(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047988
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】作業工程決定装置及び作業工程決定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20220317BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20220317BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154076
(22)【出願日】2020-09-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月18日 令和2年度第28回業務改善・改革発表会にて公開 令和2年9月9日 令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】501497264
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 靖博
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和明
(72)【発明者】
【氏名】林 詳悟
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 謙治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】気象条件を考慮した最適な作業工程を決定する。
【解決手段】推定部22は、日ごとの各地域の気象条件に基づいて、月ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定する。決定部24は、月の作業能力に関する制約条件と、各作業箇所の作業量と、推定された月ごとの各作業箇所の作業可能確率に基づいて、月ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の短単位の時期である第一時期ごとの各地域の気象条件に基づいて、長単位の時期である第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定する推定部と、
一の第二時期の作業能力に関する制約条件と、各作業箇所の作業量と、推定された第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率に基づいて、第二時期ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定する決定部と、
を含む作業工程決定装置。
【請求項2】
前記第一時期は、日単位の時期であり、
前記第二時期は、月単位の時期であり、
前記推定部は、過去の日ごとの各地域の気象条件に基づいて、各作業箇所について、日ごとに、作業箇所が属する地域について作業可能な気象条件であるか否かを判断し、月ごとに、作業可能な日数の割合を、前記作業可能確率として推定する請求項1記載の作業工程決定装置。
【請求項3】
前記作業は、道路に関する作業である請求項1又は2記載の作業工程決定装置。
【請求項4】
前記作業は、道路ののり面での作業である請求項3記載の作業工程決定装置。
【請求項5】
前記作業は、橋梁に関する作業である請求項1又は2記載の作業工程決定装置。
【請求項6】
コンピュータを、
過去の短単位の時期である第一時期ごとの各地域の気象条件に基づいて、長単位の時期である第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定する推定部、及び
一の第二時期の作業能力に関する制約条件と、各作業箇所の作業量と、推定された第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率に基づいて、第二時期ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定する決定部
として機能させるための作業工程決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業工程決定装置及び作業工程決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路保全事業は、気象条件による影響を受ける。これまでの道路保全事業は、代表地点の気象情報に基づき事業を実施している。道路保全事業は多岐に渡っており、各事業は制約条件のもとで、事業計画を策定している。現状では、近傍の代表地点の気象情報や経験則で策定している。
【0003】
