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特開2022-47630タッチパネル用接続部品、及びタッチパネル
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  • 特開-タッチパネル用接続部品、及びタッチパネル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047630
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】タッチパネル用接続部品、及びタッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220317BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/045 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153518
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000230722
【氏名又は名称】NKKスイッチズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】中村 成弥
(72)【発明者】
【氏名】工藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】栗原 祥
(72)【発明者】
【氏名】山田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】山中 剛
(57)【要約】
【課題】多種多様な抵抗膜方式のタッチパネルの配線パターンに対応可能な汎用性を有するテール、及びそのようなテールが適用されたタッチパネルを提供すること。
【解決手段】上部電極と下部電極とを有する4線式抵抗膜方式のタッチパネル1を構成するテール11において、電極ピンPa1乃至Pa4は、上部電極に接続可能とし、電極ピンPb1乃至Pb4は、下部電極に接続可能とする。そして、上部電極と下部電極の配線パターンの種類に応じて、上部電極と下部電極との夫々に接続される2つの電極ピンと、上部電極及び下部電極に非接続となる2つの電極ピンとが夫々選択されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極と下部電極とを有する4線式抵抗膜方式のタッチパネルを構成する、タッチパネル用接続部品において、
前記上部電極に接続可能とする4つの電極ピンからなる第1電極ピンと、
前記下部電極に接続可能とする4つの電極ピンからなる第2電極ピンと、
を有し、
前記上部電極と前記下部電極との夫々の配線パターンの種類に応じて、前記第1電極ピンと前記第2電極ピンとの夫々において、前記上部電極と前記下部電極との夫々に接続される2つの電極ピンと、前記上部電極及び前記下部電極に非接続となる2つの電極ピンとが夫々選択されている、
タッチパネル用接続部品。
【請求項2】
前記第1電極ピンを構成する4つの電極ピンと、前記第2電極ピンを構成する4つの電極ピンとの夫々は、いずれも一直線又は略一直線に配置されており、かつ、前記上部電極又は前記下部電極のいずれかに接続された電極ピンと、前記上部電極及び前記下部電極のいずれにも接続されていないが接続可能な状態の電極ピンとが交互に配置されている、
請求項1に記載のタッチパネル用接続部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタッチパネル用接続部品を備えるタッチパネル。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル用接続部品、及びタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
透明導電膜をスイッチ電極として使用した抵抗膜方式のタッチパネルは従来から幅広く利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電膜の持つ電気的抵抗を利用して、ユーザによりタッチ操作が行われた位置を検出する(例えば特許文献1参照)。
抵抗膜方式のタッチパネルは、対向するように配置された、上部フィルム側の配線パターンからなる電極と、下部ガラス側の配線パターンからなる電極との夫々に、コネクタ(以下、「テール」と呼ぶ)側の配線パターンからなる電極ピンが圧着された構成になっている。
