(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047894
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】邸別ピッキングシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153928
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】396026400
【氏名又は名称】株式会社鈴工
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】牛場 正人
(72)【発明者】
【氏名】牛場 凱兀
(72)【発明者】
【氏名】岡野 師行
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 勇希
(72)【発明者】
【氏名】東村 謙二
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522CC01
3F522JJ01
3F522KK07
3F522KK08
3F522LL22
3F522LL25
(57)【要約】
【課題】高額な立体自動倉庫に代わる低コストな邸別ピッキングシステムを提供する。
【解決手段】邸別ピッキングシステム100は、木造建築に使用する構造材を種類ごとに搬入する搬入ステーション10と、構造材を搬送する第1搬送手段(20)および第2搬送手段(40、50、60)と、構造材を種類ごとに載置する複数のピッキングステーション30と、構造材を、使用する邸別に載置する複数の邸別ステーション70と、構造材を邸別で搬出する搬出ステーション80とを備え、搬入ステーション10に搬入された構造材Wを第1搬送手段(20)によってピッキングステーション30に搬送し、ピッキングステーションに搬送された構造材を第2搬送手段(40、50、60)によって邸別ステーションに搬送し、邸別ステーションに搬送された構造材を第1搬送手段(20)によって搬出ステーション80に搬送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建築に使用する構造材を種類ごとに搬入する搬入ステーションと、
前記構造材を搬送する第1搬送手段および第2搬送手段と、
前記構造材を種類ごとに載置する複数のピッキングステーションと、
前記構造材を、使用する邸別に載置する複数の邸別ステーションと、
前記構造材を邸別で搬出する搬出ステーションとを備え、
前記搬入ステーションに搬入された構造材を前記第1搬送手段によって前記ピッキングステーションに搬送し、
前記ピッキングステーションに搬送された構造材を前記第2搬送手段によって前記邸別ステーションに搬送し、
前記邸別ステーションに搬送された構造材を前記第1搬送手段によって前記搬出ステーションに搬送することを特徴とする邸別ピッキングシステム。
【請求項2】
木造建築に使用する構造材を種類ごとに搬入する搬入ステーションと、
前記構造材を種類ごとに載置する複数のピッキングステーションと、
前記構造材を、使用する邸別に載置する複数の邸別ステーションとを備え、
前記搬入ステーションに搬入された構造材を、前記ピッキングステーションを経由して前記邸別ステーションに搬送し、当該邸別ステーションから邸別で搬出可能にしたことを特徴とする邸別ピッキングシステム。
【請求項3】
前記搬入ステーションに搬入された構造材を前記複数のピッキングステーションに搬送する第1搬送手段と、前記複数のピッキングステーションに搬送された構造材を前記邸別ステーションに搬送する第2搬送手段とを有し、
前記第1搬送手段は、前記複数のピッキングステーションで生じた余分な構造材を戻しステーションに移動可能な請求項2の邸別ピッキングシステム。
【請求項4】
木造建築に使用する構造材を種類ごとに搬入・載置する単一のピッキングステーションと、
前記ピッキングステーションに隣接して配設され、前記ピッキングステーションに搬入・載置された構造材を取り出して複数種保持すると共に、当該構造材を循環移動することで前記ピッキングステーションの構造材を入れ替え可能な循環移動手段と、
前記構造材を、使用する邸別に載置する複数の邸別ステーションとを備え、
前記ピッキングステーションに搬入された構造材を前記邸別ステーションに搬送し、当該邸別ステーションから邸別で搬出可能にしたことを特徴とする邸別ピッキングシステム。
【請求項5】
