(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048007
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154105
(22)【出願日】2020-09-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502122613
【氏名又は名称】株式会社エーディエフ
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】島本 敏
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP02
3B053NP04
(57)【要約】
【課題】ねじの装脱作業を伴うことなしに天板の着脱を行うことができ、しかも、ダボの存在により部品点数が増加したり隣接部品に傷をつけたりする不具合を解消することができるテーブルを提供する。
【解決手段】左右対をなす支持体1、2の取付溝13a、23aに天板3の左右両端部を支持させてなるテーブルTにおいて、一端部に設けた一方の突条32のみが一方の取付溝13aに挿入された水平片持姿勢と両端部に設けた両突条32、33が均等に両取付溝13a、23aに挿入された中立姿勢との間で天板3をスライド移動可能にし、傾斜させた天板3の一方の突条32を一方の取付溝13aに挿入した状態で当該天板3を水平片持姿勢まで傾動可能にし、天板3を中立姿勢から降下させ突条32の下面に設けた凹陥部361と取付溝13aの下側の開口縁13yとを係合させて取付姿勢(R)となし得るようにする。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右対をなす支持体の取付溝に天板の左右両端部を支持させてなるテーブルであって、
前記天板は、左右両端部に前記取付溝に挿入される突条を有したもので、一方の突条のみが一方の取付溝に挿入された水平片持姿勢と、両突条が均等に前記両取付溝に挿入された中立姿勢との間でスライド移動できるように構成されており、
傾斜させた前記天板の一方の突条を対応する一方の取付溝に挿入した状態で当該天板を前記水平片持姿勢まで傾動させることができ、前記天板を前記中立姿勢から降下させる動作により前記突条の下面に設けた凹陥部と前記取付溝の下側の開口縁とを係合させて取付姿勢となし得るように構成されているテーブル。
【請求項2】
前記天板を、前記取付姿勢から、前記天板を少なくとも後端部を持ち上げつつ前記取付溝に沿ってスライド移動させ得るように構成している請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記両支持体の後端間に後部取付溝を有する後部支持体が設けられているとともに、天板の後端に前記後部取付溝に挿入可能な後部突条が突設されており、前記天板の後部突条を前記後部取付溝に挿入して降下させる動作により、前記後部突条の下面に形成された凹陥部と前記後部取付溝の開口縁とが係合し得るように構成されている請求項2記載のテーブル。
【請求項4】
前記突条の凹陥部が前記取付溝の下側の開口縁に係合した前記取付姿勢において、前記突条の上面と前記取付溝の上側の開口縁との間に、テーブルの上動を禁止するスペーサを介設している請求項1、2又は3記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブースの室内等に設置するのに適したテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から同時通訳用ブース等においては、その室内に通訳者が仕事に使用するテーブルが設置されているものが少なくない(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
従来、この種のテーブルとしては、ブースの対面する周壁パネル間に天板を架設したものが知られており、天板の左右両端部は周壁パネルの横フレームにねじ止めするものや、ダボを用いて接合しているものが一般的である。
【0004】
ところが、ねじ止め式のものは、複数個所にねじを螺着して緊締する作業が不可欠であり、組立や分解作業に手間がかかる。
【0005】