また、過去に発生した労働災害の事例を気象要素の実績情報と対応付けて事例データベースに記憶しておき、所定の現場における気象要素の予測情報に基づいて事例を抽出し、抽出された事例を出力する技術が示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在の事業計画の策定方法では、おおよその事業計画を立案できるが、工程管理に用いることは難しく、最適に事業が履行できているか不明である。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して、気象条件を考慮した最適な作業工程を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る作業工程決定装置は、過去の短単位の時期である第一時期ごとの各地域の気象条件に基づいて、長単位の時期である第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定する推定部と、一の第二時期の作業能力に関する制約条件と、各作業箇所の作業量と、推定された第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率に基づいて、第二時期ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定する決定部と、を含んで構成されている。
【0008】
本発明に係る作業工程決定プログラムは、コンピュータを、過去の短単位の時期である第一時期ごとの各地域の気象条件に基づいて、長単位の時期である第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定する推定部、及び一の第二時期の作業能力に関する制約条件と、各作業箇所の作業量と、推定された第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率に基づいて、第二時期ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定する決定部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明の作業工程決定装置及び作業工程決定プログラムによれば、過去の短単位の第一時期ごとの各地域の気象条件に基づいて、長単位の第二時期ごとの各作業箇所の作業可能確率を推定し、一の第二時期の作業能力に関する制約条件に基づいて、第二時期ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定することにより、気象条件を考慮した最適な作業工程を決定することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置を示す機能ブロック図である。
【
図3】各作業対象のり面についての月ごとの作業可能確率の一例を示す図である。
【
図4】(A)のり面A、Bについての月ごとの作業可能確率の一例を示す図、及び(B)のり面A、Bについての月ごとの作業量の最適化結果の一例を示す図である。
【
図5】最適化計算における変数群と制約条件の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置の作業可能確率推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置の作業工程決定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【
図8】各作業対象のり面についての月ごとののり面点検作業の作業量の最適化結果の一例を示す図である。
【
図9】のり面点検作業の作業工程の最適化による効果を示す図である。
【
図10】各作業対象のり面についての月ごとののり面伐採作業の作業量の最適化結果の一例を示す図である。
【
図11】のり面伐採作業の作業工程の最適化による効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
<本発明の実施の形態の概要>
現場作業に関し、労働災害の発生が危惧される場所として「のり面」がある。のり面での作業は、斜面や狭隘な小段での作業を伴うため、転倒・転落の恐れがあり、雨天時にはこのリスクが助長されるなど、特に留意が必要な場所といえる。また、のり面での作業は日中野外で行われるため、6月から9月の4か月間においては真夏日(日最高気温が30℃以上の日を指す)の発生日数が多くなり、熱中症発生リスクが高まることも知られている。
【0013】
本発明の実施の形態では、年間の作業量が膨大で作業工程管理が難しく、労働災害リスクが高いのり面作業を対象とし、高密度な気象データを活用した数理最適化(以下、最適化という)を用いて、安全で効率的な工程計画を策定する。
【0014】
最適化とは、現実の課題に対していくつかの制約条件のもとで目的関数を最適化(最大化あるいは最小化)するため、複数の数理計画モデルを解き、課題解決に有用な判断材料を得ることをいう。実務者は、体制や実施時期・期間、協力体制の構築など実施計画を期首に策定し、履行中は制約条件(作業条件、予算、工期)を考慮しながら実施することから、最適化を導入することで、最適な作業の実施時期が得られる、などの効果が挙げられる。
【0015】
しかし、これまでのデータ分析による成果の多くは予測技術の提案に留まっており、業務レベルで活用できる最適化技術の提案には至っていない。この理由の一つとして、工程や作業環境の主要因である気象データの質を挙げる。現状の気象データは代表地点のみの疎なデータ(IC(インターチェンジ)間の1箇所程度)であることから、地形条件によって局地的に異なる状況を捉えていないため、精度良い分析結果が得られない。
【0016】
そこで、本発明の実施の形態では、のり面作業を労働災害リスクの少ない時期に実施できるよう、高密度な気象データを用いて最適化計算を実施し、作業工程計画を策定する。
【0017】
<本発明の実施の形態の作業工程決定装置の構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置100は、CPU12、グラフィックカード13、GPU14、RAM16、HDD18、通信インタフェース21、及びこれらを相互に接続するためのバス23を備えている。