前記循環移動手段に、前記ピッキングステーションで生じた余分な構造材を排出する戻しステーションが接続されていることを特徴とする請求項4の邸別ピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築に使用する複数種の構造材を、建築する邸別にピッキングする邸別ピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般木造住宅は、JAS構造材のように、短辺、長辺、長さが所定寸法に規定された複数種の構造材を使用する。これら構造材は建材製造工場においてロット単位で生産され、ロット単位で立体自動倉庫のラックパレットに保管される。住宅を建築する際は、立体自動倉庫に保管された複数種の構造材の中から、建築する住宅に必要な構造材を取り出す(ピッキング)。ある程度の数量(本数)の構造材を取り出した段階で、施主別(邸別)に構造材をまとめて梱包し、プレカット工場(または工務店)にトラック等で出荷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の住宅タイプは多種多様となり、それに対応して構造材のロット生産も多種類少量生産に変化してきている。この変化に対応して、構造材を保管する立体自動倉庫も大型化・高層化により広い保管スペースが必要になっている。この結果、立体自動倉庫の基礎工事を含めた設備コストが高騰する結果、費用対効果の観点から、より低コストな邸別ピッキングシステムのニーズが高まっていた。
【0005】
そこで本発明の目的は、高額な立体自動倉庫に代わる低コストな邸別ピッキングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の邸別ピッキングシステムは、木造建築に使用する構造材を種類ごとに搬入する搬入ステーションと、前記構造材を搬送する第1搬送手段および第2搬送手段と、前記構造材を種類ごとに載置する複数のピッキングステーションと、前記構造材を、使用する邸別に載置する複数の邸別ステーションと、前記構造材を邸別で搬出する搬出ステーションとを備え、前記搬入ステーションに搬入された構造材を前記第1搬送手段によって前記ピッキングステーションに搬送し、前記ピッキングステーションに搬送された構造材を前記第2搬送手段によって前記邸別ステーションに搬送し、前記邸別ステーションに搬送された構造材を前記第1搬送手段によって前記搬出ステーションに搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、低コストな邸別ピッキングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る邸別ピッキングシステムの全体斜視図である。
【
図3B】トラバースステーションの拡大斜視図である。
【
図5B】振り分けステーションの拡大斜視図である。
【
図6A】構造材を搬入ステーションからピッキングステーションに移動するまでの状態を示す斜視図である。
【
図6B】構造材を邸別ステーションから搬出ステーションに移動するまでの状態を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る邸別ピッキングシステムの概略平面図である。
【
図8】第3実施形態に係る邸別ピッキングシステムの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る邸別ピッキングシステム100の全体斜視図である。
【0010】
このピッキングシステム100によって、木造建築に使用する複数種の構造材W1~W4を、ピッキングステーション30において建築する住宅ごとにピッキングして複数の邸別ステーション70に振り分ける。邸別ステーション70に振り分けた邸別構造材WHは、その後、仮置きステーション90に移動して梱包し、プレカット工場または工務店に出荷する。
【0011】
詳しくは、システム100のほぼ中央に操作盤1が配置される。この操作盤1を係員Pが操作してシステム100を作動する。システム100の作動はほぼ自動化されており、邸別ステーション70に邸別構造材WHを振り分け、仮置きステーション90に移動するまでの動作が自動的に行われる。
【0012】
システム100の左端に、フォークリフトによって倉庫から搬送してきた構造材Wを仮置きする仮置きステーション3が配設されている。
図2に示すように、仮置きステーション3は左右一対の水平かつ互いに平行な受け台31を有する。この受け台31の上面に沿って無端チェーンC1が張架されている。無端チェーンC1は、受け台31の下部に配設されたモータM1によって循環駆動される。
【0013】
受け台31の長手延長方向に、左右一対の昇降台32が配設されている。この昇降台32は、仮置きステーション3に隣接する搬入ステーション10のローラーコンベヤ101のローラー間に介入する形で配設されている。昇降台32は、その下部に配設されたシリンダによって昇降可能とされている。