一方、ダボ接合式のものは、例えば、周壁パネルの横フレームの上向き面にダボ孔を形成しておくとともに、天板の両端部に突設した突条の下面にダボを植設しておき、それらのダボをダボ孔に嵌合させることによって天板の左右両端部を対応する横フレームに接合させるようにしている。そのため、天板の左右両端部に別体をなすダボを植設することが必要になって部品点数が増加せざるを得なくなる。また、ダボが突出していると、分解して周壁パネルや天板を重ね合わせて収納庫に収納するような場合に、突出するダボの先端が他のパネル等に衝突して傷つけるという不具合を招き易い。
【0006】
かかる不具合は、同時通訳用のブースに用いられるテーブルに限らず、他の分野におけるテーブルにおいても存在するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“同時通訳|同通機器のレンタルならイトオン|-株式会社イトオン”、[online]、[令和2年8月4日検索]、インターネット<https://www.itoon-japan.com/同時通訳機器レンタル/2/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上説明した課題を同時に解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係るテーブルは、左右対をなす支持体の取付溝に天板の左右両端部を支持させてなるものであって、前記天板は、左右両端部に前記取付溝に挿入される突条を有したもので、一方の突条のみが一方の取付溝に挿入された水平片持姿勢と、両突条が均等に前記両取付溝に挿入された中立姿勢との間でスライド移動できるように構成されており、傾斜させた前記天板の一方の突条を対応する一方の取付溝に挿入した状態で当該天板を前記水平片持姿勢まで傾動させることができ、前記天板を前記中立姿勢から降下させる動作により前記突条の下面に設けた凹陥部と前記取付溝の下側の開口縁とを係合させて取付姿勢となし得るように構成されているものである。
【0010】
このようなものであれば、傾斜させた天板の一方の突条を支持体の取付溝に挿入し、天板を回動させて水平片持姿勢とし、スライド移動させて中立姿勢とした後に降下させる一連の動作により取付姿勢とすることで、ねじやダボを用いることなく天板を左右の支持体に支持させることができるので、ねじの装脱作業を伴うことなしに天板の着脱を行うことができ、しかも、ダボの存在により部品点数が増加したり隣接部品に傷をつけたりする不具合を解消することができるテーブルを提供可能である。
【0011】
請求項2の発明によれば、天板を、取付姿勢から、少なくとも後端部を持ち上げつつ取付溝に沿ってスライド移動させ得るように構成しているので、天板の前後方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、前記両支持体の後端間に後部取付溝を有する後部支持体が設けられているとともに、天板の後端に前記後部取付溝に挿入可能な後部突条が突設されており、前記天板の後部突条を前記後部取付溝に挿入して降下させる動作により、前記後部突条の下面に形成された凹陥部と前記後部取付溝の開口縁とが係合し得るように構成されているので、天板の前後方向への移動を禁止した状態で支持体及び後部支持体に支持させることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、前記突条の凹陥部が前記取付溝の下側の開口縁に係合した前記取付姿勢において、前記突条の上面と前記取付溝の上側の開口縁との間に、テーブルの上動を禁止するスペーサを介設しているので、天板をがたつきなく支持体に支持させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ねじの装脱作業を伴うことなしに天板の着脱を行うことができ、しかも、ダボの存在により部品点数が増加したり隣接部品に傷をつけたりする不具合を解消することができるテーブルを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る同時通訳ブースを示す斜視図。
【
図2】同実施形態に係る同時通訳ブースを示す正面図。
【
図3】同実施形態に係る同時通訳ブースを示す左側面図。
【
図4】同実施形態に係る同時通訳ブースを示す右側面図。
【
図6】同実施形態に係るテーブルの天板を示す平面図。
【
図7】同実施形態に係るテーブルの天板を示す背面図。
【
図8】同実施形態に係るテーブルの天板を示す底面図。
【
