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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047792
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】乗客コンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20220317BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
B66B31/02 Z
B66B31/02 A
B66B31/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153768
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】矢野 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 信幸
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321EA04
3F321FA01
3F321HA23
3F321HA31
(57)【要約】
【課題】踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分を踏段に乗る利用者がより確実に掴むことができるエスカレーターを得る。
【解決手段】エスカレーターは、移動手摺3と、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に、踏段4に乗る利用者が掴むべき位置を示す目印31を設ける乗車位置表示装置7と、を備えており、乗車位置表示装置7は、利用者の数に対応して利用者が乗るべき踏段4の間隔を決定し、決定された踏段4の間隔に対応して複数の目印31を順に設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手摺と、
踏段に乗る利用者が掴むべき前記移動手摺の部分に、前記踏段に乗る前記利用者が掴むべき位置を示す目印を設ける乗車位置表示装置と、
を備えている乗客コンベヤ。
【請求項2】
前記乗車位置表示装置は、前記移動手摺を除菌する請求項1に記載の乗客コンベヤ。
【請求項3】
前記乗車位置表示装置は、前記目印が設けられる前記移動手摺の部分のみを除菌する請求項2に記載の乗客コンベヤ。
【請求項4】
前記乗車位置表示装置は、前記移動手摺に光線を照射して前記移動手摺を除菌する請求項2または請求項3に記載の乗客コンベヤ。
【請求項5】
前記乗車位置表示装置は、前記移動手摺の部分に印刷によって前記目印を設ける請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
【請求項6】
前記乗車位置表示装置は、前記移動手摺の部分に光線を照射して前記移動手摺の部分に目印を設けるとともに、前記移動手摺の部分に前記光線を照射して前記移動手摺の部分を除菌する請求項1に記載の乗客コンベヤ。
【請求項7】
前記乗車位置表示装置は、前記利用者の数に対応して前記利用者が乗るべき前記踏段の間隔を決定し、決定された前記踏段の間隔に対応して複数の前記目印を順に設ける請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動手摺を備えた乗客コンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、循環移動する複数の踏段と、複数の踏段に同期して循環移動する移動手摺と、を備えたエスカレーターが知られている。上方から見た場合に利用者が乗る踏段に隣り合う位置にある移動手摺の部分は、踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-76482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、踏段に乗る利用者は、利用者の手が届く範囲内で移動手摺の任意の位置にある部分を掴むことができる。したがって、踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分以外の移動手摺の部分を、踏段に乗る利用者が掴むおそれがあるという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分を踏段に乗る利用者がより確実に掴むことができる乗客コンベヤを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベヤは、移動手摺と、踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分に、踏段に乗る利用者が掴むべき位置を示す目印を設ける乗車位置表示装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る乗客コンベヤによれば、踏段に乗る利用者が掴むべき移動手摺の部分を踏段に乗る利用者がより確実に掴むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエスカレーターを示す全体図である。