【0014】
昇降台32の上面に沿って無端チェーンC2が配設され、当該無端チェーンC2が昇降台32の下部に配設されたモータM2によって循環駆動される。ローラーコンベヤ101の複数のローラーはモータM3によって駆動される。昇降台32がシリンダで上昇すると、その無端チェーンC2がローラーコンベヤ101の搬送面の上方に突出する。また昇降台32がシリンダで下降すると、その無端チェーンC2がローラーコンベヤ101の搬送面の下方に下がる。
【0015】
図1のように、ピッキングステーション30と邸別ステーション70との間に、第1移動手段としてのトラバース手段20が配設されている。このトラバース手段20は、互いに平行かつ水平に配設された3本のレール210、211、222に沿って移動するように構成されている。
【0016】
トラバース手段20は、
図3A、
図3Bに示すように、モータで駆動するローラーコンベヤ220と、このローラーコンベヤ220をレール210、211、222に沿って移動するためのモータM4を有する。ローラーコンベヤ220の下部に、ローラーコンベヤ220の長手方向に延びた従動シャフト201が配設されている。
図3Bに示すように、この従動シャフト201の長手方向両端に固定されたピニオンギヤ202が、両側のレール211、212に形成されたラックギヤ203に噛み合っている。
【0017】
従動シャフト201の長手方向中間部に従動プーリ204が固定されている。この従動プーリ204は、駆動ベルト205を介してモータM4の駆動プーリ206に連結されている。
【0018】
ローラーコンベヤ220の下部には複数の車輪207が配設され、当該車輪207がレール210、211、222の上フランジの上を転動するようになっている。したがって、モータM4を回転することで、ローラーコンベヤ220を
図1で矢印方向に移動可能とされている。
【0019】
第1実施形態は、ピッキングステーション30に4台のローラーコンベヤ301~304を配設している。ローラーコンベヤ301~304の数は、必要に応じて増減変更可能である。これらローラーコンベヤ301~304ごとに、所定の規格(所定長の短辺、長辺、長さ)の構造材W1~W4が載置される。
【0020】
各ローラーコンベヤ301~304は、ローラーコンベヤ301~304下部に配設されたパンタグラフ式リフト310によって昇降可能である。後述するピッキング手段40によって、上昇位置のローラーコンベヤ301~304から、構造材を1本ずつ取り上げて、高架ローラーコンベヤ50の一端部に搬送するようにしている。
【0021】
図4に示すように、ピッキング手段40は、ピッキングステーション30の4つのローラーコンベヤ301~304の上方を横断するように延びたガイドレール401と、当該ガイドレール401に沿って移動可能なキャリッジ402を有する。キャリッジ402の下部には支持バー403が昇降可能に取り付けられ、この支持バー403の両端に、構造材Wを吸着保持するバキュームパッド404が取り付けられている。
【0022】
支持バー403は、キャリッジ402に配設されたエアシリンダ405によって昇降可能に構成されている。また、キャリッジ402にはモータ406が配設され、このモータ406によってキャリッジ402がガイドレール401を走行するように構成されている。
【0023】
ガイドレール401の端部の下方に、ピッキング手段40のバキュームパッド404で吸着保持した構造材Wを1本ずつ載せて搬送する高架ローラーコンベヤ50の一端が延びている。この高架ローラーコンベヤ50の他端は、
図5Aのように邸別ステーション70の側方まで延びている。
【0024】
図5Aのように、邸別ステーション70の上方を横断する形で振り分け手段60が配設されている。この振り分け手段60は、邸別ステーション70の上方を水平方向に横断するガイドレール601と、ガイドレール601に沿って移動するキャリッジ602を有する。この振り分け手段60と、前述したピッキング手段40と、高架ローラーコンベヤ50とによって第2搬送手段が構成される。
【0025】
キャリッジ602の下部には支持バー603が昇降可能に配設され、当該支持バー603の両端に、構造材Wを保持する水平な爪部604が配設されている。また、支持バー603の中間にエアシリンダ607が水平に取り付けられている。このエアシリンダ607は、爪部604に支持された構造材Wを水平方向に押し出すためのものである。
【0026】
キャリッジ602の上部にはエアシリンダ605とモータ606が配設され、エアシリンダ605で前記支持バー603が昇降する。モータ606はキャリッジ602をガイドレール601に沿って移動するためのものである。
