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特開2022-47591伸縮動作測定装置および伸縮動作測定プログラム
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  • 特開-伸縮動作測定装置および伸縮動作測定プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047591
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】伸縮動作測定装置および伸縮動作測定プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/428 20140101AFI20220317BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20220317BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20220317BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
A63F13/428
A63F13/213
A63B71/06 G
A63B69/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153452
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】501135724
【氏名又は名称】有限会社アシスト
(71)【出願人】
【識別番号】520354898
【氏名又は名称】高木 啓介
(71)【出願人】
【識別番号】520354902
【氏名又は名称】山下 恭史朗
(71)【出願人】
【識別番号】520355840
【氏名又は名称】株式会社エム・エイチ・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141678
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】細野 政宏
(57)【要約】
【課題】専用のコントローラなどが不要で、しかも、ユーザーの運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮動作を促進可能な伸縮動作測定装置を提供する。
【解決手段】伸び縮みする伸縮体を撮影するカメラ3と、設定モードにおいて、カメラ3による撮影画像に基づいて、伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定する設定タスク81と、測定モードにおいて、カメラ3による撮影画像に基づいて、伸縮体が伸長状態および収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする測定タスク82と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸び縮みする伸縮体を撮影する撮影手段と、
設定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定する伸縮設定手段と、
測定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段と、
を備えることを特徴とする伸縮動作測定装置。
【請求項2】
前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮動作測定装置。
【請求項3】
コンピュータを、
設定モードにおいて、伸び縮みする伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定する伸縮設定手段と、
測定モードにおいて、伸び縮みする前記伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段、
として機能させることを特徴とする伸縮動作測定プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段、
として機能させることを特徴とする請求項3に記載の伸縮動作測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕などの伸縮動作を測定する伸縮動作測定装置および伸縮動作測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エクササイズやトレーニングを促進するためのゲーム機やソフトウエアが開発されている。例えば、加速度センサとジャイロを備えたコントローラをユーザーが持って腕を動かしたりすると、コントローラで測定された加速度データや角速度データなどに基づいて、ユーザーの動きを検知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような技術を利用し、コントローラを持ったユーザーがガイダンスに従って所定の動きをすると、所定のトレーニング効果などが得られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-104592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のゲーム機などでは、ユーザーがコントローラを持って運動することを前提とするため、運動が限定され、例えば、ダンベル・鉄亜鈴などを持って運動したくても、その動きはゲーム機では検知されない。しかも、専用のコントローラや、コントローラからの情報を処理するゲーム機本体などを要する(購入する必要がある)ため、ユーザーへの費用負担が大きく、誰もが気軽にプレイすることはできない。
