(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048097
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ガスケット用光硬化樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20220317BHJP
C09D 4/02 20060101ALI20220317BHJP
C09D 7/43 20180101ALI20220317BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20220317BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
C08F290/06
C09D4/02
C09D7/43
C09D201/00
C09K3/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129727
(22)【出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2020154016
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000162434
【氏名又は名称】協立化学産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】金子 聖
【テーマコード(参考)】
4H017
4J038
4J127
【Fターム(参考)】
4H017AA04
4H017AB01
4H017AD01
4H017AE05
4J038FA111
4J038FA281
4J038HA446
4J038MA15
4J038NA07
4J038NA10
4J038NA12
4J038PA17
4J038PB09
4J038PC02
4J127AA03
4J127BB031
4J127BB111
4J127BB221
4J127BD411
4J127BD481
4J127CB134
4J127CB151
4J127CB152
4J127CB153
4J127CC021
4J127CC031
4J127CC092
4J127CC153
4J127DA12
4J127DA20
4J127EA13
4J127FA15
(57)【要約】
【課題】形状維持性、潰れ性及び剥離性に優れる、ガスケット用光硬化樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含み、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマーの含有量が30重量部以下であり、かつ、ロジン誘導体を含まない、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500以上であるか、又は、硬化物の弾性率が20MPa以下である、ガスケット用光硬化樹脂組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500以上であり、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下であり、かつ、
ロジン誘導体を含まない、
ガスケット用光硬化樹脂組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、
前記ガスケット用光硬化樹脂組成物の硬化物の弾性率が、20MPa以下であり、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、
(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下であり、かつ、ロジン誘導体を含まない、
ガスケット用光硬化樹脂組成物。
【請求項3】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量が35重量部以上80重量部以下である、請求項1又は2に記載のガスケット用光硬化樹脂組成物。
【請求項4】
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリルアルコール(メタ)アクリル酸多量体エステルからなる群より選択される1種以上を50重量部以上100重量部以下含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスケット用光硬化樹脂組成物。
【請求項5】
光重合開始剤(D)及びチキソ付与剤(C)を除くガスケット用光硬化樹脂組成物の合計100重量部に対して、チキソ付与剤(C)の含有量が0.01重量部以上20重量部以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガスケット用光硬化樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケット用光硬化樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器又は精密部品の封止材として、光硬化性樹脂組成物が用いられている。例えば、ハードディスクドライブにおいては、ディスク又はその読み取り部が、湿気又は埃によって汚染されないように、光硬化性樹脂組成物から構成されるガスケットにより密封されている。このようなガスケットに用いられる光硬化性樹脂組成物について、特許文献1~3には、(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤及びチキソ付与剤を含むガスケット用光硬化樹脂組成物に対して、透湿度の低下を目的として、ロジンエステル等のロジン誘導体を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-43642号公報
【特許文献2】特開2017-8126号公報
【特許文献3】特開2018-105421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~3に記載されているようなロジン誘導体を含む光硬化性樹脂組成物は、粘着性が高まるため、部材と光硬化性樹脂組成物との界面から容易に剥離しないとの問題があった。
【0005】
さらに、ガスケット剤において、形状保持性及び潰れ性に関して、改善の余地があることが見いだされた。即ち、ガスケット剤において、形状保持性が劣る場合は、塗布開始から終わりの間、塗布からUV硬化の工程に移動する間、又は、UV硬化の間に、塗布したガスケット用樹脂組成物の形状が変化してしまい、これにより狙った形状が崩れてしまうことや均一な塗布形状にならない場合があった。また、ガスケット剤において、潰れ性が劣る場合は、部材と部材を合わせる際に、そもそも締め付けられないか、ガスケットが潰れず密着できない、部材が変形する等の不具合が生じる傾向があった。
