(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048132
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】包餡食品の外皮用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20220317BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20220317BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20220317BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
A23L35/00
A23L7/109 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021148682
(22)【出願日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2020154152
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(72)【発明者】
【氏名】黒田 将広
(72)【発明者】
【氏名】長岡 傑
【テーマコード(参考)】
4B023
4B036
4B046
【Fターム(参考)】
4B023LE30
4B023LG01
4B023LK05
4B023LK08
4B036LF12
4B036LH08
4B036LH11
4B036LH13
4B036LH18
4B036LH22
4B036LP14
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4B046LE11
4B046LG10
4B046LG11
4B046LG14
4B046LG15
4B046LG23
4B046LG30
4B046LP01
4B046LP10
(57)【要約】
【課題】グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに作製した場合であっても、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えることのできる、包餡食品用の外皮の提供。
【解決手段】米粉及びレシチンを含有する、包餡食品の外皮用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粉及びレシチンを含有する、包餡食品の外皮用組成物。
【請求項2】
グルテンを実質的に含有しない、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記レシチンが、大豆由来又は卵黄由来である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記レシチンが、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン及び水素添加レシチンからなる群より選択される少なくとも一つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記レシチンの含有量が、前記組成物に対して0.07~6重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記組成物に対して0.06~5.8重量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
架橋澱粉を更に含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
米粉及びレシチンを含有する、包餡食品用外皮。
【請求項10】
グルテンを実質的に含有しない、請求項9記載の外皮。
【請求項11】
前記レシチンの含有量が、前記外皮に対して0.05~4.2重量%である、請求項9又は10記載の外皮。
【請求項12】
前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記外皮に対して0.04~4重量%である、請求項9~11のいずれか一項に記載の外皮。
【請求項13】
前記外皮の水分含量が、前記外皮に対して15~45重量%である、請求項9~12のいずれか一項に記載の外皮。
【請求項14】
中具及び当該中具を被覆する外皮を少なくとも有する包餡食品であって、
当該外皮が、米粉及びレシチンを含有する、包餡食品。
【請求項15】
前記外皮が、グルテンを実質的に含有しない、請求項14記載の包餡食品。
【請求項16】
前記外皮におけるレシチンの含有量が、前記外皮に対して0.05~4.2重量%である、請求項14又は15記載の包餡食品。
【請求項17】
前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記外皮に対して0.04~4重量%である、請求項14~16のいずれか一項に記載の包餡食品。
【請求項18】
前記外皮の水分含量が、前記外皮に対して15~45重量%である、請求項14~17のいずれか一項に記載の包餡食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包餡食品の外皮用組成物に関する。また本発明は、包餡食品用外皮に関する。更に本発明は、包餡食品に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉に加水して捏ねること等によってできるグルテンは、小麦アレルギーを引き起こすため、小麦粉やグルテンを用いて従来製造されていた食品について、小麦アレルギー予防等の観点から、小麦粉やグルテンを用いず、代わりに小麦粉以外の穀粉等を利用して製造することが近年試みられている(特許文献1~3)。しかし、小麦粉の代わりに、小麦粉以外の穀粉を用いて食品生地を製造すると、生地の物性が顕著に変化して、工業化の際に工程課題を生じることも少なくなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-118318号公報
【特許文献2】国際公開第2004/080186号
【特許文献3】特開2007-215401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
餃子等の包餡食品は、通常、小麦粉を主成分とする外皮で中具を被覆して作製される。本発明者らは、包餡食品用の外皮について、小麦粉を用いず、代わりに米粉を用いて製造を試みた。しかし、そのような外皮は、経時により柔軟性が低下しやすく、後述の実施例にも示されるように、経時により柔軟性が低下した外皮にて中具を被覆するように成形して包餡食品を製造すると、成形された包餡食品の形状が崩れること(例えば、底面が平らにならない等)を知見した。底面が平らでない包餡食品は、底面を下にして置かれたとき、転んだり倒れたりしやすいため、トレイ等の容器への機械的な移載等が適切に行えなくなり、工業生産が困難となるという問題があった。また、小麦粉を用いず、米粉を用いて外皮を製造すると、後述の実施例にも示されるように、生地をロール製麺機等で圧延して麺帯とする際、ローラーに生地が貼り付き、麺帯をきれいに製造できないという問題も生じた。
