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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047514
(43)【公開日】2022-03-24
(54)【発明の名称】動画配信装置及び動画配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20220316BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220316BHJP
   H04N 21/266 20110101ALI20220316BHJP
【FI】
H04N21/235
G06Q30/02 350
H04N21/266
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145407
(22)【出願日】2021-09-07
(62)【分割の表示】P 2020153218の分割
【原出願日】2020-09-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】520169568
【氏名又は名称】株式会社TRIVE GROUP
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】籔本 崇
(72)【発明者】
【氏名】竹口 輝
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164MB01S
5C164SA52S
5C164SB08P
5C164SB29S
5C164SC01P
5C164SD12S
5C164UD11S
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】動画配信装置及び動画配信プログラムにおいて、動画の視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
【解決手段】動画配信装置100は、配信ユーザ端末200から受信した動画を視聴ユーザ端末300に配信する。動画配信装置100は、動画において、視聴ユーザ端末300により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部12を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え、
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記視聴ユーザ端末における前記動画の再生位置が前記無料区間において予め設定された第1予定位置になった場合に、前記動画の再生位置が次の前記制限区間に到達するまでの残り時間を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む、動画配信装置。
【請求項2】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、
前記視聴ユーザ端末に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部と、
前記情報付加部により前記動画に紐づけられるべき前記付加情報を指定する指定情報を前記配信ユーザ端末から受信する指定情報受信部と、
前記指定情報により前記付加情報として指定されるべき、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする装置レコメンド情報を前記配信ユーザ端末に送信する装置レコメンド部と、を備え、
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報を含み、
前記情報付加部は、前記課金処理部により前記課金処理が受け付けられた場合に、前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項を緩和した前記付加情報を前記動画に紐づけ、
前記指定情報は、前記付加情報として、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含む、動画配信装置。
【請求項3】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、
前記視聴ユーザ端末に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部と、
前記情報付加部により前記動画に紐づけられるべき前記付加情報を指定する指定情報を前記配信ユーザ端末から受信する指定情報受信部と、
前記指定情報により前記付加情報として指定されるべき、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする視聴ユーザレコメンド情報を前記視聴ユーザ端末から受信し、受信した前記視聴ユーザレコメンド情報を前記配信ユーザ端末に送信する視聴ユーザレコメンド部と、を備え、
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報を含み、
前記情報付加部は、前記課金処理部により前記課金処理が受け付けられた場合に、前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項を緩和した前記付加情報を前記動画に紐づけ、
前記指定情報は、前記付加情報として、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含む、動画配信装置。
【請求項4】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画の前記全区間における前記無料区間及び前記制限区間を、前記無料区間と前記制限区間との長さの比に応じた第1態様で前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む、動画配信装置。
【請求項5】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画の前記全区間における前記無料区間及び前記制限区間を、前記無料区間と前記制限区間との長さの比に応じない第2態様で前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む、動画配信装置。
【請求項6】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置であって、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画を、第1デザイン、又は、前記第1デザインとは異なる第2デザインのいずれかのデザインを選択して、前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む、動画配信装置。
【請求項7】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え、
前記付加情報が、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記視聴ユーザ端末における前記動画の再生位置が前記無料区間において予め設定された第1予定位置になった場合に、前記動画の再生位置が次の前記制限区間に到達するまでの残り時間を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【請求項8】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、
前記視聴ユーザ端末に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部と、
前記情報付加部により前記動画に紐づけられるべき前記付加情報を指定する指定情報を前記配信ユーザ端末から受信する指定情報受信部と、
前記指定情報により前記付加情報として指定されるべき、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする装置レコメンド情報を前記配信ユーザ端末に送信する装置レコメンド部と、を備え、
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報を含み、
前記情報付加部は、前記課金処理部により前記課金処理が受け付けられた場合に、前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項を緩和した前記付加情報を前記動画に紐づけ、
前記指定情報が、前記付加情報として、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【請求項9】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、
前記視聴ユーザ端末に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部と、
前記情報付加部により前記動画に紐づけられるべき前記付加情報を指定する指定情報を前記配信ユーザ端末から受信する指定情報受信部と、