【0018】
CPU12、GPU14は、各種プログラムを実行する。RAM16は、CPU12による各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。記録媒体としてのHDD18には、後述する作業可能確率推定処理ルーチン及び作業工程決定処理ルーチンを実行するためのプログラムを含む各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0019】
本実施の形態における作業工程決定装置100を、作業可能確率推定処理ルーチン及び作業工程決定処理ルーチンを実行するためのプログラムに沿って、機能ブロックで表すと、
図2に示すようになる。作業工程決定装置100は、入力部10、演算部20、及び出力部50を備えている。
【0020】
入力部10は、過去の日ごとの事業範囲の各地域の気象条件、及び事業の作業工程に関する情報を受け付ける。具体的には、過去の日ごとの各地域の気象条件として、1kmメッシュ単位の各地域の気象情報(晴雨、最高気温を含む)を受け付ける。例えば、1kmメッシュ単位のピンポイントで各種気象情報の取得が可能な「農研機構メッシュ農業気象情報(The Agro-Meteorological Grid Square Data, NARO)」を採用すればよい。
【0021】
また、事業の作業工程に関する情報として、作業対象のり面の位置情報(緯度経度)を受け付ける。
【0022】
また、入力部10は、のり面点検作業の制約条件と、作業対象のり面毎の作業量とを入力として受け付ける。例えば、のり面点検作業の制約条件として、作業期間(6月~12月)、及び月ごとの作業量の上限である作業能力を受け付ける。
【0023】
演算部20は、推定部22及び決定部24を備えている。
【0024】
推定部22は、過去の日単位の各地域の気象条件に基づいて、月単位の各作業対象のり面の作業可能確率を推定する。
【0025】
具体的には、推定部22は、過去の日ごとの各地域の気象条件に基づいて、各作業対象のり面について、過去の日ごとに、当該作業対象のり面が属する1kmメッシュについて作業可能な気象条件であるか否かを判断し、過去の月ごとに、作業可能な日数の割合を、作業可能確率として推定する。
【0026】
例えば、日ごとに、当該作業対象のり面が属する1kmメッシュの気象条件が、雨天日、又は真夏日(日最高気温が30度以上の日)であれば、作業不能な気象条件であると判断し、そうでなければ、作業可能な気象条件であると判断する。また、月ごとに、平日数を求め、月ごとに、平日数から作業不能な気象条件であると判断された日数を減じた日数を、平日数で除した割合を、作業可能確率として計算する。例えば、月の作業不能な気象条件であると判断された日数が10日、平日数が21日の場合、(21-10)/21=0.524が該当月の作業可能確率となる。
【0027】
図3に、松山道の各作業対象のり面について計算した、月ごとの作業可能確率の一例を示す。どの地点においても、夏季である7~9月の作業可能確率は5割以下であり、他の月に比べて低く、労働環境が過酷(図中の下矢印)であることを示している。しかし、山岳区間でも、図中の破線範囲のように夏季の9月で6割程度に回復する地点もあれば、冬季2月で5割程度まで落込む地点もある。このように、巨視的な観点でみると路線やIC間、微視的な観点では隣り合うのり面によって、作業可能確率に大きな違いがあることがわかる。これは、高密度気象データを用いないと示せない結果であり、IC間レベルの代表値ではこの違いを加味した最適な作業工程は策定できない。
【0028】
決定部24は、のり面点検作業の制約条件である月ごとの作業能力及び作業期間と、各作業対象のり面の作業量と、推定された月ごとの各作業対象のり面の作業可能確率とに基づいて、月ごとの各作業対象のり面の作業量を表す作業工程を決定する。
【0029】
例えば、作業期間を6月から12月に設定し、最適化計算を行う。最適化計算では、従来既知の輸送最適化問題と同様の手法を用いる。ここで、輸送最適化問題とは、倉庫群から工場群へ部品を搬送したい場合、最も効率の良い配送方法を求め、輸送費が最小となる計画を策定するものである。
【0030】
最適化計算では、作業可能確率の高い月にできるだけ多く当該作業対象のり面での作業を行えるように作業工程を決定する。これにより、作業環境の良い月を優先した最適な作業工程を策定する。最適化イメージを
図4に示す。作業パーティー別に月ごとの作業能力を制約条件として設定し、作業対象のり面毎に作業可能確率を考慮した作業予定面積が振り分けられることで、作業対象のり面ごとに最適解を得る。この演算はプログラミングソフトPythonを用いたコードにより実行した。最適化計算に用いる変数群を
図5に示す。
【0031】
作業対象となるのり面を1~iとし、作業月を1~jとし、作業予定面積Xijと作業可能確率cijの積の合計を目的変数Z(式(1))とすると、目的変数Zが最大になるときの、最適な作業予定面積X11,X12,・・・,Xijを得る。本工程計画では、作業量としての作業対象面積ai、作業能力bjを固定し、式(2)、(3)の制約条件を設定した。
【0032】
【0033】
決定部24は、決定された最適な作業工程として、月ごとの各作業対象のり面の作業予定面積を出力部50により出力する。
【0034】
<作業工程決定装置の動作>