本発明者らは、これらの問題を解決するべく、まずグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を外皮に配合することを検討したが、後述の実施例に示されるように、当該乳化剤を外皮に配合することで、成形時の包餡食品の転びについては多少改善されたものの、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)は殆ど改善されなかった。次いで、本発明者らは、外皮の水分含量を低減することを検討したが、この場合は、後述の実施例にも示されるように、圧延時の生地のローラーへの貼り付きについては多少抑えられたが、外皮の成形性は経時により著しく悪化するようになり、成形時の包餡食品の転びの問題を解決することはできなかった。
以上の通り、小麦粉やグルテンを用いずに製造された包餡食品用の外皮について、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びという二つの課題を、両方とも同時に解決することは決して容易でなかった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに作製した場合であっても、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えることのできる、包餡食品用の外皮を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意検討した結果、米粉にレシチンを組み合わせて用いることによって、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る、包餡食品用の外皮を作製し得ることを見出し、さらに研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0007】
[1]米粉及びレシチンを含有する、包餡食品の外皮用組成物。
[2]グルテンを実質的に含有しない、[1]記載の組成物。
[3]前記レシチンが、大豆由来又は卵黄由来である、[1]又は[2]記載の組成物。
[4]前記レシチンが、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン及び水素添加レシチンからなる群より選択される少なくとも一つを含む、[1]~[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[5]前記レシチンの含有量が、前記組成物に対して0.07~6重量%である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6]前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記組成物に対して0.06~5.8重量%である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7]架橋澱粉を更に含有する、[1]~[6]のいずれか一つに記載の組成物。
[8]前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、[7]記載の組成物。
[9]米粉及びレシチンを含有する、包餡食品用外皮。
[10]グルテンを実質的に含有しない、[9]記載の外皮。
[11]前記レシチンが、大豆由来又は卵黄由来である、[9]又は[10]記載の外皮。
[12]前記レシチンが、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン及び水素添加レシチンからなる群より選択される少なくとも一つを含む、[9]~[11]のいずれか一つに記載の外皮。
[13]前記レシチンの含有量が、前記外皮に対して0.05~4.2重量%である、[9]~[12]のいずれか一つに記載の外皮。
[14]前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記外皮に対して0.04~4重量%である、[9]~[13]のいずれか一つに記載の外皮。
[15]架橋澱粉を更に含有する、[9]~[14]のいずれか一つに記載の外皮。
[16]前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、[15]記載の外皮。
[17]前記外皮の水分含量が、前記外皮に対して15~45重量%である、[9]~[16]のいずれか一つに記載の外皮。
[18]中具及び当該中具を被覆する外皮を少なくとも有する包餡食品であって、
当該外皮が、米粉及びレシチンを含有する、包餡食品。
[19]前記外皮が、グルテンを実質的に含有しない、[18]記載の包餡食品。
[20]前記レシチンが、大豆由来又は卵黄由来である、[18]又は[19]記載の包餡食品。
[21]前記レシチンが、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン及び水素添加レシチンからなる群より選択される少なくとも一つを含む、[18]~[20]のいずれか一つに記載の包餡食品。
[22]前記外皮におけるレシチンの含有量が、前記外皮に対して0.05~4.2重量%である、[18]~[21]のいずれか一つに記載の包餡食品。
[23]前記レシチンに含まれるリン脂質の量が、前記外皮に対して0.04~4重量%である、[18]~[22]のいずれか一つに記載の包餡食品。
[24]前記外皮が、架橋澱粉を更に含有する、[18]~[23]のいずれか一つに記載の包餡食品。
[25]前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、[24]記載の包餡食品。
[26]前記外皮の水分含量が、前記外皮に対して15~45重量%である、[18]~[25]のいずれか一つに記載の包餡食品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに作製した場合であっても、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る、包餡食品用の外皮を提供し得る。
本発明は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る、包餡食品用の外皮の製造に好適に用いられる、包餡食品の外皮用組成物も提供し得る。
本発明は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る外皮で中具が被覆された包餡食品も提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の包餡食品の外皮用組成物(本明細書中、「本発明の組成物」と称する場合がある)は、米粉及びレシチンを含有することを主たる特徴とする。
【0010】
本発明において「包餡食品」とは、中具及び当該中具を被覆する(包む)外皮を少なくとも有する食品をいい、具体例としては、餃子、小籠包、焼売、雲呑、春巻き、包子、ラビオリ等が挙げられる。
本発明において「包餡食品の外皮用組成物」とは、包餡食品用の外皮の原料のうち、水以外の原料の混合物(プレミックス)をいう。尚、後述するように、包餡食品の外皮用組成物に加水して混錬することにより「生地」が得られ、生地を圧延成形することにより「外皮」(本発明において、包餡食品用外皮とも称する)が得られる。得られた外皮は、更に、所望の形状に切断又は打ち抜く等してもよい。
【0011】
