に接続している。上層配線は、例えば、貫通コンタクトC4と接続することができる。これにより、導電層WL(ワード線)、コンタクトCC、プラグ、上層配線、及び貫通コンタクトC4を介してメモリセルと周辺回路とが電気的に接続される。
【0022】
また、図4(A)(図4(B)にて同様)に示すように、階段領域FSAに隣接するセル領域CAにおいては、積層体SKを貫通し、ベース層SBに到達するメモリピラーPLが設けられている。メモリピラーPLは柱状形状を有し、外周から中心に向かって順に形成されたメモリ膜M、チャネル層CH、及びコア層Cを有している。積層体SKの導電層WLとメモリ膜Mとが接触する部分にメモリセルMCが形成される。
【0023】
図4(B)は、図4(A)に示す階段部FSと同じ階段部FSの第2のスリットST2を挟んだ反対側のX軸方向に沿った断面図であり、積層体SKは導電層WLをステップ面とする階段形状にされている。ただし、ここでは導電層WL1,WL3,WL5,・・・,WL15がステップ面となり、ここに層間絶縁膜SOを貫通するコンタクトCCが接続している。すわなち、本実施形態による半導体記憶装置1においては、階段部FSのステップ面は、第2のスリットST2の両側で一段ずつ異なっている。そして、各導電層WLに接続するコンタクトCCは、第2のスリットST2の両側においてX軸方向に並んでいる。言い換えると、コンタクトCCは、第2のスリットST2を挟んで2列に並んでいる。
【0024】
図5を参照すると、例えばシリコンなどの半導体で形成される基板10の上に多層配線部MLが形成されている。基板10には、素子分離部EIにより分離されたトランジスタTrが形成され、多層配線部MLには、酸化シリコン膜SOP内に形成された配線LやビアVが設けられている。多層配線部MLと基板10の境界領域に形成されるトランジスタTrと、多層配線部ML内の配線LやビアVにより、周辺回路部PERが構成されている。また、多層配線部MLの上にベース層SBが形成され、ベース層SBの上に積層体SKが形成されている。
【0025】
第1のスリットST1及び第2のスリットST2は、積層体SKを貫通し、ベース層SBに到達している。図中の中央の第2のスリットST2の両側が階段部FSであり、図示の例では、第2のスリットST2の左側で導電層WL11がステップ面となっており、ここにコンタクトCCが接続している。一方、第2のスリットST2の右側では、導電層WL12がステップ面となっており、ここにコンタクトCCが接続している。
【0026】
また、第1のスリットST1を挟んで階段部FSの反対側には、絶縁部OXが配置されている。絶縁部OXは、2つの隣接する第3のスリットST3により区画され、積層体ONにより構成されている。積層体ONは、交互に一層ずつ積層された異なる2つの絶縁層により形成されている。本実施形態では、異なる2つの絶縁層の一方は、酸化シリコン層OLで形成され、他方は窒化シリコン層SNで形成される。
【0027】
絶縁部OX(積層体ON)を貫通するように貫通コンタクトC4が設けられている。貫通コンタクトC4は、下端において、周辺回路部PERの配線Lに電気的に接続し、さらに、ビアV等を通して周辺回路に電気的に接続される。積層体ONが全体として絶縁性であるため、貫通コンタクトC4は、積層体ONにより周囲の積層体SK(の導電層)から絶縁されている。また、貫通コンタクトC4は、その上端において、プラグCCPを通して上部配線ULと接続し、上部配線ULはプラグCCPを介してコンタクトCCと電気的に接続される。コンタクトCCは、導電層WLを通してメモリセルと電気的に接続されるため、このような構成により、周辺回路とメモリセルとが電気的に接続される。
【0028】
図6は、上述のとおり、図3中のL4-L4線に沿った断面図である。L4-L4線は、第2のスリットST2の隙間Gを通っているため、図6において、第2のスリットST2は図示されていない。すなわち、第2のスリットST2の隙間Gにおいては、積層体SKは連続的にXY平面内に延伸している。したがって、積層体SK内の導電層WLは、2つの第1のスリットST1の間の領域(ブロック内)で電気的にも連続している。このため、例えば図5に示す導電層WL11に接続するコンタクトCCは、第2のスリットST2の左側においても導電層WL11に電気的に導通する。導電層WLは、上述のとおり、セル領域CAのメモリセルのワード線に相当する。すなわち、隣接する2つの第1のスリットST1の間の領域にあるメモリセルは、第2のスリットST2のいずれかの側に設けられるコンタクトCCにより制御されることとなる。
【0029】