前記指定情報により前記付加情報として指定されるべき、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする視聴ユーザレコメンド情報を前記視聴ユーザ端末から受信し、受信した前記視聴ユーザレコメンド情報を前記配信ユーザ端末に送信する視聴ユーザレコメンド部と、を備え、
前記付加情報は、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報を含み、
前記情報付加部は、前記課金処理部により前記課金処理が受け付けられた場合に、前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項を緩和した前記付加情報を前記動画に紐づけ、
前記指定情報が、前記付加情報として、前記制限区間の長さ、前記無料区間から前記制限区間に切り替わるタイミング、前記制限区間から前記無料区間に切り替わるタイミング、及び、前記課金処理において前記視聴ユーザ端末に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【請求項10】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え
前記付加情報が、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画の前記全区間における前記無料区間及び前記制限区間を、前記無料区間と前記制限区間との長さの比に応じた第1態様で前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【請求項11】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え、
前記付加情報が、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画の前記全区間における前記無料区間及び前記制限区間を、前記無料区間と前記制限区間との長さの比に応じない第2態様で前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【請求項12】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置のコンピュータを、
前記動画において、前記視聴ユーザ端末により当該動画が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間を設定する区間設定部と、
付加情報を前記動画に紐づける情報付加部と、を備え、
前記付加情報が、前記区間設定部により設定された前記制限区間における前記動画の再生内容の制限事項に関する情報と、前記動画の全区間における前記無料区間、前記制限区間、及び再生位置を前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、前記動画を、第1デザイン、又は、前記第1デザインとは異なる第2デザインのいずれかのデザインを選択して、前記視聴ユーザ端末に表示させる情報と、を含む動画配信装置として機能させる、動画配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動画配信装置及び動画配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
配信ユーザ端末から受信した動画を視聴ユーザ端末に配信する動画配信装置が知られている。例えば特許文献1には、配信ユーザ端末から受信した複数の動画のサムネイルを視聴ユーザ端末の画面に好適に配置することで、視聴ユーザが視聴対象の動画を容易に選択することができる動画配信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-186042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の動画配信装置では、視聴ユーザ端末に動画を配信する場合、無料で当該動画の全ての内容を視聴可能とするか、無料では当該動画の内容の少なくとも一部を制限するか、を択一的に選択することとなり、動画の視聴に関する制限の設定の自由度に改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示は、動画の視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、配信ユーザ端末(200)から受信した動画(M)を視聴ユーザ端末(300)に配信する動画配信装置(100)であって、動画(M)において、視聴ユーザ端末(300)により当該動画(M)が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間(F)、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間(R)を設定する区間設定部(12)を備えている。
【0007】
この動画配信装置(100)によれば、視聴ユーザ端末(300)に配信される動画(M)において無料で当該動画(M)の全ての内容を視聴可能な無料区間(F)と、無料では当該動画(M)の内容の少なくとも一部が制限される制限区間(R)と、を併存させることが可能となる。よって、この動画配信装置(100)によれば、動画(M)の視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
【0008】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、付加情報を動画(M)に紐づける情報付加部(13)を備え、付加情報は、区間設定部(12)により設定された制限区間(R)における動画(M)の再生内容の制限事項に関する情報を含んでいてもよい。これによれば、上述した動画配信装置(100)の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、制限区間(R)における動画(M)の再生内容の制限事項は、動画(M)の音声の制限、及び、動画(M)の映像の制限の少なくともいずれかを含んでいてもよい。これによれば、動画(M)の再生内容を制限することを具体的に実現することができる。
【0010】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、視聴ユーザ端末(300)における動画(M)の再生位置(P)が無料区間(F)において予め設定された第1予定位置になった場合に、動画(M)の再生位置(P)が次の制限区間(R)に到達するまでの残り時間を視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、間もなく無料区間(F)から制限区間(R)に移行して動画(M)の再生内容が制限されることを視聴ユーザに認識させることができる。
【0011】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、視聴ユーザ端末(300)に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部(14)を備え、情報付加部(13)は、課金処理部(14)により課金処理が受け付けられた場合に、制限区間(R)における動画(M)の再生内容の制限事項を緩和した付加情報を動画(M)に紐づけてもよい。これによれば、料金を支払うことで動画(M)の再生内容の制限を緩和することを具体的に実現することができる。
【0012】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、情報付加部(13)により動画(M)に紐づけられるべき付加情報を指定する指定情報を配信ユーザ端末(200)から受信する指定情報受信部(15)を備え、指定情報は、付加情報として、制限区間(R)の長さ、無料区間(F)から制限区間(R)に切り替わるタイミング、制限区間(R)から無料区間(F)に切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末(300)に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含んでいてもよい。これによれば、配信ユーザの意に沿った内容で、動画(M)の再生内容を制限することができる。
【0013】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間(R)の長さ、無料区間(F)から制限区間(R)に切り替わるタイミング、制限区間(R)から無料区間(F)に切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末(300)に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする装置レコメンド情報を配信ユーザ端末(200)に送信する装置レコメンド部(16)を備えていてもよい。これによれば、この装置が、動画(M)の再生内容の具体的な制限を配信ユーザに提案することができる。