本発明において「米粉」とは、米を製粉した(すなわち、粉砕して粉状にした)食材をいう。米粉は、加工処理(例えば、物理的処理、化学的処理、酵素的処理等)を施されているものと、加工処理を施されていないものに分類でき、本発明において前者(加工処理を施されている米粉)を「加工米粉」、後者(加工処理を施されていない米粉)を「未加工米粉」と称する。また、加工米粉のうち、α化(糊化)処理を少なくとも施されているものを「α化米粉」と称する。本明細書における「米粉」は、いわゆる広義の米粉を意味し、加工米粉及び未加工米粉を包含する。また、本発明において用いられる米粉には、例えば、米から単離・精製された米澱粉が包含される。
【0012】
本発明において用いられる米粉の種類は特に制限されず、未加工米粉及び加工米粉のいずれであってもよい。本発明において用いられ得る加工米粉は、米粉に加工処理(例えば、物理的処理、化学的処理、酵素的処理等)を施されているものであれば特に制限されないが、例えば、α化米粉等が挙げられる。本発明において用いられる米粉は、未加工米粉及び加工米粉のいずれか一方のみを含むものであってよいし、あるいは、未加工米粉及び加工米粉の両方を含むものであってもよい。
【0013】
本発明において用いられる米粉の形態は、通常、粉体状(複数の粒子が集合した形態)である。本発明において用いられる米粉の粒径は特に制限されず、本発明において用いられる米粉は、造粒されたものを含み得る。
【0014】
本発明において用いられる米粉の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。
【0015】
本発明において用いられる米粉の原料米の種類は特に制限されず、うるち米及びもち米のいずれでもよい。本発明において用いられる米粉の原料米の産地や品種も特に制限されず、また、本発明において用いられる米粉の原料米は、新米はもとより、古米、古々米等であってもよい。本発明において用いられる米粉の原料米の精米の程度も特に制限されず、精米した白米を用いてよく、又は玄米等を用いてもよい。
【0016】
本発明において用いることのできる米粉のうち、未加工米粉は、例えば、原料米を洗米して糠分を除去した後、必要に応じ浸漬・テンパリング(寝かし)を行って水分含量を調整した上で、製粉機(例えば、ロール粉砕機、胴搗き粉砕機等)を用いて粉砕し、適宜篩分けすること等により製造され得る。
本発明において用いることのできる米粉のうち、α化米粉は、例えば、精白したもち米を水洗い、水漬けし、蒸してもちにし、それを白く焼き上げた後、粉砕することにより製造されるもの(寒梅粉等);もち米を蒸煮後、乾燥し、焙煎して製粉することにより製造されるもの(上早粉等);うるち米を蒸煮後、乾燥し、焙煎して製粉することにより製造されるもの(並早粉等);もち精米を水に浸し蒸してから乾燥して干飯を作り、それを粗く砕くことにより製造されるもの(道明寺粉等);もち米を水洗いして乾燥させた後、蒸煮することなく、焙煎して製粉することにより製造されるもの(落雁粉等);もち米を、水に浸し蒸してから乾燥させ、粉砕し、少しずつ煎りあげることにより製造されるもの(上南粉等);うるち米又はもち米を加熱した後、粉砕することにより製造されるもの等であってよい。また、本発明において用いられるα化米粉の製造設備は特に制限されず、本発明は、例えば、米粉のスラリーをドラムドライヤーで糊化・乾燥する方法、米粉に加水してエクストルーダーで加圧・加熱糊化する方法、米粉のスラリーを加熱糊化してスプレードライヤーで乾燥する方法等で得られたα化米粉を使用してもよい。
【0017】
本発明において米粉は、市販品を用いてもよい。
【0018】
本発明において用いられる米粉は、一態様として、未加工米粉及びα化米粉からなる群より選択される少なくとも一つを含んでよく、これらの両方を含んでもよい。
【0019】
本発明の組成物における米粉の含有量は、包餡食品用の外皮を製造し得る量であれば特に制限されないが、本発明の組成物に対して、通常50重量%以上であり、好ましくは55重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上であり、特に好ましくは70重量%以上である。また、本発明の組成物における米粉の含有量は、本発明の組成物に対して、通常98重量%以下であり、好ましくは97重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下である。
【0020】
本発明において「レシチン」とは、動植物由来のリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等)を主成分として含む物質をいう。本発明において用いられるレシチンは、一種類のリン脂質を含むものであってよく、又は複数種類(二種類以上)のリン脂質を含むものであってもよい。本発明において用いられるレシチンの由来は特に制限されず、どのような動植物に由来するものであってもよいが、レシチンの原料として利用し得る動植物としては、例えば、大豆、卵黄、菜種、コーン、ヒマワリ、米糠等が挙げられる。本発明において用いられるレシチンは、好ましくは、大豆由来又は卵黄由来である。本発明において用いられるレシチンは、上記の動植物のいずれか一種に由来するものであってよく、又は、由来の異なるレシチンを二種以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】
本発明において用いられるレシチンの種類は特に制限されないが、例えば、リン脂質に加えて単純脂質等も含有する粗製レシチン(クルードレシチンとも称される);粗製レシチンから単純脂質等を除去してリン脂質の純度を高めることによって得られる精製レシチン(高純度レシチンとも称される);粗製レシチン等を溶剤分別して特定のリン脂質濃度を変化させることにより得られる分別レシチン;粗製レシチン等を酵素処理して得られる酵素処理レシチン(酵素分解レシチンを包含する);粗製レシチン等に水素添加して得られる水素添加レシチン;粗製レシチン等に水酸基を導入して得られる水酸化レシチン;粗製レシチン等にアセチル基を導入して得られるアセチル化レシチン等が挙げられ、中でも、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン、水素添加レシチンが好ましい。これらのレシチンは、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
本発明において用いられるレシチンのHLB値は特に制限されないが、通常1~18であり、好ましくは3~15である。
本発明において「HLB値」は、親水親油バランス(hydrophile-lipophile balance)を表し、W.C.Griffinによって提唱された計算式(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)参照)に従って求められるものをいう。
【0023】
本発明において用いられるレシチンの形態は特に限定されず、どのような形態であってもよいが、例えば、粉末状、ペースト状、塊状等が挙げられる。
【0024】
本発明において用いられるレシチンの製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。また、市販品を用いてよい。
【0025】
本発明の組成物におけるレシチンの含有量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは0.07重量%以上であり、より好ましくは0.1重量%以上であり、更に好ましくは0.2重量%以上であり、特に好ましくは0.3重量%以上である。また、本発明の組成物におけるレシチンの含有量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは6重量%以下であり、より好ましくは4重量%以下であり、更に好ましくは2重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下である。
