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特開2022-47917光脱毛装置、及び光脱毛装置の使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047917
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】光脱毛装置、及び光脱毛装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
A45D26/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020153968
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】520355884
【氏名又は名称】株式会社ビューティーキャラバン
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100221718
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 誠悟
(72)【発明者】
【氏名】沖 大作
(72)【発明者】
【氏名】笹原 龍樹
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客をそれぞれ区別して、施術における光の照射回数を記憶することができる光脱毛装置を提供する。
【解決手段】光脱毛装置1は、脱毛に使用される光を照射部から照射する光脱毛装置であって、記憶部、演算部、並びに表示部を備え、前記記憶部は、施術対象となる被施術者をそれぞれ区別する被施術者情報を記憶し、前記演算部は、被施術者ごとの施術に関する情報であって、一回の施術ごとの前記光が照射された照射回数を示す照射回数情報を含む施術情報を生成し、施術が行われている間において、前記光の照射が行われるたびに前記照射回数情報の数値をインクリメントする処理を行い、前記表示部は、前記照射回数を表示し、前記施術情報は、該施術情報に係る施術を受けた被施術者の前記被施術者情報と対応付けて記憶されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱毛に使用される光を照射部から照射する光脱毛装置であって、
記憶部、演算部、並びに表示部を備え、
前記記憶部は、
施術対象となる被施術者をそれぞれ区別する被施術者情報を記憶し、
前記演算部は、
被施術者ごとの施術に関する情報であって、一回の施術ごとの前記光が照射された照射回数を示す照射回数情報を含む施術情報を生成し、
施術が行われている間において、前記光の照射が行われるたびに前記照射回数情報の数値をインクリメントする処理を行い、
前記表示部は、
前記照射回数を表示し、
前記施術情報は、該施術情報に係る施術を受けた被施術者の前記被施術者情報と対応付けて記憶される
ことを特徴とする光脱毛装置。
【請求項2】
前記表示部は、
前記照射回数情報の数値がインクリメントされるたびに、表示された前記照射回数を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の光脱毛装置。
【請求項3】
前記演算部は、
前記光の照射に関する照射条件を変更可能に構成されてなり、
前記照射部は、
前記照射条件の変更に応じて、前記光の照射のパターンが変更される
ことを特徴とする請求項1若しくは2のいずれか1つに記載の光脱毛装置。
【請求項4】
前記表示部は、
前記光の照射に関する照射条件を入力可能なタッチパネルによって構成されてなる
ことを特徴とする請求項3に記載の光脱毛装置。
【請求項5】
前記表示部は、
前記光脱毛装置の本体と情報通信可能に構成された携帯情報端末である
ことを特徴とする請求項3若しくは4のいずれか1つに記載の光脱毛装置。
【請求項6】
さらに、前記記憶部には、
前記照射条件を決定する際に使用される前記被施術者の身体的特徴を表す特徴情報が、前記被施術者情報と対応付けて記憶され、
前記身体的特徴は、
前記被施術者の肌の色を含む
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1つに記載の光脱毛装置。
【請求項7】
さらに、前記記憶部には、
前記照射条件を決定する際に使用される前記被施術者の身体的特徴を表す特徴情報が、前記被施術者情報と対応付けて記憶され、
前記身体的特徴は、
前記被施術者の肌の色、毛幹の色、毛幹の太さ、毛球部の深さ、毛周期、若しくは痛みの耐容度のうち少なくともいずれか1つを含む
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1つに記載の光脱毛装置。
【請求項8】
さらに、報知部を備え、
前記演算部は、
前記特徴情報に基づいて、熱傷の発生、シミの発生、色素脱出の発生、脱毛の効果がないこと、若しくは耐容度を超える痛みの発生のうち少なくとも1つに関する施術リスクを判断し、
前記報知部は、
一定以上の施術リスクが存在すると判断された場合に、前記光脱毛装置の使用者に警告を報知する
ことを特徴とする請求項6若しくは7のいずれか1つに記載の光脱毛装置。
【請求項9】
前記演算部は、
前記照射条件を表す照射条件情報及び前記特徴情報に基づいて、前記施術リスクを判断する
ことを特徴とする請求項8に記載の光脱毛装置。
【請求項10】
演算部、並びに表示部を備え、脱毛に使用される光を照射部から照射する光脱毛装置の使用方法であって、
前記演算部は、
一回の施術ごとの前記光が照射された照射回数を示す照射回数情報を生成し、
施術が行われている間において、前記光の照射が行われるたびに前記照射回数情報の数値をインクリメントする処理を行うよう構成されており、
前記表示部は、
前記光脱毛装置の本体から分離して移動可能で、かつ、前記演算部と情報の受渡しが可能であって、前記照射回数情報の数値のインクリメントに応じて、更新された前記照射回数を表示するよう構成されており、
