(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022047990
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220317BHJP
H01L 23/52 20060101ALI20220317BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20220317BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L23/52 C
H01L21/56 R
H01L21/78 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154079
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志摩 真也
【テーマコード(参考)】
5F061
5F063
【Fターム(参考)】
5F061AA01
5F061BA05
5F061CA22
5F063AA46
5F063DD67
5F063DD71
(57)【要約】
【課題】一つの実施形態は、製造のスループットを向上できる半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。製造方法は、基板をシートに貼り付けることを含む。製造方法は、基板を分割して複数のチップに個片化することを含む。製造方法は、シートをエキスパンドして複数のチップの間隔を広げることを含む。製造方法は、複数のチップのそれぞれの主面及び側面を樹脂で覆って封止して封止体を形成することを含む。製造方法は、複数の封止体が積層された積層体を形成することを含む。複数の封止体は、第1の封止体及び第2の封止体を含む。積層体を形成することは、第1の封止体におけるチップの位置に対して第2の封止体におけるチップの位置が平面方向にオフセットされた状態で、第2の封止体を第1の封止体の上に積層することを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をシートに貼り付けることと、
前記基板を分割して複数のチップに個片化することと、
前記シートをエキスパンドして前記複数のチップの間隔を広げることと、
前記複数のチップのそれぞれの主面及び側面を絶縁フィルムで覆って封止体を形成することと、
複数の前記封止体が積層された積層体を形成することと、
を備え、
前記複数の封止体は、第1の封止体及び第2の封止体を含み、
前記積層体を形成することは、前記第1の封止体におけるチップの位置に対して前記第2の封止体におけるチップの位置が平面方向にオフセットされた状態で、前記第2の封止体を前記第1の封止体の上に積層することを含む
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記オフセットの量は、前記第1の封止体におけるチップの間隔より小さく且つチップにおけるパッドの寸法より大きい
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数のチップの間隔を広げることは、
前記シートにおける前記チップの位置を計測し、計測結果に応じて前記シートをエキスパンドして前記複数のチップの間隔を目標間隔へ広げることを含む
請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記封止体を前記シートから第1の支持体に転写することをさらに備え、
前記積層体を形成することは、前記第1の支持体に転写された前記第2の封止体を前記第1の封止体の上に積層することを含み、
前記製造方法は、
前記積層体を前記第1の支持体から前記第1の支持体より剛性が大きい第2の支持体へ転写することと、
前記積層体が前記第2の支持体に支持された状態で前記複数の封止体におけるチップに電気的に接続される配線構造を形成することと、
をさらに備えた
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記封止体の形成は、前記複数のチップのそれぞれの裏面及び側面を樹脂で覆って封止することを含み、
前記製造方法は、前記封止体を前記シートから第1の支持体に転写することをさらに備え、
前記積層は、前記転写された封止体が前記第1の支持体に支持された状態で前記積層体を形成することを含み、
前記製造方法は、
前記積層体が前記第1の支持体に支持された状態で前記複数の封止体におけるチップに電気的に接続される配線構造を形成することをさらに備えた
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記積層体は、前記第1の封止体におけるチップと前記第2の封止体におけるチップとが互いに電気的に絶縁されている
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
基板が分割されて個片化された複数のチップが貼り付けられたシートが載置されるステージと、
前記シートにおける前記チップの位置を計測する計測機構と、
前記計測機構の計測結果に基づいて、前記シートをエキスパンドするエキスパンド機構と、