【0026】
本発明の組成物が含有するレシチンに含まれるリン脂質の量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは0.06重量%以上であり、より好ましくは0.1重量%以上であり、特に好ましくは0.28重量%以上である。また、本発明の組成物が含有するレシチンに含まれるリン脂質の量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは5.8重量%以下であり、より好ましくは3.9重量%以下であり、更に好ましくは1.9重量%以下であり、特に好ましくは0.7重量%以下である。
【0027】
本発明の組成物は、米粉及びレシチンに加えて、架橋澱粉を含有してよい。本発明の組成物は、架橋澱粉を含有することにより、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)をさらに低減させることができる。
【0028】
本発明の組成物が含有し得る架橋澱粉としては、例えば、リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられ、好ましくはリン酸架橋澱粉である。これらの架橋澱粉は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明の組成物が含有し得る架橋澱粉の形態は、粉体状が好ましい。架橋澱粉の粒径は特に制限されず、架橋澱粉は造粒されたものを含み得る。
【0030】
本発明の組成物が含有し得る架橋澱粉の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。架橋澱粉の原料となる澱粉の種類は特に制限されないが、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、サゴヤシ澱粉、馬鈴薯澱粉、サツマイモ澱粉、緑豆澱粉等が挙げられる。当該澱粉に、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で架橋処理を施すこと等によって、架橋澱粉を製造し得る。架橋澱粉は、架橋処理に加えて、その他の処理(例えば、物理的処理、化学的処理、酵素的処理等)を施されていてもよい。本発明の組成物が含有し得る架橋澱粉は、市販品を用いてもよい。尚、本発明において米澱粉は、上述の通り米粉に包含されるため、架橋処理を施された米澱粉は、本発明においては、加工米粉に包含され、架橋澱粉には包含されない。
【0031】
本発明の組成物が架橋澱粉を含有する場合、本発明の組成物における架橋澱粉の含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、特に好ましくは10重量%以上である。また、この場合、本発明の組成物における架橋澱粉の含有量は、本発明の組成物に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは35重量%以下であり、特に好ましくは25重量%以下である。
【0032】
本発明の組成物は、米粉及びレシチンに加えて、あるいは、米粉、レシチン及び架橋澱粉に加えて、増粘多糖類を含有してよい。本発明の組成物は、増粘多糖類を含有することにより、生地に適度な結着性が付与され、粘弾性に富んだ良好な食感となる。
【0033】
本発明の組成物が含有し得る増粘多糖類の種類は特に制限されないが、例えば、アルギン酸類(例、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸エステル等)、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、ジェランガム、カラギーナン、トラガントガム、アラビアガム、カラヤガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カードラン、ペクチン、グルコマンナン、寒天、プルラン、セルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、大豆多糖類、キチン、キトサン等が挙げられる。これらの増粘多糖類は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
本発明の組成物が含有し得る増粘多糖類の形態は、粉体状が好ましい。増粘多糖類の粒径は特に制限されず、増粘多糖類は造粒されたものを含み得る。
【0035】
本発明の組成物が含有し得る増粘多糖類の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。また、市販品を用いてよい。
【0036】
本発明の組成物が増粘多糖類を含有する場合、本発明の組成物における増粘多糖類の含有量は、好適な結着性付与の観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは0.2重量%以上であり、より好ましくは0.4重量%以上であり、特に好ましくは0.7重量%以上である。また、この場合、本発明の組成物における増粘多糖類の含有量は、外皮を製造する際や中具を外皮で被覆する際の器具・設備への生地や外皮の付着防止の観点から、本発明の組成物に対して、好ましくは7.5重量%以下であり、より好ましくは4.5重量%以下であり、特に好ましくは3重量%以下である。
【0037】
本発明の組成物は、グルテンを実質的に含有しないことが好ましい。本発明において、包餡食品の外皮用組成物がグルテンを「実質的に含有しない」とは、(1)グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を全く含有しない場合、及び(2)グルテン、又はグルテンを生成し得る食材を、小麦アレルギーに問題とならない極少量(包餡食品の外皮用組成物に対して、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下)で含有する場合のいずれかであることを意味する。また、「グルテンを生成し得る食材」とは、加水して捏ねること等によってグルテンを生成する食材をいい、具体例としては、小麦粉等が挙げられる。
【0038】
本発明の組成物は、米粉、レシチン、架橋澱粉、増粘多糖類の他、包餡食品用の外皮の調製に通常用いられる原料(好ましくは、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材を除く)等を含有してよい。そのような原料としては、例えば、米粉以外の穀物粉、食塩、糖類、油脂(液体油脂、粉末油脂、乳化油脂)、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳、アミノ酸、動植物タンパク質、食物繊維、乳化剤、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、焼成カルシウム、保存剤、酸化防止剤、pH調整剤、酵素剤等の粉体原料等が挙げられる。これらの原料は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
本発明の組成物の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。例えば、本発明の組成物は、米粉、レシチン及びその他の原料を混合すること等によって製造し得る。
【0040】