前記光脱毛装置を使用する使用者が、
前記表示部を、本体から分離して視認可能な所望の位置に配置する配置ステップと、
前記照射部から、前記光の照射を行う照射ステップと、
前記光の照射により更新された前記照射回数情報を、前記表示部を見ることで確認する確認ステップと、を含む
ことを特徴とする光脱毛装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛処理等に用いられる光脱毛装置、及び光脱毛装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脱毛の処理等を行うために、光脱毛装置(レーザー脱毛装置を含む。)が用いられていた。また、この種の光脱毛装置は、例えば、病院や美容サロン等で使用されている。さらには、家庭での利用を目的とした光脱毛装置も知られている。
【0003】
特許文献1では、光脱毛装置として、以下の発明が開示されている。
「脱毛に有効な光により光脱毛処理を施す光脱毛装置であって、前記光を出射する照射部を有する第1のハンドピース及び第2のハンドピースと、前記第1のハンドピース及び第2のハンドピースの各照射部を冷却する冷却水パイプを有する冷却部と、を備え、前記冷却水パイプには、前記第1のハンドピースの照射部を冷却する第1の分岐部と、前記第2のハンドピースの照射部を冷却する第2の分岐部とが並行に設けられ、前記第1のハンドピース及び第2のハンドピースの各照射部において、照射ランプを前記冷却水から隔離した状態で、前記照射ランプの3方向に近接して前記冷却水を配置し、さらに前記照射ランプと前記冷却水の間にペルチェ素子を配置した、ことを特徴とする光脱毛装置。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-213841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光脱毛装置は、顧客をそれぞれ区別して、施術における光の照射回数を記憶することができるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係る光脱毛装置は、脱毛に使用される光を照射部から照射する光脱毛装置であって、記憶部、演算部、並びに表示部を備え、前記記憶部は、施術対象となる被施術者をそれぞれ区別する被施術者情報を記憶し、前記演算部は、被施術者ごとの施術に関する情報であって、一回の施術ごとの前記光が照射された照射回数を示す照射回数情報を含む施術情報を生成し、施術が行われている間において、前記光の照射が行われるたびに前記照射回数情報の数値をインクリメントする処理を行い、前記表示部は、前記照射回数を表示し、前記施術情報は、該施術情報に係る施術を受けた被施術者の前記被施術者情報と対応付けて記憶されることを特徴とする。
【0007】
また、前記表示部は、前記照射回数情報の数値がインクリメントされるたびに、表示された前記照射回数を更新することとしてもよい。
【0008】
また、前記演算部は、前記光の照射に関する照射条件を変更可能に構成されてなり、前記照射部は、前記照射条件の変更に応じて、前記光の照射のパターンが変更されることとしてもよい。
【0009】
また、前記表示部は、前記光の照射に関する照射条件を入力可能なタッチパネルによって構成されてなることとしてもよい。
【0010】
また、前記表示部は、前記光脱毛装置の本体と情報通信可能に構成された携帯情報端末であることとしてもよい。
【0011】
また、さらに、前記記憶部には、前記照射条件を決定する際に使用される前記被施術者の身体的特徴を表す特徴情報が、前記被施術者情報と対応付けて記憶され、前記身体的特徴は、前記被施術者の肌の色を含むこととしてもよい。
【0012】
また、さらに、前記記憶部には、前記照射条件を決定する際に使用される前記被施術者の身体的特徴を表す特徴情報が、前記被施術者情報と対応付けて記憶され、前記身体的特徴は、前記被施術者の肌の色、毛幹の色、毛幹の太さ、毛球部の深さ、毛周期、若しくは痛みの耐容度のうち少なくともいずれか1つを含むこととしてもよい。
【0013】
また、さらに、報知部を備え、前記演算部は、前記特徴情報に基づいて、熱傷の発生、シミの発生、色素脱出の発生、効果がないこと、若しくは耐容度を超える痛みの発生のうち少なくとも1つに関する施術リスクを判断し、前記報知部は、一定以上の施術リスクが存在すると判断された場合に、前記光脱毛装置の使用者に警告を報知することとしてもよい。
【0014】
また、前記演算部は、前記照射条件を表す照射条件情報及び前記特徴情報に基づいて、前記施術リスクを判断することとしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る光脱毛装置の使用方法は、演算部、並びに表示部を備え、脱毛に使用される光を照射部から照射する光脱毛装置の使用方法であって、前記演算部は、一回の施術ごとの前記光が照射された照射回数を示す照射回数情報を生成し、施術が行われている間において、前記光の照射が行われるたびに前記照射回数情報の数値をインクリメントする処理を行うよう構成されており、前記表示部は、前記光脱毛装置の本体から分離して移動可能で、かつ、前記演算部と情報の受渡しが可能であって、前記照射回数情報の数値のインクリメントに応じて、更新された前記照射回数を表示するよう構成されており、前記光脱毛装置を使用する使用者が、前記表示部を、本体から分離して視認可能な所望の位置に配置する配置ステップと、前記照射部から、前記光の照射を行う照射ステップと、前記光の照射により更新された前記照射回数情報を、前記表示部を見ることで確認する確認ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光脱毛装置によれば、被施術者情報と対応付けて記憶された、一回の施術ごとの照射回数情報を表示部によって確認することができる。これにより、光脱毛装置の使用者は、被施術者に対応した一回の施術ごとの照射回数を確認して、例えば、被施術者ごとの照射回数に応じた施術金額の決定、又は施術リスクの判断などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す正面、平面及び右側面方向から見た斜視図である。
