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▶ ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048144
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】擬似力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
G06F3/01 560
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208197
(22)【出願日】2021-12-22
(62)【分割の表示】P 2017097951の分割
【原出願日】2017-05-17
(31)【優先権主張番号】15/191,271
(32)【優先日】2016-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン マルティ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ ディ チェンソ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー エリオット ナーマン
(72)【発明者】
【氏名】ミリヤナ スパソイェビッチ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA29
5E555BA02
5E555BA38
5E555BB02
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE10
5E555CA10
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB19
5E555CB21
5E555CB82
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】擬似力装置の提供。
【解決手段】ユーザに力を加えるためのシステムである。システムは、1つまたは複数のトラックに沿って配置された1つまたは複数の質量体を有するユーザ装着型装置を含む。システムはさらに、1つまたは複数のトラックに含まれる第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で1つまたは複数の質量体に含まれる第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成するように構成されるプロセッサを含む。プロセッサはさらに、第1トラックに沿った第1方向に第2加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成するように構成される。第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、第2加速度の大きさは閾値加速度より小さい。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態の分野
様々な実施形態は、一般にヒューマンマシンインタフェースに関し、より具体的には擬似力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の考察
数多くの電子装置に伴う1つの問題は、従来の出力機構への依存である。特に、従来の携帯装置及び装着型装置は一般に、ユーザに情報を伝達するために、画面を介した視覚フィードバック及び/または1つまたは複数のスピーカーを介した聴覚フィードバックに依存する。例えば、携帯電話は一般に、ユーザに対し図画マップを表示することでナビゲーション指示を提供し、時に図画マップを聴覚的ナビゲーション指示で補足する。
【0003】
しかしながら、視覚及び聴覚フィードバックは多くの場合、ユーザに対して詳細な情報を伝達するのに有効であるが、ある状況では特定のユーザの視覚及び/または聴覚チャネルは、情報飽和状態となり得る。このような状況では、ユーザは一般に、自身の視覚及び/または聴覚チャネルを介していかなる追加情報も受信できない。例えば、ユーザが電子メールまたはテキストメッセージを介して通信している時、あるいはユーザが音声指向対話に携わっている時、ユーザの視覚及び/または聴覚チャネルは、前述の視覚及び/または聴覚ナビゲーション指示等の追加の視覚及び/または聴覚情報を効果的に受信し処理することが不可能であり得る。その結果、追加の視覚及び/または聴覚情報がユーザに提示されると、情報はユーザにより無視されるか、ユーザにより不正確に理解され得る。
【0004】
さらに、いくつかの状況において、追加の視覚及び/または聴覚情報でユーザを圧倒することは、ユーザを注意散漫にさせ、潜在的に危険な状況を作り得る。例えば、ユーザが車を運転している、または歩行している時、ナビゲーション指示を見るために画面を見下ろすよう要求されることで、ユーザは、運転、歩行、ランニング等の行動から注意を反らさなければならない。このような注意を散らす出来事により、周囲環境内の障害物を安全に避けるユーザの能力は低減し、周囲環境内のユーザ及び人々両方の安全を損なう可能性がある。
【0005】
前述の例示により、ユーザに情報を提供する非視覚及び非聴覚技術は有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、ユーザに対し力を加える方法を明らかにする。方法は、第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成することを含む。方法はさらに、第1トラックに沿った第1方向に第2加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成することを含む。第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、第2加速度の大きさは閾値加速度より小さい。
【0007】
さらに実施形態は、何よりも、上述の技術を実施するように構成されるシステム及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0008】
本明細書において説明される技術の少なくとも1つの利点は、非視覚及び非聴覚情報をユーザに提供できることであり、これによりユーザの視覚及び/または聴覚チャネルが情報で圧倒されることは防がれる。従って、ユーザは、本明細書において説明される技術を介して指示、警告、及び通知を受信し、また潜在的に危険な状況を作り出すことなく、ユーザの視覚及び/または聴覚チャネルを介して他の種類の情報を同時に受信することができる。
【0009】
上述の1つまたは複数の実施形態の記載された特徴が詳細に理解され得るように、上に簡単に要約された1つまたは複数の実施形態のより具体的な説明は、ある特定の実施形態を参照することで行われ、そのうちのいくつかは添付の図面で例示される。しかしながら、様々な実施形態の範囲は他の実施形態も同様に包含するため、添付の図面は代表的な実施形態のみを例示し、よっていかなる方法でもその範囲の限定としてみなされないことに留意されたい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ユーザに力を加えるためのシステムであって、上記システムは、
1つまたは複数のトラックに沿って配置された1つまたは複数の質量体を含むユーザ装着型装置と、
プロセッサと、を含み、
上記プロセッサは、
上記1つまたは複数のトラックに含まれる第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で上記1つまたは複数の質量体に含まれる第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成し、
上記第1トラックに沿った上記第1方向に第2加速度で上記第1質量体を移動させるように、上記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成する、
ように構成され、
上記第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、上記第2加速度の大きさは上記閾値加速度より小さい、
上記システム。
(項目2)
上記プロセッサはさらに、
上記1つまたは複数のトラックに含まれる第2トラックに沿った上記第1方向に第3加速度で上記1つまたは複数の質量体に含まれる第2質量体を移動させるように、第3アクチュエータを構成する第3アクチュエータ制御信号を生成し、
上記第2トラックに沿った上記第1方向に第4加速度で上記第2質量体を移動させるように、上記第3アクチュエータ及び第4アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第4アクチュエータ制御信号を生成する、
ように構成され、
上記第3加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第4加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記第3アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第2アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記項目に記載のシステム。