【0006】
本発明は、形状維持性、潰れ性及び剥離性に優れる、ガスケット用光硬化樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下を含む。
[1](メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500以上であり、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下であり、かつ、
ロジン誘導体を含まない、
ガスケット用光硬化樹脂組成物。
[2](メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、
前記ガスケット用光硬化樹脂組成物の硬化物の弾性率が、20MPa以下であり、
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下であり、かつ、
ロジン誘導体を含まない、
ガスケット用光硬化樹脂組成物。
[3](メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量が35重量部以上80重量部以下である、[1]又は[2]ガスケット用光硬化樹脂組成物。
[4](メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリルアルコール(メタ)アクリル酸多量体エステルからなる群より選択される1種以上を50重量部以上100重量部以下含む、[1]~[3]のいずれかのガスケット用光硬化樹脂組成物。
[5]光重合開始剤(D)及びチキソ付与剤(C)を除くガスケット用光硬化樹脂組成物の合計100重量部に対して、チキソ付与剤(C)の含有量が0.01重量部以上20重量部以下である、[1]~[4]のいずれかのガスケット用光硬化樹脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、形状維持性、潰れ性及び剥離性に優れる、ガスケット用光硬化樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[定義]
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を意味する。
本明細書において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した重量平均分子量である。
本明細書において、数値範囲に関して「~」とは、その両端の値を含むことを意味する。即ち、「35~80重量部」は、「35重量部以上80重量部以下」を意味する。
本明細書において、「以下」は「同じ又は未満」を意味し、「以上」は「同じ又は超える」を意味する。
【0010】
[ガスケット用光硬化樹脂組成物]
ガスケット用光硬化樹脂組成物は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む、ガスケット用光硬化樹脂組成物であって、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500以上であり、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下であり、かつ、ロジン誘導体を含まない。
【0011】
ガスケット用光硬化樹脂組成物は、形状維持性、潰れ性及び剥離性に優れる。そのため、対象とする形状及び場所にガスケット用光硬化樹脂組成物を塗布することができ、更に塗布開始から終わりの間や、塗布からUV硬化の工程に移動するまでの間や、UV硬化の完了までの間に、形状が変化することがなく、また、ガスケットとしての基本的な役割(気密性及び/又は液密性)を果たすことができる。
【0012】
<(メタ)アクリレートオリゴマー(A)>
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーであれば特に限定されない。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
【0013】
<<ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー>>
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、芳香族系、脂肪族系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系又はこれらの組合せのポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。これらは、1種でも、2種以上の組合せでもよい。
【0014】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、特開2008-260898号公報に記載されているような方法で、有機ジイソシアネートとヒドロキシル基を有する樹脂とを反応させた後、さらにヒドロキシル基を有する1~5官能の(メタ)アクリレートとを反応して製造することができる。
【0015】
有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のジイソシアネートが挙げられ、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ジイソシアネート類が挙げられる。これらの中でも脂環式系のジイソシアネートが好ましい。
【0016】
ヒドロキシル基を有する樹脂としては、例えば両末端水酸基ポリアルキレン、両末端水酸基水素化ポリアルキレン、両末端水酸基ポリオール、両末端水酸基ポリカーボネート、両末端水酸基ポリエステル等が挙げられ、両末端水酸基水素化ポリアルキレンが好ましく、両末端水酸基水素化ポリブタジエン、両末端水酸基水素化ポリイソプレンがより好ましい。
【0017】
ヒドロキシル基を有する1~5官能の(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシアルキレン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、それらのアルキルオキサイド変性物等が挙げられる。
【0018】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、実施例に記載のものの他に、EBECRYL4858(ダイセル・オルネクス社製)、UN-2301(根上化学社製)、EBECRYL4859(ダイセル・オルネクス社製)、EBECRYL4738(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
【0019】
<<エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー>>