を備えた半導体製造装置。
【請求項8】
前記計測機構で計測された前記チップの位置と目標位置との偏差に基づいて、前記エキスパンド機構によるエキスパンドの量を制御するコントローラをさらに備えた
請求項7に記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記エキスパンド機構は、前記シートにおける複数の箇所を保持する複数の保持部材を有する
請求項7又は8に記載の半導体製造装置。
【請求項10】
前記ステージは、それぞれが前記シートを局所的に吸着する複数の吸着孔を有する
請求項7から9のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板をシートに貼り付け、基板を分割して複数のチップに個片化し、個片化後のチップを封止して半導体装置を製造する工程において、スループットの向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、スループットの向上が可能な半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。製造方法は、基板をシートに貼り付けることを含む。製造方法は、基板を分割して複数のチップに個片化することを含む。製造方法は、シートをエキスパンドして複数のチップの間隔を広げることを含む。製造方法は、複数のチップのそれぞれの主面及び側面を樹脂で覆って封止して封止体を形成することを含む。製造方法は、複数の封止体が積層された積層体を形成することを含む。複数の封止体は、第1の封止体及び第2の封止体を含む。積層体を形成することは、第1の封止体におけるチップの位置に対して第2の封止体におけるチップの位置が平面方向にオフセットされた状態で、第2の封止体を第1の封止体の上に積層することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態の第1の変形例における半導体製造装置の構成を示す断面図である。
【
図13】
図13は、実施形態の第1の変形例における半導体製造装置の構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態の第1の変形例にかかる半導体製造装置の動作を示す平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態の第2の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図16】
図16は、実施形態の第2の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図17】
図17は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図18】
図18は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図20】
図20は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図21】
図21は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。
【0009】
半導体装置は、
図1~
図10に示すように製造され得る。
図1(a)~
図2(c)、
図4(a)~
図5(c)、
図7(a)~
図11(c)は、半導体装置の製造方法を示す断面図であり、
図3(a)~
図3(c)、
図6は、半導体装置の製造方法を示す平面図である。以下では、半導体基板の表面に垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な面内で互いに直行する2方向をX方向及びY方向とする。
【0010】
図1(a)の工程では、半導体基板10’が用意される。半導体基板10’は、+Z側に表面10aを有し、-Z側に裏面10b’を有する。半導体基板10’の表面10a’に、所定のプロセスにより、複数のチップ領域をパターニングし、デバイス層2を形成する。各チップ領域のパターンは、矩形状のパターンであり、矩形の1辺に沿って並んだ複数の外部接続端子(
図6参照)を含む。そして、デバイス層2が形成された半導体基板10’の表面10aがシート3へ貼り付けられる。このとき、半導体基板10は裏面10b’が露出された状態(フェイスダウンの状態)でシート3に貼り付けられる。シート3は、バックグラインドテープ等であり、その表面3aに接着剤が形成されている。シート3は、例えば、光透過性を有する透明樹脂で形成されている。
【0011】
図1(b)の工程では、半導体基板10’の裏面10bが研磨され、半導体基板10が薄化される。グラインダ4の研磨面が半導体基板10’の裏面10b’に接触されグラインダ4が回転することで、半導体基板10’の裏面10bが研磨され得る。これにより、半導体基板10は、パッケージサイズの小型化への要求に応じた厚さに薄化される。半導体基板10の裏面10bは、研磨され、平坦になっている。
【0012】