図10】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図11】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図12】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図13】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図14】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図15】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図16】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図17】同実施形態に係る天板の取付手順を示す説明図。
【
図20】本発明の他の実施形態に係るテーブルの突条を示す正面図。
【
図21】同実施形態における天板の接続態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を
図1~
図19を参照して説明する。
【0017】
この実施形態は、本発明を同時通訳ブースBTに組み込まれたテーブルTに適用した場合のものである。
【0018】
この同時通訳ブースBTは、
図1~
図5に示すように、複数枚の周壁パネル(例えば第1~第8の周壁パネルP1A~P1H)と、直交する周壁パネルP1A~P1H間に介在させた4本のコーナーフレームF2A~F2Dと、例えば3枚の天井パネルP3A~P3Cとを相互に連結することにより構築されたものであり、内部には本発明に係るテーブルTや椅子C等が配されている。
【0019】
第1の周壁パネルP1Aは、
図1~
図5に示すように窓付タイプのもので、左右の竪フレームP4、P5と、これら竪フレームP4、P5の上端間に架設した上フレームP6と、竪フレームP4、P5の下端間に架設した下フレームP7と、窓P9を形成する上の窓フレームP91及び下の窓フレームP92とを備えたものである。竪フレームP4、P5は、アルミニウム合金等を用いて作られた押し出し成形品であり、ほぼ四角柱状をなしている。上フレームP6及び下フレームP7は、それぞれ竪フレームP4、P5と同一の断面形状をなすものであり、竪フレームP4、P5と同様にアルミニウム押し出し材等を所望の長さに切断することにより形成したものである。上の窓フレームP91と、下の窓フレームP92は、例えば、上下対称形状をなすもので、下の窓フレームP92が本発明に係るテーブルTの右の支持体1としての機能を担っている。すなわちこの支持体1は、後述するテーブルTにおける天板3の右側端部を支持するためのものである。下の窓フレームP92は、同時通訳ブースBTの室内側に開口する取付溝13aを有した中空体状のもので、同じくアルミニウム押し出し材等により作られている。詳述すれば、この下の窓フレーム92は、窓P9を形成する窓壁体P93を保持する頂板11と、不透明な壁体P8を係合させ保持する底板12と、ブース内空間ISに臨む内板13と、ブース外空間OSに面する外板14とを一体に備えた角柱パイプ状のものである。
【0020】
以上説明した通り、第1の周壁パネルP1Aは、
図1、
図2及び
図5に示すように、この実施形態では同時通訳ブースBTの左側面に配されるもので、前述した左右の竪フレームP4、P5と、上フレームP6と、上の窓フレームP91と、下の窓フレームP92と、下フレームP7とを備えている。そして、上フレームP6と上の窓フレームP91との間、及び、下の窓フレームP92と下フレームP7との間に不透明な壁体P8が配されているとともに、上の窓フレームP91と下の窓フレームP92との間に例えば二枚のアクリル板P90からなる窓壁体P93が配されている。
【0021】
第2の周壁パネルP1B及び第3の周壁パネルP1Cは、
図1、
図3及び