図2図1のA部を示す拡大図である。
図3】実施の形態1に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。
図4】実施の形態1に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。
図5図3の移動手摺の要部を示す拡大図である。
図6図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図7図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図8図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図9図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図10図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図11図5の移動手摺の変形例を示す図である。
図12】実施の形態2に係るエスカレーターの要部を示す正面図である。
図13】実施の形態3に係るエスカレーターの要部を示す正面図である。
図14】実施の形態3に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエスカレーターを示す全体図である。図2は、図1のA部を示す拡大図である。乗客コンベヤであるエスカレーターは、主枠1と、一対の欄干2と、一対の移動手摺3と、複数の踏段4と、を備えている。
【0010】
主枠1は、下階側階床5と上階側階床6とに渡って配置されている。一対の欄干2のそれぞれは、主枠1に設けられている。一対の欄干2のそれぞれには、移動手摺3が1個ずつ設けられている。複数の踏段4は、主枠1に設けられている。
【0011】
複数の踏段4は、無端状に配置されている。複数の踏段4は、下階側の乗降口と上階側の乗降口との間を循環移動する。一対の移動手摺3のそれぞれは、下階側の乗降口と上階側の乗降口との間を複数の踏段4に同期して循環移動する。
【0012】
エスカレーターは、乗車位置表示装置7と、乗車位置表示装置8と、をさらに備えている。乗車位置表示装置7は、下階側階床5に隣り合う主枠1の部分に設けられている。乗車位置表示装置8は、上階側階床6に隣り合う主枠1の部分に設けられている。
【0013】
乗車位置表示装置7は、下階側の乗降口にある移動手摺3の部分に対向するように配置されている。乗車位置表示装置8は、上階側の乗降口にある移動手摺3の部分に対向するように配置されている。なお、エスカレーターの構成は、乗車位置表示装置7および乗車位置表示装置8の何れか一方を備えている構成であってもよい。
【0014】
エスカレーターが上昇運転を行う場合に、乗車位置表示装置7が動作する。乗車位置表示装置7は、印刷装置71と、利用者検出装置72と、踏段位置検出装置73と、を有している。
【0015】
印刷装置71は、下階側の乗降口にある移動手摺3の部分に対向するように配置されている。また、印刷装置71は、一対の移動手摺3のそれぞれに対向するように配置されている。なお、乗車位置表示装置7は、一対の移動手摺3に対応して一対の印刷装置71を有してもよい。この場合に、一対の移動手摺3のそれぞれに印刷装置71が1個ずつ対向して配置される。
【0016】
利用者検出装置72は、下階側階床5にいるエスカレーターの利用者を検出する。エスカレーターの利用者を検出する方法としては、例えば、カメラを用いて利用者を撮影し、撮影された画像を用いてエスカレーターの利用者を検出する方法が挙げられる。利用者検出装置72の検出結果は、利用者検出装置72から出力されて、印刷装置71に入力される。
【0017】
踏段位置検出装置73は、複数の踏段4が循環移動して、予め設定された位置である第1位置に踏段4が移動した場合に、第1位置にある踏段4を検出する。踏段位置検出装置73の検出結果は、踏段位置検出装置73から出力されて、印刷装置71に入力される。
【0018】
印刷装置71は、利用者検出装置72の検出結果を用いて、エスカレーターの利用者の数を算出する。エスカレーターが上昇運転を行う場合には、エスカレーターの利用者の数は、下階側階床5にいるエスカレーターの利用者の数となる。なお、エスカレーターが下降運転を行う場合には、エスカレーターの利用者の数は、上階側階床6にいるエスカレーターの利用者の数となる。
【0019】
印刷装置71は、算出された利用者の数に対応して、利用者が乗るべき踏段4の間隔を決定する。利用者が乗るべき踏段4の間隔とは、複数の利用者のそれぞれが別々の踏段4に乗る場合に、それぞれの利用者が乗るべき踏段4の間隔である。算出された利用者の数に対応して利用者が乗るべき踏段4の間隔が決定されることによって、複数の踏段4に別々に乗る複数の利用者の互いの間隔が調整される。