図2】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す正面図である。
図3】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す右側面図である。なお、本実施形態に係る光脱毛装置1の左側面は、右側面図と対称に表れる。
図4】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す平面図である。
図5】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す背面図である。
図6】本実施形態に係るハンドピース111の一例を示す図である。(a)はハンドピース111の平面を、(b)はハンドピース111の側面を、(c)はハンドピース111の底面をそれぞれ表す。
図7】(a)は本実施形態に係る光脱毛装置1の切断部分を示す図で、(b)は、(a)で示した切断部分の断面図である。
図8】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示すハードウェア構成図である。
図9】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223のテーブル図である。
図10】本実施形態に係る光脱毛装置1の動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す照射条件設定画面図である。
図12】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す報知画面図である。
図13】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す施術中画面図である。
図14】本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す施術結果画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下に示す実施の形態は全て本発明の一例を示したにすぎず、本発明の技術的範囲は以下に示す実施の形態に限定されるものでない。
【0019】
本実施形態では、美容サロン等において、サロンの従業員たる施術者が顧客たる被施術者に対して光脱毛の施術を行う際に使用する据え置き式の光脱毛装置1について開示する。先に光脱毛装置1の概略構成を示すと、光脱毛装置1は、本体100と携帯情報端末200とを含んでなる。本体100には接続ケーブル116によって接続されたハンドピース111が設けられ、ハンドピース111に設けられた照射部112から照射される光によって、被施術者に対する脱毛処理が行われる。携帯情報端末200は、本体100と無線通信可能に構成され、被施術者情報221の管理、照射条件の設定や、施術状況・施術結果の表示等が可能に構成されてなる。
【0020】
まず初めに、本実施形態に係る光脱毛装置1の外観の構成の一例を説明する。図1図7は、本実施形態に係る光脱毛装置1の外観の一例を示す図である。
【0021】
本体100は、箱体に形成されてなる。本体100の平面は、背面側から正面側に向かって傾斜して徐々に高さが低くなるように形成されてなる。本体100の平面には、傾斜面101から垂直に支持柱102が立設されてなる。支持柱102は、携帯情報端末200の表示部213であるタッチパネル201が、正面側に傾いた状態となるように携帯情報端末200を着脱自在に支持する。支持柱102の上端平面には接着シールが設けられてなり、該接着シールが携帯情報端末200の背面と接着し、携帯情報端末200を着脱自在に支持する。これにより、携帯情報端末200を本体100の平面に支持した場合には、正面側に傾いたタッチパネル201の視認が容易となる。支持柱102は、携帯情報端末200の背面を本体100の平面からわずかに離間させて携帯情報端末200を支持する。これにより、携帯情報端末200は、携帯情報端末200の背面と本体100の平面との間に隙間が形成されてなるよう着脱自在に支持されてなることから、該隙間に指を潜り込ませることで、携帯情報端末200を本体100から離脱させることが容易となる。
【0022】
本体100の底面には、移動に使用されるキャスター103が設けられてなる。キャスター103は本体100の底面の四隅に配設されてなる。本体100の正面及び背面には、それぞれ略コの字状のハンドル104が設けられてなる。ハンドル104は、本体100を移動させる際に使用される。
【0023】
本体100の平面には、凹溝に形成されてなり、溝の内部を冷却可能に構成された冷却受け部105が設けられてなる。冷却受け部105は、ハンドピース111が挿入可能に構成されてなる。冷却受け部105は、ハンドピース111が挿入された際に、挿入されたハンドピース111を冷却する。これにより、ハンドピース111に設けられた顧客の肌と当接する照射部112が冷却される。これによって、光脱毛を行う際の顧客の熱傷の発生リスクを低減することができる。
また、冷却受け部105の近傍には正面視上向きコの字形状の支持部106が設けられてなる。支持部106は、ハンドピース111の把持部114を掛止可能に構成されてなる。支持部106は、一時的にハンドピース111を置く際に、ハンドピース111の把持部114を掛止するために使用される。
【0024】
本体100の正面には、2つの接続コネクタ115が設けられてなる。接続コネクタ115には、それぞれ2本の接続ケーブル116の一端が接続されてなる。2本の接続ケーブル116の他端には、それぞれ2つのハンドピース111が設けられてなる。接続ケーブル116は、本体100からハンドピース111に対して給電を行う。ハンドピース111は1つのみを設けることとしてもよく、また、3つ以上設けることとしてもよい。