(項目3)
上記プロセッサはさらに、
上記第1トラックに沿った第2方向に、上記閾値加速度より小さい第5加速度で、上記第1質量体を移動させるように、第5アクチュエータを構成する第5アクチュエータ制御信号を生成し、
上記1つまたは複数のトラックに含まれる第3トラックに沿った上記第1方向に第6加速度で第3質量体を移動させるように、上記第5アクチュエータ及び第6アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第6アクチュエータ制御信号を生成する、
ように構成され、
上記第6加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第5アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第6アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目4)
上記プロセッサはさらに、
上記1つまたは複数のトラックに含まれ、かつ上記第1トラック及び上記第2トラックに実質的に直交する第3トラックに沿った第2方向に第5加速度で上記1つまたは複数の質量体に含まれる第3質量体を移動させるように、第5アクチュエータを構成する第5アクチュエータ制御信号を生成し、
上記第3トラックに沿った上記第2方向に第6加速度で上記第3質量体を移動させるように、上記第5アクチュエータ及び第6アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第6アクチュエータ制御信号を生成する、
ように構成され、
上記第5加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第6加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記第5アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第1アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
センサデータを取得するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備える上記システムであって、
上記プロセッサはさらに、
上記センサデータに基づいて、上記ユーザ装着型装置に対応付けられた向き及び位置のうちの少なくとも1つを特定し、
上記向き及び上記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、上記1つまたは複数の質量体を介して上記ユーザに対し加える力の方向を計算する、
ように構成され、
上記第1アクチュエータ制御信号及び上記第5アクチュエータ制御信号は上記力の向きに基づいて生成される、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
上記閾値加速度は、上記ユーザにより知覚可能な最小加速度に該当する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
センサデータを取得するように構成される1つまたは複数のセンサをさらに備える上記システムであって、
上記プロセッサはさらに、
上記センサデータに基づいて、上記ユーザ装着型装置に対応付けられた向き及び位置のうちの少なくとも1つを特定し、
上記向き及び上記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、上記1つまたは複数の質量体を介して上記ユーザに対し加える力を計算する、
ように構成され、
上記第1アクチュエータ制御信号は上記力に基づいて生成される、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
上記1つまたは複数のセンサは、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信装置、磁力計、加速度計、及び光センサのうちの少なくとも1つを備える、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
上記ユーザ装着型装置は頭部装着型装置を含み、上記ユーザ装着型装置に対応付けられた上記向き及び上記位置は、頭の向き及び頭の位置をそれぞれ含む、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
上記プロセッサはさらに、ナビゲーション指示に対応付けられた力イベントを受信するように構成され、上記ユーザに加えられる上記力はさらに、上記力イベントに対応付けられた力の方向に基づく、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
上記プロセッサはさらに、上記力、上記向き、及び上記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、上記第1トラックに沿った上記第1質量体の開始位置と、上記第1トラックに沿った上記第1質量体の終了位置とを計算するように構成される、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
上記第1アクチュエータ及び上記第2アクチュエータのうちの少なくとも1つは、上記第1トラックの第1終点に最も近い第1スプリング及び上記第1トラックの第2終点に最も近い第2スプリングのうちの少なくとも1つを備える、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
上記第1アクチュエータ及び上記第2アクチュエータのうちの少なくとも1つは、上記第1トラックに沿って配置された1つまたは複数の磁石を備える、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
上記ユーザ装着型装置は、肩部装着型装置、腕部装着型装置、手部装着型装置、及び脚部装着型装置のうち少なくとも1つを備える、
上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目15)
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、上記命令がプロセッサにより実行されると、上記命令により上記プロセッサは、
第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成すること、
上記第1トラックに沿った上記第1方向に第2加速度で上記第1質量体を移動させるように、上記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成すること、
のステップを実行することにより、ユーザに対して力を加えるように構成され、
上記第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、上記第2加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記閾値加速度は上記ユーザにより知覚可能な最小加速度に該当する、
上記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目16)
第2トラックに沿った上記第1方向に第3加速度で第2質量体を移動させるように、第3アクチュエータを構成する第3アクチュエータ制御信号を生成することと、
上記第2トラックに沿った上記第1方向に第4加速度で上記第2質量体を移動させるように、上記第3アクチュエータ及び第4アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第4アクチュエータ制御信号を生成することと、
をさらに含む上記非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
上記第3加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第4加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記第3アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第2アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記項目に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目17)
上記第1トラックに沿った第2方向に、上記閾値加速度より小さい第5加速度で、上記第1質量体を移動させるように、第5アクチュエータを構成する第5アクチュエータ制御信号を生成することと、
上記1つまたは複数のトラックに含まれる第3トラックに沿った上記第1方向に第6加速度で第3質量体を移動させるように、上記第5アクチュエータ及び第6アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第6アクチュエータ制御信号を生成することと、
をさらに含む上記非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