続いて、図7(A)から図7(B)までを参照しながら、第2のスリットST2の隙間Gにて、第2のスリットST2の両側で接続する導電層WLの形成方法について説明する。なお、導電層WLが形成されるまでの半導体記憶装置1の製造プロセスの概略は以下のとおりである。まず、例えばシリコンウエハなどの半導体ウエハ上に上述の周辺回路部PERが形成される。次に、周辺回路部PERの上にベース層SBが形成され、その上に、複数の酸化シリコン層OLと複数の窒化シリコン層SNとが交互に一層ずつ積層された積層体(上述の積層体ONと同様)が形成される。次いで、積層体の上面に、階段部FSが形成されるべき位置に開口を有するレジストマスクが設けられ、エッチングと、レジストマスクのスリミングと、再度のエッチングとを含む工程を経て、その積層体が階段形状を有することとなる。続けて、この階段形状の各段の約半分が覆われ、残りの半分が露出されるようにエッチングマスクが設けられ、このエッチングマスクを用いてエッチングを行うことにより、一段ずつ段が異なった暫定的な階段部が得られる。この後、暫定的な階段部と積層体とを覆うように例えば酸化シリコン膜が堆積される。次いで、この酸化シリコン膜が平坦化され、層間絶縁膜SO(図5(B))が得られる。引き続いて、セル領域CA(図1)に、積層体を貫通する複数のメモリピラー(第1の柱状体)PL(図3)が形成される。メモリピラーPLは、例えば、積層体を貫通してベース層SBに到達するメモリホールを形成し、メモリホールの内面にメモリ膜、チャネル層、及びコア層を順次形成することにより形成される。
【0030】
次いで、第1のスリットST1、第2のスリットST2、及び第3のスリットST3がフォトリソグラフィ工程とエッチング工程によりそれぞれ予め定められた位置に形成される。続けて、第1のスリットST1から第3のスリットST3の内面に例えば酸化シリコン膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程により、第1のスリットST1と第2のスリットST2の内面の酸化シリコン膜を除去する。これにより、第1のスリットST1と第2のスリットST2の内面には、積層体ONや層間絶縁膜SOが露出することになる。一方、第3のスリットST3の内面には酸化シリコン膜が残っている。
【0031】
次に、第1のスリットST1から第3のスリットST3に対して、窒化シリコンを溶解可能なエッチング液が注入される。そのようなエッチング液としては、リン酸(HPO)が例示される。
【0032】
図7(A)は、上述の暫定的な階段部における一つの窒化シリコン層SNと、第2のスリットST2を模式的に示す上面図である。第2のスリットST2からエッチング液を注入すると、第2のスリットST2の内面に露出する窒化シリコン層SNはエッチング液に晒されて、図7(B)に示すように、エッチングされ、空間SPが生じる。更にエッチングが進むと、窒化シリコン層SNの全体が除去され、空間SPが広がる。ここで、第2のスリットST2の隙間Gに在った窒化シリコン層SNもまたエッチングされるため、空間SPは、図7(C)に示すように、第2のスリットST2の一方側と他方側に広がるだけでなく、隙間Gを通して両側で連続することとなる。この後、例えば原子層堆積(ALD)法により、第2のスリットST2を通して空間SPを例えばタングステンやモリブデンなどの金属で埋め込むことにより、図7(D)に示すように、導電層WLが形成される。以上により、図5および図6を参照しながら説明した、第2のスリットST2の両側で一段ずつ段が異なる階段部FSが得られる。
【0033】
なお、第1のスリットST1へ注入されたエッチング液もまた、その内面に露出する窒化シリコン層を除去するため、第1のスリットST1の両側に空間が生じる。この空間もまた金属で埋め込まれ、階段部FSにおける対応する導電層WLと連続した導電層となる。ただし、第1のスリットST1には、第2のスリットST2とは異なり、隙間Gが無いため、第1のスリットST1の両側において、導電層WLが連続することはない。すなわち、隣接する2つの第1のスリットST1によって、一つのメモリブロックが規定されている。
【0034】
また、第3のスリットST3へもエッチング液は注入される。しかし、第3のスリットST3の内面には、上述のとおり、例えば酸化シリコンのように当該エッチング液に対して耐性を有する膜が形成されているため、窒化シリコン層SNは除去されない。このため、図5図6で示したように、隣接する2つの第3のスリットST3の間には、酸化シリコン層OLと窒化シリコン層SNとが交互に一層ずつ積層された積層体ONが残ることとなる。
【0035】