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応しているオリゴマーである。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂中の一部のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応しているオリゴマー、すなわち、樹脂中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含んでいてもよい。ここで、エポキシ樹脂として、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びその他のエポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、芳香族エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、1種でも、2種以上の組合せでもよい。
【0020】
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、EB3700(ダイセル・オルネクス製)、EB3708(ダイセル・オルネクス製)等が挙げられる。
【0021】
<<(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量>>
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量は、1,500以上である。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500未満である場合、硬化物の弾性率が大きくなる傾向があり、潰れ性が劣る傾向がある。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量は、1,500~30,000であることが好ましい。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が30,000以下である場合、硬化物の粘着性を抑えることができ、剥離性がより優れる傾向がある。
【0022】
<<(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の好ましい態様>>
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が有する(メタ)アクリロイル基の数は、2~6であることが好ましく、2~4であることがより好ましく、2~3であることが特に好ましい。
【0023】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。即ち、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、1種若しくは2種以上のアクリレートオリゴマー(A1)であってよく、1種若しくは2種以上のメタクリレートオリゴマー(A2)であってよく、又は、1種若しくは2種以上のアクリレートオリゴマー(A1)と1種又は2種以上のメタクリレートオリゴマー(A2)との組合せであってよい。また、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、アクリレートオリゴマー(A1)であることが好ましく、ウレタンアクリレートオリゴマーであることが特に好ましい。
【0024】
<(メタ)アクリレートモノマー(B)>
(メタ)アクリレートモノマー(B)は、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモノマーであれば特に限定されない。(メタ)アクリレートモノマー(B)としては、アルキル(メタ)アクリレートモノマー、環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、その他の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
【0025】
<<アルキル(メタ)アクリレートモノマー>>
アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】
<<環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー>>
環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、芳香族(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーは、ヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーではない。
【0027】
芳香族(メタ)アクリレートモノマーは、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジグリシジルエーテルのメタクリル酸付加物、9,9-ビス[4-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン)等が挙げられる。
【0028】
脂環式(メタ)アクリレートモノマーは、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】
<<水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー>>
水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリオールのポリ(メタ)アクリレート(但し、水酸基を含有する)等が挙げられる。ここで、ポリオールのポリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
<<ヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー>>
ヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコール(メタ)アクリル酸多量体のエステル等が挙げられる。テトラヒドロフルフリルアルコール(メタ)アクリル酸多量体のエステルの市販品としては、ビスコート#150D(大阪有機化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0031】
<<その他の(メタ)アクリレートモノマー>>
その他の(メタ)アクリレートモノマーとしては、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
【0032】
<<<カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマー>>>
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、脂肪族系、芳香族系、脂環式系のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