上記第6加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第5アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第6アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目18)
全地球的航法衛星システム(GNSS)受信装置、磁力計、加速度計、及び光センサのうちの少なくとも1つを介してセンサデータを取得することと、
上記センサデータに基づいて、上記システムに対応付けられた向き及び位置のうちの少なくとも1つを特定することと、
上記向き及び上記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、上記1つまたは複数の質量体を介して上記ユーザに対し加える力を計算ことと、
をさらに含む上記非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
上記第1アクチュエータ制御信号は上記力に基づいて生成される、
上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目19)
上記第1アクチュエータ及び上記第2アクチュエータのうちの少なくとも1つは、上記第1トラックに沿って配置された1つまたは複数の磁石を備え、上記第1アクチュエータ制御信号及び上記第2アクチュエータ制御信号のうちの少なくとも1つは電磁信号を含む、
上記項目のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目20)
第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成することと、
上記第1トラックに沿った上記第1方向に第2加速度で上記第1質量体を移動させるように、上記第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成することと、
第2トラックに沿った上記第1方向に第3加速度で第2質量体を移動させるように、第3アクチュエータを構成する第3アクチュエータ制御信号を生成することと、
上記第2トラックに沿った上記第1方向に第4加速度で上記第2質量体を移動させるように、上記第3アクチュエータ及び第4アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第4アクチュエータ制御信号を生成することと、
を含む、ユーザに力を加えるための方法であって、
上記第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、上記第2加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記第3加速度の大きさは上記閾値加速度より大きく、上記第4加速度の大きさは上記閾値加速度より小さく、上記第3アクチュエータ制御信号の少なくとも一部は上記第2アクチュエータ制御信号の少なくとも一部に重複する、
上記方法。
(摘要)
ユーザに力を加えるためのシステムである。システムは、1つまたは複数のトラックに沿って配置された1つまたは複数の質量体を有するユーザ装着型装置を含む。システムはさらに、1つまたは複数のトラックに含まれる第1トラックに沿った第1方向に第1加速度で1つまたは複数の質量体に含まれる第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータを構成する第1アクチュエータ制御信号を生成するように構成されるプロセッサを含む。プロセッサはさらに、第1トラックに沿った第1方向に第2加速度で第1質量体を移動させるように、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つを構成する第2アクチュエータ制御信号を生成するように構成される。第1加速度の大きさは閾値加速度より大きく、第2加速度の大きさは閾値加速度より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】様々な実施形態による、ユーザに対し力を加える力装置を例示する。
図1B】様々な実施形態による、ユーザに対し力を加える力装置を例示する。
図1C】様々な実施形態による、ユーザに対し力を加える力装置を例示する。
図1D】様々な実施形態による、ユーザに対し力を加える力装置を例示する。
図2】様々な実施形態による、図1A~1Dの力装置に連動して実行され得る、または連結され得るコンピューティング装置のブロック図である。
図3】様々な実施形態による、ユーザに対し擬似力を加えるために質量体を非対称的に加速させる技術を例示する。
図4A】様々な実施形態による、ユーザに対し連続的な力を加える力装置を例示する。
図4B】様々な実施形態による、ユーザに対し連続的な力を加える力装置を例示する。
図5A】様々な実施形態による、ユーザに対し連続的擬似力を加えるために力装置に含まれる質量体を非対称的に加速させる技術を例示する。
図5B】様々な実施形態による、ユーザに対し連続的擬似力を加えるために力装置に含まれる質量体を非対称的に加速させる技術を例示する。
図5C】様々な実施形態による、ユーザに対し連続的擬似力を加えるために力装置に含まれる質量体を非対称的に加速させる技術を例示する。
図6A】様々な実施形態による、力装置内で実装され得る一連のトラック及び質量体の異なる構成を例示する。
図6B】様々な実施形態による、力装置内で実装され得る一連のトラック及び質量体の異なる構成を例示する。
図6C】様々な実施形態による、力装置内で実装され得る一連のトラック及び質量体の異なる構成を例示する。
図7A】様々な実施形態による、図6A~6Cの力装置がユーザ上の異なる部位で装着され得る方法を例示する。
図7B】様々な実施形態による、図6A~6Cの力装置がユーザ上の異なる部位で装着され得る方法を例示する。
図8A】様々な実施形態による、力装置を介してユーザにナビゲーション指示を提供する技術を例示する。
図8B】様々な実施形態による、力装置を介してユーザにナビゲーション指示を提供する技術を例示する。
図8C】様々な実施形態による、力装置を介してユーザにナビゲーション指示を提供する技術を例示する。
図8D】様々な実施形態による、力装置を介してユーザにナビゲーション指示を提供する技術を例示する。
図9】様々な実施形態による、ユーザに情報を伝達するためにユーザに対し力を加える方法手順のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、本開示の実施形態のより完全な理解のために、数多くの具体的な詳細が明らかにされる。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数がなくとも実行可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0012】
図1A~1Dは、様々な実施形態による、ユーザに対し力を加える力装置100を例示する。力装置100は、非限定的に、1つまたは複数の質量体110と、1つまたは複数のトラック112と、1つまたは複数の力制御モジュール115と、ヘッドサポート120とを含み得る。力装置100は、非限定的に例えば、様々な速度及び加速度でトラック112に沿って質量体110を移動させることで、ユーザに対し力を生成する。
【0013】
いくつかの実施形態において、質量体110は、力装置100により受信され及び/または生成される力イベントに基づいて、ユーザに力を加える。非限定的に例えば、力装置100により受信される力イベントは、質量体110を介してユーザに加える力の種類(例えば直線力、回転力等)、力を加える方向、及び/または加える力の大きさを指定し得る。さらに、力イベントは、加力を開始及び/もしくは終了する時間、力を加える時間の長さ、ならびに/または加力を開始及び/もしくは終了する力装置100の位置及び/もしくは向きを指定し得る。
【0014】
一般に、力イベントは、ユーザに対し様々な種類の情報を伝えることを目的とする。非限定的に例えば、力イベントは、ユーザにナビゲーション指示を伝えるために、ユーザに周囲環境内の物体に対応付けられた情報を提供するために、そして例えば誰かがユーザと連絡を取ろうとしている時もしくはユーザが潜在的に危険な状態にある時にユーザに警告情報を提供するために、生成され得る。さらに、いくつかの実施形態において、力イベントは、他の種類の情報、例えば潜在意識で認識されるフィードバック(例えばユーザの部分的な注意のみを要するユーザインタフェースへと導くフィードバック)、ユーザに(ユーザの前庭覚を介して)ユーザの平衡または姿勢を正すように指示することを目的とする情報、及び様々な種類の不随意のユーザ動作(例えば常同行動)を無効にすることを目的とする情報等を、ユーザに伝えるために生成され得る。
【0015】