【0025】
ハンドピース111は、照射部112と、照射ボタン113とを含み、接続コネクタ115の他端が接続されてなる。ハンドピース111は、照射ボタン113を押下することで、照射部112から脱毛に使用される光を照射する。照射部112には、光の媒質となるアレキサンドライト、ルビー等を設けることが好ましい。また、それぞれの照射部112ごとに、媒質又は光の照射方式を変更することで、照射条件に応じて使用するハンドピースを変更して光の波長を変更することが可能となる。
【0026】
携帯情報端末200は、矩形の板体に形成されてなり、表面に表示部213と入力部214としての機能を兼ね備えるタッチパネル201が設けられてなる。
【0027】
次に、実施形態に係る光脱毛装置1の制御機能等の一例について説明する。図8図14は、本実施形態に係る光脱毛装置1のハードウェア構成、画面等の一例を示す図である。
【0028】
図8は、光脱毛装置1のハードウェア構成図である。光脱毛装置1は、本体100と携帯情報端末200とから構成されてなる。本体100は、照射部112と、冷却部121と、演算部122、通信部123、及び記憶部124とを備える。携帯情報端末200は、演算部211と、通信部212と、表示部213と、入力部214と、報知部215と、記憶部216とを備える。携帯情報端末200の記憶部216には、被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223が、それぞれ対応付けて記憶されてなる。また、本体100と携帯情報端末200とは、それぞれの通信部123,212同士によって無線通信可能に構成されてなる。
【0029】
本体100の照射部112は、脱毛に使用される光を照射する。本体100の照射部112としては、種々の照射方式を採用することができる。例えば、IPL(Intense Pulse Light)方式、若しくはSHR(Super Hair Removal)方式等の様々な方式又はこれらの方式を改良した種々の方式を利用することができる。
【0030】
本体100の冷却部121は、ハンドピース111が挿入される冷却受け部105を冷却する。これにより、冷却受け部105を用いてハンドピース111に設けられた照射部112を冷却する。本体100の冷却部121としては種々の冷却方式を採用することができる。例えば、水冷式、空冷式、ペルチェ素子を用いたもの等、又はこれらを改良した種々の方式を利用することができる。冷却部121は、冷却受け部105を冷却することに加えて、若しくは、冷却受け部105を冷却することに代えて、ハンドピース111の照射部112自体を冷却することとしてもよい。なお、照射部112自体を冷却する態様には種々の態様が存在するが、例えば、照射部112の近傍に冷却水を循環させることとしてもよい。
【0031】
本体100の演算部121は、本体100の記憶部124と協働することで本体100を制御し、本体100の通信部123と協働することで携帯情報端末200の通信部212と通信するとともに、その他の処理を行う。
本体100の演算部121としては、種々のものを採用することができる。例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、等の演算処理装置を採用することができる。
【0032】
本体100の通信部123は、本体100の演算部121と協働することで、携帯情報端末200の通信部212と通信を行う。
本体100の通信部123としては、携帯情報端末200の通信部212と無線通信を行うためのアンテナ、通信回路、若しくは通信モジュール等を採用することができる。
【0033】
本体100の記憶部124は、本体100の演算部121と協働して各種処理を行うために、本体100の制御、通信その他の処理に用いられるプログラム、その他の情報を記憶する。
本体100の記憶部124としては、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)、その他の記憶装置、又はこれらの組み合わせを採用することができる。
【0034】
また、携帯情報端末200の演算部211は、携帯情報端末200の記憶部216と協働することで、携帯情報端末200を制御し、携帯情報端末200の通信部212と協働することで本体100の通信部123と通信し、携帯情報端末200の表示部213と協働することで各種表示を行い、携帯情報端末200の入力部214と協働することで各種設定を行い、携帯情報端末200の報知部215と協働することで各種報知を行うとともに、その他の各種処理を行う。
携帯情報端末200の演算部211としては、種々のものを採用することができる。例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、等の演算処理装置を採用することができる。
【0035】
携帯情報端末200の通信部212は、携帯情報端末200の演算部211と協働することで、本体100の通信部123と通信を行う。
携帯情報端末200の通信部212としては、本体100の通信部123と無線通信を行うためのアンテナ、通信回路、若しくは通信モジュール等を採用することができる。
【0036】
携帯情報端末200の表示部213は、携帯情報端末200の演算部211と協働することで、各種表示を行う。また、携帯情報端末200は、本体100と分離して所望の位置に移動させることができることが好ましい。この場合には、携帯情報端末200を適宜移動させながら、各種入力、表示の確認等を行うことができる。
携帯情報端末200の表示部213としては、有機EL等の各種方式のディスプレイ、入力部214の機能を併せ持ったタッチパネル201等の各種表示装置を採用することができる。
【0037】
携帯情報端末200の入力部214は、携帯情報端末200の演算部211と協働することで、各種入力を受け付ける。