ここで、4線式抵抗膜方式のタッチパネルを構成する従来品のテールは、例えば図4に示すように、表面側及び裏面側の夫々に2つの電極ピンが設けられている。このうち、表面側に設けられた電極ピンP1及びP2は、上部フィルム側の電極に接続され、裏面側に設けられた電極ピンP3及びP4は、下部ガラス側の電極に接続される。
なお、図4に示す従来品のテールの電極ピンの配置は一例に過ぎず、例えば図5の(A)及び(B)に示すタッチパネルの電極の配線パターンに対応させるように、テールの表面側に電極ピンP1及びP3が配置され、テールの裏面側に電極ピンP2及びP4が配置される場合もある。また例えば、図5の(C)及び(D)に示すタッチパネルの電極の配線パターンに対応させるように、テールの表面側に電極ピンP2及びP4が配置され、テールの裏面側に電極ピンP1及びP3が配置される場合もある。また、テール側の電極の配線パターンも一様ではなく、様々なものが存在する。
ここで、図5の(A)乃至(D)の夫々に示すタッチパネルの電極の配線パターンにおいて、実線は表面側の電極の配線パターンを示し、破線は裏面側の電極の配線パターンを示している。
また、図示はしないが、テールの表面側に電極ピンP2及びP3が配置され、テールの裏面側に電極ピンP1及びP4が配置される場合もある(例えば特許文献2参照)。
このように、抵抗膜方式のタッチパネルの電極の配線パターン、及びテール側の電極の配線パターンは一様ではなく、ユーザからの要望によって様々なものが存在する。そして、抵抗膜方式のタッチパネルの電極の配線パターンは、タッチパネルを構成する上部フィルム側の電極の配線パターンの配置と、下部ガラス側の電極の配線パターンの配置と、テール側の配線パターンの配置とで決定される。
このため、抵抗膜方式のタッチパネルの電極の配線パターンを変更する場合には、電極の配線パターンの配置を変更する必要がある。しかしながら、上部フィルム側の電極の配線パターンや下部ガラス側の電極の配線パターンの設計変更は制約がある。具体的には例えば、電極同士の通電を避けるため、電極の配線パターンを交差させることができないという制約や、電圧を一定に保たなければならないといった制約がある。その結果、上部フィルム側の電極の配線パターンや下部ガラス側の電極の配線パターンの設計変更に比べて費用的に割高になるが、上記の制約があるため、テール側の配線パターンを設計変更せざるを得ないという状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-146138号公報
【特許文献2】特開2011-3105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、抵抗膜方式のタッチパネルの電極の配線パターンの変更に合わせてテールの配線パターンを変更する場合であっても、高額なコストが発生する。
このため、抵抗膜方式のタッチパネルの開発の現場では、多種多様な抵抗膜方式のタッチパネルの電極の配線パターンに対応可能な汎用性を有するテールの開発が望まれている状況にあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多種多様な抵抗膜方式のタッチパネルの配線パターンに対応可能な汎用性を有するテール、及びそのようなテールが適用されたタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るタッチパネル用接続部品は、
上部電極と下部電極とを有する4線式抵抗膜方式のタッチパネルを構成する、タッチパネル用接続部品において、
前記上部電極に接続可能とする4つの電極ピンからなる第1電極ピンと、
前記下部電極に接続可能とする4つの電極ピンからなる第2電極ピンと、
を有し、
前記上部電極と前記下部電極との夫々の配線パターンの種類に応じて、前記第1電極ピンと前記第2電極ピンとの夫々において、前記上部電極と前記下部電極との夫々に接続される2つの電極ピンと、前記上部電極及び前記下部電極に非接続となる2つの電極ピンとが夫々選択されている。
【0007】
また、本発明に係るタッチパネルは、本発明に係るタッチパネル用接続部品を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、多種多様な抵抗膜方式のタッチパネルの配線パターンに対応可能な汎用性を有するテール、及びそのようなテールが適用されたタッチパネルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るタッチパネル用接続部品の外観図である。
図2図1のタッチパネル用接続部品の適用例であるタッチパネルの表面側を示す概略図である。
図3図1のタッチパネル用接続部品の適用例であるタッチパネルの裏面側を示す概略図である。
図4】従来からあるタッチパネル用接続部品の外観図である。