<<<多官能(メタ)アクリレートモノマー>>>
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、脂肪族系の多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化物、脂肪族系の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と(メタ)アクリル酸のエステル化物が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、エトキシ化1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールアクリル酸多量体エステル、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0034】
<<(メタ)アクリレートモノマー(B)の好ましい態様>>
(メタ)アクリレートモノマー(B)の重量平均分子量は、1,500未満であることが好ましい。(メタ)アクリレートモノマー(B)が有する(メタ)アクリロイル基の数は、1~4であることが好ましく、1~3であることが特に好ましい。
【0035】
(メタ)アクリレートモノマー(B)は、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。即ち、(メタ)アクリレートモノマー(B)は、1種若しくは2種以上のメタクリレートモノマー(B1)であってよく、1種若しくは2種以上のアクリレートモノマー(B2)であってよく、又は、1種若しくは2種以上のメタクリレートモノマー(B1)と1種又は2種以上のアクリレートモノマー(B2)との組合せであってよい。
【0036】
<チキソ付与剤(C)>
チキソ付与剤(C)としては、無機系のチキソ付与剤、有機系のチキソ付与剤が挙げられる。
【0037】
無機系のチキソ付与剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ((フュームドシリカ(煙霧質シリカ)、沈降性シリカ)、酸化チタン、石綿粉、酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、カーボン、マイカ、スメクタイト、カーボンブラック等の無機微粒子が挙げられる。無機系のチキソ付与剤は、表面処理されていてもよい。無機系のチキソ付与剤の表面処理剤としては、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
表面処理された又は未処理のヒュームドシリカは、市販品を用いることができる。
【0038】
有機系のチキソ付与剤としては、ポリスチレンビーズ、ポリエチレン粒子、アクリル粒子、ポリシロキサン樹脂粒子、イソプレンゴム粒子、ポリアミド粒子等の有機微粒子、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アルキル変性セルロース、ペプチド、ポリペプチド等の高分子化合物、アマイドワックス、水添ひまし油誘導体、1,3,5-トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート、脂肪酸アミド、酸化ポリエチレン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、変性ポリエステルポリオール、エチルセルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、有機ベントナイト等の有機化合物が挙げられる。
チキソ付与剤(C)は、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。
【0039】
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)としては、光の照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、チタノセン類、オキシムエステル類、ベンゾインエーテル類、チオキサントン類、アントラキノン類が挙げられる。
【0040】
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン-1,2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-メチルチオ]フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、オリゴ2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノール、オリゴ2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン、2,4-ジエチルチオキサントン、2ークロロチオキサントン、ベンゾフェノン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4ジベンゾイルベンゼン、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)1,2’-ビイミダゾール、2,2’ビス(o-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、4-ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、o-メチルベンゾイルベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、カルバゾール・フェノン系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ベンゾイル系光重合開始剤等が挙げられる。
【0041】
光重合開始剤(D)は、市販品を用いることができる。光重合開始剤(D)は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び/又は(メタ)アクリレートモノマー(B)のラジカル反応において未硬化の要因となる酸素阻害を受けにくくするという観点から、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドがより好ましい。
光重合開始剤(D)は、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。
【0042】
<その他の成分(E)>