携帯情報端末200の入力部214としては、物理的又はソフトウェア的なキーボード、ペン型入力装置、押しボタン、若しくは表示部213の機能を併せ持ったタッチパネル201等の各種入力装置を採用することができる。
【0038】
携帯情報端末200の記憶部216は、携帯情報端末200の演算部211と協働して各種処理を行うために、携帯情報端末200の制御、通信、表示、入力その他の処理に用いられるプログラム、その他の情報を記憶する。特に、本実施形態においては、被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223等をそれぞれ対応付けて記憶する。
携帯情報端末200の記憶部216としては、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)、その他の記憶装置、又はこれらの組み合わせを採用することができる。
【0039】
図9は、本実施形態に係る光脱毛装置1の一例を示す被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223のテーブル図である。被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223は、それぞれ顧客番号によって対応付けて、携帯情報端末200の記憶部216に記憶されてなる。すなわち、本実施形態においては、被施術者情報221の顧客番号をキーとして、施術情報222及び特徴情報223は被施術者情報221と対応付けられてなる。なお、「対応付ける」との語は、単にキーによって関連付けられているという意味に解釈されるべきではなく、例えば、特徴情報223が被施術者情報221に含まれるような場合も、ここでいう「対応付ける」という語に含まれるものとする。
【0040】
被施術者情報221は、施術対象となる被施術者をそれぞれ区別する情報である。被施術者情報221は、例えば顧客番号等のキーによってそれぞれの被施術者を区別してもよく、又は、氏名と生年月日の組み合わせ等の複数のキーを組み合わせた複合キーによってそれぞれの被施術者を区別してもよい。
本実施形態における光脱毛装置1にあっては、被施術者情報221は、顧客番号、氏名、性別、年齢、登録日、電話番号に関する情報を含む。また、本実施形態においては顧客番号をキーとしている。
被施術者情報221は、その一部または全部が携帯情報端末200の表示部213に表示されるように構成されてもよい。
【0041】
なお例えば、顧客番号としては、連続若しくはランダムな番号、記号等であって、一の被施術者と他の被施術者とをそれぞれ区別することができるものを採用することができる。
【0042】
施術情報222は、被施術者ごとの施術に関する情報であって、一回の施術ごとの光が照射された回数を示す照射回数情報を含む。なお、施術情報222は、携帯情報端末200の演算部211によって施術の際に生成される。施術情報222は、キーによって被施術者情報221と対応付けて記憶部に記憶される。
本実施形態における光脱毛装置1にあっては、施術情報222は、顧客番号、施術番号、施術日、照射回数、パワー、スピード、冷却温度、パルス幅、施術時間、及び担当者に関する情報を含む。また、本実施形態においては、顧客番号によって施術情報222と該施術情報222に係る施術を受けた被施術者の被施術者情報221とが対応付けて記憶される。
施術情報222は、その一部または全部が携帯情報端末200の表示部213に表示されるように構成されてもよい。
【0043】
なお、照射回数とは、被施術者に対して、照射部112から光を照射した回数をいう。
パワーとは、照射部112から照射される発光強度をいう。ここでは例えば、公知の発光強度の単位を用いてもよく、任意に設定された多段階の発光強度のレベルを用いてもよい。
スピードとは、光の照射のパルスの繰返し周期をいう。
パルス幅とは、例えば光のパルスの時間幅をいう。
施術時間とは、施術の開始から施術の終了までに経過した時間をいう。
【0044】
特徴情報223は、照射条件を決定する際に使用される被施術者の身体的特徴を表す情報である。身体的特徴には、被施術者の肌の色、毛幹の色、毛幹の太さ、毛球部の深さ、毛周期、若しくは痛みの耐容度のうち少なくともいずれか一つが含まれる。特徴情報223は、施術者が行う問診、視診、打診等の結果に基づいて入力部214を使用して入力されてもよく、情報処理装置のカメラ、その他のセンサー(図示しない)によって得られた結果に基づいて自動で入力されてもよい。なお、特徴情報223は、キーによって被施術者情報221と対応付けて記憶部に記憶される。
本実施形態における光脱毛装置1にあっては、特徴情報223は、顧客番号、肌の色、毛幹の色、毛幹の太さ、毛球部の深さ、毛周期、及び痛み耐容度を含む。また、本実施形態においては、顧客番号によって特徴情報223と特徴情報223に係る身体的特徴を備える被施術者の被施術者情報221とが対応付けて記憶される。
特徴情報223は、その一部または全部が携帯情報端末200の表示部213に表示されるように構成されてもよい。
【0045】
なお、肌の色は、濃淡のレベル分けを行うことにより設定してもよく、白、黄、黒というように分類してもよい。なお、光脱毛においては、照射される光が皮膚のメラニンに作用することから、肌の色が濃い若しくは黒色の場合には熱傷を引き起こす恐れがある。
毛幹の色は、濃淡のレベル分けを行うことにより設定してもよく、白、黄、黒というように分類してもよい。同様に、照射される光がメラニンに作用する性質を有することから、毛幹の色が薄い若しくは毛幹の色が白や黄の場合には、光脱毛の効果を十分に得ることができない。
毛幹の太さは、例えば直径によって設定してもよく、見た目の太さをレベル分けすることにより設定してもよい。毛幹の太さが太い場合には、毛幹のメラニンが光によって受けたエネルギーを毛球部まで伝達しやすい。しかしながら、毛幹の太さが細い場合には、光脱毛の効果を十分に得ることができない。
