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特開2022-48071別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋
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  • 特開-別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋 図1
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  • 特開-別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋 図10
  • 特開-別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋 図11
  • 特開-別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋 図12
  • 特開-別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋 図13
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048071
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/18 20060101AFI20220317BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
E04C5/18 105
E04G21/12 105A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036556
(22)【出願日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】109131495
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512177872
【氏名又は名称】莊 ▲員▼任
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】莊 國榮
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164BA12
2E164CA01
2E164CA12
2E164CA31
2E164CA39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人力で結束固定作業をせずに拘束効果と施工効率を向上でき、且つ主筋が密に配置される場合に適用できる、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋を提供する。
【解決手段】主筋立ち上げ工程と、帯筋取り付け工程と、補強筋30がロッド体33と、ロッド体33の一端に形成される第1フック部31と、ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、ロッド体33及び第1フック部31により形成される第1平面と、ロッド体33及び第2フック部32により形成される第2平面とは交差し、補強筋30の第1フック部31を、帯筋20の上側及び対応する主筋10の横側から斜めに主筋10及び帯筋20に掛け止め、第2フック部32を、隣り合う二本の主筋10の間に通させて、帯筋20に掛け止める、補強筋両端掛け止め工程とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の主筋を、直立に設置すると共に間隔を置いて囲繞するように配置する、主筋立ち上げ工程と、
前記複数の主筋の外周囲に帯筋を取り巻く、帯筋取り付け工程と、
補強筋両端掛け止め工程であって、複数の補強筋を用意し、該各補強筋がロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差し、該各補強筋の第1フック部を、前記帯筋の上側及び対応する前記主筋の横側から斜めに該主筋及び帯筋に掛け止め、該第2フック部を、隣り合う該二本の主筋の間に通させて、該帯筋に掛け止める、補強筋両端掛け止め工程とを含む、
別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法。
【請求項2】
前記補強筋両端掛け止め工程において、前記各補強筋の第1フック部は、前記ロッド体に対して、135度或または180度に屈曲し、該各補強筋の第2フック部は、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする請求項1に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法。
【請求項3】
前記補強筋両端掛け止め工程において、互いに相対して配置される前記二本の主筋の間にそれぞれ、前記二つの補強筋を設置し、該二つの補強筋の第1フック部をそれぞれ、互いに相対して配置される該二本の主筋及び前記帯筋上に掛け止めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法。
【請求項4】
別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物であって、複数の主筋と、帯筋と、複数の補強筋を含み、
前記複数の主筋が、直立に設置されると共に、間隔を置いて囲繞するように配置され、
前記帯筋が、前記複数の主筋の外周囲を取り囲むように取り付けられ、
前記複数の補強筋がそれぞれ、ロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差し、該各補強筋の第1フック部が、前記帯筋の上側及び対応する前記主筋の横側から斜めに該主筋及び帯筋に掛け止められ、該第2フック部が、隣り合う該二本の主筋の間を通って、該帯筋に掛け止められることを特徴とする別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物。
【請求項5】
前記各補強筋の第1フック部が、前記ロッド体に対して、135度または180度に屈曲し、前記第2フック部が、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする請求項4に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物。
【請求項6】
互いに相対して配置される前記二本の主筋の間にそれぞれ、前記二つの補強筋が設置され、該二つの補強筋の第1フック部がそれぞれ、互いに相対して配置される該二本の主筋及び前記帯筋上に掛け止められることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物。