図5に示すように、いずれも同時通訳ブースBTの正面に配されており、これら第2及び第3の周壁パネルP1B、P1Cも第1の周壁パネルP1Aと同じく窓付タイプのものである。第1の周壁パネルP1Aと同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、これら第2、第3の周壁パネルP1B、P1Cの下の窓フレームP92は、それぞれ本発明に係るテーブルTの右及び左の後部支持体4、5としての機能を担っている。すなわち、これら後部支持体4、5は、後述するテーブルTにおける天板3の反使用端の右半部及び左半部をそれぞれ支持するためのものである。第2の周壁パネルP1Bは、第1のコーナーフレームF2Aを介して第1の周壁パネルP1Aに直交状態で接続されている。一方、第3の周壁パネルP1Cは、第2のコーナーフレームF2Bを介して後述する第4の周壁パネルP1Dに直交状態で接続されている。
【0022】
第4の周壁パネルP1Dは、
図4及び
図5に示すように、第1の周壁パネルP1Aと同一の構造を有しており、第1の周壁パネルP1Aと同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。この周壁パネルP1Dの下の窓フレームP92は、本発明に係るテーブルTの左の支持体2としての機能を担っている。すなわちこの支持体2は、後述するテーブルTにおける天板3の左側端部を支持するためのものである。
【0023】
第5の周壁パネルP1Eは、
図4及び
図5に示すように、第4の周壁パネルP1Dに隣接して配され、左右の竪フレームP4、P5と、上フレームP6と、下フレームP7とを備えており、これら竪フレームP4、P5、上フレームP6及び下フレームP7により区画される領域内に不透明な壁体P8が配されている。
【0024】
第6の周壁パネルP1Fは、
図5に示すように、第3のコーナーフレームF2Cを介して第5の周壁パネルP1Eに直交状態で接続されており、第5の周壁パネルP1Eと同様の構成を有している。第5の周壁パネルP1Eと同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
第7の周壁パネルP1Gは、
図5に示すように、第6の周壁パネルP1Fに隣接して配され、第5の周壁パネルP1Eと同様の構成を有している。第5の周壁パネルP1Eと同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
第8の周壁パネルP1Hは、
図1、
図2及び
図5に示すように、第4のコーナーフレームF2Dを介して第7の周壁パネルP1Gに直交状態で接続されており、左右の竪フレームP4、P5と、上フレームP6とを備え、これら竪フレームP4、P5及び上フレームP6により区画される領域内にドア壁体P8Dが配されている。このドア壁体P8Dは、ドア枠P87と、このドア枠P87の内側に蝶番P88を介して開閉可能に配されたドアP89とを備えたものである。そして、この第8の周壁パネルP1Hは、前述した第1の周壁パネルP1Aに隣接して配されている。
【0027】
以上説明した第1~第8の周壁パネルP1A~P1Hは、竪フレームP4、P5同士及び竪フレームP4、P5とコーナーフレームF2A~F2Dとがネジ接合その他適宜な接合手段により着脱可能に接続されており、各周壁パネルP1A~P1Hを分解した状態で現場に搬出入できるようになっている。
【0028】
ここで、
図1は、本実施形態の同時通訳ブースBTを示す斜視図である。
図2は、この同時通訳ブースBTを示す正面図である。
図3は、この同時通訳ブースBTを示す左側面図である。
図4は、この同時通訳ブースBTを示す右側面図である。
図5は、
図2におけるX-X線に沿った断面図である。また、この同時通訳ブースBTの説明において、「左」「右」とは、各周壁パネルP1A~P1Hを外面側から見た場合の方向を示している。一方、後述するテーブルTの説明においては、使用者を主体に「右」、「左」という文言を用いており、天板3の使用者側を「前」、反使用者側を「後」と呼ぶことにする。従って、以下の説明において、「右」、「左」は、前述した同時通訳ブースBTの説明における「右」、「左」とは逆である。
【0029】
このような構成をなす同時通訳ブースBTに組み込まれているテーブルTは、左右対をなす支持体1、2(第1、第4の周壁パネル1A、1Dの下の窓フレームP92)の取付溝13a、23aに天板3の左右両端部を支持させてなるものである。
【0030】
天板3は、
図6~