【0020】
複数の踏段4のうちで、印刷装置71によって決定された利用者が乗るべき踏段4の間隔に配置されたそれぞれの踏段4を、利用者が乗るべき踏段4とする。印刷装置71は、踏段位置検出装置73の検出結果を用いて、利用者が乗るべき踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に目印31を設ける。利用者が乗るべき踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分を、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分とする。目印31は、踏段4に乗る利用者が掴むべき位置を示す。踏段4に乗る利用者が掴むべき位置は、移動手摺3とともに移動する。
【0021】
図3は、実施の形態1に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。図4は、実施の形態1に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。
【0022】
踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分とは、利用者が乗るべき踏段4の位置に対応する位置にある移動手摺3の部分である。言い換えれば、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分とは、上方から見た場合に、利用者が乗るべき踏段4に隣り合う位置にある移動手摺3の部分である。
【0023】
目印31は、移動手摺3の外周面に配置される。移動手摺3の外周面とは、移動手摺3の移動経路のうちの往路側の部分にある移動手摺3の部分に関しては、上方から見える移動手摺3の表面である。また、移動手摺3の外周面とは、移動手摺3の移動経路のうちの帰路側の部分にある移動手摺3の部分に関しては、下方から見える移動手摺3の表面である。
【0024】
目印31が移動手摺3の外周面に配置されることによって、踏段4に乗る利用者は、目印31を容易に目視することができる。なお、目印31は、移動手摺3の外周面だけでなく、移動手摺3の側面に配置されてもよい。移動手摺3の側面とは、側方から見える移動手摺3の表面である。
【0025】
印刷装置71は、エスカレーターの利用者の数に対応して、利用者が乗るべき踏段4の間隔を決定する。互いに隣接する2つの踏段4の間隔を第1の間隔とする。1つの踏段4を介して互いに隣り合う2つの踏段4の間隔を第2の間隔とする。印刷装置71は、利用者が乗るべき踏段4の間隔を、第1の間隔または第2の間隔に決定するようになっている。
【0026】
利用者が乗るべき踏段4の間隔が第1の間隔に決定された場合には、利用者が乗るべき踏段4は、全ての踏段4となる。利用者が乗るべき踏段4の間隔が第2の間隔に決定された場合には、利用者が乗るべき踏段4は、並べられた複数の踏段4のうちの一段飛ばしの踏段4となる。
【0027】
図3では、利用者が乗るべき踏段4の間隔が第1の間隔に決定された場合の移動手摺3が示されている。図4では、利用者が乗るべき踏段4の間隔が第2の間隔に決定された場合の移動手摺3が示されている。
【0028】
なお、印刷装置71は、利用者が乗るべき踏段4の間隔を第3の間隔に決定する構成であってもよい。この場合に、2個以上並べられた複数の踏段4を介して互いに隣り合う2つの踏段4の間隔を第3の間隔とする。利用者が乗るべき踏段4の間隔が第3の間隔に決定された場合には、利用者が乗るべき踏段4は、並べられた複数の踏段4のうちの複数段飛ばしの踏段4となる。
【0029】
また、最小の間隔と最大の間隔とが印刷装置71に予め設定され、利用者が乗るべき踏段4の間隔を、印刷装置71が最小の間隔と最大の間隔との間の任意の間隔に決定する構成であってもよい。
【0030】
また、管理者による印刷装置71の操作によって、利用者が乗るべき踏段4の間隔が印刷装置71に自由に設定される構成であってもよい。また、管理者による外部装置の操作によって、利用者が乗るべき踏段4の間隔が印刷装置71に自由に設定される構成であってもよい。
【0031】
また、利用者の数に関係なく利用者が乗るべき踏段4の間隔が一定となるように、利用者が乗るべき踏段4の間隔が印刷装置71に設定される構成であってもよい。
【0032】
図5は、図3の移動手摺3の要部を示す拡大図である。印刷装置71が移動手摺3の色と異なる色を移動手摺3に印刷することによって、印刷装置71は、移動手摺3に目印31を設ける。
【0033】