次に、本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置100の動作について説明する。
【0035】
まず、入力部10によって、過去の日ごとの事業範囲の各地域の気象条件、及び事業の作業工程に関する情報を受け付けると、作業工程決定装置100によって、
図6に示す作業可能確率推定処理ルーチンが実行される。
【0036】
まず、ステップS100において、推定部22は、入力された、過去の日ごとの事業範囲の各地域の気象条件を取得する。
【0037】
ステップS102では、推定部22は、過去の日ごとの各地域の気象条件に基づいて、各作業対象のり面について、日ごとに、当該作業対象のり面が属する1kmメッシュについて作業可能な気象条件であるか否かを判断する。
【0038】
ステップS104では、推定部22は、各作業対象のり面について、月ごとに、作業可能な日数の割合を、作業可能確率として推定する。
【0039】
次に、入力部10によって、月の作業能力に関する制約条件と、作業対象のり面毎の作業量とを入力として受け付けると、作業工程決定装置100によって、
図7に示す作業工程決定処理ルーチンが実行される。
【0040】
ステップS110では、決定部24は、月の作業能力に関する制約条件と、各作業対象のり面の作業量と、推定された月ごとの各作業対象のり面の作業可能確率とを取得する。
【0041】
ステップS112では、決定部24は、月の作業能力に関する制約条件と、各作業対象のり面の作業量と、推定された月ごとの各作業箇所の作業可能確率とに基づいて、上記(1)式の目的変数Zの最適化計算により、月ごとの各作業対象のり面の作業量を表す作業工程を決定する。決定部24は、決定された作業工程を出力部50により出力する。
【0042】
<実施例1>
道路ののり面点検作業について、上記の実施の形態で説明した手順で作業対象のり面別の作業工程の最適化計算を行った。
図8に一例として、IC間で集約した最適化したのり面点検の作業工程を示す。
【0043】
図8の下段の括弧は作業可能確率を示しており、作業可能確率が低い月が明記できるようヒートマップ化し、作業可能確率が低いほど、濃い色を付与した。最も労働環境が良い月が優先されるなど、制約条件を加味した最適な作業工程が自動作成されていることがわかる。
【0044】
図9に最適化による効果を整理した。経験則により作成した作業工程の年平均の作業可能確率60.4%(月別の作業可能確率の平均値)に対し、最適化による年間平均の作業可能確率は70.8%(目的変数Z)と増加しており、現状に比べ17.3%の改善効果が見込まれる。
【0045】
<実施例2>
のり面点検作業と同様に道路ののり面伐採作業についても、上記の実施の形態で説明した手順で作業対象のり面別の作業工程の最適化計算を行った。
図10に一例として、IC間で集約した最適化したのり面伐採作業の作業工程を示す。
【0046】
図11に、最適化による効果を整理した。全体的に工程には余裕があり、4割程度の改善効果が期待できる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る作業工程決定装置によれば、過去の日ごとの各地域の気象条件に基づいて、月ごとの各作業個所の作業可能確率を推定し、月の作業能力に関する制約条件に基づいて、月ごとの各作業箇所の作業量を表す作業工程を決定することにより、気象条件を考慮した最適な作業工程を決定することができる。また、経験則によらず、気象条件を加味した最適な作業工程を決定することができる。また、気象条件を考慮することにより、労働災害リスクの少ない時期に作業を実施できるよう、作業工程を決定することができる。
【0048】
また、最適な時期に実施するように作業工程を決定することができ、作業能力が向上し、コスト削減が期待できる。また、最適化された作業工程を得ることができるため、当初の工程計画の策定や、途中段階での実績を加味した工程への見直しなどに活用できる。
【0049】
また、道路保全事業は多岐に渡っており、現在、各事業は制約条件のもとで、実施計画を策定している。現状では、近傍の代表地点の気象情報や経験則で策定していたが、本発明の実施の形態では、事業範囲の高密度気象データと、数理計画モデルを用いることで、事業に最適な作業工程の策定と、工程管理が可能となる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、のり面の点検時期の最適化による工程策定に、本発明を適用する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、清掃植栽などの保全作業時期の最適化による工程策定、効果的な雪氷対策作業範囲の特定、各種植栽作業の実施時期の最適化による効果的な事業計画の策定など、屋外作業全般に本発明を適用してもよい。
【0052】
また、日単位の時期を、短単位の第一時期の一例とし、月単位の時期を、長単位の第二時期の一例とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。日単位以外の単位の時期を、短単位の第一時期とし、月単位以外の単位の時期を、長単位の第二時期としてもよい。
【0053】
また、本発明のプログラムは、記憶媒体に格納して提供するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 入力部
20 演算部
22 推定部
24 決定部
50 出力部
100 作業工程決定装置