図19に示すように、左右両端部に取付溝13a、23aに挿入される突条を有したもので、一方の突条32のみが一方の取付溝13aに挿入された水平片持姿勢(P)と、両突条32、33が均等に両取付溝13a、23aに挿入された中立姿勢(Q)との間でスライド移動できるように構成されており、傾斜姿勢(K)をなす天板3の一方の突条32を対応する一方の取付溝13aに挿入した状態で当該天板3を水平片持姿勢(P)まで傾動させることができ、天板3を中立姿勢(Q)から降下させる動作により突条32、33の下面に設けた凹陥部361と取付溝13a、23aの下側の開口縁13y、23yとを係合させて取付姿勢(R)となし得るように構成されている。
【0031】
また、左右対をなす支持体1、2の後端間に後部取付溝43a、53aを有する右及び左の後部支持体4、5(第2、第3の周壁パネルP1B、P1Cの下の窓フレームP92)がそれぞれ設けられているとともに、天板3の後端に後部取付溝43a、53aに挿入可能な右及び左の後部突条34、35が突設されており、天板3の後部突条34、35を後部取付溝43a、53aに挿入して降下させる動作により、後部突条34、35の下面に形成された凹陥部361と後部取付溝43a、53aの開口縁43y、53yとが係合し得るように構成されている。
【0032】
そして、突条32、33の凹陥部361が取付溝13a、23aの下側の開口縁13y、23yに係合した取付姿勢(R)において、突条32、33の上面32a、33aと取付溝13a、23aの上側の開口縁13x、23xとの間に、テーブルTの上動を禁止するスペーサ6を介設している。
【0033】
以下、このテーブルTの構成を具体的に説明する。
【0034】
右の支持体1(第1の周壁パネルP1Aの下の窓フレームP92)は、前述したように、同時通訳ブースBTの室内側に開口する取付溝13aを有した中空体状のもので、
図19に示すように、窓P9側に位置する頂板11と、窓P9と反対側に位置する底板12と、これら頂板11及び底板12の室内側の縁間に形成された内板13と、頂板11及び底板12の屋外(同時通訳ブースBT外)側の縁間に形成された外板14とを一体に備えた角柱パイプ状をなし、内板13に内部空間を室内に開放する取付溝13aが形成されている。取付溝13aの開口幅は支持体1(窓フレームP92)の上下内法幅よりも小さく設定されており、内板13の上半部分が取付溝13aの上の開口縁13xを形成し、下半部分が取付溝13aの下の開口縁13yを形成している。なお、頂板11には、窓P9を形成する窓壁体P93を保持するための窓枠溝11aが形成されている。この実施形態では、窓壁体P93が二重構造をなす透明アクリル板P90により形成されているため、その窓枠溝11aは二枚の透明アクリル板P90の下端部を嵌合させるために2本平行に形成されている。底板12には、長手方向に連続する有底の溝12aが形成されている。各溝12aは、その奥幅が開口幅よりも大きく形成されており、その溝12aにブース内空間ISとブース外空間OSとを区成する不透明な壁体P8の縁部材P81を係合させ保持させている。
【0035】
左の支持体2(第4の周壁パネルP1Dの下の窓フレームP92)は、前述したように、同時通訳ブースBTの室内側に開口する取付溝23aを有した中空体状のもので、
図18に示すように、前述した右の支持体1と左右を反転させた形状をなしている。右の支持体1と同一又は対応する部分には、先頭の1を2に変えた符号を付して説明を省略する。
【0036】
後部支持体4、5(第2、第3の周壁パネルP1B、P1Cの下の窓フレームP92)は、同時通訳ブースBTの室内側に開口する後部取付溝43a、53aを有した中空体状のもので、前述した右の支持体1と同様の形状をなしている。右の支持体1と同一又は対応する部分には、先頭の1を4及び5にそれぞれ変えた符号を付して説明を省略する。なお、後部支持体4、5は、左右に振り分けて2つ設けられており、右半領域に配された後部支持体4は第2の周壁パネルP1Bの下の窓フレームP92としての機能を有し、左半領域に配された後部支持体5は第3の周壁パネルP1Cの下の窓フレームP92としての機能を有する。
【0037】
天板3は、天板本体31と、この天板本体31の右側面に突設された右の突条32と、天板本体31の左側面に突設された左の突条33と、天板本体の反使用端面に突設された対をなす後部突条34、35とを具備している。
【0038】
天板本体31は、右側面を形成する右の縦枠体31aと、左側面を形成する左の縦枠体31bと、これら縦枠体31a、31bの中間に配された中央の縦枠体31cと、これら縦枠体31a、31b、31cの前端(使用端)同士を接続する前の横枠体31dと、これら縦枠体31a、31b、31cの後端(反使用端)同士を接続する後の横枠体31eと、前後の横枠体31d、31eの間に配された中間の横枠体31fと、これら縦枠体31a、31b、31c及び横枠体31d、31e、31fの上に載設されたアルミ複合板等により作られた面板31gとを具備してなる。