図1(c)の工程では、半導体基板10がシート3からシート5へ転写される。シート5は、ダイシングテープ等であり、その表面5aに接着剤が形成されている。シート5は、保持部材101の内側に張られて保持部材101に保持されている。シート5は、例えば、光透過性を有する透明樹脂で形成されている。半導体基板10は、その裏面10bがシート5に貼り付けられる。このとき、半導体基板10は表面10aが露出された状態(フェイスアップの状態)でシート5に貼り付けられる。
【0013】
図2(a)の工程では、半導体基板10が分割されて、k個のチップ16-1~16-kに個片化される。kは、任意の3以上の整数とする。例えば、半導体基板10をダイシングラインに沿ってダイシング加工する。ダイシング加工は、ダイシングラインに沿ってダイシングブレードで切削することで行ってもよい。あるいは、ダイシング加工は、ダイシングラインに沿ってレーザーを照射してレーザー加工することで行ってもよい。各チップ16-1~16-kは、半導体チップである。シート5上では、k個のチップ16-1~16-kがXY方向に行列状に配列されている。
【0014】
図2(b)の工程では、シート5がエキスパンドされて、シート5上における複数のチップ16-1~16-kの間隔が広げられる。例えば、保持部材101で保持された状態のままシート5における各チップ16-1~16-kの位置が計測される。計測結果に応じて、複数のチップ16-1~16-kが貼り付けられた状態のまま、保持部材101を介して、シート5が周囲に向けてエキスパンドされる。シート5上では、k個のチップ16-1~16-kが、XY方向に離間しながら、行列状に配列されている。
【0015】
図2(c)の工程では、複数のチップ16-1~16-kのそれぞれの表面16a及び側面16cが絶縁フィルム17で覆われて封止体18が形成される。絶縁フィルム17は、未硬化もしくは半硬化状態の熱硬化性もしくは光硬化性の有機樹脂である。絶縁フィルム17は、例えば、絶縁性及び光透過性を有する。絶縁フィルム17は、各チップ16-1~16-kの表面及び側面を覆うことが可能な厚さを有し、例えば各チップ16-1~16-kの厚さの2倍程度の厚さを有する。
【0016】
例えば、
図3(a)に示すように、絶縁フィルム17は、その表面17a側から、複数のチップ16-1~16-k(
図2(b)参照)を覆うように配される。この状態で、
図3(b)に示すように、絶縁フィルム17は、-Z方向に所定の応力で加圧される。これにより、絶縁フィルム17は、
図2(c)に示すように、複数のチップ16-1~16-kのそれぞれの表面16a及び側面16cを覆うように貼り付けられる。そして、
図3(c)に示すように、絶縁フィルム17は、半導体基板10に対応した形状に切り出される。これにより、各チップ16-1~16-kの表面16a及び側面16cが絶縁フィルム17で覆われた封止体18が形成される。封止体18は、例えばXY方向に扁平な円盤形状の部材である。封止体18内では、k個のチップ16-1~16-kが、XY方向に離間しながら、行列状に配列されている。
【0017】
図4(a)の工程では、封止体18の裏面17bに支持体6が貼り付けられる。支持体6は、その表面6aに形成された接着剤で支持体6に貼り付けるか、未硬化の絶縁フィルム17の粘着性で貼り付ける。支持体6は、封止体18を支持可能であればよく、剛性も要求されないため、光透光性を有する任意の材質で形成され得る。支持体6は、封止体18に対応した形状を有し、例えばXY方向に扁平な円盤形状を有する。
【0018】
図4(b)の工程では、封止体18がシート5から支持体6へ転写される。封止体18は、裏面17bが支持体6で支持された状態を保ちながら、表面17aからシート5が剥離され、表面17aが露出される。これにより、支持体6で裏面17bが支持され表面17aが露出された1段目の封止体18が得られる。
【0019】
図4(c)の工程では、2段目の封止体28が用意される。2段目の封止体28は、
図1(a)~
図3(c)と同様にして用意される。2段目の封止体28は、シート5に貼り付けられた状態になっている。支持体6を把持して移動させることなどにより、1段目の封止体18を2段目の封止体28の+Z側に配置する。あるいは、保持部材101でシート5を移動させることなどにより、2段目の封止体28を1段目の封止体18の-Z側に配置する。
【0020】
図5(a)の工程では、1段目の封止体18における各チップ16-1~16-kのY位置が2段目の封止体28における各チップ26-1~26-kのY位置に対してオフセット量Dでオフセットされる。支持体6および絶縁フィルム17,27が光透光性を有するので、支持体6の+Z側から各チップ16-1~16-k,26-1~26-kの位置を確認可能である。オフセット量Dは、
図6に示されるように、封止体28におけるチップ26のY方向の間隔より小さく且つチップ26におけるパッドのY方向の寸法より大きい。なお、各チップ16-1~16-kのX位置と各チップ26-1~26-kのX位置とは、互いに均等の図であるが、Y位置のようにオフセットしてもよい。
【0021】
図5(b)の工程では、1段目の封止体18を2段目の封止体28の上に積層する。これにより、複数の封止体18,28のチップ位置が互いに平面方向にオフセットされながら積層された積層体7’が形成される。
【0022】