以下、隙間Gを空けてX軸方向に沿って配列される第2のスリットST2により奏される効果について説明する。上述のとおり、導電層WLは、第2のスリットST2の両側で隙間Gを通して連続している。すなわち、第2のスリットST2の隙間Gには、酸化シリコン層OLと導電層WLが交互に一層ずつ積層された積層体SKが形成されている。
【0036】
ここで、例えば図5に示されているように、第2のスリットST2がある部分では、第2のスリットST2が積層体SKで挟まれることになる。第2のスリットST2は、上述のとおり、窒化シリコン層SNが除去されて形成された空間SPに金属を埋め込む際に利用され、金属の埋め込みが完了したときにはまだ空洞のままである。そうすると、その空洞に向けて積層体SKが傾斜するおそれがある。また、第2のスリットST2に対して例えば酸化シリコンなどの絶縁材料が埋め込まれた後においても、その第2のスリットST2と、両側の積層体SKとの間に応力が働き、変形が生じるおそれがある。さらに、図5に示したように、コンタクトCCが接続するステップ面としての導電層WLの上方には層間絶縁膜SOが形成されているが、その層間絶縁膜SOの厚さは、階段部FSの段の高さによっても相違し、第2のスリットST2の両側においても相違する。このような相違によっても応力が生じ、変形が生じるおそれがある。
【0037】
しかしながら、本実施形態による半導体記憶装置1においては、隙間Gにおいて第2のスリットST2の両側で繋がる積層体SKが、空洞としての第2のスリットST2に向かって傾斜したり、絶縁材料で埋め込まれた第2のスリットST2に対して応力を加えたりするのを低減することができる。言い換えると、隙間Gの積層体SKは、第2のスリットST2の両側の積層体SKを支える梁として機能し得る。
【0038】
なお、図3及び図6を参照しながら、第2のスリットST2の隙間Gが積層体SKの最上段の導電層WLに位置する例を説明した。この例では、積層体SKが隙間Gの高さ方向(Z軸方向)のほぼ全体を占有するため、梁としての機能がより発揮される。ただし、この位置に限られることなく、他の段に対応するように設けても、梁としての機能は発揮され得る。
【0039】
また、積層体SKの導電層WLが第2のスリットST2の隙間Gを通して、第2のスリットST2の両側で連続しているため、階段部FSの各段を第2のスリットST2の両側で一段ずつ異なるように形成した上で、第2のスリットST2の一方側においてステップ面にコンタクトCCを接続すれば、第2のスリットST2の他方側においても導電層WLと電気的に接続する。仮に、隙間Gが無く、導電層WLが第2のスリットST2の両側で連続していない場合には、両側で段が一段ずつ異なる階段部を形成することができない。そうすると、階段の段の数を増やし、コンタクトを一列に配置せざるを得ない。導電層WLが16層あると仮定すると、階段部も16段となり、16本のコンタクトを一列に並べる必要が生じる。一方、本実施形態による半導体記憶装置1によれば、第2のスリットST2の両側で一段ずつ異なる階段部FSが形成されるので、一列に8本のコンタクトCCを2列に並べることが可能となる。したがって、階段部FSを短くし、半導体記憶装置1を小型化することが可能となる。ただし、導電層WLの数(積層体SKの積層数)は、図示の例に限らず、任意に決定されてよい。また、添付図面に図示される積層体SKを複数段に重ね、より高い高さを有するメモリピラーPLを形成することにより、メモリセルの数を増大、すなわち、記憶容量を増大することも可能である。例えば、48層や64層の導電層が形成され得る。
【0040】
(変形例1)
次に、本実施形態の変形例1による半導体記憶装置について説明する。この変形例においては、主に図2(B)を参照しながら説明した貫通コンタクト領域AC4Yにおいて、応力による変形を防止可能な構成が設けられる。他の構造は、実施形態による半導体記憶装置1と同様である。なお、以下に説明する構成は、図2(A)を参照しながら説明した貫通コンタクト領域AC4Xに適用されてもよい。
【0041】
図8(A)は、本実施形態の変形例による半導体記憶装置における貫通コンタクト領域AC4Yを模式的に示す上面図である。図8(A)では、図2(B)とは異なり、セル領域CAは省略している。また、図8(A)には複数の柱状体HRが図示されている。柱状体HRは、積層体SKをその積層方向に貫通し、内部が例えば酸化シリコンなどの絶縁材料で埋め込まれる。柱状体HRは、上述のように積層体ONの窒化シリコン層SNが除去されたときに、酸化シリコン層OLを支持し、空間SPを維持するために用いられる。よって、積層体SKには、所定の数の柱状体HRが所定のパターンで配置されてよい。また、柱状体HRは、本変形例だけでなく、第1の実施形態による半導体記憶装置1においても形成されるが、図示を省略している。