【請求項7】
別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋であって、ロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差することを特徴とする別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋。
【請求項8】
前記補強筋の第1フック部が、前記ロッド体に対して、135度または180度に屈曲し、前記第2フック部は、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする請求項7に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋。
【請求項9】
前記補強筋における、前記第1フック部及びロッド体により形成される第1平面と、前記第2フック部及びロッド体により形成される第2平面との交差角度は90度以上であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋。
【請求項10】
前記補強筋における、前記第1フック部及びロッド体により形成される第1平面と、前記第2フック部及びロッド体により形成される第2平面との交差角度は90度であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋。
【請求項11】
前記補強筋における、前記第1フック部及びロッド体により形成される第1平面と、前記第2フック部及びロッド体により形成される第2平面との交差角度は90度以下であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設においての配筋工法、構造物及び構成要素に関し、特に、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋方法に適用される補強筋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート(Reinforce Concrete、RC)建造物の柱梁の骨組は主に、主筋、帯筋及び補強筋から構成され、補強筋は、主筋を拘束するように、主筋が外側に座屈することを防ぐために用いられるものであり、従って、補強筋の二つの端部が屈曲する角に、主筋を正確に位置決めする必要があり、そうでなければ、主筋を拘束する効果が影響を受け、建造物の耐震強度が低下する虞がある。
【0003】
図11に示すように、従来技術の補強筋一重巻き配筋工法によって作られた構造物は、複数の主筋51と、帯筋52と、複数の補強筋53とを含み、複数の主筋51は、間隔を置いて矩形に配置されるように立設され、帯筋52は、複数の主筋51の周囲を囲むように取り付けられ、各補強筋53は、互いに相対して配置される二本の主筋51の間に水平状態で設置されると共に、帯筋52上に重ね置かれる。各補強筋53は、ロッド体533と、ロッド体533の一端に形成される第1フック部531と、ロッド体533の他端に形成される第2フック部532とを有し、第1フック部531は、ロッド体533に対して90度に折り曲げられると共に、主筋51のうちの一本に掛け止められて針金で結束固定され、第2フック部532は、ロッド体533に対して135度に折り曲げられると共に、主筋51のうちの一本に掛け止められる。尚、上述したロッド体533と、第1フック部531と、第2フック部532とは、同一平面上に位置する。
【0004】
しかしながら、上述した従来技術の補強筋一重巻き配筋工法において、互いに相対して配置される二本の主筋51の間ごとに、一本の補強筋53しか配置されていないことで、当該補強筋53の第2フック部532が、対応する主筋に135度の完全拘束効果をもたらすことができるが、当該補強筋53の第1フック部531が、対応する主筋51に90度の半拘束効果をもたらすことしかできない。さらに、図12に示すように、施工現場で、主筋51は配置位置からずれることが多く、配置位置からずれた主筋51が、ロッド体533と第1フック部531との間の折り曲げ角に正確に位置決めされることができなくなり、その結果、補強筋53がもたされた半拘束効果に影響を与えるので、従来技術の補強筋一重巻き配筋工法で構成される柱梁の靭性や耐震強度が期待される効果に達しない虞があり、また、施工者が結束固定作業するのも困難であるので、作業効率が悪い問題もあった。
【0005】
さらに、図12を参照すると、上述した従来技術の補強筋一重巻き配筋工法で利用されている補強筋53における、ロッド体533と第1フック部531により形成される平面と、ロッド体533と第2フック部532により形成される平面とが重なっており、すなわち、ロッド体533、第1フック部531及び第2フック部532は、同一平面上に位置する。そのため、90度に折り曲げられた第1フック部531の長さは、当該補強筋53の幅広さに等しい。第1フック部531の長さは一般に約8~10センチの範囲であり、その結果、主筋51が、隣り合う二本の主筋の間の距離が3~6センチになるように密に配置される場合、従来技術の補強筋53は、隣り合う二本の主筋の間を通り抜けるのが困難であった。
【0006】
図13は、別の従来技術の補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物を示しており、同じく、複数の主筋61と、帯筋62と、複数の補強筋63を利用する。複数の主筋61は、間隔を置いて矩形に配置されるように立設され、帯筋62は、複数の主筋61の周囲を囲むように取り付けられ、各補強筋63は、互いに相対して配置される二本の主筋61の間に水平状態で設置されると共に、帯筋62上に重ね置かれる。各補強筋63は、ロッド体633と、ロッド体633の一端からさらに直線に延在するように形成される第1フック部631と、ロッド体633の他端に形成される第2フック部632とを有し、第1フック部631が、主筋61のうちの一本に当接するように針金で結束固定され、第2フック部632は、ロッド体633に対して135度または180度に折り曲げられると共に、主筋61のうちの一本に掛け止められる。
【0007】
上述した従来技術の補強筋二重巻き配筋工法において、互いに相対して配置される二本の主筋61の間ごとに、二本の補強筋63が同時に配置され、当該二本の補強筋63の第1フック部631がそれぞれ、個別の主筋61に結束固定され、これに対して、個別の主筋に掛け止められる二本の補強筋63の第2フック部632がそれぞれ、対応する主筋61に135度または180度の完全拘束効果をもたらす。このため、従来技術の補強筋二重巻き配筋工法は、全体的な完全拘束効果を増加したが、各補強筋63の第1フック部631自身は、対応する主筋61にいかなる拘束効果ももたらすことができないので、補強筋63の第1フック部631を、針金を使って人力で対応する主筋61上に結束固定作業をする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019―120118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、人力で結束固定作業をせずに拘束効果と施工効率を向上でき、且つ主筋が密に配置される場合に適用できる、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法並びに、この配筋工法で構成される構造物、及びこの配筋工法に適用される補強筋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の主筋を、直立に設置すると共に間隔を置いて囲繞するように配置する、主筋立ち上げ工程と、