力制御モジュール115は、センサデータを受信し、質量体110を移動させ、力装置100の全体動作を調整するように構成される。一般に、力制御モジュール115は、力装置100に対し質量体110を非対称的に加速させるように、質量体110及び/またはトラック112に結合されるアクチュエータ114を操作する。力装置100に対し質量体110を様々な速度で加速させることにより、ユーザの頭及び/または体に対し力が生み出される。非限定的に例えば、図1Dに示されるように、力装置100は、質量体110‐3を、開始位置(例えば力装置100の前部134における)からトラック112に沿った第1方向150に、ユーザにより知覚可能な最小加速度を上回る大きさを有する加速度で、素早く移動させることにより、ユーザに対し擬似力152を生成し得る。その後、トラック112の終了位置(例えば力装置100の後部136における)にたどり着く前に、力装置100は、質量体110の加速度を、ユーザにより知覚可能な最小加速度を下回る大きさを有する第2加速度(例えば減速度)に低減し得る。このような実施形態において、ユーザは、開始位置からの質量体110の加速に伴う力を知覚し得るが、質量体が終了位置にたどり着く前の質量体110の減速に伴う力は知覚し得ない。従って、非対称的加速度を活用することで、ユーザに対し非視覚及び非聴覚出力を伝達するための擬似力が力装置100により生成され得る。
【0016】
ユーザに対する擬似力(「見掛けの力」とも称される)の加力により、様々な目的が果たされ得る。いくつかの実施形態において、ユーザは特定の方向に目を向けるもしくは移動するべきであることを指示するために、またはユーザの注意を環境内の特定の物体もしくは場所に引くために、ユーザに対し力が加えられる。別の実施形態において、力装置100は、例えば車がある方向から高速度でユーザに接近している時等、ユーザに危険な状況を警告するために、ユーザに対し擬似力を加え得る。さらに、非限定的に例えば、ユーザが道を誤ってしまった、または危険な状況にあることを示すために、非対称的に1つまたは複数の質量体110を繰り返し加速させることで、ユーザに一連の擬似力が加えられ得る。
【0017】
さらに別の非限定的な例において、ユーザが仮想現実装置と対話している時等、特定の行為または体験を刺激するように、ユーザに擬似力が加えられ得る。また別の非限定的な例において、ユーザが電話の着信を受けていることの通知等、ユーザに通知を提供するために、擬似力または擬似力パターンが使用され得る。さらに、例えばユーザがヘッドフォンで音楽を聴いていて、誰かがユーザに対し話そうとしている、もしくはユーザの注意を引こうとしていると1つまたは複数のセンサが判断した時等、肩を叩かれるようなより繊細な通知を提供するために、軽打的力パターンが使用され得る。従って、力装置100は、ユーザに対し生成されるフィードバック、方向情報、及び通知の代替形態を可能にする。
【0018】
様々な実施形態において、ユーザに前方向へ移動するように指示するため、ユーザの前に配置された物体にユーザの興味を向けるため、及び/またはユーザの頭を前へ押すもしくは引く行為または体験を刺激するために、力装置100により前方の力が生成され得る。非制限的に例えば、力装置100は、質量体110‐1及び質量体110‐3を、力装置100の後部136に向けてユーザにより知覚可能な最小加速度を上回る加速度で素早く移動させ、その後、反対方向に同様の大きさの力を作らないように、質量体110‐1、110‐3を、力装置100の後部136にたどり着く前にゆっくり減速させることにより、前方向に擬似力を生成し得る。さらにまた、質量体110‐2を力装置100の前部134に向けて移動させることにより、及び/または質量体110のうちの1つまたは複数の初期加速度の大きさを増大させることによっても、前方の力の大きさは増大され得る。いくつかの実施形態において、前方の力の大きさは、ユーザが前方向に移動すべき距離、ユーザの前に配置された物体の重要度、あるいは例えば重力または別の種類の加速度等、ユーザの頭を押すまたは引く行為または体験の度合いを、示し得る。
【0019】
さらに、力装置100は、質量体110‐1及び質量体110‐3(及び任意で質量体110‐2)を、力装置100の前部134に向けてユーザにより知覚可能な最小加速度を上回る加速度で素早く移動させ、その後質量体110‐1、110‐3を、力装置100の前部134にたどり着く前にゆっくり減速させることにより、後方向に擬似力を生成し得る。様々な実施形態において、ユーザに後ろへ下がるように指示するため、ユーザに180度向きを変えるように指示するため、ユーザの後ろに配置された物体にユーザの興味を向けるため、及び/またはユーザの頭を後ろへ押すまたは引く行為または体験を刺激するために、力装置100により後方の力が生成され得る。さらに、後方の力の大きさは、ユーザが後ろ方向に(例えば180度向きを変えて前方に歩くことにより)移動すべき距離、ユーザの後ろに配置された物体の重要度、あるいはユーザの頭を後ろに押すまたは引く行為または体験の度合いを、示し得る。いくつかの実施形態において、前方の力もしくは後方の力の大きさは、例えばユーザが自身の肩を動かすべき距離、及び/または自身の背筋をきちんと伸ばすために戻るべき距離等、ユーザが自身の姿勢を正すために必要な動作の大きさに基づき得る。
【0020】
さらに、力装置100は、ユーザにより知覚可能な最小加速度を上回る加速度で、質量体110‐1を力装置100の前部134に向けて移動させ、質量体110‐3を力装置100の後部136に向けて移動させることにより、時計回りの回転擬似力を生成し得る。力装置100はその後、反対方向に同様の大きさの力を作らないように、質量体110‐1、110‐3を、力装置100の前部134及び後部136にそれぞれたどり着く前に、ゆっくり減速させ得る。様々な実施形態において、ユーザに左にもしくは右に進むように指示するため、ユーザの左にまたは右に配置された物体にユーザの興味を向けるため、及び/またはユーザの頭を左へまたは右へ回転させる行為または体験を刺激するために、力装置100により時計回り及び反時計回りの回転力が生成され得る。いくつかの実施形態において、回転力の大きさは、ユーザが左へまたは右へ回転するべき度数、ユーザの左にまたは右に配置された物体の重要度、あるいはユーザの頭を左にまたは右に回転させる行為または体験の度合い、を示し得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、力装置100は、ユーザの頭に作用する目的の大きさの擬似力、またはユーザの全体平衡に作用する目的のさらなる大きさの擬似力を加え、これによりユーザの体は特定の方向へ移動される。非限定的に例えば、比較的小さい力はユーザの頭にのみ作用する一方、より大きい力はユーザの体全体に作用し得る。第1技術において、ユーザは、自身の頭に非常に小さい力を知覚し、当該力を、自身の注意をある方向へ向けるためのヒントとして解釈し得る。一方、第2技術において、ユーザは、自身の体全体に印加される代わりに頭に印加される力を知覚し(例えば首または脊椎の側面的屈曲作用により)、当該力を、ある方向に歩くまたは進む指示として解釈し得る。
【0022】
一旦ユーザに力が加えられると、力制御モジュール115は、ユーザに追加の力を加えるために、必要に応じて、センサと質量体110の再配置とを監視し得る。例えば、特定の質量体110でユーザに擬似力を加えた後、ユーザにより知覚可能な最小加速度を下回る加速度で質量体110を移動させることにより、その質量体はトラック112上の開始位置に戻され得る。その後、一旦加力が完了すると(例えば一旦ユーザが所望の位置及び/または向きに到達すると)、力制御モジュール115は、質量体110を中立位置に戻し得る。
【0023】
図1A~1D、2、4A、4B、6A~6C、7A、及び7Bに例示される質量体110は個体の重量体であるが、別の実施形態において、力装置100は、ユーザに力を加えるために加速可能なその他の技術的に可能な種類の質量体を含み得る。さらに、本明細書において説明される質量体110はトラック112を介して力装置100上の特定の位置に移動されるように示されるが、別の実施形態において、質量体110は他の技術を介して力装置100上の他の位置に移動され得る。さらに、いくつかの実施形態において、より多い個数(例えば4個以上)または少ない個数(例えば1個または2個)の質量体110が、力装置100に対し1つまたは複数の異なる位置において結合され、様々な種類の単発的または累積的な力をユーザに加えるために選択的に移動され得る。代替種類の質量体110、力装置100上の質量体110の代替配置、及びユーザに擬似力を加えるために質量体110を加速させる代替技術の実施例が、図4A~9と合わせて後述される。
【0024】
様々な実施形態において、力装置100は、力装置100の位置及び/もしくは向きを記録する、ならびに/または周囲環境の様々な態様を記録する、1つまたは複数のセンサを含む。センサ(複数可)は、非限定的に、飛行時間センサ、構造化光センサ等、全地球的航法衛星システム(GNSS)装置、磁力計、慣性センサ、ジャイロスコープ、加速度計、可視光センサ、熱画像センサ、レーザベース装置、超音波センサ、赤外線センサ、レーダセンサ、及び/または深度センサを含み得る。これらのセンサ(複数可)により、力装置100の位置は、絶対座標(例えばGPS座標)で、及び/または周囲環境内の物体に対して、記録されることが可能となり得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、センサ(複数可)は、力制御モジュール115(複数可)内に配置される。センサ(複数可)により取得されたデータはその後、力装置100内の力イベントを生成するために使用され得る、あるいはセンサデータは分析のために別個の装置に送信され得る。同一または別の実施形態において、センサのうちの1つまたは複数は、スマートフォン、モバイルコンピュータ、装着型装置等の補助装置内に配置され得る。
【0026】
