(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047461
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11517 20170101AFI20220316BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20220316BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20220316BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H01L27/11517
G11C16/04 170
G11C16/10 150
H01L29/78 371
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020185445
(22)【出願日】2020-11-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】202010955900.7
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520377428
【氏名又は名称】中天弘宇集成電路有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】聶 虹
(72)【発明者】
【氏名】陳 精緯
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA02
5B225CA02
5B225DB21
5B225DC11
5B225EA05
5B225EB01
5B225EB04
5B225EB08
5B225EC09
5B225FA01
5F083EP02
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER02
5F083ER21
5F101BA01
5F101BB02
5F101BD22
5F101BD34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法を提供する。
【解決手段】方法は、プログラミング対象であるメモリセルを初期化する。次に、プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加し、ソースをフローティングとする。ゲートにプログラミング電圧を印加し、第1期間だけ維持したあと、プログラミング対象であるメモリセルの各端における電圧を放出することでプログラミングを完了する。プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は4V以上とし、第1期間は100μs以下とし、プログラミング電圧は10V以下とする。
【効果】プログラミング時のゲート電圧が、従来のトンネル(F-N)プログラミング方式のゲート電圧よりも遥かに小さくなり、プログラミング時間も短縮され、効果的にメモリセルの使用寿命を伸ばし、プログラミング効率を向上させられるほか、消費電力も低下させられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NAND型フラッシュメモリアレイを提供して、プログラミング対象であるメモリセルを初期化するステップS1と、
前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加するとともに、前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとするステップS2と、
前記プログラミング対象であるメモリセルのゲートにプログラミング電圧を印加し、第1期間だけ維持したあと、前記プログラミング対象であるメモリセルの各端における電圧を放出することでプログラミングを完了させるステップS3と
を少なくとも含み、
前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は4V以上とし、前記第1期間は100μs以下とし、前記プログラミング電圧は10V以下とすることを特徴とするNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項2】
前記NAND型フラッシュメモリアレイはn行b列のメモリセルを含み、同一行の各メモリセルのゲートは同一のワード線に接続され、同一列の各メモリセルは順に直列となっており、各列の一端はそれぞれビット線選択ゲートに接続され、他端はそれぞれソース電圧選択ゲートに接続され、n、bは0よりも大きい自然数であることを特徴とする請求項1に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項3】
ステップS1において、前記プログラミング対象であるメモリセルのゲート、ソース及びウェル電極の電圧を0Vとすることで初期化を実現することを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項4】
ステップS2においてドレイン電圧を印加する方法では、前記ドレイン電圧を前記プログラミング対象であるメモリセルが位置するビット線に印加し、前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のビット線選択ゲート、及び、前記プログラミング対象であるメモリセルと前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のビット線選択ゲートとの間に位置するメモリセルを選択することで、前記ドレイン電圧を前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインに伝達することを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項5】
ステップS2において前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとする方法では、前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のソース電圧選択ゲートを閉じ、前記プログラミング対象であるメモリセルと前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のソース電圧選択ゲートとの間に位置するメモリセルのワード線に任意の電位を印加することで、前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティング状態とすることを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項6】