前記複数の主筋の外周囲に帯筋を取り巻く、帯筋取り付け工程と、
補強筋両端掛け止め工程であって、複数の補強筋を用意し、該各補強筋がロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差し、該各補強筋の第1フック部を、前記帯筋の上側及び対応する前記主筋の横側から斜めに該主筋及び帯筋に掛け止め、該第2フック部を、隣り合う該二本の主筋の間に通させて、該帯筋に掛け止める、補強筋両端掛け止め工程とを含む、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法に関する。
【0011】
前記補強筋両端掛け止め工程において、前記各補強筋の第1フック部は、前記ロッド体に対して、135度または180度に屈曲し、該各補強筋の第2フック部は、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする。
【0012】
前記補強筋両端掛け止め工程において、互いに相対して配置される前記二本の主筋の間にそれぞれ、前記二つの補強筋を設置し、該二つの補強筋の第1フック部をそれぞれ、互いに相対して配置される該二本の主筋及び前記帯筋上に掛け止めることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を用いた補強筋二重巻き配筋工法で構成された構造物であって、複数の主筋と、帯筋と、複数の補強筋を含み、
前記複数の主筋が、直立に設置されると共に、間隔を置いて囲繞するように配置され、
前記帯筋が、前記複数の主筋の外周囲を取り囲むように取り付けられ、
前記複数の補強筋がそれぞれ、ロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差し、該各補強筋の第1フック部が、前記帯筋の上側及び対応する前記主筋の横側から斜めに該主筋及び帯筋に掛け止められ、該第2フック部が、隣り合う該二本の主筋の間を通って、該帯筋に掛け止められることを特徴とする。
【0014】
前記各補強筋の第1フック部が、前記ロッド体に対して、135度または180度に屈曲し、前記第2フック部が、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする。
【0015】
互いに相対して配置される前記二本の主筋の間にそれぞれ、前記二つの補強筋が設置され、該二つの補強筋の第1フック部がそれぞれ、互いに相対して配置される該二本の主筋及び前記帯筋上に掛け止められることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋であって、ロッド体と、該ロッド体の一端に形成される第1フック部と、該ロッド体の他端に形成される第2フック部とを有し、該ロッド体及び第1フック部により形成される第1平面と、該ロッド体及び第2フック部により形成される第2平面とは交差することを特徴とする。
【0017】
前記補強筋の第1フック部が、前記ロッド体に対して、135度または180度に屈曲し、前記第2フック部は、該ロッド体に対して、90度に屈曲することを特徴とする。
【0018】
前記補強筋における、前記第1フック部及びロッド体により形成される第1平面と、前記第2フック部及びロッド体により形成される第2平面との交差角度は90度以上や、90度に等しいまたは90度以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
前述した技術特徴によれば、各補強筋の第1フック部が、対応する主筋及び帯筋に安定した完全拘束効果をもたらすことができ、これに加え、各補強筋の第2フック部が、対応する主筋に対して90度の半拘束効果をもたらすことができることで、当該補強筋は、針金で結束固定される必要なく、互いに相対して配置される二本の主筋に直接安定して掛け止められることができ、その結果、三重の有効な拘束効果が得られることで、柱の軸力と靭性を高めることができると共に、施工方法の単純化及び施工効率の向上が可能となる。さらに、本発明に係る補強筋における、ロッド体と第1フック部により形成される第1平面とロッド体と第2フック部により形成される第2平面とは、45度または90度で交差する状態を呈することにより、第2フック部が、隣り合う二本の主筋との間を簡単に通り抜けて、帯筋に掛け止められることができるので、主筋が密に配置される場合においても、容易に施工することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法のフローチャートである。
図2】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第1実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す斜視図である。
図3】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第1実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す平面図である。
図4】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第1実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す側面図である。
図5】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第1実施形態の補強筋を示す斜視図である。
図6】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第2実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す斜視図である。
図7】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第2実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す平面図である。
図8】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第2実施形態の補強筋を使って構成された構造物を示す側面図である。