【0005】
また、従来のゲーム機などでは、コントローラで測定された加速度データや角速度データに基づいてユーザーの動きを検知するため、適正な運動・動きを促進できないおそれがある。すなわち、例えば、腕を伸び縮みさせるトレーニングの場合、所定の加速度などが測定されれば、腕を最長まで伸ばして最短まで縮めていなくても、腕を伸縮したと検知されてしまい、適正な動きを促進できないおそれがある。
【0006】
さらに、年齢や身体状態によって運動目的や体力レベルなどが異なり、それに応じた適正な運動・動きを促進する必要がある。例えば、高齢者の場合には、腕を最長まで伸ばして最短まで縮める必要はなく、ある程度の範囲で腕を伸縮させれば、目的の運動効果が得られる場合がある。
【0007】
そこで本発明は、専用のコントローラなどが不要で、しかも、ユーザーの運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮動作を促進可能な、伸縮動作測定装置および伸縮動作測定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、伸び縮みする伸縮体を撮影する撮影手段と、設定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定する伸縮設定手段と、測定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段と、を備えることを特徴とする伸縮動作測定装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伸縮動作測定装置において、前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段を備える、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、コンピュータを、設定モードにおいて、伸び縮みする伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定する伸縮設定手段と、測定モードにおいて、伸び縮みする前記伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段、として機能させることを特徴とする伸縮動作測定プログラムである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の伸縮動作測定プログラムにおいて、コンピュータを、前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1および3に記載の発明によれば、伸縮体の撮影画像に基づいて、伸縮体が伸長状態や収縮状態に達したことをカウントするだけであるため、専用のコントローラなどが不要で、ユーザーがコントローラを持っていなくても、伸縮を検知、カウントすることができる。このため、例えば、ユーザーがダンベルを持って腕(伸縮体)を伸び縮みさせる場合でも、その動きを検知してカウントすることができる。また、専用のコントローラなどが不要なため、ユーザーへの費用負担が低く、誰もが気軽にプレイすることが可能となる。
【0013】
また、設定モードで設定した伸長状態や収縮状態に基づいて伸縮体の伸縮を検知、カウントするため、ユーザーの運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮動作を促進することが可能となる。例えば、設定モードにおいて、腕を最長まで伸ばした状態で伸長状態を設定し、腕を最短まで縮めた状態で収縮状態を設定した場合、測定モードにおいても、腕を最長まで伸ばしたり最短まで縮めたりしなければ、伸縮として検知、カウントされない。このため、腕を最長まで伸ばして最短まで縮める、という適正な伸縮運動を促進することができ、エクササイズ効果やトレーニング効果などを高めることが可能となる。
【0014】
一方、ユーザーが高齢者であったり身体に障害があったりする場合に、設定モードにおいて、腕をある程度伸ばした状態で伸長状態を設定し、腕をある程度縮めた状態で収縮状態を設定すると、測定モードにおいても、腕をある程度まで伸ばしたり縮めたりすれば、伸縮として検知、カウントされる。このように、年齢や身体状態、あるいは、運動目的や体力レベルなどに応じて伸長状態と収縮状態を設定することで、ユーザーの運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮運動を促進することが可能となる。
【0015】
さらには、設定モードで伸縮させたい伸縮体の伸長状態と収縮状態を設定すれば、多様な伸縮体の伸縮を測定モードで検知、カウントすることができ、伸縮動作つまり運動のバリエーションが増える。すなわち、腕を伸縮させる場合だけではなく、例えば、風船を膨張収縮(伸縮)させる場合にも適用でき、この場合には、頬の筋肉や肺などを鍛えることができる。このように、ユーザーの運動・強化したい部位や興味などに応じた伸縮運動に、柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0016】
