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  • 特開-衝撃防止フィルムを有するガラス板 図1
  • 特開-衝撃防止フィルムを有するガラス板 図2
  • 特開-衝撃防止フィルムを有するガラス板 図3
  • 特開-衝撃防止フィルムを有するガラス板 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048126
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】衝撃防止フィルムを有するガラス板
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/32 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
C03C17/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148299
(22)【出願日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】109131574
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521402952
【氏名又は名称】晨豐光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENFENG OPTRONICS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】24F.-1, NO. 236, SHIZHENG N. 2ND RD., XITUN DIST., TAICHUNG CITY, 407, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】王慶芳
(72)【発明者】
【氏名】劉育維
(72)【発明者】
【氏名】曾偉倫
(72)【発明者】
【氏名】廖冠華
【テーマコード(参考)】
4G059
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AA08
4G059AC16
4G059FA07
4G059FA29
4G059FB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外からの衝撃によって破壊されるのを防止する衝撃防止フィルムを有するガラス板を提供する。
【解決手段】衝撃防止フィルムを有するガラス板は、ガラス板10の一つの表面上に衝撃防止フィルム20を成形し、衝撃防止フィルム20はフェニル基を含む高分子ポリマーであり、そのモノマー炭素鎖の長さはC6からC18の間とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃防止フィルムを有するガラス板において、
該ガラス板の一つの表面上には衝撃防止フィルムを成形し、該衝撃防止フィルムはフェニル基を含む高分子ポリマーであり、そのモノマー炭素鎖の長さはC6からC18の間とすることを特徴とする衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項2】
前記衝撃防止フィルムは、前記表面に硬化させる前に、更に混合物を加え、それはアルコール類、エーテル類、エポキシ樹脂類、二酸化ケイ素または助剤であることを特徴とする請求項1に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項3】
前記衝撃防止フィルムは、前記表面にコーティングした後に高温で焼付けて硬化させることを特徴とする請求項2に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項4】
前記助剤は、表面消泡剤またはレベリング剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項5】
前記衝撃防止フィルムの材料は、インクを加えて混合し、前記フェニル基の高分子ポリマーと前記混合物の比率は、前記インクに対し5~30%の間とすることを特徴とする請求項2に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項6】
前記衝撃防止フィルムはハニカム孔構造を有することを特徴とする請求項1に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項7】
前記ガラス板の光透過率は85%以上とすることを特徴とする請求項1に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項8】
前記ガラス板の光透過率は、85%から95%の間とすることを特徴とする請求項7に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項9】
前記衝撃防止フィルムの厚みは3から50μmの間とすることを特徴とする請求項1に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【請求項10】
前記ガラス板は第一表面および反対側に設置する第二表面を有し、前記表面は前記第一表面、または前記第一表面と前記第二表面とすることを特徴とする請求項1に記載の衝撃防止フィルムを有するガラス板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板に関し、特に衝撃防止フィルムを有するガラス板に係わる。
【背景技術】
【0002】
ガラス板の利用範囲は非常に広く、例えばモバイル式電子装置、または車載電子表示装置上に利用され、ディスプレイ画面のガラス保護シールとして被覆する。
【0003】
しかしながら、ガラス板は、そもそも硬く且つ壊れやすいため、保護手段を講じなければ、ガラス板は、外からの衝撃によって壊れやすいため、如何にしてガラス板に衝撃から護る機能を付加するかが、本発明の課題のひとつである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の問題を解決するため、ガラス板が外からの衝撃によって破壊されるのを防ぐ衝撃防止フィルムを有するガラス板を提供することを本発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、衝撃防止フィルムを有するガラス板を提供し、それはガラス板の一つの表面上に衝撃防止フィルムを成形し、衝撃防止フィルムはフェニル基を含む高分子ポリマーであり、そのモノマー炭素鎖の長さはC6からC18の間とする。
【0006】
本発明の別実施例において、衝撃防止フィルムを表面に硬化させる前に、更に混合物を加える。それはアルコール類、エーテル類、エポキシ樹脂類、二酸化ケイ素、助剤とする。
【0007】
本発明の別実施例において、衝撃防止フィルムを表面にコーティングした後、高温で焼付けて硬化させる。
【0008】
本発明の別実施例において、助剤は表面消泡剤、レベリング剤を含む。
【0009】