積層体7’では、封止体18における複数のチップ16-1~16-kと封止体28における複数のチップ26-1~26-kとが互いに対応している。積層体7’において、各チップ16-1~16-kは、対応するチップ26に対して+Z側に離間して配され、対応するチップ26から電気的に絶縁されている。各チップ16-1~16-kのY位置は、対応するチップ26のY位置に対して、+Y方向にオフセット量Dでオフセットされている。各チップ16-1~16-kのX位置は、対応するチップ26のX位置と均等である。
【0023】
図5(c)の工程では、積層体7’がシート5から支持体6へ転写される。積層体7’は、表面7a’が支持体6で支持された状態を保ちながら、裏面7b’からシート5が剥離され、裏面7b’が露出される。これにより、支持体6で表面7a’が支持され裏面7b’が露出された積層体7’が得られる。
【0024】
図7(a)の工程では、3段目の封止体38が用意される。3段目の封止体38は、
図1(a)~
図3(c)と同様にして用意される。3段目の封止体38は、シート5に貼り付けられた状態になっている。支持体6を把持して移動させることなどにより、積層体7’を3段目の封止体38の+Z側に配置する。あるいは、保持部材101でシート5を移動させることなどにより、3段目の封止体38を積層体7’の-Z側に配置する。
【0025】
図7(b)の工程では、2段目の封止体28における各チップ26-1~26-kのY位置が3段目の封止体38における各チップ36-1~36-kのY位置に対してオフセット量Dでオフセットされる。支持体6および絶縁フィルム17,27,37が光透光性を有するので、支持体6の+Z側から各チップ26-1~26-k,36-1~36-kの位置を確認可能である。オフセット量Dは、封止体38におけるチップ36のY方向の間隔より小さく且つチップ36におけるパッドのY方向の寸法より大きい(
図5参照)。なお、各チップ26-1~26-kのX位置と各チップ36-1~36-kのX位置とは、互いに均等であってもよい。また、
図7(b)のオフセット量Dは、
図5(a)、
図6のオフセット量Dと均等であってもよい。
【0026】
図8(a)の工程では、積層体7’を3段目の封止体38の+Z側に積層する。これにより、複数の封止体18,28,38のチップ位置が互いにXY平面方向にオフセットされながら積層された積層体7が形成される。
【0027】
積層体7では、封止体18における複数のチップ16-1~16-kと封止体28における複数のチップ26-1~26-kと封止体38における複数のチップ36-1~36-kとが互いに対応している。積層体7において、各チップ16-1~16-kは、対応するチップ26に対して+Z側に離間して配され、対応するチップ26から電気的に絶縁されている。各チップ26-1~26-kは、対応するチップ36に対して+Z側に離間して配され、対応するチップ36から電気的に絶縁されている。各チップ16-1~16-kのY位置は、対応するチップ26のY位置に対して、+Y方向にオフセット量Dでオフセットされている。各チップ26-1~26-kのY位置は、対応するチップ36のY位置に対して、+Y方向にオフセット量Dでオフセットされている。各チップ16-1~16-kのX位置は、対応するチップ26のX位置と均等であり、対応するチップ36のX位置と均等である。Z方向から透視した場合、Z方向に並ぶチップ16,26,36からなるチップ群が、互いにX方向及びY方向に離間しながら、行列状に配列されている(
図6参照)。
【0028】
図8(b)の工程では、積層体7がシート5から支持体6へ転写される。積層体7は、表面7aが支持体6で支持された状態を保ちながら、裏面7bからシート5が剥離され、裏面7bが露出される。これにより、支持体6で表面7aが支持され裏面7bが露出された積層体7が得られる。
【0029】
図8(c)の工程では、積層体7の裏面7bに支持体8が貼り付けられる。支持体8は、その表面8aに接着剤が形成されている。支持体8は、支持体6より剛性が大きく、光透光性及び剛性を有する材質(ガラス又はシリコンなど)で形成され得る。支持体8は、積層体7に対応した形状を有し、例えばXY方向に扁平な円盤形状を有する。
【0030】
図9(a)の工程では、積層体7が支持体6から支持体8へ転写される。積層体7は、裏面7bが支持体8で支持された状態を保ちながら、表面7aから支持体6が剥離され、表面7aが露出される。これにより、支持体8で裏面7bが支持され表面7aが露出された積層体7が得られる。
【0031】
図9(b)の工程では、レーザー加工等により、積層体7にビアホール41,42,43が形成される。ビアホール41,42,43は、互いに深さが異なり、順に深さがより深くなっている。ビアホール41-1~41-kは、それぞれ、積層体7の表面7aから封止体18のチップ16-1~16-kのパッドまで達しており、パッドを露出している。ビアホール42-1~42-kは、それぞれ、積層体7の表面7aから封止体28のチップ26-1~26-kのパッドまで達しており、パッドを露出している。ビアホール43-1~43-kは、それぞれ、積層体7の表面7aから封止体38のチップ36-1~36-kのパッドまで達しており、パッドを露出している。
【0032】