【0014】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間(R)の長さ、無料区間(F)から制限区間(R)に切り替わるタイミング、制限区間(R)から無料区間(F)に切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末(300)に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする視聴ユーザレコメンド情報を視聴ユーザ端末(300)から受信し、受信した視聴ユーザレコメンド情報を配信ユーザ端末(200)に送信する視聴ユーザレコメンド部(17)を備えていてもよい。これによれば、視聴ユーザが、動画(M)の再生内容の具体的な制限を配信ユーザに提案することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、課金処理部(14)は、視聴ユーザ端末(300)に対して付与される利用ポイントを管理し、利用ポイントに応じて、金銭に代えて利用ポイントを用いた課金処理を自動的に受け付けてもよい。これによれば、課金処理に利用可能なポイントを付与することで、視聴ユーザによる動画配信装置(100)の利用を促進することができる。
【0016】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、課金を促す課金受付表示(C)を視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0017】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、視聴ユーザ端末(300)における動画(M)の再生位置(P)が予め設定された第2予定位置になった場合に、課金受付表示(C)を視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、好適なタイミングで、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0018】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、第2予定位置は、無料区間(F)において制限区間(R)に切り替わる前の予め設定されたタイミングであってもよい。これによれば、好適なタイミングで、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0019】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、課金受付表示(C)を視聴ユーザ端末(300)に表示させる際に、課金処理部(14)により課金処理が受け付けられた場合に動画(M)の再生内容の制限事項が緩和されることとなる制限区間(R)の内容に関する情報を、課金受付表示(C)とともに視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、課金することのメリットを視聴ユーザに伝達することができる。
【0020】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、区間設定部(12)は、動画(M)において、無料区間(F)である第1無料区間(F1)、当該第1無料区間(F1)の後に続く制限区間(R)、及び、当該制限区間(R)の後に続く無料区間(F)である第2無料区間(F2)を設定してもよい。これによれば、上述した動画配信装置(100)の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0021】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、必要な課金処理が課金処理部(14)により受け付けられない場合に、動画(M)において、第1無料区間(F1)の後に続いて第2無料区間(F2)を再生させる情報を含んでいてもよい。これによれば、上述した動画配信装置(100)の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0022】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、動画(M)の全区間における無料区間(F)、制限区間(R)、及び再生位置(P)を視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、無料区間(F)及び制限区間(R)と現在の再生位置(P)との時間的な関係を視聴ユーザに認識させることができる。
【0023】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、動画(M)の全区間における無料区間(F)及び制限区間(R)を、無料区間(F)と制限区間(R)との長さの比に応じた第1態様で、視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、無料区間(F)及び制限区間(R)と現在の再生位置(P)との時間的な関係を、直感的な態様で、視聴ユーザに認識させることができる。
【0024】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、動画(M)の全区間における無料区間(F)及び制限区間(R)を、無料区間(F)と制限区間(R)との長さの比に応じない第2態様で、視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、無料区間(F)及び制限区間(R)と現在の再生位置(P)との時間的な関係を、視認しやすい態様で、視聴ユーザに認識させることができる。
【0025】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、付加情報は、動画(M)を、第1デザイン、又は、第1デザインとは異なる第2デザインのいずれかのデザインを選択して、視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報を含んでいてもよい。これによれば、条件に応じたデザインで動画(M)を視聴ユーザ端末(300)に表示させることができる。
【0026】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、情報付加部(13)は、視聴ユーザ端末(300)ごとに異なる付加情報を動画(M)に紐づけてもよい。これによれば、視聴ユーザ端末300(あるいは、視聴ユーザ)に応じたデザインで動画(M)を視聴ユーザ端末(300)に表示させることができる。
【0027】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、動画(M)を配信された視聴ユーザ端末(300)から当該動画(M)に対する反響情報を受け付ける反響受付部(18)を備え、情報付加部(13)は、反響受付部(18)により受け付けられた反響情報を付加情報として動画(M)に紐づけ、反響受付部(18)は、動画(M)の無料区間(F)と制限区間(R)とでは受付可能な反響情報の種類が互いに異なっていてもよい。これによれば、上述した動画配信装置(100)の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0028】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、情報付加部(13)は、反響受付部(18)により受け付けられた反響情報が動画(M)に対するコメントである場合に、当該コメントを視聴ユーザ端末(300)に表示させる情報、及び、当該コメントを視聴ユーザ端末(300)に音声出力させる情報を、付加情報として動画(M)に紐づけてもよい。これによれば、視聴ユーザのコメントを容易に知得させることができる。
【0029】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)は、動画(M)を配信された視聴ユーザ端末(300)から当該動画(M)に関する反応を得た程度である反応度を取得する反応度管理部(19)を備え、反応度管理部(19)は、反応度を配信ユーザ端末(200)に表示させる情報である反応度情報を配信ユーザ端末(200)に送信してもよい。これによれば、配信ユーザ端末(200)から受信した動画(M)に対する視聴ユーザの反応の程度を配信ユーザに伝達することができる。
【0030】
本開示の一態様に係る動画配信装置(100)では、反応度管理部(19)は、動画(M)の無料区間(F)に対する反応度である第1反応度、及び、動画(M)の制限区間(R)に対する反応度である第2反応度を取得し、反応度情報は、第1反応度及び第2反応度を配信ユーザ端末(200)に表示させる情報であってもよい。これによれば、無料区間(F)と制限区間(R)とに分けて、配信ユーザ端末(200)から受信した動画(M)に対する視聴ユーザの反応の程度を配信ユーザに伝達することができる。
【0031】