ガスケット用光硬化樹脂組成物は、本発明の効果を奏する範囲内で、可塑剤(E1)、接着付与剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、充填剤、連鎖移動剤、熱及び/又は光安定剤、表面張力調整剤、界面活性剤、レベリング剤、イオン性液体、紫外線吸収剤、難燃剤、ポリマー等のその他の成分を含むことができる。ここで、難燃剤、ポリマー、イオン液体等のように液状非反応性の化合物が可塑剤として振る舞う場合は、可塑剤に含むこととする。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤が、熱及び/又は光安定剤として振る舞う場合は、熱及び/又は光安定剤に含むこととする。これらの具体的な成分は、公知の成分を使用できる。弾性率が小さく、柔軟な硬化物を得る観点からは、ガスケット用光硬化樹脂組成物は、更に可塑剤(E1)を含んでいてもよい。
【0043】
<<可塑剤(E1)>>
可塑剤(E1)は、光照射によりそれ自身は硬化しない成分である。このような可塑剤としては、エステル構造を有する可塑剤及びエステル構造を有する可塑剤以外の可塑剤が挙げられる。
エステル構造を有する可塑剤としては、クエン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸アルキルエステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等、セバシン酸エステル系可塑剤、及びその他のエステル系可塑剤が挙げられる。
エステル構造を有する可塑剤以外の可塑剤としては、キシレン樹脂系可塑剤、アクリルポリマー系可塑剤、ポリブタジエン系可塑剤、ポリイソプレン系可塑剤、ポリブテン系可塑剤、テルペン系可塑剤及びその他の可塑剤が挙げられる。
【0044】
クエン酸エステル系可塑剤としては、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸-2-エチルヘキシル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等が挙げられる。
多価カルボン酸アルキルエステル系可塑剤としては、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の多価カルボン酸のC3~C12アルキルエステル等が挙げられる。
アジピン酸エステル系可塑剤としては、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス-(2-ブトキシエチル)等のアジピン酸ジエステルが挙げられる。
セバシン酸エステル系可塑剤としては、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル等が挙げられる。
その他のエステル系可塑剤としては、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル;トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル;トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)等のポリオキシアルキレングリコールのアルキルエステル(例えば、ジ、トリ又はテトラエチレングリコールのC3~C12アルキルエステル等);アジピン酸系ポリエステル、ポリエステルポリール等のポリエステル系可塑剤(但し、アジピン酸ジエステルを除く);エポキシ系エステル系可塑剤;安息香酸エステル系可塑剤;等が挙げられる。
【0045】
キシレン樹脂系可塑剤は、m-キシレンを基本とした芳香族オリゴマーであり、市販品として、ニカノールLL、ニカノールL(フドー社製)等が挙げられる。
アクリルポリマー系可塑剤は、予め重合させたアクリルポリマー(ただし、反応性基を含有していても、含有していなくてもよい)であり、市販品として、UP1061、UP1010(東亞合成社製)等が挙げられる。
ポリブタジエン系可塑剤としては、ポリブタジエン、又はこれらの水素化物、これらの両末端に水酸基を導入した誘導体もしくはこれらの水素化物の両末端に水酸基を導入した誘導体等が挙げられる。
ポリイソプレン系可塑剤としては、ポリイソプレン、又はこれらの水素化物、これらの両末端に水酸基を導入した誘導体もしくはこれらの水素化物の両末端に水酸基を導入した誘導体等が挙げられる。
ポリブテン系可塑剤としては、ポリブテン、又はこれらの水素化物、これらの両末端に水酸基を導入した誘導体もしくはこれらの水素化物の両末端に水酸基を導入した誘導体等が挙げられる。
テルペン系可塑剤としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等が挙げられる。
その他の可塑剤としては、ポリカーボネートポリオール等のポリオール系可塑剤(但し、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリールを除く);熱可塑性エラストマー;石油樹脂;脂環族飽和炭化水素樹脂;ポリエーテルポリオール等のポリエーテル系可塑剤等が挙げられる。
【0046】
接着付与剤としては、シランカップリング剤が挙げられる。接着付与剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エトルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン等のトリアルコキシシラン類;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類が挙げられる。
【0047】
熱及び/又は光安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、硫黄系耐熱安定剤、ヒドロキシルアミン系加工熱安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、及びベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。熱及び/又は光安定剤の具体例としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2,4,-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾール、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
【0048】
表面調整剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等のシリコーン系化合物;フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系化合物;パーフルオロ変性シリコーン等のシリコーン-フッ素系化合物;及び、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテル変性アクリルポリマー、ポリエステル変性アクリルポリマー、パーフルオロアルキル変性アクリルポリマー等のアクリル系化合物等が挙げられる。表面調整剤の市販品としては、ポリエーテル変性シロキサン(TEGOGLIDE440、エボニック社)が挙げられる。
【0049】