図5】タッチパネルの電極の配線パターンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のタッチパネル用接続部品の一実施形態に係るテール、及びそのテールが適用されるタッチパネルについて、図面を適宜参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
また、本明細書における、「上側」、「上方向」といったような「上」を示す表現は、タッチパネルの表面側(操作面側)の方向を示す表現である。また、「下側」、「下方向」といったような「下」を示す表現は、タッチパネルの裏面側の方向を示す表現である。
【0011】
[基本構成]
本発明のタッチパネルの一実施形態に係るタッチパネル1は、4線式抵抗膜方式のタッチパネルである。図示はしないが、タッチパネル1は、可撓性を有する上部側の透明導電膜(ITO(Indium Tin Oxide)膜)と上部フィルムとが上部電極を構成し、下部側の透明導電膜と下部ガラスとが下部電極を構成する。上部電極と下部電極との夫々は、2本の電極の配線パターンを夫々有し、上部電極の配線パターンには、テール11の電極ピンPa1乃至Pa4のうちいずれか2つが圧着されて接続される。また、下部電極の配線パターンには、テール11の電極ピンPb1乃至Pb4のうちいずれか2つが圧着されて接続される。
【0012】
具体的には、電極ピンPa1が上部の配線に接続されたとき、電極ピンPb1は下部の配線に接続されない。また、電極ピンPb1が下部の配線に接続されたとき、電極ピンPa1は上部の配線に接続されない。
電極ピンPa2が上部の配線に接続されたとき、電極ピンPb2は下部の配線に接続されない。また、電極ピンPb2が下部の配線に接続されたとき、電極ピンPa2は上部の配線に接続されない。
電極ピンPa3が上部の配線に接続されたとき、電極ピンPb3は下部の配線に接続されない。また、電極ピンPb3が下部の配線に接続されたとき、電極ピンPa3は上部の配線に接続されない。
電極ピンPa4が上部の配線に接続されたとき、電極ピンPb4は下部の配線に接続されない。また、電極ピンPb4が下部の配線に接続されたとき、電極ピンPa4は上部の配線に接続されない。
【0013】
さらに、上部電極と下部電極との間には、絶縁体であるドットスペーサが複数配置されている。タッチパネル1がタッチ操作を受けると、その部分の上部電極が撓み、絶縁体(ドットスペーサ)が存在しない部分で上部電極と下部電極とが接触して導電する。すると、その電圧値によって、タッチされた位置の座標が検出される。
【0014】
[具体的構成例]
(テール)
本発明のタッチパネル用接続部品の一実施形態に係るテール11は、図1に示すように、絶縁性の樹脂からなる本体の表面側に4つの電極ピンPa1乃至Pa4が一直線又は略一直線に配置され、裏面側に4つの電極ピンPb1乃至Pb4が一直線又は略一直線に配置されている。
このうち、電極ピンPa1乃至Pa4は、接着部材Bを介して上部電極に圧着させて接続することができる。また、電極ピンPb1乃至Pb4は、接着部材Bを介して下部電極に圧着させて接続することができる。
【0015】
また、テール11は、上部電極に圧着された部分と、下部電極に圧着された部分とが表裏同様の構成となっている。このため、表裏を気にすることなくタッチパネル1にテール11を適用することもできる。
なお、電極ピンPa1乃至Pa4のうち配線の接続がなされていない2つの電極ピン、及び電極ピンPb1乃至Pb4のうち配線の接続がなされていない2つの電極ピンは、いずれもフリーな状態(いつでも配線の接続が可能な状態)となる。
【0016】
以下、電極ピンPa1乃至Pa4の夫々を区別する必要がない場合には、これらをまとめて「電極ピンPa」と呼ぶ。また、電極ピンPb1乃至Pb4の夫々を区別する必要がない場合には、これらをまとめて「電極ピンPb」と呼ぶ。さらに、電極ピンPaと電極ピンPbとを区別必要がない場合には、これらをまとめて「電極ピンP」と呼ぶ。
【0017】
このような構成を有するテール11であれば、1本用意するだけで様々な態様のタッチパネル1に対応することができる。つまり、表面側と裏面側との夫々に接続可能な4つの電極ピンPが設けられているため、メーカや製品毎に異なるタッチパネル1の配線パターンに合わせてテール11を新たに設計する必要がなくなる。換言すると、タッチパネル1の電極の配線パターンのパターニングの自由度が増すことになる。その結果、タッチパネル1の製品としてのバリエーションを容易に増やすことができる。