【0042】
図8(A)に示すように、本変形例においては、貫通コンタクト領域AC4Yは、積層体SKと、2つの短いスリットOSTで挟まれる積層体ONとを有している。積層体ONには、その積層方向に沿って積層体ONを貫通する貫通コンタクトC4が配置されている。また、第1のスリットST1の幅は、短いスリットOSTに対面する一部において厚くなっている。以下の説明においては、便宜上、この幅が厚い部分を拡幅スリットTSTと称する。
【0043】
図8(B)は、図8(A)中のL5-L5線に沿った断面図である。2つの短いスリットOSTの間(短いスリットOSTの内側)には、積層体ONが形成されており、積層体ONを貫通するように貫通コンタクトC4が設けられている。貫通コンタクトC4は、下端において、酸化シリコン膜SOP(多層配線部ML)に形成される配線Lに接続している。また、図8(B)では省略しているが、貫通コンタクトC4は、上端において、図5に示したようにプラグC4Pを介して上層配線ULに接続する。
【0044】
短いスリットOSTの外側には、積層体SKが形成されており、積層体SKを貫通してベース層SBに到達するように柱状体HRと第1のスリットST1が形成されている。なお、上述のとおり、貫通コンタクトC4は、タングステンやモリブデンなどの金属で形成され、柱状体HR及び第1のスリットST1は、酸化シリコンなどの絶縁材料で形成される。また、短いスリットOSTもまた酸化シリコンなどの絶縁材料で形成されるが、後に説明するようにライナー層を有している点で、柱状体HR及び第1のスリットST1と異なる。
【0045】
図8(C)は、図8(A)中のL6-L6線に沿った断面図である。L6-L6線は、拡幅スリットTSTを横切っており、したがって、図8(C)において、拡幅スリットTSTの断面が示されている。拡幅スリットTSTは、図8(B)との比較により明らかなように、第1のスリットST1よりも大きな幅を有している。拡幅スリットTSTにより奏される効果は後述する。
【0046】
また、図示の例では、ベース層SBは離間部CLを有し、離間部CLでは、酸化シリコン膜SOPの上面がベース層SBの上面と一致している。貫通コンタクトC4は、離間部CLを通り抜けるように配置され、これにより、貫通コンタクトC4は、積層体SKだけでなくベース層SBからも絶縁される。
【0047】
次に、図9(A)から図11までを参照しながら、本実施形態の変形例による半導体記憶装置における貫通コンタクト領域AC4Yの形成方法について説明する。図9(A)から図11までは、本実施形態の変形例による半導体記憶装置における貫通コンタクト領域AC4Yの形成方法を説明する説明図である。なお、図9(A)から図11までにおいて、左側は上面図であり、図8(A)に対応し、右側は断面図であり、図8(B)に対応している。便宜上、図9(B)から図11までには、図8(A)と同様にL5-L5線を示している。
【0048】
図9(A)を参照すると、周辺回路部PERの一部である酸化シリコン膜SOPの上にベース層SBが形成され、その上に、複数の酸化シリコン層OLと複数の窒化シリコン層SNとが交互に一層ずつ積層された積層体ONが形成されている。積層体ONの形成には、例えば化学気相堆積(CVD)法が利用される。
【0049】
次に、フォトリソグラフィ、エッチング、及び薄膜堆積といった一連の工程により、図9(B)に示すように、柱状体HR及び拡幅スリットTSTが形成される。具体的には、柱状体HR及び拡幅スリットTSTが形成されるべき位置に開口部を有するエッチングマスクが形成され、このエッチングマスクを利用した例えば反応性イオンエッチング(RIE)法により、柱状体HR用のホールと拡幅スリットTST用のホールが形成される。これらのホールは、積層体ONを貫通し、下地層であるベース層SBに到達している。この後、これらのホールが、例えばCVD法により酸化シリコンなどの絶縁材料で埋め込まれ、柱状体HRと拡幅スリットTSTとが形成される。ここで、拡幅スリットTSTは、後の工程において形成される短いスリットOSTに対面する位置に形成される。
【0050】