本開示の一態様に係る動画配信プログラムは、配信ユーザ端末(200)から受信した動画(M)を視聴ユーザ端末(300)に配信する動画配信装置(100)のコンピュータを、動画(M)において、視聴ユーザ端末(300)により当該動画(M)が無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間(F)、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間(R)を設定する区間設定部(12)として機能させる。
【0032】
この動画配信プログラムによれば、視聴ユーザ端末(300)に配信される動画(M)において無料で当該動画(M)の全ての内容を視聴可能な無料区間(F)と、無料では当該動画(M)の内容の少なくとも一部が制限される制限区間(R)と、を併存させることが可能となる。よって、この動画配信プログラムによれば、動画(M)の視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
【0033】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0034】
このように、本開示に係る動画配信装置及び動画配信プログラムは、動画の視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本実施形態に係る動画配信装置を示すブロック図である。
図2図2は、視聴ユーザ端末のディスプレイに表示される動画を示す図である。
図3図3は、視聴ユーザ端末のディスプレイに課金受付表示とともに表示される動画を示す図である。
図4図4は、動画配信装置による動画の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0037】
[動画配信装置]
図1は、本実施形態に係る動画配信装置100を示すブロック図である。図2は、視聴ユーザ端末300のディスプレイに表示される動画Mを示す図である。図1及び図2に示されるように、動画配信装置100は、配信ユーザ端末200及び視聴ユーザ端末等の別の機器との間で通信(例えば無線通信)可能に構成されており、配信ユーザ端末200から受信した動画Mを視聴ユーザ端末に配信する装置である。具体的には、動画配信装置100は、配信ユーザ端末200から受信した動画Mを記憶装置(不図示)に記憶し、視聴ユーザ端末からの要求に応じて当該動画Mを視聴ユーザ端末に配信(送信)する。「配信ユーザ端末から受信した動画」とは、動画配信装置100が配信ユーザ端末200と直接的に通信することにより取得した動画(すなわち、配信ユーザ端末200により送信された後に、他の機器を介さずに、動画配信装置100が受信した動画)であってもよく、動画配信装置100が配信ユーザ端末200と間接的に通信することにより取得した動画(すなわち、配信ユーザ端末200により送信され、他の機器により受信され、さらに当該他の機器により送信された後に、動画配信装置100が受信した動画)であってもよい。動画配信装置100は、複数の配信ユーザ端末200と通信可能であってもよく、また、複数の視聴ユーザ端末と通信可能であってもよい。
【0038】
動画Mは、少なくとも映像を含んでおり、ここでは映像に加えて音声を含んでいる。また、動画Mは、単一のデータとして構成されていてもよく、連続して再生される複数のデータとして構成されていてもよい。動画Mが連続して再生される複数のデータとして構成されている場合、当該動画Mにおいては、各データに対して同一のタイトルが付されていてもよい。「タイトル」とは、後述する視聴ユーザが動画Mを視聴するときに認識することができるデータ名等である。動画Mは、アーカイブ動画等であってもよく、ライブ配信(動画ライブ配信)又は生放送される動画であってもよい。「アーカイブ動画」とは、サーバ等の記憶装置に一旦記憶された後に配信される動画を意味する。なお、動画Mは、ライブ配信又は生放送される動画を除く動画(例えば、アーカイブ動画)に限定されてもよい。
【0039】
動画配信装置100は、配信ユーザ端末200から受信した動画Mに付加情報を紐づける(付加情報について、詳しくは後述する。)。そして、動画Mに紐づけられた付加情報は、当該動画Mが視聴ユーザ端末300に送信されるときに当該動画Mとともに視聴ユーザ端末300に送信される。視聴ユーザ端末300に送信された動画Mは、例えば視聴ユーザ端末300にインストールされたプログラムの処理に従って視聴ユーザ端末300のディスプレイに表示される。このとき、動画Mとともに視聴ユーザ端末300に送信された付加情報は、例えば視聴ユーザ端末300のディスプレイにおける動画Mの表示態様の変更等といった付加的な機能を視聴ユーザ端末300に提供する。
【0040】
「配信ユーザ端末」とは、配信ユーザ(動画Mの配信者)側のユーザ端末である。配信ユーザ端末200は、入力装置3及び出力装置4を備え、別の機器との間で通信(例えば無線通信)可能な機器であればよく、例えばスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよい。ここでは、配信ユーザ端末200としてスマートフォンが例示されている。同様に、「視聴ユーザ端末」とは、視聴ユーザ(動画Mの視聴者)側のユーザ端末である。視聴ユーザ端末300は、入力装置6及び出力装置7を備え、別の機器との間で通信(例えば無線通信)可能な機器であればよく、例えばスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよい。ここでは、視聴ユーザ端末300としてスマートフォンが例示されている。
【0041】
配信ユーザ端末200を使用等する配信ユーザ端末、及び、視聴ユーザ端末300を使用等する視聴ユーザ端末は、動画配信装置100により提供されるサービスに関してアカウントを取得することができてもよい。また、配信ユーザ及び視聴ユーザは、動画配信装置100により提供されるサービスに関して課金を実行することができてもよい。「課金」とは、受けることができるサービスの範囲を拡大するために金銭等を支払うこと(又は、金銭等を支払うことを予定すること)を意味する。課金は、例えば動画配信装置100により提供されるサービスの特定の画面からクレジットカード払いにより実行可能であってもよい。配信ユーザ及び視聴ユーザは、アカウントを取得しているか否か、アカウントを取得した上でログインしているか否か、課金を実行しているか否か等の条件に応じて、受けることができるサービスの範囲が異なる。
【0042】
視聴ユーザは、自分のアカウント上で特定の配信ユーザ(クリエイターともいう)を登録することで、当該配信ユーザにより配信された動画に容易にアクセスできたり、当該配信ユーザに関連付けられた条件での課金を実行可能となったりする。また、配信ユーザは、自分のアカウント上で特定の配信ユーザ(クリエイターともいう)を登録することで、当該クリエイターに関する通知(例えば、情報更新の連絡)を受領することができる。
【0043】
動画配信装置100は、配信ユーザ端末200及び視聴ユーザ端末300のそれぞれと通信可能なサーバ(コンピュータ)として構成されている。動画配信装置100は、物理的な構成として制御演算装置、記憶装置、入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラ1により構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。
【0044】
動画配信装置100は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。なお、動画配信装置100は、コンピュータとして構成されていればよく、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0045】
動画配信装置100のコントローラ1は、機能的には、動画受信部10、動画配信部11、区間設定部12、情報付加部13、課金処理部14、指定情報受信部15、装置レコメンド部16、視聴ユーザレコメンド部17、反響受付部18、及び反応度管理部19を備えている。
【0046】
動画受信部10は、配信ユーザ端末200により送信された動画Mを受信する。動画受信部10は、例えば配信ユーザが作成した動画Mが配信ユーザ端末200によりアップロードされることで、当該動画Mを受信してもよい。動画受信部10は、複数の配信ユーザ端末200から動画Mを受信してもよい。
【0047】
動画配信部11は、動画受信部10により受信した動画Mを、視聴ユーザ端末300に配信する。動画配信部11は、例えば視聴ユーザが視聴を希望する動画Mが視聴ユーザ端末300にダウンロードされることで、当該動画Mを配信(又は、ストリーミング配信)してもよい。動画配信部11は、複数の視聴ユーザ端末300に動画Mを配信してもよい。動画配信部11は、後述する付加情報が動画Mに紐づけられている場合には、動画Mと併せて当該動画Mに紐づけられた付加情報を視聴ユーザ端末300に送信する。
【0048】
区間設定部12は、動画配信装置100により受信した動画Mにおいて、無料区間F及び制限区間Rを設定する。「無料区間」とは、視聴ユーザ端末300により当該動画Mが無料で再生される際に再生内容が制限されない区間である。「制限区間」とは、視聴ユーザ端末300により当該動画Mが無料で再生される際に再生内容の少なくとも一部が制限される区間である。ここで、「区間」とは、動画Mが再生される際の時間軸上において特定され得る時間範囲(期間)である。