印刷装置71は、移動手摺3に目印31を設ける機能と、移動手摺3から目印31を除去する機能と、を有している。印刷装置71は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分のみに目印31を設ける。したがって、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分以外の部分に目印31が設けられている場合には、印刷装置71は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分以外の部分に設けられている目印31を除去する。踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分以外の部分に設けられている目印31を検出する方法としては、例えば、イメージセンサを用いて、目印31を読み取る方法が挙げられる。目印31を除去する方法としては、例えば、外周面に粘着シートが設けられているローラを目印31に押し当てて、目印31を剥がす方法が挙げられる。また、目印31を除去する方法としては、例えば、加熱されることによって消えるインクを用いて目印31が印刷されており、温風を目印31に当てることによって目印31を消す方法が挙げられる。また、目印31を除去する方法としては、例えば、特定の溶剤を用いて拭き取ることができるインクを用いて目印31が印刷されており、特定の溶剤が染み込んだスポンジを用いて目印31を拭き取る方法が挙げられる。
【0034】
エスカレーターが下降運転を行う場合に、乗車位置表示装置8が動作する。乗車位置表示装置8の構成は、乗車位置表示装置7の構成と同様である。
【0035】
次に、エスカレーターの動作について説明する。この例では、エスカレーターが上昇運転を行う場合のエスカレーターの動作について説明する。下階側階床5に利用者がいる場合には、利用者検出装置72がエスカレーターの利用者を検出する。
【0036】
利用者検出装置72がエスカレーターの利用者を検出することによって、印刷装置71は、エスカレーターの利用者の数を算出する。算出された利用者の数を用いて、印刷装置71は、利用者が乗るべき踏段4の間隔を決定する。
【0037】
印刷装置71によって利用者が乗るべき踏段4の間隔が決定された後、複数の踏段4が循環移動して、第1位置に踏段4が移動した場合に、踏段位置検出装置73は、第1位置にある踏段4を検出する。踏段位置検出装置73が第1位置にある踏段4を検出することによって、印刷装置71は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に目印31を設ける。第1位置は、第1位置にある踏段4を踏段位置検出装置73が検出し、印刷装置71が目印31を移動手摺3に設けた場合に、利用者が乗るべき踏段4に隣り合う位置にある移動手摺3の部分に目印31が設けられる位置である。
【0038】
その後、印刷装置71によって決定された踏段4の間隔に対応して、印刷装置71は、複数の目印31を移動手摺3に順に設ける。
【0039】
踏段4に乗る利用者が目印31を掴むことによって、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分を、踏段4に乗る利用者が掴む。これにより、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分を踏段4に乗る利用者がより確実に掴むことができる。
【0040】
以上説明したように、実施の形態1に係るエスカレーターは、移動手摺3と、乗車位置表示装置7と、を備えている。乗車位置表示装置7は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に、踏段4に乗る利用者が掴むべき位置を示す目印31を設ける。これにより、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分を踏段4に乗る利用者がより確実に掴むことができる。
【0041】
また、印刷装置71は、エスカレーターの利用者の数に対応して、利用者が乗るべき踏段4の間隔を決定し、決定された踏段4の間隔に対応して複数の目印31を移動手摺3に順に設ける。これにより、エスカレーターの利用者の数に対応して、複数の踏段4に別々に乗る複数の利用者のそれぞれの間隔を確保することができる。複数の踏段4に別々に乗る複数の利用者のそれぞれの間隔が確保されることによって、エスカレーターの利用者に対する感染症予防対策、利用者が転倒した時の利用者の被害の軽減などを行うことができる。
【0042】
また、乗車位置表示装置7は、移動手摺3の部分に印刷によって目印31を設ける。これにより、簡単な構成で、目印31を移動手摺3に設けることができる。
【0043】
なお、エスカレーターのデザイン、エスカレーターが設置される環境、エスカレーターの視認性などを考慮して、乗車位置表示装置7の形態は、変更可能である。図6は、図5の目印31の変形例を示す図である。印刷装置71が踏段4に乗る利用者が掴むべき位置を示す文字を移動手摺3に印刷することによって、印刷装置71は、移動手摺3に目印31を設けてもよい。この場合に、移動手摺3に印刷される文字としては、例えば、「乗車位置」が挙げられる。