このとき、積層体7における各封止体18,28,38のチップ16,26,36の位置が互いにオフセットされているので、積層体7にビアホール41,42,43が一括して形成され得る。また、積層体7が剛性の大きい支持体6で支持されているので、積層体7にビアホール41,42,43が安定的に形成され得る。
【0033】
図9(c)の工程では、スパッタ及びメッキ加工等により、ビアプラグ44,45,46及び電極パッド47などの配線構造が形成される。すなわち、ビアホール41,42,43に一括して導電物質が埋め込まれてビアプラグ44,45,46が一括で形成され、その後、導電膜が堆積されてパターニングされることでビアプラグ44,45,46に電気的に接続された電極パッド47が形成される。例えば、電極パッド47-1は、ビアプラグ44-1,45-1,46-1を介してチップ16-1,26-1,36-1のパッドに電気的に接続される。電極パッド47-2は、ビアプラグ44-2,45-2,46-2を介してチップ16-2,26-2,36-2のパッドに電気的に接続される。・・・電極パッド47-kは、ビアプラグ44-k,45-k,46-kを介してチップ16-k,26-k,36-kのパッドに電気的に接続される。
【0034】
なお、
図9(c)では、図示の簡略化のために、各チップ16,26,36に対して1つの電極パッド47を示しているが、ビアプラグ44,45,46ごとに電極パッド47が設けられてもよい。
【0035】
図10(a)の工程では、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、Z方向に並ぶチップ16,26,36からなるチップ群に重ならず支持体8に到達可能な位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、それぞれがZ方向に並ぶチップ16,26,36からなる複数のチップ群の行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る(
図6参照)。
【0036】
図10(b)の工程では、目標位置に沿って支持体8’に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層体7が、Z方向に並ぶチップ16,26,36からなるチップ群ごとに分割され、複数の実装体51-1,51-2,・・・,51-kが得られる。
【0037】
その後、
図11(a)に示すように、各実装体51は、その電極パッド47の上に配線層48及びランド電極49が形成されて、LGAパッケージの形態で実装されてもよい。これにより、半導体装置1がLGAパッケージの形態で構成される。ランド電極49が電極パッド47に電気的に接続されており、半導体装置1は、電極パッド47及びビアプラグ44,45,46を介してチップ16,26,36へ電気的にアクセス可能である。
【0038】
あるいは、
図11(b)に示すように、各実装体51は、その電極パッド47の上に配線層52及びボール電極53が形成されて、BGAパッケージの形態で実装されてもよい。これにより、半導体装置1がBGAパッケージの形態で構成される。ボール電極53が電極パッド47に電気的に接続されており、半導体装置1は、電極パッド47及びビアプラグ44,45,46を介してチップ16,26,36へ電気的にアクセス可能である。
【0039】
あるいは、
図11(c)に示すように、各実装体51は、裏面にボール電極59が配された有機基板54の表面上に搭載され、その電極パッド47の上に配線層55及び電極56が形成されて、電極56が有機基板54にワイヤ57でボンディングされ、樹脂58で封止されて、ワイヤボンディングパッケージの形態で実装されてもよい。これにより、半導体装置1がワイヤボンディングパッケージの形態で構成される。ボール電極59がワイヤ57及び電極56を介して電極パッド47に電気的に接続されており、半導体装置1は、電極パッド47及びビアプラグ44,45,46を介してチップ16,26,36へ電気的にアクセス可能である。
【0040】
あるいは、図示しないが、各実装体51は、USBメモリやSDカードなどの製品デバイスの形態で実装されてもよい。これにより、半導体装置1が製品デバイスの形態で構成される。
【0041】
以上のように、本実施形態では、半導体装置1の製造において、複数チップの間隔をシート上で広げ、複数チップを絶縁フィルムでラミネートして封止体にし、そのような封止体をオフセットさせながら複数積層させる。これにより、各チップが薄い場合に、チップ単体をハンドリングすることなく、低コストかつ安定的に実装する。すなわち、複数チップをコンパクトに実装しながら、半導体装置1を製造する際のスループットを向上させる。
【0042】
なお、
図2(b)に示すエキスパンドの工程は、
図12及び
図13に示すような半導体製造装置100を用いて行われてもよい。
図12は、実施形態の第1の変形例における半導体製造装置100の構成を示す断面図である。
図13は、実施形態の第1の変形例における半導体製造装置100の構成を示す平面図である。
【0043】