本発明の組成物を原料として、外皮を製造する方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行えばよいが、例えば、本発明の組成物に加水して混錬し、得られた生地を圧延機(例、ロール製麺機等)で圧延成形し、次いで、得られた麺帯(圧延成形体)を所望の形状に切断又は打ち抜くこと等によって、外皮を製造し得る。外皮製造時における本発明の組成物への加水量は、本発明の組成物100重量部に対して、通常20~60重量部であり、好ましくは30~50重量部である。
【0041】
本発明の組成物を原料として製造される外皮は、成形時の包餡食品の転びの発生を抑えるという観点から、その水分含量が、当該外皮に対して、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上であり、特に好ましくは25重量%以上である。また、本発明の組成物を原料として製造される外皮の水分含量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)を抑えるという観点から、当該外皮に対して、好ましくは45重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、特に好ましくは35重量%以下である。
【0042】
本発明の組成物を原料として製造された外皮は、生地を圧延するときの、生地のローラーへの貼り付き(付着性)が抑えられ得る。生地のローラーへの貼り付きの有無や程度は、例えば、後述の実施例に示されるように、専門パネルが目視で確認すること等によって評価され得る。
また、本発明の組成物を原料として製造された外皮は、成形時の包餡食品の転びの発生が抑えられ得る。外皮の柔軟性は経時により低下し、柔軟性が低下した外皮を用いて成形された包餡食品は底面が平らとならないため、そのような包餡食品を底面が下になるよう平面に置いたとき、包餡食品が傾いて、包餡食品の側面が平面に接触したり、包餡食品が倒れたりするが、このことを本発明において「成形時の包餡食品の転び」という。成形時の包餡食品の転びは、例えば、後述の実施例に示されるように、所定の時間(例えば、圧延終了から15分間)放置した外皮にて中具を被覆するように成形して包餡食品を作製し、成形された包餡食品を、その底面が下になるよう平面に置き、当該包餡食品の傾きの程度、転び(包餡食品の側面の平面の接触)の有無について、専門パネルが目視で確認すること等によって評価され得る。
【0043】
本発明は、米粉及びレシチンを含有する、包餡食品用外皮(本明細書中、「本発明の外皮」と称する場合がある)も提供する。
本発明において「包餡食品用外皮」とは、包餡食品の製造に用いられる外皮をいう。
【0044】
本発明の外皮が含有する米粉は、上述の本発明の組成物が含有するものと同様であり、好ましい態様も同様である。
【0045】
本発明の外皮における米粉の含有量は、包餡食品用の外皮を製造し得る量であれば特に制限されないが、本発明の外皮に対して、通常30重量%以上であり、好ましくは35重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、特に好ましくは45重量%以上である。また、本発明の外皮における米粉の含有量は、本発明の外皮に対して、通常80重量%以下であり、好ましくは75重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下である。
【0046】
本発明の外皮が含有するレシチンは、上述の本発明の組成物が含有するものと同様であり、好ましい態様も同様である。
【0047】
本発明の外皮におけるレシチンの含有量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは0.05重量%以上であり、より好ましくは0.07重量%以上であり、特に好ましくは0.2重量%以上である。また、本発明の外皮におけるレシチンの含有量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは4.2重量%以下であり、より好ましくは2.8重量%以下であり、更に好ましくは1.4重量%以下であり、特に好ましくは0.7重量%以下である。
【0048】
本発明の外皮が含有するレシチンに含まれるリン脂質の量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは0.04重量%以上であり、より好ましくは0.07重量%以上であり、特に好ましくは0.2重量%以上である。また、本発明の外皮が含有するレシチンに含まれるリン脂質の量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)と成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは4重量%以下であり、より好ましくは2.7重量%以下であり、更に好ましくは1.4重量%以下であり、特に好ましくは0.7重量%以下である。
【0049】
本発明の外皮は、米粉及びレシチンに加えて、架橋澱粉を含有してよい。本発明の外皮は、架橋澱粉を含有することにより、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)をさらに低減させることができる。
【0050】
本発明の外皮が含有し得る架橋澱粉は、上述の本発明の組成物が含有し得るものと同様であり、好ましい態様も同様である。
【0051】
本発明の外皮が架橋澱粉を含有する場合、本発明の外皮における架橋澱粉の含有量は、本発明の外皮に対して、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上であり、特に好ましくは5重量%以上である。また、この場合、本発明の外皮における架橋澱粉の含有量は、本発明の外皮に対して、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下であり、特に好ましくは20重量%以下である。
【0052】
本発明の外皮は、米粉及びレシチンに加えて、あるいは、米粉、レシチン及び架橋澱粉に加えて、増粘多糖類を含有してよい。本発明の外皮は、増粘多糖類を含有することにより、生地に適度な結着性が付与され、粘弾性に富んだ良好な食感となる。
【0053】
本発明の外皮が含有し得る増粘多糖類は、上述の本発明の組成物が含有し得るものと同様であり、好ましい態様も同様である。
【0054】
本発明の外皮が増粘多糖類を含有する場合、本発明の外皮における増粘多糖類の含有量は、好適な結着性付与の観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは0.3重量%以上であり、特に好ましくは0.5重量%以上である。また、この場合、本発明の外皮における増粘多糖類の含有量は、成形の際の外皮の器具・設備への付着防止の観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは3重量%以下であり、特に好ましくは2重量%以下である。
【0055】
本発明の外皮は、グルテンを実質的に含有しないことが好ましい。本発明において、外皮がグルテンを「実質的に含有しない」とは、上述の外皮用組成物と同様に、(1)グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を全く含有しない場合、及び(2)グルテン、又はグルテンを生成し得る食材を、小麦アレルギーに問題とならない極少量(外皮に対して、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下)で含有する場合のいずれかであることを意味する。