【0049】
区間設定部12は、機能的に、動画Mにおいて無料区間Fを設定する無料区間設定部12a、及び、動画Mにおいて制限区間Rを設定する制限区間設定部12bを有している。なお、区間設定部12は、無料区間設定部12aのみを有することとして、動画Mにおいて無料区間Fに設定された区間以外の区間を制限区間Rとしてもよい。あるいは、区間設定部12は、制限区間設定部12bのみを有することとして、動画Mにおいて制限区間Rに設定された区間以外の区間を無料区間Fとしてもよい。
【0050】
区間設定部12は、動画Mにおいて、一又は複数の無料区間Fを設定可能であり、また、一又は複数の制限区間Rを設定可能である。ここでは、区間設定部12が二の無料区間F及び一の制限区間Rを設定する場合を例示する。すなわち、ここでは、区間設定部12は無料区間Fである第1無料区間F1、当該第1無料区間F1の後に続く制限区間R、及び、当該制限区間Rの後に続く無料区間Fである第2無料区間F2を設定する。
【0051】
制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項は、後述する情報付加部13によって動画Mに紐づけられる付加情報によって指定される。例えば、制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項は、動画Mの音声の制限、及び、動画Mの映像の制限の少なくともいずれかを含んでもよい。なお、「音声の制限」とは、視聴ユーザ端末300において動画Mの音声の少なくとも一部の出力を制限することを意味し、例えば、少なくとも一部の音声の出力を禁止することであってもよく、少なくとも一部の音声の品質(音質)を低下させることであってもよい。また、「映像の制限」とは、視聴ユーザ端末300において動画Mの映像の少なくとも一部の再生を制限することを意味し、例えば、少なくとも一部の映像の再生を禁止することであってもよく、少なくとも一部の映像の品質(画質)を低下させることであってもよい。付加情報は、必要な課金処理が後述する課金処理部14により受け付けられない場合に、動画Mにおいて、第1無料区間F1の後に続いて第2無料区間F2を再生させる情報を含んでもよい。すなわち、必要な課金処理が後述する課金処理部14により受け付けられない場合には、動画Mの制限区間Rを視聴ユーザが視聴することができないように、制限区間Rにおける動画Mの映像及び音声の全てが制限されてもよい。
【0052】
情報付加部13は、付加情報を動画Mに紐づける。ここで、「付加情報」とは、視聴ユーザ端末300において動画Mが再生される際に、視聴ユーザ端末300において付加的に実行される処理を指示する情報である。付加情報には、詳細には、順次後述するように種々の内容が含まれ得る。例えば、付加情報は、区間設定部12により設定された制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項に関する情報を含んでいてもよい。
【0053】
「付加情報を動画に紐づける」とは、動画配信装置100から視聴ユーザ端末300に動画Mが配信される際に、当該動画とともに付加情報が視聴ユーザ端末300に送信される状態とされることを意味している。例えば、情報付加部13は、動画Mと付加情報とを互いに関連付けて記憶し、視聴ユーザ端末300からの当該動画Mの配信要求に応じて、動画配信部11は当該動画Mとともに付加情報を視聴ユーザ端末300に配信(送信)してもよい。この場合、例えば予め視聴ユーザ端末300には付加情報に係る処理を実行可能なブラウザ等がインストールされており、視聴ユーザ端末300側において付加情報に係る処理が実現されてもよい。あるいは、情報付加部13は、付加情報に基づいて動画Mを改変した状態で記憶し、視聴ユーザ端末300からの当該動画Mの配信要求に応じて、動画配信部11は付加情報に基づいて改変された当該動画Mを視聴ユーザ端末300に配信してもよい。この場合、必ずしも視聴ユーザ端末300には付加情報に係る処理を実行可能なブラウザ等がインストールされていなくてもよく、動画配信装置100側において付加情報に係る処理が実現されてもよい。
【0054】
情報付加部13は、時系列情報Tを視聴ユーザ端末300に表示させてもよい。この場合、付加情報は、時系列情報Tを視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。「時系列情報」とは、動画Mが再生される際の時間軸に関する情報である。具体的には時系列情報Tは、動画Mの少なくとも一部の区間における無料区間F、制限区間R、及び再生位置Pを含んでいてもよい。ここでは、時系列情報Tは、動画Mの全区間における無料区間F、制限区間R、及び再生位置Pを含んでいる。時系列情報Tにおいては、無料区間F及び制限区間Rは帯状のバー(再生バー)として表示されてもよく、円状に表示されてもよい。無料区間F及び制限区間Rは、例えば、時系列情報Tの表示における色、形状、大きさが異なることによって識別可能とされていてもよい。再生位置Pは、時系列情報Tの表示上の位置を指示することによって表示されてもよい。
【0055】
ここで、付加情報は、動画Mの少なくとも一部の区間(例えば、全区間)における無料区間F及び制限区間Rを、無料区間Fと制限区間Rとの長さの比に応じた第1態様で、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。つまり、例えば、時系列情報Tが再生バーとして表示される場合において、無料区間Fと制限区間Rとの時間の長さの比がa:bであるときに、再生バーにおける無料区間Fの部分の長さと制限区間Rの部分の長さの比がa:bとなるような態様(第1態様)で表示されてもよい。
【0056】
あるいは、付加情報は、動画Mの少なくとも一部の区間(例えば、全区間)における無料区間F及び制限区間Rを、無料区間Fと制限区間Rとの長さの比に応じない第2態様で、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。つまり、例えば、時系列情報Tが再生バーとして表示される場合において、無料区間Fと制限区間Rとの時間の長さの比がa:bであるときに、再生バーにおける無料区間Fの部分の長さと制限区間Rの部分の長さの比がa:c(cはbと異なる)となるような態様(第2態様)で表示されてもよい。
【0057】
情報付加部13は、付加情報として、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるまでのカウントダウンを実行させる情報を動画Mに紐づけてもよい。この場合、付加情報は、視聴ユーザ端末300における動画Mの再生位置Pが無料区間Fにおいて予め設定された第1予定位置になった場合に、動画Mの再生位置Pが次の制限区間Rに到達するまでの残り時間を視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでもよい。第1予定位置は、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミングよりも所定時間前(例えば10秒前)であってもよい。
【0058】
情報付加部13は、視聴ユーザ端末300ごとに異なる付加情報を動画Mに紐づけてもよい。この場合、各視聴ユーザ端末300において動画Mに紐づけられる付加情報の設定は、動画配信装置100が自動で行ってもよく、配信ユーザが配信ユーザ端末200を介して手動で行ってもよい。なお、「視聴ユーザ端末ごとに異なる付加情報を動画に紐づける」とは、例えば全ての視聴ユーザ端末300において全ての付加情報が共通して動画Mに紐づけられた上で、視聴ユーザ端末300ごとに機能がアクティブ化される付加情報が異なる場合も含む。
【0059】
情報付加部13は、動画Mを、複数のデザインから選択したデザインで視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。例えば、情報付加部13は、動画Mを、第1デザイン又は第2デザインのいずれかのデザインを選択して、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。この場合、第2デザインは、第1デザインとは異なるデザインである。このようなデザインの選択は、動画Mにおいて対象とされる区間が無料区間Fであるか制限区間Rであるかに応じて行われてもよく、必要な課金処理が課金処理部14により受け付けられたか否かに応じて行われてもよく、配信ユーザ(配信ユーザ端末200)、視聴ユーザ(視聴ユーザ端末300)、又は動画Mの属性に応じて行われてもよい。複数のデザインは、画面の表示色、装飾態様、コメント等の表示態様、画面テーマ等が互いに相違していてもよい。
【0060】
課金処理部14は、視聴ユーザ端末300に関連付けられた課金処理を受け付ける。「視聴ユーザ端末に関連付けられた課金処理」とは、視聴ユーザ端末300に配信される動画Mの再生に関して視聴ユーザ等に対して実行される課金処理であり、例えばクレジットカード等によって実行されてもよい。また、課金処理は、視聴ユーザ端末300を介して実行される課金処理に限らず、視聴ユーザ又は視聴ユーザ端末300を特定して別途金銭等が支払われる(銀行振込等)ことで実行されてもよい。課金処理部14は、例えば、外部の課金サーバ400と通信することによって課金処理を実行する。