充填剤としては、無機系充填剤及び有機系充填剤が挙げられ、粉末充填剤のみならず、導電剤、除電剤、難燃剤、緩衝性改良剤及び着色剤等として振る舞う場合がある充填剤も含まれる。無機系充填剤としては、シリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石綿粉、酸化銅、水酸化銅、酸化鉄、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉛、マグネシア、酸化スズ等の金属酸化物、金属水酸化物粒子、ならびに炭酸カルシウム、カーボン、シリカ、マイカ、タルク、スメクタイト、及びカーボンブラック、膨張黒鉛粉末、粉末状グラファイト又は金属微粒子等の、無機微粒子が挙げられる。有機系充填剤としては、ポリアクリル酸エチル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂等の有機質微粒子が挙げられる。難燃剤としても振る舞う充填剤としては、粉末状有機ハロゲン化合物、赤リン、三酸化アンチモン、膨張黒鉛、マグネタイト又は水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0050】
着色剤としては、各種の顔料や染料を挙げることができ、これら添加剤は、用途により適宜選択できる。
【0051】
その他の成分(E)は、それぞれ、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。例えば、1種以上の可塑剤(E1)と、1種以上の可塑剤以外のその他の成分との組合せであってもよい。
なお、ガスケット用光硬化樹脂組成物は、ロジン誘導体を含まない。ガスケット用光硬化樹脂組成物が、ロジン誘導体を含む場合、剥離性が劣る。ロジン誘導体は、ロジン誘導体は、松脂等から得られるロジンから誘導される物質であり、ロジンエステル、水添ロジンエステル、酸変性ロジン、ロジン含有ジオール、ロジンの金属塩、不均化ロジン、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン化ロジン、マレイン酸変性ロジン樹脂等が挙げられる。この他にロジン誘導体としては、特開2017-43642号公報、特開2017-8126号公報及び特開2018-105421号公報に記載されたものが挙げられる。
【0052】
<含有量>
ガスケット用光硬化樹脂組成物における各成分の含有量は以下のとおりである。
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量は30重量部以下である。(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部を超える場合、剥離性が劣る。(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタクリレートモノマー(B1)の含有量は20重量部以下であることが好ましい。なお、残余は、アクリレートモノマー(B2)である。
【0053】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量は2.5重量部以上である。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部未満である場合、剥離性が劣る。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量は20重量部以下であることが好ましい。
【0054】
ガスケット用光硬化樹脂組成物における各成分の含有量は以下のとおりであることが好ましい。
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量は35重量部以上80重量部以下であることが好ましく、40重量部以上80重量部以下であることがより好ましく、50重量部以上80重量部以下であることが特に好ましい。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量が前記範囲である場合、本発明の効果を効率的に発揮することができる。
【0055】
(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリルアルコール(メタ)アクリル酸多量体エステルの含有量の合計が50重量部以上100重量部以下であることが好ましい。このよう範囲であれば、本発明の効果をより効率的に発揮することができる。
【0056】
光重合開始剤(D)及びチキソ付与剤(C)を除くガスケット用光硬化樹脂組成物の合計100重量部に対して、チキソ付与剤(C)の含有量が0.01重量部以上20重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以上20重量部以下であることがより好ましく、1重量部以上15重量部以下であることが特に好ましい。チキソ付与剤(C)の含有量が前記の範囲である場合、吐出性と液形状保持性を両立できる。
【0057】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、可塑剤(E1)の含有量は100重量部以下であることが好ましく、80重量部以下であることがより好ましく、70重量部以下であることが特に好ましい。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、可塑剤(E1)の含有量が100重量部以下である場合、表面硬化性を阻害せず、柔軟化が可能である。
【0058】
(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、充填剤の含有量は100重量部以下であることが好ましく、70重量部以下であることがより好ましく、40重量部以下であることが特に好ましい。(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、充填剤の含有量が100重量部以下である場合、粘度や弾性率を最適範囲に保ちつつ剥離性の向上が可能である。
【0059】
光重合開始剤(D)及びチキソ付与剤(C)を除くガスケット用光硬化樹脂組成物の合計100重量部に対して、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、可塑剤(E1)及び充填剤の含有量の合計が、50重量部以上100重量部以下であることが好ましく、70重量部以上100重量部以下であることが特に好ましい。このよう範囲であれば、本発明の効果を効率的に発揮することができる。なお、ガスケット用光硬化樹脂組成物が可塑剤(E1)及び/又は充填剤を含まない場合、前記の合計は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と、(メタ)アクリレートモノマー(B)と、充填剤及び/又は可塑剤(E1)との含有量の合計である。
【0060】
<粘度、チキソ比>