【0056】
本発明の外皮は、米粉、レシチン、架橋澱粉、増粘多糖類の他、包餡食品用の外皮の調製に通常用いられる原料(好ましくは、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材を除く)等を含有してよい。そのような原料としては、例えば、米粉以外の穀物粉、食塩、糖類、油脂(液体油脂、粉末油脂、乳化油脂)、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳、アミノ酸、動植物タンパク質、食物繊維、乳化剤、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン、焼成カルシウム、保存剤、酸化防止剤、pH調整剤、酵素剤等の粉体原料等が挙げられる。これらの原料は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
本発明の外皮の水分含量は、成形時の包餡食品の転びの発生を抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上であり、特に好ましくは25重量%以上である。また、本発明の外皮の水分含量は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)を抑えるという観点から、本発明の外皮に対して、好ましくは45重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、特に好ましくは35重量%以下である。
【0058】
本発明の外皮の厚さは、特に制限されず、包餡食品の種類等に応じて適宜設定すればよいが、通常0.3~3.0mmであり、好ましくは0.5~2.5mmである。また、本発明の外皮の形状及びサイズも特に制限されず、包餡食品の種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0059】
本発明の外皮の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。例えば、米粉及びレシチンを含有するプレミックス(本発明の組成物を用いてもよい)に加水して混錬し、得られた生地を圧延機(例、ロール製麺機等)で圧延成形すること(必要に応じ、所望の形状に切断又は打ち抜くこと等を更に含んでよい)によって製造し得る。したがって、本発明の外皮は、圧延成形体であってよい。本発明において「圧延成形体」とは、生地等の粘弾性を有する原料を圧延成形して得られるシート状の成形体をいう。
【0060】
本発明の外皮は、凍結処理を施されて、冷凍品として提供され得る。また、本発明の外皮は、冷蔵品(チルド品を含む)としても提供され得る。
【0061】
本発明の外皮は、包餡食品の製造に好適に用いられ、本発明によれば、中具及び当該中具を被覆する外皮を少なくとも有する包餡食品であって、当該外皮が本発明の外皮(すなわち、米粉及びレシチンを含有する外皮)を含む、包餡食品(本明細書中、「本発明の包餡食品」と称する場合がある)も提供される。
【0062】
本発明の包餡食品の種類は特に制限されず、例えば、餃子、小籠包、焼売、雲呑、春巻き、包子、ラビオリ等が挙げられるが、好ましくは、餃子である。
【0063】
本発明の包餡食品の中具は、包餡食品の種類等に応じて適宜調製すればよく、調製に用いられる原料や調製方法は特に制限されない。
【0064】
本発明の包餡食品において、外皮は、中具全体を被覆するものであってよく、または中具の一部を被覆するものであってよい。
【0065】
本発明の包餡食品の製造方法は、本発明の外皮(すなわち、米粉及びレシチンを含有する外皮)で、中具を被覆することを含むこと以外は特に制限されず、包餡食品の種類等に応じて、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造し得る。
【0066】
本発明の包餡食品は、凍結処理を施されて、冷凍品として消費者等に提供され得る。また、本発明の包餡食品は、冷蔵品(チルド品を含む)としても提供され得る。本発明の包餡食品は、加熱調理(例えば、焼き、蒸し、茹で、揚げ等)されて提供されてよく、加熱調理せずに提供されてもよい。
【0067】
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において用いられた原料は、特にことわりのない限り、いずれも食品用として市販されているものである。
【実施例0068】
[試験例1]
<包餡食品用外皮の作製>
(試験区1)
未加工米粉(株式会社波里社製「お米の粉 薄力米粉R」)、α化米粉(たかい食品株式会社製「JU-800A」)、アルギン酸エステル(株式会社キミカ製「昆布酸501」)及びサラダ油を、下表1に示す量(単位:重量部)で混合し、包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)を作製した。当該外皮用組成物に、下表1に示す量の市水を加え、混錬機(株式会社エフ・エム・アイ製「キッチンエイド KSM5」)を用いて、常温で5分間、混錬して生地を作製した。当該生地を、ロール製麺機(トーセー工業株式会社製「FNH-21」)で、常温で厚さ0.75mmに圧延し、麺帯(圧延成形体)を作製した。当該麺帯を82mm×92mmの楕円形に切り抜いて、包餡食品用外皮(以下において、「試験区1の外皮」とも称する)を作製した。
【0069】
(試験区2)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の粗製レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ペースト」、リン脂質含有率:60重量%以上、HLB値:7~9)も用い、これらを下表1に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区2の外皮」とも称する)を作製した。
【0070】
(試験区3)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の精製レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ホワイト」、リン脂質含有率:96重量%以上、HLB値:7~9)も用い、これらを下表1に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区3の外皮」とも称する)を作製した。
【0071】
(試験区4)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の精製酵素処理レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ホワイトリゾ」、リン脂質含有率:95~98重量%、HLB値:10~12)も用い、これらを下表1に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区4の外皮」とも称する)を作製した。
【0072】
(試験区5)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、卵黄由来の粗製レシチン(キユーピー株式会社製「卵黄レシチン PL-30s」、リン脂質含有率:30重量%前後、HLB値:8前後)も用い、これらを下表1に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区5の外皮」とも称する)を作製した。
【0073】