【0061】
あるいは、課金処理は、視聴ユーザ端末300に蓄積された利用ポイント等によって実行されてもよい。すなわち、課金処理部14は、例えば動画配信装置100の利用等によって視聴ユーザ端末300に対して付与される利用ポイントを管理し、利用ポイントに応じて、金銭に代えて利用ポイントを用いた課金処理を実行してもよい。この場合、課金処理部14は、利用ポイントが必要量以上蓄積されている視聴ユーザ端末300に対しては、金銭に代えて利用ポイントを用いた課金処理を自動的に受け付けてもよい。
【0062】
課金処理部14により課金処理が受け付けられた場合に、情報付加部13は、制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項を緩和した付加情報を動画Mに紐づけてもよい。つまり、課金処理を行うことにより、課金処理を行わない場合と比較して、視聴ユーザ端末300において制限区間Rでの動画Mの再生内容の制限事項が緩和されてもよい。「動画の再生内容の制限事項が緩和される」とは、制限事項の全てが撤廃されることを意味してもよく、制限事項の一部が撤廃されることを意味してもよい。
【0063】
図3は、視聴ユーザ端末300のディスプレイに課金受付表示Cとともに表示される動画Mを示す図である。図2及び図3に示されるように、課金処理に関して、付加情報は以下の情報を含んでいてもよい。すなわち、付加情報は、課金を促す課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいてもよい。課金受付表示Cは、課金の条件が示されたボタン(タッチパネル上に表示されたボタン)であってもよい。課金受付表示Cが操作されることにより、視聴ユーザ端末300が動画配信装置100と通信して、視聴ユーザ端末300から動画配信装置100に課金処理の要求が送信される。動画配信装置100は、課金処理部14により課金処理を受け付けると、課金サーバ400と通信して課金処理を実行する。
【0064】
このとき、付加情報は、視聴ユーザ端末300における動画Mの再生位置Pが予め設定された第2予定位置になった場合に、課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300のディスプレイに表示させる情報を含んでいてもよい。「第2予定位置」は、無料区間Fにおいて制限区間Rに切り替わる前の予め設定されたタイミングであってもよい。ここで、「無料区間において制限区間に切り替わる前の予め設定されたタイミング」とは、無料区間Fから制限区間Rに切り替わる時点よりも所定時間前のタイミングであってもよく、無料区間Fから制限区間Rに切り替わる時点にかかわらず、再生位置Pの現在位置又は動画Mの開始時点からの経過時間に応じて設定されるタイミングであってもよい。
【0065】
また、付加情報は、課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300に表示させる際に、誘引情報を課金受付表示Cとともに視聴ユーザ端末300のディスプレイに表示させる情報を含んでいてもよい。「誘引情報」とは、課金処理部14により課金処理が受け付けられた場合に動画Mの再生内容の制限事項が緩和されることとなる制限区間Rの内容に関する情報である。具体的には、誘引情報は、制限区間Rの内容に関する解説又はコメントであってもよく、制限区間Rの動画の一部であってもよい。
【0066】
図1及び図2に戻り、指定情報受信部15は、指定情報を配信ユーザ端末200から受信する。「指定情報」とは、情報付加部13により動画Mに紐づけられるべき付加情報を指定する情報である。指定情報は、付加情報として、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含んでいてもよい。
【0067】
装置レコメンド部16は、装置レコメンド情報を配信ユーザ端末200に送信する。「装置レコメンド情報」とは、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする情報である。また、「レコメンドする」とは、例えば推奨される内容を提案することを意味する。装置レコメンド部16は、予め設定された条件が満たされたときに、自動的に、装置レコメンド情報を生成して配信ユーザ端末200に送信してもよい。ここで、「レコメンド」の態様としては、例えば配信ユーザ端末200のディスプレイに情報を表示するものであってもよい。
【0068】
装置レコメンド部16は、予め設定された指標に基づいて、装置レコメンド情報を生成してもよい。指標としては、例えば、動画Mの再生数、動画Mに対するコメント数、動画Mの視聴維持率、プラットフォーム全体の情報、他の動画からの情報等が適宜採用され得る。
【0069】
視聴ユーザレコメンド部17は、視聴ユーザレコメンド情報を視聴ユーザ端末300から受信し、受信した視聴ユーザレコメンド情報を配信ユーザ端末200に送信する。「視聴ユーザレコメンド情報」とは、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする情報である。視聴ユーザレコメンド部17は、視聴ユーザ端末300から受信した動画Mに対する視聴ユーザレコメンド情報を、当該動画Mの配信元である配信ユーザ端末200に送信する。ここで、「レコメンド」の態様としては、例えば配信ユーザ端末200のディスプレイに情報を表示するものであってもよい。
【0070】
反響受付部18は、動画Mを配信された視聴ユーザ端末300から当該動画Mに対する反響情報を受け取る。「反響情報」とは、動画Mに対する視聴ユーザからのリアクションを示す情報である。具体的には、反響情報とは、動画Mを視聴した視聴ユーザが視聴ユーザ端末300から動画配信装置100に送信するコメント、画像、又はスタンプであってもよい。反響受付部18は、動画Mの無料区間Fと制限区間Rとでは、受付可能な反響情報が互いに異なっていてもよい。一例として、反響受付部18は、動画Mの無料区間Fではコメント、画像、及びスタンプを反響情報として受付可能であり、動画Mの制限区間Rでは画像及びスタンプを反響情報として受付可能であってもよい。あるいは、反響受付部18においては、動画Mの無料区間Fにおいて反響情報として受付可能なコメントの使用語句(許容ワード)が、動画Mの制限区間Rにおいて反響情報として受付可能なコメントの使用語句(許容ワード)よりも多種に設定されていてもよい。なお、反響受付部18が受付可能な反響情報は、無料区間Fと比較して、必要な課金処理が課金処理部14により受け付けられた場合における制限区間Rでは広範囲に設定されていてもよい(すなわち、受付可能な反響情報の種類が多くてもよい。)。例えば、反響情報として受付可能なコメントのワードが増やされてもよく、ディスプレイに表示されるコメントが増やされてもよい。
【0071】
反響受付部18が動画Mに対する反響情報を受け取ると、情報付加部13は、反響受付部18により受け付けられた反響情報を付加情報として動画Mに紐づける。これにより、例えば、動画Mが視聴ユーザ端末300により再度再生された場合(又は、動画Mが他の端末により新たに再生された場合)、動画Mとともに反響情報が再生されてもよい。なお、「反響情報が再生される」とは、反響情報がコメント、画像、又はスタンプである場合には、これらの反響情報が動画Mとともにディスプレイに表示されることであってもよい。
【0072】
反響受付部18により受け付けられた反響情報が動画Mに対するコメントである場合、情報付加部13は、当該コメントを視聴ユーザ端末300に表示させる情報、及び、当該コメントを視聴ユーザ端末300に音声出力させる情報を、付加情報として動画Mに紐づけてもよい。この場合、例えば、動画Mが視聴ユーザ端末300により再度再生された場合(又は、動画Mが他の端末により新たに再生された場合)、動画Mとともにコメントがディスプレイに表示され、さらにコメントが音声で読み上げられる。なお、音声出力は自動で行われてもよく、視聴ユーザ等による視聴ユーザ端末300の操作(例えば、タッチパネル上に表示された音声出力のためのボタンをタッチする操作)によって行われてもよい。
【0073】
反応度管理部19は、動画Mを配信された視聴ユーザ端末300から反応度を取得する。「反応度」とは、視聴ユーザ端末300から動画Mに関する反応を得た程度である。反応度は、例えば、動画Mの再生数、動画Mに対するコメント数、動画Mに対するギフト数、又は、動画Mに対するギフトの金額等から算出して取得されてもよい。また、視聴ユーザ端末300(すなわち、当該視聴ユーザ端末300を用いて動画Mを視聴している視聴ユーザの属性)に応じて、反応度を算出するための重みづけが変更されてもよい。
【0074】
反応度管理部19は、取得した反応度を配信ユーザ端末200のディスプレイに表示させる情報である反応度情報を配信ユーザ端末200に送信する。なお、反応度情報に基づいて配信ユーザ端末200のディスプレイに表示される反応度の表示態様は限定されず、例えば、数値による表示であってもよく、グラフによる表示であってもよい。
【0075】