さらに、様々な実施形態において、力装置100は、力装置100に対応付けられた質量体110を再配置する1つまたは複数のアクチュエータ114を含む。アクチュエータ114(複数可)は、非制限的に、電気モータ、圧電モータ、磁気アクチュエータ、スプリング、油圧アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、ポンプ等を含み得る。非制限的に例えば、図1A~1Dを参照すると、アクチュエータ114は、トラック112に連結され、かつ質量体110を再配置するためにトラック112の長さ及び/または幅に沿って移動する電気モータを含み得る。別の実施形態において、質量体110(複数可)を加速及び/もしくは減速させて質量体110(複数可)が開始位置と終了位置の間をより効率的に移動できるように、1つまたは複数のスプリングが、トラック112のうちの1つまたは複数に沿って配置され得る、ならびに/または質量体110のうちの1つまたは複数に結合され得る。非限定的に例えば、質量体110を加速させるために、第1スプリングが各トラック112の開始位置近くに配置され、ならびに/または質量体110を減速させ及び/もしくは質量体110を開始位置に戻すために、第2スプリングが各トラック112の終了位置近くに配置され得る。さらに、いくつかの実施形態において、質量体110を終了位置に向けて加速させ、質量体110を減速させ、及び/または質量体110を開始位置に戻すために、1つまたは複数の磁石(例えば電磁石または永久磁石)が、開始位置、終了位置、または開始位置と終了位置の間の任意の場所に配置され得る。一般に、ユーザに擬似力を加えるために、アクチュエータ114により質量体110は非対称的に加速可能となる。
【0027】
いくつかの実施形態において、力制御モジュール115は、他の装置(例えばスマートフォンまたはモバイルコンピュータ)からの力イベントを受信するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、力制御モジュール115は、1つまたは複数のセンサ(図1A~1Dに図示せず)を介して取得されたセンサデータを受信し、センサデータに基づいて力イベントを生成し、ユーザに力を加えるために1つまたは複数の質量体110を移動させる制御信号を生成する。非制限的に例えば、力制御モジュール115が力イベントを受信すると、力制御モジュール115は、1つまたは複数のセンサに問い合わせ、ユーザの現時点での向き及び/または位置(例えばユーザの頭の現時点での向き/位置)を前提に、力イベントにより指定される力を加えるために質量体110のうちの1つまたは複数を移動させる必要加速度及び/または位置を計算し得る。力制御モジュール115はその後、質量体110(複数可)を、該当する場合は対応アクチュエータ114を作動させることで移動させ、これらのベクトル(複数可)に沿ってユーザに力を加える。
【0028】
図2は、様々な実施形態による、図1A~1Dの力装置100に連動して実行され得る、または連結され得るコンピューティング装置200のブロック図である。示されるように、コンピューティング装置200は、非制限的に、処理装置210と、入出力(I/O)装置220と、メモリ装置230とを備える。メモリ装置230は、データベース234と対話するように構成される力制御アプリケーション232を備える。
【0029】
処理装置210は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)等を含み得る。様々な実施形態において、処理装置210は、力装置100の位置及び/もしくは向きを決定するため、質量体110の位置及び/もしくは向きを決定するため、ならびに/または周囲環境内の物体を検出及び/もしくは特定するために、1つまたは複数のセンサにより取得されるセンサデータを分析するように構成される。いくつかの実施形態において、処理装置210はさらに、周囲環境に対する力装置100の位置及び/もしくは向きを決定するように、ならびに/または力装置100及び/もしくは周囲環境内の物体の位置及び/もしくは向きに基づいた力イベントを受信及び/もしくは生成するように、構成される。非限定的に例えば、処理装置210は、センサデータを分析するために力制御アプリケーション232を実行し、力装置100が特定の向き及び位置であることを判定し、質量体110を介してユーザに力(複数可)を加えることによりユーザに向き及び位置を変更させることを目的とする力イベントを生成し得る。処理装置210はさらに、力装置100が所望の向き及び/または位置に到達するまでユーザに力を加えるために、アクチュエータ114に質量体110を移動させる制御信号を生成し得る(例えば力制御アプリケーション232を介して)。
【0030】
入出力装置220は、入力装置、出力装置、及び入力受信及び出力提供の両方が可能な装置を含み得る。非限定的に例えば、入出力装置220は、力装置100に含まれるセンサ(複数可)とデータ送信及び/もしくはデータ受信を行う有線ならびに/または無線通信装置を含み得る。さらに、入出力装置220は、アクチュエータ114に質量体110を移動させる力イベントを受信する(例えばローカルエリアネットワーク及び/またはインターネット等のネットワークを介して)1つまたは複数の有線または無線通信装置を含み得る。入出力装置220はさらに、リニアアクチュエータコントローラ等のアクチュエータコントローラを含み得る。
【0031】
メモリ装置230は、メモリモジュールまたはメモリモジュール集合を含み得る。メモリ装置230内の力制御アプリケーション232は、コンピューティング装置200の全体的機能を実施するよう、従って力装置100の作動を全体として調整するように、処理装置210により実行され得る。データベース234は、デジタル信号処理アルゴリズム、ナビゲーションデータ、物体認識データ、力イベントデータ等を記憶し得る。
【0032】
コンピューティング装置200は総括して、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、タブレットコンピュータまたは携帯電話等のモバイルコンピューティング装置、スマートウォッチまたは頭部装着型ディスプレイ等の装着型装置、ビデオゴーグル等のVR/AR装置、メディアプレーヤー等であり得る。いくつかの実施形態において、コンピューティング装置200は、力装置100に対応付けられた力制御モジュール115(複数可)に統合される。一般に、コンピューティング装置200は、力装置100の全体的作動を調整するように構成され得る。別の実施形態において、コンピューティング装置200は、力装置100に分離して接続され得る。このような実施形態において、力装置100は、スマートフォン、ポータブルメディアプレーヤー、パーソナルコンピュータ、装着型装置等の一般消費者向け電子装置に含まれ得るコンピューティング装置200からデータ(例えば力イベント)を受信し、当該コンピューティング装置200へデータ(例えばセンサデータ)を送信する別個のプロセッサを含み得る。しかしながら、本明細書において開示される実施形態は、力装置100の機能を実施するように構成される任意の技術的に可能なシステムを熟考する。
【0033】
図3は、様々な実施形態による、ユーザに対し擬似力を加えるために質量体110を非対称的に加速させる技術を例示する。前述のように、力装置100に対し1つまたは複数の質量体110を非対称的に加速させることにより、ユーザの頭及び/または体に対し力が生み出される。様々な実施形態において、質量体110の非対称的加速度は、ユーザにより知覚可能な最小加速度を上回る大きさの初期加速度と、ユーザにより知覚可能な最小加速度または減速度を下回る大きさの後続加速度または減速度とを含み得る。
【0034】
非限定的に例えば、図3に示されるように、第1時間間隔(t)の間、力装置100は質量体110をトラックに沿って、ユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを上回る速度で加速させ得る。その結果、tの間、ユーザは、質量体110が加速させられている方向と反対の方向に力を知覚し得る。その後、第2時間間隔(t)の間、力装置100は質量体110を、ユーザにより知覚可能な最小の加速度または減速度310の大きさを下回る速度で減速させ得る。その結果、tの間、ユーザは、質量体110が移動している方向に加えられているわずかな力を知覚し得ない。
【0035】
あるいは、質量体110は、ユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを下回る大きさの初期加速度と、ユーザにより知覚可能な最小の加速度または減速度310の大きさを上回る大きさの後続減速度で、非対称的に加速され得る。さらに別の実施形態において、質量体110は、トラック112の開始位置とトラック112の終了位置の間を移動する時に、3つ以上の異なる速度で加速され得る。非限定的に例えば、質量体110は、トラック112の開始位置からトラック112の終了位置に移動する時に、最小の加速度310の大きさを上回る1つまたは複数の加速度と、最小の加速度310の大きさを下回る1つまたは複数の加速度とを、交互に適用され得る。さらに、トラック112の開始位置へ質量体110を戻す時に、質量体110を非対称的に加速させる同様の技術が実施され得る。さらに、図4A~9と合わせてさらに詳しく後述されるように、複数の質量体110で順次に擬似力を生成することにより、連続的な力がユーザに加えられ得る。