【0027】
第1実施形態では、邸別ステーション70に4台のローラーコンベヤ701~704を配設している。ローラーコンベヤ701~704の数は、必要に応じて増減変更可能である。これらローラーコンベヤ701~704ごとに、邸別構造材WHが載置可能とされている。各ローラーコンベヤ701~704は、ローラーコンベヤ701~704下部に配設されたパンタグラフ式リフト710によって昇降可能とされている。
【0028】
(邸別ピッキングシステムの作動)
前述した邸別ピッキングシステム100の作動を
図6A、
図6Bを参照して以下に説明する。
図6Aの(a)のように、フォークリフトFで搬送してきた構造材Wを搬入ステーション10の手前の仮置きステーション3に載置する。
【0029】
次に、この構造材Wを
図6A(b)のように搬入ステーション10に移載する。当該構造材Wを移載する際に、
図2の昇降台32をローラーコンベヤ101の上面からやや上方に突出させる。
【0030】
構造材Wの移載が終わると、
図2の昇降台32をローラーコンベヤ101の上面から下降させる。そして、
図6A(c)のように構造材Wをローラーコンベヤ220に水平移動し、次いでこのローラーコンベヤ220を
図6A(d)のように、ピッキングステーション30のローラーコンベヤ302の右側まで移動する。
【0031】
次に、ローラーコンベヤ302の上の構造材Wを、
図6A(e)のように水平移動によってローラーコンベヤ302に移動する。このようにして、ピッキングステーション30の各ローラーコンベヤ301~304に所定の構造材W1~W4を順次載せていく。
【0032】
ローラーコンベヤ301~304の構造材W1~W4の中から、邸別ステーション70のローラーコンベヤ701~704に載せるべき構造材Wを係員Pが選択して操作盤1に入力する。当該構造材Wは、ピッキング手段40、高架ローラーコンベヤ50、振り分け手段60によって邸別ステーション70まで搬送される。
【0033】
振り分け手段60では、キャリッジ602の爪部604が高架ローラーコンベヤ50の端部の下方で待機している状態で、構造材Wが高架ローラーコンベヤ50で搬送されてくる。構造材Wが停止すると爪部604が上昇し、次いでキャリッジ602がガイドレール601に沿って水平移動する。
【0034】
目的の邸別ステーション70のローラーコンベヤ701~704の上方でキャリッジ602が停止し、爪部604と共に支持バー603が下降する。これと同時に(又は事前に)、目的の邸別ステーション70がパンタグラフ式リフト710によって上昇し、支持バー603から構造材Wを受け取る態勢に入る。
【0035】
支持バー603が下降し、最後に、爪部604上の構造材Wをエアシリンダ607で横押しすることで、構造材Wをローラーコンベヤ701~704のいずれかに降ろす。構造材Wを降ろしたローラーコンベヤ701~704は、パンタグラフ式リフト710を下げることで、元の高さ(トラバース手段20のローラーコンベヤ220と同じ高さ)に下降する。
【0036】
邸別ステーション70のローラーコンベヤ701~704のいずれかで、邸別構造材WHの量が所定量に達すると、空になったローラーコンベヤ220を対応するローラーコンベヤ701~704に横付けする。そして邸別構造材WHをローラーコンベヤ701~704からトラバース手段20のローラーコンベヤ220に移動する。
図6Bの(a)では、ローラーコンベヤ704において邸別構造材WHの量が所定量に達しているものとする。
【0037】
ピッキングステーション30のローラーコンベヤ302へ構造材Wを移動して空になったローラーコンベヤ220を、邸別ステーション70のローラーコンベヤ704の左側に移動する。次に、ローラーコンベヤ704上の邸別の邸別構造材WHを、
図6B(b)のように、水平移動によってローラーコンベヤ220に移動する。
【0038】
次に、
図6B(c)のように、邸別構造材WHを載せたローラーコンベヤ220を搬出ステーション80の左側まで移動する。そして
図6B(d)のように、ローラーコンベヤ220上の邸別構造材WHを水平移動によって搬出ステーション80のローラーコンベヤ801に移動する。さらに、ローラーコンベヤ801上の邸別構造材WHを仮置き台90に移載する。
【0039】
このときの移載は、