反応度管理部19は、動画Mの無料区間Fと制限区間Rとに分けて、反応度を取得してもよい。すなわち、反応度管理部19は、動画Mの無料区間Fに対する反応度である第1反応度、及び、動画Mの制限区間Rに対する反応度である第2反応度を取得してもよい。この場合、反応度情報は、第1反応度及び第2反応度を配信ユーザ端末200に別個に表示させる情報であってもよい。
【0076】
[配信ユーザ端末]
配信ユーザ端末200は、ここでは上述したようにスマートフォンとして構成されており、動画配信装置100と通信可能である。配信ユーザ端末200は、物理的な構成として制御演算装置、記憶装置、入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラ2により構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置3、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力するディスプレイ及びスピーカ等の出力装置4を有している。配信ユーザ端末200は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。
【0077】
配信ユーザ端末200のコントローラ2は、機能的には、情報送受信部20を備えている。情報送受信部20は、動画配信装置100等の外部機器に対して情報を送信及び受信する。例えば、情報送受信部20は、動画配信装置100に動画M、指定情報等の各種情報を送信する。
【0078】
[視聴ユーザ端末]
視聴ユーザ端末300は、ここでは上述したようにスマートフォンとして構成されており、動画配信装置100と通信可能である。視聴ユーザ端末300は、物理的な構成として制御演算装置、記憶装置、入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラ5により構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置6、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力するディスプレイ及びスピーカ等の出力装置7を有している。視聴ユーザ端末300は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。
【0079】
視聴ユーザ端末300のコントローラ5は、機能的には、情報送受信部50、動画再生部51、及び音声出力部52を備えている。情報送受信部50は、動画配信装置100等の外部機器に対して情報を送信及び受信する。例えば、情報送受信部20は、動画配信装置100から動画M及び付加情報等を受信するとともに、動画配信装置100に視聴ユーザレコメンド情報等の各種情報を送信する。動画再生部51は、動画配信装置100から受信した動画Mの映像を、付加情報に係る処理を実行した状態で出力装置7としてのディスプレイに表示させる。音声出力部52は、動画配信装置100から受信した動画Mの音声を、付加情報に係る処理を実行した状態で出力装置7としてのスピーカから出力させる。
【0080】
[動画配信装置による処理]
動画配信装置100において実行される動画Mの処理について説明する。図4は、動画配信装置100による動画Mの処理を示すシーケンス図である。図4のステップS10において、配信ユーザ端末200は、情報送受信部20により、動画Mを動画配信装置100に送信する。動画配信装置100は、配信ユーザ端末200により送信された動画Mを動画受信部10により受信する。その後、処理はステップS12に移行する。
【0081】
ステップS12において、動画配信装置100は、動画配信装置100により受信した動画Mにおいて、無料区間F及び制限区間Rを区間設定部12により設定する(区間設定処理)。続くステップS14において、動画配信装置100は、情報付加部13により、動画配信装置100により受信した動画Mに付加情報を紐づける(情報付加処理)。その後、処理は、ステップS16に移行する。
【0082】
ステップS16において、動画配信装置100は、動画配信部11により、動画M及び当該動画Mに紐づけられた付加情報を視聴ユーザ端末300に配信(送信)する。配信ユーザ端末200は、動画配信装置100により配信された動画M及び付加情報を情報送受信部50により受信し、付加情報に係る処理を実行して動画Mを再生する。以上により、動画配信装置100において実行される動画Mの処理が完了する。なお、上記各ステップにおいて、上述した動画配信装置100の各機能が追加的に実行され得る。
【0083】
[動画配信プログラム]
コンピュータを動画配信装置100として機能させるための動画配信プログラムについて説明する。動画配信プログラムは、メインモジュール及び区間設定モジュールを備えている。メインモジュールは、コンピュータを統括的に制御する部分である。区間設定モジュールを実行させることにより実現される機能は、上述した動画配信装置100の区間設定部12の機能と同様である。これにより、動画配信プログラムは、配信ユーザ端末200から受信した動画Mを視聴ユーザ端末300に配信する動画配信装置100のコンピュータを、動画Mにおいて、視聴ユーザ端末300により当該動画Mが無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間F、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間Rを設定する区間設定部12として機能させることができる。
【0084】
なお、動画配信プログラムは、動画受信モジュール、動画配信モジュール、情報付加モジュール、課金処理モジュール、指定情報受信モジュール、装置レコメンドモジュール、視聴ユーザレコメンドモジュール、反響受付モジュール、及び反応度管理モジュールを更に備えていてもよい。この場合、動画配信プログラムは、動画受信モジュール、動画配信モジュール、情報付加モジュール、課金処理モジュール、指定情報受信モジュール、装置レコメンドモジュール、視聴ユーザレコメンドモジュール、反響受付モジュール、及び反応度管理モジュールのそれぞれを実行させることにより実現される機能は、上述した動画配信装置100の動画受信部10、動画配信部11、情報付加部13、課金処理部14、指定情報受信部15、装置レコメンド部16、視聴ユーザレコメンド部17、反響受付部18、及び反応度管理部19とそれぞれ同様である。
【0085】
[作用及び効果]
以上説明したように、動画配信装置100は、配信ユーザ端末200から受信した動画Mを視聴ユーザ端末300に配信する動画配信装置100であって、動画Mにおいて、視聴ユーザ端末300により当該動画Mが無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間F、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間Rを設定する区間設定部12を備えている。
【0086】
動画配信装置100によれば、視聴ユーザ端末300に配信される動画Mにおいて無料で当該動画Mの全ての内容を視聴可能な無料区間Fと、無料では当該動画Mの内容の少なくとも一部が制限される制限区間Rと、を併存させることが可能となる。よって、この動画配信装置100によれば動画Mの視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
【0087】
動画配信装置100は、付加情報を動画Mに紐づける情報付加部13を備え、付加情報は、区間設定部12により設定された制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項に関する情報を含んでいる。これにより、上述した動画配信装置100の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0088】
動画配信装置100では、制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項は、動画Mの音声の制限、及び、動画Mの映像の制限の少なくともいずれかを含んでいる。これにより、動画Mの再生内容を制限することを具体的に実現することができる。
【0089】
動画配信装置100では、付加情報は、視聴ユーザ端末300における動画Mの再生位置Pが無料区間Fにおいて予め設定された第1予定位置になった場合に、動画Mの再生位置Pが次の制限区間Rに到達するまでの残り時間を視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、間もなく無料区間Fから制限区間Rに移行して動画Mの再生内容が制限されることを視聴ユーザに認識させることができる。
【0090】
動画配信装置100は、視聴ユーザ端末300に関連付けられた課金処理を受け付ける課金処理部14を備え、情報付加部13は、課金処理部14により課金処理が受け付けられた場合に、制限区間Rにおける動画Mの再生内容の制限事項を緩和した付加情報を動画Mに紐づける。これにより、料金を支払うことで動画Mの再生内容の制限を緩和することを具体的に実現することができる。
【0091】