【0039】
右の縦枠体31aは、頂板311と、底板312と、左右の側板313とを一体に備えてなるアルミニウム合金等を用いて作られた押し出し成形品であり、略四角柱状をなしている。左右の側板313の内面側には、部分円筒体状をなす円筒構造体314が連設されており、これら円筒構造体314内に形成された断面円形をなす幅広溝315を、くびれ部を有する幅狭溝316を介して側板313の外面に連通させている。また、左右の側板313の外面における上縁及び下縁には、縁取り部317がそれぞれ突設されている。
【0040】
左の縦枠体31b、中央の縦枠体31c、及び横枠体31d、31e、31fは、いずれも右の縦枠体31aと同一の押し出し成形品を用いて作られたものであり、右の縦枠体31aと同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
右の突条32は、
図19に示すように、天板本体31の右側面に取り付けられたもので、先端部下面に凹陥部361を有した突条本体36と、この突条本体36の基端から垂下する基板37とを一体に備えており、突条本体36と基板37との間には入隅部38が形成されている。突条本体36は、水平に延びる厚板状のもので、その上面には面板37の縁部を係合させるための段部362が形成されている。基板37は、突条本体36よりも薄い平板状のもので、上端近傍部及び下端近傍部に凸部371を有するとともに、上下方向中央に取付脚372を備えている。凸部371は、右の縦枠材31aの縁取り部317の内側に係合し得る位置に突設されている。取付脚372は、右の縦枠材31aの幅狭溝315に挿通される平板部373と、幅広溝316に係合する膨大部374とからなる。この右の突条は、組立途上において、右の縦枠体31aの端部からスライド挿入して装着されるものであり、装着状態においては、右の縦枠体31aの側板313の外面に添接される。装着状態においては、右の突条の凸部371が右の縦枠体31aの縁取り部317に係合して上下の位置決めがなされるとともに、取付脚372が右の縦枠体31aの幅狭溝315及び幅広溝316に係り合って当該右の突条32が天板本体31から離間するのを禁止している。なお、この実施形態の場合には、右の縦枠体31aの側板313と、右の突条32の基板37との間に隙間3sが形成されているので、基板37に板ばね的な役割を担わせて右の突条32をがたつきなく天板本体31に取り付けておくことができるようにしている。
【0042】
左の突条33は、
図18に示すように、天板本体31の左側面に取り付けられたもので、右の突条32と同じ押し出し成型品により作られている。そして、左の突条33と天板本体31との取付構造も右の突条32に準じたものである。したがって、右の突条32と同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
後部突条34、35は、天板本体31の後端面に取り付けられたもので、右の突条32と同じ押し出し成型品により作られている。そして、後部突条34、35と天板本体31との取付構造も右の突条32に準じたものである。したがって、右の突条32と同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、後部突条34、35は、左右に振り分けて2つ設けられており、右半領域に配された後部突条34は、第2の周壁パネルP1Bに対応し、左半領域に配された後部突条35は、第3の周壁パネルP1Cに対応している。
【0044】
次いで、このテーブルTの組立手順を
図10~
図17を参照して説明する。
【0045】
まず、同時通訳ブースBT内に搬入した天板3を、例えば、右端が左端よりも低くなるように傾斜させて一方の支持体1(一方の取付溝13aを有する下の窓フレームP92)を備えた第1の周壁パネルP1Aと、他方の支持体2(他方の取付溝23aを有する窓フレームP92)を備えた第4の周壁パネルP1Dとの間に位置させる。
【0046】
この状態から、
図10に示すように、天板3の右の突条32を右の支持体1の取付溝13aに挿入する。この姿勢を傾斜姿勢(K)と称する。この状態から天板3の左側を降下させ、