図2で説明した昇降台32の無端チェーンC2と同様の機構によって行うことができる。最後に、仮置き台90上の邸別構造材WHを梱包してから、これをフォークリフトFでトラックに乗せ、トラックによってプレカット工場(または建築工務店)に搬送する。以上のように、本実施形態の邸別ピッキングシステム100によれば、ピッキングシステムを低コストで構成することができるのは勿論のこと、ピッキング作業を安全かつ効率的に行うことができ、また構造材の損傷率の低減や邸別構造材の納期短縮化を図ることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を
図7により説明する。この第2実施形態は、邸別ステーション70の増設を容易化したものである。
【0041】
図示するように、邸別ステーション70は高架ローラーコンベヤ50の長手方向に沿って、任意の数で容易に増設することができる。図示例ではA邸、B邸のステーションを実線で示しているが、B邸の右側に破線で示すように、さらに2つの邸別ステーションを容易に増設することができる。
【0042】
仮置きステーション3とトラバース手段20は、前述した第1実施形態と同様のものを使用することができる。ピッキングステーション30には図示例では3つのローラーコンベヤを示しているが、ローラーコンベヤの数は必要に応じて増減変更することが可能である。
【0043】
なお、トラバース手段20に戻しステーション5を接続し、ピッキングステーション30で生じた余分な構造材Wを戻しステーション5から外部に排出することも可能である。トラバース手段20のローラーコンベヤから戻しステーション5へ余分な構造材Wを移動する手段は、
図2で説明した昇降台32の無端チェーンC2と同様の機構によって行うことができる。
【0044】
(第3実施形態)
最後に、本発明の第3実施形態を
図8により説明する。この第3実施形態も
図7と同様に邸別ステーション70の増設を容易化したものである。
図7と異なるのは、ピッキングステーション30を最小化(ワンステーション)する一方、この最小化したピッキングステーション30に循環移動手段7を接続した点である。
【0045】
ピッキングステーション30に搬入・載置された構造材Wを一時的に循環移動手段7に取り出し、この循環移動手段7において構造材Wを複数種保持する。そして、空になったピッキングステーション30に対して、循環移動手段7からピッキングが必要な構造材Wを適宜移動(補充)する。
【0046】
すなわち、構造材Wを循環移動手段7で循環移動することで、ピッキングステーション30の構造材Wを入れ替えるわけである。この場合、循環移動手段7は、複数種の構造材Wを蓄えるバッファーエリアとして機能する。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば
図1では高架ローラーコンベヤ50をピッキングシステム100の片側に1つだけ配設しているが、ピッキングシステム100の反対側に別の高架ローラーコンベヤ50を増設することも可能である。高架ローラーコンベヤ50を2本にすることで、ピッキング手段40と振り分け手段60の稼働率を向上することができる。
【0048】
また、
図7、
図8の実施形態において、ピッキングステーション30においてピッキング手段40で吸着した構造材Wを、高架ローラーコンベヤ50に受け渡さないで、邸別ステーション70にそのまま直接搬送する構成にしてもよい。また、
図7、
図8では高架ローラーコンベヤ50の片側に邸別ステーション70を配設しているが、高架ローラーコンベヤ50の反対側に邸別ステーション70を増設することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
100:邸別ピッキングシステム 1:操作盤
P:係員 3:仮置きステーション
31:受け台 32:昇降台
C1、C2:無端チェーン M1~M4:モータ
F:フォークリフト 5:戻しステーション
7:循環移動手段 10:搬入ステーション
101:ローラーコンベヤ 20:トラバース手段
201:従動シャフト 202:ピニオンギヤ
203:ラックギヤ 204:従動プーリ
205:駆動ベルト 206:駆動プーリ
207:車輪 210~212:レール
220:ローラーコンベヤ 30:ピッキングステーション
301~304:ローラーコンベヤ 310:パンタグラフ式リフト
W1~W4:構造材 40:ピッキング手段
401:ガイドレール 402:キャリッジ
403:支持バー 404:バキュームパッド
405:エアシリンダ 406:モータ
50:高架ローラーコンベヤ 60:振り分け手段
601:ガイドレール 602:キャリッジ
603:支持バー 604:爪部
605:エアシリンダ 606:モータ
70:邸別ステーション 701~704:ローラーコンベヤ
710:パンタグラフ式リフト 80:搬出ステーション
801:ローラーコンベヤ 90:仮置きステーション
WH:邸別構造材