動画配信装置100は、情報付加部13により動画Mに紐づけられるべき付加情報を指定する指定情報を配信ユーザ端末200から受信する指定情報受信部15を備え、指定情報は、付加情報として、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかを指定する情報を含んでいる。これにより、配信ユーザの意に沿った内容で、動画Mの再生内容を制限することができる。
【0092】
動画配信装置100は、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする装置レコメンド情報を配信ユーザ端末200に送信する装置レコメンド部16を備えている。これにより、この装置が、動画Mの再生内容の具体的な制限を配信ユーザに提案することができる。
【0093】
動画配信装置100は、指定情報により付加情報として指定されるべき、制限区間Rの長さ、無料区間Fから制限区間Rに切り替わるタイミング、制限区間Rから無料区間Fに切り替わるタイミング、及び、課金処理において視聴ユーザ端末300に対して課金する金額の少なくともいずれかをレコメンドする視聴ユーザレコメンド情報を視聴ユーザ端末300から受信し、受信した視聴ユーザレコメンド情報を配信ユーザ端末200に送信する視聴ユーザレコメンド部17を備えている。これにより、視聴ユーザが、動画Mの再生内容の具体的な制限を配信ユーザに提案することができる。
【0094】
動画配信装置100では、課金処理部14は、視聴ユーザ端末300に対して付与される利用ポイントを管理し、利用ポイントに応じて、金銭に代えて利用ポイントを用いた課金処理を自動的に受け付ける。これにより、課金処理に利用可能なポイントを付与することで、視聴ユーザによる動画配信装置100の利用を促進することができる。
【0095】
動画配信装置100では、付加情報は、課金を促す課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0096】
動画配信装置100では、付加情報は、視聴ユーザ端末300における動画Mの再生位置Pが予め設定された第2予定位置になった場合に、課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、好適なタイミングで、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0097】
動画配信装置100では、第2予定位置は、無料区間Fにおいて制限区間Rに切り替わる前の予め設定されたタイミングである。これにより、好適なタイミングで、視聴ユーザに課金を促すことができる。
【0098】
動画配信装置100では、付加情報は、課金受付表示Cを視聴ユーザ端末300に表示させる際に、課金処理部14により課金処理が受け付けられた場合に動画Mの再生内容の制限事項が緩和されることとなる制限区間Rの内容に関する情報を、課金受付表示Cとともに視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、課金することのメリットを視聴ユーザに伝達することができる。
【0099】
動画配信装置100では、区間設定部12は、動画Mにおいて、無料区間Fである第1無料区間F1、当該第1無料区間F1の後に続く制限区間R、及び、当該制限区間Rの後に続く無料区間Fである第2無料区間F2を設定する。これにより、上述した動画配信装置100の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0100】
動画配信装置100では、付加情報は、必要な課金処理が課金処理部14により受け付けられない場合に、動画Mにおいて、第1無料区間F1の後に続いて第2無料区間F2を再生させる情報を含んでいる。これにより、上述した動画配信装置100の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0101】
動画配信装置100では、付加情報は、動画Mの全区間における無料区間F、制限区間R、及び再生位置Pを視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、無料区間F及び制限区間Rと現在の再生位置Pとの時間的な関係を視聴ユーザに認識させることができる。
【0102】
動画配信装置100では、付加情報は、動画Mの全区間における無料区間F及び制限区間Rを、無料区間Fと制限区間Rとの長さの比に応じた第1態様で、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、無料区間F及び制限区間Rと現在の再生位置Pとの時間的な関係を、直感的な態様で、視聴ユーザに認識させることができる。
【0103】
動画配信装置100では、付加情報は、動画Mの全区間における無料区間F及び制限区間Rを、無料区間Fと制限区間Rとの長さの比に応じない第2態様で、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、無料区間F及び制限区間Rと現在の再生位置Pとの時間的な関係を、視認しやすい態様で、視聴ユーザに認識させることができる。
【0104】
動画配信装置100では、付加情報は、動画Mを、第1デザイン、又は、第1デザインとは異なる第2デザインのいずれかのデザインを選択して、視聴ユーザ端末300に表示させる情報を含んでいる。これにより、条件に応じたデザインで動画Mを視聴ユーザ端末300に表示させることができる。
【0105】
動画配信装置100では、情報付加部13は、視聴ユーザ端末300ごとに異なる付加情報を動画Mに紐づける。これにより、視聴ユーザ端末300あるいは、視聴ユーザに応じたデザインで動画Mを視聴ユーザ端末300に表示させることができる。
【0106】
動画配信装置100は、動画Mを配信された視聴ユーザ端末300から当該動画Mに対する反響情報を受け付ける反響受付部18を備え、情報付加部13は、反響受付部18により受け付けられた反響情報を付加情報として動画Mに紐づけ、反響受付部18は、動画Mの無料区間Fと制限区間Rとでは受付可能な反響情報の種類が互いに異なっている。これにより、上述した動画配信装置100の作用及び効果を好適に奏することができる。
【0107】
動画配信装置100では、情報付加部13は、反響受付部18により受け付けられた反響情報が動画Mに対するコメントである場合に、当該コメントを視聴ユーザ端末300に表示させる情報、及び、当該コメントを視聴ユーザ端末300に音声出力させる情報を、付加情報として動画Mに紐づける。これにより、視聴ユーザのコメントを容易に知得させることができる。
【0108】
動画配信装置100は、動画Mを配信された視聴ユーザ端末300から当該動画Mに関する反応を得た程度である反応度を取得する反応度管理部19を備え、反応度管理部19は、反応度を配信ユーザ端末200に表示させる情報である反応度情報を配信ユーザ端末200に送信する。これにより、配信ユーザ端末200から受信した動画Mに対する視聴ユーザの反応の程度を配信ユーザに伝達することができる。
【0109】
動画配信装置100では、反応度管理部19は、動画Mの無料区間Fに対する反応度である第1反応度、及び、動画Mの制限区間Rに対する反応度である第2反応度を取得し、反応度情報は、第1反応度及び第2反応度を配信ユーザ端末200に表示させる情報である。これにより、無料区間Fと制限区間Rとに分けて、配信ユーザ端末200から受信した動画Mに対する視聴ユーザの反応の程度を配信ユーザに伝達することができる。
【0110】
動画配信プログラムは、配信ユーザ端末200から受信した動画Mを視聴ユーザ端末300に配信する動画配信装置100のコンピュータを、動画Mにおいて、視聴ユーザ端末300により当該動画Mが無料で再生される際に再生内容が制限されない無料区間F、及び、再生内容の少なくとも一部が制限される制限区間Rを設定する区間設定部12として機能させる。
【0111】
この動画配信プログラムによれば、視聴ユーザ端末300に配信される動画Mにおいて無料で当該動画Mの全ての内容を視聴可能な無料区間Fと、無料では当該動画Mの内容の少なくとも一部が制限される制限区間Rと、を併存させることが可能となる。よって、この動画配信プログラムによれば、動画Mの視聴に関する制限の設定の自由度を向上させることができる。
【0112】
[変形例]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0113】
例えば、上述した実施形態においては、動画配信装置100は単一のコンピュータ(サーバ)により構成されている。しかし、動画配信装置100は、複数のコンピュータ(サーバ)に機能が分散されて構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0114】
12 区間設定部
13 情報付加部
14 課金処理部
15 指定情報受信部
16 装置レコメンド部
17 視聴ユーザレコメンド部
18 反響受付部
19 反応度管理部
100 動画配信装置
200 配信ユーザ端末
300 視聴ユーザ端末
C 課金受付表示
F 無料区間
F1 第1無料区間
F2 第2無料区間
M 動画
P 再生位置
R 制限区間
図1
図2
図3
図4