毛球部の深さは、例えば、皮膚表面から毛球部までの距離により設定することができる。例えば、毛を引き抜くことにより皮膚に埋まっていた毛の長さを計測することで、皮膚表面から毛球部までの距離を計測することができる。毛球部の深さが浅い場合には、毛幹のメラニンが光から受けたエネルギーが毛球部まで伝達しやすい。その一方、毛球部の深さが深い場合には、光によって受けたエネルギーが毛球部に到達しにくく、脱毛の効果を十分に得ることができない。
毛周期とは、毛が生え変わる周期をいう。光脱毛は、毛周期のうちの成長期の毛に対して効果がある。このため、毛周期に応じた間隔をあけて施術を行うことが好ましい。そのため、成長期の毛の本数が少ない場合には、光脱毛の効果を十分に得ることができない。
痛み耐容度とは、被施術者の痛みに対する耐容度をいう。痛み耐容度が高い場合にはパワーの強い光を照射することが可能となるとともに、より多くの回数光を照射することが可能となる。このため、痛み耐容度が高い場合には、脱毛の効果を得ることが容易となる。その一方、痛み耐容度が低い場合には、被施術者に耐えられない痛みを生じさせる恐れがある。
【0046】
図10は、本実施形態に係る光脱毛装置1の動作の一例を示すシーケンス図である。以下では、図11図14の画面図を適宜参照しながら、本実施形態に係る光脱毛装置1の動作の流れを説明する。また、本実施形態においては、図9の被施術者情報221テーブルに記載の脱毛太郎に対して2020年5月1日に行った、施術番号001の施術を例に説明することとする。なお、本実施形態においては、照射回数をインクリメントする処理等を携帯情報端末200の演算部211により行う例を示す。
【0047】
まず初めに、光脱毛装置1の動作を始める前に、美容サロン等における顧客である被施術者の肌を露出させ、ベッド等に横になってもらう。この状態で、光脱毛装置1の電源を入れ、光脱毛装置1のスタンバイを完了させる。
【0048】
次に、特徴情報表示ステップS250では、携帯情報端末200の記憶部216に記憶された特徴情報223を読み出して、携帯情報端末200のタッチパネル201に表示する。ここでは、施術を受ける被施術者の被施術者情報221に対応付けて記憶された特徴情報223を表示する。なお、特徴情報223の表示と併せて、被施術者の被施術者情報221を表示することとしてもよい。
特徴情報表示ステップS250では、施術者は照射条件を決定するために、タッチパネル201に表示された特徴情報223を使用することができる。
なお本実施形態においては図示しないが、携帯情報端末200は、脱毛太郎の特徴情報223である肌の色、毛幹の色、毛幹の太さ、毛球部の深さ、毛周期、若しくは痛み耐容度の全部若しくは一部を、タッチパネル201に表示することができる。
【0049】
次に、照射条件情報入力ステップS251では、図11に示すように、携帯情報端末200の記憶部216から読み出された照射条件設定画面を、携帯情報端末200のタッチパネル201に表示する。施術を行う施術者は、特徴情報表示ステップS250で表示された特徴情報223に応じて決定した照射条件を入力することができる。
ここでは、調節可能な照射条件として、パワー、スピード、冷却温度、及びパルス幅を表示しているが、照射条件はこれらに限られるものではなく、各種条件を設定することができる。例えば、光の強さ(パワー)、光の波長、光の露光時間(パルス幅)、光の照射間隔(スピード)、照射部112の走査速度、若しくは照射部112の冷却温度等のうち少なくとも1つを含む条件を設定可能とすることができる。
【0050】
図11では、それぞれ、パワー設定部231、スピード設定部232、冷却温度設定部233、パルス幅設定部234を左右にスライドすることで、照射条件を調節することができる。照射条件の調節が終了したら、スタートボタン235をタッチすることで照射条件の設定を完了させることができる。
【0051】
次に、施術リスクの判断・報知ステップS252では、施術を行うことによるリスクである施術リスクを演算部によって判断し、一定以上の施術リスクが存在すると判断された場合には報知部215により報知を行う。なお、施術リスクとしては、例えば、熱傷の発生、シミの発生、色素脱出の発生、脱毛の効果がないこと、若しくは耐容度を超える痛みの発生等のうち少なくとも1つを含むことができる。なお、脱毛の効果がないことには、脱毛の効果が著しく低い場合を含むこととする。
また、図12に示すように、一定以上の施術リスクが存在すると判断された場合には、報知部215により報知を行ってもよい。図12においては、画面に警告表示236を行うことにより報知を行うこととしたが、報知手段はこれに限られるものではない。例えば、報知手段として、音による報知、タッチパネル201の点滅による報知、照射部112の照射を停止することによる報知等を採用することができる。
【0052】
施術リスクの判断にあたっては、種々の方法を採用することができる。例えば、施術リスクは特徴情報223に基づいて判断をしてもよい。この場合は、例えば、被施術者の肌の色が濃く黒色である場合には、一定以上の熱傷のリスクがあるため、施術リスクがあると判断する。この他、被施術者の毛幹の色が白くメラニンを含まない場合には、脱毛の効果がないリスクが存在するため、施術リスクがあると判断する。
また例えば、施術リスクは照射条件を表す照射条件情報及び特徴情報223に基づいて判断することとしてもよい。この場合は、例えば、照射条件として入力されたパワーが、被施術者の肌の色に応じて照射可能なパワーよりも強い場合に、一定以上の熱傷のリスクがあるため、施術リスクがあると判断する。また、照射条件情報及び特徴情報223に基づいて施術リスクを判断する場合にあっては、特徴情報223に応じて各種照射条件の設定が可能な範囲を定めておき、施術者により入力された照射条件が該範囲を逸脱する場合に施術リスクがあると判断することとしてもよい。
【0053】