請求項2および4に記載の発明によれば、伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段を備えるため、ユーザーに伸縮運動をより促進することが可能となる。すなわち、腕の伸縮などを適正に行うほどカウント数が増え、カウント数に応じてゲームをプレイできるため、より多く伸縮してより多くのカウント数を取得しゲームを楽しもう、という意欲がユーザーに沸く。また、多く伸縮すればよりゲームを楽しめるため、伸縮動作自体をゲーム感覚で行うことができる。このようにして、ユーザーに伸縮運動をより促す(持続させる)ことが可能で、エクササイズ効果やトレーニング効果などを向上、維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施の形態に係る伸縮動作測定装置を示す概略構成ブロック図である。
図2図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、メニュー画面が表示されている状態を示す正面図である。
図3図1の伸縮動作測定装置で腕の伸縮動作を検知、測定している状態を示す斜視図である。
図4図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、設定モードでの背景が表示されている状態を示す正面図である。
図5図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、設定モードでの伸縮動作が表示されている状態を示す正面図である。
図6図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、設定モードで設定された伸長状態エリアと収縮状態エリアが表示されている状態を示す正面図である。
図7図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、測定モードでの伸縮動作が表示されている状態を示す正面図である。
図8図1の伸縮動作測定装置のタッチパネルに、ゲームモードでの初期画面が表示されている状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説端明する。
【0019】
図1図8は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る伸縮動作測定装置1を示す概略構成ブロック図である。この伸縮動作測定装置1は、伸び縮みする伸縮体の伸縮動作を検知、カウント(測定)する装置であり、この実施の形態では、スマートフォン(多機能携帯電話)で構成されているが、汎用のパーソナルコンピュータや多機能携帯端末などで構成されてもよい。また、この実施の形態では、伸縮体がユーザー101の腕102の場合を例にして、主として以下に説明するが、伸び縮みすればどのような伸縮体であってもよく、例えば、膨張収縮(伸縮)する風船や曲げ伸ばし(伸縮)する人の足などであってもよい。
【0020】
伸縮動作測定装置1は、タッチパネル2、カメラ(撮影手段)3、音源4、スピーカ5、メモリ6、これらを制御などする中央処理部7等を備える既製、既存のスマートフォンに、伸縮アプリケーション(伸縮動作測定プログラム)8がインストールされて構成されている。
【0021】
タッチパネル2は、各種情報や画像(静止画、動画)などを表示する表示手段と、各種情報や指令などを入力する入力手段とを兼ね備えたディスプレイである。この実施の形態では、主に、後述する伸縮アプリケーション8において撮影画像やメニューなどを表示したり、メニューの選択やポイント使用の選択などを入力したりする。カメラ(撮影手段)3は、映像・画像を撮影する装置であり、この実施の形態では、主に、伸び縮みする伸縮体である人101の腕102を撮影して動画を生成する。
【0022】
音源4は、各種の音、音声などを収録してスピーカ5から発する音の発生源であり、この実施の形態では、主に、後述する伸縮アプリケーション8における音声ガイダンスを収録してスピーカ5から発する。スピーカ5は、電気信号を音に変えて出力する装置であり、この実施の形態では、主に、音源4からの音・音声ガイダンスを外部に出力する。メモリ6は、各種情報・データを記憶する記憶装置であり、この実施の形態では、主に、後述する伸縮アプリケーション8における撮影画像や保有ポイント数などを記憶する。
【0023】
伸縮アプリケーション8は、人101の腕102の伸縮動作を検知、カウントなどするプログラムであり、コンピュータつまりスマートフォンを、設定モードにおいて、カメラ3による撮影画像つまり伸び縮みする腕102が撮影された撮影画像に基づいて、腕102を伸ばした状態を伸長状態として設定し、腕102を縮めた状態を収縮状態として設定する設定タスク(伸縮設定手段)81と、測定モードにおいて、カメラ3による撮影画像つまり伸び縮みする腕102が撮影された撮影画像に基づいて、腕102が伸長状態および収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする測定タスク(伸縮測定手段)82と、測定タスク82によるカウント数に基づいて(応じて)ゲームをプレイ可能なゲームタスク(ゲーム手段)83、として機能させる。
【0024】
すなわち、伸縮アプリケーション8が起動されると、まず、図2に示すように、設定モードに移行するための設定アイコン8aと、測定モードに移行するための測定アイコン8bと、ゲームモードに移行するためのゲームアイコン8cと、を含むメニュー画面をタッチパネル2に表示する。ここで、設定モードまたは測定モードに移行して腕102の伸縮状態をカメラ3で撮影する場合には、図3に示すように、できるだけ背景が動かない部屋などで腕102の伸縮状態を明確かつ安定して撮影できるように、伸縮動作測定装置1を机110の上などに配置・固定する。
【0025】