【0044】
図7は、図5の目印31の変形例を示す図である。印刷装置71が移動手摺3に絵を印刷することによって、印刷装置71は、移動手摺3に目印31を設けてもよい。この場合に、移動手摺3に印刷される絵としては、手の形を示す絵が挙げられる。
【0045】
図8は、図5の目印31の変形例を示す図である。乗車位置表示装置7は、印刷装置71に限らず、移動手摺3に設けられた発光装置74を有してもよい。図8では、複数のLEDを有する発光装置74が示されている。この場合に、発光装置74が点灯することによって、乗車位置表示装置7は、移動手摺3に目印31を設ける。発光装置74と発光装置74の発光を制御する発光制御装置との間の通信としては、無線通信が用いられてもよい。
【0046】
図9は、図5の目印31の変形例を示す図である。乗車位置表示装置7は、印刷装置71に限らず、移動手摺3に画像を投射する画像投射装置75を有してもよい。この場合に、画像投射装置75が移動手摺3に画像を投射することによって、乗車位置表示装置7は、移動手摺3に目印31を設ける。画像投射装置75は、移動手摺3に投射された画像が移動手摺3とともに移動するように、画像投射装置75から投射される画像の方向を変化させる。移動手摺3に投射される画像としては、例えば、移動手摺3の色と異なる色の画像、踏段4に乗る利用者が掴むべき位置を示す文字の画像、手の形を示す絵の画像が挙げられる。
【0047】
図10は、図5の目印31の変形例を示す図である。乗車位置表示装置7は、印刷装置71に限らず、移動手摺3に設けられた変形装置76を有してもよい。変形装置76は、移動手摺3の表面に設けられる。変形装置76は、変形装置76の表面が凹凸形状に変形する。この場合に、変形装置76の表面が凹凸に変形することによって、乗車位置表示装置7は、移動手摺3に目印31を設ける。変形装置76と変形装置76の駆動を制御する変形制御装置との間の通信としては、無線通信が用いられてもよい。なお、変形装置76の表面が凹凸形状に変形することによって、変形装置76の表面に点字が形成されてもよい。
【0048】
図11は、図5の目印31の変形例を示す図である。乗車位置表示装置7は、印刷装置71に限らず、移動手摺3に設けられた振動装置77を有してもよい。振動装置77が振動することによって、振動装置77が設けられた移動手摺3の部分が振動する。この場合に、振動装置77が振動することによって、乗車位置表示装置7は、移動手摺3に目印31を設ける。振動装置77と振動装置77の駆動を制御する振動制御装置との間の通信としては、無線通信が用いられてもよい。
【0049】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係るエスカレーターの要部を示す正面図である。乗車位置表示装置7は、印刷除菌装置78と、利用者検出装置72と、踏段位置検出装置73と、を有している。印刷除菌装置78は、移動手摺3に目印31を印刷する機能と、移動手摺3に印刷された目印31を除去する機能と、移動手摺3を除菌する機能と、を有している。
【0050】
印刷除菌装置78は、実施の形態1の印刷装置71と同様に、移動手摺3の色と異なる色を移動手摺3に印刷することによって、移動手摺3に目印31を設ける。なお、乗車位置表示装置7は、図6から図11までに示すように、移動手摺3に目印31を設けてもよい。
【0051】
印刷除菌装置78は、移動手摺3への目印31の印刷と同時に、除菌を行うための光線である除菌光線を移動手摺3に照射する。移動手摺3に除菌光線が照射されることによって、移動手摺3が除菌される。したがって、乗車位置表示装置7は、移動手摺3を除菌する。
【0052】
印刷除菌装置78によって除菌光線が照射される移動手摺3の部分は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分である。言い換えれば、印刷除菌装置78によって除菌光線が照射される移動手摺3の部分は、印刷除菌装置78によって目印31が印刷される移動手摺3の部分と同じ部分である。したがって、乗車位置表示装置7は、目印31が設けられる移動手摺3の部分のみを除菌する。除菌光線としては、例えば、紫外線が挙げられる。
【0053】
利用者検出装置72および踏段位置検出装置73は、実施の形態1の利用者検出装置72および踏段位置検出装置73と同様である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0054】
以上説明したように、実施の形態2に係るエスカレーターでは、乗車位置表示装置7は、移動手摺3を除菌する。これにより、移動手摺3を清潔に保つことができる。その結果、踏段4に乗る利用者は、移動手摺3に付着する菌、ウイルスなどを気にすることなく移動手摺3を掴むことができる。
【0055】
また、乗車位置表示装置7は、目印31が設けられる移動手摺3の部分のみを除菌する。これにより、踏段4に乗る利用者は、移動手摺3のうちの除菌された部分を目視によって認識することができる。その結果、踏段4に乗る利用者は、除菌された移動手摺3の部分をより確実に掴むことができる。