(試験区6、7)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、ナタネ硬化油脂肪酸モノ・ジグリセリド(太陽化学株式会社製「サンソフトNo.1030」、HLB値:2.7)も用い、これらを下表2に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと、並びに、当該外皮用組成物に、市水を下表2に示す量で加えたこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区6の外皮」、「試験区7の外皮」とも称する)を作製した。尚、試験区6の外皮と試験区7の外皮とは、下表2に示す通り、外皮用組成物に加えた市水の量が異なる。
【0074】
(試験区8、9)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、コハク酸モノグリセリド(太陽化学株式会社製「サンソフトNo.681SPV」、HLB値:9.5)も用い、これらを下表2に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと、並びに、当該外皮用組成物に、市水を下表2に示す量で加えたこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区8の外皮」、「試験区9の外皮」とも称する)を作製した。尚、試験区8の外皮と試験区9の外皮とは、下表2に示す通り、外皮用組成物に加えた市水の量が異なる。
【0075】
(試験区10、11)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、モノ・ジステアリン酸ジグリセリン(太陽化学株式会社製「サンソフトQ18B」、HLB値:6.5)も用い、これらを下表2に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと、並びに、当該外皮用組成物に、市水を下表2に示す量で加えたこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区10の外皮」、「試験区11の外皮」とも称する)を作製した。尚、試験区10の外皮と試験区11の外皮とは、下表2に示す通り、外皮用組成物に加えた市水の量が異なる。
【0076】
(試験区12、13)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製「リョートーシュガーエステルS-1570」、HLB値:15)を用い、これらを下表2に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと、並びに、当該外皮用組成物に、市水を下表2に示す量で加えたこと以外は、試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区12の外皮」、「試験区13の外皮」とも称する)を作製した。尚、試験区12の外皮と試験区13の外皮とは、下表2に示す通り、外皮用組成物に加えた市水の量が異なる。
【0077】
【0078】
【0079】
<付着性(圧延時の生地のローラーへの貼り付き)の評価>
試験区1~13の外皮について、それらの製造においてロール製麺機を用いて生地を圧延したときの、ローラーへの生地の貼り付きの程度(付着性)を評価した。具体的には、3名の専門パネルが、付着性について下記の基準に基づき1点刻みで合議により評点付けを行った。付着性の評価は、3~5点を合格(〇)とし、1~2点は不合格(×)とした。
【0080】
[付着性の評価基準]
5:生地がローラーに殆ど貼り付かない
4:生地がローラーにわずかに貼り付く
3:生地がローラーにやや貼り付く
2:生地がローラーに貼り付く
1:生地がローラー全面に貼り付く
【0081】
結果を、下表3に示す。
【0082】
<成形時の餃子の転び(餃子の底面が平らでないために発生する転び)の評価>
試験区1~13の外皮を用いて餃子を作製し、各餃子について成形時の転びの評価を行った。具体的には、まず、試験区1~13の外皮を、圧延終了から15分間放置(室温にて放置)した後、当該外皮で、挽肉、みじん切りにした野菜及び調味料等を混錬して得られた中具10gを、機械式モルダーを用いて被覆して、半円形状の餃子(底面の面積:約1000mm2)を作製した。次いで、作製した各餃子を、底面が下になり、耳部(ひだが付いた外皮のつなぎ目部分)が上になるように、平らな床の上に置き、餃子の傾きの程度、転び(餃子側面の床への接触)の有無について、3名の専門パネルが、下記の基準に基づき1点刻みで合議により評点付けを行った。成形時の餃子の転びの評価は、3~5点を合格(〇)とし、1~2点は不合格(×)とした。
【0083】
[成形時の餃子の転びの評価基準]
5:全く餃子が傾かない
4:わずかに餃子が傾く
3:やや餃子が傾く
2:餃子が傾き、転ぶ(餃子側面が床に接触する)
1:餃子が完全に倒れる
【0084】
結果を、下表3に示す。
【0085】
【0086】
表3に示される結果から明らかなように、米粉及びレシチンを含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区2~5の外皮は、いずれも生地の圧延時に生地がローラーに殆ど貼り付かなかったか、貼り付きがあってもわずかであった。また、これらの外皮は、経時による成形性の低下が抑えられ、15分間の放置後に餃子を成形しても、平らな床の上に置いたとき餃子が全く傾むかなかったか、傾いてもわずかであった。
一方、レシチンを含有しない外皮用組成物を用いて作製された試験区1の外皮は、生地の圧延時に、ローラー全面への生地の貼り付きが発生した。また、当該外皮は、経時により成形性が著しく悪化し、当該外皮を15分間放置してから成形した餃子は底面が平らにならず、平らな床の上に置いたとき、完全に倒れるものであった。レシチン以外の乳化剤が用いられた試験区6、8、10及び12の外皮は、成形時の餃子の転びについては多少改善されたが、圧延時の生地のローラーへの貼り付きは全く改善されず、ローラー全面に生地が貼り付くものであった。レシチン以外の乳化剤が用いられ、更に外皮用組成物への加水量が低減された(すなわち、外皮の水分含量が低減された)試験区7、9、11及び13の外皮は、圧延時の生地のローラーへの貼り付きについては多少抑えられたものの、成形性は経時により著しく悪化するものとなり、これらの外皮を15分間放置してから成形した餃子は底面が平らにならず、平らな床の上に置いたとき、傾いて転ぶ(餃子側面が床に接触する)か、完全に倒れるものであった。尚、外皮を15分間放置することなく、圧延終了後すぐに餃子を作製し、成形時の餃子の転びの評価を行った場合は、試験区1~13のいずれも全く餃子が傾かなかった(上記の評価基準で5点)。また、アルギン酸エステルに代えて、その他の増粘多糖類(キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、κ-カラギーナン、ペクチン、寒天、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を用いたこと以外は試験区3と同様に作製した外皮も、アルギン酸エステルを用いた場合と同様に、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生が両方とも抑えられた。
以上の結果から、米粉にレシチンを組み合わせて用いることによって、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を、両方とも抑え得る外皮を作製し得ることが確認された。