ガスケット用光硬化樹脂組成物のせん断速度1秒-1での粘度は、形状保持性の観点から、1,000~1,000,000mPa・sであることが好ましく、10,000~500,000mPa・sであることが特に好ましい。また、ガスケット用光硬化樹脂組成物のせん断速度1秒-1での粘度は、60,000~1,000,000mPa・sであってもよく、80,000~1,000,000mPa・sであってもよく、100,000~1,000,000mPa・sであってもよい。
ガスケット用光硬化樹脂組成物のせん断速度10秒-1での粘度は、吐出性の観点から、10~100,000mPa・sであることが好ましく、1,000~80,000mPa・sであることが特に好ましい。また、ガスケット用光硬化樹脂組成物のせん断速度10秒-1での粘度は、15,000~100,000mPa・sであってもよく、20,000~100,000mPa・sであってもよい。
ガスケット用光硬化樹脂組成物のチキソ比(TI値)は、吐出性と形状保持性の観点から、1.2~10であることが好ましく、1.5~10であることがより好ましく、3.3~10であることが特に好ましい。
ガスケット用光硬化性樹脂組成物の粘度は、レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、25℃にて、せん断速度を0.01(秒-1)から100(秒-1)まで変化させて測定した値である。また、チキソ比は、前記粘度測定において、「せん断速度1秒-1での粘度/せん断速度10秒-1での粘度」(即ち、「せん断速度1秒-1での粘度」を「せん断速度10秒-1での粘度」で除した値)により求めた値である。
【0061】
<弾性率>
ガスケット用光硬化性樹脂組成物の硬化物の弾性率は、封止性、潰れ性の観点から、20MPa以下であることが好ましく、0.01~20MPaであることがより好ましく、0.1~10MPaであることが更に好ましく、0.2~5MPaであることが特に好ましい。なお、前記硬化物を得る際のガスケット用光硬化性樹脂組成物の硬化の具体的な条件は、任意であるが、365nmLEDを使用し、400mW/cm2×30秒の条件によって硬化させる条件であってもよい。
【0062】
前記弾性率の具体的な測定方法は以下の通りであってもよい。ガスケット用光硬化性樹脂組成物を、前記の条件で硬化させて、測定部の長さが30mm、幅5mm、厚み0.5mmのダンベル型の試験片を得る。得られた試験片について、ミネベア社製引張圧縮試験機テクノグラフTG-2kNを用いて、25℃で、10mm/分の速度で引張試験を行い、硬化物の弾性率を算出する。
【0063】
[更なるガスケット用光硬化樹脂組成物]
更なるガスケット用光硬化樹脂組成物は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A’)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)及び光重合開始剤(D)を含み、その硬化物の弾性率が、20MPa以下であり、(メタ)アクリレートオリゴマー(A’)及び(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部以上であり、(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部に対して、メタクリレートモノマーの含有量が30重量部以下であり、かつ、ロジン誘導体を含まない。
【0064】
更なるガスケット用光硬化樹脂組成物における、(メタ)アクリレートオリゴマー(A’)は、その重量平均分子量が1,500以下であってもよいこと以外は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)で述べたとおりである。
更なるガスケット用光硬化樹脂組成物における、(メタ)アクリレートモノマー(B)、チキソ付与剤(C)、光重合開始剤(D)、各成分の含有量及び特性は、ガスケット用光硬化樹脂組成物において述べたとおりである。
更なるガスケット用光硬化樹脂組成物における、硬化物の弾性率は、封止性、潰れ性の観点から、0.01~20MPaであることが好ましく、0.1~10MPaであることが特に好ましい。前記硬化物を得る際のガスケット用光硬化性樹脂組成物の硬化の具体的な条件は、ガスケット用光硬化樹脂組成物において述べたとおりである。前記硬化物の弾性率は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A’)の分子量を減少させること、又は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A’)の含有量を増加させることによって、増加させることができる。この他に、前記硬化物の弾性率は、充填剤の添加によって、又は、充填剤の量を増加させることによって、増加させることができる。また、前記硬化物の弾性率は、可塑剤の添加によって、又は、可塑剤の量を増加させることによって、減少させることができる。
【0065】
(調製方法及び使用方法)
ガスケット用光硬化樹脂組成物は、各成分を混合することにより製造できる。また、ガスケット用光硬化樹脂組成物は、公知の方法により使用するができる。
【実施例0066】
実施例及び比較例の各組成物を以下の原材料を使用して製造した。なお、「分子量」は重量平均分子量である。また、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)における「官能基数」は、分子中の(メタ)アクリロイル基の数である。
【0067】
1.(メタ)アクリレートオリゴマー(A)
UV3520EA(ポリエステルウレタンアクリレート(酢酸エチル30%希釈品)、三菱ケミカル社製。官能基数:2。分子量14,000。)なお、UV3520EA溶剤除去品は、UV3520EAから酢酸エチルを除去したものを用いた。
UV3300B(ポリエーテルウレタンアクリレート、三菱ケミカル社製。官能基数:2。分子量13,000。)
EBECRYL 210(芳香族ウレタンアクリレート、ダイセル・オルネクス社製。官能基数:2。分子量1,500。)
UN9200A(ポリカーボネートウレタンアクリレート、根上工業社製。官能基数:2。分子量15,000。)
UV3200B(ポリエステルウレタンアクリレート、三菱ケミカル社製。官能基数:2。分子量10,000。)
UV3000B(ポリエステルウレタンアクリレート、三菱ケミカル社製。官能基数:2。分子量18,000。)
EBECRYL 8402(脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・オルネクス社製。官能基数:2。分子量1,000。)
【0068】
2.(メタ)アクリレートモノマー(B)
2-1.メタアクリレートモノマー(B1)
BZ(ベンジルメタクリレート、共栄社化学社製。官能基数:1)
HOB(2-ヒドロキシブチルメタクリレート、共栄社化学社製。官能基数:1)