図11に示すように、左の突条33を他方の取付溝23aに対面させる。この姿勢を水平片持姿勢(P)と称する。その際、右の突条32の入隅部38が取付溝13aの開口縁13yに係合しているので、天板3は、その入隅部38を中心に回動する。その水平片持姿勢(P)から天板3を左へ水平移動させ、
図12に示すように、両突条32、33を均等に両取付溝13a、23aに挿入させた姿勢とする。この姿勢を中立姿勢(Q)と称する。この中立姿勢(Q)から天板3を降下させる動作により、
図13に示すように、突条32、33の下面に設けた凹陥部361と取付溝13a、23aの下側の開口縁13y、23yとを係合させる。なお、この動作は、天板3が中立姿勢(Q)に達した時点で重力により自動的に行われる。この姿勢では、天板3は水平な姿勢で左右の支持体1、2間に架設されることになる。この姿勢を取付姿勢(R)と称する。
【0047】
取付姿勢(R)では、天板3を支持体1、2の取付溝13a、23aに沿ってスライド移動させることが可能である。天板3の前後移動をも禁止する場合には、
図14に示すように、取付姿勢(R)から天板3の後端部を持ち上げて後方にスライドさせ、後部突条34、35が後部取付溝43a、53aに挿入された段階で、その天板3を水平姿勢に戻すと、
図15に示すように、後部突条34、35が後部取付溝43a、53aの開口縁43y、53yに係合して天板3の前後移動も禁止されることになる。この姿勢を前後スライドも禁止された拘束取付姿勢(S)と称する。この状態のままでテーブルTを使用することも可能であるが、床面の不陸等の影響により天板3の取り付け状態にがたつきが生じる場合には、スペーサ6を用いる。
【0048】
図17~
図19は、スペーサ6を用いた状態を示しており、突条32、33の上面32a、33aと取付溝13a、23aの上側の開口縁13x、23xとの間に、テーブルTの上動を禁止するスペーサ6を介設している。スペーサ6は、突条32、33の上面32a、33aと取付溝13a、23aの上側の開口縁13x、23xとの間に嵌入されるスペーサ本体61と、このスペーサ本体61の一端から上方に伸び、支持体1、2(より具体的には頂板11、21に設けた凹部11b、21b)に係合する上フランジ62と、スペーサ本体61の他端から垂下し、突条32、33の先端面32b、33bに添接する下フランジ63とを少なくとも備えている。このスペーサ6は、組立途上において取付溝13a、23aに予め挿入して待機させておく。そして、天板3が取付姿勢(R)又は拘束取付姿勢(S)に保持されている状態で、必要に応じてスペーサ6を、
図16に示すように、取付溝13a、23aに沿って後方にスライド移動させ、突条32、33の上面32a、33aと取付溝13a、23aの上側の開口縁13x、23xとの間に嵌入させる。スペーサ6は、各取付溝13a、23aに複数個設けておくのが望ましい。
【0049】
そして、以上と逆の操作を行えば、天板3を支持体1、2(、後部支持体4、5)から取り外すことができるようになっている。
【0050】
ここで、
図6、
図7及び
図8は、それぞれ天板3の平面図、背面図及び底面図である。
図9は、このテーブルTの分解斜視図であり、
図5におけるY部を拡大して示している。
図10は天板3を傾斜姿勢(K)とした状態、
図11は天板3を水平片持姿勢(P)とした状態、
図12は天板3を中立姿勢(Q)とした状態、
図13は天板3を取付姿勢(R)とした状態である。これら
図10~
図13は、
図5におけるZ-Z線に沿った断面図に対応するものであるが、第2及び第3の周壁パネルP1B、P1C、並びに天板3の巾方向中間部分は省略している。
図14は
図13に示す状態から天板3の反使用端側を持ち上げた状態の側断面図であり、
図15は天板3を拘束取付姿勢(S)とした状態の側断面図である。
図14及び
図15は右の後部突条34の長手方向中央で切断したものである。また、
図14及び
図15には右の後部突条34と右の後部支持体4との係合態様のみを示しているが、このテーブルTは左右対称な形状をなしているので、左の後部突条35と左の後部支持体5との係合態様もこれら
図14及び
図15に示されているものともちろん同様である。
図16は、スペーサ6の挿入態様を示す斜視図であり、
図17は、天板3を拘束取付姿勢(S)とした上でスペーサ6を挿入した状態の図である。
図17も、