【0036】
図4A、4Bは、様々な実施形態による、ユーザに対し連続的な力を加える力装置100を例示する。示されるように、力装置100は、複数のトラック112に沿って移動する複数の質量体110を含む。作動中、力装置100は、質量体110をトラック112に沿って異なる位相オフセットで非対称的に加速させることにより、ユーザに対し連続的な力を生成する。より具体的には、前述のように、ユーザに対し擬似力152を加えるために所定の質量体110が特定の方向150に非対称的に加速される時、擬似力152の反対方向に知覚可能な力を作り出さないように、質量体110の加速度の大きさがユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさ未満に維持されなければならない時間間隔がある。従って、様々な実施形態において、所定の質量体110(例えば質量体110‐16)がユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを下回る速度で加速されている間、ユーザに対し擬似力を加えるために、1つまたは複数の他の質量体110(例えば質量体110‐18及び質量体110‐19)は、ユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを上回る速度で加速され得る。複数の質量体110を異なる位相オフセットで非対称的に加速させることにより順次に当技術が行われる場合、連続的擬似力がユーザに知覚される。このような1つの実施形態が、図5A~5Cと合わせてさらに詳しく後述される。
【0037】
図5Aは、様々な実施形態による、ユーザに対し連続的擬似力を加えるために図4Aの力装置100に含まれる質量体110を非対称的に加速させる技術を例示する。示されるように、非対称的加速度が、並行のトラック112上に配置された質量体110に対し順次適用され得る。非限定的に例えば、各質量体110は、時間間隔tの間にユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを上回る速度で加速され、時間間隔tの間にユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを下回る速度で減速され得る。
【0038】
様々な実施形態において、各質量体110に対応付けられた時間間隔t及びtは、力装置100に含まれる他の質量体110に対応付けられた時間間隔t及びtに関して、位相変化される。非限定的に例えば、図5に示されるように、特定の質量体110(例えば質量体110‐10)の時間間隔tの終わりは、力装置100に含まれる別の質量体110(例えば質量体110‐11)の時間間隔tの開始と実質的に揃えられ得る。さらに、いくつかの実施形態において、力装置100のユーザにより連続的な力が確実に知覚されるように、各質量体110の時間間隔tは、1つまたは複数の他の質量体110の時間間隔tと重複し得る。例えば、図4A及び5において示されるように、tにおいて、質量体110‐18に対応付けられた時間間隔tと、質量体110‐19に対応付けられた時間間隔tとのわずかな重複により、質量体110‐18と質量体110‐19の両者がユーザに対し力152を加えている。
【0039】
ユーザに対し連続的擬似力を加えるための別の種類の力装置100に含まれる質量体110を非対称的に加速させる追加技術が、図5B及び5Cにおいて例示される。特に、図5B及び5Cは、8つのトラック112、4つのトラック112をそれぞれ有する力装置を実行する技術を例示する。示されるように、様々な実施形態において、質量体110は、ユーザにより知覚可能な最小の加速度または減速度310の大きさを上回る大きさの初期加速度と、ユーザにより知覚可能な最小の加速度または減速度310の大きさを同様に上回る大きさの後続減速度で、非対称的に加速され得る。従って、このような実施形態においては、質量体110の加速度及び減速度の両者が、ユーザに対し加えられる連続的擬似力に貢献し得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、質量体110を順次に非対称的に加速させながら実質的に同じ軸に沿って連続的擬似力を加えるために、2つ以上の質量体110がお互いに同位相で同時に非対称的に加速され得る。非限定的に例えば、図4Aを参照すると、質量体110‐16に対応付けられたトラック112と、質量体110‐15に対応付けられたトラック112との間に定義された中央軸420に沿って連続的擬似力を加えるために、2つの質量体(例えば質量体110‐20と質量体110‐10、質量体110‐19と質量体110‐11、質量体110‐18と質量体110‐12、等)が、同位相で非対称的に加速され得る。従って、同時に加速される2つの質量体のそれぞれが中央軸420から実質的に同じ距離にあるため、質量体110の組がトラック112に沿って順次加速されると、ユーザは、力装置100により加えられる類似直線力(両加速度のユーザ知覚可能部分が同じ方向である場合)またはトルク(回転的)力(両加速度のユーザ知覚可能部分が反対方向である場合)を感じ得る。
【0041】
明確にするために、図5Aは、開始位置410から終了位置412までの非対称的加速期間中のみの質量体110の速度を例示する。いくつかの実施形態において、各質量体110を開始位置410に戻す時、質量体110は、ユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを下回る速度で加速かつ減速される。別の実施形態において、質量体110を終了位置412から開始位置410へ戻すよう移動させる時、質量体110のうちの1つまたは複数は非対称的に加速され得る。非限定的に例えば、質量体110を開始位置410に戻す時にユーザに追加擬似力152を加えるために、各質量体110は、終了位置412からユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを下回る速度で加速され、その後ユーザにより知覚可能な最小の加速度310の大きさを上回る速度で減速され得る。
【0042】
図6A~6Cは、様々な実施形態による、力装置100内で実装され得る一連のトラック112及び質量体110の異なる構成を例示する。図6Aに示されるように、特定の軸に沿って単発的、周期的、及び/または連続的な擬似力を生成するために、1つまたは複数の質量体110が並行のトラック112上に配置され得る。非限定的に例えば、図6Aに示される力装置100に対応付けられた質量体110のうちの1つまたは複数は、ユーザに対し連続的擬似力を加えるために、順次に非対称的に加速され得る。
【0043】
あるいは、質量体110が移動するトラック112のうちの1つまたは複数は、力装置100が軸外力を生成できるように、互いに分岐し得る。非限定的に例えば、図6Bに示されるように、力装置100は、トラック112の第2セットに対し直角に交わるトラック112の第1セットを含み、これによりトラック112の第1セット及びトラック112の第2セットにより定義される平面内のいかなる方向にでも軸外力(例えば単発的、周期的、及び/または連続的な力)を生成することが可能となる。より具体的に、第1トラック112に沿って擬似力が生成され得るのと同時に第2直交トラック112に沿って擬似力を生成するため、力の方向及び大きさは、第1トラック112及び第2トラック112から軸外の合力を生成する。
【0044】
別の非限定的実施例において、力装置100は、トラック112の第1セットと、トラック112の第2セットと、トラック112の第3セットとを含み、トラック112の各セットは、トラック112の他の2つのセットに対し直角に交わる。このような実施形態において、軸外力は、3つの並進及び3つの回転を含む6つの自由度(DoF)で生成され得る。より具体的に、各トラック112が他の2つのトラックに直角に交わる3つの異なるトラック112に沿って同時に擬似力が生成され得るため、力の方向及び大きさは、第1トラック112、第2トラック112、及び第3トラック112から軸外の合力を生成する。従って、このような実施形態において、力装置100の向きに関係なく、いかなる方向にでも、軸外力(例えば単発的、周期的、及び/または連続的な力)は生成され得る。
【0045】
このような軸外力は、より具体的な方向(例えば南東(SE)方向、北北西(NNW)方向等)に進むようユーザに指示するため、ユーザに対して特定の方向に配置された物体にユーザの興味を向けるため、特定の方向に傾いているユーザの姿勢を正すため、及び/またはユーザの体の部分を特定の方向に押すまたは引く行為もしくは体験を刺激するために、力装置100により生成され得る。
【0046】
図7A、7Bは、様々な実施形態による、図6A~6Cの力装置100がユーザ上の異なる部位で装着され得る方法を例示する。力装置100の様々な態様が、頭部装着型力装置100(例えば図1A~1C及び図4に示される頭部装着型力装置100)と合わせて本明細書において説明されるが、本明細書において提供される説明及び技術は、ユーザ上の他の部位に配置される他の種類の力装置100にも適用可能である。非限定的に例えば、図7Aに示されるように、本明細書において説明される任意の種類の力装置100(例えば1つのDoF、2つのDoF、または3つのDoFを有する力装置100等)は、ユーザの上胴部に力を加える肩部装着型装置であり得る。より具体的に、1つまたは複数の力装置100は、ユーザの1つの肩または両肩に連結され、これにより単発的、周期的、及び/または連続的擬似力(例えば直線力、回転力等)をユーザの肩に加えることが可能となる。別の実施形態において、本明細書において説明される擬似力のうちのいずれかをユーザの下半身に加えるために、1つまたは複数の力装置100はユーザの下半身(例えば腰及び/または脚)に連結され得る。