半導体製造装置100は、ステージ102、計測機構103、エキスパンド機構104、ハンドリング機構106、及びコントローラ107を有する。計測機構103は、撮像素子103a及び撮像素子103bを有する。エキスパンド機構104は、複数の保持部材101-1~101-2k及び複数の駆動素子105-1~105-kを有する。kは、任意の2以上の整数である。
【0044】
ステージ102は、+Z側の主面に、ハンドリング機構106によりシート5が載置される。シート5は、ダイシングテープ等であり、その表面5aに接着剤が形成されている。シート5は、例えば、光透過性を有する透明樹脂で形成されている。シート5は、その表面5aに半導体基板10が貼り付けられ(
図1(c)参照)、ダイシング加工等により半導体基板10がk個のチップ16-1~16-kに個片化される。シート5上では、k個のチップ16-1~16-kがXY方向に行列状に配列されている。
【0045】
計測機構103は、シート5における各チップ16の位置を計測する。計測機構103は、計測結果をコントローラ107へ供給する。
【0046】
エキスパンド機構104は、計測機構103の計測結果に基づいて、シート5をエキスパンドする。コントローラ107は、計測機構103で計測されたチップ16の位置と目標位置との偏差に基づいて、エキスパンド機構104によるエキスパンドの量を制御する。コントローラ107は、その偏差をキャンセルするように、シート5のエキスパンド量を決定し、決定されたエキスパンド量をエキスパンド機構104へ供給する。エキスパンド機構104は、コントローラ107から受けたエキスパンド量に応じて、シート5を外側にエキスパンドする。これにより、シート5において各チップ16の位置を目標位置に近付けることができ、シート5を精度よくエキスパンドすることができる。
【0047】
ステージ102は、ステージベース102a及び吸着機構102bを有する。吸着機構102bは、複数の吸着孔102b1-1~102b1-n、複数の開閉弁102b2-1~102b2-n、排気管102b3及び真空装置102b4を有する。ステージベース102aは、平板状の部材であり、その上面にシート5が載置される。nは、任意の2以上の整数である。複数の吸着孔102b1-1~102b1-nは、その開放端がステージベース102aの上面に2次元的に配されている。各吸着孔102b1-1~102b1-nは、ステージベース102aの上面に略垂直な方向に延びてステージベース102aを貫通し、排気管102b3に連通可能である。排気管102b3は、真空装置102b4の排気室に連通されている。各吸着孔102b1-1~102b1-nは、排気管102b3を介して真空装置102b4により真空排気され得る。
【0048】
複数の開閉弁102b2-1~102b2-nは、複数の吸着孔102b1-1~102b1-nに対応している。各開閉弁102b2-1~102b2-nは、コントローラ107からの制御に応じて、対応する吸着孔102b1-1~102b1-nを開閉する。各吸着孔102b1-1~102b1-nは、真空排気された際に、シート5を局所的に吸着する。コントローラ107は、吸着機構102bにおける各吸着孔102b1-1~102b1-nを対応する開閉弁102b2で開閉することで、シート5の吸着状態を2次元的に制御することができる。
【0049】
ハンドリング機構106は、アーム106a,106bを有し、アーム106a,106bを用いてシート5をハンドリング可能である。アーム106a,106bは、シート5の表面5aを吸着してステージベース102aの上へ載置する。シート5は、吸着機構102bによりステージベース102a上の複数の吸着孔102b1-1~102b1-nの少なくとも一部の吸着孔102b1に吸着される。この状態で、アーム106a,106bは、シート5を略円形状に切り出す。
【0050】
エキスパンド機構104は、複数の保持部材101-1~101-2k及び複数の駆動素子105-1~105-kを有する。エキスパンド機構104は、複数の保持部材101-1~101-2kでシート5におけるk個の箇所を保持する。複数の箇所は、シート5の外周における互いに異なる箇所である。複数の保持部材101-1~101-2kは、シート5を上下に保持する2つの保持部材101の組をk個含む。
図13に示すように、保持部材101-1,101-2は、略円形状のシート5の外周における第1の位置でシート5を上下に保持する。保持部材101-3,101-4は、略円形状のシート5の外周における第2の位置でシート5を上下に保持する。・・・持部材101-(2k-1),101-kは、略円形状のシート5の外周における第kの位置でシート5を上下に保持する。第1の位置~第kの位置は、保持部材101のk個の組に対応する。保持部材101のk個の組は、k個の駆動素子105に対応する。エキスパンド機構104は、第1の位置~第kの位置における保持部材101の各組を、対応する駆動素子105で駆動することで、シート5を2次元的にエキスパンド可能である。
【0051】
例えば、