次に、設定アイコン8aが選択・クリックされると、設定タスク81が起動されて設定モードに移行し、第1の所定時間後に(この実施の形態では、10秒後に)カメラ3が作動して、図4に示すように、背景のみの画像を撮影する。この際、設定モードに移行した時点で、スピーカ5から「10秒後に背景のみの画像を撮影します。」などという音声ガイダンスを出力する。従って、この10秒内に伸縮動作測定装置1を机110の上などに配置してもよい。
【0026】
続いて、第2の所定時間(この実施の形態では、10秒間)においてユーザー101が腕102を伸縮させると、図5に示すように、伸び縮みする腕102がカメラ3で撮影される。この際、第2の所定時間の開始前に、スピーカ5から「10秒間腕を伸び縮みさせてください。」などという音声ガイダンスを出力する。ここで、腕102の伸び縮みの程度は、ユーザー101の年齢や身体状態、あるいは、運動目的や体力レベルなどに応じてユーザー101が決めればよい。例えば、ハードな運動を指向する場合には、腕102を最長まで伸ばして最短まで縮め、ソフトな運動を指向する場合には、腕をある程度だけ伸ばてある程度だけ縮める。また、何も持たずに腕102を伸び縮みさせてもよいし、ダンベル103などを持って伸び縮みさせてもよい。ここで、第1の所定時間と第2の所定時間は、調整・変更可能となっている。
【0027】
このような腕102の伸び縮みをカメラ3で撮影すると、その撮影画像に基づいて、腕102を伸ばした状態を伸長状態として設定し、腕102を縮めた状態を収縮状態として設定する。すなわち、設定モードにおける撮影画像を解析して、ユーザー101が腕102を伸ばした状態、位置を伸長状態として設定し、腕102を縮めた状態、位置を収縮状態として設定する。この際、先に撮影した背景のみの画像と比較することで、腕102の伸長状態と収縮状態を精度よく解析、設定することが可能となる。
【0028】
これにより、図6に示すように、画像上で伸長状態の範囲を示す伸長状態エリアA1と、収縮状態の範囲を示す収縮状態エリアA2とが設定される。この伸長状態エリアA1は、後述する測定モードにおいて、腕102の先端部(拳)が伸長状態エリアA1内に位置していれば、腕102が伸長状態に達したと判定するためのエリアである。同様に、収縮状態エリアA2は、後述する測定モードにおいて、腕102の先端部が収縮状態エリアA2内に位置していれば、腕102が収縮状態に達したと判定するためのエリアである。これらの状態エリアA1、A2は、狭く(厳しく)設定してもよいし広く(緩く)設定してもよく、あるいは、調整・変更できるようにしてもよい。そして、このような伸長状態エリアA1と収縮状態エリアA2は、メモリ6に記憶される。
【0029】
続いて、測定タスク82が起動され、スピーカ5から「カウントを開始しますので、腕を伸び縮みさせてください。」などという音声ガイダンスを出力し、測定モードに移行する。そして、ユーザー101が腕102を伸縮させると、図7に示すように、伸び縮みする腕102がカメラ3で撮影される。そして、この撮影画像を解析して、腕102が伸長状態および収縮状態に達したかを検知・判定し、その検知結果に基づいて伸縮数をカウントする。この際、画像上で腕102の先端部が伸長状態エリアA1内に位置すれば、腕102が伸長状態に達したと判定し、腕102の先端部が収縮状態エリアA2内に位置すれば、腕102が収縮状態に達したと判定する。
【0030】
また、この実施の形態では、伸長状態と収縮状態に達すると(腕102を往復動させると)1カウントするが、伸長状態に達すると1カウントし、さらに、収縮状態に達すると1カウントするようにしてもよい。このようにして腕102の伸縮数をカウントし、測定モード中にタッチパネル2で所定の操作が行われると、測定モードを終了する。そして、カウントした伸縮数・カウント数に応じたポイント数を、メモリ6に記憶された保有ポイント数に加算する。ここで、カウント数のポイント数へ換算は、どのような計算式・換算方法であってもよいが、例えば、10カウントごとに1ポイントを付与するようにしてもよい。
【0031】
一方、図2のメニュー画面で測定アイコン8bが選択・クリックされると、測定タスク82が起動されて測定モードに移行する。そして、上記と同様に、スピーカ5から「カウントを開始しますので、腕を伸び縮みさせてください。」などという音声ガイダンスを出力し、ユーザー101が腕102を伸縮させると、伸縮数をカウントする。この際、伸長状態と収縮状態つまり伸長状態エリアA1と収縮状態エリアA2は、直近に設定されメモリ6に記憶された値が使用、適用される。
【0032】
これに対して、設定モードで設定された伸長状態と収縮状態をすべてメモリ6に記憶し、メモリ6から選択された任意の伸長状態と収縮状態を使用するようにしてもよい。この際、設定モードで撮影された各撮影画像や状態エリアA1、A2などをタッチパネル2に表示して、ユーザー101が選択できるようにする。
【0033】
また、図2のメニュー画面でゲームアイコン8cが選択・クリックされると、ゲームタスク83が起動されてゲームモードに移行し、図8に示すような初期画面をタッチパネル2に表示する。ここで、ゲームタスク83は、ユーザー101がゲームをプレイするためのゲームプログラムであり、そのゲーム内容は、保有ポイント数つまりカウント数に基づいてプレイができればどのようなものでもよく、この実施の形態では、保有ポイント数に応じてキャラクター120を育成できるものである。
【0034】
具体的には、保有ポイント数と各アクション(お世話)に必要なポイント数とが初期画面に表示されている。例えば、おやつに必要なポイント数を示すおやつアイコン120a、お風呂に必要なポイント数を示すお風呂アイコン120b、遊びに必要なポイント数を示す遊びアイコン120cが表示されている。そして、ユーザー101がアイコン120a、120b、120cを選択・クリックすると、それに応じたアクションをキャラクター120に対して行う。例えば、おやつアイコン120aが選択されると、キャラクター120におやつが与えられている画像がタッチパネル2に表示される。そして、アクションに応じたポイント数が保有ポイント数から減算されてメモリ6に記憶される。