次に、施術リスクが一定の基準よりも低いと判断された場合には、携帯情報端末200は照射条件情報送信ステップS253に進む。照射条件情報送信ステップS253では、携帯情報端末200の通信部212と本体100の通信部123とが無線通信を行うことで、照射条件情報が携帯情報端末200から本体100へと送信される。そして、照射条件情報受信ステップS150では、本体100の通信部123が携帯情報端末200から送信された照射条件情報を受信する。
なお、これと併せて、携帯情報端末200は本体100へと送信した照射条件情報に応じて、施術情報222を生成する。さらに、携帯情報端末200は、表示画面を図11の照射条件設定画面から図13の施術中画面に変更する。
なお、施術中画面では、施術情報222に基づいて構成される施術情報表示部237と、氏名表示部238と、終了ボタン239とが表示される。
【0054】
次に、条件パラメータ設定ステップS151では、本体100の演算部121は、記憶部から照射に関する条件パラメータの設定に係るプログラムを読み出して、照射の条件パラメータを設定する。この際、本体100は、照射条件情報受信ステップS150で受信した照射条件情報に基づいて、条件パラメータを設定する。以上のステップにより、光脱毛装置1は、照射ボタン113の押下を行うだけで、光の照射が可能な状態となる。
【0055】
次に、照射ボタン押下検知ステップS152では、本体100は照射ボタン113の押下を検知する。照射ボタン113の押下の検知をトリガーとして照射ステップS153に移り、本体100は設定された条件パラメータに応じた光を照射部112から照射する。
【0056】
次に、照射通知ステップS154では、本体100の通信部123と携帯情報端末200の通信部212とが無線通信を行うことにより、本体100から携帯情報端末200に光の照射を行った旨の照射通知を行う。
通知受信ステップS254では、携帯情報端末200の通信部212と本体100の通信部123とが無線通信を行うことにより、携帯情報端末200が本体100から照射通知を受信する。
【0057】
次に、照射回数インクリメントステップS255では、施術情報222に含まれる照射回数情報をインクリメントする。ここでは、現在の照射回数情報に含まれる数値をXとし、このXをX+1とする処理を行う。なお、照射回数情報は、0から開始して、照射通知を受信するたびに1ずつインクリメントされることが好ましい。
【0058】
次に、照射回数表示ステップS256では、現在の照射回数情報の数値をタッチパネル201に表示する。照射回数表示ステップS256は、照射回数インクリメントステップS255の後に続くことから、照射回数情報がインクリメントされるたびに、更新された照射回数がタッチパネル201に表示される。これにより、施術者は、更新された照射回数を常に確認しながら、被施術者に対する施術を行うことができる。さらに、携帯情報端末200を本体100から分離して視認可能な所望の位置に配置した場合にあっては、施術者は被施術者に対する施術を行いながら、施術の状況を確認することが容易となる。
【0059】
次に、再度照射ボタン113の押下がなされた場合、照射ボタン押下検知ステップS152に進む。ここでの照射ボタン押下検知ステップS152、照射ステップS153、及び照射通知ステップS154では、既に上述したこれらのステップと同一の処理が行われる。
【0060】
次に、再度照射通知を携帯情報端末200が受信した場合、通知受信ステップS254に進む。ここでの通知受信ステップS254、照射回数インクリメントステップS255、照射回数表示ステップS256では、既に上述したこれらのステップと同一の処理が行われる。
【0061】
以上の照射ボタン押下検知ステップS152から照射回数表示ステップS256までの処理を、施術者の照射ボタン113の押下に応じて所望回数ループすることによって、光脱毛の施術が行われる。こうして施術が終了した場合、施術者はタッチパネル201の終了ボタン239をタッチして、施術結果表示ステップS257へと進む。なお、携帯情報端末200は、終了ボタン239のタッチを受けて、表示画面を図14の施術結果画面に変更する。
【0062】
結果表示ステップS257では、携帯情報端末200は、照射回数を含む施術の結果をタッチパネル201に表示する。なお、本実施形態においては、照射回数に加えて施術の結果として施術情報222を表示している。施術者は、この照射回数を確認することで、施術に係る金額、アフターケアの必要性等を判断することができる。なお、施術に係る金額、アフターケアの必要性等を判断するにあたっては、照射回数に加えてその他の施術情報222を参考にすることもできる。
光脱毛装置1は、記録ボタン240の押下に応じて、最後の施術情報記録ステップS258に進む。
【0063】
最後に、施術情報記録ステップS258では、携帯情報端末200は、照射回数を含む施術情報222を、被施術者情報221と対応付けて記憶部216に記憶する。
これにより、施術情報222及び特徴情報223がそれぞれ被施術者情報221に対応付けて記憶部に記憶されることで、顧客の情報を十分に管理することができる。
【0064】
以下、本実施形態に係る光脱毛装置1の構成から生ずる作用及び効果を説明する。
【0065】
光脱毛装置1は、施術が終了すると照射回数情報を含む施術の結果を表示部213に表示する。これにより光脱毛装置1の使用者は、被施術者に応じた1回の施術ごとの照射回数を確認して、例えば、被施術者ごとの照射回数に応じた施術金額の決定、又はアフターケアの必要性の判断などを行うことができる。
【0066】
光脱毛装置1は、照射ボタン113の押下に応じて照射回数情報に含まれる照射回数をインクリメントする。さらに、照射回数のインクリメントに応じて、タッチパネル201に表示された照射回数の表示を更新する。これにより、施術中に常に更新後の照射回数がタッチパネル201に表示されることとなる。これによって、施術者は、照射回数を確認しながら施術を行うことができる。