図5におけるZ-Z線に沿った断面図に対応するものであり、第2及び第3の周壁パネルP1B、P1C、並びに天板3の巾方向中間部分は省略している。
図18は
図17における左の突条33と左の支持体2との係合箇所近傍の拡大図であり、
図19は
図17における右の突条32と右の支持体1との係合箇所近傍の拡大図である。
【0051】
このような構成のテーブルTであれば、ねじの装脱作業を伴うことなしに天板3の着脱を行うことができ、しかも、ダボの存在により部品点数が増加したり隣接部品に傷をつけたりする不具合を解消することができる。
【0052】
すなわち、本実施形態のテーブルTは、上述したように、傾斜姿勢(K)の天板3の低い側の端(右端)の突条32を支持体1の取付溝13aに挿入し、天板3回動させて水平片持姿勢(P)とし、スライド移動させて中立姿勢(Q)とした後に降下させる一連の動作により取付姿勢(R)とすることで、ねじやダボを用いることなく天板3を左右の支持体1、2に支持させることができる。さらに、これと逆の操作を行うことにより天板3を取り外すことも容易に行うことができる。
【0053】
また、両支持体1、2の後端間に後部取付溝43a、53aを有する後部支持体4、5が設けられているとともに、天板3の後端に後部取付溝43a、53aに挿入可能な後部突条34、35が突設されており、天板3の少なくとも後端部を持ち上げつつ当該天板3を取付姿勢(R)から取付溝13a、23aに沿ってスライド移動させ、この後部突条34、35を後部取付溝43a、53aに挿入して降下させる動作により、後部突条34、35の下面に形成された凹陥部361と後部取付溝43a、53aの開口縁43y、53yとが係合し得るように構成されているので、ねじやダボを用いることなく、簡単な操作で天板3を左右の支持体1、2及び後部支持体4、5により前後左右方向に移動不能に支持させることもできる。
【0054】
そして、天板3が取付姿勢(R)又は拘束取付姿勢(S)に保持されている状態で、突条32、33の上面と取付溝13a、23aの上側の開口縁13x、23xとの間に、テーブルTの上動を禁止するスペーサ6を介設しているので、テーブルTのがたつきを防止ないし抑制することができる。
【0055】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0056】
例えば、支持体は、同時通訳ブースの周壁パネルに設けられたものに限らず、パーティションや建築壁等に設けられたもの等であってもよい。
【0057】
また、上述した実施形態は天板の左右両側端及び後端を支持体及び後部支持体に支持させた態様のものであるが、天板の左右両側端のみを支持体に支持させた態様のものであってもよい。
【0058】
上述した実施形態では、天板の突条の上面と取付溝の上側の開口縁との間に、テーブルの上動を禁止するスペーサを介設しているが、請求項1、2又は3に係る発明には、スペーサがないものも含まれる。
【0059】
さらに、上述した実施形態では2人用のテーブルが想定されているが、1人あるいは3人以上で使用する態様のものであってもよい。多人数用のテーブルの場合、たとえば2人用のメインの天板本体の一端に標準化された1人用のサブ天板本体を適宜個数接続して必要な幅寸法を有する天板を構成するようにしてもよい。その場合、天板本体同士の接合部分近傍に着脱可能な脚を設けるのが望ましい。
【0060】
加えて、突条は前述した実施形態に示すような下面にのみ凹陥部を有したものに限定されるものではなく、例えば
図20に示す天板X3の突条X32のように、下面と上面の両方にそれぞれ下の凹陥部X361及び上の凹陥部X360を有したものであってもよい。このような突条X32であれば、
図21に示すように、複数の天板X3を接続するための接続手段としても機能させることができる。なお、
図20において、上述した実施形態におけるものに対応する部位には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0062】
T…テーブル
1、2…支持体
13a、23a…取付溝
13x、23x…取付溝の上側の開口縁
13y、23y…取付溝の下側の開口縁
3…天板
32、33…突条
32a、33a…突条の上面
34、35…後部突条
361…凹陥部
4、5…後部支持体
43a、53a…後部取付溝
43y、53y…後部取付溝の下側の開口縁
6…スペーサ
(P)…水平片持姿勢
(Q)…中立姿勢
(R)…取付姿勢