【0056】
また、目印31が設けられる移動手摺3の部分のみが除菌されることによって、移動手摺3の全領域を除菌する場合と比較して、移動手摺3のうちの除菌される領域を小さくすることができる。これにより、効果的に移動手摺3を除菌することができる。
【0057】
なお、印刷除菌装置78は、踏段4に乗る利用者が移動手摺3を掴むことによって移動手摺3に付着する異物を検出する機能をさらに有してもよい。移動手摺3に付着する異物としては、例えば、利用者の皮膚の角質、利用者の皮脂が挙げられる。この場合に、エスカレーターの起動直後には、目印31が設けられる移動手摺3の部分の全領域を印刷除菌装置78が除菌し、その後は、異物の付着が検出された移動手摺3の部分のみを印刷除菌装置78が除菌してもよい。これにより、印刷除菌装置78は、移動手摺3を効果的に除菌することができる。なお、目印31が設けられる移動手摺3の部分以外の部分を利用者が掴んだ場合には、利用者が掴んだ移動手摺3の部分を印刷除菌装置78が除菌してもよい。
【0058】
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係るエスカレーターの要部を示す正面図である。図14は、実施の形態3に係るエスカレーターの要部を示す平面図である。移動手摺3は、除菌光線が照射されることによって変色する材料から構成されている。
【0059】
乗車位置表示装置7は、除菌装置79と、踏段位置検出装置73と、を有している。なお、乗車位置表示装置7は、実施の形態1と同様に、利用者検出装置72を有してもよい。除菌装置79は、移動手摺3を除菌する機能を有している。
【0060】
除菌装置79は、除菌光線を移動手摺3に照射する。除菌光線が照射される移動手摺3の部分は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分である。言い換えれば、除菌光線が照射される移動手摺3の部分は、実施の形態1における目印31が印刷される移動手摺3の部分と同じ部分である。
【0061】
除菌装置79が移動手摺3に除菌光線を照射することによって、除菌光線が照射された移動手摺3の部分は、変色する。したがって、除菌装置79が移動手摺3に除菌光線を照射することによって、除菌光線が照射された移動手摺3の部分には、目印31が設けられる。
【0062】
踏段位置検出装置73は、実施の形態1の踏段位置検出装置73と同様である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0063】
以上説明したように、実施の形態3に係るエスカレーターでは、乗車位置表示装置7は、移動手摺3を除菌する。これにより、実施の形態2と同様に、移動手摺3を清潔に保つことができ、踏段4に乗る利用者は、移動手摺3に付着する菌、ウイルスなどを気にすることなく移動手摺3を掴むことができる。
【0064】
また、乗車位置表示装置7は、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に除菌光線を照射して移動手摺3の部分に目印31を設けるとともに、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に除菌光線を照射して移動手摺3の部分を除菌する。これにより、踏段4に乗る利用者は、移動手摺3のうちの除菌された部分を目視によって認識することができる。その結果、踏段4に乗る利用者は、除菌された移動手摺3の部分をより確実に掴むことができる。
【0065】
また、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に除菌光線を照射して移動手摺3の部分に目印31を設けることによって、印刷によって移動手摺3に目印31を設ける場合と比較して、乗車位置表示装置7の構成を簡素化することができる。
【0066】
また、踏段4に乗る利用者が掴むべき移動手摺3の部分に除菌光線を照射して移動手摺3の部分を除菌することによって、移動手摺3の全領域を除菌する場合と比較して、移動手摺3のうちの除菌される領域を小さくすることができる。これにより、効果的に移動手摺3を除菌することができる。
【0067】
なお、各実施の形態では、乗客コンベヤとしてエスカレーターを例に説明した。しかしながら、乗客コンベヤは、例えば、動く歩道であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 主枠、2 欄干、3 移動手摺、4 踏段、5 下階側階床、6 上階側階床、7 乗車位置表示装置、8 乗車位置表示装置、31 目印、71 印刷装置、72 利用者検出装置、73 踏段位置検出装置、74 発光装置、75 画像投射装置、76 変形装置、77 振動装置、78 印刷除菌装置、79 除菌装置。
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