例えば、肌の色が濃い若しくは黒い被施術者は、熱傷の施術リスクが存在し、許容回数を超える光の照射を行うと熱傷が発生してしまう。このため、常に施術者が照射回数を確認しながら光脱毛装置1を使用することができることは、熱傷の発症を防止する観点からも好ましい。またさらに、美容サロン等ではコストを低減する観点からも1回の施術ごとの照射回数を管理することが好ましい。この観点からも、施術を行いながら照射回数を確認することができることが好ましい。
【0067】
さらに、光脱毛装置1は、光の照射に応じて照射回数をインクリメントするとともに、タッチパネル201に表示された照射回数の表示を更新することができることに加えて、携帯情報端末200を本体100から分離して所望の位置に配置することができる。これにより、施術中においても、施術者が視認しやすい位置に携帯情報端末200を配置して、照射回数を確認しながら施術を行うことができる。これによって、さらに容易に照射回数の管理をすることができる。
【0068】
さらに、光脱毛装置1は、照射回数の管理と併せて、被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223を対応付けて記憶する。これにより、被施術者のそれぞれの情報を区別可能であるとともに、過去の施術結果、及び被施術者の身体的特徴を統合して管理可能となる。これによって、光脱毛装置1は、施術の途中における照射回数の管理とともに、施術後においても顧客の管理を容易に行うことができる。
【0069】
光脱毛装置1は、携帯情報端末200を使用して照射条件を設定することができる。さらに、携帯情報端末200により入力を受け付けた照射条件を施術情報222として、携帯情報端末200が記憶する。これにより、容易に照射条件の設定と施術情報222の管理をすることができる。
【0070】
以下では、光脱毛装置1において、適宜変更可能な構成を説明する。
【0071】
光脱毛装置1の分散・統合の形態は、実施形態において説明したものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223を携帯情報端末200の記憶部216で記憶し、照射条件情報の入力や照射回数のインクリメント等の処理を携帯情報端末200の演算部211と表示部213により行った。しかしながら例えば、本体100に直接に表示部を設けることで、これらの処理が本体100のみで完結するように処理することとしてもよい。
さらに、被施術者情報221、施術情報222、及び特徴情報223は、サーバに記憶することとしてもよい。この場合は、光脱毛装置1は、サーバを含めて一つの装置として構成されることとなる。
【0072】
光脱毛装置1の各構成要素同士の情報の受渡しは、無線通信に限定されるものではなく、有線通信によるものとしてもよい。具体的には、光脱毛装置1を構成する本体100と携帯情報端末200とは、有線通信により情報の受渡しを行うこととしてもよい。また、この場合であっても、施術を行う際には、照射回数を都度更新する表示部213を視認可能な所望の位置に配置することが好ましい。
【0073】
光脱毛装置1は、ハンドピース111に設けられた照射ボタン113を押下することで光を照射することとしたが、これに代えて、携帯情報端末200のタッチパネル201に表示される照射ボタン(図示しない)をタッチすることにより、光を照射することとしてもよい。この場合、照射ボタンのタッチを携帯情報端末200が検知すると、照射命令を本体100に送信し、光を照射させることができる。
【0074】
(他の実施形態)
また、前述の実施形態においては、美容サロン等において使用される本体と携帯情報端末とを具備する光脱毛装置を開示したが、光脱毛装置の態様はこれに限られるものではない。例えば、本実施形態で開示したものと同様の機能を有する記憶部、演算部、及び表示部を備えるハンディタイプの光脱毛装置によっても本発明を実施することができる。以下で説明する光脱毛装置は、特に言及した部分以外の部分については、前述の実施形態と同様の構成を備える。
【0075】
ハンディタイプの光脱毛装置は主に家庭用として用いられる。このようなハンディタイプの光脱毛装置にあっても、光脱毛装置の本体に記憶部、演算部、及び表示部を具備させることができる。
【0076】
さらに、この場合において、前記記憶部には、ハンディタイプの光脱毛装置を使用する家族をそれぞれ区別する被施術者情報と、前記被施術者情報と対応付けて記憶される施術情報とを記憶することができる。
【0077】
さらに、前記演算部は、ハンディタイプの光脱毛装置の光の照射回数を、光の照射のたびにインクリメントするように構成することができる。またさらに、前記インクリメントされた光の照射回数を、光の照射のたびに更新して前記表示部に表示させることもできる。
【0078】
その他の部分についても、既に述べた実施形態と同様に、適宜変更することで本発明の作用・効果を奏することができる。
【0079】
さらに、この場合のハンディタイプの光脱毛装置においても、その処理とデータの分散・統合の形態は適宜変更することができる。すなわち、ハンディタイプの光脱毛装置の本体と相互に情報通信可能なスマートフォンに、適宜アプリケーション等をインストールすることで、スマートフォンにより被施術者情報、及び施術情報の記憶、照射回数のインクリメント、照射回数の表示とその更新等の処理を行うことができる。さらに、これらの情報の記憶及び処理は、その一部を本体若しくはスマートフォン以外のサーバによって実現することもできる。
【符号の説明】
【0080】
1 光脱毛装置
100 本体
101 傾斜面
102 支持柱
103 キャスター
104 ハンドル
105 冷却受け部
106 支持部
111 ハンドピース
112 照射部
113 照射ボタン
114 把持部
115 接続コネクタ
116 接続ケーブル
121 冷却部
122 演算部
123 通信部
124 記憶部
200 携帯情報端末
201 タッチパネル
211 演算部
212 通信部
213 表示部
214 入力部
215 報知部
216 記憶部
221 被施術者情報
222 施術情報
223 特徴情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14