HO-MS(2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、共栄社化学社製。官能基数:1)
2-2.アクリレートモノマー(B2)
LA(ラウリルアクリレート、共栄社化学社製。官能基数:1)
A-BZ(ベンジルアクリレート、共栄社化学社製。官能基数:1)
4-HBA(4-ヒドロキシブチルアクリレート、大阪有機化学社製。官能基数:1)
IBOA(イソボルニルアクリレート、日本触媒社製。官能基数:1)
ビスコート #150D(テトラヒドロフルフリルアルコール アクリル酸多量体エステル、大阪有機化学社製。官能基数:1)
【0069】
3.チキソ付与剤(C)
VP NKC130(オクチルトリメトキシシラン処理煙霧質シリカ、日本アエロジル社製)
CAB-O-SIL TG-308F(フュームドシリカ、キャボット社製)
4.光重合開始剤(D)
KIP150(オリゴ[2-ヒドロキシ-2メチル-1[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、Lamberti社製)
Omnirad 819(Bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)phenylphosphine oxide、IGM Resins B.V.社製)
5.その他の成分(E)
・可塑剤(E1)
CTROFLEX A-4(アセチルクエン酸トリブチル、森村商事社製)
PB-3A(安息香酸エステル、DIC社製)
・充填剤(E)
HE-3040(高密度ポリエチレン、住友精化社製)
SG-95(タルク、日本タルク社製)
6.ロジン誘導体
KE-311(水添ロジンエステル(固体)、荒川化学工業社製)
【0070】
下記の表1~表3に示す配合量(重量部)にて混合後、撹拌機(RW28(IKA社製)、600rpm)で撹拌して、実施例1~16及び比較例1~5の組成物を作製した。
【0071】
〔評価〕
(1)粘度
粘度は、レオメータ(Anton Paar社製)を使用し、コーンローター(φ=25mm、ローター角度2°)、25℃にて、せん断速度を0.01(秒-1)から100(秒-1)まで変化させて測定した。
【0072】
(2)TI値(チキソトロピックインデックス)
TI値は、以下の式に従って求めた。
TI値=せん断速度 1(秒-1)での粘度/せん断速度 10(秒-1)での粘度
【0073】
(3)弾性率(MPa)
365nmLEDを使用し、400mW/cm2×30秒の条件によって硬化させて、測定部の長さが30mm、幅5mm、厚み0.5mmのダンベル型の試験片を得た。ミネベア社製引張圧縮試験機テクノグラフTG-2kNを使用し、25℃で、10mm/分の速さで引張試験を行って、弾性率を測定した。
【0074】
(4)塗布形状(形状維持性)
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製)を使用し、5cm×5cm×3mmのSUS(四隅にネジ止め用の穴あり)上に四角形状で塗布した。塗布してから1分後、5分後での塗布形状を、レーザー顕微鏡(オリンパス製)で観察した。
◎:1分後の樹脂高さと5分後の樹脂高さの変化が5%以内
○:1分後の樹脂高さと5分後の樹脂高さの変化が5%超10%以内
×:1分後の樹脂高さと5分後の樹脂高さの変化が10%超
【0075】
(5)潰れ性
上記同様に塗布し、UV硬化(365nmLEDを使用し、400mW/cm2×15秒)したものに塗布高さに対し20%及び30%圧縮されるようにスペーサーを設置した。5cm×5cm×3mmのPC(ポリカーボネート。四隅にネジ止め用の穴あり)で挟んだ後、ねじ止めを実施し、スペーサーと同等の厚みゲージで所定の厚みまで圧縮できるか確認して、潰れ性を評価した。
◎:20%、30%圧縮ともに全体が均一に所定厚みに到達している
○:20%圧縮で全体が均一に所定厚みに到達している、30%圧縮で所定厚みまで潰れない部分がある
×:20%圧縮で所定厚みまで潰れない部分がある
【0076】
(6)防水試験(液密性)
上記同様に塗布し、UV硬化し、塗布箇所の内側に感水紙を貼付し、塗布高さに対し20%圧縮されるようにスペーサーを設置した。SUSで挟んだ後、ねじ止めを実施し、30cm浸水させて、液密性を評価した。
○:30分後に感水紙に変色ない。
×:30分後に感水紙に変色がある。
【0077】
(7)剥離性
上記SUS貼り合わせ後のワークを剥離して、剥離性を以下の基準で評価した。
〇:界面から容易に剥離し、糊残りなし
×:界面から容易に剥離しない、又は、凝集破壊した、又は、液状成分が付着していた
【0078】
以上の結果を表1~表3にまとめた。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
実施例の組成物は、形状維持性、潰れ性及び剥離性に優れていた。また、実施例の組成物は、液密性に優れており、ガスケットとして用いることができる。
実施例1と実施例2及び3との比較、並びに、実施例4と実施例5との比較により、組成物が更に可塑剤を含む場合は、硬化物の弾性率が小さくなった。
実施例1~5、7及び9~12と、実施例6及び8との比較により、硬化物の弾性率が少ない場合、潰れ性がより優れていた。
実施例1、3~4、7及び8と実施例2、3、6及び9~16との比較により、せん断速度1秒-1での粘度が大きく、TI値が大きい場合には、塗布形状がより優れていた。
実施例3、9及び10並びに比較例4の比較により、組成物がメタクリレートモノマーを含む場合であっても、(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、(メタ)アクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部以下である場合は、本発明の効果を奏していた。
実施例16と実施例3との比較により、可塑剤の種類を変えた場合であっても、本発明の効果を奏していた。
【0083】
比較例1の組成物は、チキソ付与剤を含まないため、チキソ性が低く、形状維持性が劣っていた。
比較例2の組成物は、ロジン誘導体を含むため、剥離性が劣っていた。
比較例3の組成物は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量平均分子量が1,500未満であるため、又は、硬化物の弾性率が20MPa超であるため、潰れ性が劣っていた。
比較例4の組成物は、(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、メタアクリレートモノマー(B1)の含有量が30重量部を超えるため、剥離性が劣っていた。
比較例5の組成物は、(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及び(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)の含有量が2.5重量部未満であるため、剥離性が劣っていた。