本発明の別実施例において、衝撃防止フィルムの材料はインクを加えて混ぜ、フェニル基の高分子ポリマーと混合物のインクに対する比率は5~30%の間とする。
【0010】
本発明の別実施例において、衝撃防止フィルムはハニカム孔構造を有する。
【0011】
本発明の別実施例において、ガラス板の光透過率は85%以上とする。
【0012】
本発明の別実施例において、ガラス板の光透過率は85%から95%の間とする。
【0013】
本発明の別実施例において、衝撃防止フィルムの厚みは3から50μmの間とする。
【0014】
本発明の別実施例において、ガラス板は第一表面および反対側に設置する第二表面を有し、表面は第一表面または第一表面と第二表面とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の衝撃防止フィルムを有するガラス板は、緩衝、衝撃防止効果を有し、ガラス板が外からの衝撃によって破壊されるのを防ぐという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明第一実施例の構造断面指示図であり、衝撃防止フィルムを第一表面に成形したものである。
図2】本発明第二実施例の構造断面指示図であり、衝撃防止フィルムを第一表面および第二表面に成形したものである。
図3】本発明第三実施例の構造断面指示図であり、衝撃防止フィルムを第一表面の周辺縁に成形したものである。
図4】本発明第四実施例の構造断面指示図であり、衝撃防止フィルムがハニカム孔構造である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(一実施形態)
以下に各図式を参照し、本発明を示す実施例を示すが、図式は本発明の技術的原理を特定の開示された実施例に限定するものではなく、また本発明の範囲は、請求範囲だけに限定され、それは代替、修正および同等物を含む。
【0018】
図1に示すのは、本発明の第一実施例である。本発明は衝撃防止フィルムを有するガラス板10であり、それは第一表面11および一反対側に設置する第二表面12を有する。ガラス板10の一つの表面上には衝撃防止フィルム20を成形し、衝撃防止フィルム20はフェニル基を含む高分子ポリマーであり、そのモノマー炭素鎖の長さはC6からC18の間とする。そのうち、ポリマーまたは高分子化合物は、分子量が一般に10000 Dalton以上である。拠って本発明の実施例ではモノマー炭素鎖の長さはフェニル基を含む高分子ポリマーに使用されるモノマーの炭素鎖の長さを指す。本発明の実施例において、その表面は第一表面11であり、それはつまり衝撃防止フィルム20が第一表面11だけに成形される。図2に示すのは、その表面が、第一表面11と第二表面12であり、それはつまり衝撃防止フィルム20が第一表面11および第二表面12どちらも成形することができる。図3に示すとおり、衝撃防止フィルム20を第一表面11の周辺縁に成形することができる。上述のとおり、本発明は実際の必要に応じ、ガラス板10の全部または局部の表面上に衝撃防止フィルム20を成形し、衝撃防止効果を達成する。
【0019】
モノマー炭素鎖の長さがC6以下のフェニル基高分子ポリマーをコーティングすると硬すぎるが、モノマー炭素鎖の長さC18以上のフェニル基高分子ポリマーをコーティングすると、有効な構造を成形できない特質がある。拠って、本発明の実施例において採用するフェニル基の高分子ポリマーのモノマー炭素鎖の長さはC6からC18の間とするのが効果が最も良く、衝撃防止および緩衝性が十分に生かされる。
【0020】
実驗テストのとおり、本発明のガラス板10には衝撃防止フィルム20を有するため、衝撃防止フィルムのないガラスと比較すると、耐衝撃強度が800%高まる。
【0021】
本発明の実施例において、衝撃防止フィルム20にはフェニル基を含む高分子ポリマーの他に、衝撃防止フィルム20を表面に硬化させる前に更に混合物も加える。混合物はアルコール類、エーテル類、エポキシ樹脂類、二酸化ケイ素、助剤のうちの任意の一種、または上述物質の任意の二種以上の混合でもよい。そのうち、アルコール類、エーテル類物質は主に溶液のベース材として用い、フェニル基高分子を混合して液体状にすることで、ガラス基板の表面へコーティングしやすくする。
エポキシ樹脂類材はコーティング層の靭性と、ガラスとの付着性を高める効果を有する。
二酸化ケイ素材料は、該衝撃防止フィルム20がガラス上に固定しやすくなるように、媒介材として使用される。
助剤は表面消泡剤、レベリング剤を含み、衝撃防止フィルム20が発泡または平坦でない問題によって光透過率に影響するのを回避するために使用される。そのうち、衝撃防止フィルム20を表面にコーテングした後、高温で焼付けて硬化させることで、高温によって高分子ポリマーが架橋反応を起こし、ガラスと結合してと塗料内の溶剤を除去する。そのうち、フィルム層を乾燥させるための焼付温度は150°Cから180°Cで時間はおよそ25~40分間とするが、実際の材料特性および濃度に応じて変化するもので、上述は実施例であり、それに制限されるもではない。
【0022】
本発明の実施例において、衝撃防止フィルム20をガラス板10に成形した後、ガラス板10の光透過率は85%以上であり、例として光透過率が85%から95%の間の場合、衝撃防止フィルム20の成形にガラス板10の光透過率に影響しない。その他、衝撃防止フィルム20の厚みは3から50μmの間が良好であり、厚すぎるとガラス板10の光透過率に影響する。
【0023】
本発明はガラス板10に衝撃防止フィルム20が設置されるため、衝撃防止および緩衝の効果を有し、ガラス板10が外力の衝撃に対し壊れにくくなり、ガラス板10を使用した利用範囲で製品の競争力を高める。
【0024】
図3に示すとおり、衝撃防止フィルム20を第一表面11の周辺縁に成形し、且つ第一表面11の周辺縁に一緒にプリントするか、またはコーティングしてガラス板10のシールドエリアとするため、衝撃防止フィルム20の材料の中にインクを加える。そのうち、フェニル基の高分子ポリマーと混合物の比率はインクに対し、1~30%の間で、つまりフェニル基の高分子ポリマーと混合物の材料の重量比は衝撃防止フィルム20材料全体の1~30%であり、その残量はインクである。
【0025】
図4に示すとおり、本発明の衝撃防止フィルム20はハニカム孔構造であり、それは衝撃防止フィルム20が未定形状態であり、加熱反応によりCO2、COを生成しコーテング層内で被覆する。このようにすることで、ガラス板10は衝撃防止および緩衝効果の特性を有する。
【0026】
前述のとおり、本発明のガラス板10は表面に衝撃防止フィルム20を有することから、ガラス板10に緩衝効果を備え、ガラス板10が外からの衝撃で壊されるのを防ぐ。
【0027】
本発明はひとつの良好な実施例を挙げて説明しており、当領域に精通する者が本発明の精神と領域において、各種の異なる変化を制作できる。以上の実施例は、本発明を説明するため挙げたものであり、本発明の請求範囲を制限するものではない。拠って本発明の精神に基づく数々の修飾または変更は、すべて本発明の請求範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0028】
10 ガラス板
11 第一表面
12 第二表面
20 衝撃防止フィルム
図1
図2
図3
図4