ステップS3において、第2期間内に前記プログラミング対象であるメモリセルのゲート電圧を0から前記プログラミング電圧まで増大させることを特徴とする請求項2に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項7】
前記第2期間は0~10μsとすることを特徴とする請求項6に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項8】
前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は5V以上であることを特徴とする請求項1に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【請求項9】
ステップS2は、先に前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとしてから、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加するように置き換えてもよいことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路の設計分野に関し、特に、NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリ(flash memory)とは、現在最も常用されている電源を切断しても情報が失われない半導体メモリのことである。フラッシュメモリは体積が小さく、消費電力が低く、物理的に破壊されにくいとの利点を有するため、モバイルデジタル製品にとっては理想的な記憶媒体である。従来の電子機器におけるメモリカードのコアメモリはいずれもフラッシュメモリとなっている。
【0003】
フラッシュメモリは、アレイ構造によって、主にNAND型とNOR型に分けられる。NAND型は高度に集積化されたチップに比較的適しており、読み書きの速度が高速である。しかし、バイト単位の書き込み操作は不可能であり、1回ごとにデータブロック単位での書き込み操作が必要である。これに対し、NOR型はバイト単位の書き込み操作能力を有しており、高速の読み取りアクセスについてもサポートしている。ただし、書き込み操作の速度はやや遅く、且つ、容量を増大すると品質が低下してしまう。
【0004】
NAND型フラッシュは、USBやデジタルカメラ、デジタルビデオカメラのメモリカードに最も広く応用されている。しかし、従来のNAND型フラッシュのプログラミング方式は電子のトンネルメカニズムに基づくものであり、プログラミング電圧が高く、プログラミング時間が長いという2つの欠点がある。このことから、メモリセル構造のトンネル酸化膜が受ける応力(Stress)が大きく、メモリセルの使用寿命に影響を及ぼしている。
【0005】
そこで、プログラミング電圧が高く、プログラミング時間が長いためにメモリセルの使用寿命が短くなるとの問題を如何にして解決するかが、当業者にとって早急に解決を要する課題の一つとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術の欠点に鑑みて、本発明の目的は、プログラミング電圧が高く、プログラミング時間が長いことがメモリセルの使用寿命に影響を及ぼすという従来技術における課題を解決するために、NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的及びその他関連の目的を実現するために、本発明は、NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法を提供する。前記NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法は、NAND型フラッシュメモリアレイを提供し、プログラミング対象であるメモリセルを初期化するステップS1と、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加するとともに、前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとするステップS2と、前記プログラミング対象であるメモリセルのゲートにプログラミング電圧を印加し、第1期間だけ維持したあと、前記プログラミング対象であるメモリセルの各端における電圧を放出することでプログラミングを完了するステップS3とを少なくとも含み、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は4V以上とし、前記第1期間は100μs以下とし、前記プログラミング電圧は10V以下とする。
【0008】
選択的に、前記NAND型フラッシュメモリアレイはn行b列のメモリセルを含む。同一行の各メモリセルのゲートは同一のワード線に接続され、同一列の各メモリセルは順に直列となっている。各列の一端はそれぞれビット線選択ゲートに接続され、他端はそれぞれソース電圧選択ゲートに接続される。なお、n、bは0よりも大きい自然数である。
【0009】
より選択的に、ステップS1において、前記プログラミング対象であるメモリセルのゲート、ソース及びウェル電極の電圧を0Vとすることで初期化を実現する。
【0010】
より選択的に、ステップS2においてドレイン電圧を印加する方法では、前記ドレイン電圧を前記プログラミング対象であるメモリセルが位置するビット線に印加し、前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のビット線選択ゲート、及び、前記プログラミング対象であるメモリセルと前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のビット線選択ゲートとの間に位置するメモリセルを選択することで、前記ドレイン電圧を前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインに伝達する。
【0011】
より選択的に、ステップS2において前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとする方法では、前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のソース電圧選択ゲートを閉じ、前記プログラミング対象であるメモリセルと前記プログラミング対象であるメモリセルが位置する列のソース電圧選択ゲートとの間に位置するメモリセルのワード線に任意の電位を印加することで、前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティング状態とする。