【0047】
さらに、図7Bに示されるように、力装置100は、1対のヘッドフォン710等、別の種類の装置に連結され得る。さらに別の実施形態において、ユーザの手、腕、または他の体の部分に力を加えるために、力装置100は、衣類、宝飾品、アームバンド、他の種類の装着物、ハンドヘルド装置、ポケットサイズ装置等に統合され得る。非限定的に例えば、力装置100は腕時計(例えばスマートウォッチ)及び/または腕時計のバンドに統合され、これによりユーザの手首に擬似力を加えることが可能となる。別の非限定的実施例において、力装置100はスマートフォンに統合され、これによりスマートフォンは、ユーザが交差点に近づいていることを感知し、これに応じて交差点で左折または右折するようユーザに指示するためにスマートフォンの左側または右側に向けて擬似力を作り出す。
【0048】
さらに、複数の力装置100は、複数の方向に力を加えるために、お互い共同に作動され、これにより完全な範囲の力方向を達成することが可能となる。非限定的に例えば、第1力装置100は第1体部分に対しx軸に沿って力を提供し、一方第2力装置100は第2体部分に対しy軸に沿って力を加える。さらに、複数の力装置100は、同じ軸(複数可)に沿って実施された場合でも、指示、警告、または通知の重要度を示すために使用され得る。非限定的に例えば、肩パッドに統合された力装置100はユーザの肩に対し非常に小さい力通知を加え、頭部装着装置に統合された力装置100はユーザの頭に対しより大きい力通知を加え、そして両力装置100は通知が重要である時に力を加え得る。
【0049】
図8A~8Dは、様々な実施形態による、力装置100を介してユーザにナビゲーション指示を提供する技術を例示する。前述のように、力装置100は、力装置100の位置及び/もしくは向きを記録する、ならびに/または周囲環境の様々な態様を記録することが可能な1つまたは複数のセンサを含み得る。いくつかの実施形態において、センサはナビゲーション目的で使用され得る。非限定的に例えば、ウォーキングまたはジョギングをしているユーザはスマートフォンでナビゲーションアプリケーションを実行し、スマートフォンは力装置100と組み合わされ得る。従って、視覚及び/または聴覚ナビゲーション指示でユーザを邪魔するのではなく、力装置100は、ユーザが特定の通りに曲がって入る必要がある時に、擬似力(例えば左直線/回転力、及び右直線/回転力)を加え得る。
【0050】
非限定的に例えば、図8Bに示されるように、力装置100はユーザの位置を監視し、ユーザが右に曲がる必要がある時に、力装置100はユーザの頭を右へそっと押す右直線力を生成し得る。さらに、図8Cに示されるように、ユーザが曲がる過程にあると、センサ(複数可)は、ユーザの位置と向きの変化を検出し、好適な方向の力を加えるために質量体110を再配置し、それからユーザを正しい方向へ向かわせ続けるために1つまたは複数の質量体110を非対称的に加速させ得る。それから、図8Dに示されるように、正しい通りに曲がって入った後、力装置100は、質量体110を加速させることを止め、任意で質量体110を中立位置に戻し得る。さらに、ユーザが自身の目的地に到着すると、力装置100は、ユーザが自身の目的地に到着したことを示す特定の力パターンを生成し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、前述のような様々な種類の力装置100は、周囲環境内の可能性のある危険を特定し、ユーザに可能性のある危険を知らせる警告を発するシステム等、安全装置に統合され得る。このような実施形態において、力装置100は、センサを介してユーザの環境を分析し、可能性のある危険を検出し得る。それから、力装置100が危険な状況を検出すると、力装置100は、車道から出る車等の危険な状況にユーザが頭を向けるように、力を印加し得る。
【0052】
別の非限定的実施例において、力装置100は、ユーザの周りの360度のパノラマを取り込む頭部装着型周囲(例えば半球状)撮像素子、またはユーザを囲む環境に対応付けられた情報を取り込むその他のセンサに、統合され得る。非限定的に例えば、撮像素子またはセンサは、ユーザの後ろに位置する木の中の鳥を特定し得る。力装置100はそれから、ユーザ、すなわち熱心な野鳥観察者は視線を上そして右へ向けるべきことを指示するために、ユーザに対し力(例えば3つの直線DoFを有する力装置100を介して上そして右方向の力)を加え得る。
【0053】
さらに別の非限定的実施例において、力装置100は、拡張現実(AR)頭部装着型装置(HMD)に統合され得る。ユーザが通りを歩いて力装置100を操作すると、HMDは、周囲環境内の物体に対応付けられた様々なAR情報を表示し得る。それから、AR情報に対応付けられた物体がユーザの視野外にある場合、力装置100は、ユーザの注意を物体に向けるために力を加え得る。非限定的に例えば、力装置100はGNSSセンサを含み、当該GNSSセンサは、ユーザが、3階に注目すべき部屋がある集合住宅の横を通っていることを判断する。これに応じて、力装置100は、部屋に対応付けられたAR情報がユーザに提供され得るように、部屋に視線を向けるようユーザに指示する力を加え得る。
【0054】
さらに別の非限定的実施例において、ユーザがよろめく、または平衡を失った時を検出するために、力装置100はジャイロセンサ、加速度計、及び/または撮像素子を含み得る。このような状況において、ユーザが倒れるのを防ぐこと、及び/またはユーザの平衡を正すことを試みるために、力装置100は、ユーザの頭または体に1つまたは複数の力を加え得る。非限定的に例えば、力装置100に含まれる1つまたは複数のセンサは、ユーザの姿勢が閾値範囲(例えば角度範囲)から外れていることを検出し得る。これに応じて、力装置100は、ユーザの姿勢が閾値範囲内に戻るまでユーザの姿勢に影響を及ぼすように、1つまたは複数の力を加え得る。さらに、ユーザが照明柱または消火栓等の物体にぶつかりそうなことを、1つまたは複数のセンサを介して力装置100が検出すると、ユーザの頭または体に力が加えられ得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、力装置100は、ユーザにより行われる、一般に常同症と称される無意識の体動作に対し、警告を提供し得る。常同行動は、体を揺すること、自分を撫でること、足を組むこと/組み外すこと、及びその場で行進すること等、反復動作、姿勢、または発話を含み得る。従って、このような動作を検出し、当該動作をユーザに気付かせるよう力を加えるために、ジャイロセンサ、加速度計、撮像素子等が実行され得る。さらに、力装置100は、ユーザが無効にしたいユーザの頭または体のわずかな動作を相殺する力を加え得る。このような実施形態において、不要な体動作パターンを無効にするために、力装置100は、無意識の体動作パターンを認識し、実質的に同じ大きさであるが反対の位相/方向の力パターンを生成し得る。
【0056】
図9は、様々な実施形態による、ユーザに情報を伝達するためにユーザに対し力を加える方法手順のフロー図である。方法手順は図1~8Dのシステムと合わせて説明されるが、方法順序を任意の順序で行うように構成される任意のシステムは様々な実施形態の範囲に入ることが、当業者には理解されよう。
【0057】
示されるように、方法900は、力制御アプリケーション232が力イベントを受信または生成し、直線力もしくは回転力等の力の方向及び/または力の大きさを決定するために力イベントを処理するステップ910から始まる。前述のように、ユーザに対し命令、警告、通知等を提供するために、様々な種類及び大きさの力が生成され得る。いくつかの実施形態において、力イベントにより示される力の方向はユーザへの相対方向を含み得る、あるいは力の方向は絶対方向(例えば地理的方位に基づく)を含み得る。
【0058】
ステップ920において、力制御アプリケーション232は、力装置100の向き及び/または位置(例えば相対座標もしくは絶対座標)を特定するために、センサデータを分析する。様々な実施形態において、力装置100の向き及び/または位置は、力イベントにより指定される方向及び/もしくは大きさの力を生成するために、どのように質量体110(複数可)が配置されるべきか、ならびに/またはどの方向及び距離に質量体110(複数可)が加速されるべきかを指示し得る。非限定的に例えば、ステップ920において、力制御アプリケーション232は、1つまたは複数の質量体110のそれぞれが非対称的に加速及び減速されるべき距離間の開始位置及び終了位置を決定し得る。さらに、力装置100が複数の質量体110を含む場合、力装置100の向き及び/または位置は、力イベントにより指定される方向及び/または大きさの力(例えば連続的な力)を生成するために、どの質量体110が選択され加速されるべきかを指示し得る。従って、ステップ930において、力制御アプリケーション232は、力イベントにより指示される力の方向、力イベントにより指示される力の大きさ、力装置100の向き、及び/または力装置100の位置に基づいて、1つまたは複数の質量体110を任意で選択及び/または再配置する。