【0035】
ここで、キャラクター120に対してアクションを行うことで、例えば、次のように親密度などが変化するようにしてもよい。すなわち、おやつをあげると親密度が10点上がり、お風呂に入れると親密度が4点上がり、遊んであげると親密度が2点上がり、1日ゲームタスク83を起動しないと親密度が1点下がる。また、親密度が100点に達するとゲームのレベルが上がって、例えば、キャラクターが変わり、親密度が600点に達すると新しいキャラクターが増える。このように、ゲームをプレイし続けるとゲームの内容が進行、変化することで、ユーザー101は、ゲームへの興味を持ち続け、ゲームを続けるために伸縮運動を続けようと思えるようになる。
【0036】
以上のように、この伸縮動作測定装置1および伸縮アプリケーション8によれば、伸縮体の撮影画像に基づいて、伸縮体が伸長状態や収縮状態に達したことをカウントするだけであるため、専用のコントローラなどが不要で、ユーザー101がコントローラを持っていなくても、伸縮を検知、カウントすることができる。このため、例えば、ユーザー101がダンベル103を持って腕(伸縮体)102を伸び縮みさせる場合でも、その動きを検知してカウントすることができる。
【0037】
また、専用のコントローラなどが不要なため、ユーザー101への費用負担が低く、誰もが気軽にプレイすることが可能となる。つまり、既製、既存のスマートフォンに伸縮アプリケーション8をインストールするだけでよいため、費用が不要または軽く、誰もが気軽に伸縮アプリケーション8(伸縮動作測定装置1)を利用して伸縮運動をカウントすることができる。
【0038】
また、設定モードで設定した伸長状態や収縮状態に基づいて伸縮体の伸縮を検知、カウントするため、ユーザー101の運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮動作を促進することが可能となる。例えば、設定モードにおいて、腕102を最長まで伸ばした状態で伸長状態を設定し、腕102を最短まで縮めた状態で収縮状態を設定した場合、測定モードにおいても、腕102を最長まで伸ばしたり最短まで縮めたりしなければ、伸縮として検知、カウントされない。このため、腕102を最長まで伸ばして最短まで縮める、という適正な伸縮運動を促進することができ、エクササイズ効果やトレーニング効果などを高めることが可能となる。
【0039】
一方、ユーザー101が高齢者であったり身体に障害があったりする場合に、設定モードにおいて、腕102をある程度(8割程度まで)伸ばした状態で伸長状態を設定し、腕102をある程度(2割程度まで)縮めた状態で収縮状態を設定すると、測定モードにおいても、腕102をある程度まで伸ばしたり縮めたりすれば、伸縮として検知、カウントされる。このように、年齢や身体状態、あるいは、運動目的や体力レベルなどに応じて伸長状態と収縮状態を設定することで、ユーザー102の運動目的や身体状態などに応じた適正な伸縮運動を促進することが可能となる。
【0040】
さらには、設定モードで伸縮させたい伸縮体の伸長状態と収縮状態を設定すれば、多様な伸縮体の伸縮を測定モードで検知、カウントすることができ、伸縮動作つまり運動のバリエーションが増える。すなわち、腕102を伸縮させる場合だけではなく、例えば、風船を膨張収縮(伸縮)させる場合にも適用でき、この場合には、頬の筋肉や肺などを鍛えることができる。このように、ユーザー102の運動・強化したい部位や興味などに応じた伸縮運動に、柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0041】
さらに、測定モードにおけるカウント数(ポイント数)に基づいてゲームをプレイ可能なゲームタスク83を備えるため、ユーザー101に伸縮運動をより促進することが可能となる。すなわち、腕102の伸縮などを適正に行うほどカウント数が増え、カウント数に応じてゲームをプレイできるため、より多く伸縮してより多くのカウント数を取得しゲームを楽しもう、という意欲がユーザー101に沸く。また、多く伸縮すればよりゲームを楽しめるため、伸縮動作自体をゲーム感覚で行うことができる。このようにして、ユーザー101に伸縮運動をより促す(持続させる)ことが可能で、エクササイズ効果やトレーニング効果などを向上、維持することが可能となる。
【0042】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、設定モードにおいて背景のみの画像を撮影しているが、腕102の伸縮状態を解析できれば、背景のみの画像を撮影しなくてもよい。また、上記の実施の形態では、1つの時間帯である第2の所定時間で伸長状態と収縮状態を設定しているが、2つの時間帯に分けて(10秒ごとに)個別に伸長状態と収縮状態を設定してもよい。
【0043】
ところで、本発明において、伸び縮みする伸縮体には、広い概念を含み、伸びた状態である第1の位置・姿態と、縮んだ状態である第2の位置・姿態とが、交互に繰り返し現れるものであれば、伸縮体に含まれる。例えば、人がラケット等を持ってスイング・素振りする場合の人の体(ラケット等)や、屈伸する人の体なども伸縮体に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 伸縮動作測定装置
2 タッチパネル
3 カメラ(撮影手段)
4 音源
5 スピーカ
6 メモリ