【0012】
より選択的に、ステップS3において、第2期間内に前記プログラミング対象であるメモリセルのゲート電圧を0から前記プログラミング電圧まで増大させる。
【0013】
より選択的に、前記第2期間は0~10μsとする。
【0014】
より選択的に、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は5V以上である。
【0015】
より選択的に、ステップS2は、先に前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとしてから、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加するように置き換えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本発明のNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法は、以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法では、初期化後にドレイン電圧を印加し、ソースにフローティング処理を施したあと、プログラミング電圧を印加することで、三次電子衝突の原理に基づきプログラミングを完了する。これにより、プログラミング時のゲート電圧は従来のトンネル(F-N)プログラミング方式のゲート電圧よりも遥かに小さくなり、プログラミング時間も短縮される。よって、効果的にメモリセルの使用寿命を伸ばし、プログラミング効率を向上させられるほか、消費電力も低下させられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明におけるNAND型フラッシュメモリのアレイ構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法で、ドレインに電圧を印加し、ソースをフローティングとする際の原理を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法で、プログラミング電圧を印加する際の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、特定の具体的実施例によって本発明の実施形態につき説明する。なお、当業者であれば、本明細書で開示する内容から本発明のその他の利点及び効果を容易に理解可能である。また、本発明は、その他の異なる具体的実施形態による実施又は応用も可能である。本明細書における各詳細については、異なる視点及び応用に基づき、本発明の精神を逸脱しないことを前提に各種の補足又は変形を行ってもよい。
【0020】
図1~
図4を参照する。説明すべき点として、本実施例で提供する図面は概略的に本発明の基本思想を説明するためのものにすぎない。図面には本発明に関連するアセンブリのみを示しているが、実際に実施する際のアセンブリの数、形状及びサイズに基づき記載しているわけではない。実際に実施する際の各アセンブリの形態、数量及び比率は任意に変更してもよく、且つ、アセンブリのレイアウトや形態がより複雑になることもある。
【0021】
図1に示すように、本発明はNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法を提供する。前記NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法は、以下を含む。
【0022】
ステップS1において、NAND型フラッシュメモリアレイ1を提供し、プログラミング対象であるメモリセル11を初期化する。
【0023】
具体的には、
図2に示すように、n行b列(メモリセル)のNAND型フラッシュメモリアレイ1を提供する。同一行の各メモリセルのゲートは同一のワード線に接続される。また、同一列の各メモリセルは順に直列となっており、隣り合う2つのメモリセルのドレインとソースが接続される。各列の一端はそれぞれビット線選択ゲートに接続され(各ビット線選択ゲートが対応するビット線に接続される)、他端はそれぞれソース電圧選択ゲートに接続される(各ソース電圧選択ゲートが対応するソース線に接続される)。なお、n、bは0よりも大きい自然数である。本実施例では、各行のワード線を上から順にWL<0>、WL<1>・・・WL<m>、WL<m+1>・・・WL<n>と定義し、各列のビット線を左から順にBL<0>・・・BL<a>・・・BL<b>と定義し、各ソース線を左から順にSL<0>・・・SL<a>・・・SL<b>と定義する。各ビット線選択ゲートのゲートはビット線選択ゲート制御信号DSGに接続され、各ソース電圧選択ゲートのゲートはソース線選択ゲート制御信号SSGに接続される。
【0024】
具体的に、本実施例では、m行目且つa列目のメモリセルをプログラミング対象であるメモリセル11とし、前記プログラミング対象であるメモリセル11のゲート、ソース及びウェル電極の電圧を0Vとすることで初期化を実現する。
図2に示すように、m番目のワード線WL<m>を接地することで、前記プログラミング対象であるメモリセル11のゲート電圧を0Vとする。また、前記ソース線選択ゲート制御信号SSG及びm+1行目のワード線WL<m+1>~n行目のワード線WL<n>をハイレベルとし、a番目のソース線を接地することで、前記プログラミング対象であるメモリセル11のソース及びウェル電極の電圧を0Vとする。
【0025】
ステップS2において、前記プログラミング対象であるメモリセル11のドレインにドレイン電圧を印加するとともに、前記プログラミング対象であるメモリセル11のソースをフローティングとする。
【0026】
具体的には、
図3に示すように、a番目のビット線BL<a>にドレイン電圧Vb1を印加する。また、前記ビット線選択ゲート制御信号DSGを第1高電圧Vdsgとすることで、前記プログラミング対象であるメモリセル11が位置する列のビット線選択ゲートを選択する。また、0行目のワード線WL<0>~m-1行目のワード線WL<m-1>に第2高電圧Vwlを印加することで、前記プログラミング対象であるメモリセル11と前記プログラミング対象であるメモリセル11が位置する列のビット線選択ゲートとの間に位置するメモリセルを選択する。そして、a番目のビット線BL<a>の前記ドレイン電圧Vb1を前記プログラミング対象であるメモリセル11のドレインに伝達する。一例として、前記第1高電圧Vdsgと前記第2高電圧Vwlの値は同一とするが、実際に使用する際には、必要に応じて前記第1高電圧Vdsgと前記第2高電圧Vwlの値を設定してもよく、対応するデバイスを導通させられればよい。よって、本実施例に限定しない。一例として、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は4V以上とする(本実施例では前記基板が接地しており、前記ドレインの電圧Vb1を4V以上とする)。好ましくは、十分な電界を形成して三次電子衝突を発生させるために、4.3V、5V、6V、8V、10Vとする。