図9】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第2実施形態の補強筋を示す斜視図である。
図10】本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第3実施形態の補強筋を示す斜視図である。
図11】従来の配筋工法で構成された構造物を示す斜視図である。
図12】従来の配筋工法で構成された構造物において、一部の主筋が配置位置からずれている状態を示す平面図である。
図13】別の従来の配筋工法で構成された構造物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に合わせて本発明の好適な実施例を説明し、本発明が予定する創作目的を達成するために取られた技術的手段をさらに述べる。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る、別異平面上に形成された端部フックを有する補強筋を使った、柱の軸力と靭性を高めることができる補強筋二重巻き配筋工法は、主筋立ち上げ工程S1と、帯筋取り付け工程S2と、補強筋両端掛け止め工程S3とを含む。
【0023】
図2図4に示すように、前記主筋立ち上げ工程S1では、複数の主筋10を、直立に設置すると共に、間隔を置いて囲繞するように配置する。
【0024】
前記帯筋取り付け工程S2では、帯筋20を、前記複数の主筋10の外周囲に取り巻く。本発明の具体的な実施形態においては、前記複数の主筋10が、矩形に配置されており、これに対して、当該複数の主筋10の外周囲に取り巻かれる前記帯筋20が、矩形を呈する。
【0025】
前記補強筋両端掛け止め工程S3では、複数の補強筋30を用意し、各補強筋30を、互いに相対して配置される二本の主筋10の間に水平に設置する。前記各補強筋30が、ロッド体33と、該ロッド体33の一端に形成される第1フック部31と、該ロッド体33の他端に形成される第2フック部32とを有し、該第1フック部31が、該ロッド体33に対して135度または180度に屈曲し、該第2フック部32が、該ロッド体33に対して90度に屈曲し、該ロッド体33及び第1フック部31により形成される第1平面と、該ロッド体33及び第2フック部32により形成される第2平面とは45度または90度で交差し、施工する際に、まず、該第1フック部31を、前記帯筋20の上側及び対応する前記主筋10のうちの一本の横側から斜めに該主筋10と帯筋20に掛け止め、該第2フック部32を同時に、隣り合う二本の主筋10の間を通って、帯筋20上に掛け止める。
【0026】
また、互いに相対して配置される二本の主筋10の間ごとに、二本の補強筋30が同時に取り付けられており、当該二本の補強筋30が逆方向に配置され、このため、当該二本の補強筋30の第1フック部31がそれぞれ、互いに相対して配置される二本の主筋10及び帯筋20上に掛け止められる。
【0027】
図2図4は、本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第1実施形態の補強筋30を使って構成された構造物を示したものであり、各補強筋30における、第1フック部31とロッド体33により形成される第1平面と、第2フック部32とロッド体33により形成される第2平面とは交差しており、図5に示した具体的な実施形態においては、その交差角度は90度である。
【0028】
さらに図6図8は、本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第2実施形態の補強筋30Aを使って構成された構造物を示したものであり、ここでの各補強筋30Aにおける、第1フック部31Aとロッド体33Aにより形成される第1平面と、第2フック部32Aとロッド体33Aにより形成される第2平面とは交差しており、その交差角度は90度以下である。図9に示した具体的な実施形態においては、第1平面と第2平面との交差角度が45度である。
【0029】
さらに図10は、本発明に係る補強筋二重巻き配筋工法における、第3実施形態の補強筋30Bを示したものであり、ここでの各補強筋30Bにおける、第1フック部31Bとロッド体33Bにより形成される第1平面と、第2フック部32Bとロッド体33Bにより形成される第2平面とは交差しており、その交差角度は90度以上である。図10に示した具体的な実施形態においては、第1平面と第2平面との交差角度が135度である。
【0030】
本発明の優れたところは、各補強筋30、30A、30Bの第1フック部31、31A、31Bが、対応する主筋10及び帯筋20に安定した完全拘束効果をもたらすことができ、これに加え、各補強筋30、30A、30Bの第2フック部32、32A、32Bが、対応する主筋10に対して90度の半拘束効果をもたらすことができることで、当該補強筋30、30A、30Bは、針金で結束固定される必要なく、互いに相対して配置される二本の主筋10に直接安定して掛け止められることができ、その結果、補強筋30、30A、30Bの両端部フックにより、三重の有効な拘束効果が得られることで、柱の軸力と靭性を高めることができると共に、施工方法の単純化及び施工効率の向上が可能となる。
【0031】
さらに、図5図9及び図10に示すように、本発明に係る補強筋30、30A、30Bにおける、ロッド体33、33A、33Bと第1フック部31、31A、31Bにより形成される第1平面と、ロッド体33、33A、33Bと第2フック部32、32A、32Bにより形成される第2平面とは、45度または90度で交差する状態を呈することにより、第2フック部32、32A、32Bが、隣り合う二本の主筋10との間を簡単に通り抜けて、帯筋20に掛け止められることができるので、主筋10が密に配置される場合においても、容易に施工することが可能となる。
【0032】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明に対して何ら限定を行うものではない。本発明について、比較的好適な実施形態をもって上記のとおり開示したが、これは本発明を限定するものではなく、すべての当業者が、本発明の技術構想を逸脱しない範囲において、本発明の技術の本質に基づいて上記の実施形態に対して行ういかなる簡単な修正、変更及び修飾も、依然としてすべて本発明の技術構想の範囲内にある。
【符号の説明】
【0033】
S1 主筋立ち上げ工程
S2 帯筋取り付け工程
S3 補強筋両端掛け止め工程
10 主筋
20 帯筋
30、30A、30B 補強筋
31、31A、31B 第1フック部
32、32A、32B 第2フック部
33、33A、33B ロッド体
51 主筋
52 帯筋
53 補強筋
531 第1フック部
532 第2フック部
533 ロッド体
61 主筋
62 帯筋
63 補強筋
631 第1フック部
632 第2フック部
633 ロッド体
図1
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