8 伸縮アプリケーション(伸縮動作測定プログラム)
81 設定タスク(伸縮設定手段)
82 測定タスク(伸縮測定手段)
83 ゲームタスク(ゲーム手段)
101 ユーザー
102 腕(伸縮体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸び縮みする伸縮体を撮影する撮影手段と、
設定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定し、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定するための伸長状態エリアと、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定するための収縮状態エリアとを画像上で設定する伸縮設定手段と、
測定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体の先端部が前記伸長状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定し、前記伸縮体の先端部が前記収縮状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定して、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段と、
を備えることを特徴とする伸縮動作測定装置。
【請求項2】
前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮動作測定装置。
【請求項3】
コンピュータを、
設定モードにおいて、伸び縮みする伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定し、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定するための伸長状態エリアと、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定するための収縮状態エリアとを画像上で設定する伸縮設定手段と、
測定モードにおいて、伸び縮みする前記伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体の先端部が前記伸長状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定し、前記伸縮体の先端部が前記収縮状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定して、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段、
として機能させることを特徴とする伸縮動作測定プログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
前記伸縮測定手段によるカウント数に基づいてゲームをプレイ可能なゲーム手段、
として機能させることを特徴とする請求項3に記載の伸縮動作測定プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、伸び縮みする伸縮体を撮影する撮影手段と、設定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定し、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定するための伸長状態エリアと、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定するための収縮状態エリアとを画像上で設定する伸縮設定手段と、測定モードにおいて、前記撮影手段による撮影画像に基づいて、前記伸縮体の先端部が前記伸長状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定し、前記伸縮体の先端部が前記収縮状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定して、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段と、を備えることを特徴とする伸縮動作測定装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項3に記載の発明は、コンピュータを、設定モードにおいて、伸び縮みする伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体を伸ばした状態を伸長状態として設定し、前記伸縮体を縮めた状態を収縮状態として設定し、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定するための伸長状態エリアと、前記伸縮体の先端部が位置していれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定するための収縮状態エリアとを画像上で設定する伸縮設定手段と、測定モードにおいて、伸び縮みする前記伸縮体が撮影された撮影画像に基づいて、前記伸縮体の先端部が前記伸長状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が伸長状態に達したと判定し、前記伸縮体の先端部が前記収縮状態エリア内に位置すれば前記伸縮体が収縮状態に達したと判定して、前記伸縮体が前記伸長状態および前記収縮状態の少なくとも一方に達した状態をカウントする伸縮測定手段、として機能させることを特徴とする伸縮動作測定プログラムである。