図14(a)に示すように、ダイシング加工等により半導体基板10がk個のチップ16-1~16-kに個片化される。シート5上では、k個のチップ16-1~16-kがXY方向に行列状に配列されている。この状態で、計測機構103は、各チップ16-1~16-kの位置を計測し、計測結果をコントローラ107へ供給する。コントローラ107は、計測機構103の計測された各チップ16の位置と目標位置との偏差に応じて、シート5をエキスパンドすべき2次元的なエキスパンド量を求める。コントローラ107は、求められたエキスパンド量を複数の駆動素子105-1~105-kの駆動量に分解する。コントローラ107は、分解された複数の駆動素子105-1~105-kの駆動量に応じて、複数の駆動素子105-1~105-kで複数の保持部材101-1~101-2kを独立に駆動させる制御を行う。
【0052】
これにより、
図14(b)に示すように、シート5がXY方向外側にエキスパンドされ、各チップ16-1~16-kの間隔が広げられる。この状態で、計測機構103は、各チップ16-1~16-kの位置を計測し、計測結果をコントローラ107へ供給する。コントローラ107は、計測機構103の計測された各チップ16の位置と目標位置との偏差を求め、偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断する。コントローラ107は、偏差が許容範囲に収まっていない場合、シート5をエキスパンドすべき2次元的なエキスパンド量を求める。コントローラ107は、求められたエキスパンド量を複数の駆動素子105-1~105-kの駆動量に分解する。コントローラ107は、分解された複数の駆動素子105-1~105-kの駆動量に応じて、複数の駆動素子105-1~105-kで複数の保持部材101-1~101-2kを独立に駆動させる制御を行う。
【0053】
これにより、
図14(c)に示すように、シート5がXY方向外側にエキスパンドされ、各チップ16-1~16-kの間隔がさらに広げられる。この状態で、計測機構103は、各チップ16-1~16-kの位置を計測し、計測結果をコントローラ107へ供給する。コントローラ107は、計測機構103の計測された各チップ16の位置と目標位置との偏差を求め、偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断する。コントローラ107は、偏差が許容範囲に収まっている場合、シート5のエキスパンドを終了する。これにより、エキスパンド機構104は、エキスパンド量を2次元的に可変させながら、シート5を2次元的にエキスパンド可能である。
【0054】
このように、半導体製造装置100において、コントローラ107は、計測機構103の計測結果に応じて、エキスパンド機構104がシート5をエキスパンドするように制御する。コントローラ107は、計測機構103で計測されたチップ16の位置と目標位置との偏差に基づいて、エキスパンド機構104によるエキスパンドの量を制御する。これにより、シート5において各チップ16の位置を目標位置に近付けることができ、シート5を精度よくエキスパンドすることができる。
【0055】
次に、実施形態の第2の変形例について説明する。
【0056】
例えば、
図8(b)の工程の後に、
図15(a)~
図16(b)に示す工程が行われてもよい。
図15(a)~
図16(b)は、実施形態の第2の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0057】
図15(a)の工程では、積層体7の裏面7bに接着シート9が貼り付けられ、接着シート9の裏面9bに支持体8が貼り付けられる。接着シート9は、その表面9aに接着剤が形成されている。接着シート9は、光透光性を有する物質(例えば、樹脂)で形成され得る。接着シート9及び支持体8は、それぞれ、積層体7に対応した形状を有し、例えばXY方向に扁平な円盤形状を有する。接着シート9は、その剛性が支持体8より小さくてもよい。
【0058】
図15(b)の工程では、積層体7が支持体6から接着シート9及び支持体8へ転写される。積層体7は、裏面7bが接着シート9を介して支持体8で支持された状態を保ちながら、表面7aから支持体6が剥離され、表面7aが露出される。これにより、接着シート9及び支持体8で裏面7bが支持され表面7aが露出された積層体7が得られる。
【0059】
図15(c)の工程では、レーザー加工等により、積層体7にビアホール41,42,43が形成される。このとき、積層体7における各封止体18,28,38のチップ16,26,36の位置が互いにオフセットされているので、積層体7にビアホール41,42,43が一括して形成され得る。また、積層体7が接着シート9を介して剛性の大きい支持体6で支持されているので、積層体7にビアホール41,42,43が安定的に形成され得る。支持体6の剛性が大きければ、接着シート9の剛性が小さくても、積層体7を安定して支持できる。
【0060】
図16(a)の工程では、スパッタ及びメッキ加工等により、ビアプラグ44,45,46及び電極パッド47などの配線構造が形成される。
【0061】
図16(b)の工程では、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。
【0062】
図16(c)の工程では、目標位置に沿って接着シート9’に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層体7が、Z方向に並ぶチップ16,26,36からなるチップ群ごとに分割され、複数の実装体51-1,51-2,・・・,51-kが得られる。