【0059】
次に、ステップ940において、力制御アプリケーション232は、目標の向きまたは位置が力イベントにより指定されているか否かを判定する。いくつかの実施形態において、目標の向きは、ユーザの姿勢、頭の向き、体の向き等に対応付けられた閾値範囲(例えば角度範囲または距離範囲)を含み得る。さらに、いくつかの実施形態において、目標位置は、GPS座標を含み得る。目標の向きまたは目標の位置が力イベントにより指定されない場合、方法900は、ステップ945へ進む。ステップ945では、力イベントに従って単発的、周期的、及び/または連続的擬似力がユーザに加えられるよう、力制御アプリケーション232が、アクチュエータ114に1つまたは複数の質量体110を非対称的に加速させる1つまたは複数のアクチュエータ制御信号を生成する。方法900はその後、力制御アプリケーション232が追加力イベントを受信または生成するために待機するステップ910に戻る。
【0060】
しかしながら、ステップ940において、目標の向きまたは目標位置が力イベントにより指定される場合、方法900は、ステップ950へ進む。ステップ950では、力イベントに従って単発的、周期的、及び/または連続的擬似力がユーザに加えられるよう、力制御アプリケーション232が、アクチュエータ114に1つまたは複数の質量体110を加速させる1つまたは複数のアクチュエータ制御信号を生成する。それから、ステップ960において、力制御アプリケーション232は、力装置100の向き及び/または位置を検出するために、センサデータを分析する。ステップ970において、力制御アプリケーション232は、力装置100が目標の向き及び/または目標位置にいるか否かを判定することで、ユーザが擬似力(複数可)に従い及び/または適切に対応したか否かを判断する。
【0061】
ステップ970において、力装置100が目標の向き及び/または目標位置にいないと力制御アプリケーション232が判定すると、方法900は、ステップ980に進む。ステップ980では、力制御アプリケーション232が再び、力イベントにより指示される力の方向、力イベントにより指示される力の大きさ、力装置100の向き、及び/または力装置100の位置に基づいて、1つまたは複数の質量体110を任意で選択及び/または再配置する。それから、方法900は、ユーザに1つまたは複数の追加力を加えるために、アクチュエータ114(複数可)に質量体110(複数可)を非対称的に加速させる1つまたは複数のアクチュエータ制御信号を力制御アプリケーション232が生成するステップ950に戻る。
【0062】
しかしながら、ステップ970において、力装置100が目標の向き及び/または目標の位置にいると力制御アプリケーション232が判定すると、方法900は、力制御アプリケーション232が追加力イベントを受信または生成するために待機するステップ910に戻る。
【0063】
つまり、力制御アプリケーションは、力の方向及び/または力の大きさを示す力イベントを受信または生成する。力制御アプリケーションはそれから、センサデータに基づいて、力装置の向き及び/または位置を特定する。力制御はさらに、力イベントならびに力装置の向き及び/または位置に基づいて、ユーザに対して加える力を決定する。次に力制御アプリケーションは、ユーザに対し1つまたは複数の擬似力を加えるために、任意に1つまたは複数の質量体110を再配置し、かつ質量体110(複数可)を非対称的に加速させる1つまたは複数のアクチュエータ制御信号を生成する。
【0064】
本明細書において説明される技術の少なくとも1つの利点は、非視覚及び非聴覚情報をユーザに提供できることであり、これによりユーザの視覚及び/または聴覚チャネルが情報で圧倒されることは防がれる。従って、ユーザは、本明細書において説明される技術を介して指示、警告、及び通知を受信し、また潜在的に危険な状況を作り出すことなく、ユーザの視覚及び/または聴覚チャネルを介して他の種類の情報を同時に受信することができる。さらに、異なる質量体が非対称的に加速される位相をオフセットすることにより、ユーザに対し連続的に擬似力が加えられ得る。
【0065】
様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、開示される実施形態に包括的または限定的である意図はない。説明される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、数多くの変更及び変形が、当業者には明らかであろう。
【0066】
本実施形態の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。従って、本開示の態様は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または本明細書において全て「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と一般に称され得るソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形を取り得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが取り込まれた1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。
【0067】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが使用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、機器、もしくは装置、または前述の任意の好適な組み合わせであり得るが、これに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実施例(非包括的一覧)は、1つまたは複数の有線を有する電子接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読出専用メモリ(CD‐ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、または前述の任意の好適な組み合わせ、以上を含み得る。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、もしくは装置により使用される、またはこれと接続するプログラムを包含もしくは記憶可能な任意の有形媒体であり得る。
【0068】
本開示の実施形態による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図解及び/またはブロック図を参照して、本開示の態様が前述される。フローチャート図解及び/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図解及び/またはブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令により実施可能であることは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを生じる他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供される。その結果、当該命令は、当該コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサを介して実行され、これによりフローチャート及び/またはブロック図のブロック(複数可)に指定される機能/行為の実施が可能となり得る。このようなプロセッサは、非限定的に、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特定用途向けプロセッサ、またはフィールドプログラマブルプロセッサもしくはゲートアレイであり得る。
【0069】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示する。その際、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定される論理機能(複数可)を実行するための1つまたは複数の実行可能命令を備えるモジュール、セグメント、またはコード部分を表し得る。いくつかの代替実施態様において、ブロックに記される機能は、図に記される順番外でも起こり得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実は、実質的に同時に実行され得る、あるいは、関与する機能によってブロックは時に逆の順序で実行され得る。ブロック図及び/またはフローチャート図解の各ブロック、ならびにブロック図及び/またはフローチャート図解内のブロックの組み合わせは、指定される機能もしくは行為、または専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムにより実行され得ることにも留意されたい。
【0070】
前述は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他及びさらなる実施形態は、その基本範囲から逸脱することなく考案可能であり、その範囲は以下の特許請求の範囲により特定される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9