なお、テール11の具体的なサイズは特に限定されない。例えば、配線パターンのピッチ(間隔)Cが1mm(ミリメートル)、テール11の先端の幅Wが5mm(ミリメートル)、テール11の長軸方向の長さLが80mmという構成とすることもできる。また例えば、配線パターンのピッチ(間隔)Cが1.25mm(ミリメートル)、テール11の先端の幅が6.25mm(ミリメートル)、テール11の長軸方向の長さLが80mmという構成とすることもできる。
【0018】
(タッチパネル)
図2及び図3には、上述のテール11の適用例であるタッチパネル1の概略図が示されている。
【0019】
図2に示すように、テール11が適用されたタッチパネル1の表面側(上部フィルム側)には、2本の電極の配線パターンA1及びA2が配置されている。このうち、配線パターンA1は、テール11の電極ピンPa1に接続されている。また、配線パターンA2は、テール11の電極ピンPa3に接続されている。
この場合、図4に示す従来品のテールを、図2に示すタッチパネル1に適用しようとすると、テールの表面側には電極ピンP1及びP2が配置されているだけであるため、配線パターンA2をテールに接続することができない。
【0020】
また、図3に示すように、テール11が適用されたタッチパネル1の裏面側(下部ガラス側)には、2本の電極の配線パターンB1及びB2が配置されている。このうち、配線パターンB1は、テール11の電極ピンPb3に接続されている。また、配線パターンB2は、テール11の電極ピンPb1に接続されている。
この場合、図4に示す従来品のテールを、図3に示すタッチパネル1に適用しようとすると、テールの裏面側には電極ピンP3及びP4が配置されているだけであるため、配線パターンB2をテールに接続することができない。
【0021】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施してもよい。
【0022】
例えば、上述の実施形態では、電極ピンPは、テール11の表面側と裏面側の夫々に4つずつ一直線又は略一直線に配置されているが、これに限定されない。例えば4つよりも少ない数で構成することもできるし、4つよりも多い数で構成させることもできる。また、これらの電極ピンPは一直線又は略一直線に配置されていなくてもよい。
【0023】
以上まとめると、本発明に係るタッチパネル用接続部品は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
すなわち、本発明が適用されるタッチパネル用接続部品は、
上部電極と下部電極とを有する4線式抵抗膜方式のタッチパネルを構成する、タッチパネル用接続部品(例えば図1のテール11)において、
前記上部電極(例えば図2の配線パターンA1及びA2)に接続可能とする4つの電極ピン(例えば図1の電極ピンPa1乃至Pa4)からなる第1電極ピンと、
前記下部電極(例えば図3の配線パターンB1及びB2)に接続可能とする4つの電極ピン(例えば図1の電極ピンPb1乃至Pb4)からなる第2電極ピンと、
を有し、
前記上部電極と前記下部電極との夫々の配線パターンの種類に応じて、前記第1電極ピンと前記第2電極ピンとの夫々において、前記上部電極と前記下部電極との夫々に接続される2つの電極ピンと、前記上部電極及び前記下部電極に非接続となる2つの電極ピンとが夫々選択されている。
【0024】
これにより、上部電極に接続可能な4つの電極ピンと、下部電極に接続可能な4つの電極ピンが設けられているので、タッチパネルの配線パターンの種類に合わせて電極ピンを選択することができる。その結果、タッチパネル用接続部品を新たに設計する必要がなくなる。
【0025】
また、前記第1電極ピンを構成する4つの電極ピンと、前記第2電極ピンを構成する4つの電極ピンとの夫々は、いずれも一直線又は略一直線に配置されており、かつ、前記上部電極又は前記下部電極のいずれかに接続された電極ピンと、前記上部電極及び前記下部電極のいずれにも接続されていないが接続可能な状態の電極ピンとが交互に配置された構成とすることができる。
【0026】
これにより、各種のピンアサインのタッチパネルの配線パターンの仕様に適合させることができる汎用性の高いタッチパネル用接続部品とすることができる。
【0027】
また、本発明に係るタッチパネルは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
すなわち、本発明が適用されるタッチパネルは、上述の本発明に係るタッチパネル用接続部品(例えば図1のテール11)を備える。
【0028】
これにより、タッチパネルの配線パターンの種類に合わせてタッチパネル用接続部品を新たに設計する必要がなくなる。
【符号の説明】
【0029】
1・・・タッチパネル、11・・・テール、P,Pa,Pb・・・電極ピン、A,B・・・配線パターン
図1
図2
図3
図4
図5