【0027】
具体的には、
図3に示すように、前記ソース線選択ゲート制御信号SSGを低電圧Vssgとすることで、前記プログラミング対象であるメモリセル11が位置する列のソース電圧選択ゲートを閉じる。本実施例では、前記低電圧Vssgを0V(接地)とする。また、m+1行目のワード線WL<m+1>~n行目のワード線WL<n>に任意の電位の電圧を印加することで、前記プログラミング対象であるメモリセル11と前記プログラミング対象であるメモリセル11が位置する列のソース電圧選択ゲートとの間に位置するメモリセルのゲート電圧を任意の電位とする。これにより、前記プログラミング対象であるメモリセル11のソースをフローティング状態とする。
【0028】
説明すべき点として、本実施例において、ドレイン電圧を印加するステップ及びソースをフローティングとするステップは同時に実施する。なお、本発明の別の実現方式では、先にソースのフローティングを行ってからドレインの電圧を印加するが、ここでは1つずつ詳述しない。
【0029】
ステップS3において、前記プログラミング対象であるメモリセル11のゲートにプログラミング電圧Vpgを印加するとともに、前記プログラミング対象であるメモリセル11のドレイン及びソースについてはステップS2の状態を維持する(即ち、前記プログラミング対象であるメモリセル11のドレインは前記ドレイン電圧Vb1に接続され、前記プログラミング対象であるメモリセル11のソースはフローティングとする)。そして、第1期間だけ維持したあと前記プログラミング対象であるメモリセル11の各端の電圧を放出することでプログラミングを完了する。
【0030】
具体的には、
図4に示すように、第2期間内に前記プログラミング対象であるメモリセル11のゲート電圧を0から前記プログラミング電圧Vpgまで増大させる。本実施例において、前記第2期間は0~10μsとし、一例として、1μs、2μsとする。なお、実際に使用する際には、必要に応じて前記第2期間の長さを設定すればよい。
【0031】
具体的に、本実施例では、前記第1期間を100μs以下とし、一例として、5μs、10μsとする。前記第1期間の具体的な長さはプロセスごとのデバイスに応じて適応的に調整すればよいが、ここでは1つずつ列挙はしない。
【0032】
具体的に、本実施例において、前記プログラミング電圧Vpgは10V以下とし、一例として、5V、7V、8V、9Vとするが、ここでは1つずつ列挙はしない。
【0033】
本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法のプログラミング原理は次の通りである。
【0034】
初期化後に、前記プログラミング対象であるメモリセル11のソースをフローティングとし、ドレインにドレイン電圧Vb1を印加する。また、基板は接地する。このとき、前記プログラミング対象であるメモリセル11には横方向の電界が発生し、電子正孔対が形成されて、一次電子がドレインに移動する。一次電子がドレイン領域の側壁に衝突すると、正孔が下方に加速度運動し、前記プログラミング対象であるメモリセル11の基板に衝撃を与えることで二次電子が発生する。その後、前記プログラミング対象であるメモリセル11のゲートにプログラミング電圧Vpgを印加すると、二次電子が縦方向の電界の作用下で三次電子を形成し、これが前記プログラミング対象であるメモリセル11の浮遊ゲートに注入されることでプログラミング操作が完了する。
【0035】
本発明では、三次電子衝突の原理をベースに、横方向及び縦方向の電界を形成することで、プログラミングブロックのゲート電圧を20V程度から10V以下まで低下させられるとともに、プログラミング時間をミリ秒レベルからマイクロ秒レベルまで短縮させられる。よって、従来のNAND型フラッシュの記憶アレイがプログラミング時に直面する電圧が高く時間が長すぎるとの課題を効果的に改良可能である。これにより、メモリセルの使用寿命が伸び、プログラミング効率が向上するとともに、消費電力が低下する。
【0036】
以上述べたように、本発明では、NAND型フラッシュメモリのプログラミング方法を提供する。当該方法は、NAND型フラッシュメモリアレイを提供し、プログラミング対象であるメモリセルを初期化するステップS1と、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインにドレイン電圧を印加し、前記プログラミング対象であるメモリセルのソースをフローティングとするステップS2と、前記プログラミング対象であるメモリセルのゲートにプログラミング電圧を印加し、第1期間だけ維持したあと、前記プログラミング対象であるメモリセルの各端における電圧を放出することでプログラミングを完了するステップS3とを少なくとも含み、前記プログラミング対象であるメモリセルのドレインと基板との電圧差は4V以上とし、前記第1期間は100μs以下とし、前記プログラミング電圧は10V以下とする。本発明におけるNAND型フラッシュメモリのプログラミング方法では、初期化後にドレイン電圧を印加し、ソースにフローティング処理を施したあと、プログラミング電圧を印加してプログラミングを完了する。これにより、プログラミング時のゲート電圧は従来のトンネル(F-N)プログラミング方式のゲート電圧よりも遥かに小さくなり、プログラミング時間も短縮される。よって、効果的にメモリセルの使用寿命を伸ばし、プログラミング効率を向上させられるほか、消費電力も低下させられる。従って、本発明によれば、従来技術における様々な欠点が効果的に解消されるため、産業上の利用価値を有する。
【0037】
上記の実施例は本発明の原理と効果を例示的に説明するものにすぎず、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する者であれば、本発明の精神及び範疇を逸脱しないことを前提に、上記の実施例を補足又は変形することが可能である。従って、当業者が本発明で開示する精神及び技術思想を逸脱することなく完了するあらゆる等価の補足又は変形は、依然として本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 NAND型フラッシュメモリアレイ
11 プログラミング対象であるメモリセル
S1~S3 ステップ
【外国語明細書】