【0063】
このとき、支持体8にはダイシング加工の溝が達しない。これにより、支持体8は、次の半導体装置の製造を行う際に、再利用することができる。
【0064】
次に、実施形態の第3の変形例について説明する。
【0065】
例えば、
図1(b)の工程の後に、
図17(a)~
図21(b)に示す工程が行われてもよい。
図17(a)~
図21(b)は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0066】
図17(a)の工程では、半導体基板30がシート3からシート5へ転写される。半導体基板30は、その表面30aがシート5に貼り付けられる。このとき、半導体基板30は裏面30bが露出された状態(フェイスダウンの状態)でシート5に貼り付けられる。
【0067】
図17(b)の工程では、半導体基板30が分割されて、k個のチップ36-1~36-kに個片化される。各チップ36-1~36-kは、裏面36bが露出された状態(フェイスダウンの状態)で表面36aがシート5に貼り付けられている。
【0068】
図17(c)の工程では、シート5がエキスパンドされて、シート5上における複数のチップ36-1~36-kの間隔が広げられる。各チップ36-1~36-kは、裏面36bが露出された状態で表面36aがシート5に貼り付けられている。
【0069】
図18(a)の工程では、複数のチップ36-1~36-kのそれぞれの裏面36b及び側面36c(
図17(c)参照)が絶縁フィルム37で覆われて、3段目の封止体38が形成される。
【0070】
図18(b)の工程では、封止体38の裏面37bに、支持体6(
図4(a)参照)に代えて支持体8が貼り付けられる。支持体8は、実施形態における
図8(c)の工程で積層体7の裏面7bに貼り付けられる支持体8と同じであってもよい。
【0071】
図18(c)の工程では、封止体38がシート5から支持体8へ転写される。これにより、支持体8で裏面37bが支持され表面37aが露出された33段目の封止体38が得られる。
【0072】
図19(a)の工程では、2段目の封止体28が用意される。2段目の封止体28は、
図17(a)~
図18(c)と同様にして用意される。支持体6を把持して移動させることなどにより、3段目の封止体38を2段目の封止体28の+Z側に配置する。あるいは、保持部材101でシート5を移動させることなどにより、2段目の封止体28を3段目の封止体38の-Z側に配置する。
【0073】
図19(b)の工程では、3段目の封止体38における各チップ36-1~36-kのY位置が2段目の封止体28における各チップ26-1~26-kのY位置に対してオフセット量Dでオフセットされる。
【0074】
図19(c)の工程では、3段目の封止体38を2段目の封止体28の上に積層する。これにより、複数の封止体38,28のチップ位置が互いに平面方向にオフセットされながら積層された積層体7”が形成される。
【0075】
図20(a)の工程では、積層体7”がシート5から支持体8へ転写される。これにより、支持体6で裏面7b”が支持され表面7a”が露出された積層体7”が得られる。
【0076】
図20(b)の工程では、1段目の封止体18が用意される。1段目の封止体18は、
図17(a)~
図18(c)と同様にして用意される。支持体6を把持して移動させることなどにより、積層体7”を1段目の封止体18の+Z側に配置する。あるいは、保持部材101でシート5を移動させることなどにより、1段目の封止体18を積層体7”の-Z側に配置する。
【0077】
図20(c)の工程では、1段目の封止体18における各チップ16-1~16-kのY位置が2段目の封止体28における各チップ26-1~26-kのY位置に対してオフセット量Dでオフセットされる。
【0078】
図21(a)の工程では、積層体7”を1段目の封止体18の+Z側に積層する。これにより、複数の封止体18,28,38のチップ位置が互いにXY平面方向にオフセットされながら積層された積層体7が形成される。
【0079】
図21(b)の工程では、積層体7がシート5から支持体8へ転写される。これにより、支持体8で裏面7bが支持され表面7aが露出された積層体7が得られる。
その後、
図9(b)以降と同様の工程が行われる。
【0080】
このように、封止体の形成が各チップをフェイスダウン状態にして行われるので、中間的に支持体6を用いることなく、半導体装置1(
図11参照)を製造できる。したがって、半導体装置1の製造工程は簡略化され、半導体装置1の製造コストを低減できる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1 半導体装置、7,7’,7” 積層体、10,10’,30 半導体基板、16,16-1~16-k,26,26-1~26-k,36,36-1~36-k チップ、17,27,37 絶縁フィルム、18,28,38 封止体、100 半導体製造装置、101,101-1~101-2k 保持部材、102 ステージ、103 計測機構、104 エキスパンド機構、107 コントローラ。