次いで、図9(C)に示すように、第1のスリットST1と短いスリットOSTが形成される。ここで、第1のスリットST1は、先に形成された拡幅スリットTSTと連続するように形成される。続けて、図10(A)に示すように、第1のスリットST1の内面と短いスリットOSTの内面に、ライナー層ILが形成される。ライナー層ILは、後に説明するように、窒化シリコン用のエッチング液に対して耐性を有する絶縁体、例えば酸化シリコンで形成される。この後、図10(B)に示すように、レジストマスクRMにより短いスリットOSTが覆われ、レジストマスクRMを利用したRIE法によりエッチングが行われる。これにより、レジストマスクRMで覆われた短いスリットOSTにはライナー層ILが残り、第1のスリットST1の内面には、積層体ONが露出することとなる。
【0051】
次に、第1のスリットST1に対して、例えばリン酸などのエッチング液が注入されると、図10(C)に示すように、第1のスリットST1の内面に露出した窒化シリコン層SNがエッチングされ、空間SPが形成される。ここで、酸化シリコン層OLは柱状体HRに支持され、空間SPが維持される。なお、エッチング液は短いスリットOST内にも注入されるが、短いスリットOSTの内面にはライナー層ILが形成されているため、窒化シリコン層SNはエッチングされない。これにより、短いスリットOSTの間には積層体ONが残ることとなる。
【0052】
次いで、例えば原子層堆積(ALD)法により、第1のスリットST1を通して、空間SPにタングステンやモリブデンなどの金属を充填すると、図11に示すように2つの短いスリットOSTの外側の領域は積層体SKとなる。この後、積層体ONと酸化シリコン膜SOPの一部を貫通し、配線Lに到達する貫通コンタクトC4が形成され、図8(A)から図8(C)までを参照しながら説明した構造が得られる。
【0053】
上述の構造においては、積層体ONと短いスリットOSTは、積層体SKに囲まれている。積層体ONは酸化シリコン層OLと窒化シリコン層SNで形成される一方、その周囲の積層体SKは酸化シリコン層OLと導電層WLで形成される。このため、積層体ONと積層体SKとの間に応力が働き得る。特に、積層体SKが形成された直後は、短いスリットOSTは空洞であるため、積層体SKには、積層体ONに向かって傾斜する力が働く可能性がある。しかしながら、本変形例においては、積層体ONの両側に、第1のスリットST1の幅よりも広い幅を有する拡幅スリットTSTが形成されているため、そのような力が低減され得る。したがって、積層体SK,ONの変形もまた低減され得る。よって、変形例1によれば、貫通コンタクト領域AC4Yにおいても、応力による変形を防止することが可能となる。
【0054】
(変形例2)
次に、本実施形態の変形例2による半導体記憶装置について説明する。図12は、変形例2による半導体記憶装置の貫通コンタクト領域AC4Xを模式的に示す上面図である。変形例2においては、セル領域CAと貫通コンタクト領域AC4Xとを区分けする第1のスリットST1に沿って、貫通コンタクト領域AC4Xに第4のスリットST4が設けられている。第4のスリットST4は、変形例1における短いスリットOSTと同様の機能を有している。すなわち、2つの第4のスリットST4に挟まれた領域(第4のスリットST4の内側)には、積層体ONが残っている。また、第4のスリットST4には、所定の間隔で拡幅スリットTSTが設けられている。このため、セル領域CAの積層体SKが積層体ONに向かって傾斜するような応力は、拡幅スリットTSTにより低減され得る。よって、変形例2によれば、貫通コンタクト領域AC4Xにおいても、応力による変形を防止することが可能となる。
【0055】
(その他の変形例)
上述の実施形態(変形例1、変形例2を含む)において、階段部FSは、セル領域CAから延伸する積層体SKの端部を、導電層WLがステップ面となるように階段形状に加工することにより形成されている。しかし、階段部FSは、積層体SK中の絶縁層(例えば酸化シリコン層)OLをステップ面とする階段形状を有してよい。この場合、コンタクトCCは、層間絶縁膜SOと、ステップ面としての絶縁層OLを貫通して導電層WLに接続することができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…半導体記憶装置、11…メモリ部、12…周辺領域、AC4X,AC4Y…貫通コンタクト領域、CA…セル領域、FSA…階段領域、OX…絶縁部、ON,SK…積層体、PL…メモリピラー、ST1…第1のスリット、ST2…第2のスリット、ST3…第3のスリット、ST4…第4のスリット、OST…短いスリット、TST…拡幅スリット、SO…層間絶縁膜、OL…酸化シリコン層、SN…窒化シリコン層、WL…導電層、CC…コンタクト、C4…貫通コンタクト、G…隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12