【0087】
[試験例2]
<包餡食品用外皮の作製>
(試験区14~17)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の精製レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ホワイト」、リン脂質含有率:96重量%以上、HLB値:7~9)も用い、これらを下表4に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験例1の試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、それぞれ「試験区14の外皮」~「試験区17の外皮」とも称する)を作製した。
【0088】
【0089】
<付着性(圧延時の生地のローラーへの貼り付き)の評価>
試験区14~17の外皮について、それらの製造においてロール製麺機を用いて生地を圧延したときの、ローラーへの生地の貼り付きの程度(付着性)を、試験例1と同様に評価した。結果を、下表5に示す。
【0090】
<成形時の餃子の転び(餃子の底面が平らでないために発生する転び)の評価>
試験区14~17の外皮を用いて、試験例1と同様に餃子を作製し、各餃子について試験例1と同様に成形時の転びの評価を行った。結果を、下表5に示す。
【0091】
【0092】
表5に示される結果から明らかなように、レシチンを0.1~4重量%含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区14~17の外皮(外皮におけるレシチンの含有量:0.07~2.9重量%)は、いずれも圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生が両方とも抑えられ、中でも、レシチンを0.4~4重量%含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区15~17の外皮(外皮におけるレシチンの含有量:0.28~2.9重量%)が好ましく、レシチンを0.4~1重量%含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区15、16の外皮(外皮におけるレシチンの含有量:0.28~0.7重量%)がより好ましく、特にレシチンを0.4重量%含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区15(外皮におけるレシチンの含有量:0.28重量%)が最も好ましかった。
【0093】
[試験例3]
<包餡食品用外皮の作製>
(試験区18)
試験例1の試験区2と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区18の外皮」とも称する)を作製した。
【0094】
(試験区19)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の精製レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ホワイト」、リン脂質含有率:96重量%以上、HLB値:7~9)及びリン酸架橋コーン澱粉(テート&ライル社製「PULPIZ A」)も用い、これらを下表6に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験例1の試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区19の外皮」とも称する)を作製した。
【0095】
(試験区20)
包餡食品の外皮用組成物(プレミックス)の作製を、未加工米粉、α化米粉、アルギン酸エステル及びサラダ油に加えて、大豆由来の精製レシチン(辻製油株式会社製「SLP-ホワイト」、リン脂質含有率:96重量%以上、HLB値:7~9)及びヒドロキシプロピル化リン酸架橋もち種馬鈴薯澱粉(松谷化学工業株式会社製「パインアクア」)も用い、これらを下表6に示す量(単位:重量部)で混合して行ったこと以外は、試験例1の試験区1と同様の手順で、包餡食品用外皮(以下において、「試験区20の外皮」とも称する)を作製した。
【0096】
【0097】
<付着性(圧延時の生地のローラーへの貼り付き)の評価>
試験区19、20の外皮について、それらの製造においてロール製麺機を用いて生地を圧延したときの、ローラーへの生地の貼り付きの程度(付着性)を、試験区18の外皮と比較して評価した。具体的には、3名の専門パネルが、付着性について下記の基準に基づき評価を行った。
ここで試験区18の外皮は、上述する通り、試験例1の試験区2と同様に作製されたものであり、当該試験区2の外皮の「付着性(圧延時の生地のローラーへの貼り付き)の評価」は、上記の表3に示されるように5点(生地がローラーに殆ど貼り付かない)であり、「成形時の餃子の転び(餃子の底面が平らでないために発生する転び)の評価」も5点(全く餃子が傾かない)であった。
【0098】
[付着性の評価基準]
〇:試験区18と比べて、生地がローラーにより貼り付かない
△:試験区18と変わらない
×:試験区18と比べて、生地がローラーにより貼り付く
【0099】
結果を、下表7に示す。
【0100】
<成形時の餃子の転び(餃子の底面が平らでないために発生する転び)の評価>
試験区18~20の外皮を用いて餃子を作製し(作製した餃子を以下において、それぞれ「試験区18の餃子」、「試験区19の餃子」、「試験区20の餃子」とも称する)、試験区19、20の餃子について、試験区18の餃子と比較して、成形時の転びの評価を行った。具体的には、試験区18~20の外皮を用いて、試験例1と同様の手順で半円形状の餃子を作製し、作製した試験区18~20の餃子を、それぞれ試験例1と同様に平らな床の上に置き、試験区19、20の餃子の傾きの程度、転び(餃子側面の床への接触)の有無について、3名の専門パネルが、下記の基準に基づき評価を行った。
【0101】
[成形時の餃子の転びの評価基準]
〇:試験区18と比べて、餃子がより傾かない、より転ばない
△:試験区18と変わらない
×:試験区18と比べて、餃子がより傾く、より転ぶ
【0102】
結果を、下表7に示す。
【0103】
【0104】
表7に示される結果から明らかなように、米粉及びレシチンに加え、架橋澱粉を更に含有する本発明の外皮用組成物を用いて作製された試験区19、20の外皮は、いずれも生地の圧延時に、試験区18の外皮(架橋澱粉を含有しない本発明の外皮用組成物を用いて作製された外皮)に比べて、生地がローラーにより貼り付かなかった。
以上の結果から、米粉にレシチンに加え、架橋澱粉を用いることによって、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)を更に低減させることができることが確認された。
本発明によれば、グルテン、及びグルテンを生成し得る食材(例、小麦粉等)を用いずに作製した場合であっても、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る、包餡食品用の外皮を提供し得る。
本発明は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る包餡食品用の外皮の原料として好適に用いられる、包餡食品の外皮用組成物も提供し得る。
本発明は、圧延時の生地のローラーへの貼り付き(付着性)及び成形時の包餡食品の転びの発生を両方とも抑え得る外皮で中具が被覆された包餡食品も提供し得る。